JP2009152696A - 撮像装置及びその制御方法及びプログラム及び画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動によっても除去できないような光学系内のごく小さな異物による画質劣化をも補正できるようにする。
【解決手段】撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子を備え、画像信号を生成する撮像部と、撮像光学系内の絞りを第1の絞り値に設定した状態で撮像部により得られる画像信号から、撮像部の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第1の異物情報を検出すると共に、撮像光学系内の絞りを第1の絞り値より絞った第2の絞り値に設定した状態で撮像部により得られる画像信号から、撮像部の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第2の異物情報を検出する異物検出部と、異物検出部により検出された第1の異物情報、又は第1及び第2の異物情報の双方を、撮像部による被写体の撮影によって得られた撮影画像データに関連付けて記録する記録部とを備える。
【選択図】図9
【解決手段】撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子を備え、画像信号を生成する撮像部と、撮像光学系内の絞りを第1の絞り値に設定した状態で撮像部により得られる画像信号から、撮像部の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第1の異物情報を検出すると共に、撮像光学系内の絞りを第1の絞り値より絞った第2の絞り値に設定した状態で撮像部により得られる画像信号から、撮像部の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第2の異物情報を検出する異物検出部と、異物検出部により検出された第1の異物情報、又は第1及び第2の異物情報の双方を、撮像部による被写体の撮影によって得られた撮影画像データに関連付けて記録する記録部とを備える。
【選択図】図9
Description
本発明は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子を用いた撮像装置における、光学ローパスフィルター等の表面に付着した異物による画質劣化を抑制する技術に関する。
従来より、デジタルカメラにおいては、光学系内(特に撮像素子の前方に配置されたローパスフィルタなどの光学素子の表面)にゴミ等の異物が付着すると、撮影された画像にそれらの異物の影が写り込み、画像の品質が低下するという問題がある。
この問題を解決するために、振動手段を用いて撮像素子に付着した異物を除去する技術が提案されている(特許文献1参照)。
さらに、次のような方法も提案されている。まず、白壁等の一様な被写体を撮影し、ほぼ光学系内の異物のみが写りこんだ画像を撮影する。そして、その画像から光学系内の異物の位置や大きさの情報であるゴミ補正データを作成し、それに基づき本撮影した画像の補正処理を行って、画像の品質を向上させる(特許文献2参照)。
特開平07−151946号公報
特開2004−222231号公報
ところで、上記の特許文献2のように白壁等の被写体を撮影して異物検出用の画像を得る場合、絞りを絞り込んだ方が光学系内のより小さな異物がはっきり写り込むため、なるべく絞り込んで撮影することが好ましい。しかしながら、一般ユーザがF32といったような極めて小径の絞りを用いて異物検出用の画像を撮影すると、異物ばかりでなく壁のしみなどまでが写り込んでしまう場合があり、誤った補正データが生成される恐れがある。そのため、一般ユーザは、F22程度の絞りを用いて異物検出用の画像の撮影を行うことが望ましい。
一方、上記の特許文献1のような撮像素子を振動させて異物を除去する方法では、例えばF22までの絞り込みでは見えないが、F32まで絞ると見えてしまうような、ごく小さな異物は除去できない場合が多い。そのため、一般ユーザがF22程度の絞りを用いて異物検出用の画像を撮影するだけでは、振動によっても除去されずに残ってしまったごく小さな異物の影を補正するためのデータが得られない。そのため、F22より絞り込んだ状態で通常の撮影が行われた場合、十分な異物補正ができないという問題があった。
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、振動によっても除去できないような光学系内のごく小さな異物による画質劣化をも補正できるようにすることである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる撮像装置は、撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子を備え、画像信号を生成する撮像手段と、前記撮像光学系内の絞りを第1の絞り値に設定した状態で前記撮像手段により得られる画像信号から、前記撮像手段の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第1の異物情報を検出すると共に、前記撮像光学系内の絞りを第1の絞り値より絞った第2の絞り値に設定した状態で前記撮像手段により得られる画像信号から、前記撮像手段の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第2の異物情報を検出する異物検出手段と、前記異物検出手段により検出された第1の異物情報、又は第1及び第2の異物情報の双方を、前記撮像手段による前記被写体の撮影によって得られた撮影画像データに関連付けて記録する記録手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係わる撮像装置の制御方法は、撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子を備え、画像信号を生成する撮像手段を有する撮像装置を制御する方法であって、前記撮像光学系内の絞りを第1の絞り値に設定した状態で前記撮像手段により得られる画像信号から、前記撮像手段の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第1の異物情報を検出すると共に、前記撮像光学系内の絞りを