JP2009153577A - 歯列矯正具及びこれに用いられる付勢力付与具 - Google Patents

歯列矯正具及びこれに用いられる付勢力付与具 Download PDF

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Abstract

【課題】歯を好適に移動、特に圧下又は挺出させることができる歯列矯正具及びこれに用いられる付勢力付与具を提供すること。
【解決手段】歯列矯正具1は、歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯としての下顎側の一方の第一大臼歯2に装着される係合突起3及び4と、歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯としての下顎側の他方の第一大臼歯2aに装着される係合突起3a及び4aと、係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aに係合することにより第一大臼歯2及び2aに対してA方向の付勢力を与える付勢力付与具9とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯を所望の方向、特に圧下又は挺出させる方向に付勢して歯列を矯正する歯列矯正具及びこれに用いられる付勢力付与具に関する。
特開2005−349046号公報
例えば特許文献1においては、歯科矯正用のマウスピースが提案されている。斯かるマウスピースは、透光性を有するように形成した場合には口外から視認され難くなるために、審美性の向上に貢献するものである。
ところで、斯かるマウスピースでは、歯を覆うマウスピース自体の形状に基づいて位置調整すべき歯に対して圧力を与えることで歯列矯正を行うために、歯を移動、特に圧下又は挺出させることが困難である。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、歯を好適に移動、特に圧下又は挺出させることができる歯列矯正具及びこれに用いられる付勢力付与具を提供することにある。
本発明の歯列矯正具は、歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯に装着される係合突起と、この係合突起に係合することにより調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与える付勢力付与具とを具備しており、付勢力付与具は、調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起に係合する付勢部材と、この付勢部材が固着されていると共に当該付勢部材を保持すべく調整対象歯と同歯列にある他の歯に取り外し自在に装着される保持部材とを具備している。
本発明の歯列矯正具によれば、保持部材に保持された付勢部材により係合突起を付勢することで、当該係合突起が装着された調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与えることができて、歯を好適に移動、特に、圧下又は挺出させることができ、しかも、保持部材の歯への取り付けにより保持部材に固着された付勢部材と調整対象歯に装着された係合突起とを簡単に係合させることができて、調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を容易に付与し得る一方、保持部材の歯からの取り外しにより保持部材に固着された付勢部材と調整対象歯に装着された係合突起との係合を簡単に解除させることができて、調整対象歯に対する圧下又は挺出させる方向の付勢力の付与を容易に解除し得る。保持部材は、付勢部材を保持するために、好ましくは調整対象歯の近傍に位置する歯に装着されるようになっており、より好ましくは調整対象歯に隣接する歯に装着されるようになっている。また、保持部材は、付勢部材を保持するために、複数本の歯に装着されるようになっていると好ましい。
本発明の歯列矯正具の好ましい例では、係合突起を少なくとも二つ具備しており、二つの係合突起のうちの一方は調整対象歯の頬側の部位に装着されるようになっており、二つの係合突起のうちの他方は当該調整対象歯の舌側の部位に装着されるようになっている。斯かる好ましい例によれば、二つの係合突起の夫々に対して付勢部材を係合させることができて、調整対象歯の頬側の部位及び舌側の部位の夫々に圧下又は挺出させる方向の付勢力を自在に与えることができ、例えば、付勢部材により、一方の係合突起を介して調整対象歯の頬側の部位に圧下させる方向の付勢力を与える一方、他方の係合突起を介して当該調整対象歯の舌側の部位に圧下させる方向の付勢力を与えることができ、付勢部材により、一方の係合突起を介して調整対象歯の頬側の部位に挺出させる方向の付勢力を与える一方、他方の係合突起を介して当該調整対象歯の舌側の部位に挺出させる方向の付勢力を与えることができ、付勢部材により、一方の係合突起を介して調整対象歯の頬側の部位に圧下させる方向の付勢力を与える一方、他方の係合突起を介して当該調整対象歯の舌側の部位に挺出させる方向の付勢力を与えることができ、そして、付勢部材により、一方の係合突起を介して調整対象歯の頬側の部位に挺出させる方向の付勢力を与える一方、他方の係合突起を介して当該調整対象歯の舌側の部位に圧下させる方向の付勢力を与えることができる。
本発明の歯列矯正具の好ましい例では、保持部材は、調整対象歯と同歯列にある他の歯を覆って当該他の歯に取り外し自在に装着されるマウスピースからなり、付勢部材は、マウスピースに固着された固着部及びこの固着部から伸びてマウスピースの端部から突出している係合部を有したワイヤからなり、係合部は、弾性を有しており、調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与えられるように復元可能に撓められながら係合突起に係合するようになっている。斯かる好ましい例によれば、保持部材の歯への取り付け及び取り外しをより簡単に行うことができ、また、保持部材を口外から視認され難くすることができて審美性の向上をも図り得る。
