JP2009154808A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Tatsuya Imamura
達也 今村
Toru Matsubara
亨 松原
Atsushi Tabata
淳 田端
Yuji Iwase
雄二 岩▲瀬▼
Kenta Kumazaki
健太 熊▲崎▼
Keita Imai
恵太 今井
Masahiro Kojima
昌洋 小嶋
Koichi Kondo
宏一 近藤
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Abstract

【課題】動力循環状態における伝達効率を向上させる車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】遊星歯車装置24のサンギヤS1に連結された第1電動機MG1と、リングギヤR1に連結された第2電動機MG2と、キャリアCA1に連結された第3電動機MG3とを、有し、それら電動機のうち少なくとも1つの運転状態を制御することにより差動部16の入力回転速度と出力回転速度との差動状態を制御する動力分配機構36を備え、第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3は、何れも電力授受可能に構成されたものであることから、それら電動機により適宜発電乃至力行を行うように制御することで、特に第2電動機MG2により発電された電力が第1電動機MG1に供給される動力循環状態における伝達効率を高めることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、差動部の回転要素に連結された電動機の運転状態を制御することによりその差動部の差動状態を制御する動力分配機構を備えた車両用駆動装置に関し、特に、動力循環状態における伝達効率を向上させるための改良に関する。
差動部の回転要素に連結された電動機の運転状態を制御することによりその差動状態を制御する動力分配機構を備えた車両用駆動装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド車両の駆動装置がそれである。この技術によれば、差動部としての遊星歯車装置と、その遊星歯車装置のサンギヤに連結された第1電動機と、リングギヤに連結された第2電動機とを、備え、それら第1電動機及び第2電動機の運転状態を制御することにより、上記遊星歯車装置のキャリアから入力されるエンジンからの入力回転速度と出力部材としての上記リングギヤの出力回転速度との差動状態が制御されるように構成されている。
特開2000−324615号公報 特開2005−337373号公報 特開2005−138802号公報
ところで、前述したような従来の技術では、例えば所定速度以上の高速走行中等において、前記第1電動機が負回転で力行する逆転力行状態とされる場合がある。すなわち、前記第2電動機が回生発電を行い、その第2電動機により発電された電力が前記第1電動機に供給される動力循環状態が成立するが、斯かる場合において、前記第2電動機から第1電動機へ供給される電力の増大に伴い、動力伝達装置の伝達効率が低下するという不具合があった。このため、動力循環状態における伝達効率を向上させる車両用駆動装置の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、動力循環状態における伝達効率を向上させる車両用駆動装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、差動部と、その差動部の第1回転要素に連結された第1電動機と、第2回転要素に連結された第2電動機と、第3回転要素に連結された第3電動機とを、有し、それら第1電動機、第2電動機、及び第3電動機のうち少なくとも1つの運転状態を制御することにより前記差動部の入力回転速度と出力回転速度との差動状態を制御する動力分配機構を備え、前記第1電動機、第2電動機、及び第3電動機は、何れも電力授受可能に構成されたものであることを特徴とするものである。
このようにすれば、差動部と、その差動部の第1回転要素に連結された第1電動機と、第2回転要素に連結された第2電動機と、第3回転要素に連結された第3電動機とを、有し、それら第1電動機、第2電動機、及び第3電動機のうち少なくとも1つの運転状態を制御することにより前記差動部の入力回転速度と出力回転速度との差動状態を制御する動力分配機構を備え、前記第1電動機、第2電動機、及び第3電動機は、何れも電力授受可能に構成されたものであることから、前記第1電動機、第2電動機、及び第3電動機により適宜発電乃至力行を行うように制御することで、特に前記第2電動機により発電された電力が前記第1電動機に供給される動力循環状態における伝達効率を高めることができる。すなわち、動力循環状態における伝達効率を向上させる車両用駆動装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記差動部はシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、その遊星歯車装置のサンギヤに前記第1電動機が、リングギヤに前記第2電動機が、キャリアに前記第3電動機がそれぞれ連結されたものである。このようにすれば、実用的な態様の差動部から成る動力分配機構を備えた駆動装置において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
また、好適には、前記差動部の第3回転要素はその差動部の入力部材に、前記第2回転要素は出力部材にそれぞれ連結されたものである。このようにすれば、実用的な態様の差動部から成る動力分配機構を備えた駆動装置において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
また、好適には、前記第3電動機により発電を行わない状態と比較して、その第3電動機により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合にその第3電動機により発電を行うものである。このようにすれば、前記第3電動機の発電により動力循環量が減少する場合に、その第3電動機により発電を行うことで伝達効率を向上させることができる。
また、好適には、前記第2電動機により発電を行う状態と比較して、前記第3電動機により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合にその第3電動機により発電を行うものである。このようにすれば、前記第3電動機の発電により動力循環量が減少する場合に、その第3電動機により発電を行うことで伝達効率を向上させることができる。
また、好適には、前記第1電動機、第2電動機、及び第3電動機のうち主動力源に連結された電動機は、その主動力源に付属するものである。このようにすれば、例えばスタータとして機能する比較的小型の電動機を備えた駆動装置において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
また、好適には、前記第3電動機は、その発電量を連続的に変更可能に構成されたものである。このようにすれば、前記第3電動機により発電量を連続的に変更しつつ発電を行うことで伝達効率を可及的に向上させることができる。
また、好適には、前記第3電動機により発電を行う場合には、予め定められた関係から伝達効率が可及的に高くなるようにその第3電動機による発電量を決定するものである。このようにすれば、駆動装置の伝達効率を可及的に向上させることができる。
また、好適には、前記第3電動機の負荷が予め定められた所定値を超えない範囲内においてその第3電動機による発電量を決定するものである。このようにすれば、前記第3電動機の負荷が大きくなり過ぎないようにすることで、駆動装置の耐久性を向上させることができる。
また、好適には、機械的に所定の変速比を成立させる変速部を、前記動力分配機構と駆動輪との間の動力伝達経路に備えたものである。このようにすれば、主動力源から駆動輪までの動力伝達経路に動力分配機構及び機械式変速部を備えた実用的な駆動装置において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
また、好適には、前記動力分配機構は、電気的な無段変速部として機能するものである。このようにすれば、電気的な無段変速部として機能する動力分配機構を備えた実用的な駆動装置において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両用駆動装置10の構成を説明する骨子図である。この駆動装置10は、例えば、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両において縦置きされて用いられるものであり、車体に取り付けられる非回転部材としてのハウジング42内において共通の軸心上に配設された入力軸14と、その入力軸14に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパ(振動減衰装置)等を介して間接に連結された差動部16と、その差動部16と駆動輪34(図6を参照)との間の動力伝達経路において伝達部材(伝動軸)18を介して直列に連結された自動変速部20と、その自動変速部20に連結された出力軸22とを、直列に備えている。ここで、上記差動部16から出力される駆動力(回転トルク)は、上記伝達部材18を介して上記自動変速部20へ伝達される。すなわち、その伝達部材18は、上記差動部16の出力回転要素として機能すると共に、上記自動変速部20の入力回転要素として機能する。
上記駆動装置10には、走行用の主動力源としてのエンジン12が設けられており、その出力軸(クランク軸)が上記入力軸14に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパを介して直接的に連結されている。このエンジン12は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関である。また、上記エンジン12と一対の駆動輪34との間には動力伝達経路の一部を構成する差動歯車装置(終減速機)32(図6を参照)が設けられており、上記エンジン12から出力された動力は上記差動部16、自動変速部20、差動歯車装置32、及び一対の車軸等を順次介して一対の駆動輪34へ伝達される。このように、本実施例の駆動装置10において上記エンジン12と差動部16とは直結されている。この直結はトルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく連結されているということであり、例えば上記脈動吸収ダンパ等を介する連結はこの直結に含まれる。なお、上記駆動装置10はその軸心に対して対称的に構成されているため、図1の骨子図においてはその下側が省略されている。
