JP2009150559A - 転がり軸受の潤滑装置 - Google Patents

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Kenji Fujii
藤井  健次
Masatsugu Mori
正継 森
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Abstract

【課題】 潤滑および冷却を図りながら、潤滑油供給のための専用の油供給装置が不要で、付帯設備のコストが低減でき、かつ潤滑油供給系によって構造の複雑化を招くことのない潤滑装置を提供する。
【解決手段】 転がり軸受1内の潤滑油導入部材31から潤滑油を微量ずつ吐出して潤滑する。軸受箱26に設けられた冷却油循環路29へ冷却油を供給する冷却油供給装置34の吐出冷却油の一部を、潤滑油供給回路37によって上記潤滑油導入部材31へ吐出用の潤滑油として導く。潤滑油供給回路37は、冷却油供給回路35から分岐させたものとする。各潤滑油導入部材31に流量調整装置を設ける。潤滑油供給回路37には、複数の転がり軸受の各潤滑油導入部材31に対して分岐接続する箇所よりも上手側に、流入油量調整用の圧力調整弁38を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、工作機械主軸用の転がり軸受等に適用される潤滑装置に関する。
工作機械主軸では、加工能率を上げるため、ますます高速化の傾向にある。主軸の高速化に伴い、主軸軸受の潤滑も、搬送エアに潤滑油を混合して油をノズルより軸受内に噴射するエアオイル給油が多く用いられている。一般的なエアオイル潤滑は、多量の高圧エアを必要とし、騒音も大きいため、低騒音、省エネ、省資源の目的から、新しいエアオイル潤滑構造も提案されている(例えば特許文献1)。
この種の潤滑装置の従来例を図11に示す。この潤滑装置は、スピンドル装置70の外部にある油供給部71から量調整された潤滑油を供給する。この循環油を、ノズル72から微量ずつ吐出して、主軸73を支持する転がり軸受74の内輪外径部の斜面部に付着させ、油の表面張力と内輪の回転に伴う遠心力を利用して転がり軸受内に供給する。このようなスピンドル装置70は、加工精度の確保を目的として、軸受箱75内に冷却油を通して冷却を行うのが通常である。冷却油の供給は、冷却油供給装置76の吐出ポンプにより、圧力油を軸受箱75の外径部の冷却溝77に導き、冷却溝77の油出口部から冷却油供給装置76に戻す循環方式が一般的である。
また、一般的なエアオイル潤滑は、軸受の冷却作用が小さく、高速運転すると内外輪の温度差(内輪>外輪)のために、予圧過大等を生じさせる欠点がある。軸受の温度上昇を小さく抑える潤滑方法としては、多量の油を軸受内に噴射し、軸受の潤滑と軸受の冷却を同時に行うジェット噴射があるが、この潤滑法は、油供給のための設備が必要になることと、軸受内油の攪拌に伴うパワーロスが大きくなる欠点がある。
これらの欠点を解消する目的で、新しい潤滑方法も提案されている(例えば、特許文献2〜4)。これらはいずれも、軸受の冷却は、主軸内径部に通油することで軸を冷却(軸芯冷却)し、軸受の循環は軸心冷却油の一部を主軸内径部より細管等で軸受内に導入して行う。この潤滑法によれば、軸を冷却することで、内輪の温度上昇を抑制し、軸受潤滑油量も抑制できることから、主軸のパワーロスも小さく抑えられる。
特開2002−61657号公報 特開平7−24687号公報 特開平7−145819号公報 特開平10−58278号公報 実公昭56−025791号公報 特開2003−074567号公報
上記図11の従来例では、軸受74の潤滑油供給のための専用の油供給部71が必要であり、設備コストが高くなる。また、油供給部71におけるタンク内の油量の管理を行う必要があり、メンテナンスの手間がかかる。
また、従来の特許文献2〜4等に示されるような軸芯冷却併用の潤滑構造は、軸内径部および回転継手部の構造が複雑になる等の難点がある。