第1の絞り値より絞った第2の絞り値に設定した状態で前記撮像手段により得られる画像信号から、前記撮像手段の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第2の異物情報を検出する異物検出工程と、前記異物検出工程において検出された第1の異物情報、又は第1及び第2の異物情報の双方を、前記撮像手段による前記被写体の撮影によって得られた撮影画像データに関連付けて記録する記録工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係わる画像処理装置は、上記の撮像装置の前記記録手段に記録されている前記撮影画像データと、該撮影画像データに関連付けて記録されている前記第1の異物情報、又は前記第1及び第2の異物情報の双方とを入力する入力手段と、前記第1の異物情報、又は前記第1及び第2の異物情報の双方に基づいて、前記撮影画像データに写り込んだ前記異物の影を補正する画像処理手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、振動によっても除去できないような光学系内のごく小さな異物による画質劣化をも補正することが可能となる。
以下、本発明をレンズ交換式一眼レフデジタルカメラに適用した一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態では、カメラ本体でゴミを検出して、ゴミ補正データを画像データに添付し、カメラ外部の画像処理装置で、画像データに添付されたゴミ補正データを用いて画像データからゴミ除去処理を行なう場合について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置としてのレンズ交換式一眼レフデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。
図1において、マイクロコンピュータ402は、撮像素子(本実施形態ではCCD)418が出力する画像データの処理や、LCDモニター装置417の表示制御をはじめ、カメラ全体の動作を制御する。
スイッチ(SW1)405は、レリーズボタン114(図2参照)の半押し状態でオンになり、スイッチ(SW1)405がオンすると本実施形態のデジタルカメラは撮影準備状態になる。スイッチ(SW2)406は、レリーズボタン114が最後まで押された状態(全押し状態)でオンし、スイッチ(SW2)406がオンすると本実施形態のデジタルカメラは撮影動作を開始する。
レンズ制御回路407は、撮影レンズ200(図3参照)との通信およびAF(オートフォーカス)時の撮影レンズ200の駆動制御や絞り羽根の駆動制御を行う。
また図1において、外部表示制御回路408は、外部表示装置(OLC)409や、ファインダ内の表示装置(不図示)の制御を行う。スイッチセンス回路410は、カメラに設けられた電子ダイヤル411を含む多数のスイッチ類の信号をマイクロコンピュータ402に伝える。
ストロボ発光調光制御回路412は、X接点412aを介して接地されており、外部ストロボの制御を行う。測距回路413は、AFのための被写体に対するデフォーカス量を検出する。測光回路414は、被写体の輝度を測定する。
シャッター制御回路415はシャッターの制御を行い、撮像素子418に対して適正な露光を行う。LCDモニター装置417とバックライト照明装置416は、画像表示装置を構成している。記録装置419は例えばカメラ本体に着脱可能なハードディスクドライブや半導体メモリカード等である。
また、マイクロコンピュータ402には、A/Dコンバータ423、画像バッファメモリ424、DSPなどからなる画像処理回路425、撮像素子内の所定画素そのものに欠陥があることを記憶している画素欠陥位置メモリ426が接続されている。また、ゴミによる画像不良を起こしている撮像素子内の画素位置を記憶しているゴミ位置メモリ427も接続されている。なお、画素欠陥位置メモリ426およびゴミ位置メモリ427は不揮発性メモリを用いることが好ましい。また、画素欠陥位置メモリ426とゴミ位置メモリ427は、同一メモリ空間の異なるアドレスを用いて記憶しても良い。
また、428は、マイクロコンピュータ402が実行するプログラム等を記憶する不揮発性のメモリである。
図2は、本実施形態に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図、図3は図2の垂直断面図である。
図2において、カメラ本体100の上部には、ファインダ観察用の接眼窓111、AE(自動露出)ロックボタン112、AFの測距点選択ボタン113、撮影操作をするためのレリーズボタン114が設けられている。また、電子ダイヤル411、撮影モード選択ダイヤル117、および外部表示装置409も設けられている。電子ダイヤル411は、他の操作ボタンと併用してカメラに数値を入力したり、撮影モードを切り換えたりするための多機能信号入力装置である。また、外部表示装置409は、液晶表示装置から構成され、シャッタースピード、絞り、撮影モードなどの撮影条件や、他の情報を表示する。
また、カメラ本体100の背面には、撮影された画像や各種設定画面などを表示するLCDモニター装置417、LCDモニター装置417をオン/オフするためのモニタースイッチ121、十字配置スイッチ116、メニューボタン124が設けられている。
十字配置スイッチ116は、上下左右に配された4つのボタンと、中央に配されたSETボタンを有し、ユーザがLCDモニター装置417に表示されるメニュー項目などの選択や実行をカメラに指示するために用いられる。
メニューボタン124は、LCDモニター装置417にカメラの各種設定を行うためのメニュー画面を表示させるためのボタンである。例えば、撮影モードを選択、設定する時は、このメニューボタン124を押した後、十字配置スイッチ116の上下左右のボタンを操作して希望のモードを選択し、希望のモードが選択された状態でSETボタンを押すことにより設定が完了する。このメニューボタン124と十字配置スイッチ116は、後述するゴミ検出処理の実行指示のためにも使用される。
本実施形態のLCDモニター装置417は透過型であるため、LCDモニター装置の駆動だけでは画像を視認することはできず、必ずその裏面には図3に示すようにバックライト照明装置416が必要である。このようにLCDモニター装置417とバックライト照明装置416は画像表示装置を構成している。
