JP2009157167A - 帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009157167A
JP2009157167A JP2007336257A JP2007336257A JP2009157167A JP 2009157167 A JP2009157167 A JP 2009157167A JP 2007336257 A JP2007336257 A JP 2007336257A JP 2007336257 A JP2007336257 A JP 2007336257A JP 2009157167 A JP2009157167 A JP 2009157167A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
adhesive
shaped member
roller
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007336257A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kamimura
欣浩 上村
Akihito Aoi
昭人 青井
Masaru Shimonosono
賢 下之薗
Koichi Takahashi
幸一 高橋
Junji Shimoda
純二 下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007336257A priority Critical patent/JP2009157167A/ja
Publication of JP2009157167A publication Critical patent/JP2009157167A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】帯状部材付きベルトにおいて、帯状部材を貼り付ける接着剤として弾性接着剤であっても長時間養生せずに帯状部材の貼り付け真直度を確保しつつ、必要な強度を備えている帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】ローラからの動力を伝達するベルト本体1と、ベルト本体1の内面端部に設けた帯状部材2と、ベルト本体1と帯状部材2とを接着する仮固定用接着剤3aと本固定用接着剤3bとを備え、仮固定用接着剤3aはベルトの端部側に一周に塗布され、仮固定用接着剤3aが塗布された位置より内側に、本固定用接着剤3bが一周塗布されている。
【選択図】図2

Description

本発明は複写機、プリンター等の画像形成装置に使用する、蛇行防止用の帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置に関するものである。
従来、複写機、プリンター等の画像形成装置には紙搬送ベルトや、中間転写ベルトといったシームレスベルトが使用されている。近年のカラー画像形成装置においては用紙をシームレスベルトに担持して複数の画像形成ユニットの転写部を通過させたり、複数のトナーを一旦シームレスベルトに一次転写させた後用紙に転写したりしてカラー画像を作り出している。また近年は対応する用紙サイズがA4からA3へと大型化し、さらに印刷スピードも高速化が進んでいる。
このようなベルトを使用した画像形成装置においては、ベルトの左右の周長差や、ベルトを張架支持する複数の支持ロールの平行度により、動作時においてはベルトの蛇行が発生する。このためベルトへの一次転写の位置や担持した用紙の位置がずれてしまい、色ずれの原因となってしまう。
従来よりこの蛇行防止用として、(特許文献1)に示すようにベルトの両端部には蛇行防止用帯状部材が取り付けられている。ベルトに帯状部材を取り付けるには、(特許文献2)に示すように種々の両面テープや弾性接着剤が用いられている。また(特許文献3)に示すように紫外線後硬化粘着部材を用いるものもある。
特開2002−278361号公報 特開2004−53629号公報 特開2002−189342号公報