この発明の目的は、潤滑および冷却を図りながら、潤滑油供給のための専用の油供給装置が不要で、付帯設備のコストが低減でき、かつ潤滑油供給系によって構造の複雑化を招くことのない転がり軸受の潤滑装置を提供することである。
この発明の転がり軸受の潤滑装置は、軸受箱内に設置された複数の転がり軸受に対して、前記各転がり軸受内にそれぞれ一部が入っている各潤滑油導入手段から潤滑油を微量ずつ吐出して潤滑する転がり軸受の潤滑装置において、冷却油供給装置から軸受箱の冷却油循環路へ冷却油を供給する冷却油供給回路を設け、この冷却油供給回路から分岐させて、前記冷却油の一部を上記潤滑油導入手段へ吐出用の潤滑油として導く潤滑油供給回路を設け、この潤滑油供給回路を、前記軸受箱に設けられて前記各潤滑油導入手段にそれぞれ連通する複数の潤滑油供給路の各潤滑油供給口に分けて接続し、前記各潤滑油導入手段のそれぞれに潤滑油の流量を調整可能な流量調整装置を設けると共に、前記潤滑油供給回路における前記各潤滑油供給口に対して分かれる箇所よりも上流側部分に流入油量調整用の圧力調整弁を設けて、この圧力調整弁で圧力調整された潤滑油供給回路内の潤滑油が、前記流量調整装置で流量調整されて前記潤滑油導入手段から微量ずつ吐出されるように構成されたことを特徴とする。前記潤滑油供給回路における前記各潤滑油供給口に対して分かれる箇所よりも上流側部分には、油ろ過器を設けても良い。
この構成によると、冷却油供給装置から吐出される冷却油の一部が軸受の潤滑油として用いられる。そのため潤滑油供給のための専用の油供給装置が要らず、コスト低減が可能となる。また、冷却油は軸受箱に設けられた冷却油循環路へ供給するので、軸芯冷却の場合のような軸内径部の加工や回転継手使用等の構造の複雑化を招くことがない。
また、冷却供給装置から潤滑油供給回路に導入する流入油量が圧力調整弁で調整される。そのため、潤滑油が適量供給される。上記のように油ろ過器を設けた場合は、清浄油が適量供給される。また、供給圧力を初期調整するだけでよく、それ以後のメンテナンスが不要となる。軸受箱の冷却は、軸受潤滑用として使用する油量が極少量であることから、従来通り可能であり、分岐したことによる冷却能力の低下は無視できる。
この発明の転がり軸受の潤滑装置は、軸受箱内に設置された複数の転がり軸受に対して、前記各転がり軸受内にそれぞれ一部が入っている各潤滑油導入手段から潤滑油を微量ずつ吐出して潤滑する転がり軸受の潤滑装置において、冷却油供給装置から軸受箱の冷却油循環路へ冷却油を供給する冷却油供給回路を設け、この冷却油供給回路から分岐させて、前記冷却油の一部を上記潤滑油導入手段へ吐出用の潤滑油として導く潤滑油供給回路を設け、この潤滑油供給回路を、前記軸受箱に設けられて前記各潤滑油導入手段にそれぞれ連通する複数の潤滑油供給路の各潤滑油供給口に分けて接続し、前記各潤滑油導入手段のそれぞれに潤滑油の流量を調整可能な流量調整装置を設けると共に、前記潤滑油供給回路における前記各潤滑油供給口に対して分かれる箇所よりも上流側部分に流入油量調整用の圧力調整弁を設けて、この圧力調整弁で圧力調整された潤滑油供給回路内の潤滑油が、前記流量調整装置で流量調整されて前記潤滑油導入手段から微量ずつ吐出されるように構成されたため、潤滑および冷却を図りながら、潤滑油供給のための専用の油供給装置が不要で、付帯設備のコストが低減でき、かつ潤滑油供給系によって構造の複雑化を招くことがない。
この発明の第1の実施形態に係る転がり軸受の潤滑装置を備えたスピンドル装置およびこれに接続される油供給装置を示す構成図である。 図1における潤滑装置の主要部を示す拡大断面図である。 この発明の他の実施形態に係る転がり軸受の潤滑装置の主要部を示す断面図である。 提案例に係る転がり軸受の潤滑装置の主要部を示す断面図である。 他の提案例に係る転がり軸受の潤滑装置を備えたスピンドル装置およびこれに接続される油供給装置を示す構成図である。 図5におけるA部の拡大断面図である。 図5におけるB部の拡大断面図である。 さらに他の提案例に係る転がり軸受の潤滑装置を備えたスピンドル装置およびこれに接続される油供給装置を示す構成図である。 図8におけるC部の拡大断面図である。 図8におけるD部の拡大断面図である。 従来の転がり軸受の潤滑装置を備えたスピンドル装置およびこれに接続される油供給装置を示す構成図である。
