JP2009152710A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置及び画像処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009152710A
JP2009152710A JP2007326738A JP2007326738A JP2009152710A JP 2009152710 A JP2009152710 A JP 2009152710A JP 2007326738 A JP2007326738 A JP 2007326738A JP 2007326738 A JP2007326738 A JP 2007326738A JP 2009152710 A JP2009152710 A JP 2009152710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
buffer memory
data block
reference image
image data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007326738A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Chihara
信博 知原
Kazuki Honma
一樹 本間
Koji Hosoki
浩二 細木
Tooru Kengaku
徹 見学
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Technology Corp
Original Assignee
Renesas Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Technology Corp filed Critical Renesas Technology Corp
Priority to JP2007326738A priority Critical patent/JP2009152710A/ja
Publication of JP2009152710A publication Critical patent/JP2009152710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

【課題】動き補償予測で参照される参照バッファメモリの記憶容量削減に資することが可能な画像処理装置
【解決手段】一定の画素数のデータブロックを単位として処理対象データブロックを一方向に順次切り替えながらフレーム間の動き補償予測を行う場合に、動き補償予測の処理対象データブロックに対して一定の探索範囲のデータブロックの参照画像データを用いる。このとき、フレームバッファメモリに保持された参照画像データの一部が転送される参照バッファメモリに対する書き込み制御において、処理対象データブロックが次のデータブロックに切り替えられるのに同期して、切り替え前の前記一定の探索範囲のデータブロックのうち切り替え方向に対して最も後方のデータブロックの参照画像データを参照バッファメモリから解放し、同じく最も先方のデータブロックの次のデータブロックの参照画像データを前記参照バッファメモリに追加するバッファ制御を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレーム間の動き補償予測を用いて動画像の符号化処理、復号処理、又は符号化及び復号処理を行なう画像処理技術、特に動き補償予測で参照される参照画像データのバッファリングに関し、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)2の動作を処理する画像処理CODEC(Coder_Decoder)に適用して有効な技術に関するものである。
ブロードバンドネットワークの発達による動画配信コンテンツの増加や、DVD等の大容量記憶媒体と大画面映像表示機器の普及等により、動画符号化技術は必要不可欠な技術となっている。例えば動画符号化技術の一つとして、国際標準であるH.264/AVC等がある。H.264/AVC方式の符号化処理は、入力画像である原画像から、より少ないデータ量のストリームに変換する処理であり、H.264/AVC方式の復号処理は、符号化の処理結果であるストリームから、画像を復元する処理である。H.264/AVC符号化方式では予測を用いた符号化を行う。具体的な予測方式には、画面内予測と画面間予測の二つがある。画面間予測はフレーム間の動き補償予測とも称され、前後の複数フレーム間での画像の相違を抽出しなければならない。したがって、処理対象画像に対して予測参照画像データが必要になり、そのような予測参照画像データは予めフレームバッファに用意され、予測処理に際して逐次フレームバッファから読み込まれることによって動き補償予測が行われる。特に、一定の画素数のブロック単位で順次予測処理を行なうときに必要とされる参照画像データは処理対象データブロックの周囲の複数データブロックの範囲(探索範囲)とされる。そこで、そのような探索範囲の参照画像データを予めフレームバッファから参照バッファに書込んでおき、処理対象データブロックの切換えに応じて必要な探索範囲の画像データを容易に取得できるように考慮することが必要になる。特許文献1,2には参照画像をフレームバッファから先読みして保持するためにSRAM等の参照バッファを設けることについて記載がある。特に探索範囲の複数のデータブロックに対応する予測参照画像データを参照バッファに読み込んで、複数ブロックの動き検出を連続して行うことについて言及される。更に参照バッファに格納するデータを更新することが記載される。
特開2006−270683号公報 特開2007−88922号公報
特許文献1では、参照画像データをフレームバッファから探索範囲をカバーするデータブロックライン単位で参照画像用バッファに読み出す事で、フレームバッファへのアクセス効率を改善している。例えば一つの探索範囲のデータブロックの垂直方向の大きさが3本のデータブロックラインに相当する場合には、3本のデータブロックライン全部の画像データを参照バッファに格納することになる。しかしながら、特許文献1に記載の如く、データブロックライン単位でバッファ管理を行うと、参照画像用バッファに今後使用しないデータを記憶している領域が生じ、参照画像用バッファの使用効率が悪く、大容量の参照画像用バッファを必要とする課題のあることが本発明者によって見出された。参照画像用バッファに記憶されていて今後使用しないデータとは、探索範囲中の最も後方のデータブロックが属するデータブロックラインにおける当該データブロックよりも後方に位置するデータブロックの参照画像データである。
