JP2009157006A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

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JP2009157006A JP2007333486A JP2007333486A JP2009157006A JP 2009157006 A JP2009157006 A JP 2009157006A JP 2007333486 A JP2007333486 A JP 2007333486A JP 2007333486 A JP2007333486 A JP 2007333486A JP 2009157006 A JP2009157006 A JP 2009157006A
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Masakazu Hashimoto
昌和 橋本
Yoshihisa Takeyama
慶久 武山
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】ノルボルネン系化合物重合体フィルムを基材とするカラーフィルターを製造するに際して、製造工程において熱履歴を受けても色ずれを生じることがないカラーフィルターの製造方法を提供する。
【解決手段】ノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルム基材上に、カラーフィルター用感光性樹脂組成物を塗布し、これを露光し、現像し、熱硬化処理して画素を形成するカラーフィルターの製造方法において、前記熱硬化処理を酸素濃度10,000ppm以下の雰囲気下で行なうことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルターの製造方法に関する。更に詳しくは、基材としてノルボルネン系化合物重合体を用いたカラーフィルターの製造方法であって、製造工程における高温処理にも拘らず色ずれのないカラーフィルターの製造方法に関する。
液晶表示装置や光ディスク等に用いられる光学用フィルムには、無色透明であること、複屈折が小さいこと、高耐熱性であること、低吸湿性であること等が要求される。
これまで、光学用フィルムには、ポリカーボネートやポリメタクリル酸メチル系ポリマー等の透明プラスチックが使用されてきた。しかしながら、ポリカーボネートフィルムには、耐熱性は高いものの、レターデーションが大きいという問題があり、他方、ポリメタクリル酸メチル系ポリマーには、透明性がよく低複屈折であるものの、低耐熱性で、高吸水性であるので耐久性に問題があった。
このため、近年では、光学用フィルムには、環状オレフィン重合体、特にノルボルネン系化合物重合体が賞用されている。ノルボルネン系化合物重合体から得られるフィルムは、耐熱性、透明性及び低吸湿性に優れるほか、レターデーションの均一性にも優れており、更に、他の光学フィルム用重合体に比べて比重が小さいという利点をも有している。
特に、ノルボルネン系化合物重合体の透明フィルム上に着色層を形成したカラーフィルターは、透明性及び耐熱性に優れ、大型化が可能であることから、その用途を拡大している(特許文献1)。
カラーフィルターは、RGBの画素ごとに、例えば、下記の各工程を順次実施することによって製造される。即ち、
(1)基板上に、光重合性化合物や光重合開始剤、バインダー、着色成分(顔料)等を含むカラーフィルター作成用着色組成物からなる感光性着色樹脂層を設ける工程、
(2)上記感光性着色樹脂層をパターン状に露光させる工程、
(3)露光させた感光性着色樹脂層を現像して、感光性着色樹脂層の露光部分から構成されるパターン状着色硬化膜層を得る工程、及び
(4)上記パターン状着色硬化膜層を加熱等することにより、焼成して更に硬化させる工程。
これらの工程において感光性着色樹脂の高温でのベイク処理が必要であり、従って、基材として用いる透明フィルムも高温処理を繰り返して受けることになる。
ノルボルネン系化合物重合体そのものは、高い耐熱性を有しているものの、この熱履歴のために、ノルボルネン系化合物重合体のフィルムが膨張−収縮を繰り返し、この結果、この上に形成されるRGBの3色の感光性樹脂層間に位置ずれに伴う色ずれが起きてしまう場合があることが指摘されている。
特開2007−197624号公報
従って、本発明の目的は、ノルボルネン系化合物重合体フィルムを基材とするカラーフィルターを製造するに際して、製造工程において熱履歴を受けても上記色ずれを生じることがないカラーフィルターの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の達成のために鋭意研究を進めた結果、上記製造工程における感光性着色樹脂の高温での熱処理を特定の条件下で行なえばよいことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、
(1)ノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルム基材上に、カラーフィルター用感光性樹脂組成物を塗布し、これを露光し、現像し、熱硬化処理して画素を形成するカラーフィルターの製造方法において、上記熱硬化処理を酸素濃度10,000ppm以下の雰囲気下で行なうことを特徴とするカラーフィルターの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、(2)前記ノルボルネン系化合物付加重合体において、それが含有する分子量10,000以下の成分の量が5重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法が提供される。
本発明のカラーフィルターの製造方法によれば、色ずれのないカラーフィルターを簡便に得ることができる。
本発明においては、カラーフィルター用基材として、ノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルムを用いる。
本発明で用いるノルボルネン系化合物付加重合体は、ノルボルネン系化合物の単独付加重合体若しくは付加共重合体又はノルボルネン系化合物とこれと共重合可能な単量体との付加共重合体である。
ノルボルネン系化合物の重合体としては、開環重合体も存在するが、特にノルボルネン系化合物の付加(共)重合体を用いた場合に、ノルボルネン系化合物重合体が本来有する、優れた透明性、耐湿性、耐衝撃性、機械強度、ガスバリアー性、耐薬品性、低吸水性等を維持しつつ、耐熱性、寸法安定性及び成形性にも優れた層を形成することができる。
ノルボルネン系化合物は、ノルボルネン環構造含有環状オレフィンであれば、特に限定されない。
その具体例としては、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン);5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン等の炭化水素置換基を有するビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン誘導体;
5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド等の官能基を有するビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン誘導体;
トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)等の3環以上のノルボルネン誘導体;
8−メチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン等の炭化水素置換基を有する3環以上のノルボルネン誘導体;
8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6.02,7.09,13〕ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ〔7.4.0.13,6.110,13.02,7〕ペンタデカ−4,11−ジエン等の、官能基を有する3環以上のノルボルネン誘導体;等を挙げることができる。
また、ノルボルネン系化合物と共重合可能な単量体としては、ノルボルネン系化合物以外の環状オレフィン;エチレン;プロピレン等のα−オレフィン;アセチレンや、プロピン、1−ブチン等の置換アセチレンであるアセチレン化合物;1,6−ヘプタジエン等の両端部分に二重結合をもつジエン化合物;等を挙げることができる。
ノルボルネン系化合物以外の環状オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、1−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロブテン、3,4−ジイソプロペニルシクロブテン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、シクロオクテン、1−メチルシクロオクテン、5−メチルシクロオクテン、シクロオクタテトラエン、1,5−シクロオクタジエン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン等を挙げることができる。
ノルボルネン系化合物付加(共)重合体において、重合体中のノルボルネン系化合物の組成比は、通常、50モル%、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、特に好ましくは100モル%(1種又は2種以上のノルボルネン系化合物のみからなる単独付加(共)重合体、以下「ノルボルネン系化合物単独付加(共)重合体」ということがある。)である。
本発明において使用するノルボルネン系化合物付加重合体のガラス転移温度は、200℃〜400℃であることが好ましく、230℃〜350℃であることがより好ましく、250℃〜320℃であることが特に好ましい。
本発明において使用するノルボルネン系化合物付加重合体のガラス転移温度が上記範囲内にあるときに、これから得られるフィルムは、優れた耐熱性を示す。
本発明において使用するノルボルネン系化合物付加重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、100,000〜1,000,000であることが好ましく、150,000〜900,000であることがより好ましく、200,000〜800,000であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が小さすぎると機械的強度が弱く、大き過ぎると、溶液粘度が高くてフィルムの成形が困難となる。
また、本発明において使用するノルボルネン系化合物付加重合体の数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算で、50,000〜600,000であることが好ましく、70,000〜500,000であることがより好ましく、80,000〜400,000であることが特に好ましい。数平均分子量(Mn)が小さ過ぎると機械的強度が弱く、大き過ぎると、溶液粘度が高くてフィルムの成形が困難となる。
本発明において用いるノルボルネン系化合物付加重合体において、それが含有する分子量10,000以下の成分の量が5重量%以下であることが好ましく、4重量%以下であることが特に好ましい。分子量10,000以下の成分の量が上記範囲にあるときに、レジスト層などの隣接する層との密着性が向上する。
分子量10,000以下の成分の含有量が5重量%以下のノルボルネン系化合物付加重合体は、以下の方法によって得ることができる。
ノルボルネン系化合物の付加重合反応においては、通常、重合体の成長反応に比べて連鎖移動反応の速度が遅いため、連鎖移動剤を過剰量加えて、分子量調節を行なう。そのため、反応転化率が高くなる重合反応後期においては、反応系中のノルボルネン系化合物に対する連鎖移動剤比が高まり、連鎖移動反応が主体となるため、低分子量成分ができやすい。従って、分子量10,000以下の成分の含有量が5重量%以下のノルボルネン系化合物付加重合体を得るためには、重合反応を適切な段階で停止する;連鎖移動剤の使用量を低減し、且つ重合反応温度を高めて連鎖移動剤の連鎖移動効率を高める;重合反応後に重合液を多量の貧溶媒(メタノール等)に注いで凝固させ、濾別洗浄後、得られた重合体を良溶媒(トルエン等)に再度溶解させ、多量の貧溶媒に注いで凝固させ、濾別洗浄することにより、低分子量成分を除去する(再沈精製法);等の方法を採用することができる。
なお、上記連鎖移動剤としては、スチレン等を使用することができる。
本発明において使用するノルボルネン系化合物付加重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。分子量分布がこの範囲内にあるときに、ノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルムの機械的強度が良好なものとなる。
本発明において、ノルボルネン系化合物付加重合体は、レジスト、インク、現像液等の薬品に対して高い耐性を有するので、カラーフィルター積層工程で、変形やクラックが発生することがない。
ノルボルネン系化合物単独付加(共)重合体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特表平11−505880号公報、国際公開第00/20472号パンフレット及び特開2001−980359号公報に記載されているニッケル、パラジウム等の周期表第10族遷移金属触媒とアルミニウム化合物やホウ素化合物等の助触媒との組み合わせからなる重合触媒を用いてノルボルネン系化合物を重合する方法を示すことができる。
また、ノルボルネン系化合物とこれと共重合可能な単量体との付加共重合体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、特開平3−45612号公報、特開2004−107442号公報及び特開2004−269728号公報に記載されているチタニウム、ジルコニウム等の周期表第4族遷移金属触媒とアルミニウム化合物やホウ素化合物等の助触媒との組み合わせからなる重合触媒を用いてノルボルネン系化合物とα−オレフィンとを共重合する方法等を示すことができる。
重合反応は、溶媒を用いずに塊状重合で行なってもよいし、有機溶媒等の溶媒中で行なってもよい。溶媒としては、重合反応に不活性なものであれば格別な制限はないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;スチレンジクロリド、ジクロルエタン、ジクロルエチレン、テトラクロルエタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の含窒素炭化水素類;等が挙げられる。