この発明の第1の実施形態を図1および図2と共に説明する。図1はこの実施形態の転がり軸受の潤滑装置を備えたスピンドル装置の一例を示す。このスピンドル装置24は工作機械に応用されるものであり、主軸25の端部に工具またはワークのチャックが取付けられる。主軸25は、軸方向に離れた複数(ここでは2つ)の転がり軸受1により支持されている。各転がり軸受1の内輪2は主軸25の外径面に嵌合し、外輪3は軸受箱26の内径面に嵌合している。これら内外輪2,3は、内輪押さえ27および外輪押さえ28により、軸受箱26内に固定されている。軸受箱26は、内周軸受箱26Aと外周軸受箱26Bの二重構造とされ、内外の軸受箱26A,26B間に冷却油循環路29が形成されている。両転がり軸受1の外輪3同士の間には外輪間座30および潤滑油導入部材31が、また内輪2同士の間には内輪間座32がそれぞれ設けられている。主軸25の一端部には、内輪押さえ27に押し当てて転がり軸受1を固定する軸受固定ナット33が螺着されている。
冷却油循環路29の一端には外周軸受箱26Bを貫通して軸受箱26の外径に開口する導入孔29aが、また冷却油循環路29の他端には外周軸受箱26Bを貫通して軸受箱26の外径に開口する導出孔29bがそれぞれ形成されている。冷却油循環路29と冷却油供給装置34とは、冷却油供給回路35および冷却油戻り回路36を介して連通している。
転がり軸受1の潤滑装置は、上記冷却油供給装置34の吐出冷却油の一部を、潤滑油として上記潤滑油導入部材31から微量ずつ吐出し、転がり軸受1内に供給するものである。この潤滑装置は、潤滑油導入部材31と、上記冷却油供給回路35から分岐して、冷却油供給装置34の吐出冷却油の一部を潤滑油として潤滑油導入部材31へ導く潤滑油供給回路37とを有する。潤滑油供給回路37には、各潤滑油導入部材31に接続される後述の各潤滑油供給口12aに対して分かれる箇所37aよりも上流側部分37bに流入油量調整用の圧力調整弁38と、油ろ過器39とが設けられている。この実施形態では、前記潤滑油導入部材31が、請求項1で言う潤滑油導入手段となる。
図2に拡大断面図で示すように、転がり軸受1は、内輪2と外輪3の軌道面2a,3a間に複数の転動体4を介在させたものである。転動体4は例えばボールからなり、保持器5のポケット(図示せず)内に保持される。この転がり軸受1における内輪2の軌道面2aに続く外径面は、軌道面2a側が大径となる斜面部2bとされている。この斜面部2bに隙間δを持って上記潤滑油導入部材31の一部が沿わせてある。斜面部2bは、内輪2の幅面から軌道面2aに続いて設け、また内輪2の反負荷側(軸受背面側)の外径面に設ける。斜面部2bの傾斜角度αは、実用回転数が高速になるほど大きくする必要がある。例えば、直径Dが100mmφの転がり軸受を回転数20000rpmで運転する場合、斜面部2bに付着した油が飛散することなく内輪2の軌道面2aに導入される斜面部2bの傾斜角度αは13°以上である。潤滑油導入部材31と斜面部2bとの隙間δは、内輪2と軸の嵌め合い、および内輪2の温度上昇と遠心力による膨張を考慮し、運転中に両部材2,31が接触しない値とされる。転がり軸受1がアンギュラ玉軸受である場合、内輪2のステップ面を設ける部分の外径面が上記斜面部2bとされる。
上記斜面部2bに対面する潤滑油導入部材31の円周上の一部には多孔質材装着孔7が開口させてあり、この装着孔7に上記斜面部2bに接する多孔質材8を装着している。多孔質材8は多孔質の焼結材からなり、Oリング等からなるシール部材9を介して装着孔7に挿入されて、斜面部2b側へ変位可能とされている。上記多孔質材8は、請求項で言う「流量調整装置」となる。潤滑油導入部材31はリング状の部材であって、転がり軸受1に軸方向に隣接して設けられ、側面の内径部から軸方向に延びる鍔状部31aを有している。この鍔状部31aは、平坦な内径面が内輪2の斜面部2bと同一角度の傾斜面に形成されて、保持器5の直下まで伸び、その先端部であるシール部31aaを保持器5の内径面と内輪2の外径面の間における転動体4の近傍に位置させている。
