JP2009148937A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 流路の総体積を確保しつつ、基板と流路形成部材との接合性が確保され液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】 前記基板上に、ポジ型感光性樹脂を含み、相対的に屈折率の高い第1の層と、該第1の層上に設けられ、ポジ型感光性樹脂を含み、相対的に屈折率の低い第2の層と、を有する積層物を用意する工程と、を有し、前記積層物を露光して流路のパターンとして用いることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 前記基板上に、ポジ型感光性樹脂を含み、相対的に屈折率の高い第1の層と、該第1の層上に設けられ、ポジ型感光性樹脂を含み、相対的に屈折率の低い第2の層と、を有する積層物を用意する工程と、を有し、前記積層物を露光して流路のパターンとして用いることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドおよびその製造方法に関し、具体的にはインクを被記録媒体に吐出することにより記録を行うインクジェット記録ヘッドの製造方法に関するものである。
液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いる例としては、インクを被記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録方式が挙げられる。
インクジェット記録方式(液体噴射記録方式)に適用されるインクジェット記録ヘッドは、一般に微細な吐出口、液流路及び該液流路の一部に設けられる液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を複数備えている。従来、このようなインクジェット記録ヘッドを作製する方法としては、例えば特許文献1に記載がある。
まず、エネルギー発生素子が形成された基板上に、溶解可能な樹脂にてインク流路のパターンを形成する。次いで、このインク流路パターン上に、インク流路壁となるエポキシ樹脂及び光カチオン重合開始剤を含む被覆樹脂層を形成し、フォトリソグラフィーによりエネルギー発生素子上に吐出口を形成する。最後に前記溶解可能な樹脂を溶出してインク流路壁となる被覆樹脂層を硬化させる。
このような製造方法では、現状から用いられている材料では型材のパターニング精度に一定の限界があるものの、従来のノズル密度(600dpi)までは、図3に示すように良好なノズル壁106を形成することが可能である。なお、ノズル壁106のアスペクト比(高さと幅との比)は4:3である。
特開平6−286149号公報
これに対し、ノズル密度を1200dpiに向上させた場合には、感光性材料からなる型材の解像力が不足し、ノズル壁106を良好に形成できないという課題が発生する。例えば、図4に示すようにノズル壁106の端部がノズル密着向上層107から剥がれてしまうと、隣接するノズル同士が連通してクロストークの影響を受けるため、インクを良好に吐出させることができない。
この対策としては、型材の材料を解像力のより高い材料に変更することが考えられる。しかし、解像力のより高い材料を直ちに開発することは困難である。他の対策としては、型材の厚みを小さくすることも考えられる。しかし、ノズル密度を1200dpiに向上させた場合には各ノズル流路の流路幅が減少するため、ノズルへのインクのリフィル不足が発生しやすくなる。そのため、各ノズル流路の流路断面積を確保してそのようなリフィル不足を補うためには、各ノズル流路の高さを高くする必要がある。したがって、型材の厚みを小さくすることは現実的ではない。したがって、ノズル密度を向上させた場合に生じる問題を、上述した2つの対策によって解決することはできない。
本発明は上記課題を鑑みなされたものであって、裾引き等が低減され、パターニング形状の良好な型材を作製し、ノズル密度が向上した際にもノズル壁と基板の密着性が確保された信頼性の高い液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を有する基板と、液体を吐出する吐出口と、前記吐出口と連通する液体の流路と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、前記基板上に、前記流路のパターンを設ける工程と、前記パターン上に前記パターンを被覆する被覆層を設ける工程と、前記パターンを除去し、前記流路を設ける工程と、を有し、前記パターンを設ける工程は、前記基板上に、ポジ型感光性樹脂を含み、相対的に屈折率の高い第1の層と、該第1の層上に設けられ、ポジ型感光性樹脂を含み、相対的に屈折率の低い第2の層と、を有する積層物を用意する工程と、前記第1の層と前記第2の層とを一括して露光する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明では、新たな型材材料の開発や、型材の厚みを小さくする等の手段を講じることなく、裾引き等が低減され、パターニング形状の良好な型材を作製することができる。これにより、ノズル密度が向上した際にもノズル壁と基板の密着性が確保された信頼性の高い液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を説明する。なお、以下の説明では,同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
