JP2009156478A - 冷蔵庫 - Google Patents

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剛樹 平井
Kazuya Nakanishi
和也 中西
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修平 杉本
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好正 堀尾
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Abstract

【課題】貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに冷却効率を低下させず、かつ、効率よく生産することが可能な冷蔵庫を提供する。
【解決手段】内箱70と、外箱71と、内箱70および外箱71の間に充填された発泡断熱材72とにより形成された断熱箱体52と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプ80とを備える冷蔵庫51であって、内箱70は、内箱70の開口縁から外側に向かって形成され内箱70内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁70aを有し、放熱パイプ80は、一部が開口部前面壁70aの周縁部に沿う状態で、内箱70に取り付けられていることにより、放熱パイプ80は貯蔵室から遠い場所に配置されることとなり、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに、放熱パイプ80からの貯蔵室への熱量の侵入を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷蔵庫に関し、特に冷蔵庫の開口部近傍の結露防止構造に関する。
従来、冷蔵庫においては、冷却された庫内温度の影響により貯蔵室の開口部近傍に外部空気中の水蒸気が凝縮結露することを防止するため、貯蔵室の開口部周縁を加熱する構造が採用されている。
具体的には、冷蔵庫における冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプの一部を、冷蔵庫の開口部周縁および貯蔵室を区画する仕切壁の前面部分に配置することが一般的に行われている。
つまり、結露防止のための専用の電気ヒータ等を用いることなく、冷却サイクルにおいて放出される熱を利用して結露を防止する工夫がなされている。
図10は、従来の冷蔵庫の前面部における放熱パイプの配置態様の一例を示す正面図である。
図10に示す従来の冷蔵庫100は、断熱箱体152内に、冷蔵室153、製氷室154、温度変更が可能な切換室155、野菜室156、および冷凍室157を貯蔵室として備えている。
また、これら各貯蔵室の仕切壁を含む開口部周縁に沿うように、放熱パイプ180が配置されている。
断熱箱体152は、外箱171と内箱170と、外箱171および内箱170の間に充填された発泡断熱材172とで形成されている。
断熱箱体152内では、図10のC−C断面図に示すように、放熱パイプ180が外箱171に沿って密着配置されている。
図10に示す放熱パイプ180のA端の先には圧縮機および凝縮器(図示せず)が存在し、圧縮機で高圧に圧縮されたガス冷媒が放熱パイプ180に流入する。
放熱パイプ180に流入したガス冷媒は、放熱パイプ180管内をB端に向かって流れ、放熱しながら液化凝縮する。この放熱作用より、各貯蔵室の開口部周縁が加熱され、結露の継続的な発生が防止される。
このような構造の断熱箱体152は、外箱171の下方から内箱170がスライド挿入されるようにして組み立てられる。
図11は、従来の断熱箱体152の組立工法の概要を示す図である。
図11に示すように、放熱パイプ180は予め外箱171に取り付けられている。また、外箱171を広げた状態にして、生産ラインの上流から搬送されてくる内箱170がスライド挿入される。
また、このようにして断熱箱体152が組み立てられた後に、外箱171の底や背面となる板が取り付けられ、例えばウレタンのような発泡断熱材172が断熱箱体152の内部に充填される。断熱箱体152はこのような手順により効率よく組み立てられる。
以上のように構成された断熱箱体152において、放熱パイプ180の配置態様を起因とする冷却効率の低下等の問題を招くことがある。
具体的には、1本の放熱パイプ180を、図10に示すように各貯蔵室の開口部周縁に沿うように配置するためには、各貯蔵室間の仕切壁では、放熱パイプ180はU字状に折り返されて、ほぼ貯蔵室の横幅の全長において二条に配置されることになる。
そのため、放熱パイプ180が結露防止の目的としては過剰な加熱となる場合がある。この場合、貯蔵室内への侵入熱量が増加することで、冷却効率の低下と消費電力の増加とを招くことになる。
また、放熱パイプ180の全長は長いものとなる。これは、冷蔵庫100の生産コストの削減を妨げる要因の一つとなる。
そこで、貯蔵室の開口部周縁の結露防止をより効率よく行うための技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図12は、従来の冷蔵庫における放熱パイプの配置態様の別の一例を示す透視図である。
図12に示す従来の冷蔵庫200は、断熱箱体231を備え、断熱箱体231の内部は第一の仕切壁235および第二の仕切壁236により区画されている。これにより、冷蔵室237と、野菜室238と、冷凍室239とが形成されている。
