JP2009149595A - シアノエチルエーテル類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルコール類とアクリロニトリルとの反応を非エーテル系溶媒/アルカリ水溶液2相系で行うことを特徴とするシアノエチルエーテル類の製造方法。
【選択図】なし
Description
(1)アルコール類とアクリロニトリルとの反応を非エーテル系溶媒/アルカリ水溶液ニ相系で行うことを特徴とするシアノエチルエーテル類の製造方法。
(2)前記非エーテル系溶媒が置換ベンゼンであることを特徴とする前記(1)に記載のシアノエチルエーテル類の製造方法。
(3)前記置換ベンゼンがトルエンであることを特徴とする前記(2)に記載のシアノエチルエーテル類の製造方法。
(4)前記アルカリ水溶液がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の水溶液であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のシアノエチルエーテル類の製造方法。
(5)前記アルコール類とアクリロニトリルとの反応において、下記一般式(III)で表される化合物を用いることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のシアノエチルエーテル類の製造方法。
(6)前記アルコール類および前記シアノエチルエーテル類がそれぞれ下記一般式(I) および一般式(II)で表される化合物であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のシアノエチルエーテル類の製造方法。
式(II)中、R1およびnは前記と同義である。
本発明は、少なくとも、相互に非相溶性である非エーテル系有機溶媒とアルカリ水溶液との二液相存在下に、アルコール類とアクリロニトリルとを反応させるシアノエチルエーテル化合物の製造方法である。
本発明において用いられるアルカリ水溶液のアルカリは、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物から選ばれ、好ましくはアルカリ金属水酸化物である。アルカリ金属水酸化物として好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムであり、より好ましくは水酸化カリウムである。アルカリは、アルコール類に対して5モル%〜200モル%、好ましくは10モル%〜190モル%、より好ましくは10モル%〜180モル%を用いるのが適切である。
本発明において、反応温度は0℃〜140℃、好ましくは5℃〜100℃、より好ましくは5℃〜30℃である。
非エーテル系溶媒のアルコール類に対する好ましい含有量は、1V/W%〜100V/W%、より好ましくは1V/W%〜50V/W%、さらに好ましくは2V/W%〜20V/W%である。
アクリロニトリルのアルコール類に対する好ましい含有量は、0.95等量〜20等量、より好ましくは0.95等量〜10等量、さらに好ましくは0.95V/W%〜5V/W%である。
本発明で用いるアルコール類としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(I)で表される化合物等がある。
本発明で用いることができる反応促進剤としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(III)で表される化合物等がある。
一般式(III)において、Zは窒素原子または燐原子を表す。好ましくは窒素原子である。mは1〜3の整数を表す。
Xは電化均衡対イオンとして陰イオンを表す。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン(例えば、一価の硫酸一水素イオン、二価の硫酸イオン)、燐酸イオン(例えば、一価の燐酸ニ水素イオン、二価の燐酸一水素イオン、三価の燐酸イオン)、水酸化物イオン、イソシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ素イオン、ヘキサフルオロ燐イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。
dは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。好ましくは1〜3の整数を表す。
一般式(III)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
反応促進剤の好ましい添加量は、アルコール類に対し、0.1モル%〜100モル%、より好ましくは0.1モル%〜50モル%、さらに好ましくは0.1モル%〜10モル%である。
本発明の方法で得られるシアノエチルエーテル類としては、特に限定されないが、例えば、一般式(II)で表される化合物等がある。
ペンタエリスリトール(PE)150g(1.10mol)および40wt%水酸化カリウム水溶液120ml(対PE66mol%)をトルエン525mlに加えた。15〜25℃にてアクリロニトリル953.4g(17.6mol)を1時間30分かけて滴下した。その後、20〜25℃にて3時間攪拌した後、淡黄色の反応液にトルエン975mlと5wt%食塩水1200mlを加え数分間攪拌し分液した。有機層を5wt%食塩水1200mlで2回洗浄後、濃塩酸20mlと5wt%食塩水1200mlで2回洗浄した。更に有機層を5wt%食塩水1200mlで数回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、無色油状物419.7gを得た。濃縮残渣に含まれる副生物ビスシアノエチルエーテルを減圧蒸留にて留去し、無色油状物の例示化合物C−8(HPLC(カラム:SHISEIDO CAPCELL PAK、溶離液:メタノール/水)による純度99%)372g(収率97%)を得た。尚、得られた無色油状物は室温放置で白色固体となった。
1H-NMR(CDCl3):σ3.67(t,J=6.0 Hz,8H) ,3.49(S,8H)
2.61(t,J=6.0 Hz,8H)
