JP2009157011A - 画像書き込み表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示層の厚さ寸法の制限を緩和する。
【解決手段】コレステリック液晶12への圧力付与によって、初期化処理(一様なP相状態)を実行し、その後、電圧印加によって、画像データに応じて、コレステリック液晶12の配向状態を適宜F相状態とするようにした。
【選択図】図2
【解決手段】コレステリック液晶12への圧力付与によって、初期化処理(一様なP相状態)を実行し、その後、電圧印加によって、画像データに応じて、コレステリック液晶12の配向状態を適宜F相状態とするようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像書き込み表示装置に関するものである。
コレステリック液晶層を表示層とし、一対の電極間に駆動電圧を印加することで、当該コレステリック液晶層の配向パターンを、フォーカルコニック相(F相)、プレーナ相(P相)、ホメオトロピック相(H相)に変更して、画像を表示するデバイスが提案されている。
コレステリック液晶層を使用したデバイスでは、常に高い反射率と、低い駆動電圧が求められている。なお、要求される反射率、駆動電圧は、摘要される環境、条件、仕様によって様々であるが、高い反射率は、一般には40%以上であり、低い駆動電圧は、一般的には、40V以下を言う。
ここで、コレステリック液晶層において、全ての配向変化を駆動電圧の印加によって賄う場合、反射率と駆動電圧は、コレステリック液晶層の厚さ寸法と、ほぼ直線関係(比例関係)にあり、十分な反射率を得ようとすると、コレステリック液晶層の厚さ寸法が厚くなり、かつ駆動電圧が高くなる。
なお、駆動電圧以外で、コレステリック液晶層の配向を制御するものとして、圧力、温度がある。
特許文献1では、圧力を利用して液晶層の流れを作り消去電圧を必要としない構成を提案している。
また、特許文献2では、サーマルヘッドやレーザー光を利用した温度変化による描画が提案されている。
特表2005−501294公報
特開2002−006280公報
本発明は、表示層の厚さ寸法の制限を緩和することができる画像書き込み表示装置を得ることが目的である。
本発明は、一対の電極と、前記一対の電極に挟まれ、反射率が変更される表示層を備えた表示媒体を位置決めした状態で、前記一対の電極に対して、前記表示層の反射率を変化させるための電圧を印加する電圧印加手段と、前記表示層の反射率を変化させるための圧力を加える圧力付加手段と、前記圧力付加手段により表示層に圧力を加えることで、前記表示層を一様の反射率とする初期化制御手段と、前記一対の電極間における画像データに応じた特定領域の表示層に対して、前記電圧印加手段によりデータ電圧を印加することによって、画像を書き込む画像書込制御手段と、を有することを特徴としている。
本発明において、前記表示媒体の表示層がコレステリック液晶であり、初期化制御手段では、コレステリック液晶を加圧することで、一様にプレーナ配向状態とし、このプレーナ配向をベースとして、少なくも2種類の印加電圧によって、前記表示層を前記プレーナ配向に維持するか、フォーカルコニック配向に変更するかを、前記一対の電極によって特定される領域毎に決定することを特徴としている。
本発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、表示層の厚さ寸法の制限を緩和することができる。
また、本発明において、コレステリック液晶の配向変化を、圧力と電圧によって制御することができる。
(表示媒体の物性)
図1は、本実施の形態における光書き込み型の表示媒体1の断面図を示している。表示媒体1は、画像に応じたバイアス信号(電圧)の印加によって画像を記録することが可能な表示媒体である。
図1は、本実施の形態における光書き込み型の表示媒体1の断面図を示している。表示媒体1は、画像に応じたバイアス信号(電圧)の印加によって画像を記録することが可能な表示媒体である。
図1に示される如く、表示媒体1は、表示面側から順に、透明基板3、透明電極5、表示層(液晶層)7、電極6および基板4が積層されて構成されている。
透明基板3、基板4は、各機能層を内面に保持し、表示媒体の構造を維持するためのものである。透明基板3、基板4は、外力に耐える強度を有するシート形状の部材で構成され、表示面側の透明基板3は少なくとも入射光を透過し、この面が表示層7に表示される画像を目視する側となる。
透明基板3、基板4は、フレキシブル性を有することが好ましい。具体的な材料としては、無機シート(例えばガラス・シリコン)、高分子フィルム(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート)等を挙げることができる。外表面に、防汚膜、耐磨耗膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。
