以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る遊技機は、遊技球が転動する遊技領域が設けられた遊技盤と、前記遊技領域に遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に発射された遊技球が、前記遊技領域に設けられた複数の入賞口に入賞した場合、予め定められた所定の数の遊技球を払い出す払出口と、前記払出口から払い出された遊技球を一旦貯留するとともに、貯留した遊技球を前記発射手段へ順次送給可能とした遊技球貯留部と、を備え、前記遊技球貯留部を縦長に形成し、当該遊技球貯留部内に、前記発射手段へ向かって流下する遊技球の球詰まりを防止する球詰まり防止手段を、複数段設けた遊技機である。
すなわち、本実施形態において、パチンコ遊技を開始しようとする遊技者は、遊技場から借りた遊技媒体である遊技球を、前記発射手段に順次送球する前記遊技貯留部に一旦貯留して、遊技者が望む所定の発射強度に調整しながら発射手段を操作することにより、所定の発射間隔(例えば、100個/1分)で遊技球が遊技盤上の遊技領域に発射されて、パチンコ遊技が実行されるものである。
また、前記遊技領域に発射された遊技球が、同じく遊技領域に複数設けられた遊技球の入球口(以下、入賞口という)に入球すると、予め定められた所定数の遊技球(以下、賞球という)が、前記払出口から前記遊技球貯留部へと払い出される。そして、遊技球貯留部に払い出された賞球は、再度発射手段に順次送球されて遊技領域に発射される。
上記構成のパチンコ遊技機において、本実施形態においては、前記遊技球貯留部を、例えば、縦長に形成するとともに、遊技球が下方に流下するように縦方向に配設して、さらに、当該遊技球貯留部内に発射手段へ向かって流下する遊技球の球詰まりを防止する球詰まり防止手段を、複数段設けている。
つまり、本実施形態においては、発射手段に遊技球を順次供給する遊技球貯留部を、例えば、縦長の円柱状として縦方向に配設して、その内部に遊技球の球詰まり防止手段を複数段設けることにより、例えば、皿形状に形成され、遊技球が発射手段の発射位置まで自然に流下するように傾斜して設けられた従来の遊技球貯留部と比べると、遊技者にとってストレスの原因となる遊技球貯留部における遊技球の球詰まりが発生し難く、安定して発射手段の発射位置に遊技球を送給することが可能な遊技機を提供することが可能となる。
また、前記球詰まり防止手段は、縦方向に設けられた複数の球受部と、各球受部間を連通する単一又は複数の球流下通路とを備えることができる。すなわち、前述した球詰まり防止手段としての、縦長の前記遊技球貯留部を、例えば、縦方向に(つまり、上下方向)に設けた複数の球受部で構成するとともに、複数の球受部間を、単一又は複数の球流下通路で連通するのである。
そして、前記球流下通路の設置数は、下段に行くほど減少させて設置することが望ましい。つまり、前述した複数の球受部間を連通する球流下通路の数は、最上段に設けられた球受部とその下段に設けられた球受部は、例えば、3本の球流下通路で連通されているとすると、そのまた下段に設けられた球受部とは、2本の球流下通路で連通されているというように、複数の球受部を連通する球流下通路は、下段に行くほどその設置本数を減少させてゆき、最終的には1本の球流下通路により、発射手段による発射位置まで、遊技球を順次送給する構成とするのである。
すなわち、上述した構成の遊技球の球詰まり防止手段によれば、上段に設けられた球受部から下段に設けられた球受部へと遊技球が流下する場合に、球流下通路の数を少しずつ減少させて、遊技球の流下経路を絞り込むような構成とすることで、あたかもふるいにかけたような遊技球の流下経路となるため、遊技球が球詰まりし難い遊技球貯留部とすることが可能となる。
また、前記球詰まり防止手段は、遊技球の滞留を防止するための上下動可能な攪拌棒を、前記各球受部に備えることもできる。すなわち、本実施形態における球詰まり防止手段は、複数の球受部のそれぞれに、遊技球の滞留を防止するための上下動可能な攪拌棒を備えており、各球受部に遊技球が滞留したことを検知すると、攪拌棒を動作させて遊技球の滞留を解消できる構成としている。
そのため、本実施形態における複数の球受部には、遊技球の滞留を検知できる滞留検知手段として、遊技球の検知センサ等を備えるとともに、各球受部に備えられている攪拌棒を動作させる駆動手段を備え、例えば、攪拌棒制御手段により、上段の球受部の遊技球を検知した場合に、その下段の球受部に遊技球を所定時間検知しなかった場合は、上段の球受部に遊技球遊技球が滞留しているものと判断して、当該球受部に備えられている攪拌棒を動作させるのである。
なお、前記攪拌棒制御手段としては、遊技機の進行を制御する制御手段にその機能を担わせるとよい。また、遊技球の前記攪拌棒としては、上下に動作しながら回転動作して、滞留した遊技球を、当該球受部に設けられた球流下通路に誘導できる形状であることが望ましい。
また、最上段に位置する前記球受部は、前記払出口の下方に配置されていることが望ましい。すなわち、前述したように、遊技領域に設けられた複数の入賞口に遊技球が入賞すると、払出口から所定の数の賞球が払い出される。そこで、本実施形態における遊技球貯留部を構成する複数の球受部のうち、最上段の球受部を払出口の下方に設置して、賞球として払い出される遊技球を再び発射手段に供給できる構成としている。
