以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に開閉部材としての内枠12が開閉可能に支持されている。なお、内枠12及びこれに取付けられる遊技盤30等の各種構成部材により本実施形態における遊技機本体が構成される。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した遮蔽部材としての延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84、85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する上皿19が設けられている。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33に遊技球が入球(入賞)すると、それぞれに対応して設けられた検知スイッチからの出力信号に基づき、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33)に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は複数の発光手段(LED)を内蔵しており、遊技球が第2契機対応口34を通過すると点灯表示態様が切換表示(変動表示)され、その変動表示が特定の点灯態様で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる(第1契機対応ユニット33において上下一対で設けられる入球口のうち下側の入球口に対応して設けられる羽根部材が開放され、下側の入球口への入球が許容される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の側方に設けられた複数の発光部により構成され、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞する毎に点灯する発光部の組合せが切換えられる(変動表示される)。そして、変動表示が停止したときに点灯している発光部の組合わせにより、大当たりか否かが確定的に表示される。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は三桁の7セグメント表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、横並びで3つ設けられた各7セグメント表示部により、左、右、及び中央の3つの図柄表示領域42a、42b、42cが構成されている。各図柄表示領域42a、42b、42cにおいて複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域42a、42b、42c毎に順番に(本例では、左図柄表示領域42a→右図柄表示領域42c→中図柄表示領域42bの順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、特別表示装置43にて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(本例では、左図柄表示領域42a、中図柄表示領域42b、及び右図柄表示領域42cにて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、左図柄表示領域42a及び右図柄表示領域42cにおいて同一の図柄が停止表示されることとなる。このように左図柄表示領域42a及び右図柄表示領域42cにて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域42bにおいて未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、第1契機対応ユニット33の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で第1契機対応ユニット33に入球するようになっている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)再び発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45、及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a、262aは透明樹脂材料等により構成され、収容ボックス42a及び基板ボックス45a、262aを介して各制御装置42、45、262を視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている。また、裏枠セット215は主制御装置261の取付台(取付部材)として機能し、主制御装置261は裏枠セット215の右側部(図6では左側)に対して開閉可能に支持され、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、裏枠セット215の球回収機構の球通路上には、一般入賞口31に入球した遊技球を検知する入賞口スイッチ(221)、及び第1契機対応ユニット33に入球した遊技球を検知する第1契機対応スイッチ(224)が設けられている(図7参照)。尚、球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
尚、遊技盤30に固定される可変入賞装置32には当該可変入賞装置32に入球した遊技球を検知するカウントスイッチ(223)が設けられ、遊技盤30のうち第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口34を通過する遊技球を検知する第2契機対応スイッチ(225)が設けられている。また、第1契機対応ユニット33は上下2つの入球口を備えており、上側の入球口に対応する第1契機対応スイッチは上記のように球回収機構の球通路上に設けられているが、下側の入球口に対応する第1契機対応スイッチは第1契機対応ユニット33に設けられている。上記各検知スイッチによる検知の結果は主制御装置261に取り込まれ、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出しが直ちに行われる。
その他、裏枠セット215には、各種検知スイッチと主制御装置261との電気的な接続を中継する中継基板やLED基板等が設けられている。尚、第1契機対応ユニット33への入球を検知する第1契機対応スイッチ(224)は中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続される。また、可変入賞装置32には大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33には下側の入球口に対応して電動役物(羽根部材)を開放するための第1契機対応ユニット(始動口)ソレノイドが設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられており、外部中継端子板240に設けられた各出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技状態等に関する信号が出力される構成となっている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて囲む構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持され、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251は、球回収機構216から導出された遊技球が流入する排出通路部217を備え、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。従って、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構216を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203及び裏枠セット215が別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。また、払出制御装置311は基板ボックス311aに収容されて基板ボックス313aの背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス313aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス313aの開封した痕跡が残るようになっている。加えて、カードユニット接続基板314は基板ボックス314aに収容されて基板ボックス313aの背面側に固定されている。各基板ボックス311a、313a、314aは透明樹脂材料等により構成され、基板ボックス311a、313a、314aを介して各制御装置311、312,313、314を視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することがさらに困難となる。結果として、さらなる防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