また、圧縮機251と凝縮器252とが断熱箱体231の底部に設けられており、凝縮器252には、上述の放熱パイプとして機能する防露配管253が接続されている。
ここで、防露配管253は冷蔵庫200の前面部においては野菜室238の開口周縁部の三辺を囲むように一条に配置されている。
防露配管253の下流には、断熱箱体231の外箱の内面に配置された凝縮配管254が接続されており、凝縮配管254の下流には減圧器として作用する毛細管255が接続されている。
毛細管255は、冷凍室239の後方に設けられた冷却器256に接続され、冷却器256と圧縮機251とは吸入管257により接続されている。
このように、圧縮機251、凝縮器252、防露配管253、凝縮配管254、毛細管255、冷却器256、および吸入管257はこの順に接続されており、一つの冷却サイクルを構成している。
このように構成された冷蔵庫200において、防露配管253が配置されている野菜室238の開口部周縁の温度も上昇する。これにより当該周縁の結露の継続的な発生が防止できる。
また、防露配管253が一条の配管であるため必要以上の加熱が行われず、結露防止のために必要な加熱量に留められる。そのため、庫内側への侵入熱量が低減され冷却効率が高まる。
また、凝縮配管254の温度も上昇するため、凝縮配管254の前方に伝導される熱により冷蔵室237の開口部側面と天面、野菜室238の開口部側面、および冷凍室239の開口部側面における結露の継続的な発生が防止できる。
従来の冷蔵庫200は、このように防露配管253等の放熱パイプの配置を簡素化することにより、各貯蔵室の開口部周縁の結露の継続的な発生を防止するとともに、冷却効率の低下を防止している。
特開2001−12841号公報
しかしながら、上記従来の冷蔵庫100および冷蔵庫200の放熱パイプは、ともに、外箱に取り付けられる前においては左右方向に延びたU字形状部分が片側にのみ支持される形状である。つまり、外箱に取り付けられる前においては不安定な形状である。
放熱パイプがこのような形状である場合、冷蔵庫の生産を行う現場における放熱パイプの管理が困難なものとなる。
具体的には、放熱パイプは一般的には銅を原料とする外径4〜4.76mm、内径3〜4mm程度のパイプである。そのため、左右方向に伸びた部分が一方にのみ支持されている場合、外箱に取り付けられる前においては、自重や運搬、輸送時の取り扱い等により変形し易いものである。
また、放熱パイプは上述のように冷却システムの一部を構成するものであり、わずかな損傷であってもガス冷媒が漏れた場合、冷蔵庫として機能しない状態となる。
従って、冷蔵庫の生産現場において、このように重要な放熱パイプを変形せずかつ損傷を受けないように保管する場合、上記従来の放熱パイプの形状は安定性を欠いており適切なものではない。このことは、冷蔵庫の生産の効率化を妨げる要因となっていた。
もちろん、放熱パイプの配置位置を、上記従来の冷蔵庫200のようにすることで、結露の防止と、冷却効率の低下防止等とを両立させることには意義がある。
そこで、上記従来の冷蔵庫200のように、冷蔵室237の開口部周縁には放熱パイプを配置せず、かつ、放熱パイプの一部に冷蔵庫内を左右に渡る部分を持たせるように放熱パイプを形成することが考えられる。
つまり、放熱パイプの形状を、結露の防止と、冷却効率の低下等とを両立させ、かつ、少なくとも一箇所の左右方向に延びる部分を両端に支持させることにより、より容易に取り扱える形状とすることが考えられる。
しかしながら、図11を用いて説明したように、断熱箱体を組み立てる場合、一般的に、放熱パイプを予め外箱に取り付けておき、外箱を広げてから内箱がスライド挿入される。
そのため、上記のように、放熱パイプの一部に冷蔵庫内を左右に渡る部分を持たせた場合、外箱の中段付近で放熱パイプが架橋状に渡されることとなり、外箱を図11に示すように広げることはできない。つまり、断熱箱体を通常通り組み立てることが実質的に不可能となるという問題がある。
この対応として、内箱に直接放熱パイプを取り付ける方法がとられている。これならば外箱を従来同様開いて、内箱を挿入することが可能である。しかしながら、内箱に直接放熱パイプを取り付けると、本来機能目的である結露する開口部周縁の外箱表面を加熱しなければならないが、取り付けられている内箱を加熱してしまい侵入熱量の増加による冷却効率の低下を引き起こす問題が生じる。
また、テープで放熱パイプを外れないように放熱パイプの長手方向に固定すると、内箱への熱伝導が促進されて、さらに侵入熱量が増大し、熱伝導の良いアルミテープなどで固定するとさらに侵入熱量が増大してしまう問題があった。
本発明は、上記従来の課題を考慮し、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに冷却効率を低下させず、かつ、効率よく生産することが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記放熱パイプは、一部が前記開口部前面壁の周縁部に沿う状態で、前記内箱に取り付けられている。
これによって、本発明の冷蔵庫では、放熱パイプは内箱の開口部前面壁の周縁部、つまり貯蔵室から遠い場所に配置されることとなり、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに、放熱パイプからの貯蔵室への熱量の侵入を抑制することができる。
さらに、内箱の開口部前面壁の凹部で放熱パイプの外周を覆うことがなく、一方から放熱パイプを押し付けているので内箱への熱伝導を抑制することができる。
また、本発明の冷蔵庫は、内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記放熱パイプは、一部が前記開口部前面壁の背面に沿う状態で、前記内箱に取り付けられている。