なお、液体吐出ヘッドは、インクジェット記録ヘッドとしてプリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。例えば、バイオッチップ作成や電子回路印刷、薬物を噴霧状に吐出するなどの用途としても用いることができる。
例えば、このインクジェット記録ヘッドによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うこともできる。なお、本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに、「インク」または「液体」とは、広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインクまたは記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。ここで、インクまたは記録媒体の処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位ないし発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを言う。
図2は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを示す模式図である。
また図1は本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの模式的断面図であり、図2のA’−Aに沿った断面図である。
本実施形態の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギ−発生素子2が所定のピッチで2列に並んで形成されたSiの基板1を有している。基板1には、Siを異方性エッチングすることによって形成された供給口3が、エネルギー発生素子2の2つの列の間に開口されている。基板1上には、流路形成部材4によって、各エネルギー発生素子に対向する位置に設けられた吐出口5と、供給口3から各吐出口5に連通する個別の流路が形成されている。なお、吐出口の位置は、上記のエネルギー発生素子と対向する位置に限定されるものではない。
この液体吐出ヘッドは、吐出口5が形成された面が例えば記録媒体の記録面に対面するように配置される。そしてこの液体吐出ヘッドは、供給口3を介して流路内に充填された液体に、エネルギー発生素子2によって発生するエネルギー発生素子が利用され、吐出口5から液滴を吐出させ、これを記録媒体に付着させることによって記録を行うことができる。エネルギー発生素子としては、熱エネルギーとして電気熱変換素子(所謂ヒーター)等、力学的エネルギーとして、圧電素子等があるが、これらに限定されるものではない。
次いで本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例について、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す模式的断面図であり、A’−Aに沿った断面図である。
まず、図5(a)に示すように、エネルギー発生素子2として電気変熱素子を備えた基板1を用意する。基板1としては、上述したSi以外に、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等を用いることができる。また、一般は、エネルギー発生素子の耐用性向上を目的として、保護膜層等の各種機能層が設けられるが、もちろん本発明においてもこのような機能層を設ける事は一向に差し支えない。
次いで、図5(b)に示すように、基板1の上に第1の層7を形成する。第1の層7は、ポジ型感光性樹脂を含み、後述の第2の層8よりも相対的に屈折率が高いものである。この屈折率の相対差を得るために、第1の層7は、屈折率を向上させる物質を含んでいても構わない。
第1の層7に用いられるポジ型感光性樹脂としては、例えばDeep−UVなどの電離放射線感光型として光崩壊型ポジレジストが使用できる。光崩壊型レジストとしては、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリビニルケトン等のビニルケトン系高分子化合物が挙げられる。また、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリフェニルメタクリレート、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリロ二トリル等のメタクリル系高分子化合物が挙げられる。あるいはポリブデン−1−スルフォン、ポリメチルペンテン−1−スルフォン等のオレフィンスルフォン系高分子化合物等を用いてもよい。なかでも、後に形成する被覆層との相溶等の弊害が無いとの観点から、ポリメチルイソプロペニルケトンやメタクリル系高分子化合物等が好ましい。しかし、本発明はこれに限定されるこのではない。