さて、本実施形態では装飾図柄表示装置42に特徴がある。以下、かかる構成について図面を参照して説明する。図8は、装飾図柄表示装置42の模式正面図であり、図10は装飾図柄表示装置42を上下方向に切断したときの模式断面図であり、図11は装飾図柄表示装置42を左右方向に切断したときの模式断面図である。
電飾部材としての装飾図柄表示装置42は、前後方向に貫通する枠状の本体部401と、本体部401の内側に設置される発光体ユニット411と、発光体ユニット411の前方を閉塞するようにして本体部401に取付けられるハーフミラー431(ビームスプリッター)とを備えている。本実施形態では、前後方向において、ハーフミラー431及び発光体ユニット411が所定距離だけ離間して平行に対向配置されている。
本体部401は上方に開口する断面略コ字状の基部材402と、基部材402の上方の開口を閉塞する蓋部材403とを備えている。但し、基部材402の上部は全てが開口しているわけではなく、最前部に関しては、左側壁部と右側壁部とを連結する連結部404が設けられており、基部材402のみで枠状をなしている。これにより、装飾図柄表示装置42の前方から基部材402と蓋部材403との境界部が視認されることに起因して、外観品質の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
また、図11に示すように、基部材402の左右側壁部の内側面には、上下方向に沿って、ハーフミラー431及び発光体ユニット411の両側部をそれぞれ係止するためのスリット410a、410bが形成されている。すなわち、基部材402の上方から、ハーフミラー431及び発光体ユニット411の両側部をスリット410a、410bに挿通させつつ、ハーフミラー431及び発光体ユニット411を基部材402の内側に収容した後、基部材402に蓋部材403を取付けることで、ハーフミラー431及び発光体ユニット411が本体部401に固定される。
さらに、図10に示すように、本体部401には、基部材402の下壁部及び蓋部材403から外方に突出する取付片405が設けられている。装飾図柄表示装置42の取付に際しては、遊技盤30に形成された表示用開口部406に対し、遊技盤30の後面側から装飾図柄表示装置42を挿通させ、遊技盤30の後面と取付片405とを当接状態とする。その後、取付片405に形成された取付孔407、及び遊技盤30に形成された取付穴408にねじ409を螺着することにより、装飾図柄表示装置42が遊技盤30に固定される。
発光体ユニット411は、7セグメント表示を行う7つの発光部422を具備する7セグメント表示部421を1セットとして、横並びで3セットの7セグメント表示部421を具備している。具体的に、発光体ユニット411は、発光部422にそれぞれ対応する位置において前後に貫通する開口部417を有し、光の反射率が低く不透明な樹脂素材よりなる樹脂層416と、樹脂層416の前面を覆うようにして設けられ、透明なガラス又は樹脂よりなる透明層413とからなる透光部材412と、光源としてのLED426が搭載され、透光部材412の後面に固定されたLED基板425とを備えている。本実施形態では、1つの透光部材412及び1つのLED基板425により3セットの7セグメント表示部421が構成されている。
また、透光部材412は、開口部417に対応する部位において透明層413が後方に露出していることから、透光部材412の後面側に配置されるLED426から発せられた光が、開口部417を介して透明層413を透過し、前方に照射される構成となっている。つまり、透明層413の一部を透光部材412の後面側に露出させ、光が透過する部位(透過領域)を形成することにより、発光部422が構成されている。本実施形態では、7セグメント表示を行う7セグメント表示部421が3セットあるため、計21個の開口部417が形成されている。また、本実施形態では、透光部材412のうち、開口部417が形成された部位である発光部422が透過領域に相当し、樹脂層416が存在する部位が非透過領域に相当する。
加えて、透明層413のうち透光部材412の後面側に露出した部位、すなわち発光部422の後面は凹凸形状をなしている。これにより、発光部422の後面を透過した光が拡散されることとなり、前方から視認される各発光部422の前面を満遍なく(斑なく)発光させることができる。
また、透光部材412の樹脂層416には、開口部417の周縁部において、後方に突出する支持台419が設けられている。透光部材412とLED基板425との取付けに際しては、LED基板425を支持台419と当接状態とした後、LED基板425に形成されたねじ孔427及び樹脂層416に形成されたねじ穴428にねじ429を螺着する。これにより、LED基板425が樹脂層416の後面から浮いた状態で透光部材412に固定される。
LED基板425は、各開口部417に対応して配置された複数のLED426を備えている。本実施形態では、7セグメント表示を行う7セグメント表示部421が3セットあるため、計21個のLED426が搭載されている。そして、所定のLED426を点灯させることにより、当該LED426に対応する発光部422によって形作られる数字等を前方に浮かび上がらせることができる(図8参照)。尚、装飾図柄表示装置42の表示部においては、3セットある7セグメント表示部421毎の独立した表示のみならず、例えば、3セットの7セグメント表示部421全てを使用して1つの図形を表したりすることも可能である。
尚、図10に示すように、透光部材412の樹脂層416に形成される支持台419のうち、LED基板425の外周辺部に対応するものに関しては段差状をなしており、LED基板425の前面と当接する座部419aと、LED基板425の外周辺部と当接する位置決め部419bとを備えている。位置決め部419bの存在により、透光部材412(凹部417)に対するLED基板425(LED426)の位置ずれを防止することができる。
また、支持台419はLED基板425の取付状態において各LED426の周縁部を完全に囲う構成であってもよいし、部分的に開口部が形成される構成であってもよい。前者の構成を採用する場合には、LED426から発せられた光が外方(隣の開口部417)に漏れないため、所定のLED426からの光がその他の発光していないLED426に対応する開口部417に入射し、発光させない予定であった発光部422が若干発光してしまうといった事態をより確実に防止することができる。一方、後者の構成を採用する場合には、LED426の発光に伴って発生する熱を逃がすことができ、開口部417に熱が篭ることに起因する不具合を抑止することができる。
ハーフミラー431は、ガラス又は樹脂よりなる透明体432の片面(本例では後面)に対し、誘電体多層膜や金属塗膜のコーティング等が施されることで反射面433が形成されたものである。本実施形態では、3セットの7セグメント表示部421の前方を覆うようにして1枚のハーフミラー431が設けられている。尚、本実施形態では、ハーフミラー431が第1反射部材を構成する。
さて、本実施形態では、ハーフミラー431と発光体ユニット411との間において、左右方向にスライド可能な可動式のハーフミラーが横並びで二枚設けられている。以下、可動式のハーフミラーに関する構成について詳細に説明する。
二枚の可動式ハーフミラーのうち前方から見て左側のもの(以下、左構成部451と称する)は、ハーフミラー431のうち左図柄表示領域42aに対応する部位と前後に重なり合う閉塞位置と、ハーフミラー431と前後に重ならない開放位置との間でスライド可能に構成されている。
一方、二枚の可動式ハーフミラーのうち前方から見て右側のもの(以下、右構成部452と称する)は、ハーフミラー431のうち右図柄表示領域42cに対応する部位と前後に重なり合う第1閉塞位置と、ハーフミラー431のうち右図柄表示領域42c及び中図柄表示領域42bに対応する部位と前後に重なり合う第2閉塞位置と、ハーフミラー431と前後に重ならない開放位置との間でスライド可能に構成されている。
尚、左右構成部451、452に関しても、ガラス又は樹脂よりなる透明体453の片面(後面)に対し、誘電体多層膜や金属塗膜のコーティング等が施されることで反射面454が形成されたものである(図10参照)。また、本実施形態では、左構成部451、右構成部452が第2反射部材及び可動式反射部材を構成する。
