JP2009157145A - 液晶レンズ装置 - Google Patents

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俊郎 行成
Megumi Horiuchi
恵 堀内
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Abstract

【課題】 液晶レンズを構成する輪帯電極の間隙を通過する光によって収差や解析が発生するため、この液晶レンズをカメラに使用した場合、写真画像がボケてしまうという問題がある。
【解決手段】 複数の輪帯電極と前記複数の輪帯電極を接続する電圧降下抵抗とを形成したセグメント基板と、対向電極を形成した対向基板とを有する液晶レンズにおいて、前記セグメント基板上の輪帯電極と電圧降下抵抗を覆う範囲に印刷法によって形成された高抵抗膜が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、各々電極を有する透明な基板間に液晶材料を充填して液晶セルを構成し、前記電極間の電圧印加により屈折率を変化させて焦点距離を可変とした液晶レンズに関する。
従来光ディスク装置やカメラ等の合焦点機構における可変焦点レンズとして、液晶材料の複屈折性を利用して光路長を電気的に制御する液晶レンズが提案されている。
この液晶レンズは透過光に光路差を与えて焦点を可変するものであり、その一例としては、少なくとも一方の基板がレンズ形状に形成された対向する2枚の透明基板と、この透明基板の互いに対向する側の面にそれぞれ設けられた一様な透明電極と、この透明電極に挟まれたレンズ形状の空間内に封入された液晶材料とよりなり、前記透明電極への印加電圧を制御する事によって屈折率を可変するレンズ形状型の液晶レンズがある。(例えば、特許文献1参照)
また、他の例としては、平坦な2枚の透明基板を対向させ、一方の透明基板の内面には光軸を中心に設けられた複数の同心状の輪帯電極と、これらの輪帯電極に接続して各輪帯電極に電位勾配を与える電圧降下抵抗を設け、他方の透明基板には輪帯電極に対向する下部電極を設け、この透明電極に挟まれた平坦な空間内に封入された液晶材料とよりなり、前記輪帯電極を構成する各透明電極への印加電圧を異ならせることにより、半径方向に電圧分布を発生させて屈折率を可変する平行基板型の液晶レンズがある。(例えば、特許文献2参照)
以下図面により従来の液晶レンズに付いて説明する。図7〜図10は特許文献2に記載された従来例の液晶レンズを本発明に対比して示すものであり、図7は従来例の液晶レンズの断面図、図8は輪帯電極を形成したセグメント基板の平面図、図9は対向電極を形成した対向基板の平面図、図10(a)は図8のA−A断面図、図10(b)は輪帯電極による液晶の屈折率分布を示す波形図である。
図7は従来例の液晶レンズの断面図であり、本発明にも適用されるものである。液晶レンズ40は後述する輪帯電極を形成したセグメント基板50と対向電極を形成した対向基板60とをシール材70を介して一体化し、この2枚の透明基板に挟まれた平坦な空間内に液晶材料80を封入して平行基板型の液晶レンズが構成されており、セグメント基板50の突出部分が外部回路との接続部50aとなっている。またセグメント基板50と対向基板60の内面には配向処理がなされているが、本発明の要旨に直接関係しないので図示及び詳しい説明は省略した。
図8は図7に示すセグメント基板50の電極形成面を示す平面図であり、透明基板1の内側面には光軸を中心に5個の輪帯電極2が設けられ、各輪帯電極間には所定の間隙dが形成されている。そしてこの各輪帯電極2の一部には配線用のスリット3が設けられ、このスリット3の部分には5個の輪帯電極2を電気的に接続する電圧降下抵抗4と、中心の輪帯電極2aへの接続電極5が設けられている。さらに、透明基板1の接続部50aには電圧降下抵抗4との接続電極6と後述する対向基板60からの電極を接続する接続電極7が形成されている。