上記装着孔7の底部は、上記多孔質材8へ潤滑油を供給する油導入路11に連通しており、この油導入路11は、内周軸受箱26Aから潤滑油導入部材31にわたって設けられた潤滑油供給路12に連通している。潤滑油供給路12は、内周軸受箱26Aに潤滑油供給口12a(図1)を有し、内周軸受箱26Aの内面に軸受箱出口12b(図1)を有している。軸受箱出口12bは、潤滑油導入部材31の外径面に設けられた環状の連通溝12cに連通し、連通溝12cから、径方向に貫通した個別経路12dを介して、潤滑油導入部材31の各油導入路11に連通している。潤滑油供給口12aは、上記潤滑油供給回路37に接続されている。
上記構成の転がり軸受の潤滑装置の作用を説明する。冷却油供給装置34の吐出冷却油の一部は、潤滑油供給回路37から、圧力調整弁38で流量調整され、油ろ過器39を通過して清浄化されて、潤滑油導入部材31の多孔質材装着孔7の底部に圧送される。その油圧で多孔質材8が内輪2の斜面部2bに押し付けられる。この潤滑油は多孔質材8の細孔を経て内輪2の斜面部2bに付着する。斜面部2bに付着した油は、油の持つ表面張力と、内輪2の回転に伴う遠心力とにより、斜面部2bに付着しながら内輪2の軌道面2aへ潤滑油として供給される。このとき、転がり軸受1に供給する潤滑油量は、多孔質材8の断面積、その細孔の孔径や多孔質材容積に対する細孔の空間比率、および油への加圧力で制御可能である。
転がり軸受1の冷却は、冷却油供給装置34から軸受箱26内の冷却油循環路29に循環供給される冷却油によって行われる。
この潤滑装置によると、軸受箱26に設けられた冷却油循環路29へ冷却油を供給する冷却油供給装置34の吐出冷却油の一部を、潤滑油として潤滑油供給回路37により上記潤滑油導入部材31へ導くようにしているので、軸受潤滑油の専用の供給装置が不要となり、コスト低減が可能となる。また、冷却供給装置34から吐出される一部の冷却油を潤滑油として潤滑油供給回路37で転がり軸受1へ供給するので、その供給圧力を初期調整するだけでよく、それ以後のメンテナンスが不要となる。
また、潤滑油供給回路37は、冷却油供給装置34から軸受箱26の冷却油循環路29へ冷却油を供給する冷却油供給回路35から分岐させたものとし、その潤滑油供給回路37に、流入油量調整用の圧力調整弁38と、油ろ過器39とを設けているので、転がり軸受1に適量の清浄油を供給できる。軸受箱26の冷却は、軸受潤滑用として使用する油量が極少量であることから、従来通り可能であり、分岐したことによる冷却能力の低下は無視できる。なお、使用する油は、冷却油供給装置34からの吐出油量を多くするために粘度を小さくすることと、転がり軸受1の潤滑油としての性状とを考慮して選定することが望ましい。
なお、上記実施形態では、潤滑油導入部材31の内輪斜面部2bに対面する円周上の一部に多孔質材8を設けたが、円周上の複数箇所に設けても、また上記円周上の全周に多孔質材8を設けても良い。
図3は、この発明における他の実施形態を示す。この実施形態は、図1,図2に示した第1の実施形態において、潤滑油導入部材31の近傍に、転がり軸受1の内輪2に隣接して環状の油受け部材13が設けられている。この実施形態では、潤滑油導入部材31と油受け部材13とで、請求項で言う「潤滑油導入手段」が構成される。この油受け部材13は、転がり軸受1の内輪2と内輪間座32とで挟まれて軸方向の位置決めがなされる。転がり軸受1における内輪2の軌道面2aよりも上記油受け部材13側の外径面は、軌道面2a側が大径となる斜面部2bとされている。