つまり、本実施形態においては、発射手段に遊技球を順次供給する遊技球貯留部を、例えば、複数の球受部と各球受部を連通する単一又は複数の球流下通路で構成して、さらに、各球受部の内部に遊技球の滞留を解消するための上下動可能な攪拌棒を備えることにより、遊技球貯留部における遊技球の球詰まりが極めて発生し難い遊技機を提供することが可能となる。
また、本実施形態における制御手段としては、例えば、CPUからなる中央演算処理装置と、ROMやRAMなどからなる記憶装置と、その他必要に応じて設定される回路などを備えた制御回路を構成し、前記ROMに記憶されたプログラムに基づいて、攪拌棒動作制御手段等を実行することが望ましい。さらに、攪拌棒には、回転モータがそれぞれ付設され、回転モータは、各球受部の内部に滞留した遊技球を、攪拌可能なように上下動しながら回転動作する構成とするとよい。
以下、本発明に係る遊技機の好適な実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下では遊技機をパチンコ遊技機としている。
[遊技機の構成]
遊技機について、図1〜図4を用いて説明する。図1は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図、図2は同パチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。また、図3は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図、図4は電飾ユニット53の説明図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された前面扉11とから構成されている。そして、前面扉11の上部略半分には、開閉自在に軸着された扉11aが設けられている。そして、図1に示すように、通常の遊技状態では、前面扉11は開口12aを前面から閉鎖し、扉11aも閉鎖された状態で遊技が行われる。また、前面扉11の下方左側には、縦方向の上下に配置された3個の球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c(図15参照))と、それを連通する複数の球流下通路20k(図15参照)とで構成される遊技球貯留部20が配設されている。この遊技球貯留部20は本実施形態の要部をなすものであり、その構成については後に詳述する。そして、前面扉11の下部には下皿22、下方右側には発射ハンドル26、さらに、前面扉11の下方前面の略中央部には、液晶パネル21と操作部27が配設されている。
本体枠12の開口12a内部には、画像を表示する表示手段としての液晶表示装置32と遊技盤14とスペーサ31等が配設されている。なお、遊技盤14、スペーサ31、液晶表示装置32、遊技球貯留部20、液晶パネル21、操作部27以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
本実施形態に係る遊技盤14は、その全部が透光性を有する板形状の樹脂(透光性を有する部材)によって形成されている。この透光性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その正面(前面)側に、発射された遊技球が転動する遊技領域15を有している。この遊技領域15はガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域であり、ガイドレール30の外側には遊技領域外域16が形成されている。なお、遊技領域15には図2に示すように、複数の遊技釘13が打ちこまれている。なお、本実施形態では、遊技釘13は各種の遊技部材の一つに含まれるものとしている。
遊技に関する演出画像を表示する表示手段の一例である液晶表示装置32は、前記スペーサ31を挟んで遊技盤14の背後に設けられている。なお、本実施形態では、遊技盤14の全部が透光性を有する材料で形成されているが、透光性を有する材料が遊技盤14の一部に用いられていてもよく、その場合、液晶表示装置32は遊技盤14の透光性を有する部材の背後に配置されることになる。
この液晶表示装置32は、液晶ディスプレイパネル等で構成され、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有しており、この表示領域32aは、スペーサ31及び遊技領域15の全部又は一部、あるいは遊技領域外域16の全部又は一部を透して遊技者側から視認可能となっている。なお、表示領域32aに表示される遊技に関する画像とは、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等の各種の画像を指す。
スペーサ31は、これも前述の透光性を有する部材で形成されているが、前記液晶表示装置32の視認性を向上させるために、少なくとも遊技盤14の遊技領域15に相当する大きさの孔部31aを形成している。
