JP2009150247A - 内燃機関及びそのバルブ - Google Patents

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英雅 小坂
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義博 堀田
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Abstract

【課題】シリンダ内の燃焼ガスからバルブに伝わる熱を効率よく逃がす。
【解決手段】吸気バルブ16においては、傘部46の底面46aに第1の異方性熱伝導材61が設けられ、ステム部36に第2の異方性熱伝導材62がステム部36の軸線方向に沿って設けられ、一端部が第1の異方性熱伝導材61に接続され他端部が第2の異方性熱伝導材62に接続された第3の異方性熱伝導材63が傘部46に設けられている。第1の異方性熱伝導材61において、シリンダ11内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の熱伝導率は、傘部46の底面46aに平行な方向が当該底面46aに直交する方向よりも高く、第2の異方性熱伝導材62の熱伝導率は、ステム部36の軸線方向が当該軸線方向に直交する方向よりも高く、第3の異方性熱伝導材63の熱伝導率は、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向が当該方向に直交する方向よりも高い。
【選択図】図3

Description

本発明は、吸気バルブが開いているときに吸気通路内からシリンダ内に新気が吸入され、排気バルブが開いているときにシリンダ内の燃焼ガスが排気通路内へ排出される内燃機関、及びそのバルブに関する。
内燃機関の吸気バルブや排気バルブは、その傘部がシリンダ内に面するため、シリンダ内の高温の燃焼ガスにより加熱される。吸気バルブの温度が高くなると、吸気行程にて吸気通路内からシリンダ内に吸入される吸気(新気)が吸気バルブにより加熱されることで、吸気効率が低下する。また、排気バルブの傘部の温度が高くなると、高温の傘部を起点としてノックが起こりやすくなる。そのため、吸気バルブや排気バルブの温度上昇を抑制することが要求される。
吸気バルブの温度上昇を抑制するために、吸気バルブの傘部及びステム部に中空部を設け、この中空部内にナトリウム等の冷却媒体を封入する技術が用いられている(例えば下記特許文献1)。中空部内に封入されたナトリウムは、内燃機関の使用範囲温度では液状になっており、吸気バルブの動きに応じて中空部内を移動することで、シリンダ内の燃焼ガスから吸気バルブの傘部に伝わる熱を逃がしている。
また、下記特許文献2においては、シリンダヘッド本体のバルブシート部に、銅合金をレーザ等によって肉盛(クラッド)し、これらのクラッド層によってバルブシートを構成している。レーザクラッドによる肉盛層で形成したバルブシートは、シリンダヘッド本体に対して溶着あるいは合金化しているため、バルブシートからシリンダヘッド本体への熱伝導が良好となり、バルブやバルブシートの温度上昇の抑制を図っている。
実開昭63−151911号公報 特開平2−196117号公報
特許文献1においては、シリンダ内の燃焼ガスから傘部に伝わる熱を逃がすために、中空部内に封入されたナトリウムが中空部内を移動する際には、ナトリウムからステム部へステム部の軸線方向に直交する方向に熱が伝わることで、ステム部の温度が高くなる。そのため、シリンダ内の燃焼ガスからバルブに伝わる熱を効率よく逃がすことが困難である。
また、特許文献2において、バルブシートからシリンダヘッド本体への放熱性能を向上させるためには、バルブシートを構成する肉盛層とシリンダヘッド本体との界面に欠陥が少ないことが必要であるが、レーザクラッドを適用した場合でも欠陥を解消することは困難である。そのため、シリンダ内の燃焼ガスからバルブに伝わる熱を効率よく逃がすことが困難である。
本発明は、シリンダ内の燃焼ガスからバルブに伝わる熱を効率よく逃がすことを目的とする。
本発明に係る内燃機関及びそのバルブは、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る内燃機関は、吸気バルブが開いているときに吸気通路内からシリンダ内に新気が吸入され、排気バルブが開いているときにシリンダ内の燃焼ガスが排気通路内へ排出される内燃機関であって、吸気バルブ及び排気バルブはいずれも、ステム部と、当該ステム部の先端部に接続されシリンダ内に臨む傘部と、を含み、吸気バルブ及び排気バルブのいずれか1つ以上においては、傘部の底面に、第1の異方性熱伝導材が設けられ、ステム部に、第2の異方性熱伝導材がステム部の軸線方向に沿って設けられ、傘部に、一端部が第1の異方性熱伝導材に接続され他端部が第2の異方性熱伝導材に接続された第3の異方性熱伝導材が設けられており、第1の異方性熱伝導材において、シリンダ内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の熱伝導率は、傘部の底面に平行な方向が当該底面に直交する方向よりも高く、第2の異方性熱伝導材の熱伝導率は、ステム部の軸線方向が当該軸線方向に直交する方向よりも高く、第3の異方性熱伝導材の熱伝導率は、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向が当該方向に直交する方向よりも高いことを要旨とする。
本発明の一態様では、第1の異方性熱伝導材は、繊維方向の熱伝導率が繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高い第1の繊維集合体を含む熱伝導材であり、第1の繊維集合体の繊維方向が傘部の底面に略平行であることが好適である。
本発明の一態様では、第1の異方性熱伝導材は、傘部の底面上に形成された低熱伝導層と、低熱伝導層を覆い、低熱伝導層よりも高い熱伝導率を有する高熱伝導層と、を含むことが好適である。この態様では、高熱伝導層は、シリンダ内の燃焼ガスに対する耐熱性を有することが好適である。