前記差動部16は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置24を主体として構成されたものであり、その第1遊星歯車装置24の第1回転要素としてのサンギヤS1に第1電動機MG1が、第2回転要素としてのリングギヤR1に第2電動機MG2が、第3回転要素としてのキャリアCA1に第3電動機MG3がそれぞれ連結されている。これら第1電動機MG1、第2電動機MG2、第3電動機MG3(以下、特に区別しない場合には単に電動機MGという)及び前記差動部16から動力分配機構36が構成されている。この動力分配機構36は、上記電動機MGのうち少なくとも1つの運転状態(動作点)を制御することにより前記差動部16の入力回転速度と出力回転速度との差動状態を制御できるように構成されたものである。
上記第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3は、何れも電力授受可能に構成されたものである。すなわち、電気エネルギから機械的な駆動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な駆動力から電気エネルギを発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータである。換言すれば、前記駆動装置10において、前記電動機MGは何れも主動力源である前記エンジン12の代替として、或いはそのエンジン12と共に走行用の駆動力を発生させる動力源(副動力源)として機能し得る。また、他の動力源により発生させられた駆動力から回生により電気エネルギを発生させ、インバータ54(図6を参照)を介して他の電動機MGに供給したり、その電気エネルギを蓄電装置56(図6を参照)に蓄積する等の作動を行う。なお、上記第3電動機MG3は、主動力源である前記エンジン12の補機であり、例えばスタータとしてそのエンジン12の出力軸に直結される等して付属的に設けられたものである。また、好適には、上記第1電動機MG1、第2電動機MG2、第3電動機MG3は、何れもその発電機としての発電量を連続的に変更可能に構成されたものである。
上記第1遊星歯車装置24は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するものであり、上記差動部16は斯かる第1遊星歯車装置24を主体として構成されている。この第1遊星歯車装置24は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転及び公転可能に支持する第1キャリアCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR1である。
前記動力分配機構36において、第1キャリアCA1は前記入力軸14すなわちエンジン12に連結され、第1サンギヤS1は前記第1電動機MG1に連結され、第1リングギヤR1は前記伝達部材18に連結されている。このように構成された上記動力分配機構36は、前記第1遊星歯車装置24に備えられた3つの回転要素である第1サンギヤS1、第1キャリアCA1、及び第1リングギヤR1がそれぞれ相互に相対回転可能とされて差動作用が作動可能な状態すなわち差動作用が働く差動状態とされることから、前記エンジン12から出力される駆動力が前記第1電動機MG1と伝達部材18とに分配されると共に、分配された駆動力の一部で前記第1電動機MG1や第3電動機MG3により発電が行われたり、前記第2電動機MG2が回転駆動されるというように、前記差動部16(動力分配機構36)は電気的な差動装置として機能させられる。これにより、例えば、前記差動部16は所謂無段変速状態(電気的CVT状態)とされて、前記エンジン12の所定回転にかかわらず前記伝達部材18の回転が連続的に変化させられる。すなわち、前記差動部16はその変速比γ0(入力軸14の回転速度NIN/伝達部材18の回転速度N18)が最小値γ0minから最大値γ0maxまで連続的に変化させられる電気式の変速部に対応する。
前記自動変速部20は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28、及びシングルピニオン型の第4遊星歯車装置30を備え、有段式の第2変速部として機能する遊星歯車式の多段変速機である。上記第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転及び公転可能に支持する第2キャリアCA2、及び第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、例えば「0.562」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。また、上記第3遊星歯車装置28は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転及び公転可能に支持する第3キャリアCA3、及び第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、例えば「0.425」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。また、上記第4遊星歯車装置30は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転及び公転可能に支持する第4キャリアCA4、及び第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、例えば「0.421」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。上記第2サンギヤS2の歯数をZS2、上記第2リングギヤR2の歯数をZR2、上記第3サンギヤS3の歯数をZS3、上記第3リングギヤR3の歯数をZR3、上記第4サンギヤS4の歯数をZS4、上記第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
また、前記自動変速部20は、その自動変速部20において所定の変速段を成立させるための複数の係合要素として、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3(以下、特に区別しない場合はクラッチC、ブレーキBと表す)を備えている。これらクラッチC及びブレーキBは、好適には、何れも従来の車両用自動変速機においてよく用いられている係合要素としての油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本又は2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキ等により構成され、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結するための装置である。すなわち、前記自動変速部20は、複数の油圧式摩擦係合装置を選択的に係合させることにより、予め定められた複数の変速段を選択的に成立させる機械式の変速機である。
以上のように構成された自動変速部20では、上記第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されており、第2クラッチC2を介して前記伝達部材18に選択的に連結されると共に第1ブレーキB1を介して前記ハウジング42に選択的に連結されるようになっている。また、上記第2キャリアCA2は第2ブレーキB2を介して前記ハウジング42に選択的に連結されるようになっている。また、上記第4リングギヤR4は第3ブレーキB3を介して前記ハウジング42に選択的に連結されるようになっている。また、上記第2リングギヤR2と第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて出力軸22に連結されている。また、上記第3リングギヤR3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されており、第1クラッチC1を介して前記伝達部材18に選択的に連結されるようになっている。
このように、前記自動変速部20内と差動部16(伝達部材18)とは、その自動変速部20の各ギヤ段(変速段)を成立させるために用いられる第1クラッチC1及び/又は第2クラッチC2を介して選択的に連結されるようになっている。換言すれば、斯かる第1クラッチC1及び第2クラッチC2は、前記伝達部材18と自動変速部20との間の動力伝達経路すなわち差動部16(伝達部材18)から駆動輪34への動力伝達経路を、その動力伝達経路の動力伝達を可能とする動力伝達可能状態と、その動力伝達経路の動力伝達を遮断する動力伝達遮断状態とに選択的に切り換える係合装置として機能している。つまり、上記第1クラッチC1及び第2クラッチC2の少なくとも一方が係合されることで上記動力伝達経路が動力伝達可能状態とされた車両の駆動状態とされ、上記第1クラッチC1及び第2クラッチC2が共に解放されることで上記動力伝達経路が動力伝達遮断状態とされた車両の非駆動状態とされる。
前記自動変速部20では、解放側係合装置の解放と係合側係合装置の係合とによりクラッチ・ツウ・クラッチ変速が実行されて各ギヤ段が選択的に成立させられることにより、略等比的に変化する変速比γ(=伝達部材18の回転速度N1N/出力軸22の回転速度NOUT)が各ギヤ段毎に得られる。例えば、図2の係合作動表に示されるように、第1クラッチC1及び第3ブレーキB3の係合により変速比γ1が最大値例えば「3.357」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1及び第2ブレーキB2の係合により変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「2.180」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1及び第1ブレーキB1の係合により変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.424」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1及び第2クラッチC2の係合により変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2及び第3ブレーキB3の係合により変速比γRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「3.209」程度である後進ギヤ段(後進変速段)が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び第3ブレーキB3の解放によりニュートラル「N」状態とされる。
