手段1.光を透過可能な透明部材と、前記透明部材を介して前方から視認可能に構成される第1表示手段及び第2表示手段とを具備する表示装置を備えた遊技機であって、
前記透明部材は、遊技機の前方に臨む前面と、前記第1表示部材から発せられた光、又は前記第1表示部材にて反射した光のうち前記透明部材の内部に進入した光を前記前面に向けて反射可能な案内面とを備え、
前方から視認可能な前記表示装置の表示領域において、前記案内面に映って見える前記第1表示部材の態様に隣接又は近接して、前記第2表示部材の態様が視認可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、表示装置の表示領域において視認される表示態様は、少なくとも第1表示部材の態様と第2表示部材の態様とを組合わせることで構成されている。特に、第1表示部材の態様は、第1表示部材から発せられた光、又は第1表示部材にて反射した光(以下、単に「第1表示部材の光」と称する)が案内面にて反射し、前面を透過して遊技者の目に入ることで視認可能とされることから、第1表示部材及び第2表示部材を実際に並べて配置しなくても、表示装置の表示領域において、第1表示部材の態様と第2表示部材の態様とを並べて(隣接又は近接させて)見せることが可能となる。このように、第1表示部材と第2表示部材とを実際に並べて配置しなくてもよいことから、透明部材、ひいては、表示装置の形状及び設置スペースに関して融通が利き、その他の部材を設置するためのスペースを確保し易い。すなわち、スペースの空いているところに透明部材を拡張配置したり、表示部材を配置したりするとともに、表示部材の光を上手く反射させることで、両表示部材の態様を組合わせた表示態様を、表示装置の表示領域の全体を使って前方から視認可能とすることができる。結果として、その他の部材が設置されない空きスペースを活用して表示装置の表示領域を拡張させることができる。
また、例えば、透明部材に代えて、案内面に対応する位置に鏡を設けた場合には、表示部材の態様のみならず、表示装置内部のその他の構成が見えてしまい(第1表示部材自体が見えてしまったり、例えば表示部材が液晶表示装置である場合には表示部を囲む枠部等が見えてしまったりする)、意匠性の低下を招くおそれがある。さらに、第1表示部材の光のうち案内面にて反射する光だけでなく、案内面にて反射しない光についても直接前方に照射されてしまうおそれがあり、各表示部材の態様の視認性の低下を招くことが懸念される。これに対し、本手段のように透明部材を設けることで、余分な光を減少させることができ、上記不具合を抑止することができる。
尚、透明部材は1つの透明体により構成されていてもよいし、複数の透明体により構成されてもよい。また、透明部材の前面とは、表示装置の表示領域を前方から見たときに直接(透明部材の奥側ではなく手前側に)見える面であって、一つの透明体で構成されてもよいし、複数の透明体で構成されてもよい。加えて、表示部材は、所定の制御装置により制御される液晶表示装置、7セグメント表示装置、EL表示装置、発光手段等の電気的表示手段であってもよいし、役物、可動役物等の成形品であってもよい。
手段2.前記第2表示部材は、前記透明部材のうち前記前面、前記案内面、及び前記第1表示部材が対応して設けられる面とは異なる面に対応して設けられ、
前記第2表示部材から発せられた光、又は前記第2表示部材にて反射した光が前記案内面にて反射することなく前記前面を透過して前方に照射可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、上記手段1の作用効果が奏される表示装置を確実に得ることができる。
手段3.前記第1表示部材及び前記第2表示部材のうち少なくとも一方は、表示部を備えるとともに、所定の制御手段によって表示部の表示態様が変更可能に構成される電気的表示手段として構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
手段3のように、第1表示部材及び第2表示部材のうち少なくとも一方が電気的表示手段として構成される場合であっても、上記手段1等に記載のように、両表示部材を実際に並べなくても、両表示部材の態様が並んでいるように見せることができることから、表示装置を前方から見て、各表示部材の態様の間に、電気的表示手段として構成される表示部材の枠部(表示部を囲うようにして設けられる枠部)が見えてしまうといった事態を回避することができる。このため、各表示部材の態様が連続しているように見せることができ、第1表示部材の態様と第2表示部材の態様とを並べて1つの大きな態様とすることができる上、両表示部材の態様を組合わせた態様の一体感を高めることができる。
また、第1表示部材及び第2表示部材がともに電気的表示手段である場合には、両表示部材の態様を並べることで、あたかも1つの表示部で表示演出が行われているかのような視認態様となる。従って、両表示部材の表示部の面積を足した大きさの面積を有する表示部を備えた大きな表示部材を設ける場合に比べ、比較的小型の電気的表示部材を2つ用意すればよいので、表示部材にかかるコストの増加を抑制することができる。
手段4.前記第1表示部材及び前記第2表示部材は、それぞれ表示部を備えるとともに、所定の制御手段によって表示部の表示態様が変更可能に構成される電気的表示手段として構成され、
前記第1表示部材から発せられる光及び前記第2表示部材から発せられる光のうち、遊技機の前方に位置する遊技者の視界に入る方向に照射されることとなる光に関し、前記第1表示部材から発せられた光が前記前面に入射するまでの距離と、前記第2表示部材から発せられた光が前記前面に入射するまでの距離とが同じ又はほぼ同じであることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
手段4によれば、表示装置を前方から見ると、第1表示部材の態様と、第2表示部材の態様とが面一(ほぼ面一)に表示されているように見える。従って、2つの表示部材の態様を隣接させた場合には、当該2つの表示部材の態様を、あたかも、一つの表示部材において表示された態様であるかのように見せることができる。このため、両表示部材の態様の境界部を跨ぐような表示を行う(例えば、第1表示部材において所定のキャラクタの頭部を表示し、第2表示部材においてかかる所定のキャラクタの胴体を表示する)場合に違和感が生じてしまうといった事態を防止することができる。尚、「前記前面は、前記第1表示部材から発せられ、遊技機の前方に位置する遊技者の視界に入る方向に照射されることとなる光が入射する部位と、前記第2表示部材から発せられ、遊技機の前方に位置する遊技者の視界に入る方向に照射されることとなる光が入射する部位とが面一であること」としてもよい。この場合、本手段4の作用効果が確実に奏される。
手段5.前記案内面の前縁部は、前記表示装置を前方から見て、当該表示装置の表示領域の外周縁と前後に重なっていること、又は、当該表示装置の表示領域の外周縁よりも外側に位置することを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段1等に記載のように、第1表示部材の光は案内面にて反射して前面に入射する構成であることから、前面に対し案内面は所定角度傾斜して延びている。このため、案内面の後方(裏側)のスペース(三角隙)を利用してその他の部材等を設置することができる。しかしながら、案内面が透明部材の中央部に形成されている場合には、案内面の後方のスペースをその他の部材の設置スペースとして利用するのは困難である。これに対し、本手段5によれば、案内面を透明部材の端部に形成することができる。このように、案内面が透明部材の端部に形成される場合には、案内面後方のスペースをその他の部材の設置スペースとして比較的容易に活用することができる。また、透明部材のうち案内面に対応する部位は前後幅が小さいため、当該部位を狭いスペースに入れ込むようにして透明部材(表示装置)を設置することもできる。
尚、パチンコ機に当該表示装置を搭載する場合には、案内面の裏側のスペースを利用して、各入賞口に入賞した遊技球を遊技機外部へと排出する排出通路部に導くための球通路を設置することができる。これにより、表示装置を迂回させるようにして球通路を延設する場合に比べ、球通路の短縮(簡素化)等を図ることができ、遊技盤の背面側にその他の部材を設置するためのスペースをより大きく確保することができる。また、入賞口と表示装置とをより近接配置することができるため、遊技領域のうち遊技球が流下可能な領域をより大きく確保することができる。
手段6.前記表示装置は、前記案内面に対応して設けられ、前記透明部材を介して前方から視認可能に構成される第3表示部材と、前記透明部材を回動変位可能な駆動手段とを備え、
前記第3表示部材から発せられた光、又は、前記第3表示部材にて反射した光が、前記案内面を介して、前記透明部材の内部に進入するとともに、前記前面を透過して前方へと照射可能に構成され、
前記透明部材は、前記駆動手段の駆動により、
前記透明部材を介して前記第1表示部材が視認可能となり、かつ、前記第3表示部材が視認不可能となる第1の姿勢と、
前記透明部材を介して前記第3表示部材が視認可能となる第2の姿勢との間で変位可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段6によれば、透明部材を第1の姿勢と第2の姿勢とに変位させることで、前記予め定めた前方位置から第3表示部材を視認不可能な状態と、第3表示部材を視認可能な状態とに切替えることができる。従って、装飾効果や演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、前記第2表示部材から発せられた光、又は前記第2表示部材にて反射した光は、前記透明部材のいずれの面にも反射することなく前記前面に入射することとしてもよい。この場合、第2表示部材が透明部材に取付けられ、透明部材の回動変位に伴って第2表示部材が若干量回動変位する場合であっても、遊技者の目に入る第2表示部材の光の量が著しく少なくなってしまうといった事態を回避することができる。このため、前方から視認される第2表示部材の態様が暗くなってしまうといった事態を回避することができ、第2表示部材の態様に関しては、常に前方から明確に視認可能とすることができる。
尚、第1表示部材と第3表示部材とが別々に設けられており、第1表示部材から発せられた光又は第1表示部材にて反射した光が遊技者の目に到達するまでの距離(光の移動距離)と、第3表示部材から発せられた光又は第3表示部材にて反射した光が遊技者の目に到達するまでの距離とを異ならせることができることから、表示装置の前方から視認される第1表示部材の態様と第3表示部材の態様とを前後方向において位置をずらすことができる。従って、透明部材を回動変位させ、遊技者に対し、第1表示部材の態様を見せたり、第3表示部材の態様を見せたりすることで、前方から見える表示装置の視認態様(態様の見える位置)を前後に変化させることができる。尚、透明部材が複数の透明体により構成される場合には、駆動手段は、前面及び案内面を具備する透明体を回動可能に構成されることとしてもよい。
手段7.前記表示装置は、前記案内面に対応して設けられ、前記透明部材を介して前方から視認可能に構成される第3表示部材を備え、
前記第3表示部材から発せられた光、又は、前記第3表示部材にて反射した光が、前記案内面を介して、前記透明部材の内部に進入するとともに、前記前面を透過して前方へと照射可能に構成され、
前記第1表示部材から発せられた光、又は前記第1表示部材にて反射した光には、前記前面を透過して前方へと照射されたときの光の照射角度が、前記第3表示部材から発せられた光、又は、前記第3表示部材にて反射した光が前記前面を透過して前方へと照射されたときの光の照射角度とは異なる光が含まれ、
前記表示装置は、前記透明部材を回動変位可能な駆動手段を備え、
前記透明部材は、前記駆動手段の駆動により、