しかしながら両面テープでは貼り付け直後の接着力は確保されるが、長時間使用すると剥がれたり、帯状部材の位置がズレたりすることがある。特に近年の用紙サイズの大型化によるベルト周長の増大、また印刷スピードの高速化によって帯状部材にかかる負荷はますます大きくなり、両面テープの接着強度では必要なスペックを満足させることが難しい。一方弾性接着剤では長時間の使用やベルトの大型化、高速化でも必要な接着強度を確保することができるが、初期接着力が弱く接着剤の硬化に時間がかかり、貼り付け後は帯状部材の貼り付け直後の位置を保持するために長時間養生させる必要があった。また紫外線後硬化粘着部材により、養生しなくとも帯状部材を接着させる方法も提案されているが、帯状部材の紫外線照射による劣化が懸念される。さらに人体への影響を避けるため、製造装置にも種々の紫外線対策が必要となる。
本発明はこれらの問題を解決するものであり、弾性接着剤であっても長時間養生せずに帯状部材の貼り付け真直度を確保しつつ、必要な強度を備えている帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置を提供するものである。
上記従来の問題を解決するために、本発明は、ローラからの動力を伝達するベルトと、前記ベルトの内面端部に設けた帯状部材と、前記ベルトと前記帯状部材とを接着する接着剤とを備え、前記接着剤は前記ベルトの端部側一周に塗布され、前記接着剤が塗布された位置より内側に一周塗布されることを特徴とする。
本発明によれば長時間養生をしなくても、帯状部材の貼り付け真直度を確保しつつ、必要な接着強度を有する帯状部材付きベルトを製造することができる。
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ローラからの動力を伝達するベルトと、ベルトの内面端部に設けた帯状部材と、ベルトと帯状部材とを接着する接着剤とを備え、接着剤はベルトの端部側に一周に塗布され、所定時間の後、接着剤が塗布された位置より内側に一周塗布されることを特徴としている。これにより帯状部材貼り付け時においては、端部側に塗布された接着剤の硬化が進んでいるために初期接着力が増し、貼り付け直後においても帯状部材の真直度を確保することができる。さらに内側に塗布された接着剤は、帯状部材貼り付け時においては、まだ接着剤の硬化が進んでいないために接着剤の濡れ性が良く、帯状部材表面と十分に接合し、長期にわたる接着強度を確保することが可能となる。
本発明の請求項2に記載の発明によれば、ローラからの動力を伝達するベルトと、ベルトの内面端部に設けた帯状部材と、ベルトと帯状部材とを接着する接着剤とを備え、接着剤はベルトの端部側に一周に塗布されており、さらに接着剤が塗布された位置より内側に接着剤が一周塗布され、内側に塗布された接着剤の塗布量が、端部側に塗布された接着剤の塗布量より多いことを特徴としている。これによりローラ端面に当接し、より強い力のかかる帯状部材の内側の方の接着強度が高くなり、帯状部材のズレを防止することが可能となる。
本発明の請求項3に記載の発明によれば、ローラからの動力を伝達するベルトと、ベルトの内面端部に設けた帯状部材と、ベルトと帯状部材とを接着する第1の接着剤及び第2の接着剤とを備え、第1の接着剤は第2の接着剤より初期接着力が強く、第2の接着剤は第1の接着剤より長期にわたって接着力が強い接着剤であり、第1の接着剤及び第2の接着剤はベルトの端部側に一周塗布され、第1の接着剤は第2の接着剤より端部側にあること特徴としている。これにより第1の接着剤で貼り付け直後においても帯状部材の真直度を確保し、第2の接着剤によって長期にわたる接着強度を確保することが可能となる。
本発明の請求項4の記載の発明によれば、請求項3記載のベルトにおいて、第2の接着剤の塗布量が第1の接着剤の塗布量より多いことを特徴としている。これによりローラ端面に当接して、より強い力のかかる帯状部材の内側の方の接着強度がさらに高くなり、帯状部材のズレを防止することが可能となる。
本発明の請求項5の記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯状部材付きベルトを備えている画像形成装置を得ることができる。これにより帯状部材付きベルトを製造後、直ちに画像形成装置に組み込むことが可能となる。
本発明の請求項6の記載の発明によれば、ローラからの動力を伝達するベルトの内面端部側に接着剤を塗布し、塗布した接着剤より内側に接着剤を一周塗布し、帯状部材を貼り付ける帯状部材付きベルトを製造することができる。これにより帯状部材貼り付け直後においても帯状部材の真直度を確保し、さらに長期にわたる接着強度も確保した帯状部材付きベルトを製造することが可能となる。
