JP2009156451A - クラッチレリーズ軸受およびこれを備えるクラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリース漏れや異物侵入といった問題が発生するのを簡単な構造で確実に防止可能とする。
【解決手段】クラッチレリーズ軸受10は、ボール13を介して相対回転可能に設けられた内輪11および外輪12と、内輪11と外輪12の間に形成される環状空間を密封するシール部材15,16とを主要な構成部材として備え、シール部材15,16は、その外径端部19が外輪12の内径面12bに圧入固定される。第1シール部材15の外径端部19は、その外周面の一部分で露出した芯金17が外輪12の内径面12bに圧接されると共に、前記一部分と軸方向位置を異ならせて設けた被覆部18が外輪12の内径面12bに圧接されている。
【選択図】図2

Description

本発明は自動車をはじめとする車両のクラッチ装置に組み込まれるクラッチレリーズ軸受、およびこれを備えるクラッチレリーズ軸受装置に関する。
クラッチレリーズ軸受装置は、マニュアルトランスミッション車のエンジンとトランスミッションとの間に配設され、クラッチペダルの操作に伴って軸方向移動し、クラッチのON/OFFを切り替えるものである。クラッチレリーズ軸受装置に組み込まれるクラッチレリーズ軸受は、例えば図4に示すように、転動体(ボール)105を介して相対回転可能に設けられた内輪101および外輪102を備え、外輪102には、図示しないクラッチ装置の回転部材(ダイヤフラムスプリング)と当接する鍔部104が設けられる。また、内輪101と外輪102との間には、両輪間に形成される環状空間の開口部を密封するシール部材106,106が配設され、これにより環状空間に充填した潤滑材(例えば、グリース)の外部漏洩や、環状空間への異物侵入が防止される。
図4に示すクラッチレリーズ軸受100では、外輪102の内径面103が軸方向に延びる円筒面状に形成され、該内径面103に対して、シール部材106の外径端部が圧入固定される。かかる構成では、外輪形状を簡略化することが、またシール部材106の組み付けを容易に行うことが可能であり、製造コストを抑制する上で好適である。なお、図4に示すシール部材106は、外径端部を固定した状態で、内径端部が内輪101の外径面に接触する、いわゆる接触型である(以上、例えば特許文献1を参照)。
上記態様で組み付けられるシール部材としては、上述した接触型のみならず、外径端部を外輪の内径面に固定した状態で、内径端部が内輪の外径面と所定の半径方向隙間を介して対向する、いわゆる非接触型もある(例えば、特許文献2を参照)。
特開2006−189086号公報 特開平11−270583号公報
特許文献1,2も含め、外輪の内径面に外径端部が圧入固定されるシール部材は、芯金およびその表面を被覆するゴム製の被覆部からなり、外輪の内径面に圧接されるシール部材の(外径端部の)外周面は、被覆部で形成される(ゴム製とされる)のが通例であった。しかしながら、かかる構成では、例えば、軸受運転時における転動体の転がり抵抗やグリースの攪拌抵抗等によって内圧が高まった場合等にシール部材が軸受外方側(環状空間の開口部側)へ移動し、シール性能の低下、ひいてはグリース漏れ等の問題が生じるおそれがあることが判明した。
本発明の目的は、この種のクラッチレリーズ軸受において、グリース漏れや異物侵入といった問題が発生するのを簡単な構造で確実に防止することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、クラッチ装置の回転部材との当接部を有するクラッチレリーズ軸受であって、転動体を介して相対回転可能に設けられた内輪および外輪と、内輪と外輪の間に形成される環状空間の開口部を密封するシール部材とを備え、シール部材の外径端部が、軸方向に延びる外輪の内径面に圧入固定されるものにおいて、シール部材は、芯金およびその表面を被覆するゴム製の被覆部からなり、シール部材の外径端部は、その外周面の一部分で露出した芯金が外輪の内径面に圧接されると共に、前記外周面の一部分と軸方向位置を異ならせて設けた被覆部が外輪の内径面に圧接されていることを特徴とするクラッチレリーズ軸受を提供する。