本発明の目的は、動き補償予測で参照される参照バッファメモリの記憶容量削減に資することが可能な画像処理装置、更には画像処理方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、動き補償予測で参照される参照バッファメモリの使用効率を向上させることが可能な画像処理装置、更には画像処理方法を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、一定の画素数のデータブロックを単位として処理対象データブロックを一方向に順次切り替えながらフレーム間の動き補償予測を行う場合に、動き補償予測の処理対象データブロックに対して一定の探索範囲のデータブロックの参照画像データを用いる。このとき、フレームバッファメモリに保持された参照画像データの一部が転送される参照バッファメモリに対する書き込み制御において、処理対象データブロックが次のデータブロックに切り替えられるのに同期して、切り替え前の前記一定の探索範囲のデータブロックのうち切り替え方向に対して最も後方のデータブロックの参照画像データを参照バッファメモリから解放し、同じく最も先方のデータブロックの次のデータブロックの参照画像データを前記参照バッファメモリに追加するバッファ制御を採用する。このバッファ制御により、現に動き補償予測に用いられる探索範囲のデータブロックのうち切り替え方向に対して最も後方のデータブロックを基点に同じく最も先方のデータブロックまでのデータブロックラインに沿って連続する参照画像データを保持できる記憶容量を参照バッファメモリは持てばよい。しかも、参照バッファメモリに対する画像データの追加と解放は、ほとんどの場合、データブロック単位で行えばよい。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、動き補償予測で参照される参照バッファメモリの記憶容量削減に資することが可能になる。動き補償予測で参照される参照バッファメモリへのアクセス効率を向上させることが可能になる。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕画像処理装置(590)は、画像処理部(510)、フレームバッファメモリ(520)、参照バッファメモリ(640)、及びバッファ制御部(600)を有する。画像処理部は、フレーム間の動き補償予測を用いて動画像の符号化処理、復号処理、又は符号化及び復号処理を行なう。フレームバッファメモリは前記画像処理部で生成されその後の動き補償予測で参照される参照画像データが格納される。参照バッファメモリは前記フレームバッファメモリに保持された参照画像データの一部が転送される。バッファ制御部は前記画像処理部による動き補償予測の処理に応じて、前記フレームバッファメモリから前記参照バッファメモリへの参照画像データの書き込みと前記参照バッファメモリから画像処理部への参照画像データの読み出しとを制御する。このとき、前記画像処理部は、一定データ量のデータブロックを単位として処理対象データブロックを一方向に順次切り替えながらフレーム間の動き補償予測を行い、その際に動き補償予測の処理対象データブロックに対して一定の探索範囲のデータブロックの参照画像データを用いる。更に、前記バッファ制御部は前記書き込み制御において、処理対象データブロックが次のデータブロックに切り替えられるのに同期して、切り替え前の前記一定の探索範囲のデータブロックのうち切り替え方向に対して最も後方のデータブロックの参照画像データを参照バッファメモリから解放し、同じく最も先方のデータブロックの更に先のデータブロックの参照画像データを前記参照バッファメモリに追加する。
上記バッファ制御により、現に動き補償予測に用いられる前記一定の探索範囲のデータブロック内のデータブロックのうち切り替え方向に対して最も後方のデータブロックを基点に同じく最も先方のデータブロックまでのデータブロックラインに沿って連続する画像データを保持できる記憶容量を参照バッファメモリは持てばよい。したがって、参照バッファメモリの記憶容量削減が可能になる。また、参照バッファメモリに対する画像データの追加と解放は、ほとんどの場合、データブロック単位で行えばよい。これにより、参照バッファメモリへのアクセス効率が向上する。
〔2〕項1において、前記バッファ制御部は、動き補償予測の対象がフレームの先頭のデータブロックであるとき、前記先頭データブロックから当該先頭データブロックに対する前記探索範囲の前記切り替え方向の最も先方のデータブロックの更に先のデータブロックの参照画像データまでを参照バッファメモリに書き込む制御を行う。
〔3〕項2において、前記バッファ制御部は、探索範囲が前記一定の探索範囲の大きさを満足してから前記参照画像データを参照バッファメモリから解放する処理を開始する。
〔4〕項3において、前記バッファ制御部は、前記一定の探索範囲における前記切り替え方向の最も先方のデータブロックがフレームの終端データブロックに到達したとき、参照バッファメモリに追加する前記更に先のデータブロックの参照画像データを次のフレームから取得する。
〔5〕項1において、前記バッファ制御部は一つのフレーム対する処理中に参照バッファメモリに読み込む画像データを1データブロックにつき1回だけとする。これにより、フレームバッファメモリに対するアクセス効率が最も向上する。
〔6〕項1において、前記バッファ制御部は、前記フレームのサイズ、前記一定の探索範囲の大きさ、及び前記フレームバッファメモリ上での前記参照画像データが格納されるアドレスの情報が夫々プログラマブルに設定される制御レジスタを有する。対応可能な表示サイズ並びにマクロデータブロックサイズに対して融通性が増す。
〔7〕項1において、前記画像処理部は前記処理対象データブロックを複数データブロックとするとき、前記バッファ制御部は前記処理対象データブロックに応ずる複数データブロック単位で前記参照画像データの解放と追加を行ってもよい。
〔8〕項1において、フレームバッファメモリに対してリニアに割り当てられた参照画像データのアドレスを、データブロック単位でリニアなアドレスに変換するアドレス変換部を更に有し、前記アドレス変換部は画像処理部から参照画像データと共に出力される参照画像データのアドレスに対して前記変換を行って、フレームバッファメモリに供給する。アドレス変換を介してフレームバッファに書き込まれた参照画像データをデータブロック単位で読み出すのにリニアなアドレスを用いることができ、バーストアクセスによって効率的にデータブロック単位で参照画像データの読出しを行うことができる。要ずるに、参照バッファメモリに対する画像データの追加と解放をデータブロック単位で行う操作を、バーストアクセスによって効率的に行うことができる。
〔9〕項1において前記参照バッファメモリは例えばFIFOメモリとして実現すればよい。
〔10〕画像処理方法は、フレーム間の動き補償予測を用いて動画像の符号化処理、復号処理、又は符号化及び復号処理を行なう方法であって、第1処理乃至第3処理を含む。第1処理は、前記画像処理部で生成されその後の動き補償予測で参照される参照画像データをフレームバッファメモリに格納する処理である。第2処理は、前記動き補償予測の処理に応じて、前記フレームバッファメモリから参照バッファメモリへの参照画像データの書き込みと前記参照バッファメモリから画像処理部への参照画像データの読み出しとを制御する処理である。第3処理は、前記画像処理部が前記第2処理で読み出された参照画像データを用いて、一定の画素数のデータブロックを単位として処理対象データブロックを一方向に順次切り替えながらフレーム間の動き補償予測を行い、その際に動き補償予測の処理対象データブロックに対して一定の探索範囲のデータブロックの参照画像データを用いる処理である。このとき、前記第2処理の前記書き込み制御において、処理対象データブロックが次のデータブロックに切り替えられるのに同期して、切り替え前の前記一定の探索範囲のデータブロックのうち切り替え方向に対して最も後方のデータブロックの参照画像データを参照バッファメモリから解放し、同じく最も先方のデータブロックの更に先のデータブロックの参照画像データを前記参照バッファメモリに追加する処理を行なう。
〔11〕項10の前記第2処理の前記書き込み制御において、動き補償予測の対象がフレームの先頭のデータブロックであるときは、例えば前記先頭データブロックから当該先頭データブロックに対する前記探索範囲の前記切り替え方向の最も先方のデータブロックの更に先のデータブロックの参照画像データまでを参照バッファメモリに書き込む制御を行う。
〔12〕項11の前記第2処理の前記書き込み制御において、例えば探索範囲が前記一定の探索範囲の大きさを満足してから前記参照画像データを参照バッファメモリから解放する処理を開始する。
〔13〕項12の前記第2処理の前記書き込み制御において、前記一定の探索範囲における前記切り替え方向の最も先方のデータブロックがフレームの終端データブロックに到達したとき、参照バッファメモリに追加する前記更に先のデータブロックの参照画像データを次のフレームから取得する。
〔14〕項10の前記第1処理において、例えば画像処理部から参照画像データと共に出力される参照画像データのアドレスを、フレームバッファメモリに対してリニアなアドレスから、データブロック単位でリニアなアドレスに変換して、フレームバッファメモリに供給する。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
《画像符号化復号装置》
図5には本発明に係る画像処理装置の一例として画像符号化復号装置590が例示される。画像符号化復号装置590は、画像符号化復号部510、参照画像バッファ部500、及び参照画像バッファ部500にバス530を介して接続されるフレームバッファメモリ520から成る。
画像符号化復号部510は、画像データの符号化処理並びに復号処理を行う。符号化処理は、入力画像である原画像から、より少ないデータ量のストリームに変換する処理である。一方、復号処理は、符号化の処理結果であるストリームから、画像を復元する処理である。画像データの符号化処理及び復号処理の具体例としてH.264/AVC方式の符号化処理及び復号処理ではフレーム間の動き補償予測を用いて動画像の符号化処理、復号処理を行う。その具体的な予測方式には、画面内予測と画面間予測の2方式である。ここで先ず、図2と図3を用いて、H.264/AVC符号化処理と復号処理の概要を説明する。
図2にはH.264/AVC符号化処理の概要が例示される。画面内予測を使用した符号化は、画面内予測処理20、直交変換処理30、量子化処理40、逆量子化処理60、逆直交変換処理70、可変長符号化処理50を行うことにより、ストリーム150を得る。一方、画面間予測では、動き探索処理80、動き補償処理90、直交変換処理30、量子化処理40、逆量子化処理60、逆直交変換処理70、可変長符号化処理50によりストリーム150を得る。
画面内予測処理20は、入力画像である原画像10から、画面内予測情報110と、原画像を予測する予測画像120を生成する。直交変換処理30は、予測画像120と原画像10の差分である差分画像140から、直交変換によって周波数成分を生成する。量子化処理40は、周波数成分を量子化し情報量を削減する。逆量子化処理60は、量子化された周波数成分に対して、逆量子化を行い、周波数成分の復元を行う。逆直交変換処理70は、復元された周波数成分に対して、逆直交変換を行い、差分画像を復元する。復元された差分画像と予測画像120は、和が採られて参照画像データ100として記憶される。参照画像データ100は画像参照バッファ部(RBCNT)500の制御を介してフレームバッファメモリ(FBM)520に記憶される。
一方、動き探索処理80は、過去または未来の原画像から生成された参照画像データ100内で、原画像10内の各領域と類似した領域を探索し、類似した領域の位置を表す動きベクトル130を生成する。動き補償処理90は、動きベクトル130で示す位置を元に、参照画像データ100を参照し、フィルタ処理によって、予測画像120を生成する。動き探索処理80及び動き補償処理に用いる参照画像データ100は画像参照バッファ部(RBCNT)500の制御を介してフレームバッファメモリ(FBM)520から参照される。
可変長符号処理50は、量子化された周波数成分と画面内予測情報110と動きベクトル130を、より少ないデータ量のデータ列に符号化し、ストリーム150として記憶する。
図3にはH.264/AVC復号化処理の概要が例示される。ストリーム210が画面内予測符号化されたデータの場合、可変長復号化処理220、画面内予測処理250、逆直交変換処理240、及び逆量子化処理230により表示画像データ260を得る。ストリーム210が画面間予測符号化されたデータの場合、可変長復号化処理200、動き補償処理270、逆直交変換処理240、及び逆量子化処理230が行われる。
可変長復号化処理220は、ストリーム210の復号化を行い、画面内予測情報310、動きベクトル300、並びに量子化された周波数成分を復元する。逆量子化処理230と逆直交変換処理240は符号化処理と同一の処理内容であり、差分画像320を生成する。画面内予測処理250は、画面内予測情報310から予測画像280を生成する。復元された差分画像320と予測画像データ280は、和が採られて表示画像データ260として記憶される。表示画像データは画像参照バッファ部(RBCNT)500の制御を介してフレームバッファメモリ(FBM)520に記憶される。
一方、動き補償処理270は、表示画像データ260を参照画像データ290として使用し、動きベクトル300と参照画像データ290から、原画像を予測する予測画像データ280を生成する。参照画像データ290は画像参照バッファ部(RBCNT)500の制御を介してフレームバッファメモリ(FBM)520から参照される。
図4はH.264/AVC方式における画像内でのデータの処理位置を説明するための図である。H.264/AVCでの符号化及び復号処理では、上記の処理を16×16画素のデータで構成されるデータブロック(以下単にマクロブロックとも記す)410と呼ばれる処理単位で行う。符号化及び復号処理の動作は、処理対象画像400の画像左上から処理を開始し、1つのマクロブロックの処理が終了すると、右隣のマクロブロックに処理対象を移動する。図4の矢印で示すとおり、処理対象が画像右端まで移動した場合は、1マクロブロック下の列の画像左端のマクロブロックに処理対象を移動する。また、画面間予測で処理対象となっているマクロブロック410を中心とした矩形を探索範囲420と呼び、符号化処理時は探索範囲420を動き探索の範囲とし、復号処理時は探索範囲420内の画像データをマクロブロック単位で動き補償処理に使用する。
動画像の符号化及び復号処理では、フレームバッファメモリ520に参照画像を蓄積し、その参照画像の探索範囲内の画像データをマクロブロック単位で読み込み、処理対象マクロブロックの動き補償が行われる。従って、探索範囲内の画像データに対して参照画像を格納しているフレームバッファメモリ520からマクロブロック単位のアクセスが頻繁に行われる。マクロブロック単位のアクセスは、アドレス切り替えが頻繁に発生する為、待ち時間が発生し、フレームバッファメモリ520へのアクセス時間が大きい。このアクセス時間の増大により、メモリ帯域が圧迫される。従って、フレームバッファメモリ520のメモリ帯域幅が処理性能のボトルネックとなり易い。図5に示される前記参照画像バッファ部500は動き補償予測処理において、フレームバッファメモリ520から参照画像データの二度読みを無くすために参照バッファメモリを備え且つ参照バッファメモリへのアクセス効率を向上させて、フレームバッファメモリ520へのアクセス効率を改善するために設けられている。
図5に示される画像符号化復号部510は例えば積和演算器及び積和演算用メモリを備えたディジタル信号処理プロセッサなどによって構成され、図2及び図3で説明した動画像の動き補償予測処理を用いた符号化処理及び復号処理を行う。画像符号化復号部510はフレームバッファメモリ520をアクセスするため、参照画像バッファ部500に要求アドレス560と参照画像の書き込みデータ550を発行し、また、参照画像の読み出しデータ570を受け取る。参照画像バッファ部500は、画像符号化復号装置590の外部、例えば画像符号化復号装置590と接続される外部のCPU(中央処理装置)から、参照画像の画像サイズ、探索範囲の大きさ、フレームバッファメモリ520における参照画像の格納アドレス等の情報540が初期
設定される。参照画像バッファ部500は、情報540による初期設定にしたがって、バス530に接続する通信経路580を介して、画像符号化復号部510が必要とする参照画像データの先読み等を行い、画像符号化復号部510へのデータ転送を制御する。通信経路580には、フレームバッファメモリ520への参照画像データ書き込みアドレス及び参照画像データ読み込みアドレス、参照画像書き出しデータ、及び参照画像データ読み込みに対する参照画像先読みデータが伝達される。