本発明の一態様では、第1の異方性熱伝導材は、シリンダ内の燃焼ガスに対する耐熱性を有することが好適である。
本発明の一態様では、第2の異方性熱伝導材は、繊維方向の熱伝導率が繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高い第2の繊維集合体を含む熱伝導材であり、第2の繊維集合体の繊維方向が、ステム部の軸線方向に略平行であることが好適である。また、本発明の一態様では、第3の異方性熱伝導材は、繊維方向の熱伝導率が繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高い第3の繊維集合体を含む熱伝導材であり、第3の繊維集合体の繊維方向が、第3の異方性熱伝導材の一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に略一致することが好適である。
本発明の一態様では、第2の異方性熱伝導材の表面に断熱材が設けられており、当該断熱材の熱伝導率は、第2の異方性熱伝導材におけるステム部の軸線方向に直交する方向の熱伝導率よりも低いことが好適である。また、本発明の一態様では、第3の異方性熱伝導材の表面に断熱材が設けられており、当該断熱材の熱伝導率は、第3の異方性熱伝導材における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に直交する方向の熱伝導率よりも低いことが好適である。
本発明の一態様では、第1の異方性熱伝導材において、シリンダ内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の傘部の底面に直交する方向の熱伝導率は、第1の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも低いことが好適である。また、本発明の一態様では、第2の異方性熱伝導材におけるステム部の軸線方向に直交する方向の熱伝導率は、第2の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも低いことが好適である。また、本発明の一態様では、第3の異方性熱伝導材における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に直交する方向の熱伝導率は、第3の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも低いことが好適である。
本発明の一態様では、第1の異方性熱伝導材において、シリンダ内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の傘部の底面に平行な方向の熱伝導率は、第1の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも高いことが好適である。また、本発明の一態様では、第2の異方性熱伝導材におけるステム部の軸線方向の熱伝導率は、第2の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも高いことが好適である。また、本発明の一態様では、第3の異方性熱伝導材における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の熱伝導率は、第3の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも高いことが好適である。
本発明の一態様では、第1の異方性熱伝導材、第2の異方性熱伝導材、及び第3の異方性熱伝導材が吸気バルブに設けられている場合に、第2の異方性熱伝導材は、吸気バルブのステム部の内部に設けられ、第3の異方性熱伝導材は、吸気バルブの傘部の内部に設けられていることが好適である。
また、本発明に係る内燃機関のバルブは、ステム部と、当該ステム部の先端部に接続されシリンダ内に臨む傘部と、を含む内燃機関のバルブであって、傘部の底面に、第1の異方性熱伝導材が設けられ、ステム部に、第2の異方性熱伝導材がステム部の軸線方向に沿って設けられ、傘部に、一端部が第1の異方性熱伝導材に接続され他端部が第2の異方性熱伝導材に接続された第3の異方性熱伝導材が設けられており、第1の異方性熱伝導材において、シリンダ内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の熱伝導率は、傘部の底面に平行な方向が当該底面に直交する方向よりも高く、第2の異方性熱伝導材の熱伝導率は、ステム部の軸線方向が当該軸線方向に直交する方向よりも高く、第3の異方性熱伝導材の熱伝導率は、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向が当該方向に直交する方向よりも高いことを要旨とする。
本発明によれば、シリンダ内の高温の燃焼ガスから第1の異方性熱伝導材に伝わる熱を、バルブの傘部及びステム部(母材)へ伝わるのを抑制しながら、第3の異方性熱伝導材及び第2の異方性熱伝導材を介して放出させることができる。したがって、シリンダ内の燃焼ガスからバルブに伝わる熱を、傘部及びステム部(母材)の温度上昇を抑制しながら効率よく逃がすことができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1,2は、本発明の実施形態に係る内燃機関1の概略構成を示す図であり、図1はシリンダ11の軸線方向と直交する方向から見た内部構成の概略を示し、図2は吸気バルブ16の断面図を示す。内燃機関(エンジン)1は、シリンダブロック9及びシリンダヘッド10を備え、シリンダブロック9及びシリンダヘッド10によりシリンダ11を形成する。シリンダ11内には、その軸線方向に往復運動するピストン12が収容されている。シリンダヘッド10には、シリンダ11内に連通する管路状の吸気通路14及び排気通路15が形成されている。さらに、吸気通路14とシリンダ11内との境界を開閉する吸気バルブ16、及び排気通路15とシリンダ11内との境界を開閉する排気バルブ17が設けられている。吸気バルブ16は、その軸線方向に沿って摺動可能にバルブガイド26に支持されており、吸気通路14内を通ってシリンダ11内との境界(シリンダ11内への開口面)まで延びている。吸気行程にて吸気バルブ16が開いているときに、吸気通路14内からシリンダ11内に吸気(新気)が吸入される。同様に、排気バルブ17はその軸線方向に沿って摺動可能にバルブガイド27に支持されており、排気通路15内を通ってシリンダ11内との境界(シリンダ11内への開口面)まで延びている。