本実施形態では、前後方向において、各構成部451、452とハーフミラー431及び発光体ユニット411とがそれぞれ所定距離だけ離間して平行に設けられており、左右構成部451、452は、ハーフミラー431及び発光体ユニット411に対して平行にスライド可能である。また、左構成部451が閉塞位置に変位するとともに、右構成部452が第2閉塞位置に変位した場合には、左構成部451及び右構成部452が、左図柄表示領域42aと中図柄表示領域42bとの境界部において突合わされるとともに、前方から視認可能な装飾図柄表示装置42の表示部(視認領域)において、ハーフミラー431(全ての図柄表示領域42a、42b、42c)と、左右構成部451、452とが前後に隙間なく重なることとなる。加えて、左構成部451及び右構成部452は同じ厚みとなっており、左右構成部451、452が突合わされた状態においては、左右構成部451、452の前面、後面、及び反射面454が面一となる。
また、図11に示すように、本体部401は、左方へスライドした左構成部451を収容する左収容部461と、右方へスライドした右構成部452を収容する右収容部462とを備えている。各収容部461、462の内側に形成される収容空間の左右幅は、対応する構成部451、452の横幅と同じ又は若干長く構成されている。さらに、図10に示すように、基部材402の下壁部上面及び蓋部材403の下面には、各構成部451、452のスライドをガイドするガイド溝465が形成されている。尚、各構成部451、452のスライドをスムースにするべく、ガイド溝465の内側にローラー等を設けることとしてもよい。
各収容部461、462は上方に開口しており、左構成部451及び右構成部452は収容部461、462から上方に突出している。尚、基部材402に蓋部材403を取付けた状態においても、各収容部461、462の上方は開口した状態となっている。また、図10に示すように、収容部461、462から上方に突出する各構成部451、452の上辺部には、上方に向けて凸となる複数の歯を有するラッチ部457が設けられている。
さらに、各収容部461、462の上方には、各構成部451、452をスライドさせるためのステッピングモータ471が設けられている。ステッピングモータ471は、モータ本体472と、モータ本体472から前方に突出し、モータ本体472の駆動を伝達する回転軸473と、回転軸473の先端部に設けられ、対応する構成部451、452のラッチ部457と噛み合うギア474とを備えている。そして、ステッピングモータ471の駆動に基づいて、各構成部451、452が左右にスライドする構成となっている。
また、各ステッピングモータ471は、ギア474が本体部401の側壁部の上方に位置するようにして設置されている(図11参照)。さらに、左構成部451の横幅は左図柄表示領域42aの横幅よりも若干長く、右構成部452の横幅は中図柄表示領域42bの横幅と右図柄表示領域42cの横幅とを足した長さよりも若干長くなっている。このため、左構成部451及び右構成部452が閉塞位置及び第2閉塞位置にあるときでも、左構成部451及び右構成部452の一部は対応する収容部461、462の内側に収容された状態となり、その上部に位置するラッチ部457とギア474とが噛み合った状態となっている。従って、各ステッピングモータ471を駆動させることで、左右構成部451、452を左右収容部461、462に完全に収容することができ、前方から見て、各構成部451、452がハーフミラー431と重ならない位置をとることができる構成となっている。
尚、右構成部452が2つの図柄表示領域(中図柄表示領域42b及び右図柄表示領域42c)に対応して設けられるのに対し、左構成部451が1つの図柄表示領域(左図柄表示領域42a)に対応して設けられることから、左収容部461によって装飾図柄表示装置42の左方に設けられる払出機構部352の設置スペースが阻害されてしまうといった事態を回避することができる。
次に、左構成部451が閉塞位置にあるときの、左図柄表示領域42aに対応するLED426から発せられる光の動きについて図9を参照して説明する。図9は、光の動きを模式的に示す説明図である。尚、図9では、説明の便宜上、1つのLED426から発せられた光のうち1筋の光の動きについてのみを矢印を用いて図示する。
図9に示すように、LED426から発せられた光は、透光部材412の発光部422を透過して左構成部451に入射する。左構成部451に入射した光は、半分が左構成部451を透過してハーフミラー431に入射し、半分が後方(透光部材412)に向けて反射する。ハーフミラー431に入射した光は、半分がハーフミラー431を透過してハーフミラー431の前方に照射され、半分が反射して左構成部451に入射する。
さらに、左構成部451に入射した光は、半分が左構成部451を透過して後方に照射され、半分が反射してハーフミラー431に入射する(以後繰り返し)。尚、LED426から発せられた光は、ハーフミラー431や各構成部451、452にて反射する度に半分になるため、その分暗くなる。
また、ハーフミラー431及び各構成部451、452にて反射した光がハーフミラー431を透過することで前方から視認されることとなる光部の大きさは、LED426から発せられ、発光部422及び各構成部451、452を透過して直接ハーフミラー431に入射した光がハーフミラー431を透過することで前方から視認されることとなる光部の大きさに比べて小さくなっている。つまり、ハーフミラー431(反射面433)の後面に写る光部の大きさと、当該光部が各構成部451、452(反射面454)に写ったときの光部の大きさとを比較すると、ハーフミラー431の反射面433と各構成部451、452の反射面454とが前後に離間している分だけ、各構成部451、452に写る光部が小さくなる(各構成部451、452の反射面454の位置からハーフミラー431の後面に写る光部を見たときの該光部の大きさとなる)。このため、ハーフミラー431及び各構成部451、452越しに、発光部422において見える光部よりも、発光部422からずれた位置において各構成部451、452に写って見える光部の方が小さく見えるのである。
従って、ハーフミラー431及び各構成部451、452にて反射した回数が多くなるにつれ、光部が小さくかつ暗くなり、後ろに位置しているように見えるため、装飾図柄表示装置42の前方からは、ハーフミラー431越しに発光部422において見える光部を先頭(一番手前側)にして、複数の光部が前後に連なって見えることとなる。結果として、左右構成部451、452が閉塞位置にある場合には、図柄表示領域42a、42b、42cにおいて図柄が前後に連なったような視認態様となる。
尚、上記のように、左右構成部451、452が閉塞位置にある場合には、ハーフミラー431と各構成部451、452との間を光が反射するが、左右構成部451、452が開放位置にある場合には、ハーフミラー431にて反射した光が左右構成部451、452にて反射することがなくなることから、LED426から発せられ、透光部材412の発光部422を透過してハーフミラー431に直接入射し、ハーフミラー431を透過した光が前方に照射されるのみである。つまり、図柄表示領域42a、42b、42cにおいて図柄が1つ視認されるのみである。尚、透光部材412の前面に入射した光は、ほとんど前方に反射することはなく、当該光が左構成部451(右構成部452)及びハーフミラー431を透過して装飾図柄表示装置42の前方に照射されることはほとんどない。
次に、装飾図柄表示装置42における演出例を説明する。尚、ここでは、最終的に全ての図柄表示領域42a、42b、42cにおいて図柄が前後に連なっているような視認態様となって、大当たり状態が発生する際の演出例を紹介する。
装飾図柄表示装置42における変動表示の開始時(全ての図柄表示領域42a、42b、42cにおいて図柄の変動表示が開始される際)には、左構成部451及び右構成部452がともに開放位置となっている。変動表示が開始されてから所定時間経過後、発光体ユニット411の全てのLED426を一旦消灯した後、左構成部451を閉塞位置に変位させてから、LED426を再び点灯する。これにより、図12に示すように、左図柄表示領域42aに表示されている図柄(数字)のみが前後に連なっているような視認態様となる。その後、左図柄表示領域42aにおいて図柄を停止表示する。尚、左図柄表示領域42aにおける図柄が前後に連なっているような視認態様に変化することで、リーチ状態が発生し、ひいては大当たり状態が発生するのではないかという遊技者の期待感が高まることとなる。
左図柄表示領域42aにおいて図柄が停止表示されてから所定時間経過後、発光体ユニット411の全てのLED426を一旦消灯した後、右構成部452を第1閉塞位置に変位させてから、LED426を再び点灯する。これにより、図13に示すように、左図柄表示領域42a及び右図柄表示領域42cに表示されている図柄が前後に連なっているような視認態様となる。その後、右図柄表示領域42cにおいて、左図柄表示領域42aに停止表示されている図柄と同じ図柄を停止表示する(リーチ状態とする)。尚、左図柄表示領域42a及び右図柄表示領域42cにおける図柄が前後に連なっているような視認態様に変化することで、大当たり状態が発生するのではないかという遊技者の期待感がより高まることとなる。