重合温度は、通常、−50℃〜+100℃、好ましくは−30℃〜+80℃、より好ましくは−20℃〜+70℃の範囲であり、重合圧力は、通常、0〜50kg/cm、好ましくは0〜20kg/cmの範囲である。重合時間は、重合条件により適宜選択されるが、通常、30分〜20時間、好ましくは1〜10時間の範囲である。
ノルボルネン系化合物付加重合体は、重合によって得られたノルボルネン系化合物付加重合体に炭素−炭素不飽和結合が存在する場合に、この炭素−炭素不飽和結合を水素添加したものであってもよい。
ノルボルネン系化合物付加重合体の水素化反応は、一般的に知られている方法、即ち、水素化触媒存在下で水素と接触させて行なえばよい。水素化触媒としては、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ルテニウム、ロジウム等の第8〜10族遷移金属又はその化合物をカーボン、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、珪藻土等の多孔性担体に担持した固体触媒、あるいは、コバルト、ニッケル、パラジウム等の4族〜10族の有機カルボン酸塩、β−ジケトン化合物と有機アルミニウム又は有機リチウムとの組み合わせやルテニウム、ロジウム、イリジウム等の錯体等の均一触媒が用いられる。
また、本発明において、ノルボルネン系化合物付加重合体は、必要に応じて、公知の方法により、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィン系不飽和結合と加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、又は不飽和エポキシ単量体等を用いて変性したものであってもよい。
付加重合反応及び/又は水素化反応の後、触媒を除去することが好ましい。
触媒の除去方法としては、シリカ、アルミナ、活性炭等の吸着剤により吸着除去する方法;イオン交換樹脂により除去する方法;キレート剤を加えて触媒残渣を不溶化させてろ過する方法;重合体溶液を多量のメタノール、アセトン等の貧溶媒に添加して凝固する方法;等を挙げることができる。
付加重合反応後のノルボルネン系化合物付加重合体の回収は、重合体溶液から直接溶媒を除去する方法、上記メタノール等の貧溶媒で凝固・分離する方法等の公知の方法により行なうことができる。
凝固に用いる溶媒は、特に限定されないが、その具体例としては、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、アセトン等の炭素数1〜8の含酸素炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭素数5〜8の脂肪族炭化水素;アセトニトリルに代表される低級ニトリル:等が挙げられる。なお、これらの溶媒は混合して用いてもよい。これらのうち、凝固の効率の観点から、含酸素炭化水素及び脂肪族炭化水素が好ましく、含酸素炭化水素が特に好ましい。
ノルボルネン系化合物付加重合体のフィルムの作成方法は、特に限定されないが、ノルボルネン系化合物付加重合体を有機溶媒に溶解させ、その有機溶媒溶液を、基材の上に塗工又は流延し、その後、乾燥工程を経て成形品を得る溶液キャスト法により、フィルムとすることができる。
溶液を流延するための基材は、表面が平滑なものであれば特に限定されない。その具体例としては、鏡面仕上げした金属製ベルト、樹脂フィルム等を挙げることができる。
溶液を流延するための方法も特に限定されず、溶液をそれ自体の流動性で基材上に展開させる方法や、コンマコーター、ロールコーター、ダイコーター等、通常の塗工用コーターを用いて塗工する方法が挙げられる。これらの方法は、塗工厚や、粘度等の塗工溶液の性状に合わせて適宜選択すればよい。
基材上に流延した溶液から、溶媒を揮散させることによりキャストフィルムが形成される。
溶媒の揮散は、自然蒸発に任せてもよいが、適宜、加熱手段を用いてもよい。加熱手段としては、遠赤外線ヒーター、セラミックヒーター、熱風、誘導加熱等が挙げられる。基材に流延した溶液を、気流下において、揮散した溶媒を除去することも好ましい。
加熱の温度も特に限定されないが、通常、40〜250℃であることが好ましい。この温度が高すぎると、均一なフィルムが得られないことがあり、低すぎると、フィルム形成に長時間を要するので好ましくない。
乾燥時間は、通常、1分〜30時間、好ましくは、1分〜25時間である。
溶液から、溶媒が揮発して、フィルムの自己支持性が発現した後、フィルムを基材から剥離する。本発明において、この状態のフィルムを「キャストフィルム」という。なお、キャストフィルムを非加熱又は加熱しながら減圧下に置いて、更に溶媒を除去することができる。なお、フィルムを基材から剥離する前に非加熱減圧下に置いて溶媒を揮散させてもよい。
また、有機溶媒でノルボルネン系化合物付加重合体を膨潤させた後、押出機で溶媒を蒸発させながら、フィルムに成形・加工することもできる。
また、ノルボルネン系化合物付加重合体の有機溶媒溶液を型内に流し込んだ後、溶媒を蒸発させて成形することもできる。更に、有機溶媒溶液を特定の部品や基材に付着させた後、溶媒を蒸発させて成形することもできる。
また、ノルボルネン系化合物付加重合体を、溶融押出機等を使用する溶融押出法により、フィルムとすることもできる。
本発明において、ノルボルネン系化合物付加重合体の溶液を調製するための溶媒は、特に限定されないが、環状オレフィンの良溶媒であることが好ましい。
その具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;クロロホルム等のハロゲン含有炭化水素;等が挙げられる。
これらの溶媒のうち、沸点が低いものが好ましく、沸点が170℃以下のものがより好ましい。
これらの溶媒は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、通常、ノルボルネン系化合物付加重合体の濃度が0.1〜40重量%となる範囲である。溶媒の量が多すぎると、フィルムの形成に長時間を要し、溶媒の量が少なすぎると、均一なフィルムを形成することが困難となる。
本発明において、ノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルムの厚さは、0.01〜10mm、好ましくは0.05〜7mmの範囲である。
ノルボルネン系化合物付加重合体フィルムは、ノルボルネン系化合物付加重合体のみからなるものであってもよく、ノルボルネン系化合物付加重合体と各種の添加剤とからなる組成物からなるものであってもよい。
添加剤としては、他の熱可塑性樹脂、充填材、酸化防止剤、蛍光体、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔料等の着色剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、複屈折調節剤等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、透明樹脂が好ましく、その具体例としては、環状オレフィン付加重合体、水素化された環状オレフィン開環重合体、α−オレフィンと環状オレフィンとの付加共重合体、結晶性のα−オレフィン重合体、更にゴム状のエチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとの共重合体、水素化されたブタジエン重合体、水素化されたブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素化されたイソプレン重合体等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂の使用割合は、ノルボルネン系化合物付加重合体に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