これによって、本発明の冷蔵庫では、放熱パイプは内箱の開口部前面壁の周縁部、つまり貯蔵室から遠い場所に配置されることとなり、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに、放熱パイプからの貯蔵室への熱量の侵入を抑制することができる。
さらに、内箱の開口部前面壁の凹部で放熱パイプの外周を覆うことがなく、一方から放熱パイプを押し付けているので内箱への熱伝導を抑制することができる。
また、本発明の冷蔵庫では、内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記開口部前面壁の一部には、長手方向に凹部が形成されており、前記放熱パイプが前記凹部に取り付けられた時に、前記放熱パイプの一部が前記凹部の内壁と接触する接触部を形成し、前記接触部より後方に空間部が設けられている。
これによって、放熱パイプと内箱との接触面積を小さなものとすることができる。このように内箱の開口部前面壁の凹部で放熱パイプに密着させることがなく、放熱パイプと内箱との接触面積を減少させることで内箱への熱伝導を抑制することができる。
以上のように、本発明の冷蔵庫では、放熱パイプを貯蔵室から遠い位置に配置する、または、放熱パイプと内箱との接触面積を減らすことにより、貯蔵室の開口部周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに、放熱パイプからの貯蔵室への熱量の侵入を抑制することができる。
また、いずれの場合であっても、放熱パイプは内箱に取り付けられる。そのため外箱と内箱とからなる断熱箱体の組立工法に、放熱パイプの形状は関与しない。
つまり、放熱パイプに、例えば、冷蔵庫の最上部以外で架橋状に渡される部分、内箱の左内壁から右内壁に渡されることになる部分を持たせることができる。
これにより、放熱パイプは扱い易いものとなり、冷蔵庫の生産効率を向上させることができる。また、放熱パイプの配置を簡素化することができ、冷蔵庫の生産コストを抑えることができる。
本発明は、結露の継続的な発生を防止するとともに冷却効率を低下させず、かつ、効率よく生産することが可能な冷蔵庫を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記放熱パイプは、一部が前記開口部前面壁の周縁部に沿う状態で、前記内箱に取り付けられていることにより、放熱パイプは内箱の開口部前面壁の周縁部、つまり貯蔵室から遠い場所に配置されることとなり、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに、放熱パイプからの貯蔵室への熱量の侵入を抑制することができる。
さらに、内箱の開口部前面壁の凹部で放熱パイプの外周を覆うことがなく、一方から放熱パイプを押し付けているので内箱への熱伝導を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記放熱パイプは、一部が前記開口部前面壁の背面に沿う状態で、前記内箱に取り付けられていることにより、放熱パイプは内箱の開口部前面壁の周縁部、つまり貯蔵室から遠い場所に配置されることとなり、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに、放熱パイプからの貯蔵室への熱量の侵入を抑制することができる。
さらに、内箱の開口部前面壁の凹部で放熱パイプの外周を覆うことがなく、一方から放熱パイプを押し付けているので内箱への熱伝導を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記開口部前面壁の一部には、長手方向に凹部が形成されており、前記放熱パイプが前記凹部に取り付けられた時に、前記放熱パイプの一部が前記凹部の内壁と接触する接触部を形成し、前記接触部より後方に空間部が設けられていることにより、放熱パイプと内箱との接触面積を小さなものとすることができる。このように内箱の開口部前面壁の凹部で放熱パイプの外周に密着させることがなく、放熱パイプと内箱との接触面積を減少させることで内箱への熱伝導を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記凹部はV溝であり、前記空間部は前記V溝の頂点と前記放熱パイプの曲面外周部とで構成されたことにより、放熱パイプと内箱との接触面積を小さなものとすることができる。また、直線部と直線部との組合せで凹部を構成するので簡単に放熱パイプと内箱との接触面積を最小限に抑えることができる。このように内箱の開口部前面壁の凹部で放熱パイプの外周に密着させることがなく、放熱パイプと内箱との接触面積を減少させることで内箱への熱伝導を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記凹部は前記開口部前面壁の長手方向に形成された溝であり、前記溝には長手方向に複数の突起が所定の間隔で並んで形成されており、前記空間部は前記複数の突起の相互間において前記放熱パイプの後方に形成されたことにより、放熱パイプと内箱との接触面積を小さなものとすることができる。このように内箱の開口部前面壁の凹部で放熱パイプの外周に密着させることがなく、放熱パイプと内箱との接触面積を減少させることで内箱への熱伝導を抑制することができる。さらに、開口部前面壁に複数の突起を有することで、空間部の形状を維持するための強度を向上させることができ、安定した空間部の構成が可能である。