図1では、シリンダ11内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁18がシリンダヘッド10に配設された例を示しているが、本実施形態に係る内燃機関1は、ディーゼルエンジン等の圧縮自着火式内燃機関であってもよいし、ガソリンエンジン等の火花点火式内燃機関であってもよい。圧縮自着火式内燃機関の場合は、例えばピストン12が圧縮上死点付近に位置するときに燃料噴射弁18からシリンダ11内に燃料を噴射することで、シリンダ11内の燃料が自着火して燃焼する。火花点火式内燃機関の場合は、点火時期にて点火栓の火花放電によりシリンダ11内の混合気に点火することで、シリンダ11内の混合気を火炎伝播燃焼させる。シリンダ11内の燃焼ガス(燃焼後の排ガス)は、排気行程にて排気バルブ17が開いているときに排気通路15内へ排出される。
吸気バルブ16は、バルブガイド26に摺動可能に支持された棒状のステム部(軸部)36と、ステム部36の先端部に接続されシリンダ11内に臨む傘部46と、を含む。傘部46の底面46a(平面)は、ステム部36の軸線方向(図2の上下方向)に垂直である。本実施形態では、シリンダ11内に臨む傘部46の底面46aに薄膜状の第1の異方性熱伝導材61が傘部46の底面46aを覆うように設けられ、ステム部36に棒状の第2の異方性熱伝導材62がステム部36の軸線方向に沿って設けられ、傘部46に第3の異方性熱伝導材63が設けられている。第3の異方性熱伝導材63の一端部は第1の異方性熱伝導材61に接続され、第3の異方性熱伝導材63の他端部は第2の異方性熱伝導材62に接続されている。図2に示す例では、第2の異方性熱伝導材62が吸気バルブ16のステム部36の内部に設けられ、第3の異方性熱伝導材63が吸気バルブ16の傘部46の内部に設けられている。図3に示すように、第1の異方性熱伝導材61において、シリンダ11内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の熱伝導率は、傘部46の底面46aに平行な方向が傘部46の底面46aに直交する方向よりも高い。第2の異方性熱伝導材62における熱伝導率は、ステム部36の軸線方向がステム部36の軸線方向に直交する方向よりも高い。第3の異方性熱伝導材63における熱伝導率は、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向が当該方向に直交する方向(当該方向の法線方向)よりも高い。なお、吸気バルブ16(ステム部36及び傘部46)の母材は、熱伝導率に異方性を有しておらず、例えば、アルミニウム(もしくはアルミニウム合金)や、チタン(もしくはチタン合金)を用いることが可能である。
第1の異方性熱伝導材61は、例えば図3,4に示すように、多数の繊維を焼成した繊維集合体61aでマトリクス層61bを補強した薄膜状の繊維強化複合材を含んで構成することができる。ここで、図3はステム部36及び傘部46の断面図を示し、図4は図3のA−A断面図を示す。ここでの第1の異方性熱伝導材61(繊維強化複合材)は、繊維集合体61aの繊維方向の熱伝導率が繊維集合体61aの繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高く、繊維集合体61aの繊維方向が傘部46の底面46aに平行(あるいはほぼ平行)である。これによって、第1の異方性熱伝導材61においては、シリンダ11内の燃焼ガスから熱が伝わる場合に、傘部46の底面46aに平行な方向の熱伝導率が、傘部46の底面46aに直交する方向の熱伝導率よりも高くなる。例えば、繊維集合体61a及びマトリクス層61bにセラミック(SiC(炭化珪素))を用いたセラミック繊維強化複合材を含んで第1の異方性熱伝導材61を構成する場合は、繊維集合体61aの繊維方向(傘部46の底面46aに平行な方向)の熱伝導率は40[W/(m・K)]程度であり、繊維集合体61aの繊維方向に直交する方向(傘部46の底面46aに直交する方向)の熱伝導率は3.6[W/(m・K)]程度である。さらに、第1の異方性熱伝導材61は、シリンダ11内の燃焼ガスに面するため、シリンダ11内の燃焼ガスに対する耐熱性を有することが好ましく、例えば1300[K]以上の耐熱温度を有することが好ましい。例えば、繊維集合体61a及びマトリクス層61bに、1300[K]程度の耐熱温度を有するセラミック(SiC)を用いることで、シリンダ11内の燃焼ガスに対する第1の異方性熱伝導材61の耐熱性を十分に確保することができる。なお、図4に示す例では、繊維集合体61aの繊維が傘部46の底面46aの面内で格子状に形成されているが、必ずしも繊維集合体61aの繊維を格子状に形成する必要はなく、例えば繊維集合体61aの繊維を傘部46の底面46aの面内で放射状に形成することも可能である。