充填材としては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等の金属の酸化物等を例示することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等を例示することができる。
蛍光体は、光を受けて励起し、励起波長よりも長い波長の光を発光するものであり、例えば、光学素子を封止する場合に、光学素子が発光する青色領域から紫外線領域の波長を受けて、可視領域の波長を発光させるのに用いられる。
これらの添加剤の配合方法は、特に限定されない。
本発明において、ノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルムは、全光線透過率が、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上であるので、カラーフィルター基材フィルムとして好適に使用することができる。
本発明においてフィルム基材として用いるノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルムは、接着性等の表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤処理や、ウレタン系樹脂等の各種樹脂の薄膜形成処理等を行なってもよい。
本発明で用いるカラーフィルター用感光性樹脂組成物(レジスト)は、色材、溶媒及びバインダー成分を含有してなる。更に、光重合開始剤やその他の添加剤を含有していてもよい。
色材は、本発明で使用するカラーフィルター用感光性樹脂組成物を着色するものをいう。色材としては、赤色、緑色、青色の染料・顔料のほか、調色用の黄色やバイオレットの染料・顔料、カーボンブラック等が挙げられる。これ以外に、必要に応じて、金属粉、白色顔料、蛍光顔料等を配合してもよい。
顔料は無機顔料及び有機顔料のいずれでもよい。
無機顔料としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラック等が挙げられる。
有機顔料として、例えば、次のようなものが挙げられる。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド9、11、48:1、81、97、122、123、149、168、177、180、192、209、213、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、246、247、254、255、264、270、272等が挙げられる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、36等が挙げられる。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、15:6、22、60、64等が挙げられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー12、17、83、86、93、109、110、117、125、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185等が挙げられる。
オレンジ顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71等が挙げられる。
バイオレット顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50等が挙げられる。
ブラウン顔料としては、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
黒色顔料としては、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56等が挙げられる。
フタロシアニン系染料としては、例えば、C.I.パッドブルー5等が挙げられる。
キノンイミン系染料としては、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が挙げられる。
キノリン系染料としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が挙げられる。
ニトロ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
感光性樹脂組成物に占める色材の割合は、通常、感光性樹脂組成物中の全固形分に対して1〜70重量%の範囲で選ぶことができる。この範囲の中では、10〜70重量%がより好ましく、中でも20〜60重量%が特に好ましい。
溶媒は、本発明で使用する感光性樹脂組成物において、色材及びバインダー成分のほか、場合により配合する光重合開始剤及びその他の添加剤等を溶解又は分散させ、粘度を調節するように機能する。
溶媒の具体例としては、ケトン、アルデヒド、アルキルアルコールエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン等の直鎖脂肪族カルボニル化合物類;シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の脂環式ケトン;アセトフェノン等の芳香族ケトン;等が挙げられる。
アルデヒド溶媒の具体例としては、アセトアルデヒド等が挙げられる。
これらのうち、沸点が50〜300℃のものが好適である。
アルキルアルコールエーテルアセテート溶媒の具体例としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
溶媒中のアルキルアルコールエーテルアセテート溶媒の割合は、特に制限はないが、30〜90重量%が好ましく、50〜80重量%がより好ましい。
溶媒としては、上述のもののほか、エステル溶媒、エーテル溶媒等を使用することができる。
エステル溶媒の具体例としては、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート等が挙げられる。
エーテル溶媒の具体例としては、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等を挙げることができる。
本発明で使用する感光性樹脂組成物全体に占める溶媒の割合は、通常は、感光性樹脂組成物全体に対して99重量%以下、好ましくは、50〜90重量%、より好ましくは60〜85重量%の範囲である。
バインダー成分は、バインダー樹脂又は光重合性化合物である。
バインダー樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル酸及びその誘導体やビニル芳香族化合物等の重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