右図柄表示領域42cにおいて図柄が停止表示されてから所定時間経過後、発光体ユニット411の全てのLED426を一旦消灯した後、右構成部452を第2閉塞位置に変位させてから、LED426を再び点灯する。これにより、図8に示すように、左図柄表示領域42a、右図柄表示領域42c、及び中図柄表示領域42bに表示されている図柄が前後に連なっているような視認態様となる。その後、中図柄表示領域42bにおいて、左図柄表示領域42a及び右図柄表示領域42cに停止表示されている図柄と同じ図柄を停止表示してから、大当たり状態を開始させる。尚、左図柄表示領域42a、右図柄表示領域42c、及び中図柄表示領域42bにおける図柄が前後に連なっているような視認態様に変化することで、大当たり状態が発生するのではないかという遊技者の期待感が飛躍的に高まることとなる。
尚、図柄が前後に連なって見えるような視認態様が導出された場合であっても、大当たり状態が発生しない場合もある。本実施形態では、全ての図柄表示領域42a、42b、42cにおいて図柄が停止表示されたときに、左図柄表示領域42aの図柄のみ前後に連なった視認態様となる場合には、大当たり状態の発生確率が5%(20回に1回は大当たりとなる)程度であり、左図柄表示領域42a及び右図柄表示領域42cの図柄のみ前後に連なった視認態様となる場合には、大当たり状態の発生確率が30%(10回に3回は大当たりとなる)程度であり、左図柄表示領域42a、右図柄表示領域42c、及び中図柄表示領域42bの図柄が前後に連なった視認態様となる場合には、大当たり状態の発生確率が90%(10回に9回は大当たりとなる)程度であり、いずれの図柄表示領域42a、42b、42cにおいても図柄が前後に連なった視認態様とならない場合には、大当たり状態の発生確率が2%(50回に1回は大当たりとなる)程度である。ちなみに、図柄表示領域42a、42b、42cにおける図柄を外れの組合わせで停止表示させる場合には、例えば、全てのLED426を一旦消灯させたとしても、左構成部451及び右構成部452を変位させることなく再度LED426を点灯し、図柄を外れの組合わせで停止表示させたり、変動表示開始後、全てのLED426を一旦消灯させるといった演出を行うことなく、図柄を外れの組合わせで停止表示させたりする。
以上詳述したように、本実施形態によれば、左構成部451及び右構成部452が閉塞位置にある場合、装飾図柄表示装置42の前方には、LED426から発光部422及び対応する構成部451、452を介して直接ハーフミラー431に入射した光、及び、ハーフミラー431にて反射した後、左構成部451又は右構成部452にて反射した光等の、ハーフミラー431及び左右構成部451、452への反射回数が異なる複数の光が照射される構成となっている。従って、例えば、LED426が1つであっても、装飾図柄表示装置42の前方から光って見える部位(光部)を複数出現させることができる。
しかも、LED426から発せられた光は、ハーフミラー431及び各構成部451、452にて反射するたびに暗く、かつ、光部のサイズが小さくなるため、LED426から発せられた光のうち、光部として視認されるまでに、ハーフミラー431及び各構成部451、452にて反射した回数が多いものほど、その光部が奥側に位置しているように見える。
つまり、1つのLED426を発光させただけで、複数の光部があたかも前後に連なっているような光の態様となる。本実施形態では、7セグメント表示部421において表示される数字等が整然と前後に連なっているような視認態様となる。従って、少ないLED426で立体的な光の態様を実現することができる。結果として、光による装飾効果や演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
また、多数の光源(電飾部材)を前後に並べて設置することで立体的な(奥行のある)光の態様を表現する場合に比べ、電飾部材の設置に要するスペースを小さくすることができ、立体的な光の態様を遊技者から視認しやすい位置(本実施形態では装飾図柄表示装置42)において展開することができる。さらには、電飾部材の設置に要する作業性の低下を抑止することができるとともに、電飾部材と電源とを接続するための配線が煩雑になってしまうといった事態を抑止することができる。
さらに、本実施形態によれば、左構成部451及び右構成部452をスライドさせることにより、各図柄表示領域42a、42b、42cにおいて前後に連なって見える図柄の数を増減させ、視認態様を大きく変化させることができる。すなわち、開放位置にある構成部451、452を閉塞位置へと変位させることで、各図柄表示領域42a、42b、42cにおいてそれぞれ1つの図柄が表示されるのみであった平面的な視認態様が、突如として、かかる図柄に後続する無数の図柄が現れ、図柄の行列がかなた後方へと続くような立体的な視認態様へと変化する。結果として、劇的な演出効果を生じさせることができ、遊技の単調感をより確実に抑制することができる。
また、左構成部451が閉塞位置にあり、右構成部452が第2閉塞位置にある場合、装飾図柄表示装置42の前方から見て、ハーフミラー431に対し、左右構成部451、452が隙間なく重なることとなる。従って、前方から見て左右構成部451、452の周縁部が装飾図柄表示装置42の表示部(視認領域)の内側に位置してしまうことに起因して、前後に連なって見える図柄が表示部の外縁よりも内側で途切れてしまい、違和感のある視認態様になってしまうといった事態を防止することができる。特に、左右構成部451、452が突合わされた状態において、左右構成部452の反射面454が面一となることから、前後に連なる図柄が左右構成部451、452の境界部を跨って表示される場合であっても、かかる境界部における図柄の態様がいびつになってしまうといった事態を防止することができる。
加えて、閉塞位置にある左構成部451と第2閉塞位置にある右構成部452とは、左図柄表示領域42aと中図柄表示領域42bとの境界部において突き合わされ、左構成部451及び右構成部452の周縁部(輪郭線)が発光部422と前後に重ならないようになっている。従って、例えば、左構成部451及び右構成部452が中図柄表示領域42bの左右方向中央部において突合わされることに起因して、中図柄表示領域42bにおいて視認される図柄に筋が入っているように見えてしまうといった事態を防止することができる。
また、LED基板425を鏡部材412の後方に配置することで、1つのLED426により発光部422全域を的確に明るくすることができる。さらに、発光部422の後面側が凹凸加工されていることから、前方から視認される発光部422を満遍なく(いずれの部位においても明るさをほぼ均一に)光らせることができる。従って、光の態様が斑になってしまうといった事態を防止することができ、所望とする光の態様を確実に実現させることができる。
加えて、本実施形態では、ハーフミラー431、透光部材412、及びLED基板425がユニット化されることで装飾図柄表示装置42が構成されているため、ハーフミラー431、透光部材412、及びLED基板425の位置決めを確実に行うことができる。従って、これらの相対位置関係がずれることに起因して、光の態様が異なったものになってしまう(意図する光の態様にならない)といった事態を防止することができる。さらに、取付作業性の向上を図ることもできる。また、LED基板425は、透光部材412の後面に固定されていることから、装飾図柄表示装置42(本体部401)の製造誤差や組付け誤差等が生じた場合であっても、開口部417(発光部422)に対するLED426の位置決めを確実に行うことができる。
また、ハーフミラー431が本体部401に対して固定的に設けられていることにより、常時、装飾図柄表示装置42の内部構造(例えば、左右構成部451、452や発光していない状態の発光部422等)が視認困難又は視認不可能となる。さらに、遊技者から直接見えるハーフミラー431を変位させることなく、かかるハーフミラー431の奥側に位置する左右構成部451、452を変位させ、装飾図柄表示装置42の視認態様を変化させることができる。従って、装飾図柄表示装置42の内部(スライド過程にある左右構成部451、452等)が視認されることに起因して、興趣の低下や外観品質の低下を招いてしまう(装飾図柄表示装置42の視認態様がどのように変化するのか予測がついてしまう)といった事態を防止することができる。また、装飾図柄表示装置42に対し、ハーフミラー431の前方を閉塞する透明な保護手段を別途設けなくても、装飾図柄表示装置42の内部に塵等が侵入してしまうといった事態を防止することができる。