同様に、第2の異方性熱伝導材62も、例えば図3に示すように、多数の繊維を焼成した繊維集合体62aでマトリクス部62bを補強した棒状の繊維強化複合材を含んで構成することができる。ここでの第2の異方性熱伝導材62(繊維強化複合材)は、繊維集合体62aの繊維方向の熱伝導率が繊維集合体62aの繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高く、繊維集合体62aの繊維方向がステム部36の軸線方向に平行(あるいはほぼ平行)である。これによって、第2の異方性熱伝導材62においては、ステム部36の軸線方向の熱伝導率が、ステム部36の軸線方向に直交する方向の熱伝導率よりも高くなる。例えば、繊維集合体62a及びマトリクス部62bに炭素(カーボン)を用いた炭素繊維強化複合材(C/Cコンポジット)を含んで第2の異方性熱伝導材62を構成する場合は、繊維集合体62aの繊維方向(ステム部36の軸線方向)の熱伝導率は40[W/(m・K)]程度であり、繊維集合体62aの繊維方向に直交する方向(ステム部36の軸線方向に直交する方向)の熱伝導率は5[W/(m・K)]程度である。あるいは、繊維集合体62a及びマトリクス部62bにセラミック(SiC)を用いたセラミック繊維強化複合材を含んで第2の異方性熱伝導材62を構成することも可能である。
さらに、第3の異方性熱伝導材63も、例えば図3に示すように、多数の繊維を焼成した繊維集合体63aでマトリクス部63bを補強した棒状の繊維強化複合材を含んで構成することができる。ここでの第3の異方性熱伝導材63(繊維強化複合材)は、繊維集合体63aの繊維方向の熱伝導率が繊維集合体63aの繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高く、繊維集合体63aの繊維方向が第3の異方性熱伝導材63の一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に一致(あるいはほぼ一致)している。これによって、第3の異方性熱伝導材63においては、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の熱伝導率が、当該方向に直交する方向(当該方向の法線方向)の熱伝導率よりも高くなる。繊維集合体63aの一端部は第1の異方性熱伝導材61(繊維集合体61a)に接続されており、繊維集合体63aの他端部は第2の異方性熱伝導材62(繊維集合体62a)に接続されている。例えば、繊維集合体63a及びマトリクス部63bに炭素を用いた炭素繊維強化複合材を含んで第3の異方性熱伝導材63を構成することができる。あるいは、繊維集合体63a及びマトリクス部63bにセラミック(SiC)を用いたセラミック繊維強化複合材を含んで第3の異方性熱伝導材63を構成することもできる。なお、第2の異方性熱伝導材62及び第3の異方性熱伝導材63は、シリンダ11内の燃焼ガスには直接面しないため、第1の異方性熱伝導材61ほど高い耐熱性は要求されない。例えば、第2の異方性熱伝導材62及び第3の異方性熱伝導材63に、無酸素雰囲気下で1600[℃]程度の耐熱温度を有する炭素繊維強化複合材(C/Cコンポジット)を用いることで、第2の異方性熱伝導材62及び第3の異方性熱伝導材63の耐熱性を十分に確保することができる。
吸気バルブ16は、その傘部46の底面46a(第1の異方性熱伝導材61)がシリンダ11内に面するため、シリンダ11内の高温の燃焼ガスから第1の異方性熱伝導材61に熱が伝わる。本実施形態では、図3に示すように、第1の異方性熱伝導材61は、傘部46の底面46aに平行な方向の熱伝導率が高く、傘部46の底面46aに直交する方向の熱伝導率が低いため、第1の異方性熱伝導材61内では、傘部46の底面46aに平行な方向(繊維集合体61aの繊維方向)に伝わる熱量が多くなり、傘部46の底面46aに直交する方向(繊維集合体61aの繊維方向に直交する方向)に伝わる熱量が少なくなる。そのため、第1の異方性熱伝導材61から傘部46(母材)へ傘部46の底面46aに直交する方向に伝わる熱量が抑制され、傘部46(母材)の温度上昇が抑制される。
第1の異方性熱伝導材61内を傘部46の底面46aに平行な方向に伝わる熱は、第1の異方性熱伝導材61に接続された第3の異方性熱伝導材63へ伝わる。本実施形態では、図3に示すように、第3の異方性熱伝導材63は、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の熱伝導率が高く、当該方向に直交する方向(当該方向の法線方向)の熱伝導率が低いため、第3の異方性熱伝導材63内では、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向(繊維集合体63aの繊維方向)に伝わる熱量が多くなり、当該方向の法線方向(繊維集合体63aの繊維方向に直交する方向)に伝わる熱量が少なくなる。そのため、第3の異方性熱伝導材63から傘部46(母材)へ伝わる熱量が抑制され、傘部46(母材)の温度上昇が抑制される。
第3の異方性熱伝導材63内をその一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に伝わる熱は、第3の異方性熱伝導材63に接続された第2の異方性熱伝導材62へ伝わる。本実施形態では、図3に示すように、第2の異方性熱伝導材62は、ステム部36の軸線方向の熱伝導率が高く、ステム部36の軸線方向に直交する方向の熱伝導率が低いため、第2の異方性熱伝導材62内では、ステム部36の軸線方向(繊維集合体62aの繊維方向)に伝わる熱量が多くなり、ステム部36の軸線方向に直交する方向(繊維集合体62aの繊維方向に直交する方向)に伝わる熱量が少なくなる。そのため、第2の異方性熱伝導材62からステム部36(母材)へステム部36の軸線方向に直交する方向に伝わる熱量が抑制され、ステム部36(母材)の温度上昇が抑制される。第2の異方性熱伝導材62内をステム部36の軸線方向に伝わる熱は、ステム部36の根元部(傘部46と反対側の端部)から吸気バルブ16の外部へ放出される。