本発明の請求項7に記載の発明によれば、ローラからの動力を伝達するベルトの内面端部側に初期接着力の強い第1の接着剤を一周塗布し、第1の接着剤より内側に長期にわたって接着力が強い第2の接着剤を一周塗布し、帯状部材を貼り付ける帯状部材付きベルトを製造することができる。これにより第1の接着剤で貼り付け直後においても帯状部材の真直度を確保し、第2の接着剤によって長期にわたる接着強度を確保した帯状部材付きベルトを製造することが可能となる。
(実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態について述べる。
まず今回の発明に至った帯状部材付きベルトの構成について図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように本発明のベルトは、ベルト本体1、帯状部材2、仮固定用接着剤3a、本固定用接着剤3bで構成されている。帯状部材2はベルト本体1の内面に、幅方向の少なくとも片側の側縁に沿って、仮固定用接着剤3a、本固定用接着剤3bにより固着されている。
ベルト本体1はつなぎ目がない、概リング形状である。材料としてはポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂等が用いられている。またベルト本体の大きさは用途、機能に応じて適宜選択されるが、ベルト周長で250mm〜1000mm程度、ベルト幅で200mm〜350mm程度である。またベルト本体の厚さは0.02mm〜0.2mm程度である。
帯状部材2の形状は用途、機能に応じて適宜選択されるが、蛇行防止の観点から概矩形の断面形状である場合が多い。また材料は一般にウレタンゴムや、シリコンゴムが用いられている。帯状部材の大きさは用途、機能に応じて適宜選択されるが、長さはベルト周長とほぼ同じ250mm〜1000mm程度である。また蛇行防止効果、耐久性の面から、一般に幅は3mm〜10mm程度、厚みは1mm〜8mm程度、硬度は60°〜90°程度である。
帯状部材の構造は単一材質だけでなく、異種材料、異種硬度の組み合わせでもよい。また接着剤とのアンカー効果を高めるために、帯状部材表面にサンドブラストや研磨、化学処理等により凹凸を付けてもよい。
仮固定用接着剤3aは帯状部材貼り付け時において初期接着力が高い接着剤であって、主として帯状部材の貼り付け直後の仮固定を目的としている。また本固定用接着剤3bは主としてベルトの蛇行を防止するため、長期にわたって帯状部材を固定することを目的としている。
このため本固定用接着剤3bは、長期にわたって帯状部材の横ズレを防止する接着力を有する必要があるため、弾性接着剤を使用することが好ましい。具体的には変性シリコーン系接着剤や、エポキシ変性シリコーン系接着剤を挙げることができる。
一方仮固定用接着剤3aは、ベルトの駆動で帯状部材に負荷がかかった際の横ズレを防止するほどの接着力は有していなくとも、負荷がかからなければ帯状部材が動かない程度の初期接着力を有すればよい。具体的な方法は接着剤によって異なるが、例えば仮固定用接着剤3aを塗布し、所定時間の後、本固定用接着剤3bを塗布したり、仮固定用接着剤3aを塗布した後に接着剤を加熱したりする方法がある。また仮固定用接着剤3aは、帯状部材貼り付け時に初期接着力が高ければよいため、弾性接着剤でなくても瞬間接着剤やホットメルト系接着剤を用いてもよい。これにより帯状部材の貼り付け直後においても帯状部材の真直度を確保することができ、長期の養生も不要となる。
さらに帯状部材にはベルトの幅方向に対して内側より外側に向けて力が加わるため、図2に示すように接着剤の塗布位置は仮固定用接着剤3aをベルト端面の近い側に、本固定用接着剤3bを仮固定用接着剤よりも内側に塗布することが好ましい。さらに仮固定用接着剤3aは、負荷がない状態で帯状部材を仮固定できれば目的を達成することができるため、本固定用接着剤3bに対し少量の塗布が好ましい。これによりローラ端面に当接し、より強い力のかかる帯状部材の内側の方の接着強度が高くなり、帯状部材のズレを防止することが可能となる。
次に本発明の帯状部材付きベルトを製造する製造装置について説明する。図3は製造装置の要部斜視図である。この製造装置の構成はベルト保持部10、接着剤塗布部20、帯状部材貼り付け部30からなる。