尚、装飾図柄表示装置42の視認態様は、遊技者の背丈や姿勢等により見え方が変化する。従って、遊技者の視点と、所定の発光部422との相対位置関によっては、かかる発光部422の後方に連なる光部の態様が見え難くなってしまうおそれがあるのではあるが、本実施形態では、透過部としての発光部422が複数(本例では21個)設けられており、遊技者の視点と、各発光部422との相対位置関係がそれぞれ異なることから、どのような遊技者であっても、光部が前後に連なっているかのような態様を堪能することができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置(処理装置)である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理(このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される)によって停電の発生等による電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しない検知スイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、入出力ポート527と、バスライン530,531とを備えている。入出力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入出力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523が接続されるとともに、バスライン531を介して、装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンド(指令信号)を、入出力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行う。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御(LED基板425の点灯制御及びステッピングモータ471の駆動制御)を行う。プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源(駆動電力)を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、第2反射部材兼可動式反射部材として、ハーフミラー(左右構成部451、452)が採用されているが、第1反射部材としてのハーフミラー431にて反射した光を同ハーフミラー431に向けて反射できるものであればよい。例えば、透光部材412の前面側に対して光を反射可能な反射面(例えば銀メッキ層)を形成し、透光部材412を第2反射部材兼可動式反射部材として採用してもよい。この場合、透光部材412(第2反射部材)のうち、7セグメント表示を行うための発光部422にそれぞれ対応する位置において、後面側から銀メッキ層等を削ることで発光部422(透過部)を形成してもよいし、銀メッキ層等を形成する際に、発光部422に対応する部位にマスキングを行う(発光部422に銀メッキ層等が形成されないように囲い等を設けておく)ことで、発光部422(透過部)を形成してもよい。
また、上記実施形態では、第1反射部材としてハーフミラー431が1つ存在し、第2反射部材として左右構成部451、452が横並びで2つ存在するが、第1反射部材及び第2反射部材の数や配置構成は特に限定されるものではなく、例えば、複数の第2反射部材を前後に並べることも可能である。この場合、前後に連なって見える光部(図柄)の間隔が密になるとともに光部の数が増大する。
さらに、可動式反射部材の数も特に限定されるものではなく、例えば、ハーフミラー431についても所定の駆動手段による駆動により変位可能に構成されることとしてもよい。また、例えば、3つの図柄表示領域42a、42b、42cに個別対応するようにして横並びで3つのハーフミラーをスライド可能に設けることとしてもよいし、可動式のハーフミラーを上下に並べるようにして設けることとしてもよい。尚、第1反射部材としてのハーフミラー431を変位可能に構成する場合には、装飾図柄表示装置42内部への塵等の侵入を防止したり、装飾図柄表示装置42の内部構成(ハーフミラー431を駆動する駆動手段等)に対して外部から応力が加えられてしまうといった事態を防止したりするべく、ハーフミラー431の前方を閉塞するようにして透明な保護部材を設けることが望ましい。
また、左右構成部451、452を変位させる構成についても特に限定されるものではなく、例えば、ソレノイド等を用いて各構成部451、452を変位させてもよい。
加えて、上記実施形態では、1つの透光部材412が固定的に設けられるのみであったが、例えば、開口部417の形成位置や形状の異なる透光部材を2つ設けるとともに、少なくとも一方の透光部材をスライド可能に構成することとしてもよい。この場合、前方から視認される光部の形状を、各透光部材の開口部が前後に重なったときと、重ならないときとで変化させることができる。また、例えば、上記実施形態において透光部材412を回動可能に構成した場合には、前方から視認される図柄の形状を変化させる(傾いているように見せる)ことができる。
また、上記実施形態では、透光部材412の後面側に露出する透明層413の後面(発光部422の後面)が凹凸形成されることにより、当該後面を透過した光を拡散させているが(発光部422の後面により拡散手段が構成されているが)特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、透光部材412とLED基板425との間にプリズム板や拡散レンズ等を設置することとしてもよい。また、透光部材412の透明層413や上記拡散手段を有色透明の材料により構成してもよいし、透光部材412や上記拡散手段に対して有色透明のシート等を貼り付けてもよい。尚、透光部材412は、必ずしも光を透過させない非透過領域を具備する必要はなく、例えば、ステンドグラスや半透明のセル画のように、色の違いにより所定の形状を浮かび上がらせることのできるものであってもよい。また、ハーフミラーの誘電体多層膜や金属塗膜等のコーティングを一部削ることでも所定の形状を浮かび上がらせることができる。
さらに、上記実施形態では、第1反射部材として、反射光と透過光との強さがほぼ同じとなるハーフミラーが採用されているが、反射面433に入射した光のうちの一部を透過させるとともに、残りの光を反射するものであればよく、反射光と透過光との強さが異なるビームスプリッターを採用してもよい。また、上記実施形態では特に言及していないが、ハーフミラー431に対する左右構成部451、452の傾きは自由に設定することができる。さらに、ハーフミラー431や左右構成部451、452は、前面及び後面が平行なものでもよいし、平行ではないものでもよい。また、ハーフミラー431や左右構成部451、452の前面及び後面は平滑面であってもよいし、凹凸が形成されていてもよい。加えて、ハーフミラー431は、反射面433が前方に面する向きで設置されても光の態様に大きな変化は生じないが、この場合、反射面433が損傷して外観品質の低下を招くおそれがあることから、ハーフミラー431は、反射面433が後方に面する向きで設置されることが望ましい。尚、ハーフミラー431の組付け間違いにより、ハーフミラー431の反射面433が前方に面してしまうことに起因して、反射面433が損傷し易くなってしまうといった事態を防止するべく、反射面433を透明体432で挟むようにしてハーフミラー431を構成したり、装飾図柄表示装置42に対し、透明又は半透明の素材よりなり、ハーフミラー431の前方を閉塞する保護部材を設けたりすることとしてもよい。
尚、装飾図柄表示装置42の発光手段として、発光色の異なる複数の光源(例えば、赤、緑、青の発光色を有する発光ダイオード等)を備えることとしてもよい。さらに、発光手段は、複数の発光色の異なる光源を1組の光源として該光源を複数箇所に備えてもよい。これらの構成を採用する場合、より多種多様な光の態様を導出することができる。また、発光手段として液晶表示装置を採用することとしてもよい。尚、液晶表示装置にて奥行のある表示を行おうとしてもやはり平面的であり、上記実施形態の装飾図柄表示装置42の表示態様と比較すると臨場感が大きく異なる。また、液晶表示装置の性能を向上させることで、上記実施形態のような光の態様に近い表示を行うことも考えられるが、この場合、著しいコストの増大を招くおそれがある。
加えて、各発光部422の明るさを調節可能に構成してもよい。すなわち、左右構成部451、452が閉塞位置にあるときには、左右構成部451、452が開放位置にあるときに比べ、前方から視認される図柄の明るさが暗くなるのであるが、発光部422の明るさ調節を行うことで、各図柄表示領域42a、42b、42cの図柄の明るさを常に均一にしたり、図柄が前後に連なったような視認態様となっている図柄表示領域をその他の図柄表示領域よりも目立たせたりすることができる。尚、明るさの調節方法としては、LED等の発光手段自体の明るさを変更する(例えばダイナミック点灯制御されるLEDのデューティー比を変更する)、1つの発光部422に対して複数の発光手段を設け、点灯する発光手段の数を変更する等が挙げられる。