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれか一項に記載の発明において、前記外箱に前記内箱の開口部前面壁に相対する前部フランジを形成し、前記凹部内に前記放熱パイプを設置して前記外箱に前記内箱を挿入した状態において、前記放熱パイプが前記外箱の前部フランジに接触することにより、放熱パイプが外箱の前部フランジに密着したこととなり、外箱の前部フランジの温度を効率よく上昇させるとともに、ウレタン漏れを防止できる。
請求項7に記載の発明は、請求項3から5のいずれか一項に記載の発明において、前記外箱に前記内箱の開口部前面壁に相対する前部フランジを形成し、前記凹部内に前記放熱パイプを設置して前記外箱に前記内箱を挿入した状態において、凹部を形成する内箱が前記空間部を介して弾性を有することにより、前記放熱パイプを前記外箱の前部フランジに圧接することにより、空間部が寸法誤差を吸収し放熱パイプは前部フランジに対して付勢力をもって密着できることとなり、外箱の前部フランジの温度をより効率よく上昇させるとともに、ウレタン漏れを防止できる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記凹部内に前記放熱パイプを設置した状態においては、前記放熱パイプの前端面は前記凹部の先端部より突出しておらず前記凹部の先端部内に収容され、前記外箱に前記内箱を挿入した状態において、前記凹部を形成する内箱の弾性によって前記放熱パイプの前端面が前記凹部の先端部より押し出され、前記放熱パイプを前記外箱の前部フランジに圧接することにより、外箱に内箱を挿入する際には、放熱パイプが外箱に当たらないこととなり、外箱を内箱にスムーズに挿入できるとともに、外箱に内箱を挿入した状態においては、空間部が寸法誤差を吸収し放熱パイプは前部フランジに対して付勢力をもって密着できることとなり、外箱の前部フランジの温度をより一層効率よく上昇させることができる。
以下、本発明の冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、図1から図5を用いて本発明の実施の形態1における冷蔵庫51の構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図である。
図1に示すように、冷蔵庫51は、観音開き式の扉を備える冷蔵庫であり、断熱箱体52内に複数に区画された貯蔵室を備えている。
具体的には貯蔵室として、上部より冷蔵室53、製氷室54、製氷室54に併設され庫内の温度が変更可能な切換室55、野菜室56、および冷凍室57を備えている。
各貯蔵室の開口部には、例えばウレタンのような発泡断熱材を発泡充填した断熱扉が設けられている。具体的には、冷蔵室53には断熱箱体52の開口部を開閉可能に塞ぐ左扉60aおよび右扉60bが設けられている。
また、製氷室54、切換室55、野菜室56、および冷凍室57にはそれぞれ引き出し式の扉61、扉62、扉63、および扉64が設けられている。
また、図1に示すように、断熱箱体52は、ABSなどの樹脂体を真空成型した内箱70とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱71とで構成された空間にウレタンなどの発泡断熱材72が充填された断熱壁で構成されている。
冷蔵庫51の庫内背面には、冷却器やファンやダンパや風路などが設けられ、冷蔵庫51の本体下部には圧縮機が設置されている。各々の貯蔵室は所定の温度に冷却制御するよう、冷却器から冷却された空気が分配して送られる。
図2(A)は、実施の形態1の冷蔵庫における放熱パイプの配置態様を示す図である。
図2(A)に示すように、本実施の形態において、内箱70には、第一の仕切壁91と、第二の仕切壁92と、第三の仕切壁93と、第四の仕切壁94とが取り付けられている。これら仕切壁により、各貯蔵室が形成されている。
また、内箱70は、内箱70の開口縁から外側に向かって形成され内箱70内の貯蔵室の開口周縁の一部を構成する開口部前面壁70aを有する。開口部前面壁70aは、本発明の冷蔵庫における内箱の前面壁の一例である。
放熱パイプ80は、一般的には銅やアルミや鉄などの金属原料を用いた外径4〜4.76mmのパイプが使われ、製氷室54、切換室55、野菜室56、および冷凍室57それぞれの開口部周縁に沿って配置されている。これにより、これら開口部周縁での結露の継続的な発生を防止することができる。
放熱パイプ80は冷媒が液化凝縮するパイプであり、管内ボリュームが大きいと冷却サイクルに封入する冷媒が多く必要になり、製造コストが高くなる。また、管径を小さくしすぎると圧力損失が大きくなり冷却サイクルの効率を低下させる問題があり、前述のサイズが使用されている。
また、放熱パイプ80には、第一の仕切壁91の前面で左右に架橋状に渡された部分があり、図2(B)に示すように、単独での取り扱いが容易な形状である。
図2(B)は、実施の形態1における冷蔵庫の放熱パイプの外観、および冷却サイクルを説明するための図である。
放熱パイプ80は冷却サイクルの放熱側に設けられたパイプである。また、第一の仕切壁91の前面で架橋状に左右に渡された部分があり、かつ冷蔵室53の外周部に相当する部位がないので、高さが低く、従来よりも安定的な形状である。特に生産までの取り扱い等により変形しやすい、放熱パイプの長い直線部を廃止するので、形状維持が簡易となる。
なお、放熱パイプ80の、第三の仕切壁93および第四の仕切壁94の前面に取り付けられる部分は、左右からU字に突き出た形状になっている。これにより、更に放熱パイプの直線部を短くできるので形状維持に有利となる。また、それぞれ、おおよそ仕切壁の横幅の半分程度の長さであるので、放熱パイプ80による過剰な加熱および当該U字部分の自重による変形等の問題の発生は抑えられる。