これらのうち、側鎖又は主鎖にカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する単量体を含むアクリル系樹脂、中でも、アクリル酸(共)重合体、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ノボラックエポキシアクリレートの酸無水物変性樹脂等が好ましい。これら官能基を有するアクリル系樹脂を使用すると、得られたカラーフィルターは、アルカリ性溶液での現像が可能となる。
また、アクリル系樹脂は、側鎖にエチレン性二重結合を有しているものが好ましい。
これらのアクリル系樹脂は、GPCで測定した重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000の範囲のものが好ましい。
バインダー樹脂の割合は、本発明で使用する感光性樹脂組成物における固形分中、10〜80重量%の範囲で選ぶのが好ましく、中でも20〜70重量%が特に好ましい。
光重合性化合物は、光重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物が好ましい。
光重合性化合物の具体例としては、不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸とヒドロキシ化合物とのエステル;を挙げることができる。ここで、不飽和カルボン酸は、多価カルボン酸でもよく、ヒドロキシ化合物は、モノヒドロキシ化合物でも多価ヒドロキシ化合物でもよく、また、脂肪族ヒドロキシ化合物であっても芳香族ヒドロキシ化合物であってもよい。
このような光重合性化合物の具体例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
また、光重合性化合物の他の例として、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等脂肪族ジイソシアネート類;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物と、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリアクリロイルオキシメチル)プロパン、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリメタクリロイルオキシメチル)プロパン等の(メタ)アクリロイル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有する反応生成物;等が挙げられる。
本発明で使用する感光性樹脂組成物中に占める光重合性化合物の割合は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、10〜80重量%が好ましく、中でも、20〜70重量%が好ましい。
本発明において、感光性樹脂組成物が光重合性化合物を含有する場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始剤を、感光性樹脂組成物に配合する。
光重合開始剤は、感光性樹脂組成物によってブラックの光重合性層を形成する際には、光重合性層上よりパターンマスクを介して画像露光されるため、紫外光線〜可視光線に感度を発揮する化合物を意味し、画像露光に際しては、それに相当する露光光源を使用するのが好ましい。また、赤色、緑色及び青色の各光重合性層においても、各色のパターンマスクを介した露光やその他の方法により、前記ブラックマトリクスパターン間に、赤色、緑色及び青色の画素画像パターンを形成するため、ブラックマトリクスパターンの場合と同様、光重合開始剤としては、紫外光線〜可視光線に感度を発揮する化合物、中でも450nm以下、特に400nm以下の波長に分光感度を発揮する化合物が好ましい。
光重合開始剤としては、ビシナルポリケタルドニル化合物、アシロインエーテル化合物、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾール二量体とp−アミノケトンの組み合わせ、ベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、トリハロメチル−s−トリアジン化合物、トリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール二量体が好ましい。
また、チタノセン化合物を始めとするメタロセン化合物を使用することもできる。
光重合開始剤の感光性樹脂組成物における含有割合は、固形分中、0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜20重量%が更に好ましく、0.7〜10重量%が特に好ましい。
光重合開始剤に、促進剤を併用することができる。
促進剤としては、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;及び脂肪族多官能メルカプト化合物等が挙げられる。
また、光重合開始剤に、感応感度を向上させる目的で、必要に応じて、増感色素を配合してもよい。
増感色素は、画像露光光源の波長に応じたものを選定するのが好ましい。
増感色素としては、キサンテン色素、クマリン色素、3−ケトクマリン化合物、ピロメテン色素、ジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらのうち好ましいのは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいのは、同一分子内にアミノ基とフェニル基の双方を有する化合物である。
このようなアミノ基含有増感色素の具体例としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール等のオキサゾール化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール等のベンズイミダゾール化合物;2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−チアジアゾール等のチアジアゾール化合物;(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン等のピリジン化合物;(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン等のキノリン化合物;等である。
増感色素の配合割合は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して0〜20重量%が好ましく、0.2〜15重量%がより好ましく、0.5〜10重量%が特に好ましい。
本発明で使用する感光性樹脂組成物には、必要に応じて、更に、熱重合防止剤、可塑剤、分散剤、分散助剤、保存安定剤、表面保護剤、平滑剤、塗布助剤、密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、シランカップリング剤等を添加することができる。
感光性樹脂組成物を調製する方法は、特に限定されないが、以下のようにして行なうことができる。
まず、溶媒に色材を分散させて液状の感光性樹脂組成物(インク状物)とする。この分散処理には、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を使用することができる。
溶媒に色材を分散する際に、バインダー樹脂及び/又は光重合性化合物、界面活性剤等の分散剤、分散助剤等を適宜併用するのが好ましい。特に、高分子分散剤を用いると、経時の分散安定性に優れるので好ましい。例えば、サンドグラインダーを用いて分散処理する場合には、直径が0.1から数ミリのガラスビーズ又は、ジルコニアビーズを用いるのが好ましい。