このように、本実施形態においては、遊技盤14における透光性領域の背後に液晶表示装置32などの表示手段を設けており、例えば、遊技釘13の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくできるため、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能となっている。
遊技盤14の外側となる扉11aの所定位置には、発光表示手段としての装飾ランプ133a,133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。
また、この扉11aには、ガラス板などからなる透光性を有する保護板19が取付けられている。この保護板19は、扉11aが閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。また、保護板19の上方位置には、スピーカ46R,46Lが左右に配設されている。
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、遊技球貯留部20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。
ここで、本実施形態における遊技球貯留部20の構成を、図15及び図16を参照して説明する。図15は遊技球貯留部20の全体構成を説明する正面拡大図である。図16は第1球受部20aの内部構成を説明する斜視透過図である。
遊技球貯留部20は、図15に示すように、縦方向の上下に配置された3個の球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)、各球受部を連通する複数の球流下通路20k、最終的に遊技球を発射手段の発射位置に順次供給する遊技球供給路20dにより構成されている。また、最上段の第1球受部20aには、外部からの遊技球を第1球受部20aに投入するための遊技球投入部20eが連接して設けられている。
また、各球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)の内部には、それぞれ遊技球攪拌棒20gが設けられている。この遊技球攪拌棒20gは、詳細は後述するが、各球受部に設けられている遊技球検知センサ(第1検知センサS1,第2検知センサS2,第3検知センサS3)により、各球受部への遊技球の滞留が検知されると、各球受部の遊技球を攪拌するように上下動しながら回転動作することで、遊技球の滞留を解消するためのものである。
各球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)を連通する球流下通路20kは、本実施形態では、図示するように、最上段の第1球受部20aとその下段に配置された第2球受部20bとは、3箇所設けられた球流下通路20kで連通され、第2球受部20bとその下段に配置された第3球受部20cとは、2箇所設けられた球流下通路20kで連通されている。そして、最下段に配置された第3球受部20cの底部には、単一の遊技球供給路20dが設けられており、第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20cと順次流下してきた遊技球は、最終的に発射手段の発射位置まで、遊技球供給路20dにより順次供給されることとなる。
以下、図15及び図16を参照して、遊技球貯留部20の構成及び遊技球の流下態様を、さらに詳細に説明する。
図15に示すように、当該パチンコ遊技機10において、遊技者が遊技を開始する場合は、カードユニット150(図3参照)に所定のカードを遊技場から購入して挿入することにより、所定個数の遊技球が、払出口36から最上段に設けられた第1球受部20aに払い出される。また、近年では現金(主に、100円以上の硬貨又は千円札、5千円札、1万円札)を直接投入することの出来るカードユニット150がパチンコ遊技機10に併設されることもあり、この場合は、投入した現金に応じた所定個数の遊技球が、払出口36から最上段に設けられた第1球受部20aに払い出される。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、例えば、後述の大当たり遊技の実行中に、大量の賞球が払い出されて遊技球貯留部20が満杯になると、自動的にパチンコ遊技機10の内部で賞球の払い出しルート(図示せず)を下皿22(図1参照)に切り換えて、下皿22へ遊技球が払い出されて貯留される場合がある。そのため、大当たり遊技の終了後の通常遊技の実行中に、遊技球貯留部20の遊技球が消費されて少なくなると、遊技者は、下皿22に貯留された遊技球を、遊技者の手などによって遊技球投入部20eに投入すると、遊技球は、遊技球投入部20eの第1球受部20a側に傾斜して形成された底面20hを流下して、第1球受部20aと遊技球投入部20eとの接合部に設けられた開口部20fから第1球受部20aに再び貯留されることにより、パチンコ遊技を継続することができる。
