JP2009157035A - インクジェット吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不吐出ノズルやミスディレクションノズルによる濃度むらや混色による品質低下をすることがなく、高品質のカラーフィルタを製造することができる吐出パターン生成装置を提供する。
【解決手段】基板の各画素にインクを吐出するノズルの良好状態、不吐出状態、ミスディレクション状態の種類を記憶する記憶手段を有し、画素毎に液滴を吐出するノズルを割り当て、ノズルがミスディレクション状態である場合に、ノズルの位置を計算し、ノズルの位置から吐出する液滴の前記画素への着弾位置を計算し、着弾位置が前記画素内にある場合にノズルを使用し、それ以外の場合にノズルを不使用にする指定を行い、ノズルに前記画素への吐出ドロップ数を割り当てた吐出パターンデータを作成する吐出パターンデータ作成手段を有し、前記吐出パターンデータに基づいて前記ノズルから液滴を前記画素へ吐出する手段を備えたインクジェット吐出装置を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、高精細なパターンを吐出するための吐出パターン生成方法で、フィルムベースのカラーフィルタ製造、ガラスベースのカラーフィルタ製造の所定の画素(インク受容部)に一定量の液滴(インク粒)を吐出させるためのインクジェット吐出装置に関するものである。
カラーフィルタの基板サイズは年々大型化が進んでいる。従来は、フォトリソグラフィー工程を繰り返す顔料分散法等用いられてきたが、カラーフィルタのコストダウン化を図るために、近年はインクジェット装置を用いた方法が検討されている。
カラーフィルタは、表示装置の高精細化に伴って年々微細化する傾向にある。微細化するということは、インクジェットで塗工するパターンピッチは狭くなっていくため、インクジェットヘッドからのインクの吐出量を少量でかつ均一となるように高い精度で制御する必要がある。また、各画素に充填されるインク量は、各インク充填量のばらつきが小さいほど濃度むらが低減された高品位なカラーフィルタを製造することができる。
インクジェットヘッドには大別して、連続噴射法 (コンティニアス方式とも呼ばれる)と、ドロップオンデマンド法 (通称DOD)、の2種類がある。連続噴射法では、着弾制度が概して悪く、ドロップの径が大きく、更にインクに荷電性能を付与させたり、顔料などの色材使用に制限があるなどで、カラーフィルタや有機エレクトロルミネッセンス等塗膜に対する純度や塗工量管理の厳しい用途には使用できない。従って、カラーフィルタや有機エレクトロルミネッセンス等の高精度な画素(インク受容部)へのインク充填をインクジェットで実施する場合は、インク着弾対象の画素にインクを吐出させるときのみ、ノズルからドロップレット(インク粒)を吐出させるドロップオンデマンド方式(DOD方式)を用いるのが一般的である。
さて、インクジェットヘッドからのインクの吐出量を変化させる場合は、サーマルタイプのインクジェットヘッドであっても、圧電セラミックスをアクチュエータとして利用したピエゾ方式であっても、電圧を変化させれば吐出量を多少変化させることができるが、大幅に変化させることはできない。そこで、大幅にインクジェットヘッド各ノズルからのインクの吐出量を変化させる手段として、マルチドロップレット式インクジェット駆動方法がある。これは、例えば、5plとか10plといった微少インク粒を瞬間的に連続して吐出させて5plとか10plといった微少インク粒の整数倍の吐出量をコントロールする方式であり、たとえば10plを3ビットで制御すれば0〜7ドロップ(0〜70pl)を10pl刻みに吐出量を調整することが可能となる。