本発明の付勢力付与具は、歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与えられるように、調整対象歯に装着された状態の係合突起に復元可能に撓められながら係合する付勢部材と、この付勢部材が固着されていると共に当該付勢部材を保持すべく調整対象歯と同歯列にある他の歯に取り外し自在に装着される保持部材とを具備している。本発明の付勢力付与具によれば、調整対象歯に装着された状態の係合突起と係合されることによって上記同様の効果を奏し得る。
本発明によれば、歯を好適に移動、特に圧下又は挺出させることができる歯列矯正具及びこれに用いられる付勢力付与具を提供し得る。
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明は、これら例に何等限定されないのである。
図1から図6において、本例の歯列矯正具1は、歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯としての下顎側の一方の第一大臼歯2に装着される少なくとも一つ、本例では二つの係合突起3及び4と、歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯としての下顎側の他方の第一大臼歯2aに装着される少なくとも一つ、本例では二つの係合突起3a及び4aと、係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aに係合することにより第一大臼歯2及び2aに対して圧下又は挺出させる方向の付勢力、本例では挺出させるA方向の付勢力を与える付勢力付与具9とを具備している。
係合突起3及び4は、第一大臼歯2の周面11に装着される変形可能な環状体12の外周面13に夫々設けられており、係合突起3a及び4aは、第一大臼歯2aの周面11aに装着される変形可能な環状体12aの外周面13aに夫々設けられている。係合突起3及び4並びに環状体12は、第一大臼歯2に装着される一つの係合突起部材14を形成しており、係合突起3a及び4a並びに環状体12aは、第一大臼歯2aに装着される一つの係合突起部材14aを形成している。
係合突起部材14は、金属製、例えばステンレス製であってもよく、また、樹脂製、例えば光重合レジン製であってもよい。
環状体12は、歯面形状に合致するように変形可能な円環状の部材からなり、その内周面15において第一大臼歯2の周面11に当接するように形成されている。環状体12の外周面13には係合突起3及び4が一体的に設けられている。環状体12は、0.05mmから0.5mm程度の肉厚を有していてもよく、また、0.1mmから0.5mm程度の肉厚を有していてもよい。環状体12の上縁16及び下縁17には、テーパ処理が施されていてもよい。
係合突起3は第一大臼歯2の頬側の部位18に、係合突起4は第一大臼歯2の舌側の部位19に夫々配置されるように互いに対向して環状体12に設けられている。係合突起3は部位18側から頬側に向かって突出しており、係合突起4は部位19側から舌側に向かって突出している。係合突起3及び4の夫々の突出長さは、2mm以下であってもよく、例えば1.5mmから2mm程度であってもよい。係合突起3及び4は、本例では半球状であるが、係合相手部材である付勢部材5及び6に夫々好適に係合可能な形状であるならば、例えば、略半球状、方形状、円柱状、截頭円錐状のいずれの形状であってもよい。斯かる係合突起3及び4は、環状体12の第一大臼歯2に対する装着によって当該第一大臼歯2を間にして互いに対向して配置される。環状体12に設けられた係合突起3及び4は、例えば、環状体12の一部が押出されることによって形成されていてもよい。
係合突起部材14aは、係合突起部材14と同様に形成されているので、以下、図に適宜符号aを付してその詳細な説明を省略する。
付勢力付与具9は、第一大臼歯2に対して挺出させるA方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起3に係合する付勢部材5と、第一大臼歯2に対してA方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起4に係合する付勢部材6と、第一大臼歯2aに対してA方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起3aに係合する付勢部材5aと、第一大臼歯2aに対してA方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起4aに係合する付勢部材6aと、付勢部材5及び6並びに付勢部材5a及び6aが固着されていると共に当該付勢部材5及び6並びに付勢部材5a及び6aを保持すべく第一大臼歯2及び2aと同歯列にある他の歯7に取り外し自在に装着される保持部材8とを具備している。
本例の付勢力付与具9は、正中線10との関係において略々線対称であるが、歯列矯正具1を用いる者の歯列形状に対応させるため少々の形状の差異は生じる。本例においては、付勢部材5及び6並びに付勢部材5a及び6aの夫々はワイヤからなり、保持部材8は、歯7を覆って当該他の歯に取り外し自在に装着されるマウスピースからなる。以下、前記ワイヤについては符号5、5a、6及び6aを夫々付し、前記マウスピースについては符号8を付す。
マウスピース8は、第一大臼歯2及び2aと同歯列にある歯7に沿って湾曲されており、当該歯7を覆って当該歯7に取り外し自在に装着されるようになっている。マウスピース8に覆われる歯7は、本例では、正中線10に対して一方側に位置する中切歯21、側切歯22、犬歯23、第一小臼歯24及び第二小臼歯25並びに正中線10に対して他方側に位置する中切歯21a、側切歯22a、犬歯23a、第一小臼歯24a及び第二小臼歯25aであり、マウスピース8は、歯7に装着された場合には、歯列において第一大臼歯2及び2a間に位置することとなる。