屈折率を向上させる物質としては、高い誘電率を付与するイオウ系化合物が代表的であるが、その他にはフィラー等、屈折率を向上させるものであれば良い。イオウ系化合物としては、チオール化合物、チオカルボン酸誘導体等が挙げられ、その中でもポジ型感光性樹脂の感光性を阻害しないという観点から、メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましい。しかし、使用するポジ型感光性樹脂によっては、この限りではない。
第1の層7における屈折率を向上させる物質の含有量は特に限定されないが、第1の層に用いられるポジ型感光性樹脂に対して1〜20重量%とする事が好ましい。なお本実施形態では、第2の層の屈折率1.51に対して、前記第1の層の屈折率を1.53以上として所望の性能を発揮している。また、屈折率を向上させる物質の含有量を20重量%以下とすることで、第1のポジ型感光性樹脂の感度が極端に低下することはなく、所望のパターン形成を容易に行う事ができる。もちろん、使用するポジ型感光性樹脂によっては、屈折率を向上させる物質の含有量は20重量%を超えても構わない。この際には、露光量等を適宜設定すればよい。
第1の層7を形成する方法としては、ポジ型感光性樹脂を形成する材料を溶媒に溶解させた溶液を基板1の上にスピンコートする方法、別途製膜したポジ型感光材料を基板1上にラミネートする方法が挙げられる。
第1の層の厚さは、例えば1〜5μmである点が好適である。
次いで、図5(c)に示すように、第1の層7の上に、第2の層8を形成する。
第2の層は、第1の層上に設けられポジ型感光性樹脂を含む。第2の層8に用いられるポジ型感光性樹脂は、第1の層に用いられるポジ型感光性樹脂が感光する波長域の光により感光するものであれば、特に制限がない。前記した第1のポジ型感光性樹脂と同じものであっても構わないし、基本組成のみ似ているものでもよい。好ましくは、第1および第2層が含んでいるポジ型感光性樹脂の感光する波長域がほぼ重なりあっていることであり、より好ましくは第1および第2のポジ型感光性樹脂が同じものであることである。これは後に、同一波長において第1および第2ポジ型感光性材料層を露光する際に、露光条件等の設定が簡単となるためである。
第2の層を形成する方法は、第1の層を形成する方法と同様の方法でよい。
第2の層8の厚さは、例えば10〜15μmとすることができる。ここで、第1の層7と第2の層8との厚さの関係としては、第1の層7の方が薄いことが好ましい。第1の層7は、屈折率を向上させる物質が含有されている、そのため、層の厚みが増すことで露光時の吸収が大きくなる場合がある。そのため所望の形状を得るためには、第1の層7の方が薄いことにより、パターニング条件の設定が簡単となる。以上のようにして、第1の層と第2の層とを有する積層物を用意することができる。
次いで、図5(d)に示すように、マスク13を用いて第1、第2の層を有する積層物を露光する。このとき積層物中の層は一括して露光される。露光量は深部までパターニングできるものであれば良いが、例えば3000〜6000mJ/cm^2とする事ができる。
そして、第1、第2の層7、8を現像することで、図5(e)に示すように、第1および第2の層から流路の型であるパターン9が得られる。なお、図5中のパターン9の上部寸法L1と、底部寸法L2は、図1、7に示す流路の上部寸法L1と、底部寸法L2に対応する。また隣接したパターン9同士の間隔のうち、パターン上部におけるものをL3、底部におけるものをL4とする。これは、図1、図7における流路形成部材4の中の流路を仕切る壁の部分の上部寸法L3、と底部寸法L4とに対応する。
ここで、図6を用いてこの際の作用機構を説明する。まず、図6(a)は従来例(比較例)であるポジ型感光性材料層が1層の場合(例えば、上記第2の層のみを単層で用いた場合に該当する)の積層物中の光の進行を示したものである。露光マスク13によって回折された光は、その樹脂の屈折率によりある角度をもって樹脂に進入する。これに対して図6(b)は、流路パターン形成に用いられるポジ型感光性樹脂が前述したように第1の層と第2の層とから形成される場合の、積層物中の光の進行を示したものである。露光マスク13によって回折された光は、第2層に用いられるポジ型感光性樹脂の屈折率によりある角度を持って第2のポジ型感光性樹脂に進入する。そして第1の層との界面で、第1の層の屈折率により、ある角度を持って第1の層に進入するのである。この際、第2の層の屈折率と比較して第1の層の屈折率が高い場合、第1の層中を進行する光は、第2の層中を進行する光と比較して、よりマスクの内側に入る角度を持って進行するのである。その為に、従来例と比較すると、本発明を用いることにより、流路の型となるパターン底部の裾引きを抑えることができ、良好なパターニング形状が得られるのである。なお、本発明では底部寸法L2が必ず上部寸法よりも小さくなるものではない。すなわち、単層を用いた場合よりも、該層よりも屈折率が高い層をあわせた構成とすることで、パターン底部の裾引きを低減させるものである。