各画素に均一に複数のノズルからインクを充填する場合、あるノズルの状態が良好でなく、インクを吐出できない不良ノズルであると、濃度むらを発生させ品質不良となってしまう。また、ノズルからまっすぐに目標地点に着弾させることができず隔壁6へ乗り上げたり、所定の画素位置に入らず違った画素位置に入ってしまうと、混色や濃度むらを発生させてしまう問題があった。しかし、不良ノズルがある場合にインクジェットヘッドを新たな物に交換し直すことは、インクジェットヘッドを交換する時間がかかる問題があり、また、インクジェットヘッド交換によりコスト増となる問題がある。
図1は、従来のノズルからまっすぐ着弾されない一例の着弾面の平面図である。図1では、第1のインク吐出サイクルで、図の上方及び下方のR色の画素7部分にR色のインク
液滴が吐出されている。同様に、第2のインク吐出サイクルでは、別のインク吐出位置、例えばG色の画素部分にG色のインクを吐出し、第3のインク吐出サイクルでは、B色の画素位置にB色のインクを吐出する。図1に示す一例のように、異常なノズルから吐出される液滴がまっすぐに着弾せず異常な液滴位置12に着弾し、所定の画素の外の所定画素外位置12aや隔壁位置12bに乗り上げて着弾し、その結果混色や濃度むらを発生させて、品質不良を起こす問題がある。
この対策として、特許文献1のように、吐出できない不吐出ノズルに対しては、複数の同系色の濃度の異なるインクを用いて不吐出のノズルを近傍のノズルで補い濃度むらを補正する技術が知られている。
以下に公知文献を記す。
特開2004−202927号公報
しかしながら特許文献1では、複数の同系色の異なる濃度のインクを用いる場合、高精細化された画素には複数のヘッドのノズルが担当できる数が少ないため、必要な濃度のノズルが担当出来ない場合がある。また、上記特許では不吐出ノズルにのみ対応していてミスディレクションノズルに対応していないため、混色や各画素間の濃度むらを発生してしまう問題があった。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、不吐出ノズルやミスディレクションノズルによる濃度むらや混色により品質が低下することがなく、高品質のカラーフィルタを製造することができる吐出パターン生成装置を提供することを課題としている。
本発明は、上記課題を達成するために、基板のインク受容部である各画素に、前記画素毎のインク総量が等しくなるようにインクジェットヘッドユニットの複数のノズルから前記画素にインクを吐出する装置であって、前記ノズルの良好状態、不吐出状態、ミスディレクション状態の種類を記憶する記憶手段を有し、前記画素毎に液滴を吐出するノズルを割り当て、前記ノズルがミスディレクション状態である場合に、前記ノズルの位置を計算し、前記ノズルの位置から吐出する液滴の前記画素への着弾位置を計算し、前記着弾位置が前記画素内にある場合に前記ノズルを使用し、それ以外の場合に前記ノズルを不使用にする指定を行い、使用するノズルに前記画素への吐出ドロップ数を割り当てた吐出パターンデータを作成する吐出パターンデータ作成手段を有し、前記吐出パターンデータに基づいて前記ノズルから液滴を前記画素へ吐出する手段を備えたことを特徴とするインクジェット吐出装置である。
また、本発明は、上記記憶手段が更に、ノズル毎の吐出量のばらつきによる吐出量の違いをあらわすノズルばらつき係数データを記憶し、上記吐出パターンデータ作成手段が、吐出ドロップ数と前記ノズルばらつき係数データを掛け算することで上記ノズル毎の液滴供給量を計算し、上記画素に液滴を着弾させる上記ノズルの吐出ドロップ数の複数の組み合わせの前記液滴供給量の総和のインク総量を計算し、最も理想のインク総量に近い吐出ドロップ数の組み合わせを選んで吐出パターンデータを作成することを特徴とする上記のインクジェット吐出装置である。
本発明は、インクジェットヘッドコントローラーの制御ソフトウェアである吐出パターンデータ作成手段が、各ノズルのノズル良否状態データに基づき、所定画素に液滴を吐出