マウスピース8は、合成樹脂製(エチレンビニルアセテート(EVA)製、セルロースアセトブチレート製、ポリエチレンテレフタレート製等を含む)であり、透光性を有している。マウスピース8の歯7に当接する当接面31は、本例では、中切歯21及び21a、側切歯22及び22a、犬歯23及び23a、第一小臼歯24及び24a並びに第二小臼歯25及び25aからなる歯列に対して相補的な形状を有している。
マウスピース8は、全体として薄肉に形成されるのが好ましい。マウスピース8の肉厚は本例では0.8mmから2mm程度であるが、ワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6aが夫々埋設されている部位32は、ワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6aの夫々の固着部41及び51の露呈を防止すべく、前記肉厚と比べて厚肉に形成されていてもよい。本例のマウスピース8は、ワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6aを好適に保持することができる範囲において、調整対象歯としての第一大臼歯2を除く少なくとも一つの歯7に装着されるように形成されていてもよい。
マウスピース8は、当該マウスピース8によって覆われる中切歯21及び21a、側切歯22及び22a、犬歯23及び23a、第一小臼歯24及び24a並びに第二小臼歯25及び25aの中にも位置調整すべき歯が存在する場合には、当該歯に対して適正位置側に向かう圧力を与えることができるように、歯列矯正前の歯列と歯列矯正されるべき歯が適正位置に配された場合の歯列とに基づいて形成されていてもよい。斯かる場合には、第一大臼歯2及び2aの矯正に加えて、中切歯21及び21a、側切歯22及び22a、犬歯23及び23a、第一小臼歯24及び24a並びに第二小臼歯25及び25aのうちの少なくともいずれか一つの歯の矯正をも行い得る。
本例のマウスピース8は、歯列において第一大臼歯2及び2a間に位置する中切歯21及び21a、側切歯22及び22a、犬歯23及び23a、第一小臼歯24及び24a並びに第二小臼歯25及び25aに装着されるようになっているが、例えば、調整対象歯が第一大臼歯2のみである場合には、マウスピース8に代えて、第一大臼歯2の近傍に位置する第二小臼歯25又は第二大臼歯26のみに装着されるマウスピース(図示せず)であってもよく、第二小臼歯25に加えて、第二小臼歯25に隣接する第一小臼歯24、第一小臼歯24に隣接する犬歯23、・・・にも装着されるマウスピース(図示せず)であってもよい。また例えば、調整対象歯が犬歯23である場合には、犬歯23の近傍に位置する第一小臼歯24又は側切歯22のみに装着されるマウスピース(図示せず)であってもよく、第一小臼歯24に加えて、第一小臼歯24に隣接する第二小臼歯25、第二小臼歯25に隣接する第一大臼歯2、・・・にも装着されるマウスピース(図示せず)であってもよく、また、側切歯22に加えて、側切歯22に隣接する中切歯21、中切歯21に隣接する中切歯21a、・・・にも装着されるマウスピース(図示せず)であってもよい。
ワイヤ5及び6は、弾性を有しており、主にチタン、モリブデンを含んで形成されていてもよい。ワイヤ5及び6には、例えば歯列矯正用ワイヤを適用してもよい。ワイヤ5及び6は、金属製、合成樹脂製、熱可塑性の合成樹脂製であってもよい。
ワイヤ5は、マウスピース8に固着された固着部41及び固着部41から伸びてマウスピース8の正中線10に対して一方側に位置する端部42から突出している係合部43を有している。
固着部41は、マウスピース8に固着されるワイヤ5の部分からなる。固着部41は、マウスピース8の正中線10に対して一方側に位置する頬側の部位32に埋設されており、当該部位32に沿って伸びている。固着部41のマウスピース8に埋設された端部44は、マウスピース8からの脱落が防止されるように、上顎側又は下顎側、本例では上顎側に向かって折り曲げられている。マウスピース8の正中線10に対して一方側に位置する頬側の部位32は、本例では第一小臼歯24及び第二小臼歯25の周面22の頬側の部位を覆うように形成されている。
係合部43は、マウスピース8から露呈したワイヤ5の部分からなる。係合部43は、弾性を有しており、マウスピース8の端部42側に位置する固着部41の端部に連なっていると共に第一大臼歯2の頬側の部位18の形状に沿って近心側から遠心側に向かって伸びている。係合部43は、第一大臼歯2にA方向の付勢力を与えるべく、上顎側に向かって伸びており、また、係合突起3との良好な係合状態を維持することができるように舌側に向かって伸びている。係合部43は、第一大臼歯2の頬側の部位18の形状に沿って折り曲げ自在であり、第一大臼歯2の部位18の形状に対して相補的な形状に折り曲げ得る。係合部43には、例えば図1、図2並びに図3の(a)及び(b)に示すように、その先端部が折り返されてなる膨大部45が形成されている。斯かる係合部43は、その棒状部46において係合突起3の下顎側の部位47に係合するようになっているが、当該係合に加えて、膨大部45においても図12の(a)に示すように係合突起3に係合するようになっていてもよい。膨大部45によれば、付勢力付与具9の装着者の口内損傷等の虞を減少させ得、また、ワイヤ5と係合突起3との係合をより確実に行わせ得る。棒状部46は、本例では断面円形状であるが、例えば、断面半円形状であってもよく、また、断面三角形状、断面四角形状等の多角形状であってもよい。
ワイヤ5が係合突起3に係合される場合においては、係合部43の棒状部46は、例えば図3の(b)及び図5に示すように、二点鎖線で示す棒状部46の位置から実線で示す棒状部46の位置まで下顎側及び頬側に撓められながら変位する。このように棒状部46が変位した係合部43は、その復元力により係合突起3に対して上顎側に向かう押圧力p1及び舌側に向かう押圧力p2を生じる。押圧力p1は、係合突起3を介して第一大臼歯2に与えるA方向の付勢力となり、押圧力p2は、係合部43の係合突起3からの離反に抗する力となる。