ベルト保持部10はベルト懸架ローラ11、12を有する。ローラは軸11a、11b及び12a,12bを両端支持しているが、ローラにベルト本体が架けられるように、ベルト本体取り付け時には11a、12aの支持が外れて片持ち支持となる。またローラ回転時にベルト本体の蛇行が発生しないように、ローラ11、12は回転軸が平行になるように調整している。本ベルト保持部は、ベルト懸架ローラ11に取り付けたモータ(図示せず)によりベルト本体を回転させることができる。また従動側のベルト懸架ローラ12は、ベルト懸架ローラ11に対しZ軸方向に平行に移動することができる。このためベルト本体の取り付け時には、ローラ12をローラ11に近づく側(プラスZ軸方向)に寄せることで容易に取り付けが可能となる。またベルト本体の取り付け後は、ローラの自重及びバネやエアシリンダー等(図示せず)によりローラ12がロ−ラ11から離れる方向(マイナスZ軸方向)に動かすことで、ベルト本体に一定のテンションをかけながら回転させることができる。さらにローラ11、12には、ベルト本体の内面に貼り付けられた帯状部材がローラ外周面と接触しないように溝11c、11d及び12c、12dが設けられている。
接着剤塗布部20は接着剤21、ニードル22、ディスペンサー(図示せず)によって構成されている。ディスペンサーは空圧を微妙にコントロールして接着剤を加圧し、精密な量がニードル22から吐出される。接着剤21の供給形態はチューブ、カートリッジ、シリンジ等どのような形態でも可能である。接着剤塗布部20はベルト本体の内面(X方向)に向かって駆動可能であり、ベルト本体をベルト保持部10に取り付け後、接着剤塗布部20をベルト本体の内面に向かって駆動させ所定の位置で停止させる。接着剤はベルト本体を回転させながら吐出され、ベルト本体の内面に塗布される。
帯状部材貼り付け部30の詳細図を図4に示す。帯状部材貼り付け部30は帯状部材貼り付けローラ31、帯状部材送りローラ32、33、帯状部材押し当てローラ34からなる。帯状部材はプラスY方向に向かって、帯状部材送りローラ32、33で帯状部材貼り付けローラ31に対して送り出される。帯状部材貼り付けローラ31には、帯状部材の先端を真空吸着するための穴31a及び帯状部材のX方向の位置を規制するためのガイド31bがローラの外周に設けられている。帯状部材貼り付け部30はベルト本体の内面(X方向)に向かって駆動可能であり、さらにY方向にも移動可能である。そして帯状部材の先端を穴31aで吸着した状態で、帯状部材貼り付け部30を、接着剤を塗布したベルト本体の内面に向かって駆動させ、さらにプラスY方向に移動させる。この際帯状部材押し当てローラ34もマイナスY方向に移動させ、帯状部材は接着剤を塗布したベルト本体に押し付けられる。そして帯状部材の吸着を止め、ベルト本体の回転と共に帯状部材を送り、両者を貼り付ける。
帯状部材貼り付け後、ベルト本体は移載機(図示せず)によって、図5に示すキュア炉40へ送られる。
加熱温度は使用するベルト本体、帯状部材、接着剤の耐熱性で異なるが、40℃〜100℃程度である。また加熱方式もベルト本体等によって異なるが、例えば熱風や遠赤外線によって行われる。また加熱方法もベルト本体や加熱温度等によって異なるが、急激な温度変化を避けるため、温度の異なるキュア炉に順次入れたり、キュア炉の温度を段階的に上げたりしてもよい。また加熱時間もベルト本体や加熱温度、養生の有無等によって異なるが、例えば3〜30分程度である。
次に帯状部材付きベルトの製造工程について説明する。図6は帯状部材付きベルトの製造工程を示すフローチャートである。まず図3に示すように、ベルト本体1をベルト懸架ローラ11、12に取り付ける。この際接着剤塗布部20及び帯状部材貼り付け部30はベルト本体取り付けの邪魔にならない位置まで退避している。そしてローラ12をマイナスZ方向に移動させ、ベルト本体に一定のテンションを加える(S1)。
ベルト本体取り付け後、図3に示す接着剤塗布部20をベルト本体の内面方向(プラスX方向)に駆動させる。そしてベルト本体を回転させながら接着剤を吐出させ、ベルト本体の内面に概一周にわたり仮固定用接着剤3aを塗布する(S2)。
仮固定用接着剤3a塗布後、使用する接着剤に応じて一定時間放置する(S3)。これにより接着剤の初期接着強度が上昇する。放置時間は接着剤によって異なるが、数秒〜数分である。例えば変性シリコーン系接着剤のセメダイン株式会社製スーパーXGでは10秒〜2分程度である。また接着剤の種類によってはさらに仮固定用接着剤3aを加熱することで、短時間に初期接着強度を上昇させることができる。また仮固定用接着剤3aと本固定用接着剤3bの種類が異なる場合には、この放置時間中に接着剤の切替を行う。