油受け部材13には、内輪2と反対側の幅面から突出する環状鍔14が外径部に形成されており、この環状鍔14の内径面に油溜凹部15を有する。油溜凹部15は、全周にわたる溝で構成しても良いし、円周方向に複数個を等間隔に隔てて分散配置したものでも良い。また、油受け部材13は、上記環状鍔14と反対側に延びる環状の内向き鍔16を有する。この内向き鍔16は、転がり軸受1における内輪2の斜面部2bの外周に位置してこの斜面部2bとの間に油貯留空間17を形成する。内向き鍔16の先端は保持器5の幅内の内径側に位置させてあり、かつ先端の内径面を、上記斜面部2bとの間に微小隙間δが生じる程度に斜面部2bに近接させてある。上記油貯留空間17にはフェルト等の油吸収部材18が充填されている。油受け部材13には、上記油溜凹部15から内輪2の軌道面2aへ潤滑油を供給する給油路19が貫通して設けられている。この給油路19は、円周上に複数個設けられるか、または各油溜凹部15ごとに複数個設けられる。
転がり軸受1の外輪3に隣接する潤滑油導入部材31には、潤滑油を吐出する吐出口20が一体に設けられる。潤滑油導入部材31は特許請求の範囲における潤滑油導入手段である。潤滑油導入部材31内には、吐出口20に通じる油流路21が設けられている。この油流路21には、吐出口20から吐出する潤滑油の流量を調整可能な流量調整装置22が設けられている。この流量調整装置22は、上記油流路21の入口付近に形成されたテーパ孔21aにテーパニードル23をテーパ孔21aの軸方向に進退調整可能に設置して構成される。テーパニードル23の進退調整は、テーパ孔21a内に回動不能に配置されてテーパニードル23に螺合するロックナット40に対して、テーパニードル23を回すことにより行われる。この進退調整により、テーパ孔21aとテーパニードル23の間の隙間が調整され、その調整で上記油流路21を流れる潤滑油の流量が調整される。油流路21の入口付近におけるロックナット40を挟んだ上流側と下流側の各位置にはOリング41が設けられ、これによりロックナット40の位置決めとシールとが図られている。油流路21から上流側の潤滑油供給路12に至る構成は第1の提案例の場合と同様である。また、この実施形態において、特に説明した事項の他は、第1の提案例と同様である。
この実施形態の潤滑装置の場合、潤滑油導入部材31における吐出口20での潤滑油の吐出量が、油流路21の入口付近に設けられた流量調整装置22により流量調整される。具体的には、ロックナット40に対しテーパニードル23を相対回転させることで、テーパニードル23をテーパ孔21aの軸方向に進退させて、テーパ孔21aとテーパニードル23の間の隙間を調整し、目標とする潤滑油の流量に対応した位置にテーパニードル23を固定する。
このようにして流量調整され吐出口20より吐出された潤滑油は、油受け部材13の回転により、油受け部材13における環状鍔14の内周側の油溜凹部15に溜まる。各油溜凹部15に溜まった潤滑油は、これら油溜凹部15に連通する給油路19を経て、転がり軸受1における内輪2の斜面部2bに流入する。斜面部2bに流入した潤滑油は、斜面部2bと油受け部材13の内向き鍔16との間に形成される油貯留空間17に充填した油吸収部材18に蓄えられる。この油吸収部材18は、潤滑油の貯留と、潤滑油を斜面部2bに付着させる機能を持つ。斜面部2bに付着した潤滑油は、潤滑油に作用する遠心力と潤滑油の表面張力とにより、上記微小隙間δを通り、斜面部2bに沿って転がり軸受1内に流入し、軸受1の潤滑に供される。
この構成の転がり軸受の潤滑装置の場合、エアオイル潤滑のような間欠給油とせずに、回転数に対応した微量の連続給油が可能であり、安定した潤滑性能が得られる。また潤滑油は吐出口20へ圧送するだけで良いため、エアの消費が生じない。
図4は他の提案例を示す。この提案例は、図1,図2に示した第1の実施形態において、潤滑油導入部材31が外輪間座30の内径面に形成された凹部30aに設けられ、この潤滑油導入部材31内に、内輪2の斜面部2bに潤滑油を吐出する吐出口42が形成されている。内輪2の斜面部2bの上記吐出口42と対向する部分には、吐出口42から吐出される潤滑油を受ける油受け円周溝2dが形成されている。また、潤滑油導入部材31、外輪間座30、および内周軸受箱26Aにわたって、上記吐出口42に連通する潤滑油供給路12が形成されている。潤滑油供給路12から潤滑油供給回路37にわたる構成、および潤滑油導入部材31における鍔状部31aの先端のシール部31aaと内輪2の斜面部2bとの関係などは第1の提案例と同様である。