また、冷蔵庫51における冷却サイクルは従来の冷蔵庫における冷却サイクルと同じである。すなわち、圧縮機81により圧縮されたガス冷媒は、凝縮器82を経由し放熱パイプ80を図の矢印の方向に流れながら液化凝縮し熱を放出する。なお、このとき放熱パイプ80は、たとえば外気温度30℃の条件ではおよそ40℃前後まで温度が上昇する。
また、放熱パイプ80を通過することで液化凝縮された冷媒は減圧器で減圧させられ、冷却器83で気化し、圧縮機81に送り出される。
この冷却サイクルにおいて放出される熱を利用して、各貯蔵室の開口部周縁での結露の継続的な発生が防止される。つまり、水蒸気が凝縮することにより生じる結露がなくなり、見た目の不快感や汚れ、周辺部材の発錆などを防止することが可能となる。
なお、冷蔵室53内は、他の貯蔵室と比較すると比較的高い温度、つまり、外気との差が比較的小さい温度に保たれている。
そのため、冷蔵室53の開口部周縁の全周にわたって放熱パイプ80を配置しない場合であっても、ガスケットおよびシール材により開口部近傍の断熱性を強化することや、外箱側面の前方に放熱パイプを設けて凝縮器の一部とすることで、開口部近傍まで熱伝導により加熱する等により、結露の継続的な発生を実質的に防ぐことができる。つまり、結露水が発生するほどの結露の継続的な発生を防ぐことができる。
以上のような形状で結露防止効果を発揮する放熱パイプ80は、放熱パイプ80からの熱が貯蔵室内へ伝わり難い態様で内箱70に取り付けられる。
図3は、図2(A)におけるA−A切断面を示す図である。
図4は、図3に示す切断面の斜視図である。
図3および図4に示すように、外箱71は、開口縁を内側に折り返して形成した前部フランジ71aと、前部フランジ71aと所定の間隔をあけて逆方向に折り返された後部フランジ71bとを有する。
この外箱71の前部フランジ71aと後部フランジ71bとの間に、内箱70の開口部前面壁70aが挿入されている。
開口部前面壁70aの周縁部には放熱パイプの当接部70bが設けられており、放熱パイプ80の外周の1/4程度が開口部前面壁70aの外周端部前面で当接保持されている。
なお、開口部前面壁70aの“周縁部”とは、開口部前面壁70aの周縁またはその近傍の部分を指す。
このように、本実施の形態では、貯蔵室(図3における右側の空間)から最も遠い位置に放熱パイプ80が配置されている。これにより、放熱パイプ80から放出される熱が貯蔵室内部に伝わり難い構造となっている。
また、当接部70bの背面を後部フランジ71bにより前方に押されることで、放熱パイプ80は前部フランジ71aに密接する。
これにより、貯蔵室の開口部周縁に効率よく熱を伝導させることができ、適切に結露防止効果が発揮される。
特に折り返して形成した前部フランジ71aから後部フランジ71bにかけて外箱71と密着させることで放熱パイプ80の熱が効率よく外箱外周部に伝わる。
さらに後部フランジ71bは、内箱70の開口部前面壁70aが挿入しやすいように先端部を後方に折り返されている。これにより放熱パイプ80がフランジ先端に当たって損傷することを防止できる。また、後部フランジ71bは前部フランジ71aより短い構成としており、この後部フランジ71bを伝っての貯蔵室内への熱伝導を抑制するものである。
図5は、本実施の形態における冷蔵庫の放熱パイプが取り付けられた状態の内箱の拡大斜視図である。具体的には野菜室56付近の拡大斜視図である。
図5に示すように、放熱パイプ80は野菜室56の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁70aに取り付けられる。また、第四の仕切壁94の前面にも放熱パイプ80は取り付けられる。
なお、放熱パイプ80は、図3および図4に示すように、最終的には開口部前面壁70aと前部フランジ71aとにより固定されるため、内箱70への取り付け時点では、テープまたは接着剤等で仮止めする程度の取り付け方でよい。
このとき、テープは貯蔵室内への熱侵入を低減するために、熱伝導性の低い紙製のテープなどを使うと良い。
本実施の形態では、このように内箱70に放熱パイプ80を取り付けた後に、外箱71に内箱70を組み込むことで、断熱箱体52を組み立てる。
ここで、断熱箱体52を組み立てる際、図11を用いて説明したように、外箱71を広げる必要がある。また、本実施の形態の放熱パイプ80には、図2(A)および図2(B)に示すように、冷蔵庫51の中段付近となる部分に断熱箱体52内で左右に渡される部分が存在する。
そのため、放熱パイプ80を外箱71に取り付けた場合は、外箱71を広げることができない。
しかし、本実施の形態では、放熱パイプ80は内箱70に取り付けられる。そのため、このような断熱箱体52の組立工程に放熱パイプ80の形状は関与せず、外箱71を広げて下から内箱70を挿入することに何の問題もない。
このように、本実施の形態の冷蔵庫51は、冷蔵室53を除く各貯蔵室の開口部周縁に放熱パイプ80が配置される。
具体的には、放熱パイプ80は、各貯蔵室の開口部の左右となる部分においては、内箱70の開口部前面壁70aの周縁部に取り付けられる。
これにより、放熱パイプ80からの熱が貯蔵室に伝わりにくくなる。つまり、貯蔵室の冷却効率の低下が問題になるほどの熱の影響を貯蔵室に与えることがない。
また、このように配置するための放熱パイプ80の形状には、その一部に左右に渡される部分が存在する。そのため、放熱パイプ80を単独で取り扱う際の容易性が向上する。
このように、本実施の形態の冷蔵庫51は、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに冷却効率を低下させず、かつ、効率よく生産することが可能な冷蔵庫である。