する不良ノズルの使用可否を計算した上で、吐出パターンデータを作成する。その際に、不良ノズルを不吐出ノズル、ミスディレクションノズルに区別するノズル良否状態データを記憶手段に記憶する。そして、不吐出ノズルは全く使用しないが、ミスディレクションノズルについては、吐出パターンデータ作成手段が、そのミスディレクションノズルからズレて吐出されるインク粒の着弾位置を計算した吐出マッピングデータを作成し、インク粒をその所定の画素位置以内に着弾させることができる場合は、そのノズルの使用を有効と指定した吐出パターンデータを作成する。他方、インク粒の着弾位置が隔壁に接触もしくは乗り上げるマッピングデータを得たノズルは、無効ノズルと判定し液滴を吐出させないように液滴の吐出ドロップ数を0に指定した吐出パターンデータを作成する。
そして、所定画素に液滴を吐出するノズルは、使用しない不良ノズル以外のノズルに、その不良ノズルの分を補った液滴量を吐出するように吐出ドロップ数を割り当てた吐出パターンデータを作成する。すなわち、各画素へ液滴を吐出するべく割り当てられているノズルから吐出される吐出ドロップ数の合計値が、各画素で吐出量の差を極力解消できるように、ノズルの吐出ドロップ数の複数の組み合わせから最良の組み合わせを選んで各ノズルの吐出ドロップ数を決定する。また、隣接の吐出ドロップ数の違いによるタイミングで発生するクロストークの影響を最も受けないような組み合わせを選択する。
以上、本発明によれば、インクジェットヘッドの各ノズルから吐出されるドロップレットの隣接ノズルによるクロストークの情報を反映し、更に、クロストークが発生しない組み合わせを選択し、吐出パターンデータに反映することにより、各ノズルの吐出量のばらつきにより生じていた濃度むらを抑制することができ、また基板内の隔壁に乗り上げることなく画素内均一に液量を満たせることができる効果がある。
従って、本発明は、濃度の異なるインクを使用することなく、インクジェットヘッドの状態が不良のノズルを使用することなく、濃度むらまたは基板内の隔壁への乗り上げによる混色が発生し品質低が下することがない、高品質なカラーフィルタを製造することができるインクジェット吐出装置を提供することができる効果がある。
以下に、本発明のインクジェット吐出装置を実施した最良の一形態として、インクジェット塗工装置を詳細に説明する。図2は、本発明に係るインクジェット塗工装置の全体構成例を示す外形図である。本発明のインクジェット塗工装置のインクジェットヘッドユニット2は、インクジェットヘッド1が複数個整列して並んでいるものである。カラーフィルタを生成するためには、R、G、Bの各画素(インク受容部)7への吐出を行う必要があるため、前述した複数個並んでいるインクジェットヘッド1の組み合わせが各色配置されている。また、インクジェットヘッド1は主走査方向に移動し、画素7へのインクの充填処理を行う。
本発明に係るインクジェット塗工装置の基板置き台3は、副走査方向に移動可能であり、さらにθ方向に回転可能である。θ方向に回転可能なため、基板置き台3の上に置かれた基板の隔壁6とインクジェットヘッドユニット2を平行に合わせることができ、副走査方向に動作させることで画素7へのインク充填処理を行うことができる。また、基板置き台3は図示されていないが吸着機構を備えており、基板置き台3に置かれた基板を固定することが可能である。
本発明に係るインクジェット塗工装置のインクジェットヘッド1は、図3に示すようなシェアウェーブモードによるインク吐出を行うことができる。シェアウェーブモードによるインクジェットヘッド1の駆動方法は、インクを充填して圧力を加える複数の液室を、2枚の圧電セラミックスを接着固定した後切削加工して形成し、各液室の壁を形成する圧