以上のように構成された駆動装置10において、無段変速機として機能する前記動力分配機構36と、有段変速機として機能する自動変速部20とで、全体として無段変速機が構成される。また、前記動力分配機構36の変速比を一定となるように制御することにより、その動力分配機構36と自動変速部20とで有段変速機と同等の状態を構成することが可能とされる。具体的には、前記動力分配機構36が無段変速機として機能し、且つその動力分配機構36に直列された前記自動変速部20が有段変速機として機能することにより、その自動変速部20の少なくとも1つの変速段に対してその自動変速部20に入力される回転速度すなわち前記伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられてその変速段において無段的な変速比幅が得られる。従って、前記駆動装置10の総合変速比γT(=入力軸14の回転速度NIN/出力軸22の回転速度NOUT)が無段階に得られ、前記駆動装置10において無段変速機が構成される。この駆動装置10の総合変速比γTは、前記差動部16の変速比γ0と前記自動変速部20の変速比γとに基づいて形成される前記駆動装置10全体としてのトータル変速比γTである。
例えば、図2の係合作動表に示される前記自動変速部20の第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段や後進ギヤ段の各ギヤ段に対して前記伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。従って、各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって、前記駆動装置10全体としてのトータル変速比γTが無段階に得られる。また、前記動力分配機構36の変速比が一定となるように制御され、且つクラッチC及びブレーキBが選択的に係合作動させられて第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段の何れか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられることにより、略等比的に変化する前記駆動装置10のトータル変速比γTが各ギヤ段毎に得られる。従って、前記駆動装置10において有段変速機と同等の状態が構成される。例えば、前記動力分配機構36の変速比γ0が「1」に固定されるように制御されると、図2の係合作動表に示されるように前記自動変速部20の第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段や後進ギヤ段の各ギヤ段に対応する前記駆動装置10のトータル変速比γTが各ギヤ段毎に得られる。また、前記自動変速部20の第4速ギヤ段において前記動力分配機構36の変速比γ0が「1」より小さい値例えば0.7程度に固定されるように制御されると、第4速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.7」程度であるトータル変速比γTが得られる。
図3は、前記動力分配機構36及び自動変速部20から構成される駆動装置10において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。この図3の共線図は、前記第1遊星歯車装置24、第2遊星歯車装置26、第3遊星歯車装置28、及び第4遊星歯車装置30それぞれのギヤ比ρの関係を示す横軸と、相対的回転速度を示す縦軸とから成る二次元座標であり、横線X1が回転速度零を示し、横線X2が回転速度「1.0」すなわち前記入力軸14に連結された前記エンジン12の回転速度NEを示し、横線XGが前記伝達部材18の回転速度を示している。また、前記動力分配機構36を構成する差動部16の3つの要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第1回転要素(第1要素)RE1に対応する第1サンギヤS1、第3回転要素(第3要素)RE3に対応する第1キャリアCA1、第2回転要素(第2要素)RE2に対応する第1リングギヤR1の相対回転速度を示すものであり、それらの間隔は前記第1遊星歯車装置24のギヤ比ρ1に応じて定められている。更に、前記自動変速部20に対応する5本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8は、左から順に、第4回転要素(第4要素)RE4に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2及び第3サンギヤS3、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する第2キャリアCA2、第6回転要素(第6要素)RE6に対応する第4リングギヤR4、第7回転要素(第7要素)RE7に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2、第3キャリアCA3、第4キャリアCA4、第8回転要素(第8要素)RE8に対応し且つ相互に連結された第3リングギヤR3、第4サンギヤS4の相対回転速度を示すものであり、それらの間隔は前記第2遊星歯車装置26、第3遊星歯車装置28、及び第4遊星歯車装置30のギヤ比ρ2、ρ3、ρ4に応じてそれぞれ定められている。ここで、共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリアとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリアとリングギヤとの間が遊星歯車装置のギヤ比ρに対応する間隔とされる。すなわち、前記動力分配機構36では縦線Y1とY2との縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ1に対応する間隔に設定される。また、前記自動変速部20では前記第2遊星歯車装置26、第3遊星歯車装置28、及び第4遊星歯車装置30毎にそのサンギヤとキャリアとの間が「1」に対応する間隔に設定され、キャリアとリングギヤとの間がρに対応する間隔に設定される。
図3の共線図を用いて表現すれば、本実施例の駆動装置10は、前記動力分配機構36(差動部16)において、前記第1遊星歯車装置24の第3回転要素RE3(第1キャリアCA1)が前記入力軸14すなわちエンジン12の出力軸に連結されている。また、第1回転要素RE1が前記第1電動機MG1に連結されている。また、第2回転要素(第1リングギヤR1)RE2が前記伝達部材18及び第2電動機MG2に連結されており、前記入力軸14の回転を伝達部材18を介して自動変速部20へ伝達する(入力させる)ように構成されている。この図3においては、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0により第1サンギヤS1の回転速度と第1リングギヤR1の回転速度との関係が示される。例えば、前記動力分配機構36においては、第1回転要素RE1乃至第3回転要素RE3が相互に相対回転可能とされる差動状態とされており、直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1の回転速度が車速Vに拘束されて略一定である場合には、前記エンジン回転速度NEを制御することによって直線L0と縦線Y2との交点で示される第1キャリアCA1の回転速度が上昇或いは下降させられると、直線L0と縦線Y1との交点で示される第1サンギヤS1の回転速度すなわち第1電動機MG1の回転速度が上昇或いは下降させられる。また、前記動力分配機構36の変速比γ0が「1」に固定されるように前記第1電動機MG1の回転速度を制御することによって第1サンギヤS1の回転がエンジン回転速度NEと同じ回転とされると、直線L0は横線X2と一致させられ、エンジン回転速度NEと同じ回転で第1リングギヤR1の回転速度すなわち前記伝達部材18が回転させられる。また、前記動力分配機構36の変速比γ0が「1」より小さい値例えば0.7程度に固定されるように前記第1電動機MG1の回転速度を制御することによって第1サンギヤS1の回転が零とされると、エンジン回転速度NEよりも増速された速度で前記伝達部材18が回転させられる。
また、図3の共線図では、前記自動変速部20において第4回転要素RE4は第2クラッチC2を介して前記伝達部材18に選択的に連結されると共に第1ブレーキB1を介して前記ハウジング42に選択的に連結される。また、第5回転要素RE5は第2ブレーキB2を介して前記ハウジング42に選択的に連結される。また、第6回転要素RE6は第3ブレーキB3を介して前記ハウジング42に選択的に連結される。また、第7回転要素RE7は前記出力軸22に連結されている。また、第8回転要素RE8は第1クラッチC1を介して前記伝達部材18に選択的に連結される。前記自動変速部20では、前記動力分配機構36において直線L0が横線X2と一致させられてエンジン回転速度NEと同じ回転速度がその動力分配機構36から第8回転要素RE8に入力されると、図3に示すように、第1クラッチC1と第3ブレーキB3とが係合させられることにより、第8回転要素RE8の回転速度を示す縦線Y8と横線X2との交点と第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第1速(1st)の出力軸22の回転速度が示される。同様に、第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第2速(2nd)の前記出力軸22の回転速度が示される。また、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L3と前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第3速(3rd)の出力軸22の回転速度が示される。また、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L4と前記出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第4速(4th)の出力軸22の回転速度が示される。
図4は、前記駆動装置10を制御するためにその駆動装置10に備えられた電子制御装置40に入力される信号及びその電子制御装置40から出力される信号を例示している。この電子制御装置40は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェース等から成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより前記エンジン12の駆動制御、そのエンジン12及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御、及び前記自動変速部20における有段変速制御等の各種制御を実行するものである。