このように、本実施形態によれば、シリンダ11内の高温の燃焼ガスから第1の異方性熱伝導材61に伝わる熱を、傘部46及びステム部36(母材)へ伝わるのを抑制しながら、傘部46の内部に設けられた第3の異方性熱伝導材63及びステム部36の内部に設けられた第2の異方性熱伝導材62を介して放出させることができる。したがって、シリンダ11内の燃焼ガスから吸気バルブ16に伝わる熱を、傘部46及びステム部36(母材)の温度上昇を抑制しながら効率よく逃がすことができる。そのため、吸気行程にて吸気通路14内からシリンダ11内に吸入される吸気(新気)が吸気バルブ16の傘部46及びステム部36(母材)により加熱されるのを抑制することができ、吸気温度を低下させて吸気効率を向上させることができる。その結果、過給エンジンにおいては、同じターボチャージャーを使用しても過給圧をより増加させることができ、燃焼を希薄化させて燃費を向上させることができる。また、吸気効率を向上させることで、希薄燃焼による窒素酸化物(NOx)生成量減少にもつながり、ディーゼル及びリーンブーストガソリンエンジンにおいては、後処理用として行うポスト噴射を削減できるために燃費向上にもつながる。また、ガソリンエンジンにおいては、吸気温度を低下させることができるとともに、シリンダ11内に臨む傘部46の底面46a(第1の異方性熱伝導材61)の温度も低下させることができるため、耐ノック性を向上させることができ、燃費向上につながる。なお、吸気バルブの中空部内にナトリウムを封入する場合は、ナトリウムは酸化反応性が高いため、封入時及び廃棄時の取り扱いが難しくなるが、本実施形態では、酸化反応性の高いナトリウムを用いることなく、シリンダ11内の燃焼ガスから吸気バルブ16に伝わる熱を効率よく逃がすことができる。
また、第1の異方性熱伝導材61から傘部46(母材)へ伝わる熱量をより抑制するためには、第1の異方性熱伝導材61において、シリンダ11内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の傘部46の底面46aに直交する方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低いことが好ましい。さらに、第1の異方性熱伝導材61において、シリンダ11内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の傘部46の底面46aに平行な方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも高いことが好ましい。例えば、繊維集合体61a及びマトリクス層61bにセラミック(SiC)を用い、吸気バルブ16の母材に、21.9[W/(m・K)]程度の熱伝導率を有するチタン(もしくはチタン合金)を用いることで、第1の異方性熱伝導材61において、傘部46の底面46aに直交する方向(繊維集合体61aの繊維方向に直交する方向)の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなり、さらに、傘部46の底面46aに平行な方向(繊維集合体61aの繊維方向)の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも高くなる。また、繊維集合体61a及びマトリクス層61bにセラミック(SiC)を用い、吸気バルブ16の母材に、193[W/(m・K)]程度の熱伝導率を有するアルミニウム(もしくはアルミニウム合金)を用いることによっても、第1の異方性熱伝導材61における傘部46の底面46aに直交する方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなる。ただし、この場合は、第1の異方性熱伝導材61における傘部46の底面46aに平行な方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなる。
同様に、第3の異方性熱伝導材63から傘部46(母材)へ伝わる熱量をより抑制するためには、第3の異方性熱伝導材63における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に直交する方向(法線方向)の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低いことが好ましい。さらに、第3の異方性熱伝導材63における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも高いことが好ましい。例えば、繊維集合体63a及びマトリクス部63bに炭素繊維強化複合材を用い、吸気バルブ16の母材にチタン(もしくはチタン合金)を用いることで、第3の異方性熱伝導材63において、一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の法線方向(繊維集合体63aの繊維方向の法線方向)の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなり、さらに、一端部から内部を通って他端部へ向かう方向(繊維集合体63aの繊維方向)の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも高くなる。また、繊維集合体63a及びマトリクス部63bに炭素繊維強化複合材を用い、吸気バルブ16の母材にアルミニウム(もしくはアルミニウム合金)を用いることによっても、第3の異方性熱伝導材63における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の法線方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなる。ただし、この場合は、第3の異方性熱伝導材63における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなる。