図9は図7に示す対向基板60の電極形成面を示す平面図であり、透明基板11の内側面には対向電極12と接続電極17が形成されている。そして図7に示す如くセグメント基板50と対向基板60とを、その電極形成面を内側にして対向配置し、シール材70によって一体化することにより液晶レンズ40が完成する。この組立て工程において対向基板60の接続電極17とセグメント基板50の接続電極7とを導電部材によって接続することにより、液晶レンズ40を駆動するための、すべての接続電極が透明基板1の接続部50aに形成される。
次に、液晶レンズ40の駆動動作について説明する。外部の電源回路(図示せず)から2つの接続端子5,6間に所定のセグメント電圧が供給されると電圧降下抵抗4には電流が流れて電圧降下が発生し、各部分に異なる電圧が発生する。この結果電圧降下抵抗4の異なる部分に接続された各輪帯電極2には、異なる電圧が供給されて、半径方向に電位勾配が発生する。また対向基板60の対向電極12に共通電圧である対抗電圧が供給されることにより液晶材料80には屈折率分布が発生する。
上記液晶レンズ40の駆動動作による液晶材料80の屈折率分布を図10に示す。すなわち図10(a)は図8に示すセグメント基板50のA−A断面図で、各輪帯電極2の位置を示しており、図10(b)は各輪帯電極2による液晶材料80の屈折率分布を示している。図10(b)に示す如く各輪帯電極2には電圧降下抵抗4によって供給される電圧分布が発生し、この電圧分布によって液晶材料80への屈折率分布が発生するものである。すなわち液晶材料80の屈折率分布は、電圧降下抵抗4の抵抗構成と所定のセグメント電圧によって、各輪帯電極2に印加される電位勾配が決定し、この電位勾配に従ってレンズ状の屈折率分布を発生する。しかし、この屈折率分布は各輪帯電極2の存在する位置には発生するが、各輪帯電極2間の間隙dには発生せず櫛歯状の欠落部となる。
特許昭63−206721号公報 特開平5−53089号公報
特許文献1に示すレンズ形状型の液晶レンズに比べて、特許文献2に示す平行基板型の液晶レンズは構成がシンプルで製造が容易であるというメリットがあるが、反面輪帯電極によってレンズ作用を行わせているため、輪帯電極を構成するセグメント電極間の間隙を通過する光によって収差や解析が発生するため、この液晶レンズをカメラに使用した場合、写真画像がボケてしまうという問題がある。
特許文献2にはこのセグメント電極間の間隙を通過する光の対策として、隣接する輪帯電極同士を輪帯電極接続膜で接続することが提案されており、この輪帯電極接続膜の条件として輪帯電極より導電率の低い膜材料を使用することが述べられている。しかし、特許文献2には輪帯電極接続膜を設けることが述べられているが、この輪帯電極接続膜の具体的な製造方法に付いては何も述べられていない。
本発明の目的は輪帯電極を用いた平行基板型の液晶レンズにおいて、セグメント電極間の間隙を通過する光による収差や解析の発生を防止するための高抵抗膜を備えた液晶レンズ装置及び液晶レンズの製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するために本発明の液晶レンズ装置では、複数の輪帯電極と前記複数の輪帯電極を接続する電圧降下抵抗とを形成したセグメント基板と、対向電極を形成した対向基板とをシール材を介して一体化し、この2枚の透明基板に挟まれた空間内に液晶材料を封入した液晶レンズにおいて、前記セグメント基板上の輪帯電極と電圧降下抵抗を覆う範囲に印刷法によって形成された高抵抗膜が設けられていることを特徴とする。
前記高抵抗膜は有機インジュウムと有機スズをバインダーと高沸点溶剤に溶かしたITOインキを、印刷して焼成した被膜であることを特徴とする。
前記高抵抗膜の膜厚は50〜500オングストロームの範囲であることを特徴とする。