次いで、図5(f)に示すように、基板1の上に形成されたパターン9を被覆するように、被覆層10を形成する。被覆層10は流路の壁を形成する流路形成部材4となるものである。被覆層10を形成する材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。被覆層10の形成は、被覆層形成用塗布液の塗布によって行うことが好ましい。被覆層形成用塗布液としては、例えば、エポキシ樹脂とカチオン重合開始剤とを含む被覆層形成用材料を溶剤に溶解させたものが使用できる。
次いで、図5(g)に示すように、吐出口5を形成する。そして、供給口3を形成した後(不図示)、パターン9を除去することで、図5(h)に示すように、流路形成部材4により流路6が形成された液体吐出ヘッドが得られる。例えば、第1および第2のポジ型感光性材料層7および8の形成に溶解可能な材料を用いた場合には、溶解除去することができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例)
本実施例では、表1に記載のポジ型感光性樹脂を用いて、以下の製造方法でインクジェット記録ヘッドを作製した。
本実施例では、表1に記載のポジ型感光性樹脂を用いて、以下の製造方法でインクジェット記録ヘッドを作製した。
まず、インク供給口形成用マスク(不図示)を設けた結晶軸(100)のSiウエハ基板1の上に、エネルギー発生素子としての電熱変換素子2を配置し、さらに保護層およびキャビテーション保護層(不図示)を形成した(図5(a))。なお、電熱変換素子には、その素子を動作させるための制御信号入力電極が接続されている(不図示)。
次いで、基板1の上に、屈折率を向上させる物質として、メルカプトプロピルトリエトキシシラン(A−1891:日本ユニカー社製:)を添加したPMMA(ポリメタクリル酸とポリメチルメタクリレートの共重合化合物)をスピンコートした。このとき、メルカプトプロピルトリエトキシシランはPMMAに対して5重量パーセントとした。次いで150℃3分ベークを行い、厚み4μmの第1の層7を形成した(図5(b))。さらに、第1の層7の上に、PMMAからなる層をスピンコートにより成膜した後、120℃3分ベークを行って、厚み10μmの第2の感光性材料層8を形成した(図5(c))。
次いで、両層に対して、ウシオ電機(株)製UX3000(商品名)にて6000mJ/cm2で露光した(図5(d))。このとき、図5(e)に示すパターン9の上部寸法L1が35μm、L3を5μmとなるように設定した。その後、ジエチレングリコールモノブチルエーテルと、エタノールアミンと、モルフォリンと、を含む溶剤を用いて現像することで、パターン9を形成した(図5(e))。
次いで、表2に記載の樹脂組成物を適当な溶媒に溶解させた被覆層形成用塗布液を、基板1の上にソルベントコートして、被覆層10を形成した(図5(f))。
EHPE3150:ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂
SP−172 :ADEKA社製、スルフォニウム塩系カチオン重合開始剤
A−187 :東レ・ダウコーニング社製、オルガノシラン
そして、フォトリソグラフィーによって被覆層10に吐出口5を形成した(図5(g))。
SP−172 :ADEKA社製、スルフォニウム塩系カチオン重合開始剤
A−187 :東レ・ダウコーニング社製、オルガノシラン
そして、フォトリソグラフィーによって被覆層10に吐出口5を形成した(図5(g))。
次いで、基板1を異方性エッチングし、供給口3を形成した後(不図示)、パターン9を除去した。さらに、被覆層10のエポキシ樹脂をに硬化させるために200℃1時間の加熱を行って、流路6を形成した(図5(h))。その後、必要な電気的接続を行って、インクジェット記録ヘッドを得た。
(実施例2)
メルカプトプロピルトリエトキシシランをPMMAに対して20重量パーセント添加した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作成した。
メルカプトプロピルトリエトキシシランをPMMAに対して20重量パーセント添加した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録ヘッドを作成した。
(比較例)
パターン9を、添加剤を含まないPMMA1層のみで形成したこと以外は実施例に準じて実施し、インクジェット記録ヘッドを得た。なお、その際は、PMMA層の厚みは14μmとした。
