JP2009153562A - シートクッション - Google Patents

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【課題】難燃性が高く、乗り心地の良好な航空機の座席用として好適なシートクッションの提供を目的とする。
【解決手段】下部クッション層11と、中間部クッション層15と、上部クッション層21がこの順に積層されて接着一体化された三層構造からなり、下部クッション層11は独立気泡のポリオレフィンフォーム、中間部クッション層15はメラミンをポリウレタンフォーム原料中10〜30wt%含み、上部クッション層21はメラミンを10〜30wt%含むポリウレタンフォームの上下面を加熱し、元厚に対する圧縮率25〜50%で圧縮塑性変形させたものからなり、下部クッション層11と中間部クッション層15と上部クッション層21の何れも垂直難燃試験FAR25 853bに合格するように構成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、高い難燃性を有すると共に良好な着座感を有し、軽量性及び薄肉化を実現できるシートクッションに関する。
従来、座席のシートクッションには、ポリウレタンフォームからなるものが多用されている。それらの中でも、航空機の座席に用いられるシートクッションは、軽量性に伴う薄肉化の要求が自動車の座席に用いられるシートクッションと比べて高い。このため、航空機の座席用シートクッションを構成するポリウレタンフォームは、薄肉にしても荷重に耐えられるように硬くなる傾向にあった。その結果、シートクッションの表面硬さが増大し、長時間座席に座った場合に乗員に与えるストレスが大きくなる問題があった。特に、長時間の着座により大腿部に与えるストレスは顕著である。
また、航空機にはFAR25 853bという垂直難燃試験があり、航空機の座席用シートクッションは、この垂直難燃試験に合格する必要がある。ところが、前記垂直難燃試験は、自動車において難燃性試験として一般的に行われているMVSS302の水平試験よりもはるかに厳しい難燃試験である。そのため、航空機の座席用シートクッションのポリウレタンフォームは、難燃性を重視した配合にならざるを得なく、乗り心地を考慮したものとするのが難しかった。
このように、従来における航空機の座席用シートクッションは、厳しい難燃要求による配合の制約と、薄肉化の要求による硬さの増大とにより、シート表面が硬く、体圧が集中して乗り心地が悪いものとなっている。そのため、長時間の着座によって乗員にストレスを与えるのみならず、体圧が大腿部に集中してエコノミークラス症候群を生じさせ易い問題があった。
なお、硬さのみについてみれば、ポリウレタンフォームを柔らかくすればよいが、その場合には、着座時に乗員の荷重を受けるためにポリウレタンフォームの厚みを大にしなければならず、薄肉化の要求を満たすことができなくなる。また、柔らかいポリウレタンフォームは、着座の瞬間は感触が良好であるが、時間の経過にしたがい圧縮されてつぶされてしまうと、硬いポリウレタンフォームと同様に体圧の集中を生じるようになり、乗員にストレスを与えるようになる。
また、高い難燃性を得る方法として、膨張黒鉛とリン酸アルミニウムをポリウレタンフォームに含有させることが提案されている。しかし、膨張黒鉛を含むポリウレタンフォームをシートクッションとして長年使用すると、ポリウレタンフォーム表面の摩耗により、膨張黒鉛がシートクッションから脱落し、粉落ちを生じるようになり、難燃性の低下や周囲を汚す等の問題が発生する。さらに、膨張黒鉛は酸性物質であるため、ポリウレタンフォームの発泡反応時にウレタンの反応を阻害し、得られるポリウレタンフォームの物性低下を招く問題もある。また、膨張黒鉛の存在によりシートクッション表面の異物感を生じる問題も指摘されている。
特開2002−3713号公報 特開2005−186499号公報 特表2005−528136号公報
この発明は前記の点に鑑みなされたものであって、難燃性が高く、しかも乗り心地の良好で、軽量性及び薄肉化を実現できるシートクッションの提供を目的とする。
請求項1の発明は、独立気泡のポリオレフィンフォームからなる下部クッション層と、メラミンを含むポリウレタンフォームからなる中間部クッション層と、メラミンを含むポリウレタンフォームの上下面を加熱して圧縮塑性変形させた上部クッション層とがこの順に積層され接着一体化しているシートクッションに係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記中間部クッション層及び前記上部クッション層におけるメラミンの量が、各クッション層のポリウレタンフォーム原料において、10〜30wt%含有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記上部クッション層は圧縮塑性変形前の元厚に対する圧縮率が25〜50%であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記上部クッション層の加熱圧縮塑性変形前の硬さは前記中間部クッション層の硬さ以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4において、前記上部クッション層の加熱圧縮塑性変形前の硬さは60〜150N、前記中間部クッション層の硬さは150〜280Nであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5の何れか一項において、前記上部クッション層の厚みが5〜15mmであることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1から6の何れか一項において、前記下部クッション層の厚みが、前記シートクッションの厚みの15〜40%であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1から7の何れか一項において、シートクッションが航空機の座席として用いられることを特徴とする。
本発明のシートクッションによれば、ポリウレタンフォームに含まれるメラミンによって高い難燃性を発揮することができる。また、メラミンを含むポリウレタンフォームの上下面を加熱して圧縮塑性変形させた上部クッション層の存在によって乗り心地を向上させることができる。さらに、独立気泡のポリオレフィンフォームからなる下部クッション層の存在によってシートクッションの軽量化と高圧縮時の硬度アップを図ることができ、航空機の座席用シートクッションに求められる軽量性と薄肉化を実現することができる。
以下この発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明のシートクッションの一例を示す断面図、図2は加熱圧縮で上部クッション層を製造する際を示す断面図である。
図1に示すシートクッション10は下部クッション層11と、中間部クッション層15と、上部クッション層21がこの順に積層されて接着一体化されたものであり、航空機の座席として用いられるものである。
前記下部クッション層11は、シートクッション10の基部側(着座側とは反対側)を構成し、独立気泡のポリオレフィンフォームからなる。独立気泡のポリオレフィンフォームは、密度(JIS K 7222準拠)20〜30kg/mのものが、高硬度と軽量性の点から好ましい。独立気泡のポリオレフィンフォームとしては、特に限定されないが、独立気泡のポリエチレンフォームが好ましい。前記下部クッション層11の厚みは、前記シートクッション10の厚み、すなわち下部クッション層11と中間部クッション層15と上部クッション層21の厚みの総厚に対して15〜40%が好ましい。前記下部クッション層11をこの厚み範囲とすることにより、前記シートクッション10の軽量化と高圧縮時の硬度アップを図ると共に、中間部クッション層15及び上部クッション層21の厚みを確保して、中間部クッション層15及び上部クッション層21による乗り心地の向上を図り、航空機の座席用シートクッションに求められる薄肉化をより高めることができる。また、独立気泡のポリオレフィンフォームはシートクッションにおける割合が高くなりすぎると、シートクッションの圧縮残留歪みが低下する傾向にある。そのため、独立気泡のポリオレフィンフォームからなる下部クッション層11の厚みは、前記厚み範囲、すなわち前記シートクッション10の厚みに対して15〜40%が好ましい。
前記中間部クッション層15は、メラミンを含むポリウレタンフォームからなり、前記下部クッション層11の表面にゴム系接着剤等により接着されている。前記メラミンを含むポリウレタンフォームは、モールド発泡品でもよいが、特にはスラブ発泡によって形成されたスラブポリウレタンフォームから裁断や打ち抜き等によって平板状にされたものが好ましい。前記中間部クッション層15は、硬さ(JIS K 6400−2、A法準拠)が150〜280Nであるのが好ましい。この硬さ範囲とすることにより、着座時の底突き感を防ぎやすくなり、着座感を良好にすることが可能となる。前記中間部クッション層15の密度(JIS K 7222準拠)は50〜65kg/mが好ましい。この範囲の密度とすることにより、着座感をより良好にすることができる。また、前記中間部クッション層15の厚みは50〜110mm程度が好ましい。この厚み範囲とすることにより、乗員の着座時の圧縮量を充分なものにすることができるようになる。
前記メラミンを含むポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートを、難燃剤としてのメラミン、触媒及び発泡剤の存在下で反応させて得られるものである。
ポリオールは、軟質ポリウレタンフォームに用いられる公知のエーテル系ポリオールまたはエステル系ポリオールの何れか一方または両方が用いられる。