同様に、第2の異方性熱伝導材62からステム部36(母材)へ伝わる熱量をより抑制するためには、第2の異方性熱伝導材62におけるステム部36の軸線方向に直交する方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低いことが好ましい。さらに、第2の異方性熱伝導材62におけるステム部36の軸線方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも高いことが好ましい。例えば、繊維集合体62a及びマトリクス部62bに炭素繊維強化複合材を用い、吸気バルブ16の母材にチタン(もしくはチタン合金)を用いることで、第2の異方性熱伝導材62において、ステム部36の軸線方向に直交する方向(繊維集合体62aの繊維方向に直交する方向)の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなり、さらに、ステム部36の軸線方向(繊維集合体62aの繊維方向)の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも高くなる。また、繊維集合体62a及びマトリクス部62bに炭素繊維強化複合材を用い、吸気バルブ16の母材にアルミニウム(もしくはアルミニウム合金)を用いることによっても、第2の異方性熱伝導材62におけるステム部36の軸線方向に直交する方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなる。ただし、この場合は、第2の異方性熱伝導材62におけるステム部36の軸線方向の熱伝導率が、吸気バルブ16の母材の熱伝導率よりも低くなる。
次に、本実施形態の他の構成例について説明する。
本実施形態では、図5に示すように、第1の異方性熱伝導材61を、傘部46の底面46a上に形成された薄膜状の低熱伝導層61cと、低熱伝導層61cを覆うように低熱伝導層61c上に形成され、低熱伝導層61cよりも高い熱伝導率を有する薄膜状の高熱伝導層61dと、を含んで構成することもできる。ここで、図5はステム部36及び傘部46の断面図を示す。第3の異方性熱伝導材63の一端部は、高熱伝導層61dに接続されている。ここでの低熱伝導層61cとしては、例えば、3.0[W/(m・K)]程度の熱伝導率を有するジルコニアや、8.4[W/(m・K)]程度の熱伝導率を有するチタニア等を用いることができる。一方、ここでの高熱伝導層61dとしては、例えば、14.86[W/(m・K)]程度の熱伝導率を有するニッケル合金等を用いることができる。ニッケル合金は、1500[K]程度の耐熱温度を有するため、シリンダ11内に臨む高熱伝導層61dにニッケル合金を用いることで、高熱伝導層61dは、シリンダ11内の燃焼ガスに対する耐熱性を有することができ、シリンダ11内の燃焼ガスに対する第1の異方性熱伝導材61の耐熱性を十分に確保することができる。
図5に示す構成例では、熱伝導率の高い高熱伝導層61dと傘部46(底面46a)との間に熱伝導率の低い低熱伝導層61cが配置されているため、シリンダ11内の燃焼ガスから高熱伝導層61dに熱が伝わる場合は、高熱伝導層61d内を傘部46の底面46aに平行な方向に伝わるときの熱伝導率が高くなって熱量が多くなり、高熱伝導層61dから低熱伝導層61cへ傘部46の底面46aに直交する方向に伝わるときの熱伝導率が低くなって熱量が少なくなる。そのため、図5に示す構成例でも、第1の異方性熱伝導材61において、シリンダ11内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の熱伝導率は、傘部46の底面46aに平行な方向が傘部46の底面46aに直交する方向よりも高くなり、第1の異方性熱伝導材61から傘部46(母材)へ傘部46の底面46aに直交する方向に伝わる熱量が抑制される。高熱伝導層61d内を傘部46の底面46aに平行な方向に伝わる熱は、高熱伝導層61dに接続された第3の異方性熱伝導材63へ伝わる。その結果、図5に示す構成例でも、シリンダ11内の燃焼ガスから吸気バルブ16に伝わる熱を、傘部46及びステム部36(母材)の温度上昇を抑制しながら効率よく逃がすことができる。
また、本実施形態では、図6に示すように、第2の異方性熱伝導材62の表面に、(熱伝導率に異方性を有さない)断熱材72を、第2の異方性熱伝導材62を覆うように形成することもできる。ここで、図6は吸気バルブ16(ステム部36及び傘部46)の断面図を示す。ここでの断熱材72の熱伝導率は、第2の異方性熱伝導材62におけるステム部36の軸線方向に直交する方向の熱伝導率よりも低い。例えば、3.0[W/(m・K)]程度の熱伝導率を有するジルコニアを断熱材72に用い、繊維集合体62a及びマトリクス部62bに炭素繊維強化複合材を用いることで、断熱材72の熱伝導率が、第2の異方性熱伝導材62におけるステム部36の軸線方向に直交する方向(繊維集合体62aの繊維方向に直交する方向)の熱伝導率よりも低くなる。第2の異方性熱伝導材62の表面に熱伝導率の低い断熱材72を設けることで、第2の異方性熱伝導材62からステム部36(母材)へステム部36の軸線方向に直交する方向に伝わる熱量をさらに抑制することができ、ステム部36(母材)の温度上昇をさらに抑制することができる。
同様に、図6に示すように、第3の異方性熱伝導材63の表面に、(熱伝導率に異方性を有さない)断熱材73を、第3の異方性熱伝導材63を覆うように設けることもできる。ここでの断熱材73の熱伝導率は、第3の異方性熱伝導材63における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に直交する方向(法線方向)の熱伝導率よりも低い。例えば、断熱材73にジルコニアを用い、繊維集合体63a及びマトリクス部63bに炭素繊維強化複合材を用いることで、断熱材73の熱伝導率が、第3の異方性熱伝導材63における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の法線方向(繊維集合体63aの繊維方向の法線方向)の熱伝導率よりも低くなる。第3の異方性熱伝導材63の表面に熱伝導率の低い断熱材73を設けることで、第3の異方性熱伝導材63から傘部46(母材)へ伝わる熱量をさらに抑制することができ、傘部46(母材)の温度上昇をさらに抑制することができる。