上記構成とすることで、外輪に対するシール部材の外径端部の固定強度を従来構成よりも高めることができ、内圧上昇に伴ってシール部材が軸方向移動するのを抑制あるいは防止することが可能となる。しかしながら、金属同士を全周に亘って隙間無く密着させるのは容易ではなく、従って両者間に形成される隙間からグリース漏れ等の不具合が生じるおそれは依然として残る。この点、本発明では、シール部材の外径端部の一部を構成する芯金と軸方向位置を異ならせて設けた被覆部が外輪の内径面に圧接され、この圧接部分では、ゴム製の被覆部が、その弾性復元力によって外輪の内径面に対して良好な態様で密着する。そのため、外輪と芯金との間に仮に隙間が形成されたとしても、グリース漏れ等の不具合が生じるのを確実に防止することができる。さらに、以上に述べた作用効果を実現するには、被覆部の形成位置や厚み等を適宜設定するだけで良い。
上記構成において、シール部材の外径端部は、環状空間の開口部側で、被覆部を外輪の内径面に圧接し、環状空間の反開口部側で芯金を外輪の内径面に圧接するのが望ましい。近年、クラッチレリーズ軸受装置が泥水に浸るような過酷な環境下においても、軸受内部に異物(この場合、泥水)が侵入しないような高いシール性能を発揮することが求められる場合があるためである。すなわち、外輪の内径面に対する密着性は、芯金よりも被覆部の方が良好なため、外部からの異物侵入に対するシール性は上記態様とした方が好適なためである。
外輪の内径面に他所よりも外径側に後退した凹状の環状溝を設け、該環状溝と被覆部とを嵌合させることができる。かかる構成とすれば、環状溝と被覆部とが軸方向に係合するため、シール部材の軸方向移動が一層効果的に防止され、所定のシール性能が一層安定的に得られる。
シール部材の被覆部は、この種のシール部材の形成に好適とされる公知のゴム材料、例えばニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、耐熱ニトリルゴム、ポリアクリルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)等を用いて形成することが可能であるが、耐水性や耐摩耗性に特に優れる水素添加ニトリルゴムあるいは耐熱ニトリルゴムで形成するのが望ましい。
本発明は、特に、シール部材の内径端部を内輪の外径面に接触させた、いわゆる接触シールを採用するクラッチレリーズ軸受に好適である。接触シールは、いわゆる非接触シールに比べて高い密封性を確保することができる反面、密封性が高いが故に内圧が上昇し易く、シール部材の軸方向移動が生じ易いからである。
また、本発明は、シール部材の外径端部が圧入固定される外輪が、プレス成形されたクラッチレリーズ軸受に好適である。プレス成形は製造コストの低廉化に有利な反面、各部を高精度に形成する上では不利なため、芯金と外輪の内径面との間に隙間が形成され易いからである。
以上に示す本発明に係るクラッチレリーズ軸受は、例えば固定体と、固定体との間に形成される容積可変チャンバの容積変動により固定体に沿って軸方向移動可能に設けられた可動体とを備え、該可動体にクラッチレリーズ軸受が設けられるタイプ、簡単に述べると油圧駆動式のクラッチレリーズ軸受装置に組み込んで好適に使用可能である。
以上のように、本発明によれば、簡単な構造で、外輪の内径面に対するシール部材の密着性を確保しつつも固定力の向上が図られる。従って、シール部材の軸方向移動、またこれに起因したシール性能の低下(グリース漏れや異物侵入等の不具合発生)を簡単な構造で確実に防止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るクラッチレリーズ軸受を組み込んだクラッチレリーズ軸受装置、詳細には、油圧によって駆動される油圧駆動式のクラッチレリーズ軸受装置の一例を示す断面図であり、クラッチが係合している状態を示すものである。同図に示すクラッチレリーズ軸受装置1は、ギアボックスのケーシング50に取り付けられた固定体30と、固定体30に対して軸方向移動可能に設けられ、固定体30と協働して容積可変チャンバ40を形成する可動体20とで主要部が構成される。容積可変チャンバ40には図示しない制御用油圧発生器が接続され、チャンバ40内には制御流体としてのオイルが充満されている。なお、便宜上、以下の説明では、図中左側をフロント側、図中右側をリア側という。
固定体30は、リア側一端に容積可変チャンバ40の底部を構成するラジアルエッジ34が設けられたガイドチューブ33と、内径面に設けた溝部32にラジアルエッジ34の外径側一端を嵌合した円筒状の外側本体31とで主要部が構成される。