図3に示すように、撮像光学系である撮影レンズ200はカメラ本体100に対してレンズマウント202を介して着脱可能である。図3において201は撮影光軸、203はクイックリターンミラーである。なお、撮影レンズ200である撮像光学系内には絞り200aが配置されている。
クイックリターンミラー203は撮影光路中に配置され、撮影レンズ200からの被写体光をファインダ光学系に導く位置(図3に示す位置、斜設位置と呼ぶ)と撮影光路外に退避する位置(退避位置と呼ぶ)との間で移動可能である。
図3において、ピント板204上にはクイックリターンミラー203からファインダ光学系に導かれる被写体光が結像される。205はファインダの視認性を向上させるためのコンデンサレンズ、206はペンタゴナルダハプリズムであり、ピント板204およびコンデンサレンズ205を通った被写体光をファインダ観察用の接眼レンズ208および測光センサ207に導く。
209、210はそれぞれシャッターを構成する後幕と先幕で、これら後幕209、先幕210の開放によって後方に配置されている被写体像を光電変換する固体撮像素子である撮像素子418が必要時間だけ露光される。撮像素子418によって画素毎の電気信号に変換された撮影画像は、A/Dコンバータ423や画像処理回路425などによって処理され、画像データとして記録装置419に記録される。なお、撮像素子418の前方には、赤外カットフィルター、光学ローパスフィルター等の光学素子418aが配置されており、この光学素子418aの表面にゴミ等の異物が付着する。この付着した異物の影が撮像素子418の撮像画面内に写り込んで、画質を劣化させる。
撮像素子418はプリント基板211に保持されている。このプリント基板211の後方には、もう一枚のプリント基板である表示基板215が配置されている。この表示基板215の反対側の面にLCDモニター装置417およびバックライト照明装置416が配置されている。
419は画像データを記録する記録装置、217は電池(携帯用電源)である。この記録装置419および電池217は、カメラ本体に対して着脱可能である。
(通常のゴミ検出処理)
図4は、本実施形態に係るデジタルカメラにおけるゴミ検出処理(ゴミによって画像不良が生じている画素位置の検出処理)を説明するフローチャートである。当該処理は、マイクロコンピュータ402がメモリ428に記憶されたゴミ検出処理プログラムを実行することにより実施される。
図4は、本実施形態に係るデジタルカメラにおけるゴミ検出処理(ゴミによって画像不良が生じている画素位置の検出処理)を説明するフローチャートである。当該処理は、マイクロコンピュータ402がメモリ428に記憶されたゴミ検出処理プログラムを実行することにより実施される。
ゴミ検出処理は、ゴミ検出用画像を撮像することにより行われる。ゴミ検出処理を行う場合、面光源装置の出射面や白い壁などの均一な色を持つ面にレンズ200の撮影光軸201を向けてカメラを設置し、ゴミ検出の準備を行なう。
準備が終了した後、例えば十字配置スイッチ116からゴミ検出処理の開始が指示されると、マイクロコンピュータ402は、まず絞りの設定を行う。撮像素子近傍のゴミはレンズの絞り値によって結像状態が変わり、レンズの瞳位置によって位置が変化する。したがって、ゴミ補正データにはゴミの位置や大きさに加え、検出時の絞り値とレンズの瞳位置を保持する必要がある。
ただし、ゴミ補正データを作成する段階で、異なるレンズを用いたとしても常に同じ絞り値を使うことを予め決めておけば、必ずしもゴミ補正データ内に絞り値を保持する必要はない。また、瞳位置に関してもライトユニットを用いたり、特定のレンズのみの使用を許可することで、同様に必ずしもゴミ補正データ内に瞳位置を保持する必要はなくなる。つまり、ゴミ補正データを作成する段階において、使用するレンズを複数許したり、絞り込む絞り値を適宜変更する場合には、検出時の絞り値とレンズの瞳位置を、ゴミ補正データ内に保持する必要があると言える。なお、ここで瞳位置とは、射出瞳の撮像面(焦点面)からの距離をいう。
通常のゴミ検出処理(第1の異物情報の取得処理)においては、ユーザーが白壁などの一様な被写体を撮影したときに壁のしみなどが写りこまないようにするために、絞り値の限界としてF22(第1の絞り値)を指定する(ステップS21)。
次にマイクロコンピュータ402はレンズ制御回路407に対し、撮影レンズ200の絞り羽根制御を行わせ、ステップS21で指定された絞り値に絞りを設定する(ステップS22)。さらに、フォーカス位置を無限遠に設定する(ステップS23)。
撮影レンズの絞り値とフォーカス位置が設定されると、ゴミ検出モードでの撮影を実行する(ステップS24)。ステップS24で行う撮像処理ルーチンの詳細に関しては図11を用いて後に説明する。撮影された画像データは、バッファメモリ424に格納される。
撮影が終了すると、撮影時の絞り値とレンズ瞳位置を取得する(ステップS25)。画像処理回路425に画像バッファメモリ424に記憶されている撮影画像の各画素に対応するデータを呼び出す(ステップS26)。画像処理回路425は、図6に示す処理を行い、ゴミが存在する画素の位置と大きさを取得する(ステップS27)。ステップS27で取得したゴミが存在する画素の位置と大きさ、およびステップS25で取得した絞り値とレンズ瞳位置情報を、ゴミ位置メモリ427に登録する(ステップS28)。
ここで、ステップS28において、予め画素欠陥位置メモリに記録されている製造時からの不良画素(画素欠陥)の位置と、読み出した画素データのゴミ位置を比べて画素欠陥であるかどうかを確認する。そして、画素欠陥によるものでは無いと判断された領域のみ、ゴミ位置メモリ427に位置を登録しても良い。
ゴミ位置メモリ427に格納されるゴミ補正データのデータ形式例を図5に示す。図5に示した通り、ゴミ補正データには、検出用画像撮影時の、レンズ情報とゴミの位置、大きさの情報が格納される。このゴミ補正データは、通常撮影時に画像データの撮影時情報と共に画像に付加し、後に説明するゴミ除去処理で利用する。
具体的には、検出画像撮影時のレンズ情報として、検出画像撮影時における実際の絞り値(F値)と、そのときのレンズ瞳位置を格納する。続いて記憶領域に検出したゴミ領域の数(整数値)を格納し、これに続き、個々の具体的なゴミ領域のパラメータを、ゴミ領域の数だけ繰返して格納する。ゴミ領域のパラメータは、ゴミの半径(例えば2バイト)、有効画像領域における中心のx座標(例えば2バイト)、おなじく中心のy座標(例えば2バイト)の3つの数値のセットである。