前記高抵抗膜の比抵抗は10−7〜10−10範囲であることを特徴とする。
前記ITOインキの金属含有率は0.2〜0.3%であることを特徴とする。
前記高抵抗膜の有機インジュウムと有機スズとの金属濃度割合は略1:3であることを特徴とする。
複数の輪帯電極と前記複数の輪帯電極を接続する電圧降下抵抗とを形成したセグメント基板と、対向電極を形成した対向基板とをシール材を介して一体化し、この2枚の透明基板に挟まれた空間内に液晶材料を封入した液晶レンズの製造方法において、前記セグメント基板に前記複数の輪帯電極と電圧降下抵抗とをフォトエッチング法にて形成するフォトエッチング工程と、前記複数の輪帯電極と電圧降下抵抗との形成範囲にインジュームとスズの有機化合物をバインダーと高沸点溶剤中に溶かしたITOインキを印刷法によって被膜形成する印刷工程と、前記印刷されたITOインキを焼成して高抵抗膜を形成する焼成工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば液晶レンズにおける、輪帯電極を被覆する高抵抗膜の形成を少ない工数で行うことができ、また要求される抵抗値の管理が容易であるため、液晶レンズ性能が高く製造コストの安い、液晶レンズ装置を提供できる。
また上記の如く、ITOインキの組成条件と印刷条件を管理することによって、高抵抗膜として要求される条件を工程の単純な印刷法で達成することが出来た。
以下、図面により本発明の実施の形態に付いて詳細に説明する。なお前記図7〜図10に示す公知の液晶レンズは基本的に本発明にも適用するものであり、同一要素には同一番号を付して説明を省略する。
図1は本発明の第1実施形態を示す液晶レンズの断面図であり、液晶レンズ10は図7に示す公知の液晶レンズ40と基本構成は同じであり、セグメント基板20の構成のみが異なるものである。また図2、図3は図1に示すセグメント基板20及び対向基板60の電極形成面を示す平面図であり、各々図8に示すセグメント基板50及び図9に示す対向基板60に対応している。
従って図2、図3において図8、図9と同一要素には同一番号を付して説明を省略する。
図2に示すセグメント基板20と図8に示すセグメント基板50との異なるところは、輪帯電極2と電圧降下抵抗4を覆う範囲に印刷法によって形成された高抵抗膜8が設けられていることである。
次に図2に示すセグメント基板20における各電極膜の特性に付いて説明する。まず輪帯電極2は一般に用いられている1TOによる透明電極膜であり、フォトエッチング法によって形成され、100Ω/Cmのシート抵抗値を有する。また電圧降下抵抗4は輪帯電極2と同一の電極膜であるが、その抵抗値の比は100〜10000倍の範囲である。さらに高抵抗膜8はIn(インジューム)とSn(スズ)の有機化合物をバインダーと高沸点溶剤中に溶かしたITOインキを印刷法によってパターン化し、乾燥、焼成によって高抵抗膜としたものであり、100KΩ/Cmのシート抵抗値を有し、その膜厚は50〜500オングストロームの範囲である。
すなわち、高抵抗膜8の条件としては、輪帯電極2に比べて十分高い抵抗値を有し、またガラスや液晶の比抵抗より低い比抵抗を有することであり、その比抵抗値としては10−7〜10−10範囲である。また図3に示す対向基板60は図9に示す対向基板60と同一である。
次に上記液晶レンズ10の駆動動作による液晶材料80の屈折率分布を図4に示す。すなわち図4(a)は図2に示すセグメント基板20のA−A断面図で、各輪帯電極2の位置を示しており、透明基板1、輪帯電極2、間隙dの構成は図10(a)のセグメント基板50と同じである。すなわちセグメント基板20がセグメント基板50と異なるところは輪帯電極2の形成領域が高抵抗膜8で被覆されているところである。
図4(b)は各輪帯電極2と高抵抗膜8による液晶材料80の屈折率分布を示している。図4(b)に示す如く各輪帯電極2には電圧降下抵抗4によって供給される電圧分布が発生し、この電圧分布によって液晶材料80への屈折率分布が発生することは図10(b)に示すセグメント基板50と同じである。しかしセグメント基板20においては各輪帯電極2の間隙dが高抵抗膜8で接続されているため、各輪帯電極2間の間隙dには、高抵抗膜8によって隣り合う2つの輪帯電極2間の電位差を補完する傾斜電位が発生する。この結果図4(b)に示すごとく点線で示す屈折率分布の櫛歯状の欠落部が補完されて連続的な屈折率分布が得られる。
すなわち本発明における液晶材料80の屈折率分布は、電圧降下抵抗4の抵抗構成と高抵抗膜8と所定のセグメント電圧によって、各輪帯電極2に印加される電位勾配が決定し、この電位勾配に従って液晶材料80への連続的なレンズ状の屈折率分布を発生することができる。
次に本発明のセグメント基板20における電極膜形成方法を説明する。図5はセグメント基板20に電極膜を形成する工程図である。(イ)は基板工程であり、透明基板1としては厚みが0.21mmのガラスを用いる。そして透明基板1の表面は経時劣化しやすいため、ITO膜の蒸着前に酸化セリュームの研磨剤にて研磨を行った結果、表面の微細な凹凸がなくなり、またガラスの光学的な歪もとれて液晶レンズ特性を安定させることができた。
(ロ)はITO膜付け工程であり、ITO膜12はスパッタリング蒸着で膜形成を行い、シート抵抗は100〜500Ω/Cmで、高透過率のものを用いた。
この高透過率ITO膜12は、厚みが100〜200オングストロームであり、InとSnの酸化物をターゲットとして用いて比抵抗を低く抑えている。(ハ)はレジスト塗布工程であり、ITO膜12を形成した透明基板1をアルコールと純水で洗浄して乾燥させた後、ロールコータやスピンナーを用いてフォトレジスト13を薄く塗布した。このフォトレジスト13を薄くすることで露光・現像などの解像度を良くすることができるため、0.7〜1.5μmの厚さにしている。
(ニ)は露光・現像工程であり、マスクを用いてフォトレジスト13をパターン化している。このパターン化工程により、図2に示す輪帯電極2、電圧降下抵抗4、接続電極5,6,7がパターン化される。(ホ)はエッチング工程であり、ITO膜のエッチング液として塩酸濃度10%の溶液で、10分程度かけてエッチングを行い、フォトレジスト13の無い部分のITO膜12が完全に取れていることを確認した。輪帯電極2の間隙dの幅は10μmと狭く、高抵抗膜8の抵抗距離を決めるため精度が極めて厳しい条件となる。
この精度を出すためにエッチング液の劣化管理、エッチング液浸漬時間管理、エッチング液温度管理等を厳密に行うことで、間隙dの距離公差を5%以下におさえることができた。
(ヘ)はレジスト剥離工程であり、剥離液によるフォトレジスト13の剥離を行って後に、アルカリ性を示すソーダ成分の残渣を残さないように80℃の温純水で超音波洗浄を行い、十分な乾燥を行った。これはレジストや剥離液の残渣が残ると高抵抗膜8の抵抗値がバラツキ、液晶レンズの動作が不安定になる危険性があるためである。
これまでの工程(イ)〜(ヘ)は、フォトレジスト法によるものであり、この後の高抵抗膜8の形成には印刷法を用いている。(ト)は高抵抗膜印刷工程であり、高抵抗膜8用のITOインキとしてはInとSnの有機化合物をバインダーと高沸点溶剤中に溶かしたもので、金属成分の含有率は0.2〜0.3%である。このITOインキを400メッシュのステンレス板のスクリーンを用いたスクリーン印刷法によって、輪帯電極2及び電圧降下抵抗4の形成範囲に厚さ約20μmの未乾燥高抵抗膜8aを形成した。
(チ)は焼成工程であり、前記未乾燥高抵抗膜8aを500℃で焼成することによりInとSnの有機化合物であるITOインキが金属酸化膜になり、光透過性の透明電極膜である高抵抗膜8が形成され、セグメント基板20が完成する。以上の工程(ト)及び工程(チ)が印刷法による高抵抗膜8の形成工程である。