(b)上記実施形態では、ハーフミラー431、左右構成部451、452、及び発光体ユニット411を具備する電飾部材が装飾図柄表示装置42として採用されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、センターフレーム47に搭載される電飾や前面枠セット14の環状電飾部102として採用してもよい。
例えば、環状電飾部102の上部において、LED基板と、LED基板の前方に設けられる第1反射部材としての第1ハーフミラーと、第1ハーフミラー431とLED基板との間に設けられる第2反射部材及び可動式反射部材としての回転部材(拡散手段)とを備える電飾部材を設ける。回転部材は、回転可能な複数の羽部を有し、当該羽根は、銀メッキが施されるとともに、ハーフミラー431にて反射した光をハーフミラーに向けて反射可能に構成される。当該構成を採用する場合、光部に動きを与えることができ、複雑な光の態様を視認させることができる。
尚、上記電飾部材は基本的にハーフミラー431(第1反射部材)及び左右構成部451、452(第2反射部材)が前後に対向する向きでパチンコ機10に設置されるのではあるが、本実施形態の趣旨としては、LED426から発せられ、ハーフミラー431及び左右構成部451、452への反射回数が異なる複数の光が遊技者の視界に入る方向に照射される構成となっていればよく、例えば、上記電飾部材により環状電飾部102等を構成する場合であって、電飾部材の態様がパチンコ機10の前方に位置する遊技者から視認可能であれば、例えば、電飾部材はハーフミラー431及び左右構成部451、452が上下に対向する向きでパチンコ機10に設置されていることとしてもよい。
(c)上記実施形態では、可動式反射部材としての左右構成部451、452が左右方向にスライド可能に構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、可動式反射部材を上下方向、前後方向にスライドさせたり、上下方向に延びる軸線や左右方向に延びる軸線を中心とした回動(傾動)させたりしてもよい。また、1つの可動式反射部材を複数方向に変位可能に(例えば、左右方向にスライド可能であるとともに、上下方向に延びる軸線を中心として回動可能)構成してもよい。
例えば、可動式反射部材(左右構成部451、452)が前後方向にスライド可能に構成される場合、可動式反射部材とハーフミラー431とが接近すると、前後に連なる図柄の間隔が狭まるとともに、図柄の数が増大する。一方、可動式反射部材とハーフミラー431とが離間すると、図柄の間隔が開くとともに、図柄の数が減少する。
また、例えば、可動式反射部材を回動変位させる場合、前後に連なる図柄のうち奥側に位置して見える図柄ほど大きく変位することとなる。以下、可動式反射部材を回動変位させる態様例について、図14、図15、図16を参照しつつ説明する。尚、図14は装飾図柄表示装置42を左右方向に切断したときの模式断面図であり、図15は装飾図柄表示装置42の模式正面図であり、図16は左ミラー711を回動させるための構成を説明するための模式斜視図である。
図14、図15に示す装飾図柄表示装置42は、横並びで3セットの7セグメント表示部421を具備する発光体ユニット411と、発光体ユニット411の前方を閉塞するハーフミラー431と、発光体ユニット411とハーフミラー431との間に設けられ、横並びで3つのハーフミラーを具備するミラーユニット701とを備えている。ミラーユニット701は、3つの図柄表示領域42a、42b、42cにそれぞれ対応するようにして3つの開口部703が設けられたユニット本体702を備え、各開口部703においてそれぞれ可動式反射部材としてのハーフミラーが回動可能に設けられている。左図柄表示領域42aに対応する左側のハーフミラー(以下、左ミラー711と称する)、及び、右側のハーフミラー(以下、右ミラー713と称する)は、上下方向に延びる軸線を中心として回動可能に構成されている。また、中央のハーフミラー(以下、中ミラー712と称する)は左右方向に延びる軸線を中心として回動可能に構成されている。
より詳しく説明すると、例えば、左ミラー711は、図16に示すように、ハーフミラーよりなる本体部721と、本体部721の周縁部から外方に突出する一対の回動軸722とを備えている。そして、ユニット本体702に形成された軸受け(便宜上、図14では、中ミラー712に対応する軸受け731のみを図示し、左右ミラー711、713に対応する軸受けの図示は省略している)に対して回動軸722がセットされることにより、ユニット本体702に対して左ミラー711が回動可能に設けられている。また、一対の回動軸722のうち一方側には、歯車723が固定されている。さらに、左ミラー711に対応して、ステッピングモータ741と、ステッピングモータ741の回転軸742に固定されたギア743と左ミラー711の歯車723との間に掛装された歯付きのベルト751とが設けられている。そして、ステッピングモータ741が駆動すると、ベルト751によりステッピングモータ741の駆動力が左ミラー711に伝達され、左ミラー711が回動することとなる。尚、右ミラー713及び中ミラー711に関しても同様の構成を具備し、それぞれ個別に回動可能に構成されている。
以上のような構成を採用することで、各ミラー711、712、713を回動変位させ、前後に連なって見える図柄の奥行方向(図柄の行列の向き)の大きな変化や、前後に連なる図柄のダイナミックな変位(動き)を視認させることができ、光による装飾効果や演出効果をより高めることができる。
尚、上記のように可動式反射部材としてのミラー711、712、713を回動可能に構成する場合、ミラー711、712、713を回動変位させると、ユニット本体702とミラー711、712、713との間に隙間が形成されてしまうおそれがある。このように隙間が形成されてしまうと、LED426からの光が当該隙間から漏れてしまうおそれがあり、場合によっては、かかる光が装飾図柄表示装置42の前方から筋のように見えてしまうことが懸念される。これに対し、図15に示す上記構成では、左右ミラー711、713に対応するユニット本体702の縦壁部、及び中ミラー712に対応する上下の壁部を湾曲加工することで、極力両者間の隙間が大きくならないように構成されている。従って、ミラー711、712、713とユニット本体702との間から光が漏れてしまうといった事態を抑制することができる。
また、例えば、本体部401に固定されるユニット本体702(ミラー711、712、713が本体部401に直接取付けられる場合には本体部401)と、ミラー711、712、713との間に形成される隙間を遮蔽し、ミラー711、712、713の変位に伴って追従的に変形可能な遮蔽手段を設けることとしてもよい。
以下、遮蔽手段を用いた態様例について説明する。図17に示す電飾部材800は、遊技盤30に固定される本体部801と、本体部801に設けられ、LED803を具備する発光体ユニット802と、発光体ユニット802の前方に設けられるハーフミラー804と、ハーフミラー804と発光体ユニット802との間において回動可能に設けられる可動式ハーフミラー805とを備えている。可動式ハーフミラー805は、左右方向中央部において上下方向に延びる軸線を中心として回動可能に構成されている。また、可動式ハーフミラー805の各側辺部と本体部801とを連結する蛇腹状の遮蔽手段807が設けられている。図17の実線で示すように、可動式ハーフミラー805がハーフミラー804と平行に対向している状態では、遮蔽手段807が小さく折り畳まれた状態となっている。一方、図17の二点鎖線で示すように、可動式ハーフミラー805が回動変位すると、遮蔽手段807は、回動変位に追従して蛇腹が広がるようにして変形する。
このように、遮蔽手段807を設けることにより、可動式ハーフミラー805がいかなる姿勢に変位したとしても、可動式ハーフミラー805と本体部801との間から光が漏れてしまうといった事態をより確実に防止することができる。また、遮蔽手段805は、可動式ハーフミラー805の変位に伴って追従的に変形するため、可動式ハーフミラー805が変位したとしても、本体部801と可動式ハーフミラー805との間の隙間を確実に遮蔽することができる。
尚、図18に示すように、可動式ハーフミラー805の側辺部に対して弾性を有するリップ状の遮蔽手段811を設け、遮蔽手段811の先端部を本体部801の内側面に当接させるといった構成を採用した場合でも、上記構成を同様の作用効果が奏される。