前記第3表示部材から発せられた光、又は、前記第3表示部材にて反射した光のうち、前記透明部材の内部に進入するとともに前記前面を透過した透過光が、遊技機の前方に位置する遊技者の視界から外れる方向に照射される第1の姿勢と、
前記透過光が前記遊技者の視界に入る方向に照射される第2の姿勢との間で変位可能に構成され、
少なくとも前記透明部材が前記第1の姿勢にある場合には、前記第1表示部材から発せられた光、又は、前記第1表示部材にて反射した光のうち、前記透明部材の内部に進入して前記案内面(案内面と透明部材外部との界面)にて反射するとともに、前記前面(前面と透明部材外部との界面)を透過した透過光が、前記遊技者の視界に入る方向に照射されることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機
手段7によれば、透明部材が第1の姿勢にある場合には、遊技者にとって、第3表示部材の態様は見えないが、第1表示部材の態様が見える状態になる。一方、透明部材が第2の姿勢にある場合には、第3表示部材の態様が遊技者から見えるようになる。結果として、基本的に上記手段6と同様の作用効果が奏される。
尚、「前記第1表示部材から発せられた光、又は前記第1表示部材にて反射した光の一部は、前記第3表示部材から発せられた光、又は、前記第3表示部材にて反射した光の一部と、前記前面を透過して前方へと照射されたときの光の照射角度が同じ又はほぼ同じであること」としてもよい。この場合、表示装置を前方から見て、第1表示部材及び第3表示部材の両方の態様を同時に視認可能とすることができる。特に、表示装置の前方から視認される第1表示部材の態様と第3表示部材の態様とを前後方向において位置をずらした場合には、奥行きのある立体的な視認態様とすることができる。従って、単に1つの表示部材を前後させる場合には奏され得ない劇的な演出効果を生じさせることができ、遊技の単調感を抑制することができる。
尚、一般に、遊技機は遊技ホールに設けられた島設備に設置され、遊技者は、各遊技機の前方に設置された椅子に着席して遊技を行うことから、「遊技機の前方に位置する遊技者の視界」とあるのは、遊技中の遊技者、すなわち、遊技機の前方に設置された椅子に着席している遊技者の視界を意図している。
手段8.前記第2表示部材は前記表示部材に対して固定的に設けられていることを特徴とする手段6又は7に記載の遊技機。
手段8によれば、透明部材の回動変位に伴い、前方から視認される第2表示部材の態様が暗くなったり、第2表示部材の態様が傾いたりする等して、視認性が悪化してしまうといった事態を回避することができる。従って、遊技者にとって関心の高い重要な情報に関しては、第2表示部材において表示しておくことで、かかる情報が見え難いことに起因して遊技者の不快感を招いてしまうといった事態を防止することができる。また、本手段8の構成を採用することで、第2表示部材が回動変位する透明部材に取付けられるとともに、第2表示部材の光を透明部材の所定の面にて反射させてから前面に入射させる構成を採用する場合であっても、透明部材が第2の姿勢へと変位したときに第2表示部材の態様が暗くならない。このため、透明部材を直線状に延長しなくても、表示装置を設置するために確保することのできるスペース(空きスペース)に応じて透明部材を拡張することで、前方から視認される第2表示部材の態様の前後位置をより奥側に配置することができる。
尚、「短時間で大量の遊技媒体を獲得可能な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選を行うとともに、前記当否抽選にて当選した場合には、特別遊技状態を付与する遊技制御手段を備え、前記当否抽選にて当選した場合には、少なくとも前記第2表示部材において、特別遊技状態が付与されることを告知する表示が行われること」としてもよい。
手段9.操作部を具備する角度調節手段を備え、前記操作部を操作することにより、前記第1の姿勢及び前記第2の姿勢にあるときの前記透明部材の前記前面及び前記案内面の傾斜角度を変更可能であることを特徴とする手段6乃至8のいずれかに記載の遊技機。
一般に、遊技ホール等に設置される遊技機は、遊技者が椅子に着席した状態で遊技が行えるように、島設備のカウンター等に載置される。しかしながら、遊技機の高さ位置や椅子の高さ等が遊技ホール毎に異なる場合には、上記した表示装置の視認態様についても異なって見えてしまうことが考えられ、場合によっては、上記した作用効果が上手く奏されないことが懸念される。
この点、本手段9に記載の角度調節手段を設けることにより、透明部材の基準となる姿勢を調節(微調整)することができるため、遊技機の設置状況により、表示装置の視認態様に支障が生じるような場合であっても、角度調節手段を操作して、かかる不具合を比較的簡単に解消することができる。
尚、操作部と透明部材とが連動する構成であってもよいし、操作部への操作(操作量)を検出する検出手段により操作部への操作が検出された場合に、所定の制御装置が前記駆動手段を駆動させ、透明部材を所定角度回動させる構成であってもよい。また、角度調節手段の操作部としては、スライドレバーや回動可能なつまみ等が挙げられる。加えて、角度調節手段は、操作部の変位を規制するロック部材を備えることが望ましい。
尚、遊技機としてのパチンコ機に関しては、パチンコ機全体を前後に傾かせることで、各台毎に遊技球の流下経路を変化させる(いわゆる寝かせ調整が行われる)場合がある。一般に、かかる調整に際しパチンコ機を傾かせる角度は僅かであり、上記した表示装置の視認態様が大きく変化してしまうことはほとんどないと言ってもよいのであるが、表示装置の視認態様の差異をほぼ完全になくしたい場合には、角度調節手段を操作することで比較的簡単にかかる差異をなくすことができる。
手段10.前記透明部材は、前記案内面が上方又は下方から入射した光を前記前面に向けて反射する向きで設置され、左右方向に延びる軸線を中心として回動可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
例えば、案内面が左右方向(例えば遊技機を正面から見て左方側)から入射した光を前方に反射可能な向きで透明部材が設置される場合、遊技者の一方の目(例えば右目)には第1表示部材の態様が明確に見えるが、遊技者の他方の目(例えば左目)には第1表示部材の態様がかすれて見える又は見えないといった事態が発生するおそれがある。これに対し、本手段10に記載の向きで透明部材が配置されることにより、上記不具合を防止することができ、上記各手段の作用効果が確実に奏されることとなる。
尚、上記手段6、手段7に対応しては、例えば、案内面が左右方向(例えば遊技機を正面から見て左方側)から入射した光を前方に反射可能な向きで透明部材が設置される場合、透明部材が第1の姿勢にある場合において、遊技者の一方の目(例えば右目)には第3表示部材の態様が見えないが、遊技者の他方の目(例えば左目)には第3表示部材の態様が見えてしまうといった事態を防止することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する第1の表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)と、前記第1の表示手段による変動表示等に伴って表示演出を行う第2の表示手段とを備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに、上皿及び下皿を設けて賞球に応じて払出された遊技球を貯留可能に構成するとともに、上皿から遊技球を取り込むことにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に開閉部材としての内枠12が開閉可能に支持されている。なお、内枠12及びこれに取付けられる遊技盤30等の各種構成部材により本実施形態における遊技機本体が構成される。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した遮蔽部材としての延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84、85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する上皿19が設けられている。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33に遊技球が入球(入賞)すると、それぞれに対応して設けられた検知スイッチからの出力信号に基づき、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33)に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は複数の発光手段(LED)を内蔵しており、遊技球が第2契機対応口34を通過すると点灯表示態様が切換表示(変動表示)され、その変動表示が特定の点灯態様で数秒間停止した場合に第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる(第1契機対応ユニット33において上下一対で設けられる入球口のうち下側の入球口に対応して設けられる羽根部材が開放され、下側の入球口への入球が許容される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の側方に設けられた複数の発光部により構成され、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞する毎に点灯する発光部の組合せが切換えられる(変動表示される)。そして、変動表示が停止したときに点灯している発光部の組合わせにより、大当たりか否かが確定的に表示される。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
本実施形態における装飾図柄表示装置42は2つの液晶表示装置を搭載しており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって各液晶表示装置の表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、左、中及び右の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、左図柄表示領域→右図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、特別表示装置43にて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、左図柄表示領域、中図柄表示領域、及び右図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、左図柄表示領域及び右図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように左図柄表示領域及び右図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、第1契機対応ユニット33の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で第1契機対応ユニット33に入球するようになっている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)再び発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45、及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a、262aは透明樹脂材料等により構成され、収容ボックス42a及び基板ボックス45a、262aを介して各制御装置42、45、262を視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている。また、裏枠セット215は主制御装置261の取付台(取付部材)として機能し、主制御装置261は裏枠セット215の右側部(図6では左側)に対して開閉可能に支持され、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、裏枠セット215の球回収機構の球通路上には、一般入賞口31に入球した遊技球を検知する入賞口スイッチ(221)、及び第1契機対応ユニット33に入球した遊技球を検知する第1契機対応スイッチ(224)が設けられている(図7参照)。尚、球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