なお、透明基板3は、本実施形態では可視光全域にわたって透過性をもつものであるが、表示させる波長域のみ透過性を有していてもよい。
透明電極5、電極6は、駆動電圧を、表示媒体1内の各機能層へ印加するためのものである。
透明電極5、電極6は、面均一な導電性を有し、表示面側の透明電極5は少なくとも入射光を透過する。具体的には、金属(例えば金、アルミニウム)、金属酸化物(例えば酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO))、導電性有機高分子(例えばポリチオフェン系・ポリアニリン系)などで形成された導電性薄膜を挙げることができる。表面に、密着力改善膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。
なお、透明電極5は、本実施形態では可視光全域にわたって透過性をもつものであるが、前記透明基板3と同様に、表示させる波長域のみ透過性を有していてもよい。
表示層7は、電場によって入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、選択した状態が無電場で保持できる性質のものである。表示層7としては、曲げや圧力などの外力に対して変形しない構造であることが好ましい。
本実施の形態では、表示層7は、一例としてコレステリック液晶及び透明樹脂からなる自己保持型液晶複合体の液晶層で構成される。すなわち、複合体として自己保持性を有するためスペーサ等を必要としない液晶層であるが、これに限られるものではない。本実施形態では、図1に示される如く、高分子マトリックス(透明樹脂)11中にコレステリック液晶12が分散した状態となっている。
なお、表示層7は、前記コレステリック液晶12が偏らず、ほぼ均一に分散するように、適宜リブ8によって仕切ることが好ましい。
(コレステリック液晶組成)
コレステリック液晶12は、入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、液晶分子がらせん状に捩れて配向しており、らせん軸方向から入射した光のうち、らせんピッチに依存した特定の光を干渉反射する。電場によって配向が変化し、反射状態を変化させることができる。ドロップサイズが均一で、単層稠密に配置されていることが好ましい。
コレステリック液晶12は、入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、液晶分子がらせん状に捩れて配向しており、らせん軸方向から入射した光のうち、らせんピッチに依存した特定の光を干渉反射する。電場によって配向が変化し、反射状態を変化させることができる。ドロップサイズが均一で、単層稠密に配置されていることが好ましい。
コレステリック液晶12として使用可能な具体的な液晶としては、ネマチック液晶やスメクチック液晶(例えばシッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ビフェニル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキサン系、トラン系、アルケニル系、スチルベン系、縮合多環系)、またはこれらの混合物に、カイラル剤(例えばステロイド系コレステロール誘導体、シッフ塩基系、アゾ系、エステル系、ビフェニル系)を添加したもの等を挙げることができる。
コレステリック液晶の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整する。例えば、表示色を青、緑、赤とする場合には、それぞれ選択反射の中心波長が、400nm〜500nm、500nm〜600nm、600nm〜700nmの範囲になるようにする。また、コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる、または逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する公知の手法を用いてもよい。
表示層7がコレステリック液晶12と高分子マトリックス(透明樹脂)11からなる自己保持型液晶複合体を形成する形態としては、コレステリック液晶の連続相中に網目状の樹脂を含むPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造や、高分子の骨格中にコレステリック液晶がドロップレット状に分散されたPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造(マイクロカプセル化されたものを含む)を用いることができ、PNLC構造やPDLC構造とすることによって、コレステリック液晶と高分子の界面にアンカリング効果を生じ、無電界でのプレーナ相またはフォーカルコニック相の保持状態を、より安定にすることができる。