図4に示すように、上記電子制御装置40には、各センサやスイッチ等から前記駆動装置10に関する各種信号が供給されるようになっている。例えば、エンジン水温を表す信号、シフトレバー52(図5を参照)のシフトポジションや「M」ポジションにおける操作回数等を表す信号、蓄電装置56(図6を参照)の温度を表す信号、その蓄電装置56の充電容量(充電状態)SOCを表す信号、前記第1電動機MG1の回転速度NM1を表す信号、前記第2電動機MG2の回転速度NM2を表す信号、前記エンジン12の回転速度であるエンジン回転速度NE(第3電動機MG3の回転速度NM3)を表す信号、各車輪の車輪速を表す信号、Mモード(手動変速走行モード)スイッチのオン・オフを表す信号、エアコンの作動を表す信号、車速Vに対応する前記出力軸22の回転速度NOUTを表す信号、前記自動変速部20の制御作動に用いられるATF温度を表す信号、サイドブレーキ操作を表す信号、フットブレーキ操作を表す信号、そのフットブレーキに対応するブレーキマスタシリンダ圧を表す信号、触媒温度を表す信号、運転者の出力要求量に対応するアクセルペダル44の操作量であるアクセル開度Accを表す信号、カム角を表す信号、スノーモード設定を表す信号、車両の前後加速度Gを表す信号、オートクルーズ走行を表す信号、車両の重量(車重)を表す信号等がそれぞれ供給される。
また、前記駆動装置10の駆動を制御するために、前記電子制御装置40から各種制御信号が出力されるようになっている。例えば、前記エンジン12の吸気管60に備えられた電子スロットル弁62のスロットル弁開度θTHを操作するスロットルアクチュエータ64への駆動信号や燃料噴射装置66による吸気管60或いはエンジン12の筒内への燃料供給量を制御する燃料供給量信号や点火装置68による前記エンジン12の点火時期を指令する点火信号、過給圧を調整するための過給圧調整信号等、エンジン出力を制御するエンジン出力制御装置58(図6を参照)への制御信号、電動エアコンを作動させるための電動エアコン駆動信号、前記第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3の作動を指令する指令信号、シフトインジケータを作動させるためのシフトポジション(操作位置)表示信号、ギヤ比を表示させるためのギヤ比表示信号、スノーモードであることを表示させるためのスノーモード表示信号、制動時の車輪のスリップを防止するABSアクチュエータを作動させるためのABS作動信号、Mモードが選択されていることを表示させるMモード表示信号、前記自動変速部20等に備えられた油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御回路38に含まれる電磁弁(リニアソレノイドバルブ)を作動させるバルブ指令信号、その油圧制御回路38に設けられたレギュレータバルブ(調圧弁)によりライン油圧PLを調圧するための信号、そのライン油圧PLが調圧されるための元圧の油圧源である電動オイルポンプを作動させるための駆動指令信号、電動ヒータを駆動するための信号、クルーズコントロール制御用コンピュータへの信号等がそれぞれ出力される。
図5は、前記駆動装置10において複数種類のシフトポジションPSHを人為的操作により切り換える切換装置としてのシフト操作装置50の一例を示す図である。このシフト操作装置50は、例えば運転席の横に配設され、複数種類のシフトポジションPSHを選択するために操作されるシフトレバー52を備えている。そのシフトレバー52は、前記駆動装置10(自動変速部20)内の動力伝達経路が遮断されたニュートラル状態すなわち中立状態とし且つ自動変速部20の出力軸22をロックするための駐車ポジション「P(パーキング)」、後進走行のための後進走行ポジション「R(リバース)」、前記駆動装置10内の動力伝達経路が遮断された中立状態とするための中立ポジション「N(ニュートラル)」、自動変速モードを成立させて前記差動部16の無段的な変速比幅と自動変速部20の第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段の範囲で自動変速制御される各ギヤ段とで得られる前記駆動装置10の変速可能なトータル変速比γTの変化範囲内で自動変速制御を実行させる前進自動変速走行ポジション「D(ドライブ)」、又は手動変速走行モード(手動モード)を成立させて前記自動変速部20の自動変速制御における高速側の変速段を制限する所謂変速レンジを設定するための前進手動変速走行ポジション「M(マニュアル)」へ手動操作されるように設けられている。
前記駆動装置10では、上記シフトレバー52の各シフトポジションPSHへの手動操作に連動して前述した図2の係合作動表に示す後進ギヤ段「R」、ニュートラル「N」、前進ギヤ段「D」における各変速段等が成立するように、例えば前記油圧制御回路38における回路が電気的に切り換えられる。また、上記「P」乃至「M」ポジションに示す各シフトポジションPSHに関して、「P」ポジション及び「N」ポジションは、車両を走行させないときに選択される非走行ポジションであって、例えば図2の係合作動表に示されるように第1クラッチC1及び第2クラッチC2の何れもが解放されるような前記自動変速部20内の動力伝達経路が遮断された車両を駆動不能とする第1クラッチC1及び第2クラッチC2による動力伝達経路の動力伝達遮断状態へ切換えを選択するための非駆動ポジションである。また、「R」ポジション、「D」ポジション、及び「M」ポジションは、車両の走行に際して選択される走行ポジションであって、例えば図2の係合作動表に示されるように第1クラッチC1及び第2クラッチC2の少なくとも一方が係合されるような前記自動変速部20内の動力伝達経路が連結された車両を駆動可能とする第1クラッチC1及び/又は第2クラッチC2による動力伝達経路の動力伝達可能状態への切換えを選択するための駆動ポジションでもある。
図5に示すシフト操作装置50において、具体的には、前記シフトレバー52が「P」ポジション或いは「N」ポジションから「R」ポジションへ手動操作されることで、第2クラッチC2が係合されて前記自動変速部20内の動力伝達経路が動力伝達遮断状態から動力伝達可能状態とされる。また、前記シフトレバー52が「N」ポジションから「D」ポジションへ手動操作されることで、少なくとも第1クラッチC1が係合されて前記自動変速部20内の動力伝達経路が動力伝達遮断状態から動力伝達可能状態とされる。また、前記シフトレバー52が「R」ポジションから「P」ポジション或いは「N」ポジションへ手動操作されることで、第2クラッチC2が解放されて前記自動変速部20内の動力伝達経路が動力伝達可能状態から動力伝達遮断状態とされる。また、前記シフトレバー52が「D」ポジションから「N」ポジションへ手動操作されることで、第1クラッチC1及び第2クラッチC2が解放されて前記自動変速部20内の動力伝達経路が動力伝達可能状態から動力伝達遮断状態とされる。
図6は、前記電子制御装置40に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図6に示す有段変速制御手段100及びハイブリッド制御手段102は、前記駆動装置10に備えられた動力分配機構36及び自動変速部20を制御することで、その駆動装置10の変速比を制御する。すなわち、上記有段変速制御手段100は、以下に詳述する油圧制御回路38を介して第2変速部としての前記自動変速部20の段階的な自動変速を制御する。また、上記ハイブリッド制御手段102は、インバータ54及びエンジン出力制御装置58等を介して前記エンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3の駆動を制御することにより電気式無段変速部としての前記動力分配機構36の変速比を制御する。
上記有段変速制御手段100は、例えば図7に示すような車速Vと前記自動変速部20の出力トルクTOUTとを変数として予め記憶されたアップシフト線(実線)及びダウンシフト線(一点鎖線)を有する関係(変速線図、変速マップ)から、車速センサにより検出される実際の車速Vと例えばアクセル開度センサ46により検出されるアクセル開度Acc等に対応する要求出力トルクTOUTとに基づいて、前記自動変速部20の変速を実行すべきか否かを判断し(すなわち変速すべき変速段を判断し)、その判断した変速段が得られるように前記油圧制御回路38を介して前記自動変速部20の自動変速制御を実行する。具体的には、例えば図2に示す係合表に従って変速段が達成されるように、前記自動変速部20の変速に関与する油圧式摩擦係合装置を係合及び/又は解放させる指令(変速出力指令、油圧指令)を前記油圧制御回路38に備えられた前記リニアソレノイド弁SL等へ出力する。換言すれば、前記自動変速部20の変速に関与する解放側係合装置を解放すると共に係合側係合装置を係合することによりクラッチ・ツウ・クラッチ変速を実行させる指令を前記油圧制御回路38へ出力する。前記油圧制御回路38においては、そのようにして出力される指令に従って、前記リニアソレノイド弁SL等により各油圧式摩擦係合装置すなわちブレーキB、クラッチCに対応する油圧アクチュエータへ供給される油圧が調圧される。
また、前記有段変速制御手段100は、好適には、前記自動変速部20の変速に際してその変速に関与する係合要素のトルク容量を予め定められた所定の割合で変化させるスイープ制御を実行する。すなわち、前記自動変速部20のクラッチ・ツウ・クラッチ変速に関して解放される側の係合要素のトルク容量を所定の割合で低下(漸減)させる解放側スイープ制御を実行すると共に、その変速に関して係合される側の係合要素のトルク容量を所定の割合で上昇(漸増)させる係合側スイープ制御を実行する。具体的には、前記自動変速部20の変速に関して解放される側の油圧式摩擦係合装置に対応する油圧を所定の割合で(好適には一次関数的な変化となるように)漸減させると共に、その変速に関して係合される側の油圧式摩擦係合装置に対応する油圧を所定の割合で(好適には一次関数的な変化となるように)漸増させる油圧制御を行う。
前記ハイブリッド制御手段102は、前記エンジン出力制御装置58を介して前記エンジン12の駆動を制御するエンジン駆動制御手段104と、前記インバータ54を介して前記第1電動機MG1による駆動力源又は発電機としての作動を制御するMG1作動制御手段106と、同じく前記インバータ54を介して前記第2電動機MG2による駆動力源又は発電機としての作動を制御するMG2作動制御手段108と、同じく前記インバータ54を介して前記第3電動機MG3による駆動力源又は発電機としての作動を制御するMG3作動制御手段110とを、含んでおり、それら制御機能により前記エンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3によるハイブリッド駆動制御を実行する。
また、前記ハイブリッド制御手段102は、前記動力分配機構36の作動を制御する差動部制御手段として機能するものであり、前記エンジン12を効率のよい作動域で作動させる一方で、そのエンジン12と第2電動機MG2との駆動力の配分や前記第1電動機MG1の発電による反力を最適になるように変化させて前記動力分配機構36の電気的な無段変速機としての変速比γ0を制御する。例えば、その時点における走行車速Vにおいて、運転者の出力要求量としてのアクセル開度Accや車速Vから車両の目標(要求)出力を算出し、その車両の目標出力と充電要求値から必要なトータル目標出力を算出し、そのトータル目標出力が得られるように伝達損失、補機負荷、前記第2電動機MG2のアシストトルク等を考慮して目標エンジン出力を算出し、その目標エンジン出力が得られるエンジン回転速度NE及びエンジントルクTEとなるように前記エンジン12を制御すると共に各電動機MGの出力乃至発電を制御する。