電セラミックスの圧電部材をアクチュエータとし、アクチュエータに駆動パルス電圧を選択的に印加し変形させ、これにより圧力変化を起こし、1または複数のインク粒を吐出制御する方法である。
この場合、インクジェットヘッド1は、複数列に整列配置されたインキ吐出口を備える。そして、インキ吐出口の列ごとに順次繰り返し吐出が行なわれる。以下、図3を用いて、シェアウェーブモードによるインク吐出について説明する。
図3(a)は、櫛歯状に加工した2つの圧電セラミックスを貼り合わせたものをノズル面から見たもので、各圧電セラミックスには図示していない電極が予め付与されている。そして、図3(b)はノズル面の平面図を示し、図3(a)のA、B、C、A…と書かれた部分がインクを充填する液室である。図3(b)の図面から奥方向に例えば深さが0.5mmとか1mmの液室A、B、Cが形成される。
図3(b)は、左の圧電セラミックスに貼り合わせるノズルプレート部を示したもので、図3(b)のA、B、C、A…と書かれた部分が各A、B、Cの液室に対して設置されたノズルである。また、A、B、Cのノズルからの液滴の吐出は時間的に3つのサイクルに分けて吐出され、そのサイクルの時間の経過につれて液滴の着弾位置がずれる事を補正するために、A、B、Cのノズルは吐出するA、B、Cの種類毎にノズル穴が着弾位置のずれを補正する距離だけオフセットして形成してある。図3(c)は、A相の液室の両側の圧電セラミックスの壁への印加波形を示したものである。
まず、図3(a)と図3(b)により、図3の3−1〜3−4の状態を説明する。
(3−1状態)
図3の3−1の状態は、何れの圧電セラミックスの壁にも電圧印加がなされていない最初の状態を示す。
(3−2状態)
図3の3−2の状態では、A相の液室の両側の圧電セラミックスの壁を隔てた液室を広げる方向に電圧印可をしたところである(アクティブ動作)。
(3−3状態)
図3の3−3の状態では、今度はA相の液室の両側の液室を縮める方向に圧電セラミックスの壁へ電圧を印可(逆極性の電圧を印可する等で実施)したところである(インアクティブ動作)。このとき、A相の液室のノズル穴からインクが吐出される。ただし、この吐出条件はB相の液室、C相の液室といった隣接する液室からは吐出しない条件で調整される。この調整はあまり難しいものではなく、液室の共振条件が違うので吐出部を切り分ける事は簡単にできる。
(3−4状態)
図3の3−4の状態では、A相の液室の近くの圧電セラミックスに残る残留振動が減衰して無くなるまで待つ、休止期間(OFF動作:オフ)を表している。
次に図3の3−1〜3−4の状態を、A相の液室に接する両側の圧電セラミックスの壁への印加電圧の波形(図3の右参照)を用いて、再度説明する。
(3−1状態)
図3の3−1の状態では圧電セラミックスへの印加電圧は無い。
(3−2状態)
図3の3−2の状態にするには、ここではプラス側に電圧を印可している。プラス側に電圧を印可する事によってピエゾの壁を両側に押し広げている。これは丁度、弓矢で言えば弓を引いている状態に近い。
(3−3状態)
図3の3−3の状態にするには逆方向の電圧、すなわちマイナス電圧を印可する。広が
った圧電セラミックスを逆方向に狭めさせるため、印加する時間はアクティブにする時間に対し、約2倍か、2倍以上の時間を設定する。尚、アクティブとインアクティブの間に若干のゼロボルト電圧を動作の変わり目として入れる場合もありうる。また、インアクティブ動作は弓矢で言えば矢を放す動作に相当するが、圧電セラミックスの壁を積極的に狭める事でパルス的にインクを吐出させている。
(3−4状態)
図3の3−4の状態は、圧電セラミックス上に生じた振動が消えて隣接するノズル部分への影響が無くなるまでの休止時間なので、印加電圧ゼロボルトである。
以降、吐出するノズルの部分の種類をB、Cと繰り返す事によって全ノズルからインク粒を吐出させる事ができる。つまり、吐出するノズルの種類をA⇒B⇒C⇒A…と繰り返すので3相分割駆動である(印加電圧の波形の時間的な流れは図4に示す)。