第1球受部20aに貯留された遊技球は、第1球受部20aの底面に設けられた3箇所の遊技球入球口20P(図16参照)から、3箇所設けられた球流下通路20kの何れかへ入球して、第2球受部20bへ流下して貯留される。さらに、第2球受部20bに貯留された遊技球は、第1球受部20aと同様に、第2球受部20bの底面に設けられた2箇所の遊技球入球口20P(図示せず)から、2箇所設けられた球流下通路20kの何れかから、第3球受部20cへ流下して貯留されることになる。最後に、第3球受部20cに貯留された遊技球は、第3球受部20cの底面に設けられた1箇所の遊技球入球口20P(図示せず)から、遊技球供給路20dへ入球して、発射手段の発射位置まで順次供給されることとなる。
上述してきたように、本実施形態における遊技球貯留部20は、最上段の第1球受部20aから中段に設けられた第2球受部20bへの遊技球の入球経路は3箇所設けられ、中段の第2球受部20bから最下段に設けられた第3球受部20cへの遊技球の入球経路は2箇所、そして、第3球受部20cから発射手段の発射位置まで、一本の遊技球供給路20dにより遊技球を順次供給する構成としている。
つまり、遊技球貯留部20の内部において、最上段の第1球受部20aから最下段の第3球受部20cへゆくにつれて遊技球の流下経路を減少させてゆき、最終的には一本の遊技球供給路20dによって、発射手段の発射位置まで遊技球を順次供給する構成とすることにより、あたかもふるいにかけたような遊技球の流下経路を形成することで、遊技球の滞留が発生し難い遊技球貯留部20としている。なお、本実施形態のように、球流下通路20kを3本、2本と限定する必要ななく、設置する本数は特に限定するものではない。また、必ずしも複数本とはせず、遊技球供給路20d同様に単一としても構わない。
さらに、本実施形態においては、各球受部の内部に、遊技球の滞留を検知できる遊技球の検知センサと、遊技球の滞留を解消するための攪拌棒がそれぞれ設けられている。すなわち、図16に示すように、第1球受部20aの中心線を結ぶ左右の側面には、第1球受部20a内の遊技球の有無を検知できる第1検知センサS1が設けられるとともに、第1球受部20aの中心には、滞留した遊技球を第1球受部20aの底面に設けられた3箇所の遊技球入球口20Pへの入球を促すための、上下動しながら回転動作する遊技球攪拌棒20gが設けられている。
そして、第1検知センサS1は、例えば、一方を発光部とし、他方を受光部とした光センサから構成され、第1球受部20a内の遊技球の有無を検知できるものであり、また、遊技球攪拌棒20gは、中心から放射状に略120度の間隔で設けられた3本の棒を備えて構成され、非動作時は、第1球受部20aの底面に設けられた3箇所の遊技球入球口20Pへの遊技球の入球を妨げない位置で停止している。そして、第1球受部20a内部での遊技球の滞留を検知すると、攪拌モータM1を駆動することにより、第1球受部20aの底面近傍を上下動しながら回転動作して、第1球受部20aの底面に滞留した遊技球を攪拌することで、3箇所の遊技球入球口20Pへの入球を促すことにより、遊技球の滞留の解消を図ることができる。
なお、上記遊技球の検知センサ及び攪拌棒は、第2球受部20bと第3球受部20cにも同様の構成(図15参照)で設けられており、本実施形態においては、各球受部に設けられた検知センサ及び攪拌棒を、後述の球詰り解消制御処理(図13参照)において制御することにより、各球受部における遊技球の滞留を解消するものである。さらに、本実施形態における各球受部(第1球受部20a、第2球受部20b、第3球受部20c)は、内部に可動部材である遊技球攪拌棒20gを設けているため、それぞれ上蓋20mで密封する構成として、遊技球以外(例えば、遊技者の手又は指)のものが各球受部に侵入することで発生する事故や故障等を防止している。
ここで、各球受部における遊技球の滞留を解消する制御を具体的に説明すると、例えば、第2球受部20bの内部に設けられた第2検知センサS2が遊技球を検知しない状態で、第1球受部20aの第1検知センサS1が遊技球を検知した場合は、第1球受部20aの内部に遊技球が滞留して、その下段の第2球受部20bへ遊技球が流下していない状態といえるので、第1球受部20aの遊技球攪拌棒20gを動作させて、遊技球の流下を促して遊技球の滞留を解消するのである。
また、本実施形態においては、遊技球供給路20dの終端(発射手段の発射位置)近傍にも、遊技球の検知センサである第4検知センサS4が設けられており、この第4検知センサS4が遊技球を検知しない状態、つまり、遊技球が無い状態において、遊技球供給路20dの上部に位置する第3球受部20cの第3検知センサS3が遊技球を検知した場合は、第3球受部20cの遊技球攪拌棒20gを動作させて、遊技球を遊技球供給路20dへ流下するように促すこととなる。
つまり、本実施形態においては、遊技球貯留部20の下方(発射手段の発射位置に近い方)の遊技球の検知センサが遊技球を検知せず、なおかつ、遊技球を検知しなかった検知センサの上方に設けられた各球受部の検知センサが遊技球を検知した場合は、当該各球受部に設けられた遊技球攪拌棒20gを動作させる制御を実行して、遊技球の滞留を解消する構成としている。
また、本実施形態においては、遊技球供給路20dの終端近傍の上部(図3参照)には球抜きレバー28が設けられている。この球抜きレバー28は、遊技球貯留部20に貯留された遊技球を下皿22に排出するためのスイッチであり、例えば、遊技者が遊技を終了する場合に、球抜きレバー28を操作することにより、遊技球供給路20dの終端近傍(発射手段の発射位置)の奥に設けられている遊技球の流下切換ルート(図示せず)が、遊技球の発射位置から下皿22へ切り換えられることにより、遊技球貯留部20に貯留された遊技球は下皿22に排出されることとなる。