尚、本例の係合部43は、その棒状部46において復元可能な撓みを生じるように形成されているが、例えば、棒状部46に局所的に湾曲形成された部位を形成し、当該部位において主に復元可能な撓みを生じるように形成されていてもよい。
ワイヤ5に対して舌側に位置するワイヤ6は、マウスピース8に固着された固着部51及び固着部51から伸びてマウスピース8の端部42から突出している係合部53を有している。
固着部51は、マウスピース8の正中線10に対して一方側に位置する舌側の部位32に埋設されており、当該部位32に沿って伸びている。マウスピース8の正中線10に対して一方側に位置する舌側の部位32は、本例では中切歯21、側切歯22、犬歯23、第一小臼歯24及び第二小臼歯25の周面22の舌側の部位を覆うように形成されている。固着部51のマウスピース8に埋設された端部54は、中切歯21を覆うマウスピース8の舌側の部位に位置する。
係合部53は、マウスピース8から露呈したワイヤ6の部分からなる。係合部53は、弾性を有しており、マウスピース8の端部42側に位置する固着部51の端部に連なっていると共に第一大臼歯2の舌側の部位19の形状に沿って近心側から遠心側に向かって伸びている。係合部53は、第一大臼歯2にA方向の付勢力を与えるべく、上顎側に向かって伸びており、また、係合突起4との良好な係合状態を維持することができるように頬側に向かって伸びている。係合部53は、第一大臼歯2の舌側の部位19の形状に沿って折り曲げ自在であり、第一大臼歯2の部位19の形状に対して相補的な形状に折り曲げ得る。係合部53には、例えば図1、図2及び図3の(a)に示すように、その先端部が折り返されてなる膨大部55が形成されている。斯かる係合部53は、その棒状部56において係合突起4の下顎側の部位57に係合するようになっているが、当該係合に加えて、膨大部55においても係合突起4に係合するようになっていてもよい。膨大部55によれば、付勢力付与具9の装着者の口内損傷等の虞を減少させ得、また、ワイヤ6と係合突起4との係合をより確実に行わせ得る。棒状部56は、本例では断面円形状であるが、例えば、断面半円形状であってもよく、また、断面三角形状、断面四角形状等の多角形状であってもよい。
ワイヤ6が係合突起4に係合される場合においては、係合部53の棒状部56は、例えば図5に示すように、二点鎖線で示す棒状部56の位置から実線で示す棒状部56の位置まで下顎側及び舌側に撓められながら変位する。このように棒状部56が変位した係合部53は、その復元力により係合突起4に対して上顎側に向かう押圧力p3及び頬側に向かう押圧力p4を生じる。押圧力p3は、係合突起4を介して第一大臼歯2に与えるA方向の付勢力となる、押圧力p4は、係合部53の係合突起4からの離反に抗する力となる。
尚、本例の係合部53は、その棒状部56において復元可能な撓みを生じるように形成されているが、例えば、棒状部56に局所的に湾曲形成された部位を形成し、当該部位において主に復元可能な撓みを生じさせるように形成されていてもよい。
斯かるワイヤ5及び6は、互いに協働して第一大臼歯2が歯列矯正後に配されるべき位置に向かって移動されるように係合突起3及び4を夫々介して当該第一大臼歯2をA方向に付勢する。ワイヤ5及び6は、係合部43による係合突起3に対する付勢力と係合部53による係合突起4に対する付勢力とが互いに等しくなるように夫々形成されていてもよいが、例えば、係合部53による係合突起4に対する付勢力が係合部43による係合突起3に対する付勢力に対して上回るように夫々形成されていてもよく、また、係合部53による係合突起4に対する付勢力が係合部43による係合突起3に対する付勢力に対して下回るように夫々形成されていてもよい。ワイヤ5及び6の係合突起3及び4に対する夫々の付勢力は、ワイヤ5及び6の夫々の材質、径や形状などの如何によって設定可能である。
尚、付勢力付与具9は、第一大臼歯2に対して圧下させるB方向の付勢力を与える場合には、ワイヤ5及び6に代えて、例えば図7の(a)及び(b)並びに図8に示すように、第一大臼歯2に対してB方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起3に係合する付勢部材としてのワイヤ65と、第一大臼歯2に対して圧下させるB方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起4に係合する付勢部材としてのワイヤ66とを具備していてもよく、また、ワイヤ5a及びワイヤ6aに代えて、ワイヤ65及び66を具備していてもよい。
ワイヤ65は、固着部41と同様に形成された固着部71と、係合部43と略同様に形成されているが、棒状部76が下顎側に向かって伸びている係合部73とを具備している。係合部73は、係合突起3の上顎側の部位77に係合される。ワイヤ65が係合突起3に係合される場合においては、係合部73の棒状部76は、例えば図7の(b)及び図8に示すように、二点鎖線で示す棒状部76の位置から実線で示す棒状部76の位置まで上顎側及び頬側に撓められながら変位する。このように棒状部76が変位した係合部73は、その復元力により係合突起3に対して下顎側に向かう押圧力p5及び舌側に向かう押圧力p6を生じる。押圧力p5は、係合突起3を介して第一大臼歯2に与えるB方向の付勢力となり、押圧力p6は、係合部73の係合突起3からの離反に抗する力となる。