エーテル系ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール、またはその多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。また、エステル系ポリオールとしては、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
イソシアネートとしては、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れでもよく、また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネートであっても、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
例えば、2官能のイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−フェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系のもの、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの芳香族系のものを挙げることができる。
また、3官能以上のイソシアネートとしては、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ポリメリックMDI等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーも使用することができる。また、併用される脂肪族系ポリイソシアネートと芳香族系ポリイソシアネートは、それぞれ一種類に限られず一種類以上であってもよい。例えば、脂肪族系ポリイソシアネートの一種類と芳香族系ポリイソシアネートの二種類を併用してもよい。
メラミンは、パウダー状のものが用いられる。前記メラミンは、平均粒径が小さいほどポリウレタンフォーム中におけるメラミンの分布が均一になって難燃効果が高まるため、平均粒径50μm以下のものが好ましく、より好ましくは扱い易さや入手容易性等の観点から平均粒径15〜30μmのものである。前記メラミンの量は、各クッション層のポリウレタンフォーム原料において10〜30wt%が好ましい。すなわち、メラミンの含有量(wt%)は、各クッション層におけるメラミンの重量/各クッション層のポリウレタンフォーム原料の重量×100(wt%)で計算される。メラミンの量が少なすぎるとメラミンによる難燃効果が得難くなり、一方、メラミンの量が多すぎるとポリウレタンフォームの発泡バランスが崩れて良好なフォームが得難くなる。なお、メラミンは2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジンに加え、その誘導体である、アルキル化メラミン樹脂、具体的にはn−ブチル化メラミン、iso−ブチル化メラミン、ブチル化尿素メラミンが用いられる。また、同メラミンを、ポリオールにグラフト重合させたポリオールを使用することも可能である。
難燃剤として前記メラミン以外のものを含むことができる。例えば、ノンハロゲン難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジエチルフェニルホスフォネート、ジメチルフェニルホスフォネート、レゾルシノールジフェニルホスフェート等のリン酸エステル系難燃剤や、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の無機系難燃剤が挙げられる。メラミンと他の難燃剤を併用する場合にはメラミンとリン酸エステル系難燃剤の併用が好ましい。その場合、他の難燃剤の量は、10〜30wt%が好ましい。
触媒としては、軟質ポリウレタンフォーム用として公知のものを用いることができる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等の錫触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。触媒の一般的な量は、ポリオール100重量%に対して0.01〜2.0wt%程度である。
発泡剤としては水が用いられ、ポリオール100重量%に対して3.5〜5wt%程度が好適である。水の添加量により、フォーム密度を調整することができる。
その他、整泡剤、顔料、架橋剤などの添加剤を適宜配合することができる。整泡剤は、軟質ポリウレタンフォームに用いられるものであればよく、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。顔料は、求められる色に応じたものが用いられる。架橋剤は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等を挙げることができる。