なお、図3および図4に示す、内箱70に対する放熱パイプ80の取付態様は、放熱パイプ80からの熱が貯蔵室内へ伝わり難い態様の一例である。
なお、本実施の形態では、貯蔵室として、上部より冷蔵室53、製氷室54、製氷室54に併設され庫内の温度が変更可能な切換室55、野菜室56、および冷凍室57を備えたものとしたが、野菜室56と冷凍室57の位置が入れ替わってもよく、また、製氷室54に併設され庫内の温度が変更可能な切換室55を冷凍室としてもよい。
つまりこのような効果のある取り付けの態様は他にも存在する。そこで、以下に、実施の形態1の変形例として内箱70に対する放熱パイプ80の各種の取付態様を説明する。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の放熱パイプの取付態様を示す切断面図である。
なお、図6の切断面図は、図2(A)のA−A切断面に相当する位置での切断面を示している。後述する図7および図8においても同じである。
図6に示すように、実施の形態2における放熱パイプ80は、開口部前面壁70aの周縁部に配置されている。
さらに、開口部前面壁70aの周縁部には放熱パイプの当接部70bが設けられており、放熱パイプ80の外周の1/4程度が開口部前面壁70aの外周端部後方面で当接保持されている。
つまり、放熱パイプ80は、一部が開口部前面壁70aの背面に沿う状態で、内箱70に取り付けられている。
このように、本実施の形態では、貯蔵室(図6における右側の空間)から最も遠い位置に放熱パイプ80が配置されている。これにより、放熱パイプ80から放出される熱が貯蔵室内部に伝わり難い構造となっている。
また、当接部70bの内側に曲げ弾性部70cを設けてあるので、当接部70bから後部フランジ71bの方向に放熱パイプ80を押し付けることができる。さらに後部フランジ71bは前部フランジ71aと比べて外箱71外周に密着させていないので弾性を有しており、当接部70bと挟み込む形で放熱パイプ80を熱伝導よく密着固定することができる。
なお、外箱71の側面と後部フランジ71bとを離して構成することで、さらに後部フランジ71bに弾性をもたせ、放熱パイプ80との密着性をより高めることが可能である。
これにより、貯蔵室の開口部周縁に効率よく熱を伝導させることができ、適切に結露防止効果が発揮される。
さらに後部フランジ71bは、内箱70の開口部前面壁70aが挿入しやすいように先端部を後方に折り返されている。これにより放熱パイプ80がフランジ先端に当たって損傷することを防止できる。また、後部フランジ71bは前部フランジ71aより短い構成としており、この後部フランジ71bを伝っての貯蔵室内への熱伝導を抑制するものである。
こうすることで、当該溝に放熱パイプ80を埋めるように配置する場合よりも、放熱パイプ80を貯蔵室から遠くへ位置させることができる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の放熱パイプの取付態様を示す切断面図である。
図7に示すように、実施の形態3における開口部前面壁70aは、実施の形態1と同じく開口部前面壁70aの周縁部に放熱パイプ80が配置されている。
開口部前面壁70aの周縁部には長手方向にV溝形状の凹部である当接部70bが設けられており、放熱パイプ80が空間部70dを設けて当接保持されている。
すなわち、放熱パイプ80が当接部70bに取り付けられた時に、放熱パイプ80の一部が当接部70bの内壁と線接触し、接触部の奥に空間部70dが設けられている。つまり、放熱パイプ80の一部が当接部70bの内壁と接触する接触部70fを形成し、接触部70fより後方に空間部70dが設けられている。
このように、本実施の形態では、空間部70dを設けて放熱パイプ80が配置されているので、放熱パイプ80と内箱の開口部前面壁70aとの接触面積を小さなものとすることができる。また、当接部70bは2つの直線部で構成されるV溝形状であるので、放熱パイプ80との接触を最小限に抑えることができるので、放熱パイプ80から放出される熱が開口部前面壁70aを経由して貯蔵室内部に伝わり難い構造となっている。
また、当接部70bの背面を後部フランジ71bから前部フランジ71aの方向に放熱パイプ80を押し付けるよう弾性を付与しているが、空間部70dがあるので、放熱パイプ80が開口部前面壁70aに密着することを防止できる。特に、当接部70bが溝形状であるために放熱パイプ80の保持性は良化するが、貯蔵室側に放熱パイプ80の保持位置が近づくので、開口部前面壁70aに密着保持することは熱侵入量を増加させることになる。
これにより、貯蔵室の開口部周縁に効率よく熱を伝導させることができ、適切に結露防止効果が発揮される。
なお、図7では、当接部70bの断面形状は、ほぼ直線の2辺により構成されるV字形状である。しかし、V字形状はこのような形状に限定されない。例えば、この2辺のそれぞれが外側に反った(内側に凹んだ)曲線で構成されたV字形状でもよい。
当接部70bの断面形状がこのようなV字形状である場合、放熱パイプ80と開口部前面壁70aとの接触面積をより確実に小さくすることができる。つまり、放熱パイプ80から貯蔵室への熱の伝導量をより確実に抑制することができる。
なお、外箱71に内箱70の開口部前面壁70aに相対する前部フランジ71aを形成し、凹部内に放熱パイプ80を設置して外箱71に内箱70を挿入した状態において、放熱パイプ80が外箱71の前部フランジ71aに接触していることにより、放熱パイプ80が外箱71の前部フランジ71aに密着したこととなり、外箱71の前部フランジ71aの温度を効率よく上昇させるとともに、ウレタン漏れを防止できる。