尚、遊技盤30に固定される可変入賞装置32には当該可変入賞装置32に入球した遊技球を検知するカウントスイッチ(223)が設けられ、遊技盤30のうち第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口34を通過する遊技球を検知する第2契機対応スイッチ(225)が設けられている。また、第1契機対応ユニット33は上下2つの入球口を備えており、上側の入球口に対応する第1契機対応スイッチは上記のように球回収機構の球通路上に設けられているが、下側の入球口に対応する第1契機対応スイッチは第1契機対応ユニット33に設けられている。上記各検知スイッチによる検知の結果は主制御装置261に取り込まれ、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出しが直ちに行われる。
その他、裏枠セット215には、各種検知スイッチと主制御装置261との電気的な接続を中継する中継基板やLED基板等が設けられている。尚、第1契機対応ユニット33への入球を検知する第1契機対応スイッチ(224)は中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続される。また、可変入賞装置32には大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33には下側の入球口に対応して電動役物(羽根部材)を開放するための第1契機対応ユニット(始動口)ソレノイドが設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられており、外部中継端子板240に設けられた各出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技状態等に関する信号が出力される構成となっている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて囲む構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持され、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251は、球回収機構216から導出された遊技球が流入する排出通路部217を備え、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。従って、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構216を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203及び裏枠セット215が別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313、及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。また、払出制御装置311は基板ボックス311aに収容されて基板ボックス313aの背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス313aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス313aの開封した痕跡が残るようになっている。加えて、カードユニット接続基板314は基板ボックス314aに収容されて基板ボックス313aの背面側に固定されている。各基板ボックス311a、313a、314aは透明樹脂材料等により構成され、基板ボックス311a、313a、314aを介して各制御装置311、312,313、314を視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することがさらに困難となる。結果として、さらなる防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
さて、本実施形態では装飾図柄表示装置42に特徴がある。以下、かかる構成について図面を参照して説明する。図8は、装飾図柄表示装置42を上下方向に切断したときの模式側断面図である。図9は、装飾図柄表示装置42を示す模式斜視図である。図10は、プリズム404を回動させる構成を説明するための模式斜視図である。尚、図8では、センターフレーム47や各種制御装置等の図示を省略している。
図8〜図10に示すように、装飾図柄表示装置42は、遊技盤30の背面側に固定され、前方に開口した窓部402を有する略箱状の本体部401と、本体部401の窓部402を閉塞するようにして設けられるハーフミラー403と、透明な素材(例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂等)よりなり、本体部401に収容される第1プリズム405及び第2プリズム406と、液晶表示装置である第1表示部材407及び第2表示部材408とを備えている。尚、本実施形態では、装飾図柄表示装置42が表示装置を構成し、第1プリズム405及び第2プリズム406が透明部材を構成する。
本体部401は、左方(図8、図9では紙面奥側)に開口する断面略コ字状の基部材411と、基部材411の左方の開口を閉塞する蓋部材412とを備えている。また、図8に示すように、本体部401の上下壁部の内側面には、左右方向に沿って、ハーフミラー403の上辺部及び下辺部をそれぞれ係止するためのスリット414が形成されている。すなわち、基部材411の左方から、ハーフミラー403をスリット414に挿通させてハーフミラー403を本体部401の内側に収容するとともに、詳しくは後述する第1プリズム405及び第2プリズム406を本体部401の内側に収容した後、蓋部材412を基部材411に取付けることで、装飾図柄表示装置42が組立てられる。
また、図9に示すように、本体部401には、左右の側壁部から外方に突出する取付片416が設けられている。装飾図柄表示装置42の取付に際しては、遊技盤30に形成された表示用開口部421に対し、遊技盤30の後面側から装飾図柄表示装置42(本体部401の前部)を挿通させ、遊技盤30の後面と取付片416とを当接状態とする(図8参照)。その後、取付片416に形成された取付孔417、及び遊技盤30に形成された取付穴(図示略)にねじを螺着することにより、装飾図柄表示装置42が遊技盤30に固定される。尚、本実施形態では、第1プリズム405及び第2プリズム406は遊技盤30よりも後方に位置している。
図8、図10に示すように、第1プリズム405は、直方体の下部を斜めにカットしたような多面体(四角柱)であり、プリズム404を左右に分けるようにして切断したときの断面形状が台形をなしている。より詳しくは、第1プリズム405は、パチンコ機10の前方に臨む前面431と、前面431の上縁部から後方に向けて前面431と直交する方向に沿って延びる上面432と、前面431の下縁部から後方に向けて上面432に近付く向き(上方)に傾斜して延びる下面(以下、案内面433と称する)と、上面432の後縁部から案内面433の後縁部にかけて前面431と平行に延びる後面434と、左右両側面とを備えている。本実施形態では、前面431と案内面433とのなす角度が45度となっている。また、上面432の前後幅と、後面434の上下幅とが同じ長さとなっている。さらに、前面431の上下幅は後面434の上下幅の2倍の長さとなっている。
図10に示すように、第1プリズム405の両側部には、黒色の樹脂よりなる固定部441が嵌合状態で設けられている。当該固定部441にはそれぞれ外方に突出する軸部442が設けられており、各軸部442が本体部401の側壁部に形成された図示しない軸受け部に軸支されている。これにより、本体部401に対し、第1プリズム405が左右方向に延びる軸線を中心として回動可能となっている。本実施形態では、軸部442が、第1プリズム405の案内面433と後面434との境界部に対応して設けられており、同境界部近傍を中心として回動可能に構成されている。加えて、固定部441にはガイド突起443が設けられており、当該ガイド突起443が、本体部401の内側面に形成された図示しない略円弧状のガイド溝に挿入されている。これにより、第1プリズム405の回動変位がガイドされることとなる。また、左右一対の軸部442のうち一方側には歯車444が固定されている。
また、図10に示すように、装飾図柄表示装置42は、第1プリズム405を回動変位させるステッピングモータ409(図10参照)を備えている。ステッピングモータ409は、モータ本体451と、回転軸452と、回転軸452に固定されたギア453とを備えている。また、ステッピングモータ409のギア453と、軸部442の歯車444との間には、歯付きのベルト455が掛装されている。そして、ステッピングモータ409が駆動すると、ステッピングモータ409の駆動力がベルト455を介して第1プリズム405に伝達され、第1プリズム405が回動することとなる。
本実施形態では、第1プリズム405は、前面431と遊技盤30とが平行して延びる姿勢(以下「第1の姿勢」と称する)と、第1の姿勢から前面431の上部が前方に傾倒する向き(案内面433が起き上がる向き:図8の反時計回り方向)に10度回動した姿勢(以下「第2の姿勢」と称する)との間で変位可能に構成されている。尚、ステッピングモータ409の配置は特に限定されるものではなく、パチンコ機10に設けられるその他の部材の設置スペースに応じて、第1プリズム405の後方、上方、又は下方に配置される。また、本実施形態では、ステッピングモータ409が駆動手段を構成する。
また、第1プリズム405の前面431の周縁部は、第1プリズム405が第1の姿勢及び第2の姿勢のどちらの姿勢にあっても、本体部401の窓部402(前方から視認可能な装飾図柄表示装置42の表示領域)の外周側に位置しており、装飾図柄表示装置42の前方から見て、当該装飾図柄表示装置42の表示領域と、第1プリズム405の前面431とが隙間なく重なっている。これにより、第1プリズム405の前面431の周縁部が前方から見えてしまうことに起因して、意匠性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
図8、図10に示すように、第2プリズム406は略直方体であり、第2プリズム406を左右に分けるようにして切断したときの断面形状が正四角形状をなしている。より詳しくは、第1プリズム405の後面434と当接可能な当接面461と、当接面461と対向する裏面462と、上面、下面、及び左右両側面とを備えている。本実施形態では、第2プリズム406の前後幅及び上下幅が、第1プリズム405の後面434の上下幅及び上面432の前後幅と同じ長さとなっている。
