JP2009155613A - 衣料用洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)一般式(I)で表されるグリセリルモノエーテル又はポリグリセリルモノエーテルと、(b)一般式(II)で表される硫酸エステル塩とを含有し、成分(a)が特定の化合物分布を具備する、衣料用洗剤組成物。
R−O−(C3H6O2)n−H (I)
(式中、Rは炭素数6〜22の炭化水素基を、nはグリセリンの縮合度であり、整数を示す。)
R1−O−(A1O)p−(AO)q−SO3M (II)
(式中、R1は炭素数6〜22の炭化水素基、A1Oはオキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基、AOは特定のオキシアルキレン基、pは1〜5の整数、qは0〜10の整数、Mはアルカリ金属等を表す。)
【選択図】なし
Description
R−O−(C3H6O2)n−H (I)
(式中、Rは炭素数6〜22の炭化水素基を、nはグリセリンの縮合度であり、整数を示す。)
R1−O−(A1O)p−(AO)q−SO3M (II)
(式中、R1は炭素数6〜22の炭化水素基、A1Oはオキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基、AOはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基の少なくとも1種を含んだオキシアルキレン基、pは1〜5の整数、qは0〜10の整数、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、NH4または炭素数2〜3のアルカノールアンモニウム基を表す。)
本発明の成分(a)は、グリセリン又はその縮合物であるポリグリセリン中の水酸基の水素原子の一つが、炭素数6〜22の炭化水素基で置換させてエーテル結合を形成したグリセリルモノエーテル等である。
本発明で用いられる成分(b)は、下記一般式(II)で表される硫酸エステル塩である。一般式(II)の化合物はアルキルエーテル硫酸エステル塩を含む。
R1−O−(A1O)p−(AO)q−SO3M (II)
(式中、R1は炭素数6〜22の炭化水素基、A1Oはオキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基、AOはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基の少なくとも1種を含んだオキシアルキレン基、pは1〜5の整数、qは0〜10の整数、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、NH4または炭素数2〜3のアルカノールアンモニウム基を表す。)
工程(X):炭素数6〜22の炭化水素基を有するアルコール1モルに対して、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドの少なくとも1つを含んだアルキレンオキサイドを、平均で0超5以下のモル数で付加させる工程
工程(Y):上記工程(X)で得られたアルキレンオキサイド付加物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドの少なくとも1つを含んだアルキレンオキサイドを平均で0以上10以下のモル数で付加させてアルコキシレートを得る工程
工程(Z):上記工程(Y)で得られたアルコキシレートを硫酸化し、次いで中和する工程
R1−O−SO3M (i)
R1−O−(A1O)x−SO3M (ii)
R1−O−(AO)y−SO3M (iii)
R1−O−(A1O)z−(AO)z'−SO3M (iv)
本発明の衣料用洗剤組成物は、アルカリ剤〔以下、成分(c)ともいう〕を含有することができる。成分(c)としては、本組成物が粉末状の場合、炭酸塩、重炭酸塩、ケイ酸塩、オルトケイ酸塩、メタケイ酸塩、結晶性珪酸塩、リン酸塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。これらのアルカリ剤は1種類でも、2種類以上の混合物としても用いることができる。具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、1号ケイ酸ナトリウム、2号ケイ酸ナトリウム、3号ケイ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。ここで、結晶性珪酸塩は、20℃のイオン交換水に0.1質量%分散した分散液の最大pHが11以上であり、且つこの分散液1LのpHを10にするために5ml以上の0.1N−HCl水溶液を要するアルカリ性物質であり、後述する成分(d)のゼオライト(結晶性アルミノ珪酸塩)とは区別される。結晶性珪酸塩は層状ものが好ましく、特開平7−89712号公報、特開昭60−227895号公報及びPhys.Chem.Glasses.7,p127-p138(1966)、Z.Kristallogr.,129,p396-p404(1969)等に記載されているものを使用できる。0.42Na2O・0.14K2O・SiO2・0.03CaO・0.0005MgOで表される結晶性珪酸塩が好適に用いられる。また、ヘキスト社より商品名「Na−SKS−6」(δ−Na2Si2O5)として、粉末状、顆粒状のものが入手できる。また本組成物が液体状の形態である場合には(c)成分としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルモノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール等のアルカノールアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等、珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩類を使用することができ、特にモノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の衣料用洗剤組成物は、(d)ゼオライト〔以下、成分(d)ともいう〕を含有することができる。ここで、成分(d)のゼオライトは結晶性アルミノ珪酸塩であり、式(d1)で表される化合物が好ましく、更に(d2)で表される化合物が好ましい。