以上のように、前記駆動装置10全体としての変速比である総合変速比γTは、前記有段変速制御手段100によって制御される自動変速部20の変速比γと、前記ハイブリッド制御手段102によって制御される前記動力分配機構36の変速比γ0とによって決定される。すなわち、前記ハイブリッド制御手段102及び有段変速制御手段100は、運転者による前記シフトレバー52の操作に従い、前記シフト操作装置50に備えられたシフトポジションセンサ48から出力されるシフトポジションを表す信号PSHに基づいて、例えばそのシフトポジションPSHに対応するシフトレンジの範囲内において、前記油圧制御回路38、エンジン出力制御装置58、第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3等を介して前記駆動装置10全体としての変速比である総合変速比γTを制御する変速制御手段として機能する。
また、前記ハイブリッド制御手段102は、例えば、前記駆動装置10の動力性能や燃費向上等を考慮して前記ハイブリッド変速制御を実行する。すなわち、前記エンジン12を効率のよい作動域で作動させるために定まるエンジン回転速度NEと車速V及び自動変速部20の変速段で定まる前記伝達部材18の回転速度とを整合させるために前記動力分配機構36を電気的な無段変速機として機能させる。換言すれば、前記ハイブリッド制御手段102は、エンジン回転速度NEとエンジントルクTEとで構成される二次元座標内において無段変速走行時に運転性と燃費性とを両立するように予め実験的に求められて記憶された最適燃費率曲線に沿って前記エンジン12が作動させられるように、例えば目標出力を充足するために必要なエンジン出力を発生するためのエンジントルクTEとエンジン回転速度NEとなるように前記駆動装置10のトータル変速比γTの目標値を定め、その目標値が得られるように前記自動変速部20の変速段を考慮して前記動力分配機構36の変速比γ0を制御し、トータル変速比γTをその変速可能な変化範囲内で無段階に制御する。
このとき、前記ハイブリッド制御手段102は、例えば前記第1電動機MG1により発電された電気エネルギを前記インバータ54を通して蓄電装置56や第2電動機MG2へ供給したり、前記第3電動機MG3により発電された電気エネルギを前記インバータ54を通して蓄電装置56や第1電動機MG1乃至第2電動機MG2へ供給したりというように、前記エンジン12の動力の主要部は機械的に前記伝達部材18へ伝達されるが、そのエンジン12の動力の一部は前記電動機MGの発電のために消費されてそこで電気エネルギに変換され、上記インバータ54を通してその電気エネルギが他の電動機MGへ供給され、その電気エネルギによりその電動機MGから出力される駆動力が前記伝達部材18へ伝達される。この発電に係る電動機MGによる電気エネルギの発生から駆動に係る電動機MGで消費されるまでに関連する機器により、前記エンジン12の動力の一部が電気エネルギに変換され、その電気エネルギを機械的エネルギに変換するまでの電気パスが構成される。特に、前記有段変速制御手段100により前記自動変速部20の変速制御が実行される場合には、その自動変速部20の変速比が段階的に変化させられることに伴ってその変速前後で前記駆動装置10のトータル変速比γTが段階的に変化させられる。
上述のような制御では、トータル変速比γTが段階的に変化することにより、すなわち変速比が連続的ではなく飛び飛びの値をとることにより、連続的なトータル変速比γTの変化に比較して速やかに駆動トルクを変化させることが可能となる。その反面、変速ショックが発生したり、最適燃費率曲線に沿うようにエンジン回転速度NEを制御できず燃費が悪化する可能性がある。そこで、前記ハイブリッド制御手段102は、そのトータル変速比γTの段階的変化が抑制されるように、前記自動変速部20の変速に同期してその自動変速部20の変速比の変化方向とは反対方向の変速比の変化となるように前記動力分配機構36の変速を実行する。換言すれば、前記自動変速部20の変速前後で前記駆動装置10のトータル変速比γTが連続的に変化するように前記自動変速部20の変速制御に同期して前記動力分配機構36の変速制御を実行する。例えば、前記自動変速部20の変速前後で過渡的に前記駆動装置10のトータル変速比γTが変化しないような所定のトータル変速比γTを形成するために前記自動変速部20の変速制御に同期して、その自動変速部20の変速比の段階的な変化に相当する変化分だけその変化方向とは反対方向に変速比を段階的に変化させるように前記動力分配機構36の変速制御を実行する。
また、前記ハイブリッド制御手段102は、車両の停止中又は走行中にかかわらず、前記動力分配機構36の電気的CVT機能によって、例えば前記第1電動機MG1の回転速度NM1を制御してエンジン回転速度NEを略一定に維持したり、任意の回転速度に制御したりというように、前記第1電動機MG1を介して前記エンジン12の回転速度を制御する。例えば、前述した図3の共線図からもわかるように、車両走行中にエンジン回転速度NEを引き上げる場合には、車速V(駆動輪34の回転速度)に対応する前記第2電動機MG2の回転速度NM2を略一定に維持しつつ前記第1電動機MG1の回転速度NM1の引き上げを実行する。
また、前記ハイブリッド制御手段102(エンジン駆動制御手段104)は、スロットル制御のために前記スロットルアクチュエータ64を介して前記電子スロットル弁62を開閉制御させる他、燃料噴射制御のために前記燃料噴射装置66による燃料噴射量や噴射時期を制御させ、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置68による点火時期を制御させる指令を単独で或いは組み合わせて前記エンジン出力制御装置58に出力し、必要なエンジン出力を発生するように前記エンジン12の出力制御を実行するエンジン出力制御を実行する。すなわち、前記エンジン12の駆動を制御するエンジン駆動制御手段として機能する。例えば、基本的には図示しない予め記憶された関係からアクセル開度Accに基づいて前記スロットルアクチュエータ64を駆動し、アクセル開度Accが増加するほどスロットル弁開度θTHを増加させるようにスロットル制御を実行する。また、前記エンジン出力制御装置58は、前記ハイブリッド制御手段102による指令に従ってスロットル制御のために前記スロットルアクチュエータ64により前記電子スロットル弁62を開閉制御する他、燃料噴射制御のために前記燃料噴射装置66による燃料噴射を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ等の上記点火装置68による点火時期を制御する等してエンジントルク制御を実行する。
また、前記ハイブリッド制御手段102は、前記エンジン12の停止又はアイドル状態にかかわらず、前記動力分配機構36の電気的CVT機能(差動作用)によって車両をモータ走行(EVモード走行)させる。例えば、図7に示すような車速Vと前記自動変速部20の出力トルクTOUTとを変数として予め記憶された、走行用の駆動力源を前記エンジン12と電動機MGとで切り換えるためのエンジン走行領域とモータ走行領域との境界線を有する関係(駆動力源切換線図、駆動力源マップ)から、実際の車速V及び前記自動変速部20の要求出力トルクTOUTで示される車両状態に基づいて、モータ走行領域とエンジン走行領域との何れであるかを判断してモータ走行或いはエンジン走行を実行する。図7の実線Aに示す駆動力源マップは、例えばその図7における実線及び一点鎖線に示す変速マップと共に予め記憶されたものである。この図7から明らかなように、前記ハイブリッド制御手段102によるモータ走行制御は、一般的にエンジン効率が高トルク域に比較して悪いとされる比較的低出力トルクTOUT域すなわち低エンジントルクTE域、或いは車速Vの比較的低車速域すなわち低負荷域で実行される。
斯かるモータ走行制御に際して、前記ハイブリッド制御手段102は、停止している前記エンジン12の引き摺りを抑制して燃費を向上させるために、前記第1電動機MG1の回転速度NM1を負の回転速度で制御して例えばその第1電動機MG1を無負荷状態とすることにより空転させ、前記動力分配機構36の電気的CVT機能(差動作用)により必要に応じてエンジン回転速度NEを零乃至略零に維持する。また、エンジン走行領域であっても、前述した電気パスによる前記第1電動機MG1や第3電動機MG3からの電気エネルギ及び/又は前記蓄電装置56からの電気エネルギを前記第2電動機MG2へ供給し、その第2電動機MG2を駆動して前記駆動輪34にトルクを付与することにより、前記エンジン12の動力を補助するための所謂トルクアシストが可能である。また、前記第1電動機MG1を無負荷状態として自由回転すなわち空転させることにより、前記動力分配機構36がトルクの伝達を不能な状態すなわちその差動部16内の動力伝達経路が遮断された状態と同等の状態であって、且つその差動部16からの出力が発生されない状態とすることが可能である。すなわち、前記ハイブリッド制御手段102は、前記第1電動機MG1を無負荷状態とすることにより前記動力分配機構36をその動力伝達経路が電気的に遮断される中立状態(ニュートラル状態)とすることが可能である。
このように、図7に示すような駆動力源マップにおいては、モータ走行領域は一般的にエンジン効率が高トルク域に比較して悪いとされる比較的低トルク出力トルクTOUT域、或いは車速Vの比較的低車速域すなわち低負荷域で実行されるように定められている。また、図7には示されていないが、「R」ポジション、すなわち車両を後退させる場合においても、比較的低車速で走行するものであるから、前記エンジン12を用いず前記第2電動機MG2によって走行するようにされている。従って、例えば所定の低車速時や車両停止時等に前記シフトレバー52「N」ポジションから「D」ポジション或いは「R」ポジションへ操作されるガレージシフト(N→Dシフト、N→Rシフト或いはP→Rシフト)が行なわれる際には、前記ハイブリッド制御手段102は、エンジンではなくモータによる動力によって車両を走行させる制御を行う。
また、前記ハイブリッド制御手段102は、前記動力分配機構36乃至駆動装置10全体としての伝達効率が可及的に高くなるように前記第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3それぞれの作動(運転状態、動作点)を制御する。具体的には、伝達効率が可及的に高くなるようにそれら第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3の力行(駆動)乃至回生(発電)を制御する。以下、斯かる制御について、図8乃至図19を参照して詳述する。