また、図8に示すように、第2プリズム406は、本体部401の内部に設けられた台座部464に載置されており、第1の姿勢にある第1プリズム405の後面434に対し、当接面461が面で当接する構成となっている。より詳しくは、第1プリズム405が第1の姿勢にある状態において、第1プリズム405の後面434の上辺部と、第2プリズム406の当接面461の上辺部との高さ位置が一致し(略当接し)、第1プリズム405の後面434の下辺部と、第2プリズム406の当接面461の下辺部との高さ位置が一致する(略当接する)構成となっている。また、図10に示すように、第2プリズム406は、左右両側面からそれぞれ外方に突出する四角柱状の支持凸部466を備えており、当該支持凸部466は、本体部401の左右側面に形成された図示しない支持凹部に嵌合状態とされている。これにより、第2プリズム406の位置ずれが防止されることとなる。
また、本実施形態における第1プリズム405及び第2プリズム406は、第1プリズム405及び第2プリズム406の内部から大気(空気)に向かって光が入射する場合において、全反射が起こり始める角度(臨界角)が42度となる素材により構成されている。尚、第1プリズム405及び第2プリズム406は中実状に構成されており、中空部や穴等は形成されていない。また、プリズム404及び第2プリズム406の表面(少なくとも第1プリズム405の前面431、案内面433、上面432、後面434、及び、第2プリズム406の当接面461、裏面462)は平滑面となっている。
第1表示部材407は、その表示部が第1プリズム405の上面432と平行に、かつ、ほぼ当接した状態で、第1プリズム405(固定部441)に取付けられている。また、第2表示部材408はその表示部が第2プリズム406の裏面462と平行に、かつ、ほぼ当接した状態で、第2プリズム406(第2プリズム406の背面側に嵌合固定された固定部)に取付られている。さらに、第1表示部材407の表示部は、第1プリズム405の上面432(固定部441で覆われていない部位)とほぼ同じ面積となっており、取付状態において第1表示部材407の枠部は上面432の外周側に位置している。また、第2表示部材408の表示部は、第2プリズム406の裏面462とほぼ同じ面積となっており、取付状態において第2表示部材408の枠部は裏面462の外周側に位置している。
また、図8に示すように、本実施形態における装飾図柄表示装置42は、第1プリズム405の案内面433の後方において、左右方向においてスライド可能な可動役物471を備えている。より詳しくは、可動役物471の下方には左右一対のプーリー473と、プーリー473の駆動を伝達するベルト474と、プーリー473を駆動させるステッピングモータ475とを具備するスライド機構472が設けられており、可動役物471はベルト474の上面に固定されている。これにより、可動役物471が左右方向にスライド可能に構成されている。加えて、本体部401の内側には、可動役物471を照らす発光部材477が設置されている。本実施形態では、可動役物471が第3表示部材を構成する。
尚、一般に、遊技ホールの島設備に設置されたパチンコ機10は、遊技ホール等において、装飾図柄表示装置42が、遊技者の視点位置とほぼ同じ高さ位置となるように構成されている。具体的に、パチンコ機10の前方に設置された椅子に着席し、ハンドル18を操作する遊技者が真直ぐ(水平に)前方を視認することで、装飾図柄表示装置42が正面に見えるようになっている。従って、装飾図柄表示装置42(第1プリズム405の前面431)からほぼ水平方向に沿って前方に照射される光が遊技者の視界に入ることとなる。
さて、本実施形態では、上記のように構成された装飾図柄表示装置42の第1プリズム405を回動変位させることで、第1表示部材407及び可動役物471のうち装飾図柄表示装置42の前方から視認可能となる対象を切替えることができる。本実施形態では、プリズム404を第1の姿勢とすると、第1表示部材407が鮮明に見え、かつ、可動役物471が見えない状態となる。また、第1プリズム405を第2の姿勢とすると、可動役物471が鮮明に見え、かつ、第1表示部材407がほとんど見えない状態となる。尚、第2表示部材408は、第1プリズム405が第1の姿勢及び第2の姿勢のどちらにあっても、鮮明に見えるようになっている。
つまり、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合には、例えば、図11(a)に示すように、パチンコ機10を遊技する遊技者の視点が位置すると予想されるパチンコ機10前方の所定位置に光源を設置し、第1プリズム405に向けて光を照射した場合に、当該光が案内面433にて全反射し、案内面433を透過することがない状態となっている。換言すれば、案内面433の裏側から光を発したとしても、遊技者の視点位置に当該光を至らせることができないため、可動役物471が視認不可能となり、案内面433にて反射した光、すなわち、第1表示部材407のみが視認可能となる。また、第1表示部材407から発せられて遊技者の目に至る光に関しては、そのほとんどが案内面433にて全反射するため光損失が少なく、結果として、第1表示部材407が鮮明に見えることとなる。
一方、第1プリズム405が第2の姿勢にある場合には、例えば、図11(b)に示すように、パチンコ機10を遊技する遊技者の視点が位置すると予想されるパチンコ機10前方の所定位置に光源を設置し、第1プリズム405に向けて光を照射した場合に、当該光のうち一部が案内面433を透過し、一部が案内面433にて反射する状態となっている。換言すれば、案内面433の裏側から光を発すると、遊技者の視点位置に当該光を至らせることができるため、遊技者には案内面433を透過した光、すなわち、可動役物471が視認可能となる。但し、第1表示部材407から発せられて遊技者の目に至る光に関しては、そのほとんどが、案内面433にて反射する際に一部が案内面433を透過する光であるため、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときに比べて第1表示部材407が暗く見える(ほとんど見えない)こととなる。
次に、第1表示部材407及び第2表示部材408から発せられる光の動き、及び、可動役物471にて反射する光の動きについて、図12、図13、図14を参照して詳細に説明する。図12(a)は、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときの第1表示部材407から発せられた光の動きを説明するための模式側面図であり、図12(b)は、第1プリズム405が第2の姿勢にあるときの第1表示部材407から発せられた光の動きを説明するための模式側面図である。図13(a)は、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときの第2表示部材408から発せられた光の動きを説明するための模式側面図であり、図13(b)は、第1プリズム405が第2の姿勢にあるときの第2表示部材408から発せられた光の動きを説明するための模式側面図である。図14は、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときの可動役物471にて反射した光の動きを説明するための模式側面図であり、図14(b)は、第1プリズム405が第2の姿勢にあるときの可動役物471にて反射した光の動きを説明するための模式側面図である。
尚、図12では、第2表示部材408等の図示を省略しており、図13では、第1表示部材407等の図示を省略しており、図14では、第1表示部材407及び第2表示部材408等の図示を省略している。さらに、図12、図14では、便宜上、第1プリズム405の前面431にて反射された光の動きについては図示を省略している。
まず、第1表示部材407から発せられる光の基本的な動きについて説明する。図12に示すように、第1表示部材407から発せられた光(以下、単に第1表示部材407の光とも称する)は、第1プリズム405の上面432を介して第1プリズム405の内部に進入し、その大部分が案内面433(案内面433と大気との界面)に入射する。このとき、案内面433に対する入射角度が42度以上の光に関しては、当該案内面433にて全反射し、案内面433に対する入射角度が42度よりも小さい光に関しては、一部が案内面433を透過するとともに、残りが案内面433にて反射することとなる。
また、案内面433にて反射した光の大部分は、第1プリズム405の内部を直進して前面431(前面431と大気との界面)に入射する。このとき、前面431に対する入射角度が42度以上の光に関しては、当該前面431にて全反射し、前面431に対する入射角度が42度よりも小さい光に関しては、少なくとも一部が前面431を透過して前方に照射される。
続いて、可動役物471にて反射した光の基本的な動きについて説明する。図14に示すように、可動役物471にて反射した光(以下、単に可動役物471の光とも称する)は、第1プリズム405の案内面433を介して第1プリズム405の内部に進入し、その一部が前面431(前面431と大気との界面)に入射する。このとき、前面431に対する入射角度が42度以上の光に関しては、当該前面431にて全反射し、前面431に対する入射角度が42度よりも小さい光に関しては、一部が前面431を透過して前方に照射される。
次に、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときの光の動き、及び、第1プリズム405が第2の姿勢にあるときの光の動きについて、それぞれ図面を参照しつつ具体的に説明する。
まず、第1プリズム405が第1の姿勢にある状態において、第1表示部材407から発せられ、第1プリズム405の前方に照射される光の動きについて、図12(a)を参照して説明する。同図に示すように、第1表示部材407から発せられ、案内面433への入射角が約45度となる光R1は、案内面433にて全反射し、前面431に対して入射角0度で入射する。当該光R1は、前面431で屈折することなく(ほとんど屈折することなく)、パチンコ機10の前方に位置する遊技者の視界に入る方向に照射される。
また、第1表示部材407から発せられ、案内面433への入射角が42度よりも小さい約34度となる光R2は、案内面433を透過する光R21と、案内面433にて反射する光R22とに分かれる。案内面433にて反射した光R22は、前面431に入射し、前面431を透過する光R23と、前面431にて反射する光(図示略)とに分かれる。前面431を透過した光R23は、前面431を透過する際に上方に屈折しており、案内面433にて全反射して第1プリズム405の前方に照射される光R1よりも上方に照射されることとなる。このため、案内面433への入射角が42度よりも小さい光R2は、大抵、遊技者の視界から外れる方向に照射される。
これに対し、第1プリズム405が第2の姿勢にある状態においては、図12(a)の状態から図12(a)の反時計回り方向に10度程度回動し、前面431及び案内面433の傾きが変化しているため、案内面433にて全反射する光R1は、遊技者の視界から外れる方向(遊技者の視界よりも下方)に照射される。一方、案内面433への入射角が42度よりも小さい光R2は、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときには遊技者の視界に入らなかった光R23が遊技者の視界に入るようになる。
尚、便宜上、その他の光の動きについては図示を省略するが、基本的に、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合、第1表示部材407の光のうち、第1プリズム405の内部に進入して案内面433にて全反射した光(R1)が、前面431を透過して遊技者の視界に入る方向に照射される。一方、第1プリズム405が第2の姿勢にある場合、基本的に、第1表示部材407の光のうち、第1プリズム405の内部に進入して案内面433にて全反射した光(R1)は、前面431を透過して遊技者の視界から外れる方向に照射されることとなる。また、本実施形態では、第1表示部材407の光のうち、案内面433を透過する光(R21)と案内面433にて反射する光(R22)とに分かれる光(R2)に関しては、第1プリズム405が第1の姿勢及び第2の姿勢のどちらにあっても、案内面433にて分かれた光のうち案内面433にて反射する光(R22)の一部が遊技者の視界に入ることとなる。