《参照画像バッファ部》
図1には参照画像バッファ部500の詳細な構成が例示される。参照画像バッファ部500の主動作は以下の3種類である。第1は、画像符号化復号部510より受け取った参照画像データをフレームバッファ520に書き出す操作を行う参照画像書込み動作、第2は、参照画像データをフレームバッファ520から先読みして記憶する操作を行う参照画像先読み動作、第3は、画像符号化復号部510からの参照画像データ読み込み要求に対して、先読み済みの参照画像データを返送する操作を行う参照画像読み出し動作である。
参照画像バッファ部500は、バッファ制御部600、参照バッファメモリ640、アドレス変換部630、ライトアドレスキュー650、及びライトデータキュー660を有する。参照バッファメモリ640は例えばFIFO(First In−First Out)メモリによって構成される。バッファ制御部600は、レスポンス生成部610、リクエスト生成部620、制御レジスタ750によって構成される。要求アドレス560の伝達経路はスイッチ720,730の状態に従ってライトアドレスキュー650を通る経路とバッファ制御部600を通る経路の何れかが選択される。前者は前記参照画像書込み動作のための経路とされ、後者は前記参照画像読出し動作のための経路とされる。リクエスト生成部620は参照画像先読み動作のために必要なフレームバッファメモリ520の読み込みアドレス770等を生成すると共に、それによってフレームバッファから出力される参照画像データを参照バッファメモリ640に書き込むための入力ポインタアドレス(プッシュアドレス)670を生成する。レスポンス生成部610は参照画像読出し要求アドレス560aに従って参照バッファメモリ640から参照画像データを読み出すための出力ポインタアドレス(ポップアドレス)680を生成する。
前記参照画像書込み動作に係る構成について説明する。参照画像書き込み動作では、スイッチ720、ライトアドレスキュー650、スイッチ730、アドレス変換部630、及びライトデータキュー660が動作される。スイッチ720は、画像符号化復号部510から発行された要求アドレス560が参照画像書き込み要求アドレス560bの場合、ライトアドレスキュー650に参照画像書き込み要求アドレス560bを渡す。ライトアドレスキュー650は、スイッチ720から受け取った、参照画像書き込み要求のアドレス560bを蓄え、スイッチ730がライトアドレスキュー650側に倒れた場合に、書き込みアドレス780をアドレス変換部630へ出力する。スイッチ730は、リクエスト生成部620が参照画像データの読み込みアドレス770を生成していない場合は、ライトアドレスキュー650から書き込みアドレス780をアドレス変換部630に渡す。アドレス変換部630は、スイッチ730から書き込みアドレス780が渡された場合は、書き込みアドレス780をアドレス変換し、アドレス変換済みアドレス580bを生成し、書き込み要求と共にバス530を通してフレームバッファ520に供給する。ライトデータキュー660は、画像符号化復号部510から発行された、参照画像書き込みデータ550を一時的に蓄え、アドレス変換部630が発行する書き込み要求に同期して、バス530へ参照画像書き出しデータ580aを発行する。なお、アドレス変換部630の動作については後述する。
前記参照画像先読み動作に係る構成について説明する。参照画像読み込み動作では、バッファ制御部600、スイッチ730、アドレス変換部630、及び参照バッファメモリ640が動作される。バッファ制御部600は、制御レジスタ750に格納される参照画像の画像サイズ、探索範囲の大きさ、フレームバッファ520上での参照画像の格納アドレス等、参照画像データの読み込みに必要な情報540と、画像符号化復号部510の処理の進行状況より、参照バッファメモリ640の読み込み位置を示す入力ポインタアドレス670と参照画像データの読み込みアドレス770を生成する。スイッチ730は、バッファ制御部600が参照画像データの読み込みアドレス770を生成した場合は、リクエスト生成部620から読み込みアドレス770がアドレス変換部630に渡される。アドレス変換部630は、スイッチ730から読み込みアドレス770が渡された場合は、読み込みアドレス770のアドレス変換を行い、アドレス変換済みアドレス580bを生成し、読み込み要求と共にバス530を通してフレームバッファ520へ供給される。参照バッファメモリ640は、リクエスト生成部620が生成した入力ポインタアドレス670の示す位置に参照画像データ580cを先読みする。
参照画像読み出し動作に係る構成について説明する。参照画像読み出し動作では、スイッチ720、バッファ制御部600、及び参照バッファメモリ640が動作される。スイッチ720は、画像符号化復号部510から発行された要求アドレス560が参照画像読み出し要求アドレス560aの場合、バッファ制御部600へ参照画像読み出し要求アドレス560aを渡す。レスポンス生成部610は、スイッチ720より参照画像読み出し要求アドレス560aを受け取り、制御レジスタ750に格納される参照画像の画像サイズ、探索範囲の大きさ、フレームバッファ520上での参照画像の格納アドレス等、参照画像データの転送に必要な情報540に基づいて、参照バッファメモリ640の読み出し位置を示す出力ポインタアドレス680を生成する。参照バッファメモリ640はレスポンス生成部610が生成した出力ポインタアドレス680の示す位置から参照画像データ570を読み出して画像符号化復号部510に返送する。
《バッファ制御部》
バッファ制御部600について更に詳述する。
制御レジスタ750は、参照画像の画像サイズ、探索範囲の大きさ、フレームバッファ520上での参照画像の格納アドレス等、参照画像データの転送に必要な情報540を、参照画像バッファ部500の外部より受け受取って記憶する。
リクエスト生成部620は、制御レジスタ750に記憶されている参照画像の画像サイズ等の設定値700を読み出し、画像符号化復号部510による処理の進行状態に同期して、参照画像データの読み込みアドレス770を生成する。さらに、バス530より受け取った参照画像先読みデータ580cを、参照バッファメモリ640の読み込み位置を示す入力ポインタアドレス670を生成する。
レスポンス生成部610は、制御レジスタ750に格納されている画像サイズ等の設定値710に基づいて、スイッチ720より渡された参照画像読み出し要求アドレス560aに応ずる参照画像データを参照バッファメモリ640から読み出すための出力ポインタアドレス680を生成する。
図6を用いて、参照バッファメモリ640で記憶する参照画像データの範囲について説明する。ここでは参照画像800は、フレームバッファ520に格納されている参照画像データ全体を表す。参照バッファメモリ640は、画像符号化復号部510の処理の進行に合わせて、参照画像800の内、処理対象のマクロブロック810を中心とする探索範囲820を含む、記憶範囲830の画像データを記憶する。また、処理が次の処理対象に移動した場合に備え、読み込み領域840に該当するブロックの画像データを先読みする。
画像符号化復号部510による処理の進行に従ってバッファ管理の制御内容を図7乃至図11を参照しながら説明する。