(式中、Mはアルカリ金属原子、a、b、wは各成分のモル比を表し、一般的には0.7≦a≦1.5、0.8≦b≦6、wは任意の正数を表す。)
Na2O・Al2O3・n(SiO2)・m(H2O) (d2)
(ここで、nは1.8〜3の数を表し、mは1〜6の数を表す。)
本発明の洗剤組成物は、成分(e)として炭素数6〜22のアルコールを含有することが好ましい。成分(e)を成分(a)と併用した場合には、さらに成分(a)の結晶化を抑制する傾向にあるため、低温での洗浄性能の向上効果をさらに高める事が出来る。成分(e)の配合量は成分(a)に対して0.001から20質量%、好ましくは0.001から10質量%、さらに0.1から10質量%が好ましい。成分(d)の含有量が20質量%を超える場合には、成分(e)自体が汚れとして作用してしまうため、洗浄性能が損なわれる傾向にある。
本発明の洗剤組成物は、成分(f)としてグリセリン及びポリグリセリンから選ばれる一種以上の化合物を含有することが出来る。成分(f)を成分(a)と併用した場合にも、成分(a)の結晶化を抑制する傾向にあるため、低温での洗浄性能の向上の観点から好ましい。また、本発明の洗剤組成物が液体の場合には、洗剤組成物の粘度が低下する傾向にあるため、計量性が良好になりうる。成分(f)の配合量は成分(a)に対して0.001から50質量%、好ましくは0.001から20質量%、さらに好ましくは0.1から10質量%、特に1から5質量%が好ましい。
本発明の洗剤組成物は、成分(g)として、(g−1)炭素数10〜18、好ましくは12〜14のアルキル硫酸エステル塩及び又はポリオキシエチレンアルキル(炭素数10〜18、好ましくは12〜14)エーテル硫酸エステル塩〔以下、成分(g−1)ともいう〕、(g−2)脂肪酸塩〔以下、成分(g−2)ともいう〕から選ばれる一種以上の界面活性剤を含有することができる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩において、エチレンオキサイドの平均付加モル数は0.5〜5.0が好ましい。成分(g−1)としてはデシル硫酸エステル塩、ドデシル硫酸エステル塩、テトラデシル硫酸エステル塩、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1から3のポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。これらの塩の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。
本発明の洗剤組成物において、成分(g−2)として脂肪酸塩を併用した場合には、成分(g−2)が洗浄水中の硬度成分と結合して金属石鹸を生成した場合、成分(a)が一般的な界面活性剤よりも微細に分散させることから、泡消し効果が増大する傾向にある。そのために脂肪酸塩の配合量を低下させることが出来る。成分(a)+(b)と成分(g−2)の比率は、質量比[(a)+(b)]/(g−2)で好ましくは1000/1〜1/10、より好ましくは100/1〜1/1、特に好ましくは50/1〜2/1、最も好ましくは10/1〜3/1である。成分(g)としては、炭素数12〜22の脂肪酸塩が好ましく、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。これらの塩の対イオンとしてはナトリウム、カリウムが好ましく、特にナトリウムが好ましい。
本発明の衣料用洗剤組成物は、成分(a)、成分(b)、及び成分(g)以外の界面活性剤を含有することができる。成分(a)、成分(b)、及び成分(g)以外の界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤の1種又は組み合わせを挙げることができるが、好ましくは陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤である。
本発明の衣料用洗剤組成物は、成分(a)を1〜80質量%、更に3〜40質量%、特に5〜20質量%含有することが好ましい。また、成分(b)を1〜80質量%、更に1.5〜40質量%、特に2〜20質量%含有することが好ましい。また、成分(c)を1〜90質量%、更に5〜50質量%、特に10〜40質量%含有することが好ましい。また、成分(d)を1〜90質量%、更に5〜50質量%、特に10〜40質量%含有することが好ましい。
<アルキルエーテル硫酸エステル塩(b1)>
炭素数12の直鎖アルコール〔商品名:カルコール2098、花王(株)製〕2340gおよびKOH3.5gを攪拌装置、温度制御装置、自動導入装置を備えたオートクレーブに仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロピレンオキサイドを1460g仕込んだ。120℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のプロピレンオキサイドを除去した。未反応プロピレンオキサイド除去後、3.8gの酢酸をオートクレーブ内に加え、80℃で30分間攪拌した後、抜き出しを行い、プロピレンオキサイドの平均付加モル数が2.0であるアルコキシレートを得た。