PNLC構造やPDLC構造は、高分子と液晶とを相分離させる公知の方法、例えば、アクリル系、チオール系、エポキシ系などの、熱や光、電子線などによって重合する高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の状態から重合させて相分離させるPIPS(Polymerization Induced PhaseSeparation)法、ポリビニルアルコールなどの、液晶の溶解度が低い高分子と液晶とを混合し、攪拌懸濁させて、液晶を高分子中にドロップレット分散させるエマルジョン法、熱可塑性高分子と液晶とを混合し、均一相に加熱した状態から冷却して相分離させるTIPS(Thermally Induced Phase Separation)法、高分子と液晶とをクロロホルムなどの溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶とを相分離させるSIPS(Solvent Induced Phase Separation)法などによって形成することができるが、特に限定されるものではない。
(高分子マトリックス11)
高分子マトリックス11は、コレステリック液晶12を保持し、表示媒体の変形による液晶の流動(画像の変化)を抑制する機能を有するものであり、液晶材料に溶解せず、また液晶と相溶しない液体を溶剤とする高分子材料が好適に用いられる。また、高分子マトリックス11としては、外力に耐える強度をもち、少なくとも反射光およびアドレス光に対して高い透過性を示す材料であることが望まれる。
高分子マトリックス11は、コレステリック液晶12を保持し、表示媒体の変形による液晶の流動(画像の変化)を抑制する機能を有するものであり、液晶材料に溶解せず、また液晶と相溶しない液体を溶剤とする高分子材料が好適に用いられる。また、高分子マトリックス11としては、外力に耐える強度をもち、少なくとも反射光およびアドレス光に対して高い透過性を示す材料であることが望まれる。
高分子マトリックス11として採用可能な材料としては、水溶性高分子材料(例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸系ポリマー、エチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミジン、イソプレン系スルホン酸ポリマー)、あるいは水性エマルジョン化できる材料(例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂)等を挙げることができる。
なお、上記表示媒体1の各機能層に加え、画像書き込み表示時に表示媒体の非表示面側から入射する外光と表示画像を光学分離し、画質の劣化を防ぐ目的で設けられる着色層や、各機能層を貼りあわせる際に、凹凸吸収および接着の役割を果たす目的で設けられるラミネート層を設けるようにしてもよい。
(表示媒体の等価回路)
図2に示される如く、図1の表示媒体1は、コンデンサCと等価である。図1(B)では、コンデンサCに対して選択的に電圧を印加するための電極配線切替機能の概念図を示している。
図2に示される如く、図1の表示媒体1は、コンデンサCと等価である。図1(B)では、コンデンサCに対して選択的に電圧を印加するための電極配線切替機能の概念図を示している。
図2において、コンデンサCの上側電極が図1(A)の透明電極5に相当し、コンデンサCの下側電極が図1の電極6に相当する。
透明電極5は、電圧制御部52に接続されている。一方、電極6は、アース接地されている。電圧制御部52は、透明電極5及び電極6間に画像データに応じた電圧(交番電圧)を印加するようになっている。なお、後述するが、この電圧Vは、コレスリック液晶12の配向を、加圧によって一様にP相状態にした後に、F相状態とするための電圧(Vpf<V<Vfh)である。
また、表示媒体1は、その上下端面側に加圧部54U、54Lが対向するようになっている。加圧部54U、54Lは、加圧制御部56に接続されている。この加圧制御部56から加圧部54U、54Lに加圧指示があると、加圧部54U、54Lの加圧板54UA、54LAが互いに接近する方向に移動され(図2の幅広矢印参照)、表示媒体1に対して所定の圧力を加える。この加圧は、コレステリック液晶12の配向状態を一様にP相状態にするために実行される(初期化処理)。
なお、図2では、加圧板54UA、54LAによって、所定の面積を同時に加圧する構成としているが、例えば、一対のローラ間を通過させて、線状に順次加圧する構成であってもよい。