前記中間部クッション層15の製造は、ポリオール類とイソシアネート類を直接反応させるワンショット法、あるいはポリオール類とイソシアネート類を事前に反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得、それにポリオール類を反応させるプレポリマー法の何れも採用することができる。なお、スラブポリウレタンフォームから中間部クッション層15を製造する場合、混合攪拌された原料(反応混合原料)をベルトコンベア上に吐出し、該ベルトコンベアが移動する間に、原料が常温、大気圧下で自然発泡し、硬化することでスラブポリウレタンフォームを製造し、その後、乾燥炉内で硬化(キュア)させた後、裁断等で所定形状の平板状にされる。
前記上部クッション層21は、シートクッション10の着座側を構成する。前記上部クッション層21は、メラミンを含むポリウレタンフォームの上下面を加熱して圧縮塑性変形させたものであり、ウレタン系等の接着剤により前記中間部クッション層15の表面に接着されている。前記上部クッション層21に用いられるメラミンを含むポリウレタンフォーム、すなわち加熱圧縮塑性変形前のメラミンを含むポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートを、難燃剤としてのメラミン、触媒及び発泡剤の存在下で反応させて得られるものである。前記ポリオール、イソシアネート、難燃剤としてのメラミン、触媒、発泡剤等は、前記中間部クッション層15に用いられるメラミンを含むポリウレタンフォームと同様である。また、加熱圧縮塑性変形前のメラミンを含むポリウレタンフォームは、前記中間部クッション層15で述べたのと同様にスラブポリウレタンフォームを裁断等で所定形状の平板状にしたものが好ましい。
前記上部クッション層21の加熱圧縮塑性変形前の硬さ(JIS K 6400−2、A法準拠)が60〜150N、密度(JIS K 7222準拠)が30〜60kg/mのものが好ましい。前記加熱圧縮塑性変形は、図2に示すように、加熱圧縮塑性変形前のメラミンを含むポリウレタンフォーム21Aを、加熱プレス装置31の受け側熱盤32と押し側熱盤33間に配置し、前記メラミンを含むポリウレタンフォーム21Aの上下面を前記受け側熱盤32と押し側熱盤33で押圧し、圧縮することにより行うことができる。前記受け側熱盤32と押し側熱盤33には蒸気等の熱媒用配管(図示せず)が埋設され、前記熱媒用配管に蒸気等を通すことにより前記受け側熱盤32と押し側熱盤33を加熱することができるようになっている。前記受け側熱盤32と押し側熱盤33の加熱温度は160〜240℃が好ましい。この温度範囲とすることで、メラミンを含むポリウレタンフォーム21Aの塑性変形を効率よく行うことができるようになる。また、前記受け側熱盤32と押し側熱盤33によるメラミンを含むポリウレタンフォーム21Aの圧縮は、圧縮塑性変形前の元厚に対する圧縮率が25〜50%であるのが好ましい。この圧縮率とすることで、乗り心地を向上させることができる。圧縮率は、図2に示すように圧縮前のポリウレタンフォームの元厚をd、圧縮後のポリウレタンフォームの厚みをd’(圧縮状態における受け側熱盤32と押し側熱盤33間の間隔)とすると、圧縮率は(d−d’)/d×100(%)で計算される。
さらに前記加熱圧縮塑性変形前のメラミンを含むポリウレタンフォーム、すなわち前記上部クッション層21の加熱圧縮塑性変形前の硬さ(JIS K 6400−2、A法準拠)は、前記中間部クッション層15の硬さ以下が好ましい。前記上部クッション層21の加熱圧縮塑性変形前の硬さをこのようにすることにより、着座時の大腿部のストレスを一層生じにくくすることができる。また、前記上部クッション層21の加熱圧縮塑性変形前の密度は30〜60kg/mのものが好ましい。この密度とすることにより、シートクッション10の軽量性を損なわないようにすることができる。
以下この発明の実施例について、比較例とともに具体的に説明する。表1に示す配合割合のポリウレタンフォーム原料からスラブポリウレタンフォームの製造方法により、各実施例及び各比較例の上部クッション層用のポリウレタンフォームと中間部クッション層用のポリウレタンフォームを製造した。なお、比較例2については上部クッション層が存在しないため、上部クッション層用のポリウレタンフォームを製造していない。使用した各原料の詳細は以下の通りである。
ポリオールA:品番;EP−330N、三井ポリウレタン(株)、ポリエーテルポリオール、OHV=33
ポリオールB:品番;EP−3033、三井ポリウレタン(株)、ポリエーテルポリオール、OHV=34
メラミン:品番;メラミン2020A、三井化学(株)、メラミンパウダー
品番;GS−66、三井ポリウレタン(株)ポリエーテルポリオール、OHV=665
触媒A:品番33LV、エアプロダクツ(株)、アミン触媒
触媒B:品番;DEA、三井化学(株)、アミン触媒
触媒C:品番;MRH−110、城北化学(株)、スズ触媒