そして、本実施形態では、後述の球詰り解消制御処理(図13参照)において、遊技者による球抜きレバー28の操作を検知すると、前述した各球受部に設けられた、遊技球攪拌棒20gを全て動作させることにより、よりスムーズに遊技球貯留部20に貯留された遊技球を下皿22に排出する制御が実行される。
なお、本実施形態における遊技球貯留部20を構成する各球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)と、各球受部を連通する単一又は複数の球流下通路20k及び遊技球供給路20dは、前述した遊技盤14と同様に、その全部が透光性を有する部材によって形成されている。これにより、遊技者は、遊技球貯留部20に貯留されている遊技球の分量を直接視認して、各球受部、球流下通路20k及び遊技球供給路20dを流下してゆく遊技球を確認しながら遊技を実行することが可能となり、安心して遊技を楽しむことができる。
ここで、図1〜図3を用いたパチンコ遊技機10の説明に戻る。図3に示すように、前面扉11に設けられた扉11aの下方の略中央部には画像表示領域21aを備えた液晶パネル21が設けられている。そして、液晶パネル21の右側には操作部27が設けられている。
この液晶パネル21は、前述した遊技に関する演出画像を表示する表示手段の一例である液晶表示装置32と同様のものであるが、液晶表示装置32の表示領域32aにおいては、遊技に関する画像(例えば、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等)の各種の画像を表示するのに対して、液晶パネル21の画像表示領域21aにおいては、現在遊技中の遊技者に対するサービスの一環として、例えば、遊技履歴(大当たり遊技の発生回数、遊技者が獲得した賞球数等)やテレビ放送(1セグ放送等)等を画像表示するものである。
そして、操作部27には、前述した遊技履歴やテレビ放送等のなかから、遊技者が望む画像表示を選択可能なように、各種選択ボタン等(図示せず)が設けられている。このように、本実施形態においては、従来の遊技球の貯留部である所謂「上皿」が設置されていた前面扉11に設けられた扉11aの下方のスペースが、縦型の遊技球貯留部20を用いることにより広く空くことになるので、そのスペースを有効に活用するために、液晶パネル21及び操作部27を設けて、遊技者に対するサービスの一環として、遊技者が望む各種画像表示を行える構成としている。
次に、図3及び図4を参照しながら、パチンコ遊技機10の構成についてさらに詳細に説明する。なお、図3を用いたパチンコ遊技機10の概観の以下の説明では、図1及び図2を用いた説明と重複する部分を省略することがある。なお、図3においては遊技釘13を省略している。
図3に示すように、遊技盤14には、2つのガイドレール30(30a及び30b)、第1遊技部材57、第2遊技部材55、通過ゲート54、羽根部材23が付設された始動口25、開閉自在のシャッタ40を備えた大入賞口39、一般入賞口56a,56b,56c,56d、アウト口38が設けられている。
遊技盤14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技領域15の上部に移動し、複数の遊技釘13(図2参照)、遊技領域15上に設けられた第1遊技部材57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技領域15の下方に向かって流下する。そして、遊技領域15に設けられた各種入賞口(始動口25、大入賞口39、一般入賞口56a〜56d等)に入賞できなかった遊技球は、遊技領域15の下端の設けられたアウト口38で回収されて遊技盤14の外部に排出される。
第1遊技部材57が、左右端が中央付近よりも下方に位置する傘状に形成されているのに対し、第2遊技部材55は左右端が中央付近よりも僅かに上方に位置して湾曲形成されたステージ状に構成されており、遊技領域15を転動した遊技球の一部は、この第2遊技部材55に一旦受け止められて、第2遊技部材55の中央部に凹状に形成された案内溝55aを通過して、始動口25に向かって流下するようになっている。
始動口25は本実施形態における特定入賞口に規定されており、遊技領域15の略中央に設けられた第2遊技部材55の下部かつ大入賞口39の上方に設けられるとともに、ソレノイドなどで駆動する可変部材としての羽根部材23が付設されている。そして、遊技領域15に設置された第2遊技部材55や遊技釘13との衝突しながら転動した遊技球がこの始動口25へ入賞すると、後述する特別図柄ゲーム及び大当たり抽選が開始される。すなわち、始動口25は、特別図柄ゲーム及び大当たり抽選の契機となる特定の入賞口である。