可動体20は、ピストン支持チューブ21を介してガイドチューブ33に外嵌されたピストン22と、ピストン22のフロント側一端に配設され、図示しないクラッチ装置の回転部材(ダイヤフラムスプリング)との当接部を有するクラッチレリーズ軸受10とを主要な構成部材として備える。ピストン22は、軸方向に延在する外側円筒部22aおよび内側円筒部22bと、両円筒部をフロント側一端で接続する環状部22cと、外側円筒部22aの基端部から外径側に延在するフランジ部22dとを有する。ピストン22のうち、内側円筒部22bは外側本体31の内周に挿入され、固定体30との間に容積可変チャンバ40を形成し、フランジ部22dは、外側円筒部22a(ピストン22)の外周に配設された予圧スプリング24のフロント側一端を係止する役割を担う。ピストン支持チューブ21のフロント側一端はピストン22の環状部22cを若干越えて延設され、この延設部分の外径面に形成された環状溝21aに調心リング23が嵌合される。調心リング23は、ピストン22の環状部22cと協働してクラッチレリーズ軸受10(の内輪11)を弾性的に支持するためのばね力を有するものであり、クラッチレリーズ軸受10は、調心リング23のばね力でピストン22側に押圧されることによって調心が許容されるようになっている。
以上の構成からなるクラッチレリーズ軸受装置1において、クラッチを解除状態にする際の各部材の挙動を簡単に説明する。まず、図示しない油圧発生器によって容積可変チャンバ40内のオイルが加圧されると、容積可変チャンバ40の容積が増大するよう、ピストン22がフロント側に移動する。ピストン22は移動中にクラッチレリーズ軸受10を作動させる。クラッチレリーズ軸受10が作動すると、図示しないダイヤフラムスプリングにはスラスト力が付加され、これによりクラッチが解除される。
以下、クラッチレリーズ軸受10について詳述する。図示例のクラッチレリーズ軸受10は、いわゆるアンギュラ玉軸受からなり、図2にも拡大して示すように、複数の転動体(ボール)13を介して相対回転可能に設けられた内輪11および外輪12と、両輪間に組み込まれ、ボール13を円周方向等間隔で保持する保持器14と、両輪間に形成される環状空間の両端開口部に配設された第1および第2シール部材15,16とを備え、両輪間に形成される環状空間には潤滑材としてのグリースが充満される。図示例のクラッチレリーズ軸受10は、内輪11が静止側、外輪12が回転側を構成する外輪回転タイプの軸受である。
内輪11は、製造コストを抑制する観点から、鋼板をプレス加工して得られる成形品に熱処理等を施してなるプレス成形品とされ、軸方向に延びる略円筒状部分のフロント側一端から内径側に延び、先端部がピストン22の環状部22cと調心リング23との間に介在する第1鍔部11aと、円筒状部分のリア側一端から外径側に延び、フロント側一端が第1シール部材15のリア側一端と軸方向の間隙を介して対向する第2鍔部11bとを一体に有する。第1鍔部11aのリア側端面は、これが接するピストン22の環状部22cの端面形状に対応する形で、軸線と直交する方向の平坦面に形成される。なお、第2鍔部11bは、円筒状部分のリア側一端に別部材を固定することで形成しても良い。
外輪12は、内輪11同様に鋼板のプレス成形品であり、軸方向に延びる略円筒状部分のフロント側一端から内径側に延在し、図示しないダイヤフラムスプリングとの当接部となる鍔部12aを一体に有する。外輪12の内径面12bのうち、両シール部材15,16が固定される領域は軸方向に延びる円筒面に形成される。外輪12の鍔部12aは、外側本体31とピストン22のフランジ部22dとの間で作用する予圧スプリング24によってダイヤフラムスプリングに常時当接しており、その断面形状は、ダイヤフラムスプリングと線接触(断面図では点接触)するように、フロント側に突出した凸円弧状とされる。
なお、内輪11および外輪12形成用の鋼板としては、例えば浸炭鋼板を使用することができる。使用可能な浸炭鋼として、ニッケルクロム鋼(SNC)、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)、クロム鋼(SCr)、クロムモリブデン鋼(SCM)などが挙げられる。また、内輪11および外輪12の何れか一方又は双方は、上記のような鋼板のプレス成形品とする他、鍛造成形品、あるいは切削等の機械加工品とすることも可能である。