一定時間放置後、再度ベルト本体を回転させながら接着剤を吐出させ、先の仮固定用接着剤3aと同様にベルト本体の内面に概一周にわたり本固定用接着剤3bを塗布する(S4)。本固定用接着剤3bの塗布位置は、仮固定用接着剤3aよりさらに内側(図3のプラスX方向)に塗布することが望ましい。また本固定用接着剤3bの塗布量は、帯状部材貼り付け時にはみ出さない程度であって、仮固定用接着剤3aより多い方が望ましい。
この間図4に示すように、帯状部材2は帯状部材送りローラ32、33で帯状部材貼り付けローラ31に向かって送り出される。この状態では穴31aはプラスZ軸方向を向いている。そして穴31aより帯状部材の先端を吸着し、帯状部材貼り付けローラ31を約90度回転させ(図4の状態)待機する(S5)。
帯状部材の待機動作完了後、帯状部材貼り付け部30をベルト本体の内面方向(プラスX方向)に駆動させる。所定の貼り付けX位置に移動した後、さらにプラスY方向に移動させる。この際帯状部材押し当てローラ34もマイナスY方向に移動させ、帯状部材は接着剤を塗布したベルト本体に一定の隙間で押し付けられる。帯状部材貼り付け部30と帯状部材押し当てローラ34のY方向への移動は、ベルト本体に負荷を与えないようにするため、同スピードで移動し、同時に移動完了することが望ましい。その後帯状部材の吸着を止め、ベルト本体を回転させると共に帯状部材の送りを開始させる。帯状部材の貼り付けズレが発生しないようにするためには、ベルト本体の回転と帯状部材の送りの開始時期は同時であって、同一のスピードで送ることが理想であるが、キュア炉での熱膨張を考慮して両者に差を設ける場合もある。例えばベルト本体にポリイミド、帯状部材にシリコンゴムを選択した場合には一般にシリコンゴムの方が熱膨張係数が大きいため、本硬化用接着剤3bの硬化が始まる前に帯状部材が伸びてしまい、ベルトの走行に対する帯状部材の真直度が悪化することがある。このような場合はベルト回転に対する帯状部材の送り開始時期を遅らせたり、送りスピードを遅らせたりして、シリコンゴムをベルトに対し伸ばし気味に貼り付けておけば、キュア炉での加熱による帯状部材の伸びを抑えることができる(S6)。
帯状部材貼り付け後、ベルト本体は移載機によって、図5に示すキュア炉40へ送られる。ベルト本体をベルト懸架ローラ11、12から取り外す場合は、帯状部材がローラの溝11c、11d及び12c、12dに触れないようにするため、ベルトを広げながら取り外す必要があるが、帯状部材は仮固定用接着剤3aにより仮固定されており、ベルト本体の移載時に帯状部材の真直度を悪化させることはない(S7)。
キュア炉に送られたベルト本体は、帯状部材に触れないように配置されたハンガー41に吊り下げられたまま、所定温度にて所定時間放置される。加熱はベルト本体にかかる温度を段階的に上げてもよい。この場合は複数の異なる温度の炉に順に投入してもよいし、1つの炉の温度を段階的に変化させたりしてもよい(S8)。
上記作成した帯状部材付きベルトを複写機、プリンター等の画像形成装置に用いる場合、特に紙搬送ベルトや、中間転写ベルトに用いる場合、使用するベルトはシームレスベルトであることが望ましい。
帯状部材付きベルトは以下の基準により評価を行った。
ベルト走行に対する真直度は社内製の測定機50で測定した。図7に測定機の概要図を示す。測定端子51は円筒部分が自転可能でかつX方向に移動可能であり、測定端子のそれぞれが弾性体により互いに離れる方向に力を受けている。測定は帯状部材の内側側面に測定端子51を当てながらベルト本体を回転させ、測定端子のX方向の振れを確認した。判定は以下の条件で行った。
○:振れ0.3mm以下
×:振れ0.3mmより大
帯状部材付きベルトをシート状(20mm×100mm)に切り抜いた後、帯状部材とベルト本体を一部引き剥がしておき、引き剥がした帯状部材とベルト本体とを引張試験機でクランプして、一定速度で引っ張りながら互いを剥離させて接着強度を測定した。測定機、引っ張りスピード、判定は以下の条件で行った。
測定機:アイコーエンジニアリング株式会社 MODEL−1308H
引っ張りスピード:14mm/min
○:完全に剥離するまで引っ張り続けたときの最小値が1.3N以上
×:完全に剥離するまで引っ張り続けたときの最小値が1.3N未満
耐久試験は社内製の耐久試験装置60で確認を行った。図8に耐久試験装置の概要図を示す。この試験機ではベルト本体の送りローラの片側の軸が、図の矢印方向に斜めに取り付けてあるため、ローラを回転させるとベルト本体がスキューし、帯状部材にローラの側面が当り負荷がかかる。この状態で動作させ、帯状部材が剥離するまでの時間を測定した。判定は以下の条件で行った。
○:150時間以上帯状部材が剥離せず