但し、当該案内面433にて反射した光(R22)は、元の光(R2)から案内面433を透過した光を差し引いた分の明るさとなるため、案内面433にて全反射した光が遊技者の視界に入る場合に比べて暗くなる。従って、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合に比べ、第1プリズム405が第2の姿勢にある場合には、第1表示部材407の態様が薄く(暗く)見えることとなる。また、第1プリズム405を第1の姿勢から第2の姿勢側へと回動させていくことで、様々な角度で照射される第1表示部材407の光のうち、遊技者の視界に入ることとなる光の照射角度がより限定的になっていく(この照射角度なら遊技者の視界に入るといった角度が少なくなる)。このため、案内面433にて全反射した光(R1)が遊技者の視界に入らなくなった後も、第1プリズム405を大きく回動させていくことで、前方から視認される第1表示部材407の態様が薄く(暗く)なっていく。
尚、第1プリズム405が第2の姿勢にある状態において、必ずしも第1表示部材407の光のうち案内面433にて全反射する光が全く遊技者の視界に入らないように構成する必要はなく、第1プリズム405が第2の姿勢にある場合には、案内面433にて全反射する第1表示部材407の光のうち、遊技者の視界に入る方向に照射されることとなる光の量が、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合に比べて少なくなっていればよい。また、本実施形態では、第1プリズム405が第2の姿勢にある場合においても、第1表示部材407において所定の表示が行われる場合には、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合に比べて薄くなるのではあるが、第1表示部材407の態様を視認可能な構成となっている。但し、第1表示部材407の光が遊技者の視界に全く入らなくなるまで第1プリズム405を回動可能に構成してもよく、第1表示部材407の態様が視認不可能となる第1プリズム405の姿勢を第2の姿勢とすることも可能である。
次に、第1プリズム405が第1の姿勢にある状態において、第2表示部材408から発せられる光(以下、単に第2表示部材408の光とも称する)の動きについて、図13(a)を参照して説明する。第2表示部材408から発せられた光は、第2プリズム406の裏面462を介して第2プリズム404の内部に進入し、当接面461と第1プリズム405の後面434との界面を介して、第1プリズム405の前面431に入射する。例えば、第2表示部材408から発せられ、前面431への入射角が約0度となる光R3は、前面431で屈折することなく、パチンコ機10の前方に位置する遊技者の視界に入る方向に照射される。ちなみに、この状態において、第1プリズム405及び第2プリズム406越しに見える第2表示部材408の態様は、第1プリズム405及び第2プリズム406を取り払って第2表示部材408を見るときと同じ位置に見えることとなる。
図13(b)に示すように、第1プリズム405が第2の姿勢にある状態においては、第2表示部材408から発せられ、当接面461への入射角が約0度となる光R3は、当接面461(当接面461と大気との界面)で屈折することなく、第2プリズム406の前方に照射され、第1プリズム405の後面434(後面434と大気との界面)に入射する。第1プリズム405の後面434に入射した光R3は、後面434で屈折して第1プリズム405の内部に進入し、前面431に入射する。前面431に入射した光R3は、前面431で屈折し、第1プリズム405の後面434に入射したときと同じ方向に沿って第1プリズム405の前方に照射され、遊技者の視界に入ることとなる。ちなみに、この状態において、第1プリズム405及び第2プリズム406越しに見える第2表示部材408の態様は、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合に第1プリズム405及び第2プリズム406越しに見える第2表示部材408の態様よりも若干下方に位置して見えることとなる。但し、第2表示部材408の態様が傾いたり、前方から見える位置が前後に変化したりすることはない。
尚、本実施形態では、第1プリズム405の上面432の前後幅が、第2プリズム406の前後幅と同じであり、第1プリズム405の前面431の上下幅が、第1プリズム405の上面432の前後幅の2倍であることから、第1プリズム405が第1の姿勢にある状態においては、第1表示部材407の光が遊技者の目に届くまでの距離と、第2表示部材408の光が遊技者の目に届くまでの距離とがほぼ同じとなる。このため、装飾図柄表示装置42の前方から視認される第1表示部材407の態様の前後位置と第2表示部材408の態様の前後位置とが揃っているように(両表示部材407、408の態様が面一に)見えることとなる。さらに、第1プリズム405の後面434の下縁部、すなわち、案内面433の上縁部と、第2プリズム406の当接面461の下縁部とがほぼ当接している(高さ位置が同じである)ことから、第1表示部材407の態様と、第2表示部材408の態様との間に切れ目を生じさせることなく、両態様が連続しているように視認させることができる。従って、本実施形態では、第1表示部材407の態様と第2表示部材408の態様とが、あたかも1つの表示部材において表示されているように見えることとなる。
尚、第1表示部材407の表示部が第1プリズム405の上面432よりも小さかったり、第2表示部材408の表示部が第2プリズム406の裏面462よりも小さかったりする場合には、第1表示部材407や第2表示部材408の枠部が前方から視認されてしまい、当該枠部によって第1表示部材407の態様と第2表示部材408の態様とが分断されてしまう。これに対し、本実施形態では、上記のように、第1表示部材407の表示部が第1プリズム405の上面432とほぼ同じ面積となっており、第2表示部材408の表示部が第2プリズム406の裏面462とほぼ同じ面積となっているため、かかる事態を回避することができる。尚、第1表示部材407の表示部を第1プリズム405の上面432よりも大きく構成し、第2表示部材408の表示部を第2プリズム406の裏面462よりも大きく構成する場合においても、同様の作用効果が奏される。但し、各表示部材407、408のコンパクト化やローコスト化を図る上では、第1表示部材407の表示部が第1プリズム405の上面432とほぼ同じ面積であり、第2表示部材408の表示部が第2プリズム406の裏面462とほぼ同じ面積であることが望ましい。
次に、第1プリズム405が第1の姿勢にある状態において、可動役物471にて反射した光の動きについて、図14(a)を参照して説明する。同図に示すように、可動役物471にて反射し、前面431への入射角が約42度となる光R4は、前面431において屈折する光R41と前面431にて反射する光(図示略)とに別れるが、前面431における屈折角が90度となるため、光R41が前面431を透過して前方に照射されることはない。尚、前面431への入射角が42度よりも大きな光は前面431にて全反射することとなる。
また、可動役物471から発せられ、前面431への入射角が42度よりも小さな光R5は、案内面433を透過する光R51と、案内面433にて反射する光(図示略)とに分かれる。前面431を透過した光R51は、前面431を透過する際に上方に屈折しており、遊技者の視界から外れる方向に照射される。
ちなみに、第1プリズム405(第2プリズム406)の外部から第1プリズム405(第2プリズム406)の内部へと進入する光は、第1プリズム405(第2プリズム406)の表面を透過する際に屈折するため、案内面432を介して第1プリズム405の内部に進入する光を、前面431に対して入射角0度で入射させることは不可能である。上記のように、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合には、前面431への入射角が約0度となる光が遊技者の視界に入ることとなるため(図12(a)参照)、結果的に、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合には、案内面433に対応して設けられる可動役物471の光が、遊技者の視界に入る方向に照射されない構成となっている。
一方、図14(b)に示すように、第1プリズム405が第2の姿勢に変位すると、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときには遊技者の視界に入らなかった光R51が遊技者の視界に入るようになる。これにより、遊技者から可動役物471が見えるようになる。
尚、本実施形態では、第1プリズム405の上面432に略当接状態で設置される第1表示部材407の光が案内面433にて反射し、前面431へと入射するまで(或いは、遊技者の目に到達するまで)の距離は、可動役物471と前面432(或いは遊技者の目)との間の距離よりも長くなっている。従って、本実施形態では、可動役物471の態様が第1表示部材407の態様の前方(手前側)に位置しているように見えることとなる。
次に、装飾図柄表示装置42における演出例を説明する。尚、図15、図16では、パチンコ機10の前方に位置する遊技者が、装飾図柄表示装置42を視認したときに、第1表示部材407の態様、第2表示部材408の態様、及び可動役物471がどのような位置において視認されるかを説明するための模式図であり、第1プリズム405及び第2プリズム406を斜めから見て、図示したように見えるわけではない。
装飾図柄表示装置42における図柄の変動表示の開始時(全ての図柄表示領域において図柄の変動表示が開始される際)には、第1プリズム405が第1の姿勢となっている(図8(a)参照)。すなわち、図15に示すように、装飾図柄表示装置42を前方から見て、第1表示部材407の態様及び第2表示部材408の態様が視認される(可動役物471の態様は見えない)状態となっており、第1表示部材407及び第2表示部材408において表示される図柄の変動が前方から視認されることとなる。本実施形態では、第1表示部材407において図柄の下部を表示し、第2表示部材408において図柄の上部を表示しており、装飾図柄表示装置42を前方から見ると、当該装飾図柄表示装置42の上下方向中央部を上下に跨ぐようにして表示される図柄を視認することができる。
変動表示が開始されてから所定時間経過後、リーチ状態が発生した場合に、第1表示部材407を非表示状態(第1表示部材407及び可動役物471の表示領域全体にてブランク(黒色)を表示して、光を発しない状態)とするとともに、可動役物471を照らす発光部材477を消灯状態とした後、プリズム404を10度回動させて第2の姿勢としてから(図8(b)参照)、第1表示部材407を表示状態とし、発光部材477を点灯させる。これにより、図16に示すように、装飾図柄表示装置42を前方から見て、第1表示部材407の態様(図示略)と、第2表示部材408の態様(図柄)と、可動役物471とが視認される状態となる。すなわち、第1表示部材407の態様が見える位置から所定間隔を隔てた前方において可動役物471の態様が表れる(見えるようになる)。本実施形態では、第1プリズム405が第2の姿勢に切替わると、第1表示部材407及び第2表示部材408で行われていた変動表示を引き継ぐようにして第2表示部材408のみで図柄の変動を表示し、第1表示部材407では左右に動く可動役物471の背景を表示する。尚、第1表示部材407を非表示状態としてもよい。