また、外箱71に内箱70の開口部前面壁70aに相対する前部フランジ71aを形成し、凹部内に放熱パイプ80を設置して外箱71に内箱70を挿入した状態において、凹部を形成する内箱70が空間部70dを介して弾性を有することにより、放熱パイプ80を外箱71の前部フランジ71aに圧接することにより、空間部70dが寸法誤差を吸収し放熱パイプ80は前部フランジ71aに対して付勢力をもって密着できることとなり、外箱71の前部フランジ71aの温度をより効率よく上昇させるとともに、ウレタン漏れを防止できる。
また、凹部内に放熱パイプ80を設置した状態においては、放熱パイプ80の前端面は凹部の先端部より突出しておらず凹部の先端部内に収容され、外箱71に内箱70を挿入した状態において、凹部を形成する内箱70の弾性によって放熱パイプ80の前端面が凹部の先端部より押し出され、放熱パイプ80を外箱71の前部フランジ71aに圧接することにより、外箱71に内箱70を挿入する際には、放熱パイプ80が外箱71に当たらないこととなり、外箱71を内箱70にスムーズに挿入できるとともに、外箱71に内箱70を挿入した状態においては、空間部70dが寸法誤差を吸収し放熱パイプ80は前部フランジ71aに対して付勢力をもって密着できることとなり、外箱71の前部フランジ71aの温度をより一層効率よく上昇させることができる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における冷蔵庫の放熱パイプの取付態様を示す切断面図である。
図8に示すように、当接部70bは開口部前面壁70aの前面側の長手方向に形成された凹部溝で、凹部溝の内面側に半円形状の突起70eを備えた構成となっている。放熱パイプ80は、この突起70eに接した状態で、外箱71の前部フランジ71aに押し付けられているので、突起70e間に空間部70dが設けられている。すなわち、空間部70dは複数の突起70eの相互間において放熱パイプ80の後方に形成されている。
図9は、本実施の形態における冷蔵庫の当接部に設けた複数の突起の配置例を示す図である。
複数の突起70eは、例えば図9に示すように、所定の間隔をあけて当該溝に設けられている。つまり、開口部前面壁70aの一部には、長手方向に溝が形成されており、この溝には長手方向に複数の突起70eが並んで形成されている。
なお、突起70eの配置間隔は、所定の値に限定されるものではないが、例えば30mm〜120mm程度であり、好ましくは50mm〜60mmである。突起70eの間隔が広すぎると、放熱パイプ80が撓んでいるときなどに放熱パイプ80が当接部70bと接する部分が長くなり接触面積が増え、放熱パイプ80から内箱70への熱の伝導量が多くなる。また、突起70eの間隔が狭すぎると、放熱パイプ80と突起70eとが接する部分が長くなり接触面積が増え、放熱パイプ80から内箱70への熱の伝導量が多くなる。このため、突起70eの配置間隔は、上記の範囲が好ましい。
また、突起70eの高さは、所定の値に限定されるものではないが、例えば0.3mm〜3mm程度であり、好ましくは0.5mm〜1.5mmである。
また、突起70eの幅(放熱パイプ80の軸方向)は、所定の値に限定されるものではないが、例えば0.5mm〜3mm程度であり、好ましくは0.8mm〜1.5mmである。
このように複数の突起70eを所定の間隔をあけて溝内に並べて配置することにより、放熱パイプ80は、一部が当該溝に沿って複数の突起70eに接触する状態で、内箱70に取り付けられることになるので空間部70dにより、放熱パイプ80と開口部前面壁70aとの接触面積を小さくすることができる。
このように、放熱パイプ80と開口部前面壁70aとの接触面積を少なくすることで、放熱パイプ80から貯蔵室への熱の伝導量をより少ないものとすることができる。
なお、放熱パイプ80から内箱へ熱を伝え難くする手法としては、例えば、放熱パイプ80と内箱70との間にウレタンフォーム等の断熱材を敷くことも考えられる。
しかし、図8および図9に示すように、溝内に突起70eを設ける場合、例えば、内箱70を真空成型により作製する際に同時に複数の突起70eを形成させることができる。
つまり、溝内に突起70eを設けることにより放熱パイプ80から内箱70への熱の伝導量を空間部70dを用いて抑制する方法は、断熱材等の別の部材を使用する必要もなく、また、断熱材等の敷設などの別工程も必要がないという点において、経済的、生産効率的に有利である。
さらに、開口部前面壁70aに複数の突起70eを有することで、開口部前面壁70aの形状を維持するための構造強度を向上させることができ、安定した空間部70dの構成が可能となる。
なお、本実施の形態では、突起70eの配置間隔は一定間隔としたが、必要に応じて、放熱パイプから内箱への熱の伝導量を少なくしたい箇所については、突起70eの配置間隔を広くし、あるいは、その逆で、放熱パイプから内箱への熱の伝導量を多くしたい箇所については、突起70eの配置間隔を狭くすればよい。つまり、突起70eの配置間隔は必ずしも一定間隔としなくてもよい。
以上説明したように、冷蔵庫51において、実施の形態2から実施の形態4に示す態様で放熱パイプ80を内箱70に取り付けた場合であっても、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに冷却効率を低下させないようにすることができる。
具体的には、実施の形態2では、実施の形態1と同じく、貯蔵室からより遠い位置に放熱パイプ80を取り付けることで、貯蔵室への熱の伝導量を少ないものとしている。