実際に塗工する場合には、図5に示すようにアクティブとインアクティブの繰り返し回数により塗工量に応じた吐出ドロップ数D2を設定することができる。各相の印加電圧の波形は、必要塗工量に応じた吐出ドロップ数D2だけアクティブ・インアクティブの回数を設定する。また、次の開始まではオフの休止時間が存在し、このA、B、Cのサイクルで塗工を行っていく。
このインクジェットヘッド1は、A相、B相、C相のノズルと液室群に対応するバッファ回路(以下、ラインバッファと呼ぶ)を備えていて、各ラインバッファは相互に情報を転送することができる。以下に、このインクジェットヘッド1から液滴が吐出されるまで動作を、図6のフローチャートに従って説明する。また、図8の表3にノズル当たりの吐出パターンデータのデータ構造を示す。
まず、A相ラインバッファが、インクジェットヘッド1の全ノズルに関する吐出パターンデータを受けとり、図8の表1に示すように、A相のノズルA1とA2とA3から同時に1ドロップ当たり約6plの液滴を、所定の吐出ドロップ数D2だけ吐出する。また、A相のノズルA1、A2、A3から液滴を吐出開始するのと同時に、吐出パターンデータをA相ラインバッファからB相ラインバッファに転送する。
A相のノズルから1ドロップ当たり約6plの液滴を吐出ドロップ数D2だけ吐出後、B相のノズル5は、転送された吐出パターンデータのうちB相のノズルB1、B2の吐出パターンデータに基づいて吐出を開始する。また、B相のノズルから吐出開始と同時に、吐出パターンデータをB相ラインバッファからC相ラインバッファに転送する。
B相のノズルから吐出終了後、C相のノズルは、転送された吐出パターンデータのうちC相のノズルに関する吐出パターンデータに基づいて吐出を開始する。
C相のノズルから吐出終了後、ラインカウンターにて設定回数ライン吐出を行ったかどうかの判定を行い、設定回数の吐出が行なわれていなければ、吐出パターンデータをA相ラインバッファに転送する。
再び、A相のノズル5は吐出パターンデータに基づいて吐出開始する。以下、前述した動作をライン数分繰り返し行い、所望の印刷パターンを作成する。
本発明において吐出パターンデータに基づいてインクジェットヘッド1のノズルからインクを吐出する制御手段として、本発明に係るインクジェット塗工装置のインクジェットヘッドコントローラー4が挙げられる(図2参照)。インクジェットヘッドコントローラー4は、インクジェットヘッド1を駆動し、インクジェットヘッドパラメータデータと、ノズル良否状態データと、ノズル5毎の吐出量のばらつきによる吐出量の違いをあらわすノズルばらつき係数データと、吐出パターンデータとを記憶手段に記憶している。
インクジェットヘッドパラメータデータは、インクジェットヘッド1毎に、インクジェットヘッド1を駆動させるための最適の電圧値のパラメータを記録したデータである。インクジェットヘッド1毎に駆動電圧を変えることで、インクジェットヘッド1から吐出される液滴の量の個体差を補正して、基板内を均一に描画することができる効果がある。
吐出パターンデータは、図8の表3に示すデータ構造のデータであり、ノズル5当たりに、ノズル名データD1と吐出ドロップ数D2とノズル位置データD3と画素配列パターンデータD4が記録されたデータである。その吐出ドロップ数D2は、インクジェットヘッドコントローラー4の吐出パターンデータ作成手段が、インクジェットヘッド1の位置データを引数として、インクジェットヘッド1の配列位置からノズル位置を計算し、そして、所望の画素7にインクを充填するためのノズル5毎の吐出ドロップ数D2を算定し、吐出パターンデータに記録する。この吐出パターンデータは、塗工を行う際にインクジェットヘッドコントローラー4が各ノズルに転送し、この吐出パターンデータにより指定された吐出ドロップ数D2でノズルから画素7にインク液滴を吐出する。また、吐出パターンデータには、画素7の配列パターン(ストライプ配列、セル配列、モザイク配列であるか)を記録した画素配列パターンデータD4が含まれており、インクジェットヘッド1が吐出パターンデータから得た情報を利用し、所望の画像配列にずれを生じることなく吐出することができる。