整泡剤:品番;L−5309、東レダウコーニング(株)、整泡剤
難燃剤:品番;CRP、大八化学(株)
イソシアネート:品番;C−1303、日本ポリウレタン工業(株)、NCO=43%
Figure 2009153562
中間部クッション層用のポリウレタンフォームについては、縦500mm、横500mm、厚みを表2及び表3の値とした平板状に裁断して中間部クッション層とした。一方、上部クッション層用のポリウレタンフォームについては、厚みを圧縮率に応じた値にすると共に、縦500mm、横500mmに裁断して得られた加熱圧縮塑性変形前の上部クッション層用ポリウレタンフォームを、図2に示す加熱プレス装置31の受け側熱盤32と押し側熱盤33間に配置し、プレスすることにより、上部クッション層用ポリウレタンフォームの上下面を加熱して圧縮塑性変形させ、各実施例及び比較例の上部クッション層(厚み10mm)とした。その際における受け側熱盤32と押し側熱盤33の温度は200℃、プレス時間は240秒である。
このようにして得られた中間部クッション層に対して密度(kg/m、JIS K 7222準拠)、反発弾性(%、JIS K 6400準拠)、圧縮歪(%、JIS K 6400−4準拠)、硬さ(N、JIS K 6400−2、A法準拠)、垂直難燃試験FAR25 853bの測定を行った。また、上部クッション層に対しては、加熱圧縮塑性変形前のものについて、密度(kg/m、JIS K 7222準拠)と硬さ(N、JIS K 6400−2、A法準拠)を測定し、加熱圧縮塑性変形後のものについては、CI値と垂直難燃試験FAR25 853bの測定を行った。CI値は、Comfort indexと呼ばれ、クッション材の乗り心地良さを示す指標として用いられている。CI値は、(65%圧縮時の硬さ)/(25%圧縮時の硬さ)の値で表されることからわかるように、着座時における初期の感触が柔らかく、さらに座り込んだときにしっかりと支えるものほど高い値となる。航空機の座席用シートクッションは、薄肉で硬いため、単純にCI値の低い柔らかいものをクッション本体の表面に貼った場合、表面とクッション本体とにおける硬さの違いが大きく(荷重段差があり)、表面がすぐにつぶれてしまうため、硬さの違いを乗員が顕著に感じ、不快な乗り心地となってしまう。垂直難燃試験FAR25 853bは、シートクッションが複層からなる場合、全ての層のそれぞれがこの難燃性に合格する必要があるとされている。なお、垂直難燃試験FAR25 853bの測定方法については、米国連邦航空局規格の記載に準じる。測定結果は表2及び表3に示す通りである。
Figure 2009153562
Figure 2009153562
また、独立気泡のポリオレフィンフォームとしてポリエチレンフォーム(品名:LD24FR、メーカー:ZOTEFOAM社、密度24kg/m)を表2の厚みにした各実施例の下部クッション層を用意した。なお、下部クッション層は、縦寸法が500mm、横寸法が500mmである。この下部クッション層についても、垂直難燃試験FAR25 853bの測定を行った。
前記下部クッション層の表面(上面)にゴム系接着剤(品名:5100F、メーカー:セメダイン株式会社)をスプレーにより20g塗布し、その上に中間部クッション層を積層して接着し、さらに中間部クッション層の表面(上面)にゴム系接着剤(品名:5100F、メーカー:セメダイン株式会社)をスプレーにより20g塗布し、その上に上部クッション層を積層して上部クッション層を接着し、各実施例のシートクッションを製造した。なお、比較例については、下部クッション層に相当するものがなく、上部クッション層と中間部クッション層を積層接着した二層品(比較例1)、または中間部クッション層のみの一層品(比較例2、比較例3)となっている。
このようにして得られた各実施例及び比較例のシートクッションに対して上部クッション層と中間部クッション層との間の荷重段差、シートクッションにおける単位面積当たりのばね定数(10N/m)、シートクッション全体の湿熱圧縮歪(%)、大腿部ストレスを測定した。各測定及び判断結果を表2及び表3に示す。
荷重段差は、クッションが二層の境界部分に発生する問題であり、S−S曲線(応力−歪み曲線)を描いたときに上層部の圧縮が終わり、圧縮が中間部に至ったときに現れる現象であり、2つの層における硬さの差が大きいと、境界部分で底突き感として感じるようになる。上層部にCI値の高いものを使用すると、高圧縮時の反力が高いため、上層部から硬い中間部へ圧縮が移る際に違和感が少なくなって荷重段差を生じ難くなる。荷重段差の測定は、硬度−たわみ試験により行った。
シートクッションにおける単位面積当たりのばね定数(10N/m)の値は、S−Sカーブの1000N/200φのところで読み取った。ばね定数が高いほど、少ない変位で高い荷重を支えることができ、シートクッションの薄肉化を図ることができ、航空機の座席用シートクッションにとって有利になる。なお、硬い素材を使用すれば、ばね定数を上げることは可能であるが、硬くなりすぎてシートクッションの乗り心地が悪くなる。