分散処理時の温度は、通常、0℃〜100℃、好ましくは室温〜80℃の範囲に設定する。なお、分散時間は、色材、溶媒等の組成や、分散に用いる機器により、適宜調整する。
上記分散処理によって得られたインキ状物に、バインダー樹脂及び/又は光重合性化合物、及び、必要に応じて、光重合開始剤、その他の添加剤等を混合し、均一な分散溶液とする。なお、分散処理及び混合の各工程においては、微細なゴミが混入することがあるので、得られたインキ状物をフィルタ等によってろ過処理するのが好ましい。
ノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルム基材上に、ブラックマトリクスを設け、通常、赤色、緑色及び青色の画素画像を形成することにより、カラーフィルターを製造することができる。
なお、着色層は、ノルボルネン系化合物付加重合体からなる層の上に直接積層してもよく、ノルボルネン系化合物付加重合体からなる層の上に透明導電膜層を形成した後、この透明導電膜層の上に形成してもよい。
また、各画素間のブラックマトリクス部が凹(へこ)みとなる場合は、平滑化のために表面をエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等の透明樹脂で被覆して保護膜を形成してもよい。
感光性樹脂組成物は、黒色、赤色、緑色及び青色のうち少なくとも一種のレジスト形成用塗布液として使用される。ブラックレジストに関してはフィルム基材上に、赤色、緑色及び青色に関してはフィルム基材上に形成された樹脂ブラックマトリクス形成面上、又は、クロム化合物その他の遮光金属材料を用いて形成した金属ブラックマトリクス形成面上に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像及び熱硬化の各処理を順次行なって各色の画素画像を形成する。
ブラックマトリクスは、遮光金属薄膜又はブラックマトリクス用顔料分散液を利用して、フィルム基材上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロム等のクロム化合物、ニッケルとタングステン合金等が用いられ、これらを複数層状に積層させたものであってもよい。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリクスを形成することができる。
この場合、まず、蒸着又はスパッタリング法等により、フィルム基材上にこれら金属又は金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に感光性樹脂組成物の塗布膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングル等の繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。その後、薄膜をエッチング処理しブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクス用の顔料分散液を利用する場合は、黒色の色材を含有する感光性樹脂組成物を使用して、ブラックマトリクスを形成する。例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等の黒色色材、又は、無機及び有機の顔料及び染料の中から適宜選択される赤色、緑色、青色等の混合による黒色色材を含有する感光性樹脂組成物を使用し、下記の赤色、緑色及び青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリクスを形成することができる。
ブラックマトリクスを設けたフィルム基材上に、赤色、緑色及び青色のうち、一色の着色材料を含有するカラーフィルター用感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像し、必要に応じて、熱硬化又は光硬化により画素画像を形成させ、着色層を作成する。この操作を、赤色、緑色及び青色の三色のカラーフィルター用感光性樹脂組成物について各々行なうことによって、カラーフィルター画素を形成することができる。
カラーフィルター用の感光性樹脂組成物の塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等によって行なうことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミスト等の影響が全くない、異物発生が抑制される等、総合的な観点から好ましい。
ダイコート法による塗布条件は、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の組成や、製造するカラーフィルターの種類等によって適宜選択すればよい。例えば、ノズル先端のリップ幅は50〜500μmとし、ノズル先端と基板面との間隔は30〜300μmとするのが好ましい。塗布膜の厚さを調節するためには、リップの走行速度、及びリップからの液状の感光性樹脂組成物の吐出量を調整すればよい。
フィルム基材に感光性樹脂組成物を塗布した後の塗布膜の乾燥は、ホットプレート、赤外オーブン又はコンベクションオーブンを使用した加熱乾燥法によるのが好ましい。通常は、予備乾燥の後、再度加熱させて乾燥させる。予備乾燥の条件は、前記溶媒の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶媒の種類、使用する乾燥機の性能等に応じて、通常は、40〜80℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜70℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高い50〜200℃、中でも70〜160℃が好ましく、特に70〜130℃が好ましい。また、乾燥時間は、加熱温度にもよるが10秒〜10分、中でも15秒〜5分の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほどフィルム基材に対する接着性が向上するが、高すぎると光重合開始剤が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。乾燥後のカラーフィルター用感光性樹脂組成物塗布膜の厚さは、0.5〜20μm、好ましくは1〜15μmの範囲である。
また、上記予備乾燥及び再加熱乾燥を行なう場合、本発明の効果がより一層顕著になることから、酸素濃度10,000ppm以下の雰囲気で実施することが好ましい。
なお、この塗布膜の乾燥工程では、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行なう、減圧乾燥法も場合によっては用いることができる。
画像露光は、感光性樹脂組成物の塗布膜上に、ネガのマトリクスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行なう。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層等の酸素遮断層を形成した後に露光を行なってもよい。
上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