次に本発明の特徴であるITOインキについて説明する。本実施形態におけるITOインキは前述のようにInとSnの有機化合物をバインダーと高沸点溶剤中に溶かしたもので、In化合物はインジュームアセチルアセトナートで、Sn化合物はジプチルスズ・ジオクテートであり、バインダーとしてはニトロセルロースとピクリン酸溶液を用い、それに高沸点溶剤で粘度調整を行ってスクリーン印刷に適した2〜5万CPSに調整した。また、InとSnとの金属濃度割合は焼成後の抵抗値に大きく作用することが知られており、InとSnとの金属比率が5:1程度で最小になる。今回は高抵抗膜8として安定した高抵抗薄膜を得る必要があるため、InとSnとの金属濃度割合を1:3にして、金属比率5:1に比べて約100倍の比抵抗率を有する高抵抗膜8を得ることができた。
また、金属成分の比率調整は比較的簡単で、金属含有率が5%程度まで印刷性に悪影響を及ぼさない範囲で調整できる。5%以上であると焼成によりインキ組成物のほとんどが除去されることになるが、酸化金属は被膜として基板上に残る。またスクリーン印刷における未乾燥のITOインキ膜厚はスクリーンのメッシュ版の厚さに関係するが、400メッシュのステンレス版を用いた場合、約20μmの厚さになる。そして5%の金属含有率の場合、焼成後には0.3μmの酸化膜が基板上に成膜できる。
しかしこの0.3μm程度の膜厚であると酸化金属膜には微細なクラックが観察されるようになり、抵抗値が不安定になってくる。その対策としてITOインキの金属含有率を5%より下げることで焼成後の%膜厚を薄くするとともにクラック発生も防止でき、抵抗値の不安定要素を解消した。また抵抗値と膜厚は反比例の関係にあるので、膜厚を薄くすることで抵抗値を大きくすることが可能となり、希望する高抵抗膜8が形成できた。すなわちInとSnの有機化合物であるITOインキを500℃の高温で焼成することにより光透過性に優れた金属酸化膜を形成し、この時の印刷条件及び金属濃度条件を制御することで、薄くて抵抗値の高い高抵抗膜8を形成することができた。
本発明の実施形態におけるITOインキの成分配合は以下の通りである。
インジュームアセチルアセトナート 0.7%
ジプチルスズ・ジオクテート 2.3%
混合系有機溶剤 67.4%
ニトロセルロース 18.5%
ピクリン酸溶液 11.1%
次に液晶レンズの高抵抗膜8の形成における、従来の透明電極膜形成方法と本発明に用いた印刷法との関係を説明する。
一般に透明電極を目的とする金属酸化膜の形成法としては以下のような方法がある。
(1)高温熱分析法
高温に保持した基板上に金属化合物溶液をスプレー式にて塗布した後、基板を熱分解処理させて金属酸化物の被膜を形成する。
(2)蒸着、スパッタリング法
金属または金属酸化物を真空において蒸着させて金属酸化物の被膜を形成する。
(3)気相成長法
有機金属化合物を減圧下で基板上に塗付した後、酸化分解させて金属酸化物の被膜を形成する。
(4)ディッピング法(浸漬法)
有機または無機金属化合物の極めて希薄な溶液中に基板を浸漬し、その後焼成により金属酸化物の被膜を形成する。
(5)印刷法
有機金属化合物をバインダーと高沸点溶剤中に溶かしたITOインキを印刷し、その後焼成により金属酸化物の被膜を形成する。
このうち(1)〜(4)の方法はすべて、全面被膜形成方式であるため、金属酸化物の被膜を形成した後に、目的のパターン以外の金属酸化物の被膜をエッチング処理で除去する必要がある。これに対し(5)の印刷法は、印刷によって必要なパターンが形成されているためエッチング処理が不要であり、またITOインキの金属濃度条件や印刷条件を制御することで、薄くて抵抗値の高い金属酸化物の被膜を形成できるものである。