ゴミ位置メモリ427の大きさ等によりゴミ補正データサイズに制限がある場合、ステップS27で得たゴミ領域の先頭から優先してデータを格納する。これは、ステップS27のゴミ領域取得ルーチン内では、後述するようにゴミ領域を、目立つゴミの順にソートするからである。
(ゴミ領域取得ルーチン)
次に、図6から図8を用いて、ステップS27で行うゴミ領域取得ルーチンの詳細について述べる。
次に、図6から図8を用いて、ステップS27で行うゴミ領域取得ルーチンの詳細について述べる。
図7に示すように、呼び出した画像データをメモリ上に展開し、予め定められたブロック単位で処理を行う。これは、レンズやセンサ特性に起因する周辺減光に対応するためである。周辺減光とは、レンズの中央部に比べ周辺部の輝度が落ちてしまう現象であり、レンズの絞りを小さくすることである程度軽減されることが知られている。しかし、絞りを絞った状態でも、撮影画像に対して予め定められたスレッショルド値でゴミ位置の判定を行うと、レンズによっては周辺部のゴミが正確に検出できなくなるという問題がある。そこで、画像をブロック分割して周辺減光の影響を軽減する。
単純にブロック分割すると、ブロックとブロックの間でスレッショルド値が異なる場合、ブロック間をまたぐゴミの検出結果がずれてしまうという問題がある。そこで、ブロック間をオーバーラップさせ、オーバーラップ領域を構成するブロックのいずれかでゴミと判定された画素をゴミ領域として扱う。
ブロック内のゴミ領域判定は、図6に示す処理の流れで行う。まず、ブロック内の最大輝度Lmax、平均輝度Laveを算出し、次式を用いてブロック内のスレッショルド値T1を算出する。
T1=Lave×0.6+Lmax×0.4
次に、スレッショルド値を超えない画素をゴミ画素とし(ステップS61)、ゴミ画素によって構成される孤立領域を各々一つのゴミ領域di(i=0,1,…,n)とする(ステップS62)。図8に示すように、ゴミ領域毎に、ゴミ領域を構成する画素の水平方向の座標の最大値Xmaxおよび最小値Xmin、垂直方向の座標の最大値Ymaxおよび最小値Yminを求め、ゴミ領域diのサイズを表す半径riを次式によって算出する(ステップS63)。
次に、スレッショルド値を超えない画素をゴミ画素とし(ステップS61)、ゴミ画素によって構成される孤立領域を各々一つのゴミ領域di(i=0,1,…,n)とする(ステップS62)。図8に示すように、ゴミ領域毎に、ゴミ領域を構成する画素の水平方向の座標の最大値Xmaxおよび最小値Xmin、垂直方向の座標の最大値Ymaxおよび最小値Yminを求め、ゴミ領域diのサイズを表す半径riを次式によって算出する(ステップS63)。
ri=√[{(Xmax−Xmin)/2}2+{(Ymax−Ymin)/2}2]
Xmax、Xmin、Ymax、Yminとriの関係を、図8に示す。
Xmax、Xmin、Ymax、Yminとriの関係を、図8に示す。
その後ステップS64で、ゴミ領域毎の平均輝度値を算出する。
ゴミ位置メモリ427のサイズによる制限などにより、ゴミ補正データのデータサイズが制限されている場合がある。このような場合に対応するために、ゴミ位置情報を、大きさやゴミ領域の平均輝度値によってソートする(ステップS65)。本実施形態では、riの大きい順にソートする。riが等しい場合、平均輝度値の低い順にソートする。このようにすることで、目立つゴミを優先してゴミ補正データに登録することが出来る。なお、ソート済みのゴミ領域をDi、ゴミ領域Diの半径をRiとする。
なお、予め定められたサイズより大きいゴミ領域がある場合、ソートの対象から外し、ソート済みゴミ領域リストの末尾に配置しても良い。大きいゴミ領域については、後に補間処理をするとかえって画質を低下させる場合があり、補正対象の優先順位としては最下位として扱うことが望ましいからである。
(拡張補正データ生成ルーチン)
次に、図9を参照して、ゴミ補正データの拡張(拡張補正データの生成)について説明する。
次に、図9を参照して、ゴミ補正データの拡張(拡張補正データの生成)について説明する。
拡張補正データ(第2の異物情報)の生成では、絞りをF22よりも絞る点と、通常のゴミ補正データからの差分をとる点が、通常のゴミ検出処理とは異なる。
まず、通常のゴミ情報の検出で用いる絞り値F22では検出できないゴミを検出するために、F22よりも絞った絞り値(第2の絞り値)、ここではF32を指定する(ステップS31)。
次にマイクロコンピュータ402はレンズ制御回路407に対し、撮影レンズ200の絞り羽根制御を行わせ、ステップS31で指定された絞り値に絞りを設定する(ステップS32)。さらに、フォーカス位置を無限遠に設定する(ステップS33)。
撮影レンズの絞り値とフォーカス位置が設定されると、ゴミ検出モードでの撮影を実行する(ステップS34)。ステップS34で行う撮像処理ルーチンの詳細に関しては図11を用いて後に説明する。撮影された画像データは、バッファメモリ424に格納される。
撮影が終了すると、撮影時の絞り値とレンズ瞳位置を取得する(ステップS35)。画像処理回路425に画像バッファメモリ424に記憶されている撮影画像の各画素に対応するデータを呼び出す(ステップS36)。画像処理回路425は、図6に示す処理を行い、ゴミが存在する画素の位置と大きさを取得する(ステップS37)。作成済みの通常のゴミ補正データを読み取る(ステップS38)。ステップS37で取得したゴミが存在する画素が、ステップS38で読み取った通常のゴミ補正データに含まれていれば拡張補正データのデータ候補から除外する。つまり拡張補正データには含めない(ステップS39)。ステップS39で取得された、ゴミが存在する画素の位置と大きさ、およびステップS35で取得した絞り値とレンズ瞳位置情報を、拡張補正データとしてゴミ位置メモリ427に登録する(ステップS40)。
ここで、ステップS40において、予め画素欠陥位置メモリに記録されている製造時からの不良画素(画素欠陥)の位置と、読み出した画素データのゴミ位置を比べて画素欠陥であるかどうかを確認する。そして、画素欠陥によるものでは無いと判断された領域のみ、ゴミ位置メモリ427に位置を登録しても良い。