また、本実施形態では、図7に示すように、第1の異方性熱伝導材61、第2の異方性熱伝導材62、及び第3の異方性熱伝導材63を排気バルブ17に設けることもできる。ここで、図7は排気バルブ17の断面図を示す。排気バルブ17も、吸気バルブ16と同様に、バルブガイド27に摺動可能に支持された棒状のステム部(軸部)36と、ステム部36の先端部に接続されシリンダ11内に臨む傘部46と、を含み、傘部46の底面46a(平面)は、ステム部36の軸線方向(図7の上下方向)に垂直である。排気バルブ17(ステム部36及び傘部46)の母材も、熱伝導率に異方性を有しておらず、例えば、アルミニウム(もしくはアルミニウム合金)や、チタン(もしくはチタン合金)を用いることが可能である。図7に示す例では、第1の異方性熱伝導材61が排気バルブ17の傘部46の底面46aに設けられ、第2の異方性熱伝導材62が排気バルブ17のステム部36の内部に設けられ、第3の異方性熱伝導材63が排気バルブ17の傘部46の内部に設けられている。第1の異方性熱伝導材61、第2の異方性熱伝導材62、及び第3の異方性熱伝導材63の構成は、吸気バルブ16に設ける場合と同様である。第1の異方性熱伝導材61、第2の異方性熱伝導材62、及び第3の異方性熱伝導材63を排気バルブ17に設けることで、シリンダ11内の燃焼ガスから排気バルブ17に伝わる熱を、傘部46及びステム部36(母材)の温度上昇を抑制しながら効率よく逃がすことができる。その結果、シリンダ11内に臨む傘部46の底面46a(第1の異方性熱伝導材61)の温度を低下させることができ、耐ノック性を向上させることができる。このように、本実施形態では、第1の異方性熱伝導材61、第2の異方性熱伝導材62、及び第3の異方性熱伝導材63を、吸気バルブ16及び排気バルブ17のいずれか1つ以上に設けることができる。
なお、第1の異方性熱伝導材61、第2の異方性熱伝導材62、及び第3の異方性熱伝導材63を排気バルブ17に設ける場合は、図8に示すように、第2の異方性熱伝導材62を排気バルブ17のステム部36の表面(外周面)にステム部36(母材)を覆うように設け、第3の異方性熱伝導材63を排気バルブ17の傘部46の表面(外周面)に傘部46(母材)を覆うように設けることもできる。ここで、図8は排気バルブ17(ステム部36及び傘部46)の断面図を示す。図8に示す構成例においても、シリンダ11内に臨む傘部46の底面46a(第1の異方性熱伝導材61)の温度を低下させることができ、耐ノック性を向上させることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施形態に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関のバルブの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関のバルブの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関のバルブの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関のバルブの他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関のバルブの他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関のバルブの他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関のバルブの他の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関、9 シリンダブロック、10 シリンダヘッド、11 シリンダ、12 ピストン、14 吸気通路、15 排気通路、16 吸気バルブ、17 排気バルブ、18 燃料噴射弁、26,27 バルブガイド、36 ステム部、46 傘部、46a 底面、61 第1の異方性熱伝導材、61a,62a,63a 繊維集合体、61b マトリクス層、62b,63b マトリクス部、61c 低熱伝導層、61d 高熱伝導層、62 第2の異方性熱伝導材、63 第3の異方性熱伝導材、72,73 断熱材。

Claims (17)

  1. 吸気バルブが開いているときに吸気通路内からシリンダ内に新気が吸入され、排気バルブが開いているときにシリンダ内の燃焼ガスが排気通路内へ排出される内燃機関であって、
    吸気バルブ及び排気バルブはいずれも、ステム部と、当該ステム部の先端部に接続されシリンダ内に臨む傘部と、を含み、
    吸気バルブ及び排気バルブのいずれか1つ以上においては、
    傘部の底面に、第1の異方性熱伝導材が設けられ、
    ステム部に、第2の異方性熱伝導材がステム部の軸線方向に沿って設けられ、
    傘部に、一端部が第1の異方性熱伝導材に接続され他端部が第2の異方性熱伝導材に接続された第3の異方性熱伝導材が設けられており、
    第1の異方性熱伝導材において、シリンダ内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の熱伝導率は、傘部の底面に平行な方向が当該底面に直交する方向よりも高く、
    第2の異方性熱伝導材の熱伝導率は、ステム部の軸線方向が当該軸線方向に直交する方向よりも高く、
    第3の異方性熱伝導材の熱伝導率は、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向が当該方向に直交する方向よりも高い、内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関であって、
    第1の異方性熱伝導材は、繊維方向の熱伝導率が繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高い第1の繊維集合体を含む熱伝導材であり、
    第1の繊維集合体の繊維方向が傘部の底面に略平行である、内燃機関。
  3. 請求項1に記載の内燃機関であって、
    第1の異方性熱伝導材は、
    傘部の底面上に形成された低熱伝導層と、
    低熱伝導層を覆い、低熱伝導層よりも高い熱伝導率を有する高熱伝導層と、
    を含む、内燃機関。
  4. 請求項3に記載の内燃機関であって、