図7には処理対象が移動した際の参照画像データの記憶領域の変化が例示される。画像符号化復号部510の処理対象がマクロブロック910からマクロブロック920に移動した場合、画像符号化復号部510が処理に必要とする画像データを含む探索範囲は、旧探索範囲930から新探索範囲940に移動する。この時、画像符号化復号部510は、新探索範囲940から外れたマクロブロック950の画像データを、現在の画像を処理している間は二度と読込む事は無い。そこで、バッファ制御部600は、このマクロブロック950を未使用領域とし、次の処理対象移動時に新規に探索範囲内に入る読み込み領域960用の記憶領域として再利用する。要するに、FIFOバッファとして機能する参照バッファメモリ640のライトポインタアドレスを進めることにより、マクロブロック950の参照画像データが格納されているバッファ領域にマクロブロック960の参照画像データが格納される。
バッファ制御部600はこの制御を画像符号化復号部510の処理対象が移動する毎に繰り返す。 これによって、参照バッファメモリ640に、常に最新の探索範囲を含む画像データを記憶する事ができる。
画像符号化復号部510の処理対象の移動に合わせて、参照バッファメモリ640で記憶する画像の範囲も移動する。この移動パターンには、図7に示すパターン以外に特殊なパターンが存在する。そのバリエーションについて以下で説明する。
図8には処理対象マクロブロックが参照画像の上端のマクロブロックライン上を移動している場合の参照画像データの記憶領域の移動状態が示される。処理対象がマクロブロック1000からマクロブロック1010に移動するのに合わせて、探索範囲は旧探索範囲1020から新探索範囲1030に移動する。この際、参照バッファメモリ640の未使用の領域に、次の処理対象移動時に新規に探索範囲内に入るマクロブロック1050の読み込みを行う。また、画像符号化復号部510の処理対象がマクロブロックラインの上端にある場合は、探索範囲上部は参照画像の外に出ており記憶する必要が無い。その為、記憶範囲1040で使用する容量は、参照バッファメモリ640の容量より少なくなり、参照バッファメモリ640に未使用の領域が生じる。この場合は、前述の参照バッファメモリ640の未使用領域を使用して、今後読み込み対象となるマクロブロック1060等への先読み進める事で、以後の処理性能を安定させる事ができる。
図9には処理対象マクロブロックが参照画像の上端のマクロブロックラインの先頭にある場合の参照画像データの記憶状態が示される。1001は処理対象マクロブロックである。この場合には、少なくとも1051のマクロブロックの参照画像データを参照バッファメモリ640に格納しておくことが望ましい。図8と同様に空き領域に更に先のマクロブロック1061の参照画像データを先読みすることも可能である。参照バッファメモリ640上における参照画像データの解放は、情報540で指定された最大サイズの探索領域の上端が第1行目のマクロブロックラインに達し且つ処理対象マクロブロックがマクロブロックラインの先頭から2番目の位置に達した後とされる。
図10には探索範囲が参照画像の右端まで到達した場合の参照画像データの記憶状態が示される。画像符号化復号部510が、処理対象をマクロブロック1100からマクロブロック1110に移した場合、探索範囲は旧探索範囲1120から新探索範囲1130に移動する。この場合、使用しなくなったマクロブロック1150の記憶領域を未使用領域とし、一つ下のマクロブロックラインのマクロブロック1160の画像データを上書きする。
画像符号化復号部510では、フレーム単位で処理を行う。図11には次のフレームの処理に遷移する場合の参照画像データの記憶状態が示される。処理対象が画像下端のマクロブロックライン上を移動している場合、処理対象となっているマクロブロックがマクロブロック1200からマクロブロック1210に移動するのに合わせて、探索範囲は旧探索範囲1220から新探索範囲1230に移動する。この際、マクロブロック1240の記憶領域は使用しなくなる為、参照バッファメモリ640には未使用領域が発生する。この時、もし次のフレームでも参照画像1250の読み込みを必要としているならば、前述の参照バッファメモリ640に生じた未使用領域に参照画像データ1270を読み込む。この場合は、使用しなくなったマクロブロック1240の記憶領域に、次フレームの参照画像1250のマクロブロック1260のデータを読み込む。
上記参照バッファメモリ640に対するマクロブロックデータのバッファリング制御で必要とされる参照バッファメモリ640の記憶領域について説明する。比較例として、マクロブロックライン単位で参照画像データをバッファリングする制御をする場合を考える。参照画像のサイズを1920×1088とする。簡単の為に1画素を1バイトとする。まず、マクロブロックサイズは便宜上16×16画素の規模とする。探索範囲は一つの処理対象マクロブロックに対して縦横夫々±32画素(80×80画素)の大きさとする。この条件に従って参照バッファメモリ640に必要な記憶容量を比較する。
比較例の場合、探索範囲を含む夫々のマクロブロックライン領域と、データ入れ替えのための余裕代としての読み込み領域に分けて計算を行う。探索範囲を含むマクロブロックライン領域の参照バッファメモリ容量は、1920×(32×2+16)=153600バイトであり、読み込み領域の参照バッファメモリ640の容量はマクロブロックライン単位の入れ替えを行うから1920×16=30720バイトになる。従って、マクロブロックライン単位でバッファリングする比較例の場合、参照バッファメモリに必要な容量は両者の合計である184320バイトになる。
これに対し上述の本発明手法の場合には、図12にも例示されるように、探索範囲を含む5本のマクロブロックラインから1本のマクロブロックラインを除いた領域の記憶容量と、読み込み領域に分けて計算を行う。探索範囲を含む参照バッファメモリ640から1マクロブロックラインを除いた領域の参照バッファメモリ640の記憶容量は、1920×(32×2+16−16))=122880バイトとされる。探索範囲内にける1マクロブロックラインの領域の記憶容量は、16×(32×2+16)=1280バイトとされる。先読みするための読み込み領域の参照バッファメモリ640の記憶容量は、16×16=256バイトになる。従って、本発明手法による参照バッファメモリ640の記憶容量のそれらの合計である124416バイトになる。
この結果より、本発明手法による参照バッファメモリ640の記憶容量は比較例に比べて59904バイトの記憶容量を削減することができる。比較例の参照バッファメモリの記憶容量を100%とすると、33%の記憶容量削減の効果を得ることができる。
また、探索範囲を縦横±128画素とした場合、必要とする参照バッファメモリ640の容量は、比較例方式では552960バイト、本発明方式では496128バイトとなる。従って、本方式は比較例に比べて56832バイトの参照バッファメモリ640の容量削減を実現でき、比較例方式の参照バッファメモリの容量を100%とすると、10%の参照バッファメモリ640の容量削減の効果となる。
上記説明は、画像に対し処理対象が横方向に移動する処理を想定した動作だが、本方式では処理対象が縦方向に移動する場合でも、リクエスト生成部620の制御を変えることで容易に対応可能である。
また、処理対象となるマクロブロックは1個としたが、図13に例示するように、縦方向に近接する複数のマクロブロックを同時に処理する場合にも有効である。H.264/AVCでは、マクロブロック適応型フレーム−フィールド符号化方式時や複数マクロブロックに対して同時に動き探索を行う等の場合である。この場合は、参照画像800に対して、複数マクロブロックを1つの処理単位1300とし、その処理対象の探索範囲を合わせた範囲を探索範囲1310とする。 そして、記憶しておく必要がある参照画像の範囲は領域1320となり、読み込み領域1330も複数マクロブロック単位となる。