図8は、前記第3電動機MG3が備えられていない構成すなわち第1電動機MG1及び第2電動機MG2のみを備えた従来の動力分配機構に関して、動力循環状態における各電動機MGのトルク及び電力フローを説明する図であり、矢印で各電動機MGのトルク(作動状態、力行乃至回生)を、白抜き矢印で電気エネルギの流れをそれぞれ示している。また、図9は、斯かる従来技術における入出力回転速度比i(=エンジン12の回転速度NE/伝達部材18の回転速度No)と論理伝達効率との関係を示す図である。この図8は、例えば車速Vが所定速度以上の高速走行中等において、前記第1電動機MG1が負回転で力行する逆転力行状態とされる場合、すなわち前記第2電動機MG1が回生発電を行い、その第2電動機MG2により発電された電力が前記第1電動機MG1に供給される動力循環状態を示している。この動力循環状態は、図9における入出力回転速度比iが0.7以下の範囲に相当し、その入出力回転速度比iが低下するほど前記第2電動機MG2から第1電動機MG1へ供給される電力量は増大し、それに伴い図9に示すように伝達効率が低下する。
図10は、図3における前記動力分配機構36に関する部分、すなわちその動力分配機構36に含まれる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。この図10に示す実線Bは、前記動力分配機構36の伝達効率が最大となる所謂メカニカルポイントを示している。また、図11は、図10に対応して前記動力分配機構36における入出力回転速度比i(=エンジン12の回転速度NE/伝達部材18の回転速度No)と論理伝達効率との関係の一例を示す図であり、図11に示す破線A及び一点鎖線Cは、図10に示す破線A及び一点鎖線Cの状態に対応している。また、図11では、図9を用いて前述した従来技術による制御における入出力回転速度比iと論理伝達効率との関係を対比のために実線で示している。
図10に示す破線Aは、前記差動部16の第1回転要素であるサンギヤS1、第2回転要素であるリングギヤR1、及び第3回転要素であるキャリアCA1が何れも正回転させられる状態であり、斯かる状態において前記第3電動機MG3を介して動力を伝達する場合の伝達効率が図11の破線Aに示される。このように、例えば入出力回転速度比iが0.7以上であって、前記差動部16の全ての回転要素が正回転させられる破線Aに示すような状態では、前記第3電動機MG3により発電を行い、その発電された電気エネルギを他の電動機MGへ供給することにより、前記動力分配機構36の伝達効率を従来技術に比べて高めることができる。
また、図10に示す一点鎖線Cは、前記差動部16の第1回転要素であるサンギヤS1が負回転させられると共に、第2回転要素であるリングギヤR1及び第3回転要素であるキャリアCA1が正回転させられる状態であり、斯かる状態において前記第3電動機MG3を介して動力を伝達する場合の伝達効率が図11の一点鎖線Cに示される。このように、例えば入出力回転速度比iが0.7以下であって、前記差動部16の第1回転要素が負回転させられると共に、第2回転要素及び第3回転要素が正回転させられる一点鎖線Cに示すような状態では、前記第3電動機MG3により発電を行い、その発電された電気エネルギを他の電動機MGへ供給することにより、前記動力分配機構36の伝達効率を従来技術に比べて高めることができる。
図12は、本実施例の動力分配機構36における入出力回転速度比iと論理伝達効率との関係の一例として、前記第3電動機MG3による発電力と前記エンジン12の出力との割合(=MG3発電パワー/エンジンパワー)が0.25である場合の関係を示す図であり、本実施例の構成による関係すなわち前記第3電動機MG3により発電乃至力行を行い得る構成に対応する関係を実線で示すと共に、比較のために従来技術の構成による関係すなわち前記第3電動機MG3を用いない関係を破線で示している。また、図13は、図12の(a)で示す範囲すなわち入出力回転速度比iが約0.55未満の範囲内の動力循環状態における各電動機MGのトルク及び電力フローを説明する図であり、矢印で各電動機MGのトルク(作動状態、力行乃至回生)を、白抜き矢印で電気エネルギの流れをそれぞれ示している。また、図14は、図12の(b)で示す範囲すなわち入出力回転速度比iが約0.55以上約0.7未満の範囲内の動力循環状態における各電動機MGのトルク及び電力フローを説明する図であり、図13と同様に矢印で各電動機MGのトルクを、白抜き矢印で電気エネルギの流れをそれぞれ示している。なお、これら図13及び図14において、Pgは第1電動機MG1の出力、Pmは第2電動機MG2の出力、Psは第3電動機MG3の出力、Teはエンジン12のトルク、Tgは第1電動機MG1のトルク、Tmは第2電動機MG2のトルク、Tsは第3電動機MG3のトルク、ηは動力−電力変換効率をそれぞれ示している。
前記ハイブリッド制御手段102は、好適には、図12の(a)で示す範囲すなわち入出力回転速度比iが約0.55未満の範囲内の動力循環状態において、図13に示すように、前記第2電動機MG2及び第3電動機MG3を回生による発電を行うように作動させると共に、それら第2電動機MG2及び第3電動機MG3により発生させられた電気エネルギを前記第1電動機MG1へ供給し、その第1電動機MG1を負回転で力行するように作動させる制御を行う。斯かる制御により、図12に示すように、従来技術の制御に比べて前記動力分配機構36の伝達効率が向上する。また、図12の(b)で示す範囲すなわち入出力回転速度比iが約0.55以上約0.7未満の範囲内の動力循環状態においては、図14に示すように、前記第3電動機MG3を回生による発電を行うように作動させると共に、その第3電動機MG3により発生させられた電気エネルギを前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2へ供給し、その第1電動機MG1を負回転で力行するように作動させると共に第2電動機MG2を正回転で力行するように作動させるのが好適である。しかし、図12に示すように、斯かる範囲のうち入出力回転速度比iが約0.6以上である範囲においては従来技術の制御すなわち前記第3電動機MG3を用いない制御の方が伝達効率が高くなる。
前記ハイブリッド制御手段102(MG3作動制御手段110)は、好適には、図12において入出力回転速度比iが約0.6以上である範囲のように、前記第3電動機MG3により発電を行わない方が前記動力分配機構36の伝達効率が高くなる場合には、その第3電動機MG3による発電を非実行とし、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2により構成される電気パスにて前記差動部16の差動状態を制御する。一方、図12において入出力回転速度比iが約0.6未満となる範囲のように、前記第3電動機MG3により発電を行わない状態と比較して、その第3電動機MG3により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合には、発電を行うように前記第3電動機MG3の作動を制御する。また、好適には、前記第1電動機MG1或いは第2電動機MG2により発電を行う状態と比較して、前記第3電動機MG3により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合に、発電を行うようにその第3電動機MG3の作動を制御する。
図15は、前記第3電動機MG3による発電力と前記エンジン12の出力との割合(=MG3発電パワー/エンジンパワー)を変化させた場合において、各割合における前記動力分配機構36における入出力回転速度比iと論理伝達効率との関係を示す図である。本実施例のような構成では、前記第3電動機MG3による発電力と前記エンジン12の出力との割合に応じて入出力回転速度比iと論理伝達効率との関係は変化し、例えばその割合を0から1.0まで0.1ずつ変化させていった場合、各割合における関係は図15に示すようになる。この図15に示すように、前記動力分配機構36の伝達効率が極大となる割合は入出力回転速度比iによって異なり、その入出力回転速度比iが約0.6では、前記第3電動機MG3による発電力と前記エンジン12の出力との割合が0.2である場合に極大値約0.97となる。また、前記入出力回転速度比iが約0.5では、前記第3電動機MG3による発電力と前記エンジン12の出力との割合が0.3である場合に極大値約0.93となる。また、入出力回転速度比iが約0.4では、前記第3電動機MG3による発電力と前記エンジン12の出力との割合が0.4又は0.5である場合に極大値約0.91となる。図15では、そのように前記動力分配機構36の伝達効率が極大となる値を細い破線で繋いで示している。
図16は、図15に細い破線で示す前記動力分配機構36の伝達効率が極大となる値に対応する関係、すなわちその動力分配機構36の伝達効率を可及的に向上させる関係を示す図である。また、比較のために、従来技術の制御による関係すなわち前記第3電動機MG3を用いない制御に対応する関係を細い破線で示している。前記ハイブリッド制御手段102は、好適には、前記動力分配機構36の動力伝達効率を可及的に高めるように前記第3電動機MG3の発電量を制御する。すなわち、予め定められた関係から前記動力分配機構36の伝達効率が図16に実線で示すような値をとるように前記エンジン12の出力に対する前記第3電動機MG3の発電量を決定する。また、斯かる第3電動機MG3の発電に際しては、その第3電動機MG3の負荷が予め定められた所定値(上限値)を超えない範囲内においてその第3電動機MG3による発電量を決定する。斯かる制御により、例えば入出力回転速度比iが約0.4では、従来技術の制御に比べて約7.5%の効率改善効果があることがわかる。すなわち、図16に破線で示す従来技術の制御に比べて、前記動力分配機構36の伝達効率を特に入出力速度比iが低い値となる程向上させることができる。
図17は、図16に示す前記動力分配機構36の伝達効率を可及的に向上させる関係を、前記入出力速度比iと第3電動機MG3の発電電力との関係に置き換えて表した図である。この図17に示すように、前記ハイブリッド制御手段102は、好適には、前記入出力回転速度比iがメカニカルポイント(=約0.7)以下の範囲においては、所定の入出力回転速度比iに対して、前記エンジン12の出力が大きくなる程(エンジン高パワー側である程)前記第3電動機MG3の発電電力が大きくなるようにその第3電動機MG3の作動を制御する。換言すれば、所定の入出力回転速度比iに対して、前記エンジン12の出力が小さくなる程(エンジン低パワー側である程)前記第3電動機MG3の発電電力が小さくなるようにその第3電動機MG3の作動を制御する。
図18は、本実施例の制御による伝達効率の向上を説明するために、本実施例と従来技術との電気パス量(動力循環量)を比較して示す図である。この図18では、無次元化のために各出力乃至発電量をエンジン出力Peで割った値を示しており、線分の短い破線で従来技術における第1電動機MG1の出力Pg(/Pe)、線分の長い破線で従来技術における第2電動機MG2の出力Pm(/Pe)、二点鎖線で本実施例における第1電動機MG1の出力Pg(/Pe)、一点鎖線で本実施例における第2電動機MG2の出力Pm(/Pe)、実線で本実施例における第3電動機MG3の出力Ps(/Pe)をそれぞれ示している。動力循環状態においては、前記第2電動機MG2により発生させられた電気エネルギが前記第1電動機MG1へ供給され、その第1電動機MG1による力行に用いられる。この第2電動機MG2から第1電動機MG1への電気エネルギの供給量すなわち電気パス量は、図18に示す第1電動機MG1の出力と第2電動機MG2の出力との差(値の開き)に対応するものであり、斯かる図18に示すように、本実施例の制御では入出力回転速度比iが0.7未満の範囲内においてその電気パス量が従来技術よりも小さく、特にその入出力回転速度比iが小さくなるほど電気パス量を低く抑えることができているのがわかる。これは、本実施例の制御では、前記第3電動機MG3により適宜発電を行うことで、前記第1電動機MG1及び第2電動機MG2により構成される電気パスの一部が受け持たれるためであり、その第3電動機MG3の発電量を好適な値とすることで、前記動力分配機構36の伝達効率を可及的に向上させることができる。