拡張補正データの取得は、絞りをF22よりも絞って作業を行うことから、ユーザが操作を行う場合、一様な白壁等を写したつもりでも壁のしみなどが写り込んだりすることが考えられ、注意が必要である。そのため、拡張補正データの取得は、工場やサービスなどの、しっかりとした設備が整っている条件で行うことが望ましい。
また、通常のゴミ補正データの作成作業では、拡張補正データの内容を更新しない。
(差分生成ルーチン)
図10は、図9のステップS39で説明した、通常のゴミ補正データと拡張補正データとで補正データが重複しないようにするための処理を行うサブルーチンの詳細フローチャートである。
図10は、図9のステップS39で説明した、通常のゴミ補正データと拡張補正データとで補正データが重複しないようにするための処理を行うサブルーチンの詳細フローチャートである。
まず、拡張補正データの取得工程で得られたゴミ情報をひとつ拡張補正データ候補として選択する(ステップS41)。通常のゴミ補正データの中に、ステップS41で選択されたゴミ情報と一致するものがあるかを検索する(ステップS42)。検索の結果、一致するものが見つかった場合(ステップS43:Yes)は、拡張補正データ候補のゴミ情報は消去され、拡張補正データとして保存されない(ステップS44)。一方、ステップS42の検索の結果、一致するものが見つからなかった場合(ステップS43:No)は、拡張補正データ候補のゴミ情報は、拡張補正データとして保存される(ステップS45)。そして、全てのゴミ情報について同様の処理が行われたかを判定し(ステップS46)、全てのゴミ情報について処理が終了していない場合(ステップS46:No)は、ステップS41に戻って、次の拡張補正データ候補を選択する。一方、ステップS46において全てのゴミ情報について処理が終了していれば、差分生成ルーチンを終了する。
なお、ゴミ情報が一致するか否かは、座標と半径から導かれる面の接触から判断してもよいし、座標間の距離に閾値をつけて判断してもよい。たとえば座標間の距離の閾値を2画素以内とすれば、拡張補正データ候補のゴミ情報の座標が(X,Y)=(100,100)で、通常のゴミ補正データに(X,Y)=(100,102)という情報が存在すれば、この拡張補正データ候補のゴミ情報は、拡張補正データとして保存されない。
(撮像処理ルーチン)
次に、図11に示すフローチャートを用いて、図4のステップS24で行われる撮像処理ルーチンの詳細について説明する。当該処理はマイクロコンピュータ402がメモリ428に記憶された撮像処理プログラムを実行することにより実施される。
次に、図11に示すフローチャートを用いて、図4のステップS24で行われる撮像処理ルーチンの詳細について説明する。当該処理はマイクロコンピュータ402がメモリ428に記憶された撮像処理プログラムを実行することにより実施される。
この撮像処理ルーチンが実行されると、ステップS201でマイクロコンピュータ402は、図3に示すクイックリターンミラー203を作動させ、いわゆるミラーアップを行い、撮影光路外にクイックリターンミラー203を退避させる。
次に、ステップS202で撮像素子418での電荷蓄積を開始し、次のステップS203では図3に示したシャッターの先幕210、後幕209をそれぞれ走行させて露光を行う。そして、ステップS204で撮像素子418の電荷蓄積を終了し、次のステップS205で撮像素子から画像信号を読み出してA/Dコンバータ423および画像処理回路425で処理した画像データをバッファメモリ424に一次記憶する。
次のステップS206で撮像素子から全ての画像信号の読み出しが終了すると、ステップS207でクイックリターンミラー203をミラーダウンし、クイックリターンミラーを斜設位置に戻す。
ステップS208にて、通常撮影かゴミ検出用画像撮影かを判断し、通常撮影時にはステップS209へ進んで撮影時のカメラ設定値等と共に図5に示したゴミ補正データを画像データに関連付けて記録装置419に記録する。
具体的には、例えば、撮影時のカメラ設定値等が記録される画像ファイルのヘッダ領域であるExif領域にゴミ補正データを追記することで、関連付けを実現することができる。または、ゴミ補正データをファイルとして独立して記録し、画像データにはそのゴミ補正データファイルへのリンク情報のみを記録することで関連付けを実現することも可能である。ただし、画像ファイルとゴミ補正データファイルを別々に記録すると、画像ファイルの移動時に、リンク関係が消失する場合があるので、ゴミ補正データは画像データと一体的に保持することが望ましい。
なお、上記のステップS209において画像データに通常のゴミ補正データのみを関連付けるか、拡張プロファイルも含めて関連付けるかは後述のルールに従う。
(画像データに関連付けるプロファイルのルール)
画像データにどのゴミ情報プロファイルを関連付けるかを決定するための手順を図12のフローチャートを参照して説明する。
画像データにどのゴミ情報プロファイルを関連付けるかを決定するための手順を図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、ゴミ検出用の撮影ではなく通常の撮影時のレンズのパラメータに関して、F値がF4よりも開放であるかを判断する(ステップS1701)。F4またはF4よりも開放であった場合、ゴミの写りこみは無視できるので、ゴミ補正のためのプロファイルは撮影画像に関連付けない(ステップS1702)。
一方、ステップS1701においてF値がF4よりも絞っていると判断された場合、ステップS1703に進む。ステップS1703では、通常の撮影時のF値がF22よりも開放であるかを判断する。そして、ステップS1703においてF22またはF22よりも開放であった場合、通常のゴミ補正データは必要だが、拡張プロファイルが示すゴミの写りこみは無視できるので、通常のゴミ補正データを撮影画像に関連付ける(ステップS1704)。ステップS1703においてF22よりも絞っていた場合、通常のゴミ補正データと拡張プロファイルの双方を撮影画像に関連付ける(ステップS1705)。
このような動作により、撮影時のレンズの絞りに応じて適切なゴミ補正データが撮影画像に関連付けられる。
(ゴミ除去処理)
次に、ゴミ除去処理の流れについて説明する。ゴミ除去処理は、デジタルカメラ本体ではなく、別途用意した画像処理装置上で行う。
次に、ゴミ除去処理の流れについて説明する。ゴミ除去処理は、デジタルカメラ本体ではなく、別途用意した画像処理装置上で行う。
図13は、画像処理装置のシステム構成の概略を示した図である。