インクジェットヘッドコントローラー4が、その制御ソフトウェアである吐出パターンデータ作成手段により、吐出パターンデータを以下のように計算する。先ず、吐出パターンデータ作成手段が、記憶手段から、基板面数、基板寸法、画像7の寸法、隔壁6の寸法の情報と、インクジェットヘッド1の位置データ(ヘッドの位置ずれ情報を含む)のパラメータデータを読み込む。
そして、これらのパラメータデータから、各インクジェットヘッド1の位置データを計算し、ノズル毎の吐出ドロップ数D2を以下のように計算する。先ず、インクジェットヘッド1の位置データにより、そのノズル5から吐出されるインク液滴が所定の画素7の位置に着弾し、画素7間の隔壁6に当たらないノズル5のみに液滴を吐出させ、液滴が隔壁6に当たるノズル5からは吐出しないように、そのノズル5の名とそのノズル5からの吐出ドロップ数D2を指定した吐出パターンデータを作成する。
また、吐出パターンデータ作成手段は、ノズル5のノズル良否状態データを読み出し、ノズル5が不良の場合は、その不良のノズル5に関して先に計算した位置データに基づき、そのノズルの位置から吐出した場合の液滴の着弾位置を計算し、液滴の着弾位置が所定の画素7の位置から外れるか隔壁6に当たる場合は、吐出を有効ではないと判定し、そのノズル5の吐出ドロップ数D2を0と指定した吐出パターンデータを作成する。
吐出パターンデータ作成手段は、ノズル5の不良理由が不吐出ノズルである場合は、その不吐出ノズル5の位置データにより、該不良ノズル全てを吐出が有効でないと判定し、その不良ノズル5の吐出ドロップ数D2を0と指定した吐出パターンデータを作成する。すなわち、全ての不吐出ノズルは無効として吐出パターンデータを作成する。
また、ノズル5の不良理由が、着弾位置がずれるミスディレクションノズルである場合は、ミスディレクションノズルによる着弾位置を計算し、その着弾位置が所定の画素の外の所定画素外位置12aに着弾するか隔壁位置12bに着弾する場合には、そのノズルの吐出を有効で無いと判定し、そのノズル5の吐出ドロップ数D2を0と指定した吐出パタ
ーンデータを作成する。
吐出パターンデータ作成手段がノズルの適否を判定する基準は、ミスディレクションノズルの着弾位置の計算結果と画素7の位置関係により判定する。すなわち、ミスディレクションノズルから吐出されたインク粒が、副走査方向に着弾位置がズレる場合は吐出が有効でない、すなわち無効ノズルと判定し、そのノズル5の吐出ドロップ数D2を0と指定した吐出パターンデータを作成する。
吐出パターンデータ作成手段は、ミスディレクションノズルから吐出されるインク粒が、主走査方向に着弾位置がズレる場合は、着弾位置と隔壁位置データとを比較してノズルの有効/無効を判定する。すなわち、ミスディレクションノズルからズレて吐出されるインク粒の着弾位置を計算した吐出マッピングデータを計算し、インク粒を所定の画素位置以内に着弾させるノズルの場合は、有効ノズルと判断しそのままのノズルとして利用する。隔壁6に接触もしくは乗り上げるマッピングデータを得たノズルは、無効ノズルと判断し、吐出ドロップ数D2を0とした吐出パターンデータを作成する。
有効と判断されたノズル5の吐出パターンデータの液滴の吐出ドロップ数D2は0では無い。この液滴の量は、目標の画素の座標を指定し、吐出パターンデータ作成手段が、その画素に液滴を着弾させるノズルの吐出ドロップ数D2の複数の組み合わせについてインク総量を計算し、最も理想のインク総量に近い吐出ドロップ数D2の組み合わせを選んで吐出パターンデータを作成することで、画素毎のインク総量を極力同一にさせる。