また、始動口25の下部に設けられた大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、後に詳述する特別図柄表示器33(図4)において特別図柄として特定の数字図柄がそれぞれ停止表示され、停止表示態様が、遊技状態が特別遊技である大当たり遊技に移行されることを示す態様であった場合に、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39の内部には、カウントセンサ104(図5参照)が設けられ、遊技球を所定個数(例えば10個)検知するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームと呼び、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。本実施形態では、このラウンドゲームを実行する遊技を大当たり遊技という。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数されるため、大当たり遊技における1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、所定時間(例えば、1秒)経過後に再度開放状態に駆動される。
なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまで継続した遊技状態を大当たり遊技状態という。大当たり遊技状態は、多数の賞球を獲得可能であることから、遊技者にとって極めて有利な遊技状態である。
また、前述した始動口25、一般入賞口56a,56b,56c,56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が遊技球貯留部20又は下皿22に賞球として払い出される。
また、扉11aの下端部近傍には電飾ユニット53が設けられている。本実施形態に係る電飾ユニット53は、図4に示すように、その中央に配置された表示器ケース37に、始動口25に対応した特別図柄表示器33を収容している。この特別図柄表示器33は、7セグメントLEDで構成されており、この7セグメントLEDは、始動口25に遊技球が入賞した場合に、特別図柄表示器33の7セグメントLEDが点灯・消灯することによって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が異なってくるゲームを、本実施形態では「特別図柄ゲーム」という。
表示器ケース37の左右両側には、この表示器ケース37を挟んで始動口25に対応した特別図柄保留ランプ33a〜33dが設けられている。この特別図柄保留ランプ33a〜33dは、特別図柄表示器33において、既に特別図柄の変動表示中に遊技球が前記始動口25へ入賞した場合に、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行を保留する回数(所謂、「特別図柄の保留球数」)を点灯によって表示するものである。そして、変動表示していた特別図柄が停止表示されると、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
具体的に説明すると、特別図柄保留ランプ33a〜33dは、特別図柄の変動表示の実行が保留された回数に対応して左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、前記始動口25への遊技球の入賞に対して4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示の開始にあわせて、例えば数字などを含む演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の装飾図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく演出用の装飾図柄の変動表示の実行(開始)は保留される。その後、変動表示していた演出用の装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。つまり、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行われる演出用の装飾図柄の変動表示と、特別図柄の変動表示とは同期しており、その変動開始及び変動停止は同じタイミングで行なわれることとなる。
本実施形態では、前記特別図柄及び装飾図柄は、共に識別情報として機能するものであり、特別図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした前記特別図柄ゲームと、特別図柄と同期して行われる装飾図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとしたゲームとを併せて、「可変表示ゲーム」としている。したがって、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、前記始動口25に遊技球が入賞したことを契機として、可変表示ゲームが行われることになる。そして、この可変表示ゲームを行う遊技を通常遊技と呼ぶ。
また、遊技領域15の略中央の左側に設けられた通過ゲート54(図3参照)を遊技球が通過すると、特別図柄表示器33の右側に設けられた普通図柄表示器35において、普通図柄を示す“○”、“×”等の記号で構成された2つの表示用ランプが、交互に点灯・消灯を繰り返すことによって変動表示される。