複数マクロブロックを同時に処理した場合に、前述と同様の計算方法で比較例方式と本発明方式とにおける参照バッファメモリ640の容量を比較する。なお、比較条件は画像サイズを1920×1088画素、探索範囲を縦横夫々±32画素とする。尚、2個のマクロブロック同時処理はマクロブロック適応型フレーム−フィールド符号方式等、3マクロブロック同時処理は複数マクロブロック同時動き探索、を想定した条件である。2マクロブロック同時処理の場合は、比較例方式では参照バッファメモリ640の容量に245760バイト必要であるのに対して、本発明方式では125952バイト必要となる。従って、本発明方式は、比較例に対して119808バイト、49%の参照バッファメモリ640の容量削減の効果がある。一方、3マクロブロック同時処理の場合は、比較例方式では参照バッファメモリ640の容量が307200バイト必要であるのに対して、本発明方式では127488バイト必要となる。従って、本発明方式は比較例方式に対して、179712バイト、59%の参照バッファメモリ640の容量削減の効果がある。
さらに、画像サイズを1920×1088画素、探索範囲を縦横夫々±128画素とした場合に、前述と同様の計算方法で比較する。2マクロブロック同時処理の場合は、比較例方式では参照バッファメモリの容量に614400バイト必要であるのに対して、本発明方式では500736バイト必要になる。従って本発明方式は、比較例方式に対して113664バイト、19%のバッファ容量削減の効果がある。一方、3マクロブロック同時処理の場合は、比較例方式では参照バッファメモリの容量に675840バイト必要であるのに対して、本発明方式では505344バイト必要となる。従って本発明方式は比較例方式に対して170496バイト、25%の参照バッファメモリ640の容量削減の効果がある。
以上に示される通り、本発明方式は比較例方式よりも、同時処理数が多ければ多いほど、参照バッファメモリ640の容量削減効果が高くなる。
通常参照バッファメモリ640の容量は、必要容量が最大となる最大画像サイズを想定し、十分な容量を用意する。その為、最大画像サイズより小さい画像を処理している場合には、使用していない記憶領域が発生してしまう。この場合は、未使用の記憶領域を読み込み用バッファとして使用する事で、さらに先読みを進め、処理性能をより安定させる事が可能となる。
《アドレス変換部》
次に、アドレス変換部630について説明する。アドレス変換部630は、一つのマクロブロック内で分散したアドレスを連続アドレスに変換する為に、アドレスの並び替えを行う回路である。
ここでは特に、本アドレス変換を容易に行う為に、画像左端の画素データは2のべき乗のアドレスになる様に配置する。この場合、アドレス変換部630では、図14に示すアドレスの入れ替えのみで、一つのマクロブロック内でのアドレス連続性を保証するアドレス変換を実現する。変換前のアドレス信号は、下位11ビットが画面内の横方向画素座標を示し、上位10ビットが画面内の縦方向画素座標を示す。縦方向及び横方向夫々の画素座標は、上位側が対応するマクロブロックのブロック座標を示し、下位側がマクロブロック内のブロック内座標を示す。変換後のアドレスは上位側より順次、ブロック縦座標、ブロック横座標、ブロック内縦座標、ブロック内横座標に並べ替えられる。アドレス変換を行った場合の、アドレス変換前後のアドレス順の変化は図15に示される。アドレス変換部630は、アドレス変換によって、変換前画像1510の従来のアドレス順1530から、変換後画像1520のマクロブロック内でのアドレス連続性を保ったアドレス順1540に変換する。この変換方法を使用した場合、画像横幅が2のべき乗画素数でなかった場合は、画像右端の領域1500aと領域1500bが、フレームバッファ520上では使用されない領域となる。ただし、参照画像バッファ部500内部の参照バッファメモリ640は、この使用しない領域1500aと領域1500bに関してはデータ記憶を行わない為、参照バッファメモリ640の容量には影響しない。
一般に、シンクロナスDRAM等で構成するフレームバッファ520は、離散的なアクセスと比較し、連続アドレス空間に対するバーストアクセスが高速である。これは、シンクロナスDRAMのページミスを削減できるためである。アドレス変換部630を有する参照画像バッファ部500は、アドレス変換を行う事で、各マクロブロック内でのアドレス連続性を保証する為、マクロブロック単位の画像データ転送を高速なバーストアクセスで行うことができる。従って、参照画像バッファ部500は、フレームバッファ520へのアクセス効率を悪化させる事なく、マクロブロック単位のバッファ管理を実現することができる。
以上説明したことから明らかなように、参照画像バッファ部500を採用してマクロブロック単位のバッファ管理と、アドレス変換を行うことによって、マクロブロック単位の高速なアクセスによるバッファ管理を実現できるから、フレームバッファメモリへのアクセス効率を悪化させること無く、参照画像バッファ部のバッファ容量削減を実現でき、更に、画像符号化復号装置を半導体集積回路で構成する場合にはその回路規模の削減若しくはチップサイズの縮小が可能になる。更に、アドレス変換630を用いたアドレス変換によってマクロブロック単位のアクセスでもフレームバッファメモリへのアクセス効率を悪化させる事がない。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、アドレス変換部の実装は、一つのマクロブロック内でアドレスの連続性を保証する物であれば、その実現方法は限定されない。マクロブロックのサイズ、参照画像のサイズ、探索領域の大きさ、参照画像データを先読みするマクロブロックの数は1マクロブロックに限定されない。
図1は参照画像バッファ部の詳細な構成を例示するブロック図である。 図2はH.264/AVC符号化処理の概要を例示する機能説明図である。 図3にはH.264/AVC復号処理の概要を例示する機能説明図である。 図4はH.264/AVC方式における画像内でのデータの処理位置を説明するための説明図である。 図5には本発明に係る画像処理装置の一例である画像符号化復号装置を示すブロック図である。 図6は参照バッファメモリで記憶する参照画像データの範囲について説明するための説明図である。 図7は処理対象が移動した際の参照画像データの記憶領域の変化を例示する説明図である。 図8は処理対象マクロブロックが参照画像の上端のマクロブロックライン上を移動している場合の参照画像データの記憶領域の移動状態を示す説明図である。 図9は処理対象マクロブロックが参照画像の上端のマクロブロックラインの先頭にある場合の参照画像データの記憶状態を示す説明図である。 図10は探索範囲が参照画像の右端まで到達した場合の参照画像データの記憶状態を示す説明図である。 図11は次のフレームの処理に遷移する場合の参照画像データの記憶状態を示す説明図である。 図12は参照バッファメモリに対するマクロブロックデータのバッファリング制御で必要とされる参照バッファメモリの記憶容量を具体的に計算するときの条件を例示する説明図である。 図13は縦方向に近接する複数のマクロブロックを同時に処理する場合の探索領域の範囲の例示する説明図である。 図14はアドレス変換部によるアドレスの並べ替えの一例を示す説明図である。 図15はアドレス変換を行った場合におけるアドレス変換前後のアドレス順の変化を示すアドレスマッピング図である。
符号の説明
10 原画像
20 画面内予測処理
30 直交変換処理
40 量子化処理
50 可変長符号化処理
60 逆量子化処理
70 逆直交変換処理
80 動き探索処理
90 動き補償処理
100 参照画像
110 画面内予測情報
120 予測画像
130 動きベクトル
140 差分画像
220 可変長復号化処理
230 逆量子化処理
240 逆直交変換処理
250 画面内予測処理
260 表示画像
270 動き補償処理
280 予測画像
290 参照画像
300 動きベクトル
310 画面内予測情報
320 差分画像
400 参照画像
410 マクロブロック
420 探索範囲
500 参照画像バッファ部
510 画像符号化復号部