図7は、ある隔壁(BM)6の枠内の画素7に液滴を吐出するノズル5群の中に不良ノズルがある場合の一例を示す説明図である。図7により、ミスディレクションノズルがある画素のみに着目して、液滴の着弾状況を説明する。図7(a)は、良好状態でのノズルから吐出された一例である。図8の表1に図7(a)のインクジェットヘッド1の場合の液滴の吐出パターンデータを示す。図7(b)は、ミスディレクションノズルA2が吐出する液滴位置が所定の画素位置内に着弾する場合である。このノズルA2から吐出した液滴の着弾位置のズレ方向が主走査方向であって、液滴が所定の画素内に着弾して隔壁6にも乗り上げないため、このミスディレクションノズルからも通常の有効ノズルと同じように液滴を吐出させて画素に液滴を充填させる。図7(c)は、ミスディレクションノズルA1が吐出する液滴が隔壁位置12bに乗り上げて着弾する場合である。このノズルA1を用いると、隔壁6に液滴が乗り上がるため混色してしまう。
吐出パターンデータ作成手段は、画素に混色なく塗工するために、先ず、所定画素へ吐出するノズル5のノズル良否状態データを読み取り、不良ノズルがある場合は、その不良ノズル以外の各有効ノズル5の吐出パターンデータの吐出ドロップ数D2を表1の吐出ドロップ数D2から変更する。すなわち、その所定画素へのインク総量を所定のインク総量にするために、不良ノズルが吐出すべきであった液量を、他の有効なノズル5の吐出ドロップ数D2を増すことで補う。
図7(c)のインクジェットヘッド1に対応して、不良ノズルの存在に対応して、不良ノズルには液滴を吐出させず、吐出できる他のノズルでその液滴の不足分を補わせるようにノズルの吐出ドロップ数D2の割り振りを行う。この割り振りは、吐出パターンデータ作成手段が、吐出ドロップ数D2と、ノズル5毎の吐出量のばらつきによる吐出量の違いをあらわすノズルばらつき係数データを掛け算することでノズル毎の液滴供給量を計算し、有効ノズルの吐出ドロップ数D2の複数の組み合わせの各ノズルの液滴供給量の総和のインク総量を計算する。そして、最も理想のインク総量に近い各ノズル5の吐出ドロップ数D2の組み合わせを選んで吐出パターンデータを作成する。図8の表2に、その吐出パターンデータの各ノズル5の吐出ドロップ数D2を示す。これにより、液量の分配量を自由にコントロールすることができ、液滴が乗り上げることや抜けて見えることなくきちんと広がるようにすることができ、かつインク総量を画素毎に同一に揃えることが出来るため、混色や濃度むらがなく塗工することが可能である。
吐出パターンデータ作成手段は、上記の各有効ノズル5の吐出ドロップ数D2に、1ドロップ当たりの吐出量の設計値の6plを掛け算し、更にノズル5毎の吐出量のばらつきによる吐出量の違いをあらわすノズルばらつき係数データ(表1)を掛け算し、更に隣接ノズル係数を掛け算した値の液滴量を計算し、それを供給される液滴供給量とする。また、ノズル5毎に隣のノズル5とのドロップタイミング差がなるべく無くなる組み合わせに調整する。また、画素7へ液滴を吐出するべく割り当てられている各ノズル5の液滴の吐出ドロップ数D2の複数の組み合わせについて、各ノズル5の液滴供給量の総和のインク総量を計算し、そのうち、インク総量が最も理想吐出量に近いノズル5群の吐出ドロップ数D2の組み合わせを選び、それによる吐出パターンデータを作成する。