第2シール部材16は、図2にも示すように、断面略L字形状に形成された芯金17と、この芯金17表面を被覆するように加硫接着されたゴム製の被覆部18とからなり、その外径端部19が軸方向に延びる外輪12の内径面12b(厳密には、フロント側の内径面)に圧入固定される。詳細には、第2シール部材16の外径端部19は、芯金17の表面全体を被覆するように被覆部18が形成されたものであり、従って、第2シール部材16の外輪12の内径面12bに対する圧入固定は、外径端部19を構成する被覆部18を外輪12の内径面12bに圧接させることにより行われる。外径端部19が外輪12の内径面12bに対して圧入固定されると、内径端部に設けたリップが全周に亘って内輪11の外径面に接触し、いわゆる接触シールからなるシール部Sが形成される。これにより、両輪11,12間に形成される環状空間のフロント側一端が密封される。
第1シール部材15は、第2シール部材16と同様に、断面略L字形状に形成された芯金17と、この芯金17表面を被覆するように加硫接着されたゴム製の被覆部18とからなり、その外径端部19が軸方向に延びる外輪12の内径面12b(厳密には、リア側の内径面)に圧入固定される。第1シール部材15の外径端部19は、芯金17の外周面のうち、開口部側(リア側)の一部を被覆するように被覆部18が形成されたものである。従って、第1シール部材15の外輪12の内径面12bに対する圧入固定は、開口部側(リア側)の所定領域に形成した被覆部18を、また反開口部側(フロント側)の所定領域で露出した芯金17を、それぞれ外輪12の内径面12bに圧接させることにより行われる。そして、外径端部19が外輪内径面12bに対して圧入固定されると、内径端部に設けたリップが全周に亘って内輪11の外径面に接触し、いわゆる接触シールからなるシール部Sを形成する。これにより、両輪11,12間に形成される環状空間のリア側一端が密封される。
なお、被覆部18の形成に用いるゴム材料としては、この種のシール部材の形成に好適とされる公知のゴム材料、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、耐熱ニトリルゴム、ポリアクリルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)等が使用可能であるが、優れた耐水性(耐候性)および耐摩耗性を具備する水素添加ニトリルゴムあるいは耐熱ニトリルゴムが特に好適で、本実施形態では水素添加ニトリルゴムを用いて形成される。
上述したように、第1シール部材15の外径端部19の外周面のうち、その一部領域で(外部に)露出した芯金17、およびこれとは軸方向位置を異ならせて設けた被覆部18の双方を外輪12の内径面12bに圧接するようにすれば、外輪12に対する第1シール部材15の外径端部19の固定強度を、被覆部18のみを外輪12の内径面12bに圧接させていた従来構成に比べて高めることができる。
しかしながら、双方共に金属材料で形成される外輪12と芯金17とを全周に亘って隙間無く密着させるのは困難で、外輪12をプレス成形品とした本実施形態においては、特に両者間に隙間が生じ易い。この点、本発明では、第1シール部材15の外径端部19の一部を構成する芯金17と軸方向位置を異ならせて設けたゴム製の被覆部18が外輪12の内径面12bに圧接され、この圧接部分では、被覆部18が、その弾性復元力によって外輪12の内径面12bに良好な態様で密着する。特に本実施形態のように、内輪11と外輪12との間に形成される環状空間の開口部(リア側の開口部)側で、被覆部18を外輪12の内径面12bに圧接するようにすれば、外部からの異物侵入に対して絶大な効果を発揮することが可能となり、近年求められる高い耐泥水性を満足する上で好適である。
さらに、上述した作用効果は、芯金17に対して加硫接着される被覆部18の形成位置や厚み等を適宜設定するだけで得られる。以上のことから、本発明によれば、以上のことから、外輪12と第1シール部材15の外径端部19との間での固定力不足、および外輪12の内径面12bに対する第1シール部材15の外径端部19の密着不良に起因したシール性能の低下、すなわち予期せぬグリース漏れや異物侵入等の不具合が発生するのを簡単な構造で確実に防止することができる。