パターン9を、添加剤を含まないPMMA1層のみで形成したこと以外は実施例に準じて実施し、インクジェット記録ヘッドを得た。なお、その際は、PMMA層の厚みは14μmとした。
(評価)
実施例で得たインクジェット記録ヘッドの評価を行った。図7は、図2の上面図であり、吐出口5から基板に向かう方向にインクジェット記録ヘッドを見た図である。図1と図7とに示される流路6の上部寸法L1と底部寸法L2とを測定した。なお、流路形状は、図7のような角を有する形状に限る事なく、例えばエネルギー発生素子2を中心とした円丸形状でもかまわないが、各寸法はその一番広い所を測定するものとした。
実施例で得たインクジェット記録ヘッドの評価を行った。図7は、図2の上面図であり、吐出口5から基板に向かう方向にインクジェット記録ヘッドを見た図である。図1と図7とに示される流路6の上部寸法L1と底部寸法L2とを測定した。なお、流路形状は、図7のような角を有する形状に限る事なく、例えばエネルギー発生素子2を中心とした円丸形状でもかまわないが、各寸法はその一番広い所を測定するものとした。
実施例1では、第1の層7の屈折率が1.53、第2の層8の屈折率が1.51であったが、このときの流路6は、上部寸法L1が35μm、底部寸法L2が26μmであった。このとき流路形成部材4の流路壁の上部寸法L3は5μm、底部寸法L4は14μmであった。
実施例2では、第1の層7の屈折率が1.55、第2の層8の屈折率が1.51であったが、このときの流路6は、上部寸法L1が35μm、底部寸法L2が23μmであった。このとき流路形成部材4の流路壁の上部寸法L3は5μm、底部寸法L4は17μmであった。
比較例の記録ヘッドの流路の部分を、図1と同様の断面図である図8に示す。比較例では、パターン9の層全体の屈折率が、1.51であった。形成時のパターン9の形状は、L4上部寸法L1が35μm、底部寸法L2が37μmで裾引き形状であった。また流路形成部材4の流路壁の上部寸法L3は5μm、底部寸法L4は3μmであり、図8に示すように上部に比べ底部が小さい形状となった。
以上の屈折率は光干渉式膜厚測定装置によって測定した。
実施例の記録ヘッドは比較例の記録ヘッドに対して流路壁の底部寸法が大きく形成でき、流路壁部分と基板1との接合に係る面積が大きく、流路形成部材4と基板1との接合強度が向上しているといえる。
また、上記の通り、第1の層7と第2の層8との屈折率差が大きい程、流路6の底部寸法L2は、上部寸法L1に比べて小さくなった。これは、屈折率差が大きいため、より第1の層へ進入する光がよりマスクの内側へと進むからである。結果として、第1の感光性樹脂層と第2の感光性樹脂層の屈折率差が大きい程、L4が大きくなり、流路壁と基板1との接合にかかわる面積が大きくなるといえる。これにより、さらに基板1と流路形成部材4との密着性が高くなるため、応力が発生した場合であっても、剥離が抑制される。従って、長期の使用に耐え、信頼性の高い液体吐出ヘッドを得ることができる。
1 基板
2 エネルギー発生素子
3 供給口
4 流路形成部材
5 吐出口
6 流路
7 第1の層
8 第2の層
9 パターン
10 被覆層
2 エネルギー発生素子
3 供給口
4 流路形成部材
5 吐出口
6 流路
7 第1の層
8 第2の層
9 パターン
10 被覆層
Claims (5)
- 液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を有する基板と、液体を吐出する吐出口と、前記吐出口と連通する液体の流路と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記基板上に、前記流路のパターンを設ける工程と、
前記パターン上に前記パターンを被覆する被覆層を設ける工程と、
前記パターンを除去し、前記流路を設ける工程と、
を有し、
前記パターンを設ける工程は、
前記基板上に、ポジ型感光性樹脂を含み、相対的に屈折率の高い第1の層と、該第1の層上に設けられ、ポジ型感光性樹脂を含み、相対的に屈折率の低い第2の層と、を有する積層物を用意する工程と、
前記積層物を露光する工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記第1の層が含む前記ポジ型感光性樹脂と前記第2層が含む前記ポジ型感光性樹脂とは、同一のものであることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記第1の層は、屈折率を向上させる物質を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記物質はメルカプトプロピルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記第1の層は、前記第2の層に比べて薄いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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