カラーフィルターは、感光性樹脂組成物による塗布膜について、上記の光源によって画像露光を行なった後、有機溶媒、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いる現像によって、フィルム基材上に画像を形成して調製することができる。この水溶液には、更に有機溶媒、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、ケイ酸塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、燐酸水素塩、燐酸二水素塩、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ化合物を挙げることができる。アルカリ金属としては、ナトリウム及びカリウムが好ましく用いられる。
また、モノ−、ジ−又はトリエタノールアミン;モノ−、ジ−又はトリメチルアミン;モノ−、ジ−又はトリエチルアミン;モノ−、又はジイソプロピルアミン;n−ブチルアミン;モノ−、ジ−又はトリイソプロパノールアミン;エチレンイミン;エチレンジイミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH);コリン等の有機アルカリ性化合物を用いることもできる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、モノグリセリドアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン、アミノ酸等の両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。有機溶媒は、単独で使用しても水溶液と併用してもよい。
現像は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等のいずれの方法によってもよい。現像条件には、特に制限はなく、通常、現像温度は10〜50℃の範囲、中でも15〜45℃、特に好ましくは20〜40℃である。
赤色、緑色及び青色のうちの一色の感光性樹脂組成物を用いて上記一連の操作(感光性樹脂組成物の塗布〜現像)を行なったのち、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理の温度は、通常、100〜280℃であり、好ましくは150〜250℃である。熱硬化時間は5〜60分間である。
上記一連の工程を、赤色、緑色及び青色の感光性樹脂組成物を用いて、順次、実施する。なお、各色のパターニングの順序は、特に限定されない。
各色の感光性樹脂組成物について、これら一連の工程を実施した後、カラーフィルターが形成される。
本発明のカラーフィルターの製造方法においては、上記感光性樹脂組成物現像後の熱硬化処理を、酸素濃度10,000ppm以下の雰囲気で実施することが必須である。酸素濃度が10,000ppmを超える雰囲気下で熱硬化処理を行なうと、得られるカラーフィルターの色ずれが大きくなってしまう。
なお、カラーフィルターは、上記した製造方法の他に、溶媒、色材としてのフタロシアニン系顔料、バインダー樹脂としてのポリイミド系樹脂を含む感光性樹脂組成物を、フィルム基材に塗布し、エッチング法により画素画像を形成する方法によっても製造することができる。
また、フタロシアニン系顔料を含む感光性樹脂組成物を着色インキとして用い、印刷機によって、フィルム基材上に直接画素画像を形成する方法(印刷法)や、フタロシアニン系顔料を含む感光性樹脂組成物を電着液として用い、フィルム基材をこの電着液に浸漬させ所定パターンにされたITO電極上に、着色膜を析出させる方法(電着法)等が挙げられる。更に、フタロシアニン系顔料を含む感光性樹脂組成物を塗布したフィルムを、フィルム基材に貼り付けて剥離し、画像露光、現像し画素画像を形成する方法(転写法)や、フタロシアニン系顔料を含む感光性樹脂組成物を着色インキとして用い、インクジェットプリンターにより画素画像を形成する方法、等が挙げられる。カラーフィルターの製造方法は、カラーフィルター用感光性樹脂組成物の組成に応じ、これに適した方法が採用される。
このようにして得られたカラーフィルターは、このままの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。
カラーフィルター上に配向膜を形成し、この配向膜の上にスペーサーを散布した後、対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、電極に結線することによって、液晶表示装置を得ることができる。配向膜としては、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmである。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調製し得る表面状態に加工する。
スペーサーは、対向基板とのギャップ(隙間)に応じた大きさのものが用いられ、通常、2〜8μmのものが好適である。カラーフィルター上に、フォトリソグラフィ法によって透明樹脂製のフォトスペーサー(PS)を形成し、これをスペーサーの代わりに活用することもできる。対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。
対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常、2〜8μmの範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。シール材は、UV照射及び/又は加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常、1×10−2〜1×10−7Paであるが、好ましくは1×10−3〜1×10−6Paである。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は、通常、30〜100℃であり、より好ましくは50〜90℃である。減圧時の加温保持は、通常、10〜60分間の範囲であり、その後、液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口をUV硬化樹脂を硬化させて封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶であって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等のいずれでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメスティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、いずれであってもよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ノルボルネン系化合物重合体の特性は、以下の試験法により測定した。
なお、「部」、「%」及び「ppm」は、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」及び「重量ppm」を表す。
(1)重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)
テトラヒドロフラン又はクロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定する。また、GPCチャートの分子量1万以下の成分を、ノルボルネン系化合物付加重合体中の分子量1万以下の成分含量として定量する。
