JP2009156275A - 直動ガイド装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本直動ガイド装置は、ガイドポスト11のラックギヤとスリーブ12のラックギヤにリテーナ13のピニオンギヤ14を噛み合わせて、リテーナ13の往復動をラック・ピニオン機構によって規制するようにした直動ガイド装置であって、上記ピニオンギヤ14がリテーナ13の窓孔18に着脱自在に配置されており、上記ガイドポスト11のラックギヤ11aの一端にギヤを刻設しないランド部20が設けられ、このランド部20がピニオンギヤ14の組み付け開始位置Aを規定するとともに、スリーブ12の組み付け後のスリーブ12とリテーナ13の動作位置が設定される位置決め基準部材となる。
【選択図】 図7
Description
上記のようなリテーナの位置ずれを防止するためにガイドポストにコイルバネを嵌めてこれでリテーナを支えさせるものもあり、さらに、ラック・ピニオン機構によってリテーナの往復動を機械的に規制するものがある(特開2000−346064号公報:特許文献1)。
他方、特許文献2のものは、リテーナ53に長穴53、軸受の凹部53cを設け、当該凹部53cにピニオンギヤ54の軸54bを落とし込むのであるから、リテーナ53の構造が単純である(図17(b)(c))。
他方、ガイドポストによる直動ガイド装置においては、所定の直動精度を有し、摺動抵抗が小さく、耐久性が高いことが最も重要なことであり、極めて高精度の直動ガイド装置については、リテーナ及びスリーブがガイドポストに対して正確にかつ確実に所定の作動位置に組み付けられることが重要である。
したがって、上記問題は高精度の直動ガイド装置にとっては極めて重大な問題である。
組み付け開始時のリテーナのガイドポストに対する位置、すなわち、ピニオンの組み付け開始位置が機械的に正確にかつ簡単容易に規定されるように、リテーナの構造及びガイドポストのラックギヤを工夫することをその課題とするものである。
(イ)上記ピニオンギヤがリテーナの窓孔に着脱自在に配置されており、
(ロ)上記ガイドポストのラックギヤの一端にギヤを刻設しないランド部が設けられ、このランド部がピニオンギヤの組み付け開始位置を規定するとともに、スリーブ組み付け後のスリーブとリテーナの動作位置が設定される位置決め基準部材となること。
リテーナの窓孔をガイドポストのラックギヤに合致させた状態で、リテーナをガイドポストに嵌合させ、ピニオンギヤを上記窓孔に嵌めてガイドポストのラックギヤに噛み合わせるとともに、ラックギヤの端部のランド部に当接させる。この位置を組み付け開始位置にして、スリーブを嵌合させてスリーブのラックギヤを上記ピニオンギヤに噛み合わせ、スリーブを移動させると、スリーブ及びリテーナがガイドポストに対して所定の動作位置に組み付けられる。
図1に示すように、実施の形態による直動ガイド装置は、ガイドポスト11に筒状のスリーブ12が挿通され、このガイドポスト11とスリーブ12との間隙内に多数の転動体(ローラ31、ボール32等)30を保持した筒状のリテーナ13が配置されたものである。ガイドポスト11は、鋼、超硬合金、ステンレス等の金属製であり、中心孔を設けた中空軸で構成され、外周面が多角形形状(六角形形状)となっており、スリーブ12は、鋼、超硬合金、ステンレス等の金属製であり、内周面がガイドポスト11の外周面と相似な多角形形状(六角形形状)となっている。リテーナ13は、合成樹脂製であり、ガイドポスト11とスリーブ12の間隙の形状・大きさに合わせた多角形(六角形)筒状に形成されている。このリテーナ13には、転動体30として、多数のローラ31とボール32とが回転自在に保持されている。すなわち、ローラ31は、リテーナ13の各平面部に配置され、ボール32は、1箇所の角部を跨いだ2箇所の角部に配置されている。ローラ31やボール32は、各種金属、セラミック等からなる。そして、これらローラ31及びボール32は、ガイドポスト11の外周面とスリーブ12の内周面との間に転動自在に挟持されている。なお、ガイドポスト11においてボール32と対応する角部は、半円状の溝が形成されている。