×:150時間未満で帯状部材が剥離
但し帯状部材が剥離する前にベルト本体が破断することがあるが、この場合は150時間以内であっても×とはせずに母数から除外した。
以下本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
(実施例1)
ベルト本体の材料としてポリイミドを使用した。ベルトの周長は985mm、幅は326mm、厚みは0.085mmであった。帯状部材は長さ983mm、幅は5mm、硬度70°と硬度90°の2層構造で、厚みはそれぞれ0.9mmと0.1mmであり、帯状部材のベルト本体との接着面は、研磨により凹凸が付いている。接着剤は変性シリコーン系接着剤として、セメダイン株式会社製スーパーXGを使用し、仮固定も本接着剤を用いた。接着剤塗布量はディスペンサーにより一定圧力を加え、ベルト本体の回転速度を変化させて調整を行った。仮固定用接着剤はベルトの速度を80mm/sで塗布し、本硬化用接着剤はベルトの速度を30mm/sで塗布した。また仮固定用接着剤はベルト端面から1mm内側部分に概ベルト一周分塗布し、本固定用接着剤はベルト端面から3mm内側に概ベルト一周分塗布した。仮固定用接着剤塗布後、本固定用接着剤塗布までの待機時間は10秒とした。帯状部材貼り付け後、4分待機させ、80℃に設定したキュア炉で12分放置した。キュア炉は熱風により加熱を行った。
(実施例2)
ベルト及び帯状部材は実施例1と同じタイプのものを使用した。接着剤は変性シリコーン系接着剤として、セメダイン株式会社製スーパーXを使用し、仮固定も本接着剤を用いた。仮固定用接着剤、本固定用接着剤の塗布時のベルト速度及び塗布位置は、実施例1と同条件で行った。また仮固定用接着剤塗布後、80℃の熱風にて1分間接着剤表面を加熱した。熱風源を固定し、ベルトを16.4mm/sの速度で回転させて仮固定用接着剤を均一に加熱し、終了後本硬化用接着剤を塗布した。帯状部材貼り付け後の待機時間、及びキュア炉の条件は実施例1と同条件とした。
(比較例1)
従来の帯状部材付きベルトの製造条件と同等の条件で接着を行った。ベルト本体及び帯状部材は実施例1と同じタイプのものを使用した。接着剤はセメダイン株式会社製スーパーXを使用し、仮固定用、本固定用と分けず、概ベルト一周分のみ塗布した。接着剤の量はベルトの速度を30mm/sとし、実施例1の仮固定用接着剤と本固定用接着剤の合計と同量になるようにディスペンサーの圧力を調整し、ベルト端面から2.5mm内側に塗布した。帯状部材貼り付け後はキュア炉に入れず、常温のまま5日間放置した。
(比較例2)
接着剤を仮固定用、本固定用と分けず、概ベルト一周分のみ塗布する以外は実施例1と同条件となるようにして製造した。このときの接着剤の量及び位置は比較例1と同条件とした。
(比較例3)
仮固定用接着剤はベルトの速度を30mm/sで、ベルト端面より2mm内側に塗布し、本硬化用接着剤はベルトの速度を80mm/sで、ベルト端面より4mm内側に塗布した。また仮固定用接着剤の量が増えた分、本固定用接着剤塗布までの待機時間を1分とした以外は実施例1と同条件で製造した。
(比較例4)
仮固定用接着剤はベルト端面から4mm内側に塗布し、本固定用接着剤はベルト端面から2mm内側に塗布した以外は実施例1と同条件で製造した。
実施例1,2及び比較例1〜4について各10本作成した。試験は帯状部材の貼り付け真直度について全数行い、その後帯状部材接着強度及び耐久試験について各5本ずつ行った。結果を(表1)に示す。
Figure 2009157167
本発明による製造装置において実施例1、2の条件で製造した帯状部材付きベルトは、従来条件である比較例1と同等の帯状部材の貼り付け真直度を満足することができた。さらに帯状部材の接着強度、耐久試験も良好であった。これにより本発明による製造装置で製造した帯状部材付きベルトは、常温で長期養生を行わなくても、キュア炉で加熱して短時間に要求スペックを満足できることが明らかになった。
一方比較例2で製造した帯状部材付きベルトは仮固定用接着剤、本固定用接着剤と分けずに塗布した以外は実施例1と同等の条件であったが、初期接着強度が不足していたことにより帯状部材がズレてしまった。また比較例3では仮固定用接着剤の量を増やし、本固定用接着剤の量を減らしたが初期接着強度は満足するものの、本来必要な接着強度が不足していた。さらに比較例4では仮固定用接着剤と本固定用接着剤の塗布位置を入れ替えたが、ベルトの内側に最終的な接着力が弱い仮固定用接着剤が塗布されているため耐久試験を満足させることができなかった。