ここで、図5(A)、(B)は、コレステリック液晶を、圧力によって初期化した後(菱形プロットを結ぶ特性曲線)、並びに電圧印加によって初期化した後(四角プロットを結ぶ特性曲線)、駆動電圧を印加することによって書込みを行った場合の、駆動電圧−明るさ(輝度)特性を示している。
図5(B)に示すように、コレステリック液晶12の厚さ寸法が10μmになれば、20V〜30V程度で明るさ25を得ることができるが、図5(A)に示すように、コレステリック液晶12の厚さ寸法が2μmであると、同じ電圧で明るさ(25)を得ることができないことがわかる。なお、コレステリック液晶12の厚さ寸法が10μmの場合で、電圧印加のみで明るさ25を得るためには、65V以上の電圧が必要となる。
本実施の形態では、圧力と電圧とを併用する構成とし、仕様が、コレステリック液晶12の厚さ寸法が2μm、印加する駆動電圧を15Vとなっている。
図2に示される如く、前記電圧制御部52及び加圧制御部56は、メインコントローラ58の実行指示部60に接続されている。
メインンコトローラ58には、書込指示情報及び画像データが入力されるようになっている。メインコントローラ58は、データ蓄積部62を備えており、入力される画像データが蓄積されるようになっている。
また、メインコントローラ58は、書込指示受付部64を備えており、前記書込指示情報を受け付ける。書込指示受付部64は、データ読出部66に接続されている。データ読出部66では、書込指示受付部64から起動指示を受けると、データ蓄積部62から画像データを読み出すと共に、この画像データを実行指示部60へ送出する。
これにより実行指示部60では、前記電圧制御部52及び加圧制御部56を制御して、画像書込み表示制御を実行する。
本実施の形態では、画像書込指示情報を受けると、まず加圧制御部56を制御することで、加圧部54U、54Lの加圧プレート54UA、54LAを動作させ、表示媒体1の全領域を同時に加圧する(初期化処理)。この初期化処理によりコレステリック液晶12の配向は、一様にF相状態となる。この初期化処理後に、電圧制御部52を制御して、画像データに応じた電圧を透明電極5、電極6間に電圧を印加する(書込み処理)。
(コレステリック液晶12の配向特性)
次に、コレステリック液晶(カイラルネマチック液晶)12について具体的に説明する。コレステリック液晶12が示すプレーナ相は、螺旋軸に平行に入射した光を右旋光と左旋光に分け、螺旋の捩じれ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射し、残りの光を透過させる選択反射現象を起こす。反射光の中心波長λおよび反射波長幅Δλは、螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率をn、複屈折率をΔnとすると、それぞれ、λ=n・p、Δλ=Δn・pで表され、プレーナ相のコレステリック液晶層による反射光は、螺旋ピッチに依存した鮮やかな色を呈する。
次に、コレステリック液晶(カイラルネマチック液晶)12について具体的に説明する。コレステリック液晶12が示すプレーナ相は、螺旋軸に平行に入射した光を右旋光と左旋光に分け、螺旋の捩じれ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射し、残りの光を透過させる選択反射現象を起こす。反射光の中心波長λおよび反射波長幅Δλは、螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率をn、複屈折率をΔnとすると、それぞれ、λ=n・p、Δλ=Δn・pで表され、プレーナ相のコレステリック液晶層による反射光は、螺旋ピッチに依存した鮮やかな色を呈する。
正の誘電率異方性を有するコレステリック液晶は、図3(A)に示すように、螺旋軸がセル表面に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を起こすプレーナ相(P相)、図3(B)に示すように、螺旋軸がほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させながら透過させるフォーカルコニック相(F相)、および図3(C)に示すように、螺旋構造がほどけて液晶ダイレクタが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホメオトロピック相(H相)、の3つの状態を示す。