(d)また、図17に示す電飾部材800は、電飾部材800の表示部の外周側において、前方から視認不可能又は視認困難な位置に表示手段としての役物821を備えている。可動式ハーフミラー805がハーフミラー804と平行又はほぼ平行して延びる姿勢(基準姿勢)にある場合には、役物821が視認不可能又は視認困難であるが、可動式ハーフミラー805がハーフミラー804に対して傾斜して延びる姿勢(回動姿勢)にある場合には、役物821が可動式ハーフミラー805に映って前方から視認される。
この場合、可動式ハーフミラー805を回動変位させることで、電飾部材800の表示部において役物821を出没させることができる。従って、より多種多様な演出効果を生じさせることができる。尚、当該構成を採用する場合、役物821をより確実に視認させるべく、役物821を照らす照明手段を設けることが望ましい。
尚、可動式ハーフミラー805は、前方から視認可能な電飾部材800の視認領域(表示領域の面積)よりも大きく構成され、可動式ハーフミラー805の姿勢によらず、電飾部材800の前方から見て、前記視認領域に対し、可動式ハーフミラー8005が隙間なく重なっている。このため、前方から見て可動式ハーフミラー805の周縁部が電飾部材800の視認領域の内側に位置してしまうことに起因して、前後に連なって見える光の態様が電飾部材800の視認領域の外縁よりも内側で途切れてしまい、違和感のある光の態様になってしまうといった事態を防止することができる。
(e)上記実施形態において、発光体ユニット411と左右構成部451、452との間に形成される空間を、各図柄表示領域42a、42b、42c毎に分けるようにして仕切る仕切板を設けることとしてもよい。例えば、発光体ユニット411の前面に対し、左図柄表示領域42aと中図柄表示領域42bとの境界部、及び、右図柄表示領域42cと中図柄表示領域42bとの境界部に沿って延びる仕切板を形成する。さらに、左側の仕切板は、その前辺部において、閉塞位置にある左構成部451及び第2閉塞位置にある右構成部452の後面と当接又は略当接し、右側の仕切板は、その前辺部において、第1閉塞位置及び第2閉塞位置にある右構成部452の後面と当接又は略当接するように構成する。当該構成を採用する場合、例えば、左図柄表示領域42aに対応して設けられるLED426から発せられ、発光部422を透過した光が、ハーフミラー431のうち中図柄表示領域42bに対応する部位に入射してしまい、当該中図柄表示領域42bにおける図柄の視認性を低下させてしまうといった事態を抑制することができる。また、例えば、中図柄表示領域42bに対応して設けられるLED426から発せられた光が左構成部451に入射することにより、意に反して、前方から見て前後に連なる図柄の行列が複数列表れてしまうといった事態を回避することができる。従って、各図柄表示領域42a、42b、42cに表示される図柄をより鮮明に視認させることができる。
(f)上記実施形態において、ハーフミラー431の前方に、役物又は可動役物を配置することとしてもよい。そして、ハーフミラー431越しに視認される7セグメント表示部421による光の態様と、ハーフミラー431の前方に配置される役物又は可動役物とを対応させることで、演出効果の更なる向上を図ることができる。
以下、図19に示す電飾部材900について説明する。電飾部材900は、発光体ユニットと、発光体ユニットの前方を閉塞するようにして設けられるハーフミラー901と、ハーフミラー901と発光体ユニットとの間において上下方向に延びる軸線を中心として回動可能に設けられる可動式ハーフミラーと、ハーフミラー901の前方に設けられる竜を模った役物905とを備えている。発光体ユニットに搭載されるLEDが消灯した状態では、単に竜の役物905がハーフミラー901の前方に視認されるだけであるが、LEDが発光すると、前後に連なる複数の発光部907が表れ、当該発光部907により竜の胴体が表現される。さらに、可動式ハーフミラーを回動させることで、竜があたかも胴体をくねらせるような表示態様となる。
尚、役物、可動役物としては、例えば、キャラクタ等の人形、看板等の表示物、各種入賞口やアウト口36から排出された遊技球を利用して所定の演出を行う役物(例えば、当該遊技球が入球可能な複数の入球部を備えるとともに、当該遊技球が入球する入球部の振分けを行う振分け手段を備える役物)等が挙げられる。また、役物、可動役物を常時視認可能としておく必要はなく、役物の前方側においてシャッタを出没させたり、可動役物を移動させたりして見え隠れさせることとしてもよい。
以下、可動役物を設ける場合の態様例について図20、図21を参照して説明する。図20は、遊技盤30に取付ける前の状態における装飾図柄表示装置42の模式正面図である。図21は図20の模式断面図である。
図20、図21に示す装飾図柄表示装置42は、ハーフミラー431の前方を閉塞する透明なガラス板601を備えている。ガラス板610とハーフミラー431とは前後に離間しており、両者間に形成される空間(以下、機能領域603と称する)には、可動役物605がスライド可能に設けられている。
より詳しく説明すると、機能領域603に対応する基部材402の下方には、プーリー612と、プーリー612の駆動を伝達するベルト613と、プーリー612を駆動させるステッピングモータ614とを具備するスライド機構611が設けられている。可動役物605はベルト613の上面に固定されており、基部材402の下壁部に形成された左右方向に延びるスリット607を介して、可動役物605が基部材402の下壁部よりも上方に突出している。これにより、可動役物605が前方から視認可能な領域において左右方向にスライド可能に構成されている。
また、基部材402のうち機能領域603に対応する部位の両側部には、前方から視認困難又は不可能となるようにして可動役物605を収容可能な収容部609が形成されている。加えて、発光体ユニット411の光源としては3色LEDが使用される。尚、機能領域603において、可動役物605を照らす光源が設置されることが望ましい。
次に、可動役物605を用いた演出例を説明する。装飾図柄表示装置42において変動表示が開始されてから所定時間経過後、発光体ユニット411の全てのLED426が一旦消灯された後、再び点灯される際に、収容部609に収容されていた可動役物605が装飾図柄表示装置42の表示部(視認可能な領域)の右下部に登場する。このとき、3つの7セグメント表示部421に関しては、下部の発光部422を発光状態として、図20に示すような、1つの大きな開口(穴)を表現する。
その後、可動役物605が左側の収容部609に移動した場合には、3つの7セグメント表示部421において、外れに対応する図柄の組合わせで変動表示を終了させる。一方、可動役物605が装飾図柄表示装置42の表示部の下部中央部において左右に小刻みに揺れ、再度全てのLED426が消灯した場合には続く演出に進む。
再びLED426が点灯されると、3つの7セグメント表示部421の下部の発光部422を点灯させて、色の異なる3つの開口(穴)を表現し、可動役物605をいずれかの開口の前で停止させる。尚、可動役物605がどの色の開口の前で停止するかにより、大当たりへの期待度が異なる(例えば、大当たり状態が発生する際には、可動役物605が赤色の開口の前で停止しやすい等)ようになっている。そして、全てのLED426が消灯した後、再度点灯する際に、3つの7セグメント表示部421において、大当たりに対応する組合わせ、又は、外れに対応する組合わせで図柄が停止表示され、変動表示が終了する。
以上のように、可動役物605を装飾図柄表示装置42の表示部に登場させて移動させたり、3つの図柄表示領域42a、42b、42c(3つの7セグメント表示部421)を可動役物605の背景として活用したりすることによって、装飾図柄表示装置42における表示演出の単調感を抑制することができる。
尚、可動役物605を視認困難なワイヤ(ピアノ線等)で吊り、装飾図柄表示装置42の表示部の全域を移動させることとしてもよい。また、可動役物605を上下に移動可能に設け、装飾図柄表示装置42の表示部に対し、可動役物605を上下方向に出没させてもよい。
また、図柄表示領域42a、42b、42cにおいて所定の図柄を表示しているときに可動役物605が装飾図柄表示装置42の表示部に登場すると、可動役物605により図柄の視認性が低下することが考えられるが、本実施形態では、各図柄表示領域42a、42b、42cにおいて、対応する構成部451、452が閉塞位置にあれば、同じ図柄が前後に連なって(多重に)見えるため、例えば、一番手前側に見える図柄(実像)が可動役物605によって隠されても、奥側に見える図柄(虚像)を視認することで、表示されている図柄を推認することができる。従って、可動役物605の存在によって図柄表示領域42a、42b、42cにおいて表示されている図柄を認識することができず、これに起因して、遊技者が不快感を覚えてしまうといった事態を防止することができる。また、可動役物605で前後に連なって見える図柄の一部を見え隠れさせるといった動作を積極的に取り入れることで、演出の多様化を図ることもできる。