この提案例の構成の場合、潤滑油供給路12から潤滑油導入部材31に供給された潤滑油は、吐出口42から吐出されて内輪2の斜面部2bの油受け円周溝2dに受けられた後、先の各実施形態の場合と同様に斜面部2bを経て軸受1内に供給される。
図5〜図7は、他の提案例を示す。図5は、この提案例の転がり軸受の潤滑装置を備えたスピンドル装置24の一例を示し、図6,図7は図5におけるA部およびB部の拡大断面図を示す。この提案例の潤滑装置では、潤滑油導入部材31から吐出される潤滑油を受ける油受け円周溝43が、図6のように潤滑油導入部材31に隣接する転がり軸受1の内輪2の端面に設けられている。内輪2の外径面には、その軌道面2a側が大径となり、上記油受け円周溝43内に溜まる潤滑油を、この潤滑油に作用する遠心力と表面張力とで内輪2の軌道面2aに導く斜面部2bが形成されている。潤滑油導入部材31は、内輪2の上記油受け円周溝43に対向して開口する吐出口20を有し、この潤滑油導入部材31および内周軸受箱26Aにわたって形成される潤滑油供給路12が上記吐出口20に連通している。潤滑油導入部材31は、第1の実施形態の場合と同様に、側面から軸受1に向けて軸方向に延びる鍔状部31aを有し、その先端のシール部31aaを保持器5の内径面と内輪2の間における転動体4の近傍に位置させている。シール部31aaは、内径面が内輪2の斜面部2bと同一角度αの傾斜面に形成されている。このシール部31aaは、内輪2の斜面部2bに隙間δを持って一部が沿わせてある。上記内輪2の端面の油受け円周溝43の外径面は、内輪端面側が大径となるテーパ面43aとされており、このテーパ面43aから内輪2の斜面部2bに続く内輪表面部2cは円弧状の断面形状とされている。
潤滑油導入部材31における鍔状部31aの上記シール部31aaよりも基端側の部分には、内径側に向けて開口する排油円周溝44が形成され、この排油円周溝44は潤滑油導入部材31から内周軸受箱26Aにわたって形成された排油回収路45(図7)に連通している。排油回収路45は、図7のように上記排油円周溝44の形成部から潤滑油導入部材31内を軸方向に貫通する横孔46、この横孔46の開口部を蓋部材52で覆って構成され内径側に向けて延びる縦孔47と、この縦孔47に続けて潤滑油導入部材31に形成され内径側に向けて延びる縦孔48からなる排油通路49と、内周軸受箱26Aの外径面に形成された排油溝50および排油孔51とで構成される。排油孔51は軸方向に延びて内周軸受箱26Aの端面に開口している。排油溝50は複数箇所設けられ、一部の排油溝50を介して、上記排油通路49以外からの排油が上記排油孔51に導出される。排油孔51に導出された排油は、排油ポンプ53(図5)によって冷却油供給装置34に回収される。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
この提案例の潤滑装置では、潤滑油導入部材31の吐出口20から吐出される油のうち、極微量が転がり軸受1の潤滑油として使用され、大半量は内輪2の冷却に供される。すなわち、潤滑油導入部材31の吐出口20から内輪2の油受け円周溝43に向けて油が吐出されることにより内輪2の冷却が行われる。冷却に供された油の大半量は、排油円周溝44や他の経路から排油回収路45を経て、排油ポンプ53により冷却油供給装置34に戻される。内輪2の油受け円周溝43に吐出された油のうちの極微量は、内輪2の回転に伴う遠心力と油の表面張力により、上記油受け円周溝43のテーパ面43aから斜面部2bに沿って軸受1内に導入され、潤滑油として使用される。なお、転がり軸受1の外輪3の冷却は、第1の実施形態の場合と同様に、冷却油循環路29を流れる冷却油によって行われる。
このように、この提案例の潤滑装置では、内輪端面に油受け円周溝43を設け、潤滑油導入部材31はこの油受け円周溝43に対向して吐出口20を開口させ、内輪2の外径面に斜面部2bを設けているので、潤滑油導入部材31の吐出口20から吐出される油が内輪2の油受け円周溝43に受けられることで内輪2の冷却が可能であるとともに、油受け円周溝43に受けられた油のうち、極微量を内輪2の斜面部2bを経て軸受1に潤滑油として供給することができる。すなわち、この潤滑装置の場合も、潤滑油供給のための専用の油供給装置が要らずコスト低減が可能で、供給油量調整のメンテナンスが不要となると共に、軸受内輪2の冷却も可能となる。