シートクッション全体の湿熱圧縮歪(%)は、試験片を50℃、95%RH、50%圧縮状態で22時間維持し、その後圧縮を解放して厚みを測定し、(試験開始前の元厚−圧縮解放後の厚み)/試験開始前の元厚×100(%)により得た。
大腿部ストレスは、各実施例及び比較例のシートクッションをシートフレームに載置して椅子の着座部とし、そのシートクッションに、体重60kgの人間が着座し、座った瞬間(着座初期)と5分後の時点における着座者の大腿部における高圧部を、体圧分散測定器(品名:ビジュアルマット、メーカー:ニッタ株式会社)で測定し、測定結果での高圧部位が10ポイント以上認められるときは有り。そうでないときは無しとした。
表2の結果からわかるように、実施例1〜5は、何れも各クッション層が垂直難燃試験FAR25 853bに合格し、また荷重段差、大腿部ストレスが無く、しかも軽量で湿熱圧縮歪みが低いものであり、薄肉化が可能であり、航空機の座席として用いられるシートクッションとして好適なものである。
それに対して、比較例1は、表3の結果からわかるように、上部クッション層が加熱圧縮塑性変形していないもの(圧縮率0%)であり、上部クッション層の硬さは実施例3において加熱圧縮塑性変形前の上部クッション層と同じであるが、比較例1は上部クッション層のCI値が低いために荷重段差が検出され、大腿部ストレス(5分後)も有り、座った瞬間はソフトであるが、乗員の身体が沈み込みすぎて結局大腿部にストレスが発生し、トータル的に乗り心地の悪いものとなっている。比較例2は、メラミンを含まない硬いポリウレタンフォームの一層からなり、独立気泡のポリオレフィンフォームからなる下部フォーム層が存在しないことから、重くなっている。さらに、ばね定数が低いため、乗員の荷重を支えるには、さらにシートの厚みを大にしなければならず、薄肉性において実施例よりも劣ることになる。また、垂直難燃試験FAR25 853bが不合格であると共に大腿部ストレスがあり、乗り心地の悪く、重いものである。比較例3は、難燃性に優れ、荷重段差及び大腿部ストレスのない良好なものであるが、独立気泡のポリオレフィンフォームからなる下部フォーム層が存在しないことから、重くなっている。さらに、バネ定数が低いため、乗員の荷重を支えるには、さらにシートの厚みを大にしなければならず、薄肉性において実施例よりも劣ることになる。
このように、本発明のシートクッションは、難燃性が高く、乗り心地が良好であると共に、軽量化及び薄肉化を実現できるものであり、特に高い難燃性、乗り心地、軽量性、薄肉化が求められる航空機の座席用として好適なものである。
本発明のシートクッションの一例を示す断面図である。 加熱圧縮により上部クッション層を製造する際の断面図である。
符号の説明
10 シートクッション
11 下部クッション層
15 中間部クッション層
21 上部クッション層

Claims (8)

  1. 独立気泡のポリオレフィンフォームからなる下部クッション層と、メラミンを含むポリウレタンフォームからなる中間部クッション層と、メラミンを含むポリウレタンフォームの上下面を加熱して圧縮塑性変形させた上部クッション層とがこの順に積層され接着一体化しているシートクッション。
  2. 前記中間部クッション層及び前記上部クッション層におけるメラミンの量が、各クッション層のポリウレタンフォーム原料において、10〜30wt%含有することを特徴とする請求項1に記載のシートクッション。
  3. 前記上部クッション層は圧縮塑性変形前の元厚に対する圧縮率が25〜50%であることを特徴とする請求項1または2に記載のシートクッション。
  4. 前記上部クッション層の加熱圧縮塑性変形前の硬さは前記中間部クッション層の硬さ以下であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のシートクッション。
  5. 前記上部クッション層の加熱圧縮塑性変形前の硬さは60〜150N、前記中間部クッション層の硬さは150〜280Nであることを特徴とする請求項4に記載のシートクッション。
  6. 前記上部クッション層の厚みが5〜15mmであることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のシートクッション。
  7. 前記下部クッション層の厚みが、前記シートクッションの厚みの15〜40%であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のシートクッション。
  8. 航空機の座席として用いられることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のシートクッション。
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