その後、第1プリズム405を第1の姿勢に戻し、大当たり状態が発生しない場合には、図柄を外れの組合わせで停止表示させ、大当たり状態が発生する場合には、図柄を大当たりの組合わせで停止表示してから、大当たり状態を開始させる。
尚、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合においても、第1プリズム405を上方から覗き込むと可動役物471の態様を視認できてしまう。つまり、遊技者が、第1プリズム405を意図していない方向から視認するような場合には、上記のような装飾図柄表示装置42の視認態様の変化を堪能させることができないことが懸念される。これに対し、本実施形態では、第1プリズム405が遊技盤30の後方(奥側)に位置している。このため、装飾図柄表示装置42の表示部を見る遊技者の視線の方向をある程度限定することができる。従って、装飾図柄表示装置42に対する遊技者の視点の相対位置を、上記のような装飾図柄表示装置42の視認態様の変化が堪能できるような位置に規定することができる。
以上詳述したように、本実施形態では、第1表示部材407を第1プリズム405の上面432に対応して設け、当該第1表示部材407の光を案内面433に反射させることで、第1表示部材407の態様を前方から視認可能とするとともに、第2表示部材408を第2プリズム406の裏面462に対応して設け、当該第2表示装置406の光を、第1プリズム405のうち案内面433の上方部位を透過させて前面432に入射させることで、第2表示部材408の態様を前方から視認可能に構成している。これにより、第1表示部材407及び第2表示部材408を実際に並べて配置しなくても、装飾図柄表示装置42の表示領域において、第1表示部材407の態様と第2表示部材408の態様とを並べて(隣接させて)見せることが可能となる。このように、第1表示部材407と第2表示部材408とを実際に並べて配置しなくてもよいことから、第1プリズム405及び第2プリズム406、ひいては、装飾図柄表示装置42の形状及び設置スペースに関して融通が利き、その他の部材(各種制御装置等)を設置するためのスペースを確保し易い。すなわち、スペースの空いているところに第1プリズム405や第2プリズム406を拡張したり、表示部材407、408を配置したりするとともに、表示部材407、408の光を上手く反射させることで、両表示部材407、408の態様を組合わせた表示態様を、装飾図柄表示装置42の表示領域の全体を使って前方から視認可能とすることができる。結果として、その他の部材が設置されない空きスペースを活用して装飾図柄表示装置42の表示領域を拡張させることができる。
さらに、両表示部材407、408を実際に並べなくても、両表示部材407、408の態様が並んでいるように見せることができることから、装飾図柄表示装置42を前方から見て、各表示部材407、408の態様の間に、各表示部材407、408の枠部(表示部を囲うようにして設けられる枠部)が見えてしまうといった事態を回避することができる。また、第1表示部材407から発せられた光がパチンコ機10の前方に位置する遊技者の目に到達するまでの距離と、第2表示部材408から発せられた光が遊技者の目に到達するまでの距離とがほぼ同じであることから、第1表示部材407の態様と、第2表示部材408の態様とがほぼ面一に表示されているように見える。従って、2つの表示部材407、408の態様を、あたかも、一つの表示部材において表示された態様であるかのように見せることができる。このため、両表示部材407、408の態様の境界部を跨ぐような表示を行う(例えば、第2表示部材408において所定のキャラクタの頭部を表示し、第1表示部材407においてかかる所定のキャラクタの胴体を表示する)場合に違和感が生じてしまうといった事態を防止することができる。また、両表示部材407、408の表示部の面積を足した大きさの面積を有する表示部を備えた大きな液晶表示装置を設ける場合に比べ、比較的小型の液晶表示装置を2つ用意すればよいので、装飾図柄表示装置42にかかるコストの増加を抑制することができる。
また、例えば、第1プリズム405に代えて、案内面433に対応する位置に鏡を設置することで第1表示部材407の光を反射させるといった構成を採用する場合には、各表示部材407、408の態様のみならず、装飾図柄表示装置42内部のその他の構成が見えてしまい(第1表示部材407自体が見えてしまったり、第2表示部材408の表示部を囲む枠部等が見えてしまったりする)、意匠性の低下を招くおそれがある。さらに、第1表示部材407の光のうち案内面433にて反射する光だけでなく、案内面433にて反射しない光についても直接前方に照射されてしまうおそれがあり、各表示部材407、408の態様の視認性の低下を招くことが懸念される。これに対し、本実施形態のように第1プリズム405及び第2プリズム406を設けることで、余分な光を減少させることができ、上記不具合を抑止することができる。
加えて、第1プリズム405の案内面433は、第1プリズム405の端部(下端部)に形成されていることから、例えば、案内面433が第1プリズム405の中央部に形成されている場合に比べ、案内面433の後方のスペース(三角隙)をその他の部材を設置するスペースとして活用し易くなる(当該スペースがデッドスペースとなってしまうことを抑制することができる)。尚、本実施形態では、かかるスペースを利用して、可動役物471を設置しているが、可動役物471を設置しない場合には、かかるスペースを、制御装置等の設置スペースとして利用することもできる。また、第1プリズム405のうち案内面433に対応する部位は前後幅が小さいため、当該部位を狭いスペースに入れ込むようにして第1プリズム405(装飾図柄表示装置42)を設置することもできる。
また、本実施形態によれば、第1プリズム405が第1の姿勢にある場合には、遊技者にとって、可動役物471は見えないが、第1表示部材407の態様が見える状態になる。一方、第1プリズム405が第2の姿勢にある場合には、可動役物471が遊技者から見えるようになる。特に、第1表示部材407の光が遊技者の目に到達するまでの距離が、可動役物471の光が遊技者の目に到達するまでの距離よりも長いことから、装飾図柄表示装置42の前方から視認される第1表示部材407の態様が、可動役物471よりも奥側に位置しているように見えることとなる。従って、第1プリズム405を回動変位させることで、遊技者に対し、第1表示部材407の態様のみを見せたり、第1表示部材407の手前側に可動役物471を見せたりして、前方から見える装飾図柄表示装置42の視認態様(表示態様の見える位置)を前後に変化させることができる。従って、装飾効果や演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、第2プリズム406は本体部401に対して固定的に設けられており、第2表示部材408は当該第2プリズム406に取付けられている。このため、第1プリズム405が回動変位したとしても、第2表示部材408の態様が暗くなったり、傾いたりしてしまうといった事態を回避することができる。従って、第2表示部材408の態様は常に明確に視認させておくことができる。特に、本実施形態では、第1プリズム405が第2の姿勢に変位したときに、第2表示部材408のみで図柄の変動表示を行う構成であることから、図柄の変動表示(大当たり状態が発生するか否かを示唆する表示)が見え難くなることに起因して、遊技者が不快感を覚えてしまうといった事態を回避することができる。
さらに、例えば、案内面433がパチンコ機10を正面から見て左方側から入射した光を前面431に向けて反射可能となる向きに第1プリズム405が設置される場合、前面431と遊技盤30とが平行する第1の姿勢にある場合において、遊技者の右目には、第1表示部材407の態様が明確に見えるとともに、案内面433に対応して設けられた可動役物471の態様が視認不可能となっているのであるが、遊技者の左目には、第1表示部材407の態様が薄く見えるとともに、可動役物471の態様が見えてしまうといった事態が発生するおそれがある。これに対し、本実施形態では、第1プリズム405は、案内面433が上方から入射した光を前面431に向けて反射する向きで設置され、左右方向に延びる軸線を中心として回動可能に構成されている。これにより、上記不具合を防止することができ、上記各作用効果が確実に奏されることとなる。
また、第1プリズム405の上面432、案内面433、前面431、後面434、及び、第2プリズム406の当接面461、裏面462が平滑面であることにより、装飾図柄表示装置42の前方から視認される第1表示部材407、第2表示部材408の態様、及び可動役物471が歪んで見えてしまうといった事態を防止することができる。さらに、第1プリズム405及び第2プリズム406が中実状であり、中空部や穴部が形成されていないことから、第1表示部材407、第2表示部材408の態様、及び可動役物471をより明確に見せることができる。
加えて、プリズム404の前方を覆うハーフミラー403の存在により、装飾図柄表示装置42内部への塵等の侵入を防止したり、第1プリズム405に対して外部から応力が加えられてしまうといった事態を防止したりすることができる。また、ハーフミラー403の存在により、第1プリズム405の動作や、本体部401と第1プリズム405との間の隙間等を見え難くすることができ、興趣の低下や外観品質の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。特に、第1プリズム405が変位している間は装飾図柄表示装置42の内部を暗くすることで、第1プリズム405の動作を視認不可能又は困難とすることができる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置(処理装置)である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理(このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される)によって停電の発生等による電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しない検知スイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンド(指令信号)を、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御(第1表示部材407、第2表示部材408の表示制御、及び、ステッピングモータ409、可動役物471の駆動制御)を行う。プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源(駆動電力)を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)第1プリズム405及び第2プリズム406の形状や大きさ、第1表示部材407、第2表示部材408、及び可動役物471の固定位置等は特に限定されるものではなく、案内面433に映る第1表示部材407の態様と、当該第1表示部材407の態様に隣接する第2表示部材408の態様とが前方から視認可能となる構成であればよい。
以下、図17に示す第1プリズム及び第2プリズムの態様例について説明する。