CPU1001は、システム全体の動作をコントロールし、一次記憶部1002に格納されたプログラムの実行などを行う。一次記憶部1002は、主にメモリであり、二次記憶部1003に記憶されたプログラムなどを読み込んで格納する。二次記憶部1003は、例えばハードディスクなどがこれに該当する。一般に一次記憶部の容量は二次記憶部の容量より小さく、一次記憶部に格納しきれないプログラムやデータなどは二次記憶部に格納される。また、長時間記憶しなくてはならないデータなども二次記憶部に格納される。本実施形態では、プログラムを二次記憶部1003に格納し、プログラム実行時に一次記憶部1002に読み込んでCPU1001が実行処理を行う。
入力デバイス1004とは例えば、システムのコントロールに用いるマウスやキーボードの他、画像データの入力に必要なカードリーダー、スキャナ、フィルムスキャナなどがこれに該当する。出力デバイス1005とは例えば、モニタやプリンタなどが考えられる。この装置の構成方法は他にも様々な形態が考えられるが、本発明の主眼ではないので説明を省略する。
画像処理装置には、複数のプログラムを並列実行可能なオペレーティングシステムが搭載され、操作者はGUIを使ってこの装置上で動作するプログラムの操作が可能である。
図14は、画像処理装置における画像編集プログラムのGUI(Graphical User Interface)を示す図である。ウィンドウにはクローズボタン1100とタイトルバー1101が備えられ、クローズボタンを押すことでプログラムを終了する。ファイルを画像表示領域1102にドラッグアンドドロップすることで補正対象画像を指定し、補正対象画像が決定された場合、タイトルバー1101にファイル名を表示した後、画像表示領域1102に対象画像をFit表示する。実行ボタン1103を押すと、後述するゴミ除去処理を実行し、処理後の画像を画像表示領域1102に表示する。ステップ実行ボタン1104を押すと後述するゴミ除去処理のステップ実行を行い、全てのゴミ領域に対して処理が終了した時点で処理後の画像を画像表示領域1102に表示する。保存ボタン1105を押すと、処理後の画像を保存する。
画像処理装置におけるゴミ除去処理の流れを、図15に示す。
まず、デジタルカメラ内又はデジタルカメラから取り外された記録装置419からゴミ補正データが添付された通常撮影画像データを画像処理装置に取り込んで、一次記憶部1002又は二次記憶部1003に記憶する(ステップS90)。
次に、通常撮影された画像データ(ゴミ除去処理を行う対象となる画像)から、ステップS208で撮影画像に付与されたゴミ補正データを抽出する(ステップS91)。さらに、拡張補正データが存在するか否かを確認し(ステップS92)、存在すれば読み取って(ステップS93)、通常のゴミ補正データと結合する(ステップS94)。結合においては、通常のゴミ補正データと拡張補正データそれぞれの座標、大きさ、絞り値、瞳位置を単純なデータ列として保持してもよいし、通常のゴミ補正データと拡張補正データを別々に保持してもよい。
次に、ステップS91〜S94で抽出したゴミ補正データから座標列Di(i=1,2,…n)、半径列Ri(i=1,2,…,n)、絞り値f1とレンズ瞳位置L1を得る(ステップS95)。ここでRiは、図6のステップS65で算出した座標Diのゴミの大きさである。ステップS96で、通常撮影された画像の撮影時の絞り値f2とレンズ瞳位置L2を取得し、ステップS97でDiを次式で変換する。ここで、dは画像中心から座標Diまでの距離、Hは撮像素子418の表面とゴミとの距離であるとする。変換後の座標Di’と変換後の半径Ri’は例えば次式で定義する。
Di’(x,y)=(L2×(L1−H)×d/((L2−H)×L1))×Di(x,y)
Ri’=Ri×f1/f2+3 (1)
ここでの単位はピクセルであり、Ri’についての「+3」はマージン量である。
Ri’=Ri×f1/f2+3 (1)
ここでの単位はピクセルであり、Ri’についての「+3」はマージン量である。
ステップS98で座標Di’、半径Ri’で示される領域内にゴミと推定される影が実際に存在するかを検出し、必要に応じて補間処理を適用する。補間処理の詳細については後述する。ステップS99で全ての座標についてゴミ除去処理を適用したかどうかを判定し、全ての座標について処理が終わっていれば処理を終了し、そうでなければステップS98に戻る。
(補間ルーチン)
次に、ゴミ領域の補間処理の詳細について述べる。補間ルーチンの流れを示すフローチャートを図16に示す。まずステップS1201で、ゴミ領域判定を行う。ゴミ領域とは、次の条件を全てを満たす領域とする。
(1)図15のステップS97で算出した中心座標Di’、半径Ri’(式(1)で求められたDi’,Ri’)に含まれる画素の平均輝度Yaveと最高輝度Ymaxを用いて次式で求められるスレッショルド値T2より暗い領域。
次に、ゴミ領域の補間処理の詳細について述べる。補間ルーチンの流れを示すフローチャートを図16に示す。まずステップS1201で、ゴミ領域判定を行う。ゴミ領域とは、次の条件を全てを満たす領域とする。
(1)図15のステップS97で算出した中心座標Di’、半径Ri’(式(1)で求められたDi’,Ri’)に含まれる画素の平均輝度Yaveと最高輝度Ymaxを用いて次式で求められるスレッショルド値T2より暗い領域。
T2=Yave×0.6+Ymax×0.4
(2)上記の中心座標Di’、半径Ri’の円と接しない領域。
(3)(1)で選択された輝度の低い画素によって構成される孤立領域に対し、図6中のステップS63と同様の方法で算出した半径値がl1画素以上、l2画素未満である領域。
(4)円の中心座標Diを含む領域。
(2)上記の中心座標Di’、半径Ri’の円と接しない領域。
(3)(1)で選択された輝度の低い画素によって構成される孤立領域に対し、図6中のステップS63と同様の方法で算出した半径値がl1画素以上、l2画素未満である領域。
(4)円の中心座標Diを含む領域。
本実施形態では、例えば通常プロファイルに基づく場合にはl1は3画素、l2は30画素とし、拡張プロファイルに基づく場合にはl1は1画素、l2は10画素とする。このようにすることで、孤立した小領域だけをゴミ領域として扱うことが可能になる。また、レンズ瞳位置が正確に取得できない場合には、(4)の条件は幅を持たせても良い。例えば、着目領域が座標DiからX方向、Y方向に夫々±3画素の範囲の座標を含めば、ゴミ領域と判定するなどという条件が考えられる。