図19は、前記動力分配機構36及び自動変速部20から構成される変速部全体としての、その自動変速部20における変速段に応じた入出力回転速度比iと理論伝達効率との関係を示す図である。この図19の各変速段1st乃至4thにおける実線は図16の実線に対応する関係すなわち本実施例の制御による伝達効率を可及的に向上させる関係を示しており、破線は同じく図16の破線に対応する関係すなわち第3電動機MG3を用いない従来技術の制御に対応する関係を比較のために示している。この図19に示すように、前記動力分配機構36及び自動変速部20から構成される変速部全体としての伝達効率を最大とする関係は、前記自動変速部20の変速比すなわちその自動変速部20において成立している変速段によって異なり、各変速段に対応して伝達効率を最大とする前記第3電動機MG3の作動(発電量)が定められる。前記ハイブリッド制御手段102は、好適には、予め定められた関係から前記自動変速部20の変速比(変速段)に基づいて、前記動力分配機構36及び自動変速部20から構成される変速部全体としての伝達効率が可及的に高くなるように前記第3電動機MG3の作動を制御する。すなわち、入出力速度比iと伝達効率とが図19に実線で示すような関係となるように前記第3電動機MG3による回生乃至力行、及びその発電量等を制御する。
図20は、前記電子制御装置40による第3電動機MG3の作動制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、動力循環領域であるか否か、すなわち例えば前記入出力回転速度比i(=エンジン12の回転速度NE/伝達部材18の回転速度No)が0.7以下の範囲内であるか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、S2において、前記第3電動機MG3の発電制御は非実行とされた後、本ルーチンが終了させられるが、S1の判断が肯定される場合には、S3において、前記動力分配機構36延いては自動変速部20を含めた駆動装置10全体としての伝達効率を可及的に高める前記第3電動機MG3の発電量が算出される。次に、S4において、S3にて算出された発電量に基づいて前記第3電動機MG3の発電制御が実行された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S1乃至S4が前記ハイブリッド制御手段102(MG3作動制御手段110)の動作に対応する。
続いて、本発明が好適に適用される他の車両用駆動装置について説明する。なお、以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図21は、本発明が好適に適用される車両用駆動装置70の構成を説明する骨子図である。この駆動装置70は、車体に取り付けられる非回転部材であるハウジング72内において、前記エンジン12によって回転駆動させられる入力軸74と、その入力軸74に連結された前記第3電動機MG3と、差動部として機能する前記第1遊星歯車装置24と、減速装置として機能する第2遊星歯車装置76と、上記第1遊星歯車装置24のサンギヤS1に連結された前記第1電動機MG1と、上記第2遊星歯車装置76のサンギヤS5に連結された前記第2電動機MG2とを、備えて構成されている。この駆動装置70は、車両において横置きされるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、図示しないカウンターギヤ及び差動歯車装置を介して前記エンジン12の出力が駆動輪に伝達される。なお、この駆動装置70は、軸心に対して略対称的に構成されているため、その下半分が省略されている。
上記第2遊星歯車装置76は、減速装置として機能するシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、サンギヤS5、ピニオンギヤP5、そのピニオンギヤP5を自転及び公転可能に支持するキャリアCA5、ピニオンギヤP5を介してサンギヤS5と噛み合うリングギヤR2を回転要素として備えている。上記駆動装置70において、前記第1遊星歯車装置24のリングギヤR1及び第2遊星歯車装置76のリングギヤR5は一体化された複合歯車となっており、その外周部には出力部材として機能する出力歯車78が設けられている。この第1遊星歯車装置24は動力分配機構として機能し、上記入力軸74に伝達された前記エンジン12の出力を機械的に分配する機械的機構であって、そのエンジン12の出力を前記第1電動機MG1、第3電動機MG3、及び出力歯車78に分配する。
前記第2遊星歯車装置76において、キャリアCA5は非回転部材であるハウジング72に連結されることで回転が阻止され、サンギヤS5は前記第2電動機MG2に連結され、リングギヤR5は出力歯車78に連結されている。斯かる構成により、例えば発進時などは前記第2電動機MG2が回転駆動することにより、サンギヤS5が回転させられ、前記第2遊星歯車装置MG2によって減速させられて出力歯車78に回転が伝達される。なお、この構成において、前記第2電動機MG2は、前記第2遊星歯車装置76を介して前記第1遊星歯車装置24の第2回転要素RE2(リングギヤR1)に連結されているといえる。
前記第1遊星歯車装置24においては、キャリアCA1は入力軸74及び第3電動機MG3に連結され、サンギヤS1は前記第1電動機MG1に連結され、リングギヤR1は出力歯車78に連結されている。斯かる構成により、サンギヤS1、キャリアCA1、リングギヤR1は、それぞれ相互に相対回転可能となることから、前記エンジン12の出力が第1電動機MG1、第3電動機MG3、及び出力歯車78に分配され、その第1電動機MG1に分配されたエンジン12の出力で第1電動機MG1や第3電動機MG3において発電が行われ、その発電された電気エネルギや蓄電された電気エネルギで第2電動機MG2が回転駆動されたり、その第2電動機MG2において発電が行われ、その発電された電気エネルギや蓄電された電気エネルギで前記第1電動機MG1や第3電動機MG3による力行が行われる等、前記駆動装置70が例えば無段変速状態とされて、前記エンジン12の所定回転にかかわらず前記出力歯車78の回転が連続的に変化させられる。
以上のように構成された駆動装置70においても、前記第3電動機MG3の作動を適宜制御することによりその駆動装置70の伝達効率を高めることができる。すなわち、本実施例の駆動装置70の電子制御装置40に備えられたハイブリッド制御手段102は、好適には、前記第3電動機MG3により発電を行わない状態と比較して、その第3電動機MG3により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合にその第3電動機MG3により発電を行う。また、好適には、前記第2電動機MG2により発電を行う状態と比較して、前記第3電動機MG3により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合にその第3電動機MG3により発電を行う。また、好適には、前記第3電動機MG3の負荷が予め定められた所定値を超えない範囲内において、予め定められた関係から伝達効率が可及的に高くなるようにその第3電動機MG3による発電量を決定する。斯かる制御を行うことで、前述した駆動装置10と同様に、本実施例の駆動装置70における伝達効率を可及的に高めることができる。
このように、本実施例によれば、差動部16と、その差動部16の第1回転要素RE1に連結された第1電動機MG1と、第2回転要素RE2に連結された第2電動機MG2と、第3回転要素RE3に連結された第3電動機MG3とを、有し、それら第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3のうち少なくとも1つの運転状態を制御することにより前記差動部16の入力回転速度と出力回転速度との差動状態を制御する動力分配機構36を備え、前記第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3は、何れも電力授受可能に構成されたものであることから、それら第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3により適宜発電乃至力行を行うように制御することで、特に前記第2電動機MG2により発電された電力が前記第1電動機MG1に供給される動力循環状態における伝達効率を高めることができる。すなわち、動力循環状態における伝達効率を向上させる車両用駆動装置10、70を提供することができる。
また、前記差動部16はシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24から成るものであり、その第1遊星歯車装置24のサンギヤS1に前記第1電動機MG1が、リングギヤR1に前記第2電動機MG2が、キャリアCA1に前記第3電動機MG3がそれぞれ連結されたものであるため、実用的な態様の差動部16から成る動力分配機構36を備えた駆動装置10、70において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
また、前記差動部16の第3回転要素RE3はその差動部16の入力部材としての入力軸14に、前記第2回転要素RE2は出力部材としての伝達部材18にそれぞれ連結されたものであるため、実用的な態様の差動部から成る動力分配機構36を備えた駆動装置10、70において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
また、前記第3電動機MG3により発電を行わない状態と比較して、その第3電動機MG3により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合にその第3電動機MG3により発電を行うものであるため、前記第3電動機MG3の発電により動力循環量が減少する場合に、その第3電動機MG3により発電を行うことで伝達効率を向上させることができる。
また、前記第2電動機MG2により発電を行う状態と比較して、前記第3電動機MG3により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合にその第3電動機MG3により発電を行うものであるため、前記第3電動機MG3の発電により動力循環量が減少する場合に、その第3電動機MG3により発電を行うことで伝達効率を向上させることができる。