520 フレームバッファ
550 参照画像書き込みデータ
560 要求アドレス
560a 参照画像読み出し要求アドレス
560b 参照画像書き込み要求アドレス
570 参照画像読み出しデータ
580a 参照画像書き出しデータ
580b アドレス
580c 参照画像先読みデータ
590 画像符号化復号装置
600 バッファ制御部
610 レスポンス生成部
620 リクエスト生成部
630 アドレス変換部
640 参照バッファメモリ
650 ライトアドレスキュー
660 ライトデータキュー
670 入力ポインタアドレス
680 出力ポインタアドレス
750 制御レジスタ
770 読み込みアドレス
780 書き込みアドレス
800 参照画像
810 処理対象
820 探索範囲
830 記憶範囲
840 読み込み領域
910,920 マクロブロック
930 旧探索範囲
940 新探索範囲
950 マクロブロック
960 読み込み領域
1000,1010 マクロブロック
1020 旧探索範囲
1030 新探索範囲
1040 記憶範囲
1050、1060,1100,1120 マクロブロック
1120 旧探索範囲
1130 新探索範囲
1150,1160,1200,1210,1220 マクロブロック
1220 旧探索範囲
1230 新探索範囲
1240,1260 マクロブロック
1250 参照画像
1270 参照画像データ
1300 処理単位
1310 探索範囲
1330 読み込み領域
1510 変換前画像
1520 変換後画像

Claims (14)

  1. フレーム間の動き補償予測を用いて動画像の符号化処理、復号処理、又は符号化及び復号処理を行なう画像処理部と、
    前記画像処理部で生成されその後の動き補償予測で参照される参照画像データが格納されるフレームバッファメモリと、
    前記フレームバッファメモリに保持された参照画像データの一部が転送される参照バッファメモリと、
    前記画像処理部による動き補償予測の処理に応じて、前記フレームバッファメモリから前記参照バッファメモリへの参照画像データの書き込みと前記参照バッファメモリから画像処理部への参照画像データの読み出しとを制御するバッファ制御部とを有し、
    前記画像処理部は、一定データ量のデータブロックを単位として処理対象データブロックを一方向に順次切り替えながらフレーム間の動き補償予測を行い、その際に動き補償予測の処理対象データブロックに対して一定の探索範囲のデータブロックの参照画像データを用い、
    前記バッファ制御部は前記書き込み制御において、処理対象データブロックが次のデータブロックに切り替えられるのに同期して、切り替え前の前記一定の探索範囲のデータブロックのうち切り替え方向に対して最も後方のデータブロックの参照画像データを参照バッファメモリから解放し、同じく最も先方のデータブロックの更に先のデータブロックの参照画像データを前記参照バッファメモリに追加する、画像処理装置。
  2. 前記バッファ制御部は、動き補償予測の対象がフレームの先頭のデータブロックであるとき、前記先頭データブロックから当該先頭データブロックに対する前記探索範囲の前記切り替え方向の最も先方のデータブロックの更に先のデータブロックの参照画像データまでを参照バッファメモリに書き込む制御を行う、請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記バッファ制御部は、探索範囲が前記一定の探索範囲の大きさを満足してから前記参照画像データを参照バッファメモリから解放する処理を開始する、請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記バッファ制御部は、前記一定の探索範囲における前記切り替え方向の最も先方のデータブロックがフレームの終端データブロックに到達したとき、参照バッファメモリに追加する前記更に先のデータブロックの参照画像データを次のフレームから取得する、請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記バッファ制御部は一つのフレーム対する処理中に参照バッファメモリに読み込む画像データを1データブロックにつき1回だけとする、請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記バッファ制御部は、前記フレームのサイズ、前記一定の探索範囲の大きさ、及び前記フレームバッファメモリ上での前記参照画像データが格納されるアドレスの情報が夫々プログラマブルに設定される制御レジスタを有する、請求項1記載の画像処理装置。
  7. 前記画像処理部は前記処理対象データブロックを複数データブロックとし、
    前記バッファ制御部は前記処理対象データブロックに応ずる複数データブロック単位で前記参照画像データの解放と追加を行う、請求項1記載の画像処理装置。
  8. フレームバッファメモリに対してリニアに割り当てられた参照画像データのアドレスを、データブロック単位でリニアなアドレスに変換するアドレス変換部を有し、
    前記アドレス変換部は画像処理部から参照画像データと共に出力される参照画像データのアドレスに対して前記変換を行って、フレームバッファメモリに供給する、請求項1記載の画像処理装置。
  9. 前記参照バッファメモリはFIFOメモリである、請求項1記載の画像処理装置。
  10. フレーム間の動き補償予測を用いて動画像の符号化処理、復号処理、又は符号化及び復号処理を行なう画像処理部を利用した画像処理方法であって、
    前記画像処理部で生成されその後の動き補償予測で参照される参照画像データをフレームバッファメモリに格納する第1処理と、
    前記動き補償予測の処理に応じて、前記フレームバッファメモリから参照バッファメモリへの参照画像データの書き込みと前記参照バッファメモリから画像処理部への参照画像データの読み出しとを制御する第2処理と、
    前記画像処理部が前記第2処理で読み出された参照画像データを用いて、一定データ量のデータブロックを単位として処理対象データブロックを一方向に順次切り替えながらフレーム間の動き補償予測を行い、その際に動き補償予測の処理対象データブロックに対して一定の探索範囲のデータブロックの参照画像データを用いる第3処理とを含み、
    前記第2処理の前記書き込み制御において、処理対象データブロックが次のデータブロックに切り替えられるのに同期して、切り替え前の前記一定の探索範囲のデータブロックのうち切り替え方向に対して最も後方のデータブロックの参照画像データを参照バッファメモリから解放し、同じく最も先方のデータブロックの更に先のデータブロックの参照画像データを前記参照バッファメモリに追加する、画像処理方法。
  11. 前記第2処理の前記書き込み制御において、動き補償予測の対象がフレームの先頭のデータブロックであるとき、前記先頭データブロックから当該先頭データブロックに対する前記探索範囲の前記切り替え方向の最も先方のデータブロックの参照画像データまでを参照バッファメモリに書き込む制御を行う、請求項10記載の画像処理方法。
  12. 前記第2処理の前記書き込み制御において、探索範囲が前記一定の探索範囲の大きさを満足してから前記参照画像データを参照バッファメモリから解放する処理を開始する、請求項11記載の画像処理方法。
  13. 前記第2処理の前記書き込み制御において、前記一定の探索範囲における前記切り替え方向の最も先方のデータブロックがフレームの終端データブロックに到達したとき、参照バッファメモリに追加する前記更に先のデータブロックの参照画像データを次のフレームから取得する、請求項12記載の画像処理方法。
  14. 前記第1処理において、画像処理部から参照画像データと共に出力される参照画像データのアドレスを、フレームバッファメモリに対してリニアなアドレスから、データブロック単位でリニアなアドレスに変換して、フレームバッファメモリに供給する、請求項10記載の画像処理方法。