ステップS1202で、このような領域があればステップS1203へ進みゴミ領域補間を行い、存在しない場合は処理を終了する。ステップS1203で実行するゴミ領域補間処理は、公知の欠損領域補間法で行う。公知の欠損領域補間法には例えば、特開2001−223894号公報に開示されているパターン置換がある。特開2001−223894号公報では赤外光を用いて欠損領域を特定しているが、本実施形態ではステップS1201で検出したゴミ領域を欠損領域として扱い、パターン置換によりゴミ領域を周囲の正常画素で補間する。パターン置換で埋められない画素については、パターン補間後の画像データに対し、補間対象画素に最も近い順に正常画素をp個選択し、その平均色を用いて補間する。
このように画像にゴミ補正データを添付することで、ゴミ補正用画像データと撮影画像データの対応を意識する必要が無くなるという利点がある。また、ゴミ補正データが位置、大きさ、変換用データ(絞り値、レンズの瞳位置の距離情報)で構成されるコンパクトなデータであるので、撮影画像データサイズが極端に大きくなることもない。また、ゴミ補正データで指定された画素を含む領域だけを補間処理することにより、誤検出の確率を大幅に低減することが可能になる。
(ユーザがクリーニングを行う場合)
次に、ユーザが撮像素子418のクリーニングをエアーブラシなどの装置を用いたり、溶剤を含ませたペーパーによって拭き取るなどして、手動で行った場合の拡張プロファイルの取り扱いについて説明する。
次に、ユーザが撮像素子418のクリーニングをエアーブラシなどの装置を用いたり、溶剤を含ませたペーパーによって拭き取るなどして、手動で行った場合の拡張プロファイルの取り扱いについて説明する。
拡張プロファイルは、前述のとおり、撮像素子の振動によっても除去できないような小さなゴミを検出することを目的に作成する。しかし、ユーザが手動でクリーニングを行った場合、そのような小さなゴミも除去または移動される。すなわちユーザが手動でクリーニングを行った場合は、拡張プロファイルを生成しなおす必要がある。
ユーザが手動でクリーニングを行った場合の拡張プロファイルの取り扱いについて、図17のフローチャートを参照して説明する。
ユーザが手動でクリーニングを行ったら、まず既存の拡張プロファイルを消去する(ステップS1601)。次に通常のゴミ検出処理を行う。通常のゴミ検出なので、絞り値はF22に設定される(ステップS1602)。次にGUIのメニュー画面などを用いてユーザに拡張プロファイルを生成するかどうかの問い合わせを行う(ステップS1603)。ステップS1604で拡張プロファイルの生成を行う場合はステップS1605に進み、カメラに絞り値がF32に設定可能なレンズが装着されているか否かを判定する。ステップS1605で絞り値がF32に設定可能なレンズが装着されていると判断された場合には、ステップS1606に進み、図9に示したフローチャートに従って拡張プロファイルを生成する。
一方、ステップS1604で拡張プロファイルを生成しないことが選択された場合、及びステップS1605で絞り値をF32に設定可能なレンズが装着されていないと判定された場合には、拡張プロファイルの生成を行わず処理を終了する。
なお、ステップS1601で拡張プロファイルを消去しているので、ステップS1604及びステップS1605の判断で拡張プロファイルが生成されなかった場合は、クリーニング後には拡張プロファイルは存在しないことになる。
このように、拡張プロファイルの生成をユーザが選択できるようにしているのは、ユーザによる手動クリーニングにもやり方がいくつもあるからである。例えば、クリーニングモードに設定して、光学素子418aの表面に付着したゴミに直接触れることができる状態にしたとしても、単にエアブラシでエアを吹き付けるだけのときもあれば、溶剤を含ませたペーパでゴミを拭き取るようなときもある。また、圧電素子などの振動子が光学素子418aに設けられており、ユーザのクリーニングの指示により、マイクロコンピュータ402がこれを制御して、光学素子418aを振動させて物理的にゴミを弾き飛ばすようなクリーニングもある。すなわち、ユーザのクリーニングの仕方により、ゴミの除去は完全であったり、不完全であったり、不完全であってもその度合いが異なったりする。拭き取り方式のように、その効果が相当期待できるものであれば、F32まで絞っても影が生じるようなゴミは無いものと推定して、拡張プロファイルを作る必要は無い。一方でエアブラシのような方式の場合、ごく小さなゴミは多少移動したとしてもそのまま光学素子418a上に残っていることが多く、このような方式で手動クリーニングを行った場合には、拡張プロファイルを作り直すことが好ましい。さらに、振動子によって物理的にゴミを弾き飛ばすような方式の場合には、小さなゴミは質量も小さいことから弾き飛ばされ難く、そのまま移動せずに留まることが多い。このような場合は、拡張プロファイルを作り直すまでも無く、それ以前の拡張プロファイルをそのまま用いることができる。このように、手動クリーニングの効果に応じて、拡張プロファイルの生成の有無をコントロールすることが望ましい。
なお、光学素子418aを振動させて物理的にゴミを弾き飛ばすようなクリーニングモードについては、カメラ本体に内蔵されて行われるものであるので、その制御シーケンスにおいて、例えば電源のオンオフに合わせて自動的に実行されるように構成されていても良い。この場合は、拡張プロファイルは更新されない。
なお、上記の実施形態では、カメラ本体でゴミを検出して、ゴミ補正データを画像データに添付し、カメラ外部の画像処理装置で、画像データに添付されたゴミ補正データを用いて画像データからゴミ除去処理を行なう場合について説明した。しかし、カメラ本体内に図13に示したような画像処理装置を内蔵し、カメラ本体内で画像データからゴミ除去処理を行うようにしても良い。
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
(他の実施形態)
また、各実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
さらに、次のような場合も本発明に含まれる。すなわち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した手順に対応するプログラムコードが格納されることになる。