特に、この提案例の場合、高温となり易い発熱源である内輪3を直接に油で冷却しながら、その冷却油の一部が潤滑油に使用されることになるため、軸芯冷却を使用せずに効率的に内輪温度上昇を低減し、しかも過剰な潤滑油の攪拌による軸受駆動のパワーロスが小さく抑えられ、攪拌による発熱も低減する。
また、内輪2の端面の油受け円周溝43の外周側内壁面を、内輪端面側が大径となるテーパ面43aとし、このテーパ面43aから内輪2の斜面部2bに続く内輪表面2cを、円弧状の断面形状としているので、内輪2の回転による遠心力と油の表面張力による上記油受け円周溝43から斜面部2bへの油の移行が円滑に行われることになり、軸受1へ潤滑油を確実に供給できる。
さらに、潤滑油導入部材31には、内輪2の斜面部2bに隙間δを持って対向し、かつ保持器5の内径側まで延びるシール部31aaを設けているので、内輪斜面部2bを経て軸受1内に導入される潤滑油が途中で飛散するのを防止でき、より確実に軸受1内に潤滑油を供給できる。
図8〜図10は、さらに他の提案例を示す。図8はこの提案例の転がり軸受の潤滑装置を備えた縦型のスピンドル装置24の一例を示し、図9および図10は図8におけるC部およびD部の拡大断面図を示す。この実施形態は、図5〜図7に示した実施形態における潤滑装置を、縦に設置したスピンドル装置24における転がり軸受1の潤滑に使用したものである。そのため、重力による軸受1内への油流入を考慮して、図9および図10のように潤滑油導入部材31は転がり軸受1の下側位置に設置してある。その他の構成は図5〜図7の実施形態の場合と同様である。潤滑油導入部材31をこのような配置とすることにより、軸受内への油の過剰流入が防止される。したがって、下側の転がり軸受1に対応する潤滑油導入部材31の組込み位置は、軸受1の正面側とされる。
この提案例の場合も、図5〜図7に示した横型のスピンドル装置24に適用した潤滑装置と同様に、転がり軸受1への潤滑油供給と内輪2の冷却とが行われる。
1…転がり軸受
2…内輪
2a…軌道面
2b…斜面部
5…保持器
8…多孔質材(流量調整装置)
20…吐出口
22…流量調整装置
26…軸受箱
29…冷却油循環路
31…潤滑油導入部材(流量調整装置)
31aa…シール部
34…冷却油供給装置
35…冷却油供給回路
38…圧力調整弁
39…油ろ過器
42…吐出口
43…油受け円周溝
43a…テーパ面

Claims (2)

  1. 軸受箱内に設置された複数の転がり軸受に対して、前記各転がり軸受内にそれぞれ一部が入っている各潤滑油導入手段から潤滑油を微量ずつ吐出して潤滑する転がり軸受の潤滑装置において、
    冷却油供給装置から軸受箱の冷却油循環路へ冷却油を供給する冷却油供給回路を設け、この冷却油供給回路から分岐させて、前記冷却油の一部を上記潤滑油導入手段へ吐出用の潤滑油として導く潤滑油供給回路を設け、この潤滑油供給回路を、前記軸受箱に設けられて前記各潤滑油導入手段にそれぞれ連通する複数の潤滑油供給路の各潤滑油供給口に分けて接続し、前記各潤滑油導入手段のそれぞれに潤滑油の流量を調整可能な流量調整装置を設けると共に、前記潤滑油供給回路における前記各潤滑油供給口に対して分かれる箇所よりも上流側部分に流入油量調整用の圧力調整弁を設けて、この圧力調整弁で圧力調整された潤滑油供給回路内の潤滑油が、前記流量調整装置で流量調整されて前記潤滑油導入手段から微量ずつ吐出されるように構成されたことを特徴とする転がり軸受の潤滑装置。
  2. 請求項1において、前記潤滑油供給回路における前記各潤滑油供給口に対して分かれる箇所よりも上流側部分に、油ろ過器を設けた転がり軸受の潤滑装置。
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