(2)重合体の共重合比
H−NMR測定により求める。
(3)ガラス転移温度(Tg)
アニール後のフィルム(BF)について、動的粘弾性で測定される貯蔵弾性率E’の屈曲点の温度で測定する。動的粘弾性の測定は、粘弾性スペクトロメーター(セイコーインスツルメント社製、商品名「EXSTAR DMS6100」)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が5℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が5.0μmのものを用いて貯蔵弾性率E’の屈曲点の温度を測定する。
(4)全光線透過率
紫外・可視分光計(JASCO社製、商品名「V−550」)を用いて、波長400から700nmの範囲で測定する。
〔製造例1〕
(ノルボルネン化合物付加重合体の合成)
窒素置換したガラス反応器に、(アリル)パラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロリド0.77部及びリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート1.14部を入れ、続けてトルエン2部を加え触媒液を調製した。
次いで、窒素置換した攪拌機付きの耐圧ガラス反応器に、2−ノルボルネン(NB;分子量=94)1,650部、5−エチル−2−ノルボルネン(EtNB;分子量=122)915部、分子量調整剤としてスチレン1,300部及び重合溶媒としてトルエン7,200部を仕込み、上記の触媒液を添加して重合を開始した。45℃で4.5時間反応させた後、重合反応液を多量のメタノールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、トルエン7,000部を加えて完全溶解させた。得られた溶液を多量のメタノールに注いで再びポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥して共重合体2,100部を得た。
得られた共重合体はトルエン、クロロホルム等に可溶であり、共重合体中のNB単位/EtNB単位組成比は、71/29(モル/モル)であった。また、共重合体のMnは223,000、MWは528,000であった。分子量1万以下の成分は2.9%であり、Tgは282℃であった。
得られたノルボルネン化合物付加重合体をトルエンに溶解させ、酸化防止剤として、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体に対して2.0%、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを1.0%、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−t−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンの反応生成物を0.3%添加して溶解させ、ノルボルネン化合物付加重合体の10%トルエン溶液を得た。得られた10%トルエン溶液を、平坦なポリテトラフルオロエチレンシート上に流延し、室温で24時間、空気気流下においてトルエンを蒸発除去した後、80℃で24時間、150℃で24時間真空乾燥を行い、さらに窒素中、220℃で1時間アニール処理を行なうことにより、200mm角、膜厚100μmのフィルムを得た。フィルムの全光線透過率は91%であった。
〔実施例1〕
<カラーフィルターの製造>
製造例1で得られた、200mm角、膜厚100μmのノルボルネン化合物付加重合体からなるフィルム上に、色材としてカーボンブラックを含有する黒色感光性樹脂溶液をスピンコーター(回転塗布装置)を用いて塗布し、高純度窒素で内部の酸素濃度を9000ppmに制御した循環式オーブンにて、70℃で30分間のソフトベーク(感光性樹脂組成物を塗布した後の塗布膜の加熱乾燥)を行い、黒色感光層を形成した。次いでパターン露光を行い、1%の炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液(22℃)にて30秒間の現像を行い、高純度窒素で内部の酸素濃度を9,000ppmに制御した循環式オーブンにて、230℃、30分間のポストベークを行なって、幅20μm、ピッチ100μm、高さ1.3μmの樹脂ブラックマトリクスを形成した。ブラックマトリクスの開口部の大きさは80μm×240μmであり、フィルム上に形成されたブラックマトリクスの幅方向の全長は、90.020mm、高さ方向の全長は52.020mmであった。
ブラックマトリクスが形成されたフィルム上に、赤色感光性着色材料をスピンコーターにより全面に1.5〜2.5μmの厚さにコーティングし、70℃、20分の条件でプリベークを行なった。その後、フォトマスクを介して紫外線を露光量120mJ/cmでパターン露光し、現像を行なった後、高純度窒素で内部の酸素濃度を9,000ppmに制御した循環式オーブンにて、230℃、30分の条件でポストベーク(熱硬化処理)を行なって赤色パターンを形成した。次に、緑色感光性着色材料を赤色パターンと同様の条件で処理することにより、緑色パターンを形成し、最後に、青色感光性着色材料を同様の条件で処理することにより、青色パターンを形成し、カラーフィルターを作製した。
<カラーフィルターの評価>
得られたカラーフィルターのブラックマトリクスの幅方向及び高さ方向の全長を測定した。結果を表1に示す。また、カラーフィルターの各色の位置ずれ、はみ出し等の外観不良の有無について点検したが、不良は見られなかった。
〔比較例1〕
ソフトベーク及びポストベークを高純度窒素で内部の酸素濃度を9,000ppmに制御した条件で行なう代わりに、大気中(酸素濃度21%)で行なうこと以外は実施例1と同様の処理を行い、カラーフィルターを作成した。得られたカラーフィルターのブラックマトリクスの幅方向及び高さ方向の全長を測定した。結果を表1に示す。また、カラーフィルターの各色の位置ずれ、はみ出し等の外観不良の有無について点検したが、位置ずれが確認され、色パターンがブラックマトリクスの枠外にはみ出している部分があった。
Figure 2009157006
表1より、以下のことが分かる。即ち、ポストベークを大気下で行なうと、フィルムの収縮が大きく、色パターンを形成すべき位置とマスクの位置のずれが生じることにより、外観不良が発生する。一方、酸素濃度を10,000ppm以下に制御した条件下で熱処理を行なった場合は、フィルムの収縮が極めて小さく、色パターンの位置ずれを生じることなく、カラーフィルターを作製することが可能である。

Claims (2)

  1. ノルボルネン系化合物付加重合体からなるフィルム基材上に、カラーフィルター用感光性樹脂組成物を塗布し、これを露光し、現像し、熱硬化処理して画素を形成するカラーフィルターの製造方法において、前記熱硬化処理を酸素濃度10,000ppm以下の雰囲気下で行なうことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  2. 前記ノルボルネン系化合物付加重合体において、それが含有する分子量10,000以下の成分の量が5重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
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