ワイヤ66は、固着部51と同様に形成された固着部(図示せず)と、係合部53と略同様に形成されているが、棒状部86が下顎側に向かって伸びている係合部83とを具備している。係合部83は、係合突起4の上顎側の部位87に係合される。ワイヤ66が係合突起4に係合される場合においては、係合部83の棒状部86は、例えば図8に示すように、二点鎖線で示す棒状部86の位置から実線で示す棒状部86の位置まで上顎側及び舌側に撓められながら変位する。このように棒状部86が変位した係合部83は、その復元力により係合突起4に対して下顎側に向かう押圧力p7及び頬側に向かう押圧力p8を生じる。押圧力p7は、係合突起4を介して第一大臼歯2に与えるB方向の付勢力となり。押圧力p8は、係合部83の係合突起4からの離反に抗する力となる。
ワイヤ5aはワイヤ5と同様に形成されており、ワイヤ6aはワイヤ6と同様に形成されているので、ワイヤ5a及び6aについては、図に適宜符号aを付してその詳細な説明を省略する。尚、ワイヤ5a及び6aの夫々の係合部43a及び53aはマウスピース8の正中線10に他方側に位置する端部52から突出している。
歯列矯正具1は、例えば図6に示すように下顎側の歯に装着される。まず、係合突起部材14が第一大臼歯2に、係合突起部材14aが第一大臼歯2aに夫々装着される。係合突起部材14は、環状体12に第一大臼歯2を通し、当該環状体12を第一大臼歯2の周面11に対してかしめることによって第一大臼歯2に装着される。係合突起部材14aは、環状体12aに第一大臼歯2aを通し、当該環状体12aを第一大臼歯2aの周面11aに対してかしめることによって第一大臼歯2aに装着される。係合突起3及び4は環状体12を第一大臼歯2にかしめる際に第一大臼歯2の頬側の部位18及び舌側の部位19に夫々位置決めされる。係合突起3a及び4aは環状体12aを第一大臼歯2aにかしめる際に第一大臼歯2aの頬側の部位18a及び舌側の部位19aに夫々位置決めされる。このようにして、第一大臼歯2及び2aに夫々装着された係合突起部材14及び14aは、歯列矯正具1による歯列矯正が終了するまで装着されたままの状態であってもよい。尚、係合突起部材14及び14aの第一大臼歯2及び2aへの装着には接着剤を用いてもよい。
次に、ワイヤ5及び6を係合突起3及び4に、ワイヤ5a及び6aを係合突起3a及び4aに夫々係合させ、斯かる係合状態を維持しながらマウスピース8を歯7に装着する。マウスピース8を歯7に装着する際には、ワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6aは、夫々復元可能に撓められ、この撓みにより係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aをA方向に付勢し、而して、第一大臼歯2及び2aに対してA方向の付勢力を与える。
また、マウスピース8及びマウスピース8に固着されたワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6aは、次の通りに取り外すことができる。まず、マウスピース8を歯7から取り外し、この取り外しによりワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6aによる係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aに対するA方向の付勢を解除し、更にワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6aを係合突起3及び4並びに3a及び4aから離反させることで前記係合を解除し、このようにして、マウスピース8及びワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6aを取り外す。
歯列矯正具1によれば、歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯としての第一大臼歯2に夫々装着される係合突起3及び4と、歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯としての第一大臼歯2aに夫々装着される係合突起3a及び4aと、係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aに係合することにより第一大臼歯2及び第一大臼歯2aに対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与える付勢力付与具9とを具備しており、付勢力付与具9は、第一大臼歯2に対して挺出させるA方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起3に係合する付勢部材としてのワイヤ5又は第一大臼歯2に対して圧下させるB方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起3に係合する付勢部材としてのワイヤ65と、第一大臼歯2に対して挺出させるA方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起4に係合する付勢部材としてのワイヤ6又は第一大臼歯2に対して圧下させるB方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起4に係合する付勢部材としてのワイヤ66と、第一大臼歯2aに対して挺出させるA方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起3aに係合する付勢部材としてのワイヤ5a又は第一大臼歯2aに対して圧下させるB方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起3aに係合する付勢部材としてのワイヤ65と、第一大臼歯2aに対して挺出させるA方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起4aに係合する付勢部材としてのワイヤ6a又は第一大臼歯2aに対して圧下させるB方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起4aに係合する付勢部材としてのワイヤ66と、ワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66が固着されていると共に当該ワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66を保持すべく第一大臼歯2及び第一大臼歯2aと同歯列にある他の歯7に取り外し自在に装着される保持部材としてのマウスピース8とを具備しているために、マウスピース8に保持されたワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66により係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aを付勢することで、当該係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aが装着された第一大臼歯2及び第一大臼歯2aに対して圧下させるB方向又は挺出させるA方向の付勢力を与えることができて、第一大臼歯2及び第一大臼歯2aを好適に移動、特に、圧下又は挺出させることができ、しかも、マウスピース8の歯7への取り付けによりマウスピース8に固着されたワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66と第一大臼歯2及び第一大臼歯2aに装着された係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aとを簡単に係合させることができて、第一大臼歯2及び第一大臼歯2aに対して圧下させるB方向又は挺出させるA方向の付勢力を容易に付与し得る一方、マウスピース8の歯7からの取り外しによりマウスピース8に固着されたワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66と第一大臼歯2及び第一大臼歯2aに装着された係合突起3及び4並びに係合突起3a及び4aとの係合を簡単に解除させることができて、第一大臼歯2及び第一大臼歯2aに対する圧下させるB方向又は挺出させるA方向の付勢力の付与を容易に解除し得る。また、歯列矯正具1によれば、マウスピース8が、第一大臼歯2及び第一大臼歯2aの夫々の近傍に位置する歯、特に当該第一大臼歯2及び第一大臼歯2aの夫々に隣接する第二小臼歯25及び25aに装着され、しかも、第二小臼歯25及び25aの夫々に隣接する第一小臼歯24及び24a、第一小臼歯24及び24aに隣接する犬歯23及び23a、犬歯23及び23aに隣接する側切歯22及び22a並びに側切歯22及び22aに隣接する中切歯21及び21aという複数本の歯7に装着されるようになっているために、ワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66をより確実に保持し得る。
歯列矯正具1によれば、第一大臼歯2に装着される少なくとも二つの係合突起3及び4を具備しており、係合突起3及び4のうちの一方の係合突起3は第一大臼歯2の頬側の部位18に装着されるようになっており、係合突起3及び4のうちの他方の係合突起4は当該第一大臼歯2の舌側の部位19に装着されるようになっており、また、第一大臼歯2aに装着される少なくとも二つの係合突起3a及び4aを具備しており、係合突起3a及び4aのうちの一方の係合突起3aは第一大臼歯2aの頬側の部位18aに装着されるようになっており、係合突起3a及び4aのうちの他方の係合突起4aは当該第一大臼歯2aの舌側の部位19aに装着されるようになっているために、係合突起3及び4の夫々に対してワイヤ5及び6又はワイヤ65及び66を係合させ且つ係合突起3a及び4aに対してワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66を係合させることができて、第一大臼歯2及び2aの頬側の部位18及び18a並びに舌側の部位19及び19aの夫々に付勢力を自在に与えることができ、例えば、ワイヤ5及び6により、係合突起3を介して第一大臼歯2の頬側の部位18に挺出させるA方向の付勢力を与える一方、他方の係合突起4を介して当該第一大臼歯2の舌側の部位19に挺出させるA方向の付勢力を与えることができ、ワイヤ5a及び6aにより、係合突起3aを介して第一大臼歯2aの頬側の部位18aに挺出させるA方向の付勢力を与える一方、他方の係合突起4aを介して当該第一大臼歯2aの舌側の部位19aに挺出させるA方向の付勢力を与えることができ、正中線10に対して一方側に位置するワイヤ65及び66により、係合突起3を介して第一大臼歯2の頬側の部位18に圧下させるB方向の付勢力を与える一方、係合突起4を介して当該第一大臼歯2の舌側の部位19に圧下させるB方向の付勢力を与えることができ、正中線10に対して他方側に位置するワイヤ65及び66により、係合突起3aを介して第一大臼歯2aの頬側の部位18aに圧下させるB方向の付勢力を与える一方、係合突起4aを介して当該第一大臼歯2aの舌側の部位19aに圧下させるB方向の付勢力を与えることができ、正中線10に対して一方側に位置するワイヤ5及び66により、係合突起3を介して第一大臼歯2の頬側の部位18に挺出させるA方向の付勢力を与える一方、係合突起4を介して当該第一大臼歯2の舌側の部位19に圧下させるB方向の付勢力を与えることができ、正中線10に対して他方側に位置するワイヤ5a及び66により、係合突起3aを介して第一大臼歯2aの頬側の部位18aに挺出させるA方向の付勢力を与える一方、係合突起4aを介して当該第一大臼歯2aの舌側の部位19aに圧下させるB方向の付勢力を与えることができ、正中線10に対して一方側に位置するワイヤ65及び6により、係合突起3を介して第一大臼歯2の頬側の部位18に圧下させるB方向の付勢力を与える一方、係合突起4を介して当該第一大臼歯2の舌側の部位19に挺出させるA方向の付勢力を与えることができ、そして、正中線10に対して他方側に位置するワイヤ65及び6aにより、係合突起3aを介して第一大臼歯2aの頬側の部位18aに圧下させるB方向の付勢力を与える一方、係合突起4aを介して当該第一大臼歯2aの舌側の部位19aに挺出させるA方向の付勢力を与えることができる。