さらに、表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ35a〜35dが設けられている。この普通図柄保留ランプ35a〜35dは、前述した普通図柄(本実施形態では“○”、“×”等の記号)の変動中に、前記通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、点灯又は消灯によって、保留されている普通図柄の変動表示の実行可能な回数(所謂、「普通図柄の保留球数」)を表示する。つまり、普通図柄保留ランプ35a〜35dは、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に可変部材として設けられた羽根部材(所謂「普通電動役物」)23が閉鎖状態から開放状態に変動して、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。このように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
以上説明してきたように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、前記始動口25へ遊技球が入賞したことを契機として、大当たり遊技へ移行するか否かの大当たり抽選処理が行なわれるとともに、その抽選結果に基づいて、前記特別図柄表示器33において特別図柄の変動表示及び停止表示が行われる。そして、液晶表示装置32の表示領域32aにおいては、停止表示される特別図柄に対応した複数の装飾図柄が、変動表示された後に所定の組み合わせで停止表示される可変表示ゲームが実行されるとともに、この可変表示ゲームに伴う演出画像などを用いた演出表示が行われる。そして、抽選結果が当選の場合、通常遊技から大当たり遊技に移行するのである。
また、本実施形態においては、役物の一例として、大当たり遊技時に用いられる大入賞口39の役物が記載されているが、本発明はこれに限定されず、遊技盤上に2つ以上のいかなる数の役物が設けられていてもよい。
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32及び液晶パネル21を採用したが、これに限らず、例えば、EL(Electro Luminescence)、プラズマ等、他の形態からなるものであってもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技全般の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものに位置付けられている。
主制御回路60は、図示するように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、大当たり遊技実行手段や大当たり抽選手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他、乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される大当たり抽選テーブル(図6参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。
そして、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。なお、シリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
さらに、主制御回路60には、電飾ユニット53(図4参照)の各種表示器、表示ランプを制御する表示器制御回路76を備えている。この表示器制御回路76はメインCPU66からの指示に従い、パチンコ遊技機10の遊技状態に応じて、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35の変動の制御(例えば、変動の開始及び所定の図柄での表示停止)を行い、さらに、特別図柄保留ランプ33a〜33d、普通図柄保留ランプ35a〜35dの点灯及び消灯の制御を行うものである。
また、主制御回路60には、攪拌棒制御回路77を備えている。この攪拌棒制御回路77はメインCPU66からの指示に従い、遊技球貯留部20の各球受部(第1球受部20a、第2球受部20b、第3球受部20c)にそれぞれ設けられた遊技球攪拌棒20g(図15参照)を動作させるために、攪拌モータM1,M2,M3に対する動作制御を実行するものである。