まず、リテーナ13の窓孔18をガイドポスト11のラック部材11aに合致させた状態でリテーナ13をガイドポスト11に嵌合させ、ピニオンギヤ14を上記窓孔18に嵌めてガイドポスト11のラック部材11aのラックギヤに噛み合わせるとともにリテーナ13を移動させてラック部材11aの端部のランド部材20に当接させる。ピニオンギヤ14がランド部材20に当接したこの位置にリテーナ13を止めておき、スリーブ12のラック部材12aをガイドポスト11のラック部材11aに合致させておいてスリーブ12をガイドポスト11に嵌める。
このようにして、直動ガイド装置の組み立てが完了する。
上記リテーナ13には、ピニオンギヤ14を対向して2つ配置するが、一方の窓孔18にだけピニオンギヤ14を配置し他方の窓孔18にはピニオンギヤ14を配置しないようにすることもできる。これにより、1つのピニオンギヤ14の噛み合わせを行うことで組み立てられるので、リテーナ13及びスリーブ12の組み付けが容易に行える。
また、図12(a)(b)に示すように、リテーナ13の窓孔18を例えば矩形状の貫通孔とし、この窓孔18に、ピニオンギヤ14を配置する軸受部材Gを嵌め込むようにしてもよい。これにより、リテーナ13において窓孔18の形成が容易となる。同時に、軸受部材Gを種々の形態に加工することが容易となる。例えば、図12(b)のように、リテーナ13と別体とした軸受部材Gにおいて孔g31や凹所G2〜G4を形成してピニオンギヤ14の軸の保持部分を弾性部Dとすることが容易にでき、これにより、ピニオンギヤ14をリテーナ13の進み方向の前後に移動可能にすることができる。
また、図13に示すように、リテーナ13の貫通孔による窓孔18に対し、軸受部材Gをリテーナ13の進み方向の前後に移動可能に遊嵌させる構成とすることも容易にでき、これによっても、軸受部材Gと共にピニオンギヤ14をリテーナ13の進み方向の前後に移動可能にすることができる。
11a:ガイドポストのラックギヤ
12:スリーブ
12a:スリーブのラックギヤ
13:リテーナ
14:ピニオンギヤ
18:窓孔
19:隙間
20:ランド部
Claims (6)
- ガイドポストに筒状のスリーブが挿通され、このガイドポストとスリーブとの間隙内に多数の転動体を保持した筒状のリテーナが配置されており、ガイドポストのラックギヤとスリーブのラックギヤにリテーナのピニオンギヤを噛み合わせて、リテーナの往復動をラック・ピニオン機構によって規制するようにした直動ガイド装置であって、
上記ピニオンギヤがリテーナの窓孔に着脱自在に配置されており、
上記ガイドポストのラックギヤの一端にギヤを刻設しないランド部が設けられ、このランド部がピニオンギヤの組み付け開始位置を規定するとともに、スリーブ組み付け後のスリーブとリテーナの動作位置が設定される位置決め基準部材となる直動ガイド装置。 - 上記ランド部をガイドポストの両端に設けられている請求項1の直動ガイド装置。
- 上記ガイドポストのラックギヤとランド部は、ガイドポストの外周面に軸方向に設けた軸方向溝内に、ラックギヤが刻設されたラック部とラックギヤが設けられていないランド部とが別部材又は同一部材に形成された帯板材を固定して構成されており、
上記スリーブのラックギヤは、スリーブの内周面に軸方向の全長にわたって設けた軸方向溝内に、ラックギヤが刻設された帯板材を固定して構成されている請求項1又は2の直動ガイド装置。 - 上記ガイドポストのラックギヤとランド部は、ガイドポスト外周面に直接形成して構成されている請求項1乃至3のいずれかの直動ガイド装置。
- 上記窓孔には、ピニオンギヤの軸を配置する軸受が形成されており、この軸受は、ピニオンギヤの軸の外径よりも大きく形成されてピニオンギヤがリテーナの進み方向の前後に移動可能となる隙間が設けられている請求項1乃至4のいずれかの直動ガイド装置。
- 上記軸受の入り口には、ピニオンギヤの軸をガイドする舌片がリテーナの進み方向の前後に対向して形成されている請求項5の直動ガイド装置。
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