すなわち、本発明においては輪帯電極2や電圧降下抵抗4のようなパターン精度の必要な部分の電極被膜形成には、パターン形成精度の高いフォトレジスト法を採用し、また輪帯電極2及び電圧降下抵抗4の形成領域を覆うだけで、それほどパターン形成精度を必要としない高抵抗膜8の電極被膜形成にはパターン形成精度がそれほど高くは無いが、被膜形成工程が少なく、抵抗値の管理が容易な印刷法を組み合わせて採用しているものである。
図6は本発明の第2実施形態を示すセグメント基板の電極形成面を示す平面図である。図6に示すセグメント基板30の基本的構成は図2に示すセグメント基板20と同じであり、異なるところは電圧降下抵抗4aの構成を1本の直線ではなくコ字状にして各輪帯電極2の間を接続させたことである。この構成によれば各輪帯電極2の間の抵抗値を、電圧降下抵抗4aのコ字形状の線幅を変えることで最適化することができる。
本発明による液晶レンズは実施の形態に示したカメラに限定されず、ディスクのピックアップ装置や内視鏡等の医療機器、さらにはメガネの度数調整用等に利用可能である。
本発明の第1の実施形態を示す液晶レンズの断面図。 図1に示すセグメント基板の電極形成面を示す平面図。 図1に示す対向基板の電極形成面を示す平面図。 (a)は図2に示すセグメント基板のA−A断面図、(b)は図4(a)に示すセグメント基板における、各輪帯電極と高抵抗膜による液晶材料の屈折率分布示す。 本発明のセグメント基板に電極膜を形成する工程図。 本発明の第2の実施形態を示すセグメント基板の電極形成面を示す平面図。 従来の液晶レンズの断面図。 従来のセグメント基板の電極形成面を示す平面図。 従来の対向基板の電極形成面を示す平面図。 (a)は図8に示すセグメント基板のA−A断面図、(b)は図10(a)に示すセグメント基板における、各輪帯電極による液晶材料の屈折率分布示す。
符号の説明
1 透明基板
2、2a 輪帯電極
4、4a 電圧降下抵抗
5、6、7 接続電極
8 高抵抗膜
10、40 液晶レンズ
12 ITO膜
13 フォトレジスト
20,30,50 セグメント基板
60 対向基板
70 シール剤
80 液晶材料

Claims (7)

  1. 複数の輪帯電極と前記複数の輪帯電極を接続する電圧降下抵抗とを形成したセグメント基板と、対向電極を形成した対向基板とをシール材を介して一体化し、この2枚の透明基板に挟まれた空間内に液晶材料を封入した液晶レンズにおいて、前記セグメント基板上の輪帯電極と電圧降下抵抗を覆う範囲に印刷法によって形成された高抵抗膜が設けられていることを特徴とする液晶レンズ装置。
  2. 前記高抵抗膜は有機インジュウムと有機スズをバインダーと高沸点溶剤に溶かしたITOインキを、印刷して焼成した被膜である請求項1記載の液晶レンズ装置。
  3. 前記高抵抗膜の膜厚は50〜500オングストロームの範囲である請求項2記載の液晶レンズ装置。
  4. 前記高抵抗膜の比抵抗は10−7〜10−10範囲である請求項2記載の液晶レンズ装置。
  5. 前記ITOインキの金属含有率は0.2〜0.3%である請求項2記載の液晶レンズ装置。
  6. 前記高抵抗膜の有機インジュウムと有機スズとの金属濃度割合は略1:3である請求項5記載の液晶レンズ装置。
  7. 複数の輪帯電極と前記複数の輪帯電極を接続する電圧降下抵抗とを形成したセグメント基板と、対向電極を形成した対向基板とをシール材を介して一体化し、この2枚の透明基板に挟まれた空間内に液晶材料を封入した液晶レンズの製造方法において、前記セグメント基板に前記複数の輪帯電極と電圧降下抵抗とをフォトエッチング法にて形成するフォトエッチング工程と、前記複数の輪帯電極と電圧降下抵抗との形成範囲にインジュームとスズの有機化合物をバインダーと高沸点溶剤中に溶かしたITOインキを印刷法によって被膜形成する印刷工程と、前記印刷されたITOインキを焼成して高抵抗膜を形成する焼成工程とを有することを特徴とする液晶レンズの製造方法。

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