図17(a)に示す第1プリズム601は、断面三角形(直角三角形)に構成され、前方に臨む前面611と、前面611の上縁部から後方に向けて前面611と直交する方向に沿って延びる上面612と、前面611の下縁部から上面612の後縁部にかけて延びる案内面613とを備えている。また、第2プリズム602は、断面長方形をなし、前方に臨む前面621と、上面622と、下面623と、後面624とを備えている。第2プリズム602の前後幅は、第1プリズム601の上面612の前後幅よりも長く(同図では二倍)構成されている。そして、両プリズム601、602は、第1プリズム601の前面611と、第2プリズム602の前面621とが面一となるようにして、第1プリズム601の上面612と、第2プリズム602の下面623とが当接した状態で配置されている。さらに、第2プリズム602の上面622のうち、第1プリズム601の上方にあたる部位に第1表示部材407が設置され、第2プリズム602の後面624に第2表示部材408が設置されている。これにより、第1表示部材407の光は、第2プリズム602の上面622を介して第2プリズム602の内部に進入し、第2プリズム602の下面623及び第1プリズム601の上面612を介して第1プリズム601の内部に進入し、案内面613にて反射した後、前面611に入射して前方に照射されることとなる。また、第2表示部材408の光は、第2プリズム602の後面624を介して第2プリズム602の内部に進入し、前面621に入射して前方に照射されることとなる。尚、当該構成を採用する場合、第1プリズム601を回動変位させることで、前方から視認される第1表示部材407の態様を明暗させることができる。
図17(b)に示す第1プリズム631は、断面台形状をなし、前方に臨む前面641と、前面641の上縁部から後方に向けて前面641と直交して延びる上面642と、前面641の下縁部から後方に向けて上方傾斜して延びる案内面643と、上面642の後縁部から案内面643の後縁部にかけて前面641と平行して延びる後面644とを備えている。第2プリズム632は、断面略台形状をなし、第1プリズム631の後面644と面で当接する当接面651と、当接面651の下縁部から後方に向けて当接面651と直交して延びる下面652と、下面652の後縁部から上方に向けて前方に傾斜して延びる傾斜面653と、当接面651の上縁部から傾斜面653の上縁部にかけて下面652と平行して延びる上面654とを備えている。そして、両プリズム631、632は、第1プリズム632の後面644と案内面643との境界部が、第2プリズム632の当接面651と下面652との境界部と当接するようにして配置されている。さらに、第1プリズム631の上面642に第1表示部材407が設置され、第2プリズム632の下面652のうち傾斜面653の下方にあたる部位に対応して第2表示部材408が設置されている。これにより、第1表示部材407の光が第1プリズム631の上面642を介して第1プリズム631の内部に進入し、案内面643にて反射した後、前面641に入射して前方に照射される。また、第2表示部材408の光が第2プリズム632の下面652を介して第2プリズム632の内部に進入し、傾斜面653にて反射した後、第2プリズム632の当接面651及び第1プリズム631の後面644を介して第1プリズム631の内部に進入し、前面641に入射して前方に照射される。
尚、第1プリズム631及び案内面643に対応して第1の役物を設け、第2プリズム632の傾斜面653に対応して第2の役物を設けるとともに、第1プリズム631及び第2プリズム632を回動可能に構成する場合、プリズム631、632が図17(b)に示す姿勢にある場合には、第1の役物及び第2の役物がともに視認不可能となるが、プリズム631、632が図17(b)の反時計回り方向に回動した場合には、第1の役物が視認可能となり、プリズム631、632が図17(b)の時計回り方向に回動した場合には、第2の役物が視認可能となる。ちなみに、図17(b)の第2プリズム632を回動させると、前方から視認される第2表示部材408の態様が明暗することとなるが、図17(a)の第2プリズム602を回動させたとしても、ほとんど前方から視認される第2表示部材408の態様が明暗することはない。つまり、図17(a)の第2表示部材408の態様に関しては、第2プリズム602を回動させたとしても、常に明確に視認することができる。
図17(c)に示す第1プリズム671は、断面台形状に構成され、前方に臨む前面681と、前面681の上縁部から後方に向けて下方傾斜して延びる上面682と、前面681の下縁部から後方に向けて上方傾斜して延びる案内面683と、上面682の後縁部から案内面683の後縁部にかけて前面681と平行して延びる後面684とを備えている。第2プリズム672は、第1プリズム671の後面684と当接する当接面691と、当接面691の上縁部から後方に向けて下方傾斜して延びる傾斜面692と、当接面691の下縁部から後方に向けて当接面691と直交する方向に延びる下面693と、傾斜面692の後縁部から下面693の後縁部にかけて当接面691と平行して延びる裏面694とを備えている。第1プリズム671の後面691の下縁部の高さ位置は、第2プリズム672の傾斜面692の下縁部の高さ位置と同じとなっている。そして、第1プリズム671の前面681の上部(前面581のうち上面682の前方にあたる部位)に第1表示部材407が設置され、第2プリズム672の下面693に第2表示部材408が設置されている。これにより、第1表示部材407の光が、第1プリズム671の前面681の上部を介して第1プリズム671の内部に進入し、上面682及び案内面683にて反射した後、前面681に入射して、前方に照射される。また、第2表示部材408の光が、第2プリズム672の下面693を介して第2プリズム672の内部に進入し、傾斜面692にて反射した後、第2プリズム672の当接面691及び第1プリズム671の後面684を介して第1プリズム671の内部に進入し、前面681に入射して前方に照射される。
図17(d)に示す第1プリズム701は、断面三角形(直角三角形)に構成され、前方に臨む前面711と、前面711の上縁部から後方に向けて前面711と直交して延びる上面712と、前面711の下縁部から上面712の後縁部にかけて延びる案内面713とを備えている。また、第2プリズム702は、断面正方形をなし、前方に臨む前面721と、上面722と、下面723と、後面724とを備えている。第2プリズム702の前後幅は、第1プリズム701の上面712の前後幅と同じになっている。そして、両プリズム701、702は、第1プリズム701の前面711と、第2プリズム702の前面721とが面一となるようにして、第1プリズム701の下端部(前面711と案内面713との境界部)と、第2プリズム702の上面722(前面721と上面722との境界部)とが当接した状態で配置されている。さらに、第1プリズム701の上面712に第1表示部材407が設置され、第2プリズム702の後面724に第2表示部材408が設置されている。これにより、第1表示部材407の光が第1プリズム701の上面712を介して第1プリズム701の内部に進入し、案内面713に反射した後、前面711に入射して前方に照射される。また、第2表示部材408の光が第2プリズム702の後面724を介して第2プリズム702の内部に進入し、前面721に入射して前方に照射される。
(b)また、上記実施形態では、第1プリズム405が本体部401に対して回動変位可能に設けられ、第2プリズム406が本体部401に対して固定的に(相対変位しないように)設けられているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、第1プリズム405及び第2プリズム406を本体部401に対して固定的に設けることとしてもよいし、第1プリズム405及び第2プリズム406を本体部401に対して相対変位可能に設けることとしてもよい。さらに、上記実施形態では、透明部材としての第1プリズム405と第2プリズム406とが別体として構成されているが、一体的に形成されていてもよい。もちろん、上記(a)に記載した図17(a)〜図17(d)の第1プリズム及び第2プリズムを一体的に形成してもよい。
尚、上記実施形態では、第1表示部材407及び第2表示部材408の両態様を上下に隣接させるとともに、前後位置を揃えてあたかも1つの表示部材にて表示演出が行われているかのような視認態様を導出しているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、第1表示部材407の態様と第2表示部材408の態様とが多少離間する(近接する)構成を採用してもよいし、前後位置がずれていてもよいし、傾きが異なっていてもよい。
(c)上記実施形態では、案内面433の後方に可動役物471、スライド機構472、及びステッピングモータ409等を配置し、案内面433の後方のスペースを表示演出用のスペースとして活用したが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、可動役物471及びスライド機構472を省略するとともに、ステッピングモータ409を第1プリズム405、第2プリズム406の上方や後方に配置し、前記スペースを装飾図柄表示装置42以外の部材(制御装置等)の設置スペースとして活用してもよい。
以下、案内面の後方のスペースを、遊技球の球通路として利用する場合の態様例について、図18を参照して説明する。尚、図18では、遊技領域の構成や、遊技盤30背面側の構成等の図示を省略している。
同図に示す装飾図柄表示装置42は、第1プリズム801と、第2プリズム802と、第1表示部材805と、第2表示部材806とを備えている。第1プリズム801は断面略平行四辺形状に構成され、前方に臨む前面811と、前面811の上縁部から後方に向けて下方傾斜して延びる案内面812と、前面811の下縁部から後方に向けて案内面812と平行して延びる下傾斜面813と、案内面812の後縁部から下傾斜面813の後縁部にかけて前面811と平行して延びる後面814とを備えている。第2プリズム802は、第1プリズム801の後面814と当接する当接面821と、当接面821の上縁部から後方に向けて当接面821と直交して延びる上面822と、当接面821の下縁部から後方に向けて上方傾斜して延びる下面823と、上面822の後縁部から下面823の後縁部にかけて当接面821と平行して延びる裏面824とを備えている。第1プリズム801の後面814と案内面812との境界部は、第2プリズム802の下面823と裏面824との境界部と同じ高さ位置となっている。さらに、本態様例では、第1プリズム801は、当該第1プリズム801の前面811と、遊技盤30の前面とがほぼ面一となるようにして、遊技盤30に形成された表示用開口部831に対応して設置されている。
さらに、第1表示部材805は第1プリズム801の後面814の下部(第2プリズム802の下方)に設置され、第2表示部材806は第2プリズム802の上面822に設置されている。第1表示部材805の光は、第1プリズム801の後面814の下部を介して第1プリズム801の内部に進入し、下傾斜面813及び案内面812にて反射した後、前面811に入射し、前方に照射される。第2プリズム802の光は、第2プリズム802の上面822を介して第2プリズム802の内部に進入し、下面823に反射した後、当接面821及び第1プリズム801の後面814を介して第1プリズム801の内部に進入し、前面811に入射して前方に照射される。
また、第1プリズム801の上方には、可変入賞装置851及び可変入賞装置851に入球した遊技球を排出通路部(217)へと導く球通路852とが設けられている。可変入賞装置851は、前後に貫通する入賞口862が形成され、遊技盤30の前面に固定される本体部861と、入賞口862を開閉可能なシャッタ863と、入賞口862に入球した遊技球を球通路852へと案内する案内部864とを備えている。加えて、案内部864には、入賞口862に入球した遊技球を検知するカウントスイッチ865が設けられている。
また、本態様例では、球通路852は、第1プリズム801の案内面812と第2プリズム802の当接面821との間に形成される領域に設置されており、可変入賞装置851の直下方に第1プリズム801が配置されている(可変入賞装置851と第1プリズム801とが上下に隣接している)。尚、球通路852は装飾図柄表示装置42と一体的に形成されていることとしてもよい。また、可変入賞装置851は装飾図柄表示装置42と一体的に形成されていることとしてもよい。加えて、第1プリズム801の案内面812により球通路852の一部を構成することとしてもよい。