以上では、軸方向に延びるストレートな円筒面状に形成された外輪12の内径面12bに、第1シール部材15の外径端部19を圧入固定した場合について説明を行ったが、例えば図3に示すように、外輪12の内径面12bのうち、リア側開口部近傍に、他所よりも外径側に後退した凹状の環状溝12cを設け、この環状溝12cに、第1シール部材15の外径端部19を構成する被覆部18を嵌合させることも可能である。かかる構成とすれば、環状溝12cと被覆部18とが軸方向に係合するため、第1シール部材15の軸方向移動が一層効果的に防止され、所定のシール性能が一層安定的に得られる。
なお、本実施形態では、第2シール部材16は、その一端面(フロント側端面)の一部が、外輪12の鍔部12aの端面と当接するように設けられているため、内圧上昇等に伴う第2シール部材16の開口部(フロント側開口部)側への移動は防止される。そのため、第2シール部材16の外径端部19を従来同様の構成としているが、外輪12の形状等によって、この種のバックアップ機能を得ることができず、第1シール部材15と同様の軸方向移動が生じ易い場合には、第2シール部材16の外径端部19を第1シール部材15の外径端部19と同様の構成とすることができる。
また、以上では、シール部材15,16の双方を、いわゆる接触型としたクラッチレリーズ軸受について説明を行ったが、シール部材15,16の何れか一方又は双方を、いわゆる非接触型としたクラッチレリーズ軸受に上記本発明の構成を適用することも可能である。
また、以上では、外輪12にダイヤフラムスプリングとの当接部となる鍔部を設けたクラッチレリーズ軸受について説明を行ったが、内輪11の一端(フロント側一端)に外径側に延びる鍔部を設け、この鍔部をダイヤフラムスプリングとの当接部としたクラッチレリーズ軸受に本発明の構成を適用することももちろん可能である。
以上、本発明について説明を行ったが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
クラッチレリーズ軸受を組み込んだクラッチレリーズ軸受装置の全体構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るクラッチレリーズ軸受の断面図である。 本発明の実施形態に係るクラッチレリーズ軸受の他例を示す要部拡大断面図である。 従来構成のクラッチレリーズ軸受を概念的に示す断面図である。
符号の説明
1 クラッチレリーズ軸受装置
10 クラッチレリーズ軸受
11 内輪
12 外輪
13 ボール(転動体)
14 保持器
15 第1シール部材
16 第2シール部材
17 芯金
18 被覆部
19 外径端部
20 可動体
30 固定体
40 容積可変チャンバ
S シール部

Claims (7)

  1. クラッチ装置の回転部材との当接部を有するクラッチレリーズ軸受であって、転動体を介して相対回転可能に設けられた内輪および外輪と、内輪と外輪の間に形成される環状空間の開口部を密封するシール部材とを備え、シール部材の外径端部が、軸方向に延びる外輪の内径面に圧入固定されるものにおいて、
    前記シール部材は、芯金およびその表面を被覆するゴム製の被覆部からなり、
    前記シール部材の外径端部は、その外周面の一部分で露出した芯金が外輪の内径面に圧接されると共に、前記外周面の一部分と軸方向位置を異ならせて設けた被覆部が外輪の内径面に圧接されていることを特徴とするクラッチレリーズ軸受。
  2. 前記環状空間の開口部側で被覆部を外輪の内径面に圧接し、前記環状空間の反開口部側で芯金を外輪の内径面に圧接した請求項1記載のクラッチレリーズ軸受。
  3. 外輪の内径面に他所よりも外径側に後退した凹状の環状溝を設け、該環状溝に被覆部を嵌合させた請求項2記載のクラッチレリーズ軸受。
  4. 被覆部を形成するゴム材料が、水素添加ニトリルゴム又は耐熱ニトリルゴムである請求項1記載のクラッチレリーズ軸受。
  5. シール部材は、その内径端部が、内輪の外径面に接触するものである請求項1記載のクラッチレリーズ軸受。
  6. 外輪が、プレス成形品である請求項1記載のクラッチレリーズ軸受。
  7. 固定体と、固定体との間に形成される容積可変チャンバの容積変動により固定体に沿って軸方向移動可能に設けられた可動体とを備え、可動体に、請求項1〜6の何れかに記載のクラッチレリーズ軸受が設けられたクラッチレリーズ軸受装置。
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