歯列矯正具1によれば、保持部材8は、第一大臼歯2及び2aと同歯列にある他の歯7を覆って当該他の歯7に取り外し自在に装着されるマウスピース8からなり、付勢部材5は、マウスピース8に固着された固着部41及び固着部41から伸びてマウスピース8の端部42から突出している係合部43を有したワイヤ5又はマウスピース8に固着された固着部71及び固着部71から伸びてマウスピース8の端部42から突出している係合部73を有したワイヤ65からなり、付勢部材6は、マウスピース8に固着された固着部51及び固着部51から伸びてマウスピース8の端部42から突出している係合部53を有したワイヤ6又はマウスピース8に固着された固着部及びこの固着部から伸びてマウスピース8の端部42から突出している係合部83を有したワイヤ66からなり、付勢部材5aは、マウスピース8に固着された固着部及びこの固着部から伸びてマウスピース8の端部52から突出している係合部43aを有したワイヤ5a又はマウスピース8に固着された固着部及びこの固着部から伸びてマウスピース8の端部52から突出している係合部を有したワイヤ65からなり、付勢部材6aは、マウスピース8に固着された固着部51a及びこの固着部51aから伸びてマウスピース8の端部52から突出している係合部53aを有したワイヤ6a又はマウスピース8に固着された固着部及びこの固着部から伸びてマウスピース8の端部52から突出している係合部を有したワイヤ66からなり、ワイヤ5の係合部43及びワイヤ6の係合部53並びにワイヤ5aの係合部43a及びワイヤ6aの係合部53a又はワイヤ65の係合部73及びワイヤ66の係合部83は、弾性を有しており、第一大臼歯2及び2aに対して圧下させるB方向の付勢力及び挺出させるA方向の付勢力を与えられるように復元可能に撓められながら係合突起3及び4並びに3a及び4aに係合するようになっているために、マウスピース8の歯7への取り付け及び取り外しをより簡単に行うことができ、また、マウスピース8を口外から視認され難くすることができて審美性の向上をも図り得る。
尚、歯列矯正具1は、係合突起部材14に代えて、例えば図9の(a)及び(b)に示すように、調整対象歯としての第一大臼歯2の周面11の頬側の部位18に接合される接合面91を有しており、接合面91に対面する他方の面92に係合突起3が設けられている変形可能な板状片93と、板状片93と同様に形成されており、部位19に接合される接合面91に対面する他方の面92に係合突起4が設けられている変形可能な板状片94とを具備していてもよい。板状片93及び94は、歯面の形状に合致するように変形可能な薄板からなり、0.05mmから0.5mm程度の肉厚を有していてもよく、また、0.1mmから0.5mm程度の肉厚を有していてもよい。板状片93及び94は、その周縁95が切削等により除去されることによって所望の大きさに調整され得る。板状片93及び94の周縁95には、テーパ処理が施されていてもよい。接合面91は、例えば、メッシュ加工を施すことによって形成された凹凸形状であってもよく、斯かる接合面91は、接着剤等により歯面に強固に接合することができる。斯かる板状片93及び94によれば、歯面に対する接合領域を狭めることができ、装着者に口内における異物感を与える虞を低減させ得る。尚、歯列矯正具1は、係合突起部材14aに代えて、上記同様に形成され、係合突起3aが設けられた板状片(図示せず)及び係合突起4aが設けられた板状片(図示せず)を具備していてもよい。
歯列矯正具1は、係合突起3に代えて、例えば図10の(a)及び図10の(b)に示すように、係合部43の棒状部46に当接する平坦面111を有した係合突起113を有していてもよく、斯かる平坦面111は、環状体12の外周面13又は板状片93の面92に対して直交するように係合突起113の下顎側の部位47に設けられていてもよく、また、例えば図10の(b)に示すように、環状体12の外周面13又は板状片93の面92に対して鋭角θをもって交わるように係合突起113の下顎側の部位47に設けられていてもよい。平坦面111に当接する係合部43の棒状部46は、例えば図10の(a)に示すように、平坦面111に対して相補的な形状の平坦面114を有していてもよい。また、歯列矯正具1は、係合突起3に代えて、例えば図11の(a)及び図12の(b)に示すように、係合部43の棒状部46に当接する湾曲面115を下顎側の部位47に有した係合突起116を有していてもよく、湾曲面115は、係合部43に向かって凹状となっていてもよい。斯かる湾曲面115は、係合部43の係合突起116からの離反を阻止し得る。更にまた、歯列矯正具1は、係合突起3に代えて、例えば図11の(b)及び図12の(c)に示すように、下顎側の部位47に設けられた平坦面111若しくは湾曲面(図示せず)と、環状体12又は板状片93との間に係合部43が配されるように当該環状体12又は板状片93から離反した位置に配設された係合部脱落防止用の張出部117とを有した係合突起118を有していてもよい。張出部117は下顎側に向かって張り出している。係合突起113、116及び118の係合相手部材がワイヤ65である場合には、平坦面111及び湾曲面115は係合突起113、116及び118の上顎側の部位77に夫々形成されていてもよく、張出部117は上顎側に向かって張り出していてもよい。斯かる係合突起113、116及び118によれば、係合部43と当該係合突起113、116及び118との係合をより確実に行わせ得る。尚、歯列矯正具1は、係合突起4並びに係合突起3a及び4aに代えて、係合突起113、116及び118を具備していてもよい。ワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66には、平坦面114が形成されていてもよい。