本発明の帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置は、長期の養生を行うことなく帯状部材の貼り付け真直度及び接着強度を満足させることが可能となる点で、複写機、プリンター等の画像形成装置に使用する紙搬送ベルトや、中間転写ベルト等に有用である。
本発明の帯状部材付きベルトの斜視図 本発明の帯状部材付きベルトのA−A断面図 本発明の帯状部材付きベルト製造装置の概要図 本発明の帯状部材付きベルト製造装置の帯状部材貼り付け部の詳細図 本発明の帯状部材付きベルト製造装置のキュア炉の斜視図 本発明の帯状部材付きベルトの製造工程を示すフローチャート 帯状部材の貼り付け真直度測定機の斜視図 耐久試験機の斜視図
符号の説明
1 ベルト本体
2 帯状部材
3a 仮固定用接着剤
3b 本固定用接着剤
10 ベルト保持部
20 接着剤塗布部
30 帯状部材貼り付け部
31 帯状部材貼り付けローラ
34 帯状部材押し当てローラ
40 キュア炉
50 帯状部材の貼り付け真直度測定機
60 耐久試験装置

Claims (7)

  1. ローラからの動力を伝達するベルトと、
    前記ベルトの内面端部に設けた帯状部材と、
    前記ベルトと前記帯状部材とを接着する接着剤とを備え、
    前記接着剤は前記ベルトの端部側に一周に塗布され、所定時間の後、前記接着剤が塗布された位置より内側に一周塗布されることを特徴とする帯状部材付きベルト。
  2. ローラからの動力を伝達するベルトと、
    前記ベルトの内面端部に設けた帯状部材と、
    前記ベルトと前記帯状部材とを接着する接着剤とを備え、
    前記接着剤は前記ベルトの端部側に一周に塗布されており、さらに前記接着剤が塗布された位置より内側に前記接着剤が一周塗布され、
    内側に塗布された前記接着剤の塗布量が、端部側に塗布された前記接着剤の塗布量より多いことを特徴とする帯状部材付きベルト。
  3. ローラからの動力を伝達するベルトと、
    前記ベルトの内面端部に設けた帯状部材と、
    前記ベルトと前記帯状部材とを接着する第1の接着剤及び第2の接着剤とを備え、
    前記第1の接着剤は前記第2の接着剤より初期接着力が強く、前記第2の接着剤は前記第1の接着剤より長期にわたってって接着力が強い接着剤であり、前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤は前記ベルトの端部側に一周塗布され、前記第1の接着剤は前記第2の接着剤より端部側にあることを特徴とする帯状部材付きベルト。
  4. 前記第2の接着剤の塗布量が前記第1の接着剤の塗布量より多いことを特徴とする請求項3記載の帯状部材付きベルト。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯状部材付きベルトを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. ローラからの動力を伝達するベルトの内面端部側に接着剤を塗布し、前記塗布した接着剤より内側に接着剤を一周塗布し、帯状部材を貼り付けることを特徴とする帯状部材付きベルトの製造方法。
  7. ローラからの動力を伝達するベルトの内面端部側に初期接着力の強い第1の接着剤を一周塗布し、前記第1の接着剤より内側に長期にわたってって接着力が強い第2の接着剤を一周塗布し、帯状部材を貼り付けることを特徴とする帯状部材付きベルトの製造方法。
JP2007336257A 2007-12-27 2007-12-27 帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置 Pending JP2009157167A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007336257A JP2009157167A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007336257A JP2009157167A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009157167A true JP2009157167A (ja) 2009-07-16

Family