ペンタエリスリトール(PE)21.36g(0.156mol)および40wt%水酸化カリウム水溶液17.1ml(対PE66mol%)をキシレン74.8mlに加えた。15〜25℃にてアクリロニトリル133.2g(2.51mol)を1時間かけて滴下した。その後、20〜25℃にて3時間攪拌した後、淡黄色の反応液にトルエン138mlと5wt%食塩水170mlを加え数分間攪拌し分液した。有機層を5wt%食塩水170mlで2回洗浄後、濃塩酸4mlと5wt%食塩水170mlで2回洗浄した。更に有機層を5wt%食塩水170mlで数回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、無色油状物59.7gを得た。濃縮残渣に含まれる副生物ビスシアノエチルエーテルを減圧蒸留にて留去し、無色油状物の例示化合物C-8(HPLCによる純度99%)50.4g(収率92%
)を得た。尚、得られた無色油状物は室温放置で白色固体となった。
トリメチロールエタン(TME)60.08g(0.50mol)および40wt%水酸化カリウム水溶液8.4ml(対TME12mol%)をトルエン210mlに加えた。15〜25℃にてアクリロニトリル159.2g(3.0mol)を50分かけて滴下した。その後、20〜25℃にて2時間攪拌した後、淡黄色の反応液にトルエン390mlと5wt%食塩水750mlを加え数分間攪拌し分液した。有機層を5wt%食塩水750mlで2回洗浄後、濃塩酸12mlと5wt%食塩水750mlで洗浄した。更に有機層を5wt%食塩水750mlで数回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、無色油状物159.1gを得た。濃縮残渣に含まれる副生物ビスシアノエチルエーテルを減圧蒸留にて留去し、無色油状物の例示化合物C-5(HPLCによる純度99%)134g(収率96%)を得た。
1H-NMR(CDCl3):σ3.65(t,J=6.0 Hz,6H) ,3.38(S,6H)
2.60(t,J=6.0 Hz,6H),1.60(S,3H)
トリメチロールエタン(TME)60.08g(0.50mol)および40wt%水酸化ナトリウム水溶液6.4ml(対TME12mol%)をトルエン210mlに加えた。15〜25℃にてアクリロニトリル159.2g(3.0mol)を50分かけて滴下した。その後、20〜25℃にて4時間攪拌した後、淡黄色の反応液にトルエン390mlと5wt%食塩水750mlを加え数分間攪拌し分液した。有機層を5wt%食塩水750mlで2回洗浄後、濃塩酸12mlと5wt%食塩水750mlで洗浄した。更に有機層を5wt%食塩水750mlで数回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、無色油状物156gを得た。濃縮残渣に含まれる副生物ビスシアノエチルエーテルを減圧蒸留にて留去し、無色油状物の例示化合物C-5(HPLCによる純度98%)132.6g(収率95%)を得た。
ペンタエリスリトール(PE)10g(0.073mol)、50wt%水酸化カリウム水溶液8ml(対PE118mol%)およびベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.1g(対PE0.73mol%)をトルエン35mlに加えた。15〜20℃にてアクリロニトリル15.58g(0.293mol)を3時間かけて滴下した後、淡黄色の反応液にトルエン45ml加え分液した。有機層を5wt%食塩水72mlで2回洗浄後、濃塩酸1.5mlと5wt%食塩水72mlで2回洗浄した。更に有機層を5wt%食塩水170mlで数回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し、無色油状物の例示化合物C-8(HPLCによる純度98%)25g(収率96%)を得た。尚、得られた無色油状物は室温放置で白色固体となった。
ペンタエリスリトール(PE)6.29g(0.046mol)、40wt%水酸化カリウム水溶液5ml(対PE66mol%)をジオキサン22mlに加えた。15〜25℃にてアクリロニトリル39.2g(0.738mol)を50分かけて滴下した。その後、20〜25℃にて3時間攪拌した後、黄色の反応液にトルエン100mlと5wt%食塩水80mlを加え数分間攪拌すると黄色固体が析出した。黄色固体を濾別し分液後、有機層を5wt%食塩水100mlで2回洗浄後、濃塩酸1.2mlと5wt%食塩水100mlで2回洗浄した。更に有機層を5wt%食塩水100mlで数回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。濾過後、溶媒を減圧留去し無色油状物14.2gを得た。濃縮残渣に含まれる副生物ビスシアノエチルエーテルを減圧蒸留にて留去し無色油状物の例示化合物C-8(HPLCによる純度95%)14.2g(収率88.2%)を得た。尚、得られた無色油状物は室温放置で白色固体となった。
ペンタエリスリトール(PE)6.84g(0.05mol)、水2mlおよび40wt%水酸化カリウム水溶液1ml(対PE12.1mol%)をジオキサン20mlに加えた。0℃にてアクリロニトリル16.2g(0.305mol)を10分かけて滴下した。その後、室温にて48時間攪拌した後、溶媒を減圧留去し黄褐色油状物を得た。得られた黄褐色油状物にジクロロメタン100mlと10wt%食塩水50ml加え洗浄すると黄褐色固体析出した。黄褐色固体を濾別し分液した。水層をジクロロメタン25mlで2回再抽出した後、最初の有機層と混合して無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、無色油状物15.9gを得た。濃縮残渣に含まれる副生物ビスシアノエチルエーテルを減圧蒸留にて留去し、無色油状物の例示化合物C-8(HPLCによる純度96%)14.4g(収率82.3%)を得た。尚、得られた無色油状物は室温放置で白色固体となった。
Claims (6)
- アルコール類とアクリロニトリルとの反応を非エーテル系溶媒/アルカリ水溶液2相系で行うことを特徴とするシアノエチルエーテル類の製造方法。
- 前記非エーテル系溶媒が置換ベンゼンであることを特徴とする請求項1記載のシアノエチルエーテル類の製造方法。
- 前記置換ベンゼンがトルエンであることを特徴とする請求項2記載のシアノエチルエーテル類の製造方法。
- 前記アルカリ水溶液がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の水溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシアノエチルエーテル類の製造方法。
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2008
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