ワイヤ5及び6の係合部43及び53の先端部は、本例では膨大部46及び56となっているが、例えば図13及び図14に示すように、斯かる膨大部46及び56を除去し、当該ワイヤ5及び6の係合部43及び53の夫々の先端部を互いに連結して一つのワイヤ120を形成してもよい。斯かるワイヤ120によれば、例えば図14に示すように、係合部43と係合部56との相互の意図しない離反を防止し得て、ワイヤ120と係合突起3及び4との係合をより確実に行わせ得る。また、歯列矯正具1は、例えば調整対象歯の遠心側に隣接する歯が存在しない場合においては、係合突起3及び4に加えて又はこれらに代えて、当該調整対象歯の遠心側に装着される係合突起(図示せず)を具備し、当該係合突起とワイヤ120とを係合させて当該調整対象歯に対してA方向の付勢力を与えるようになっていてもよい。尚、歯列矯正具1は、ワイヤ5a及び6a並びにワイヤ65及び66に代えて、ワイヤ120を具備していてもよい。
歯列矯正具1は、例えば図15及び図16に示すように、マウスピース8に係合するように中切歯21及び21a、側切歯22及び22a、犬歯23及び23a、第一小臼歯24及び24a並びに第二小臼歯25及び25aの少なくともいずれか一つに装着される(図15においては前歯に夫々装着される)マウスピース装着用の突起101を更に具備していてもよく、斯かる突起101は、例えば、装着された歯7の舌側の面から舌側乃至咽側に向かって突出していてもよい。斯かる場合には、マウスピース8の夫々には突起101に係合される凹部(図示せず)が歯面に当接する当接面31側に形成されていてもよい。マウスピース8が突起101に係合された場合には、マウスピース8の歯7への装着がより確実となり、而して、斯かるマウスピース8によってワイヤ5及び6並びにワイヤ5a及び6a又はワイヤ65及び66をより好適に保持し得る。斯かるマウスピース8は、突起101が装着された歯7から予め型取りされた歯形の形状に基づいて形成されていてもよい。
本例の歯列矯正具1は、下顎側の歯に装着されるものであるが、例えば図17に示すように、当該歯列矯正具1と同様に上顎側の歯に装着される歯列矯正具105を構成することも可能である。また、歯列矯正具1及び105は、永久歯に装着されるものであるが、当該歯列矯正具1又は105と同様に乳歯に装着される歯科矯正具(図示せず)を構成することも可能である。
本発明の実施の形態の好ましい例の斜視説明図である。 図1に示す例の主にマウスピース及び付勢部材の平面説明図である。 (a)は図1に示す例のマウスピース及び付勢部材の側面説明図、(b)は図1に示す例の主に付勢部材及び係合突起の係合に関する説明図である。 図1に示す例の主に係合突起部材の拡大斜視説明図である。 図1に示す例の主に付勢部材及び係合突起部材の説明図である。 図1に示す例の取付説明図である。 (a)は図1に示す例のマウスピース及び他の態様の付勢部材の側面説明図、(b)は前記(a)に示す付勢部材及び係合突起の係合に関する説明図である。 図7に示す例の主に付勢部材及び係合突起部材の説明図である。 (a)は図1に示す例の主に板状片の斜視説明図、(b)は前記板状片の断面説明図である。 (a)及び(b)は主に図1に示す例の夫々異なる態様の係合突起の断面説明図である。 (a)及び(b)は主に図1に示す例の夫々異なる態様の係合突起の断面説明図である。 (a)、(b)及び(c)は主に図1に示す例の夫々異なる態様の係合突起及び付勢部材の説明図である。 本発明の実施の形態の他の例の主に付勢部材及びマウスピースの平面説明図である。 図13に示す例の取付説明図である。 本発明の実施の形態の他の例の一部断面説明図である。 図15に示す例の主に係合突起の拡大説明図である。 本発明の実施の形態の他の例の一部断面説明図である。
符号の説明
1 歯列矯正具
2、2a 第一大臼歯
3、3a、4、4a 係合突起
5、5a、6、6a 付勢部材
8 保持部材

Claims (4)

  1. 歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯に装着される係合突起と、この係合突起に係合することにより調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与える付勢力付与具とを具備しており、付勢力付与具は、調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与えられるように、復元可能に撓められながら係合突起に係合する付勢部材と、この付勢部材が固着されていると共に当該付勢部材を保持すべく調整対象歯と同歯列にある他の歯に取り外し自在に装着される保持部材とを具備している歯列矯正具。
  2. 係合突起を少なくとも二つ具備しており、二つの係合突起のうちの一方は調整対象歯の頬側の部位に装着されるようになっており、二つの係合突起のうちの他方は当該調整対象歯の舌側の部位に装着されるようになっている請求項1に記載の歯列矯正具。
  3. 保持部材は、調整対象歯と同歯列にある他の歯を覆って当該他の歯に取り外し自在に装着されるマウスピースからなり、付勢部材は、マウスピースに固着された固着部及びこの固着部から伸びてマウスピースの端部から突出している係合部を有したワイヤからなり、係合部は、弾性を有しており、調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与えられるように復元可能に撓められながら係合突起に係合するようになっている請求項1又は2に記載の歯列矯正具。
  4. 歯列矯正において位置調整すべき調整対象歯に対して圧下又は挺出させる方向の付勢力を与えられるように、調整対象歯に装着された状態の係合突起に復元可能に撓められながら係合する付勢部材と、この付勢部材が固着されていると共に当該付勢部材を保持すべく調整対象歯と同歯列にある他の歯に取り外し自在に装着される保持部材とを具備している付勢力付与具。
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