以上のように、案内面812の後方のスペースを球通路852として利用することにより、可変入賞装置851と第1プリズム801(装飾図柄表示装置42)とをより近接させて配置することができる。従って、装飾図柄表示装置42を迂回させるようにして球通路を延設する場合に比べ、球通路の短縮(簡素化)等を図ることができ、遊技盤30の背面側にその他の部材を設置するためのスペースをより大きく確保することができる。また、遊技領域のうち遊技球が流下可能な領域をより大きく確保することができる。
尚、第1プリズム(801)の背面側に遊技球を通過可能に構成するとともに、当該遊技球を第1プリズム(801)越しに視認可能に構成してもよい。また、第1プリズム(801)を、第1プリズム(801)の背面側(案内面812の奥側)を通過する遊技球を視認不可能とする第1の姿勢と、当該遊技球を視認可能とする第2の姿勢との間で回動可能に構成してもよい。加えて、第1プリズム(801)の背面側を通過する遊技球が入球可能となる第1の状態と、遊技球が入球不可能となる第2の状態とに状態変化する特定入球部を備え、前記遊技球が前方から視認可能な状態にあるときにだけ、特定入球部が第1の状態となるといった構成を採用してもよい。このように、プリズムの背面側に遊技球を通過させる構成を採用することで、遊技性の多様化等を図ることができる。
(d)上記実施形態では、第1表示部材(407)、第2表示部材(408)として液晶表示装置を採用しているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、7セグメント表示装置、EL表示装置、役物(図柄やキャラクタがプリントされた板等も含む)、可動役物、図柄やキャラクタがプリントされ、プリズム404に貼り付けられるシート状の部材、LED等の発光体を備える電飾部材等を第1表示部材、第2表示部材としてもよい。また、図19に示すように、装飾図柄表示装置42は、前方に臨む前面911と前面911の下縁部から後方に向けて上方傾斜して延びる案内面912と、前面911の上縁部から前面911と直交して延びる上面913と、案内面912の後縁部から上面913の後縁部にかけて前面911と平行して延びる後面914とを備えるプリズム901と、プリズム901の上面913に設置される第1表示部材としての液晶表示装置902と、プリズム901の後面914の後方に設けられ、複数の識別情報が付された第2表示部材としてのリール903とを備えることとしてもよい。
また、上記実施形態では第3表示部材として可動役物471を設けているが、例えば、液晶表示装置、7セグメント表示装置、EL表示装置、本体部401に対して相対変位不可能に設けられる役物、LED等の発光体を備える電飾部材等を第3表示部材としてもよい。例えば、図20に示すように、装飾図柄表示装置42は、前後に重なる第1プリズム941及び第2プリズム942と、第1プリズム941の上面961に設けられる第1表示部材951と、第2プリズム942の下面971に設けられる第2表示部材952と、第2プリズム942の裏面972に設けられる第3表示部材953とを備え、第1表示部材951の光は、第1プリズム941の下面を構成する案内面962にて反射することで前方に照射可能に構成され、第2表示部材952の光は、第2プリズム942の上面を構成する案内面973にて反射することで前方に照射可能に構成され、第3表示部材953の光は、第2プリズム942及び第1プリズム941を真直ぐに透過して前方に照射可能に構成されていることとしてもよい。
さらに、上記実施形態では、透明部材としての第1プリズム405及び第2プリズム406を具備する表示装置が装飾図柄表示装置42として採用されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、センターフレーム47に搭載される電飾や前面枠セット14の環状電飾部102として採用してもよい。
(e)装飾図柄表示装置42に搭載される第1プリズム405及び第2プリズム406の数は特に限定されるものではなく、例えば、3つの図柄表示領域に個別対応するようにして横並びで3セットの第1プリズム405及び第2プリズム406を設けることとしてもよい。
(f)第1表示部材407及び第2表示部材408はそれぞれ第1プリズム405及び第2プリズム406に固定されていなくてもよく、例えば、装飾図柄表示装置42の本体部401に固定されてもよい。尚、第1表示部材407は、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときの上面432に対応して設けられることが望ましい。この場合、透明部材が第1の姿勢にある場合に、第1表示部材の態様をより的確に(遊技者が見やすい角度で)視認させることができる。
(g)上記実施形態において、可動役物471を照らすための発光部材477から発せられた光が、第1プリズム405を介することなく前方に照射されてしまうといったおそれを防止するべく、第1プリズム405の前面431の周縁部と装飾図柄表示装置42の本体部401との隙間を遮蔽する遮蔽手段を設けてもよい。尚、遮蔽手段は、第1プリズム405の回動変位に追従して変形するように、スポンジ材や弾性材により構成したり、蛇腹状に構成したりすることが望ましい。
(h)第1プリズム405を回動させるための構成は特に限定されるものではなく、例えば、駆動手段として、ソレノイド、ロータリソレノイド等を用いて第1プリズム405を回動変位させることとしてもよい。
(i)液晶表示装置のバックライト等の明るさを調節する等して、第1表示部材407及び第2表示部材408の態様の明るさや可動役物471の明るさを調節可能に構成してもよい。すなわち、第1プリズム405が第2の姿勢にあるときには、第1プリズム405が第1の姿勢にあるときに比べ、前方から視認される第1表示部材407の態様(図柄)が薄く(暗く)見えるのであるが、第1表示部材407の明るさ調節を行うことで、第1表示部材407の態様をより明るく(より鮮明に)したり、第1表示部材407の態様及び可動役物471の明るさ調節を行うことで、第1表示部材407の態様及び可動役物471が前後に重なった視認態様となっている状態のときを、その他の状態のときよりも目立たせたりすることができる。このため、装飾図柄表示装置42においてより多種多様な表示演出を行うことができる。尚、当該構成を採用する場合、第1表示部材407自身(バックライト)、発光部材477、及び表示制御装置45が明るさ調節手段に相当する。
(j)上記実施形態において、装飾図柄表示装置42の第1プリズム405の傾斜角度を手動で調節可能に構成してもよい。例えば、軸部442の先端部を本体部401から突出させるとともに、軸部442の先端部に対してつまみを設け、当該つまみを回動操作することで、第1の姿勢及び第2の姿勢にあるときの第1プリズム405の前面431及び案内面433の傾斜角度を変更可能に構成することとしてもよい。この場合、つまみ及び軸部442(固定部441)が角度調節手段を構成し、つまみが操作部を構成する。
一般に、遊技ホール等に設置されるパチンコ機10は、遊技者が椅子に着席した状態で遊技が行えるように、島設備のカウンター等に載置される。しかしながら、パチンコ機10の高さ位置や椅子の高さ等が遊技ホール毎に異なる場合には、上記した装飾図柄表示装置42の視認態様についても異なって見えてしまうことが考えられ、場合によっては、上記した作用効果(第1表示部材407が見え、かつ、可動役物471が見えない状態と、可動役物471が見え、第1表示部材407がほとんど見えない状態とに切替える)が上手く奏されないことが懸念される。
この点、第1プリズム405の基準となる姿勢を調節(微調整)可能に構成することにより、パチンコ機10の設置状況によって、装飾図柄表示装置42の視認態様に支障が生じるような場合であっても、かかる不具合を比較的簡単に解消することができる。
尚、第1プリズム405の角度を調節する構成(角度調節手段)としては、上記のように操作部(つまみ)と第1プリズム405とが連動する構成であってもよいし、操作部への操作(操作量)を検出する検出手段により操作部への操作が検出された場合に、所定の制御装置(例えば表示制御装置45)がステッピングモータ451を駆動させ、第1プリズム405を所定角度回動させる構成であってもよい。また、角度調節手段の操作部としては、つまみ(回動量に応じて変位)の他にも、スライドレバー(スライド量に応じて変位)やボタン(プッシュする毎に所定角度ずつ変位)等が挙げられる。加えて、操作部が意図することなく変位してしまうといった事態を防止するべく、操作部の変位を規制するロック部材を設けることが望ましい。
尚、パチンコ機に関しては、パチンコ機全体を前後に傾かせることで、各台毎に遊技球の流下経路を変化させる(いわゆる寝かせ調整が行われる)場合がある。一般に、かかる調整に際しパチンコ機を傾かせる角度は僅かであり、上記した装飾図柄表示装置42の視認態様が大きく変化してしまうことはほとんどないと言ってもよいのであるが、装飾図柄表示装置42の視認態様の差異をほぼ完全になくしたい場合には、上記のように角度調節手段を操作することで比較的簡単にかかる差異をなくすことができる。
(k)上記実施形態では、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成されているが、これに限らず、他の金属材料により構成してもよい。但し、アルミニウム合金は、他の金属材料よりも比較的軽く加工性がよいため、リサイクル性の向上を図る点においては、より好ましい。もちろん、木製の板材を小ネジ等の離脱可能な締結具により組み付けることで外枠11を構成してもよい。但し、上記実施形態のように、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dを金属製とすることで、耐久性及びリサイクル性の向上を図ることができる上、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dの強度を保ちつつ薄肉とすることができることにより、パチンコ機10のように、その外郭形状が規格的に略同一形状に構成される遊技機において、外枠11によって囲まれたスペースが左右幅方向に拡張されることとなり、当該スペースをより有効に利用することができる。また、従来の木製の外枠では、内部スペースの拡張等のために左右両辺の枠構成部にルータ加工等を施していたが、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dを金属で構成することにより、ルータ加工等のような手間のかかる作業を必要とせず、作業工程の簡素化を図ることができる。さらに、成形の自由度が向上するため、右辺枠構成部11dの断面形状を、内枠12と外枠11との隙間を減少させたり、内枠12と外枠11との隙間から針金等の線材をパチンコ機10の内部に侵入させにくくしたりする形状とすることができる。
尚、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dは押出成形品でなくともよく、例えば型成形品でもよい。また、上記実施形態では、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dだけが金属製であるが、これに限らず、上辺枠構成部11aや下辺枠構成部11bを金属製にしてもよい。この場合、例えば上下左右の枠構成部11a〜11dのうちの2つ或いは3つの枠構成部、又はすべての枠構成部を一体成形してもよい。加えて、延出壁部83を省略した構成としてもよい。
(l)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。