また、前記第1電動機MG1、第2電動機MG2、及び第3電動機MG3のうち主動力源であるエンジン12に連結された第3電動機MG3は、そのエンジン12に付属するものであるため、例えばスタータとして機能する比較的小型の第3電動機MG3を備えた駆動装置10、70において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
また、前記第3電動機MG3は、その発電量を連続的に変更可能に構成されたものであるため、その第3電動機MG3により発電量を連続的に変更しつつ発電を行うことで伝達効率を可及的に向上させることができる。
また、前記第3電動機MG3により発電を行う場合には、予め定められた関係から伝達効率が可及的に高くなるようにその第3電動機MG3による発電量を決定するものであるため、駆動装置10、70の伝達効率を可及的に向上させることができる。
また、前記第3電動機MG3の負荷が予め定められた所定値を超えない範囲内においてその第3電動機MG3による発電量を決定するものであるため、前記第3電動機MG3の負荷が大きくなり過ぎないようにすることで、駆動装置10、70の耐久性を向上させることができる。
また、機械的に所定の変速比を成立させる自動変速部20を、前記動力分配機構36と駆動輪34との間の動力伝達経路に備えたものであるため、前記エンジン12から駆動輪34までの動力伝達経路に動力分配機構36及び機械式自動変速部20を備えた実用的な駆動装置10において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
また、前記動力分配機構36は、電気的な無段変速部として機能するものであるため、電気的な無段変速部として機能する動力分配機構36を備えた実用的な駆動装置10、70において、動力循環状態における伝達効率を向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例の駆動装置10において、前記第2電動機MG2は、前記自動変速部20の入力回転要素であるリングギヤR1に動力伝達可能に連結されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記自動変速部20を構成する何れの回転要素に動力伝達可能に連結されたものであってもよい。すなわち、前記第2電動機MG2は、前記エンジン12から駆動輪34の間の動力伝達経路における何れの部分に設けられたものであってもよい。
また、前述の実施例の駆動装置10では、機械式の動力伝達部として第1速から第4速までを選択的に成立させ得る変速機である自動変速部20が設けられた動力伝達装置10に本発明が適用された例を説明したが、例えば、斯かる自動変速部20の代替として、より簡単な構成の前後進切換装置としての遊星歯車装置が備えられた動力伝達装置等にも本発明は好適に適用される。
また、前述の実施例において、前記第3電動機MG3は、前記エンジン12の出力軸に直結されたものであったが、そのエンジン12の出力により発電可能に設けられたものであれば、必ずしもその出力軸に直結されたものでなくとも構わない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明が好適に適用される車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1の駆動装置に備えられた自動変速部において複数の変速段を成立させる際の油圧式摩擦係合装置の作動状態を説明する作動表である。 図1の駆動装置に備えられた差動部及び自動変速部に関して、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図である。 図1の駆動装置を制御するためにその動力伝達装置に備えられた電子制御装置に入力される信号及びその電子制御装置から出力される信号を例示する図である。 図1の駆動装置において複数種類のシフトポジションを人為的操作により切り換える切換装置としてのシフト操作装置の一例を示す図である。 図4の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図1の駆動装置に関して、自動変速部の変速段を判定したりエンジン走行モードとモータ走行モードとを切り換えるための判断に用いられる、車速と自動変速部の出力トルクとを変数として予め記憶されたアップシフト線及びダウンシフト線を有する関係の一例である。 第3電動機が備えられていない構成の従来技術に関して動力循環状態における各電動機のトルク及び電力フローを説明する図であり、矢印で各電動機のトルクを、白抜き矢印で電気エネルギの流れをそれぞれ示している。 図8に対応して、従来技術における入出力回転速度比と論理伝達効率との関係を示す図である。 図3における動力分配機構に関する部分、すなわちその動力分配機構に含まれる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。 図10に対応して動力分配機構における入出力回転速度比と論理伝達効率との関係の一例を示す図である。 図1の駆動装置に備えられた動力分配機構における入出力回転速度比と論理伝達効率との関係の一例として、第3電動機による発電力とエンジンの出力との割合が0.25である場合の関係を示す図である。 図12の(a)で示す範囲すなわち入出力回転速度比が約0.55未満の範囲内の動力循環状態における各電動機のトルク及び電力フローを説明する図であり、矢印で各電動機のトルクを、白抜き矢印で電気エネルギの流れをそれぞれ示している。 図12の(b)で示す範囲すなわち入出力回転速度比が約0.55以上約0.7未満の範囲内の動力循環状態における各電動機のトルク及び電力フローを説明する図であり、矢印で各電動機のトルクを、白抜き矢印で電気エネルギの流れをそれぞれ示している。 図1の駆動装置にて第3電動機による発電力とエンジンの出力との割合を変化させた場合において、各割合における動力分配機構における入出力回転速度比と論理伝達効率との関係を示す図である。 図15に細い破線で示す動力分配機構の伝達効率が極大となる値に対応する関係、すなわちその動力分配機構の伝達効率を可及的に向上させる関係を示す図である。 図16に示す動力分配機構の伝達効率を可及的に向上させる関係を、入出力速度比と第3電動機の発電電力との関係に置き換えて表した図である。 図4の電子制御装置による本実施例の制御の効果としての伝達効率の向上を説明するために、本実施例と従来技術との電気パス量を比較して示す図である。 図1に示す動力分配機構及び自動変速部から構成される変速部全体としての、その自動変速部における変速段に応じた入出力回転速度比と理論伝達効率との関係を示す図である。 図4の電子制御装置による第3電動機の作動制御の要部を説明するフローチャートである。 発明が好適に適用される他の車両用駆動装置の構成を説明する骨子図である。
符号の説明
10、70:車両用駆動装置
12:エンジン(主動力源)
14、74:入力軸(入力部材)
16:差動部
18:伝達部材(出力部材)
20:自動変速部
24:第1遊星歯車装置
34:駆動輪
36:動力分配機構
MG1:第1電動機
MG2:第2電動機
MG3:第3電動機
CA1:キャリア(第3回転要素)
R1:リングギヤ(第2回転要素)
S1:サンギヤ(第1回転要素)

Claims (11)

  1. 差動部と、該差動部の第1回転要素に連結された第1電動機と、第2回転要素に連結された第2電動機と、第3回転要素に連結された第3電動機とを、有し、それら第1電動機、第2電動機、及び第3電動機のうち少なくとも1つの運転状態を制御することにより前記差動部の入力回転速度と出力回転速度との差動状態を制御する動力分配機構を備え、前記第1電動機、第2電動機、及び第3電動機は、何れも電力授受可能に構成されたものであることを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 前記差動部はシングルピニオン型の遊星歯車装置であり、該遊星歯車装置のサンギヤに前記第1電動機が、リングギヤに前記第2電動機が、キャリアに前記第3電動機がそれぞれ連結されたものである請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記差動部の第3回転要素は該差動部の入力部材に、前記第2回転要素は出力部材にそれぞれ連結されたものである請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記第3電動機により発電を行わない状態と比較して、該第3電動機により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合に該第3電動機により発電を行うものである請求項1から3の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記第2電動機により発電を行う状態と比較して、前記第3電動機により発電を行う状態の伝達効率が高くなる場合に該第3電動機により発電を行うものである請求項1から4の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記第1電動機、第2電動機、及び第3電動機のうち主動力源に連結された電動機は、該主動力源に付属するものである請求項1から5の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記第3電動機は、その発電量を連続的に変更可能に構成されたものである請求項1から6の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
  8. 前記第3電動機により発電を行う場合には、予め定められた関係から伝達効率が可及的に高くなるように該第3電動機による発電量を決定するものである請求項1から7の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
  9. 前記第3電動機の負荷が予め定められた所定値を超えない範囲内において該第3電動機による発電量を決定するものである請求項1から8の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
  10. 機械的に所定の変速比を成立させる変速部を、前記動力分配機構と駆動輪との間の動力伝達経路に備えたものである請求項1から9の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
  11. 前記動力分配機構は、電気的な無段変速部として機能するものである請求項1から10の何れか1項に記載の車両用駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112238745A (zh) * 2020-07-17 2021-01-19 北京新能源汽车技术创新中心有限公司 一种混合动力耦合系统、控制方法以及混合动力汽车

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