上記の3つの状態のうち、プレーナ相とフォーカルコニック相は、無電界で双安定に存在することができる。したがって、コレステリック液晶の相状態は、液晶層に印加される電界強度に対して一義的に決まらず、プレーナ相が初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、プレーナ相、フォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順に変化し、フォーカルコニック相が初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、フォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順に変化する。
一方、液晶層に印加した電界強度を急激にゼロにした場合には、プレーナ相とフォーカルコニック相はそのままの状態を維持し、ホメオトロピック相はプレーナ相に変化する。
したがって、パルス信号を印加した直後のコレステリック液晶層は、図4に示すようなスイッチング挙動を示し、印加されたパルス信号の電圧が、Vfh以上のときには、ホメオトロピック相からプレーナ相に変化した選択反射状態となり、VpfとVfhの間のときには、フォーカルコニック相による透過状態となり、Vpf以下のときには、パルス信号印加前の状態を継続した状態、すなわちプレーナ相による選択反射状態またはフォーカルコニック相による透過状態となる。
なお、図4において、縦軸は正規化反射率であり、最大反射率を100、最小反射率を0として、反射率を正規化している。また、プレーナ相、フォーカルコニック相およびホメオトロピック相の各状態間には、遷移領域が存在するため、正規化反射率が50以上の場合を選択反射状態、正規化反射率が50未満の場合を透過状態と定義し、プレーナ相とフォーカルコニック相の相変化のしきい値電圧をVpfとし、フォーカルコニック相とホメオトロピック相の相変化のしきい値電圧をVfhとする。
特に、コレステリック液晶の連続相中に網目状の樹脂を含むPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造や、高分子の骨格中にコレステリック液晶がドロップレット状に分散されたPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造(マイクロカプセル化されたものを含む)の液晶層においては、コレステリック液晶と高分子の界面における干渉により(アンカリング効果)、プレーナ相とフォーカルコニック相の無電界における双安定性が向上し、長期間に渡ってパルス信号印加直後の状態を保持することができる。
このようなコレステリック液晶12を用いた表示媒体1では、コレステリック液晶の双安定現象を利用して、(A)プレーナ相による選択反射状態と、(B)フォーカルコニック相による透過状態とを、スイッチングすることによって、無電界でのメモリー性を有するブラック・ホワイトのモノクロ表示、または無電界でのメモリー性を有するカラー表示を行う。
外部印加電圧の大きさに応じてコレステリック液晶12は、プレーナ相状態(P相状態)またはホメオトロピック相状態(H相状態)を初期状態とした場合にはP状態、フォーカルコニック相状態(F相状態)、H相状態と変化し、F状態を初期状態とした場合にはF相状態、H相状態と変化し、その最終状態がP相状態およびF相状態では、電圧印加を解除した後も維持されるが、H相状態では、P相状態に相変化する。従って、露光/非露光に関わらず、印加電圧の大きさにより、最終的な相状態としてP相状態ないしF相状態が選択される。図4に示すように、P相状態では光反射、F相状態では光透過状態となる。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
(表示媒体1の製造)
本実施の形態では、表示媒体1を作製するにあたり以下の手順を実行する。
本実施の形態では、表示媒体1を作製するにあたり以下の手順を実行する。
(製造手順1) ITO付ガラス:Corning7059,25×22×1.1t,電極10×10にパターニング、100Ω/sq.EHC社製。ITO電極面にSE7511L(日産化学、垂直配向用)をエチルセロソルブで10倍に希釈し、スピンコート。
(製造手順2) ITO面上に配向層を形成した。配向層上にスペーサ粒子を散布し、UV硬化樹脂で基板端部にストライプ状にシールパターンを描画して、2枚の基板を貼り合わせてUV硬化。
(圧力付与と電圧印加との併用)
ここで、コレステリック液晶12の配向特性は、電圧印加による配向変化のみならず、圧力によっても配向が変化することが知られている。この圧力による配向特性と、電圧印加による配向特性との間にはコレステリック液晶12の厚さに起因する特性の差がある。
ここで、コレステリック液晶12の配向特性は、電圧印加による配向変化のみならず、圧力によっても配向が変化することが知られている。この圧力による配向特性と、電圧印加による配向特性との間にはコレステリック液晶12の厚さに起因する特性の差がある。