こうして、液量の分配量を自由にコントロールし、かつ、隣接ノズルによるクロストークの影響を無くし各画素のインク総量が極力同じ値になる有効ノズルの吐出ドロップ数D2の組み合わせを選択する。このクロストークの発現主要因はインク吐出のための圧力波のチャネル間相互干渉によって起こり、また、クロストークに大きく効くのは電圧印加時間つまりパルス幅あるいは駆動周波数である。このため、隣接ノズルが同時タイミングで吐出している場合と吐出していない場合とで吐出量が異なる隣接のクロストークによる影響があるので、その影響を最小にするように、所定の画素に液滴を吐出するノズルに、このクロストークが最小になる吐出ドロップ数D2の組み合わせを選択する。また、ノズル5毎の吐出量のばらつきによる吐出量の違いはノズルばらつき係数データにして全て計算に組み込む。これにより、各画素(インク受容部)に濃度むら無くインクを塗工することができる。
このようにして、吐出パターンデータ作成手段が、インクジェットヘッド1の位置データ、および、所定の画素に液滴を吐出する各ヘッドのノズルの、良好状態、不吐出状態、ミスディレクション状態の区別を記録したノズル良否状態データと、ノズル位置データと、ノズルばらつき係数データを基に吐出パターンデータを作成し、この吐出パターンデータを用いてインクジェット塗工装置で印刷した結果、従来隔壁内に濃度むらがでていたものが、濃度むらなく基板内均一に液滴を吐出し、かつ短時間で高精度な印刷物を得ることができた。
従来のミスディレクションノズルからの着弾位置の例を示す平面図である。 本発明のインクジェット塗工装置の全体構成の例を示す外形図。 シェアウェーブモードによるインク吐出の手順を説明する図である。 インクジェットヘッドのアクティブとインアクティブの関係を示す印加電圧の波形を示す図である。 インクジェットヘッドから液滴のドロップを吐出する印加電圧の波形のタイミングを示す図である。 インクジェットヘッドから吐出されるまでの動作フローチャートである。 ノズルから液滴を吐出する手順を示すフローチャートである。 本発明のノズルの吐出パターンデータを示す表である。
符号の説明
1・・・インクジェットヘッド
2・・・インクジェットヘッドユニット
3・・・基板置き台
4・・・インクジェットヘッドコントローラー
5・・・ノズル
6・・・隔壁
7・・・画素(インク受容部)
11・・・正常な液滴
12・・・異常な液滴位置
12a・・・所定画素外位置
12b・・・隔壁位置
D1・・・ノズル名データ
D2・・・吐出ドロップ数
D3・・・ノズル位置データ
D4・・・画素配列パターンデータ

Claims (2)

  1. 基板のインク受容部である各画素に、前記画素毎のインク総量が等しくなるようにインクジェットヘッドユニットの複数のノズルから前記画素にインクを吐出する装置であって、前記ノズルの良好状態、不吐出状態、ミスディレクション状態の種類を記憶する記憶手段を有し、前記画素毎に液滴を吐出するノズルを割り当て、前記ノズルがミスディレクション状態である場合に、前記ノズルの位置を計算し、前記ノズルの位置から吐出する液滴の前記画素への着弾位置を計算し、前記着弾位置が前記画素内にある場合に前記ノズルを使用し、それ以外の場合に前記ノズルを不使用にする指定を行い、使用するノズルに前記画素への吐出ドロップ数を割り当てた吐出パターンデータを作成する吐出パターンデータ作成手段を有し、前記吐出パターンデータに基づいて前記ノズルから液滴を前記画素へ吐出する手段を備えたことを特徴とするインクジェット吐出装置。
  2. 前記記憶手段が更に、ノズル5毎の吐出量のばらつきによる吐出量の違いをあらわすノズルばらつき係数データを記憶し、前記吐出パターンデータ作成手段が、吐出ドロップ数と前記ノズルばらつき係数データを掛け算することで前記ノズル毎の液滴供給量を計算し、前記画素に液滴を着弾させる前記ノズルの吐出ドロップ数の複数の組み合わせの前記液滴供給量の総和のインク総量を計算し、最も理想のインク総量に近い吐出ドロップ数の組み合わせを選んで吐出パターンデータを作成することを特徴とする請求項1記載のインクジェット吐出装置。
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