また、実施の形態3、実施の形態4では、放熱パイプ80と、内箱70との接触面積をより少ないものとすることで、貯蔵室への熱の伝導量を少ないものとしている。
いずれの態様であっても、貯蔵室への熱の伝導量を少ないものとすることができ、放熱パイプ80による結露防止作用が、当該貯蔵室における冷却効率の低下を招かないようにすることができる。
また、放熱パイプ80の取付態様をいずれにする場合であっても、放熱パイプ80の形状を、図2(A)および図2(B)に示すような形状にすることの妨げとはならない。
従って、放熱パイプ80の取付態様が実施の形態2から実施の形態4のいずれの場合であっても貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに冷却効率を低下させず、かつ、効率よく生産することが可能な冷蔵庫を実現することができる。
本発明は、貯蔵室周縁での結露の継続的な発生を防止するとともに冷却効率を低下させず、かつ、効率よく生産することが可能な冷蔵庫を提供することができる。従って、本発明は、家庭用および業務用など様々な種類および大きさの冷蔵庫等に適用できる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図 (A)本発明の実施の形態1の冷蔵庫における放熱パイプの配置態様を示す図(B)本発明の実施の形態1における冷蔵庫の放熱パイプの外観、および冷却サイクルを説明するための図 図2(A)におけるA−A切断面を示す図 図3に示す切断面の斜視図 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の放熱パイプが取り付けられた状態の内箱の拡大斜視図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の放熱パイプの取付態様を示す切断面図 本発明の実施の形態3における冷蔵庫の放熱パイプの取付態様を示す切断面図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の放熱パイプの取付態様を示す切断面図 本発明の実施の形態4における冷蔵庫の当接部の前面側に形成された凹部における複数の突起の配置例を示す図 従来の冷蔵庫の前面部における放熱パイプの配置態様の一例を示す正面図 従来の断熱箱体の組立工法の概要を示す図 従来の冷蔵庫における放熱パイプの配置態様の別の一例を示す透視図
符号の説明
51 冷蔵庫
52 断熱箱体
53 冷蔵室(貯蔵室)
54 製氷室(貯蔵室)
55 切換室(貯蔵室)
56 野菜室(貯蔵室)
57 冷凍室(貯蔵室)
70 内箱
70a 開口部前面壁
70b 当接部
70c 弾性部
70d 空間部
70e 突起
70f 接触部
71 外箱
71a 前部フランジ
71b 後部フランジ
72 発泡断熱材
80 放熱パイプ
81 圧縮機
82 凝縮器
83 冷却器

Claims (8)

  1. 内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記放熱パイプは、一部が前記開口部前面壁の周縁部に沿う状態で、前記内箱に取り付けられている冷蔵庫。
  2. 内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記放熱パイプは、一部が前記開口部前面壁の背面に沿う状態で、前記内箱に取り付けられている冷蔵庫。
  3. 内箱と、外箱と、前記内箱および前記外箱の間に充填された断熱材とにより形成された断熱箱体と、冷却サイクルの放熱側に設けられた放熱パイプとを備える冷蔵庫であって、前記内箱は、前記内箱の開口縁から外側に向かって形成され前記内箱内の貯蔵室の開口部周縁の一部を構成する開口部前面壁を有し、前記開口部前面壁の一部には、長手方向に凹部が形成されており、前記放熱パイプが前記凹部に取り付けられた時に、前記放熱パイプの一部が前記凹部の内壁と接触する接触部を形成し、前記接触部より後方に空間部が設けられている冷蔵庫。
  4. 前記凹部はV溝であり、前記空間部は前記V溝の頂点と前記放熱パイプの曲面外周部とで構成された請求項3に記載の冷蔵庫。
  5. 前記凹部は前記開口部前面壁の長手方向に形成された溝であり、前記溝には長手方向に複数の突起が所定の間隔で並んで形成されており、前記空間部は前記複数の突起の相互間において前記放熱パイプの後方に形成された請求項3に記載の冷蔵庫。
  6. 前記外箱に前記内箱の開口部前面壁に相対する前部フランジを形成し、前記凹部内に前記放熱パイプを設置して前記外箱に前記内箱を挿入した状態において、前記放熱パイプが前記外箱の前部フランジに接触する請求項3から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記外箱に前記内箱の開口部前面壁に相対する前部フランジを形成し、前記凹部内に前記放熱パイプを設置して前記外箱に前記内箱を挿入した状態において、凹部を形成する内箱が前記空間部を介して弾性を有することにより、前記放熱パイプを前記外箱の前部フランジに圧接する請求項3から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記凹部内に前記放熱パイプを設置した状態においては、前記放熱パイプの前端面は前記凹部の先端部より突出しておらず前記凹部の先端部内に収容され、前記外箱に前記内箱を挿入した状態において、前記凹部を形成する内箱の弾性によって前記放熱パイプの前端面が前記凹部の先端部より押し出され、前記放熱パイプを前記外箱の前部フランジに圧接する請求項7に記載の冷蔵庫。
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