図6は、コレステリック液晶12の厚さ寸法−輝度(明るさ)特性を示しており、四角印のプロットを結ぶ特性曲線は電圧印加(電気)特性であり、菱形印のプロットを結ぶ特性曲線は圧力付与特性である。
図6に示される如く、コレステリック液晶12の厚さ寸法が2μmの場合は、明るさの数値が、圧力付与特性が「26」、電圧印加特性が「18」であり、その差は「8」であるのに対して、コレステリック液晶12の厚さ寸法が10μmになると、明るさの数値がほぼ同一(「23」程度)となる。
この結果から、圧力による配向特性を併用することで、コレステリック液晶12の厚さを薄くしても(10μm→2μm)、明るさの変化を回避できることがわかる。
そこで、本実施の形態では、コレステリック液晶12への圧力付与によって、初期化処理(一様なP相状態)を実行し、その後、電圧印加によって、画像データに応じて、コレステリック液晶12の配向状態を適宜F相状態とするようにした。
(画像書き込み手順)
図7のフローチャートに従い、画像書込制御ルーチンを説明する。
図7のフローチャートに従い、画像書込制御ルーチンを説明する。
ステップ100では、書込指示があったか否かが判断され、否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
また、ステップ100で肯定判定されると、ステップ102へ移行して、画像データを読み出す。例えば、データ蓄積部82に予め画像データが蓄積されていれば、当該蓄積された画像データを読み出せばよいし、リアルタイムに入力される画像データ(例えば、通信回線を介して送信される画像データは、インターフェイス接続されたスキャナからの送信されてくる原稿から読み取った画像データ等)であれば、データ蓄積部62をスルーさせればよい。
次のステップ104では、全面初期化処理を実行する。すなわち、加圧制御部56を制御して、加圧部54U、54Lの加圧板54UA、54LAを移動させ、表示媒体1に圧力を加える。これにより、表示媒体1の表示層7のコレステリック液晶の配向が、全領域でP相状態となる。
次のステップ106では、書き込み処理を実行する。すなわち、電圧制御部52を制御して、画像データに応じて、コレステリック液晶12の適宜領域の配向をF相状態とする。これにより、画像の書込みが終了する。
1 表示媒体
2 光書込表示装置
5 透明電極
6 電極
7 表示層
12 コレステリック液晶
C コンデンサ
52 電圧制御部(電圧印加手段、画像書込制御手段)
54U、54L 加圧部(圧力付加手段)
56 加圧制御部(初期化制御手段)
54UA、54LA 加圧板
58 メインンコトローラ
60 実行指示部(初期化制御手段、画像書込制御手段)
62 データ蓄積部
64 書込指示受付部
66 データ読出部
2 光書込表示装置
5 透明電極
6 電極
7 表示層
12 コレステリック液晶
C コンデンサ
52 電圧制御部(電圧印加手段、画像書込制御手段)
54U、54L 加圧部(圧力付加手段)
56 加圧制御部(初期化制御手段)
54UA、54LA 加圧板
58 メインンコトローラ
60 実行指示部(初期化制御手段、画像書込制御手段)
62 データ蓄積部
64 書込指示受付部
66 データ読出部
Claims (2)
- 一対の電極と、前記一対の電極に挟まれ、反射率が変更される表示層を備えた表示媒体を位置決めした状態で、前記一対の電極に対して、前記表示層の反射率を変化させるための電圧を印加する電圧印加手段と、
前記表示層の反射率を変化させるための圧力を加える圧力付加手段と、
前記圧力付加手段により表示層に圧力を加えることで、前記表示層を一様の反射率とする初期化制御手段と、
前記一対の電極間における画像データに応じた特定領域の表示層に対して、前記電圧印加手段によりデータ電圧を印加することによって、画像を書き込む画像書込制御手段と、
を有する画像書き込み表示装置。 - 前記表示媒体の表示層がコレステリック液晶であり、初期化制御手段では、コレステリック液晶を加圧することで、一様にプレーナ配向状態とし、このプレーナ配向をベースとして、少なくも2種類の印加電圧によって、前記表示層を前記プレーナ配向に維持するか、フォーカルコニック配向に変更するかを、前記一対の電極によって特定される領域毎に決定することを特徴とする請求項1記載の画像書き込み表示装置。
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JP2007333647A JP2009157011A (ja) | 2007-12-26 | 2007-12-26 | 画像書き込み表示装置 |
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