炭素数12のアルコール(花王(株)、製品名:カルコール2098)2340gおよびKOH3.5gを攪拌装置、温度制御装置、自動導入装置を備えたオートクレーブに仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロピレンオキサイドを511g仕込んだ。120℃にて付加反応・熟成を行った後、145℃に昇温し、エチレンオキサイドを1107g仕込んだ。145℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のエチレンオキサイドを除去した。未反応エチレンオキサイド除去後、3.8gの酢酸をオートクレーブ内に加え、80℃で30分間攪拌した後、抜き出しを行い、プロピレンオキサイドの平均付加モル数が0.7モル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が2.0モルであるアルコキシレートを得た。
LASは、花王(株)製ネオペレックスG−15を用いた。
ラウリルアルコール93.2g(0.50mol)、ランタントリフラート2.94g(0.0050mol)を300mL四つ口フラスコに入れ、窒素気流下、撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を保持しながらグリシドール148.16g(2.0mol)を24時間で滴下し、そのまま2時間撹拌を続け、反応生成物243.5gを得た。得られた反応生成物をガスクロマトグラフィーによって分析した結果、グリシドール転化率99.9%以上、ラウリルアルコール6.0質量%であった。また得られたラウリルポリグリセリルエーテルのうち、グリセリンの縮合度nが3〜5のものの割合は、nが1〜7のものの合計に対して43.3質量%であった。よって、該生成物〔グリセリルアルキルエーテル〕は、グリセリンの縮合度nが異なる複数の化合物を含有することを確認し、nが3〜5に関してはいずれのものも含まれていた。
AEは、花王(株)製のポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いた。AEのアルキル鎖長は、C12/C14=72/28(質量比)であり、エチレンオキサイド平均付加モル数は6であった。
ポリアクリル酸(平均分子量1.5万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
ゼオライトは、(株)東ソー製、平均粒径3μmの4A型ゼオライトを用いた。
水道水1Lに対して、表1に示す洗剤組成物0.667gを溶解した後、下記の通り調製した、ほうれん草汚染布5枚を入れ、ターゴトメータを用いて80回転/分の条件で20℃(液温)、10分間洗濯を行った。十分すすいだ後に乾燥させ、下記の式により洗浄率を測定した。
水道水1Lに対して、表2に示す液体洗剤組成物0.833gを投入した後、下記の通り調製したほうれん草汚染布5枚を入れ、ターゴトメータを用いて80回転/分の条件で20℃(液温)、10分間洗濯を行った。十分すすいだ後に乾燥させ、粉末洗剤組成物の評価と同様の方法にて洗浄率を測定した。
市販のほうれん草をミキサーにより粉砕した後、生成した液体部分を木綿布により濾別した。得られた液体0.5gを6cm×6cmの木綿金布#2023上に均一に塗布し、20℃で12時間乾燥させたものを試験に供した。
陰イオン性界面活性剤比率(質量%)=陰イオン性界面活性剤/(陰イオン性界面活性剤+非イオン性界面活性剤)×100
ここで、「陰イオン性界面活性剤」は陰イオン性界面活性剤の質量%であり、「アルキルエーテル硫酸エステル塩(b1)の質量%+アルキルエーテル硫酸エステル塩(b2)の質量%+LASの質量%」で求まる値であり、「非イオン性界面活性剤」は非イオン性界面活性剤の質量%であり、「グリセリルアルキルエーテルの質量%+AEの質量%」で求まる値である。また、硫酸ナトリウムの「残部」とは、組成物合計の質量比を100とする量である。
Claims (5)
- (a)一般式(I)で表されるグリセリルモノエーテル又はポリグリセリルモノエーテル〔以下、成分(a)という〕と、(b)一般式(II)で表される硫酸エステル塩〔以下、成分(b)という〕とを含有する衣料用洗剤組成物であって、成分(a)が一般式(I)中のグリセリンの縮合度nが異なる複数の化合物を含む、衣料用洗剤組成物。
R−O−(C3H6O2)n−H (I)
(式中、Rは炭素数6〜22の炭化水素基を、nはグリセリンの縮合度であり、整数を示す。)
R1−O−(A1O)p−(AO)q−SO3M (II)
(式中、R1は炭素数6〜22の炭化水素基、A1Oはオキシプロピレン基及び/又はオキシブチレン基、AOはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基の少なくとも1種を含んだオキシアルキレン基、pは1〜5の整数、qは0〜10の整数、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、NH4または炭素数2〜3のアルカノールアンモニウム基を表す。) - 成分(a)中、一般式(I)中のRが炭素数12及び又は炭素数14のアルキル基であって且つグリセリンの縮合度nが3〜5である化合物の比率が、一般式(I)中のグリセリンの縮合度nが1〜7である化合物に対して40質量%以上である請求項1記載の衣料用洗剤組成物。
- 成分(a)中、グリセリンの縮合度nが1又は2である化合物の比率が50質量%未満である請求項1記載の衣料用洗剤組成物。
- 炭素数6〜22のアルコールを、成分(a)に対して0.001〜20質量%含有する請求項1〜3いずれか記載の衣料用洗剤組成物。
- グリセリン及びポリグリセリンから選ばれる一種以上の化合物を、成分(a)に対して0.001〜50質量%含有する請求項1〜4いずれか記載の衣料用洗剤組成物。
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