JP2007326738A 2007-12-19 2007-12-19 画像処理装置及び画像処理方法 Pending JP2009152710A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007326738A JP2009152710A (ja) 2007-12-19 2007-12-19 画像処理装置及び画像処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007326738A JP2009152710A (ja) 2007-12-19 2007-12-19 画像処理装置及び画像処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009152710A true JP2009152710A (ja) 2009-07-09

Family

ID=40921364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007326738A Pending JP2009152710A (ja) 2007-12-19 2007-12-19 画像処理装置及び画像処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009152710A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012004710A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Fujitsu Ltd 動きベクトル検出回路、動画像符号化装置及び動きベクトル検出方法
JP2012227608A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Toshiba Corp 画像符号化装置及び画像復号装置
WO2019239951A1 (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 日本電信電話株式会社 バッファ装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004072301A (ja) * 2002-08-05 2004-03-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 動きベクトル検出方法
JP2007281630A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 動き検出装置、動き検出方法、動き検出集積回路および画像符号化装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004072301A (ja) * 2002-08-05 2004-03-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 動きベクトル検出方法
JP2007281630A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 動き検出装置、動き検出方法、動き検出集積回路および画像符号化装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012004710A (ja) * 2010-06-15 2012-01-05 Fujitsu Ltd 動きベクトル検出回路、動画像符号化装置及び動きベクトル検出方法
JP2012227608A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Toshiba Corp 画像符号化装置及び画像復号装置
WO2019239951A1 (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 日本電信電話株式会社 バッファ装置
JP2019216324A (ja) * 2018-06-11 2019-12-19 日本電信電話株式会社 バッファ装置
JP7060802B2 (ja) 2018-06-11 2022-04-27 日本電信電話株式会社 バッファ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8068545B2 (en) Method and apparatus for processing image data
TWI364714B (en) Caching method and apparatus for video motion compensation
JP5290429B2 (ja) デコードされたピクチャのインテリジェントなバッファリング
JP5043012B2 (ja) キャッシュ・ローカリティを保存するビデオ符号化/復号化方法
KR100881539B1 (ko) 메모리 직접 접근 방식의 이미지 데이터 구조
KR100606812B1 (ko) 비디오 디코딩 시스템
KR20050058276A (ko) 디지털 비디오 데이터 처리
US20140177710A1 (en) Video image compression/decompression device
US7843993B2 (en) Moving picture encoding apparatus having increased encoding speed and method thereof
US5754234A (en) Moving picture decoding system
JP2009152710A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP4675383B2 (ja) 画像復号化装置および方法、画像符号化装置
KR20120066305A (ko) 비디오 움직임 예측 및 보상용 캐싱 장치 및 방법
US20030160893A1 (en) Programmable output control of compressed data from encoder
US20060291568A1 (en) Picture processing apparatus, semiconductor integrated circuit, and method for controlling a picture memory
US9591319B2 (en) Video encoder
KR100891116B1 (ko) 대역폭 인식 움직임 보상 장치 및 그 방법
JP2017117145A (ja) 半導体装置、データ処理システム及び半導体装置の制御方法
JP2009130599A (ja) 動画像復号装置
JP2011097488A (ja) 映像圧縮符号化装置
JP2002152756A (ja) 動画像符号化装置
JP5768631B2 (ja) 動画像処理装置および動画像処理システム
CN101986709B (zh) 一种匹配块高效取数的视频解码的方法及电路
Wang et al. SDRAM bus schedule of HDTV video decoder
KR100821922B1 (ko) 미디어 디코딩용 국부 메모리 관리 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100527

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111020

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120223