ID=40961247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007336257A Pending JP2009157167A (ja) 2007-12-27 2007-12-27 帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009157167A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000075728A (ja) * 1998-08-28 2000-03-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真装置用無端ベルトおよびその製造方法
JP2002192620A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Canon Inc 帯状部材の貼着装置及び貼着方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000075728A (ja) * 1998-08-28 2000-03-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真装置用無端ベルトおよびその製造方法
JP2002192620A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Canon Inc 帯状部材の貼着装置及び貼着方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100586826C (zh) 用于弯曲幅材的设备和方法
JP2009157167A (ja) 帯状部材付きベルト、その製造方法、及びそれを用いた画像形成装置
EP2065764A1 (en) Endless belt with meandering preventive guide
JP2015096930A (ja) 蛇行防止部材及びその製造方法
JP5498336B2 (ja) シート貼付装置および貼付方法
JP4414015B2 (ja) 蛇行防止ガイド付エンドレスベルト
JP4036444B2 (ja) エンドレスベルトへの蛇行防止部材の貼り付け方法、および、蛇行防止部材が貼り付けられたエンドレスベルトの製造方法
JP2005234445A (ja) 蛇行防止ガイド付エンドレスベルト
JP2007171855A (ja) 蛇行防止ガイドテープおよびシームレスベルトとその製造方法
JP5010225B2 (ja) ガイドベルト貼り付け装置及びガイドベルト貼り付け方法
JP2012015386A (ja) シート貼付装置及び貼付方法
JP2005157198A (ja) ガイド付き半導電性ベルトおよびその製造方法
JP3783484B2 (ja) ベルト定着器
JP2012014201A (ja) 蛇行防止ガイド付エンドレスベルト
JP4316726B2 (ja) エンドレスベルトおよび画像形成装置
JP6723518B2 (ja) タイヤ用ゴム部材の成形装置
CN109641708B (zh) 输送装置以及图像形成装置
JP2021063870A (ja) 定着部材、および定着部材製造方法
JP2002018971A (ja) 無端状ベルト、無端状ベルトの製造方法、成形装置及び無端状ベルトを備えた画像形成装置
KR101417212B1 (ko) 사행 방지 가이드를 갖는 무단 벨트
JP5477797B2 (ja) 蛇行防止ガイド付エンドレスベルト
JP2007271675A (ja) リブ取り付け装置、リブの取り付け方法
JP2009271171A (ja) 導電性エンドレスベルトの製造装置
JP2002333781A (ja) クリーニング装置
JP2018203385A (ja) ラバーストリップおよびローラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101220

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20110113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121016

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20121213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130709