(g)また、上記実施形態において、ハーフミラー431と透光部材412との間に、役物又は可動役物を配置することとしてもよい。この場合、例えば、上記(f)に記載した役物、可動役物が、あたかも前後に連なっているような視認態様となる。より詳しくは、7セグメント表示部421において視認される光部と、役物又は可動役物とが交互に配置されるようにして前後に連なって見える。従って、演出効果の更なる向上を図ることができる。さらに、上記(f)の構成と組み合わせてもよく、あるときには可動役物がハーフミラー431の前方に出現するが、あるときには可動部材がハーフミラー431の後面側に出現するといった構成を採用することにより、劇的な演出効果を生じさせることができる。尚、可動役物をハーフミラー431及び透光部材412との距離を遠近させるようにして前後に移動可能に構成した場合、可動部材がハーフミラー431と透光部材412との間に形成される空間(機能領域)の前後方向中間位置にあるときには、7セグメント表示部421の光部と可動役物とが離間しているように見え、可動部材が透光部材412(又はハーフミラー431)と略当接する位置にあるときには、可動部材が7セグメント表示部421の光部と略当接しているように見える。
態様例としては、ハーフミラー431と左構成部451との間において立っている人間を模った人形を配置する。そして、左構成部451が開放位置にある場合には、左図柄表示領域42aにおいて一人の人形が視認されるだけだが、左構成部451が閉塞位置にある場合には、左図柄表示領域42aに行列ができることとなる。また、可動式のハーフミラーを複数枚前後に並べて配置する場合には、行列の人数をより大きく変化させることができる。尚、可動式のハーフミラーを複数枚前後に並べなくても、可動式のハーフミラーを前後にスライドさせることで、行列をつくる人数を変化させることができる。
(h)上記実施形態では、透光部材412の後面側に発光手段としてのLED426が設けられているが、例えば、ハーフミラー431と左右構成部451、452との間に発光手段を設けることとしてもよい。この場合、発光手段から発せられ、ハーフミラー431及び左右構成部451、452にて1回ずつ反射した光の他に、発光手段から発せられ、ハーフミラー431に直接入射して当該ハーフミラー431を透過した光、左右構成部451、452にて1回反射した光、ハーフミラー431にて1回、左右構成部451、452にて2回反射した光の少なくともいずれかがハーフミラー431の前方に照射されるように構成することで、複数の光部が前後に連なっているような光の態様とすることができる。
加えて、LED426やLED基板425を開口部417の内側(透光部材412の前面と後面との間)に設置することとしてもよい。この場合、LED426から発せられ、発光部422を透過しない光が対応する開口部417から漏れてしまうといった事態をより確実に抑制することができる。
(i)上記実施形態において、透光部材412の開口部417の内側面(後方に露出する透明層413は除く)に対し、金属メッキを施したり、金属箔を貼り付けたりして、反射率を高めてもよい。この場合、LED426から発せられた光のうち、発光部422に直接入射しない角度で照射された光についても、発光部422に入射させることができる。従って、装飾図柄表示装置42の前方から視認される光の態様を効率的に明るくすることができる。尚、樹脂層416自身を反射率の高い金属により構成した場合においても同様の作用効果が奏される。
(j)上記実施形態では、ハーフミラー431と左右構成部451、452とが平行に対向配置されているが特にこのような構成に限定されるものではなく、ハーフミラー431にて反射した光が左右構成部451、452にて反射し、再びハーフミラー431に入射可能に構成されていればよい。例えば、図22に示すように、ハーフミラー431を遊技盤30と平行させて配置し、左右構成部451、452をハーフミラー431の後方かつ上方において遊技盤30と直交させて配置するとともに、ハーフミラー431の後方かつ左右構成部451、452の下方において、ハーフミラー431及び左右構成部451、452に対して同一面が対向し、ハーフミラー431及び左右構成部451、452に対して45度傾斜する姿勢で配置される鏡991(又はハーフミラー)を設ける。そして、左右構成部451、452の上方に設けられたLED基板425のLED426から発せられた光が、左右構成部451、452を介して下方に照射され、鏡991にて反射した後、ハーフミラー431に入射するといった構成を採用してもよい。この場合、ハーフミラー431にて反射した光は、鏡991及び左右構成部451、452にて反射した後、再度鏡991にて反射してハーフミラー431に入射する。従って、当該構成を採用する場合においても、装飾図柄表示装置42において前後に連なっているような光の態様を視認させることができる。
(k)上記実施形態では、左右構成部451、452の変位に際して、全てのLED426を消灯することにより、装飾図柄表示装置42の前方(遊技者)から、左右構成部451、452の変位を視認不可能又は困難としているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、左右構成部451、452よりも前方(例えば、ハーフミラー431と左右構成部451、452との間)において、ハーフミラー431や左右構成部451、452と平行して延びるシャッタ部材を左右方向においてスライド可能に設け、左右構成部451、452の変位に際して、当該シャッタ部材をハーフミラー431と前後に重なる位置へと変位させることとしてもよい。この場合、左右構成部451、452の変位を確実に視認不可能とすることができる。
(l)上記実施形態では、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成されているが、これに限らず、他の金属材料により構成してもよい。但し、アルミニウム合金は、他の金属材料よりも比較的軽く加工性がよいため、リサイクル性の向上を図る点においては、より好ましい。もちろん、木製の板材を小ネジ等の離脱可能な締結具により組み付けることで外枠11を構成してもよい。但し、上記実施形態のように、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dを金属製とすることで、耐久性及びリサイクル性の向上を図ることができる上、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dの強度を保ちつつ薄肉とすることができることにより、パチンコ機10のように、その外郭形状が規格的に略同一形状に構成される遊技機において、外枠11によって囲まれたスペースが左右幅方向に拡張されることとなり、当該スペースをより有効に利用することができる。また、従来の木製の外枠では、内部スペースの拡張等のために左右両辺の枠構成部にルータ加工等を施していたが、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dを金属で構成することにより、ルータ加工等のような手間のかかる作業を必要とせず、作業工程の簡素化を図ることができる。さらに、成形の自由度が向上するため、右辺枠構成部11dの断面形状を、内枠12と外枠11との隙間を減少させたり、内枠12と外枠11との隙間から針金等の線材をパチンコ機10の内部に侵入させにくくしたりする形状とすることができる。
尚、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dは押出成形品でなくともよく、例えば型成形品でもよい。また、上記実施形態では、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dだけが金属製であるが、これに限らず、上辺枠構成部11aや下辺枠構成部11bを金属製にしてもよい。この場合、例えば上下左右の枠構成部11a〜11dのうちの2つ或いは3つの枠構成部、又はすべての枠構成部を一体成形してもよい。加えて、延出壁部83を省略した構成としてもよい。
(m)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
10…パチンコ機、11…外枠、12…内枠、14…前面枠セット、30…遊技盤、42…装飾図柄表示装置、42a,42b,42c…図柄表示領域、45…表示制御装置、261…主制御装置、262…電飾部材としてのサブ制御装置、401…本体部、411…発光体ユニット、412…導光手段としての透光部材、414…反射面としての銀メッキ層、422…透光部を構成する発光部、425…発光手段を構成するLED基板、426…LED、431…第1反射部材としてのハーフミラー、433…反射面、451…第2反射部材及び可動式反射部材としての左構成部、452…第2反射部材及び可動式反射部材としての右構成部、454…反射面、457…ラッチ部、471…ステッピングモータ。