    高熱伝導層は、シリンダ内の燃焼ガスに対する耐熱性を有する、内燃機関。
  5. 請求項1または2に記載の内燃機関であって、
    第1の異方性熱伝導材は、シリンダ内の燃焼ガスに対する耐熱性を有する、内燃機関。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第2の異方性熱伝導材は、繊維方向の熱伝導率が繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高い第2の繊維集合体を含む熱伝導材であり、
    第2の繊維集合体の繊維方向が、ステム部の軸線方向に略平行である、内燃機関。
  7. 請求項1〜6のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第3の異方性熱伝導材は、繊維方向の熱伝導率が繊維方向に直交する方向の熱伝導率よりも高い第3の繊維集合体を含む熱伝導材であり、
    第3の繊維集合体の繊維方向が、第3の異方性熱伝導材の一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に略一致する、内燃機関。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第2の異方性熱伝導材の表面に断熱材が設けられており、
    当該断熱材の熱伝導率は、第2の異方性熱伝導材におけるステム部の軸線方向に直交する方向の熱伝導率よりも低い、内燃機関。
  9. 請求項1〜8のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第3の異方性熱伝導材の表面に断熱材が設けられており、
    当該断熱材の熱伝導率は、第3の異方性熱伝導材における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に直交する方向の熱伝導率よりも低い、内燃機関。
  10. 請求項1〜9のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第1の異方性熱伝導材において、シリンダ内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の傘部の底面に直交する方向の熱伝導率は、第1の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも低い、内燃機関。
  11. 請求項1〜10のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第2の異方性熱伝導材におけるステム部の軸線方向に直交する方向の熱伝導率は、第2の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも低い、内燃機関。
  12. 請求項1〜11のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第3の異方性熱伝導材における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向に直交する方向の熱伝導率は、第3の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも低い、内燃機関。
  13. 請求項1〜12のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第1の異方性熱伝導材において、シリンダ内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の傘部の底面に平行な方向の熱伝導率は、第1の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも高い、内燃機関。
  14. 請求項1〜13のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第2の異方性熱伝導材におけるステム部の軸線方向の熱伝導率は、第2の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも高い、内燃機関。
  15. 請求項1〜14のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第3の異方性熱伝導材における一端部から内部を通って他端部へ向かう方向の熱伝導率は、第3の異方性熱伝導材が設けられたバルブの母材の熱伝導率よりも高い、内燃機関。
  16. 請求項1〜15のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    第1の異方性熱伝導材、第2の異方性熱伝導材、及び第3の異方性熱伝導材が吸気バルブに設けられている場合に、
    第2の異方性熱伝導材は、吸気バルブのステム部の内部に設けられ、
    第3の異方性熱伝導材は、吸気バルブの傘部の内部に設けられている、内燃機関。
  17. ステム部と、当該ステム部の先端部に接続されシリンダ内に臨む傘部と、を含む内燃機関のバルブであって、
    傘部の底面に、第1の異方性熱伝導材が設けられ、
    ステム部に、第2の異方性熱伝導材がステム部の軸線方向に沿って設けられ、
    傘部に、一端部が第1の異方性熱伝導材に接続され他端部が第2の異方性熱伝導材に接続された第3の異方性熱伝導材が設けられており、
    第1の異方性熱伝導材において、シリンダ内の燃焼ガスから熱が伝わる場合の熱伝導率は、傘部の底面に平行な方向が当該底面に直交する方向よりも高く、
    第2の異方性熱伝導材の熱伝導率は、ステム部の軸線方向が当該軸線方向に直交する方向よりも高く、
    第3の異方性熱伝導材の熱伝導率は、その一端部から内部を通って他端部へ向かう方向が当該方向に直交する方向よりも高い、内燃機関のバルブ。
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