Claims (6)
- 撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子を備え、画像信号を生成する撮像手段と、
前記撮像光学系内の絞りを第1の絞り値に設定した状態で前記撮像手段により得られる画像信号から、前記撮像手段の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第1の異物情報を検出すると共に、前記撮像光学系内の絞りを第1の絞り値より絞った第2の絞り値に設定した状態で前記撮像手段により得られる画像信号から、前記撮像手段の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第2の異物情報を検出する異物検出手段と、
前記異物検出手段により検出された第1の異物情報、又は第1及び第2の異物情報の双方を、前記撮像手段による前記被写体の撮影によって得られた撮影画像データに関連付けて記録する記録手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記記録手段は、前記撮影画像データが、前記撮像光学系内の絞りが前記第1の絞り値又は該第1の絞り値よりも開いた状態で撮影された画像データである場合には、前記第1の異物情報を前記撮影画像データに関連付けて記録し、前記撮影画像データが、前記撮像光学系内の絞りが前記第1の絞り値よりも閉じた状態で撮影された画像データである場合には、前記第1及び第2の異物情報を前記撮影画像データに関連付けて記録することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記記録手段に記録されている前記第1の異物情報、又は前記第1及び第2の異物情報の双方に基づいて、前記撮影画像データに写り込んだ前記異物の影を補正する画像処理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 撮像光学系により結像された被写体像を光電変換する撮像素子を備え、画像信号を生成する撮像手段を有する撮像装置を制御する方法であって、
前記撮像光学系内の絞りを第1の絞り値に設定した状態で前記撮像手段により得られる画像信号から、前記撮像手段の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第1の異物情報を検出すると共に、前記撮像光学系内の絞りを第1の絞り値より絞った第2の絞り値に設定した状態で前記撮像手段により得られる画像信号から、前記撮像手段の撮像画面内における異物の位置及び大きさの情報である第2の異物情報を検出する異物検出工程と、
前記異物検出工程において検出された第1の異物情報、又は第1及び第2の異物情報の双方を、前記撮像手段による前記被写体の撮影によって得られた撮影画像データに関連付けて記録する記録工程と、
を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。 - 請求項4に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項1に記載の撮像装置の前記記録手段に記録されている前記撮影画像データと、該撮影画像データに関連付けて記録されている前記第1の異物情報、又は前記第1及び第2の異物情報の双方とを入力する入力手段と、
前記第1の異物情報、又は前記第1及び第2の異物情報の双方に基づいて、前記撮影画像データに写り込んだ前記異物の影を補正する画像処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007326581A JP2009152696A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | 撮像装置及びその制御方法及びプログラム及び画像処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007326581A JP2009152696A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | 撮像装置及びその制御方法及びプログラム及び画像処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009152696A true JP2009152696A (ja) | 2009-07-09 |
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JP2007326581A Withdrawn JP2009152696A (ja) | 2007-12-18 | 2007-12-18 | 撮像装置及びその制御方法及びプログラム及び画像処理装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009152696A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9706110B2 (en) | 2013-02-18 | 2017-07-11 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Foreign body information detection device and foreign body information detection method of imaging apparatus |
-
2007
- 2007-12-18 JP JP2007326581A patent/JP2009152696A/ja not_active Withdrawn
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US9706110B2 (en) | 2013-02-18 | 2017-07-11 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Foreign body information detection device and foreign body information detection method of imaging apparatus |
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