そして、主制御回路60には、表示パネル制御回路78を備えている。この表示パネル制御回路78はメインCPU66からの指示に従い、遊技者による操作部27(図3参照)の操作に応じた所定の画像を、液晶パネル21の画像表示領域21a(図3参照)を表示させる制御を実行するものである。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。例えば、図示するように、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106,108,110,112、通過球センサ114、始動口入賞球センサ117、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、遊技球検知センサ121,122,123,124、球抜きセンサ105、操作パネルセンサ125が接続されている。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106,108,110,112は、一般入賞口56a,56b,56c,56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106,108,110,112は、一般入賞口56a,56b,56c,56dの各々へ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、通過ゲート54に設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球検出手段である始動口入賞球センサ117は、始動口25に設けられている。始動口入賞球センサ117は、始動口25に遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、シャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
遊技球検知センサ121〜124は、遊技球貯留部20(図15参照)の第1球受部20a、第2球受部20b、第3球受部20c、遊技球供給路20dにそれぞれ設けられた第1検知センサS1、第2検知センサS2、第3検知センサS3、第4検知センサS4に接続されており、各検知センサで検知した遊技球の有無を、所定の検知信号として主制御回路60に供給する。
球抜きセンサ105は、球抜きレバー28(図3参照)に接続されており、遊技者により球抜きレバー28が操作された場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
操作パネルセンサ125は、操作部27(図3参照)に接続されており、遊技者により操作部27が操作された場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行なう払出装置128、遊技球の発射を行なう発射装置130、カードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行なう。
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、遊技球貯留部20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射される。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a,133bの制御等を行なう。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段等の各種制御手段として機能するサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ133a,133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。そして、副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種コマンド信号に従って、各種演出制御を行う。そして、サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、パチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連してサブCPU206により実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、演出表示期間を定めた時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。ここで、本実施形態におけるリーチとは、変動中の一の装飾図柄が、他の停止表示されている装飾図柄と同一図柄で停止表示されると、前述の大当たり遊技に移行する状態を指す。通常、変動中の装飾図柄が停止するまでの間、液晶表示装置32上では、このリーチ状態に応じた特別のリーチ演出表示がなされる。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン等の演出画像データ等を、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46R,46Lから音声を発生させるものである。
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うものである。
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[遊技機の動作]
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技について簡潔に説明する。本実施形態においては、パチンコ遊技機10の遊技は、大別して通常遊技(大当たり抽選を行いながら遊技球を消費する遊技であり、大当たり遊技に比べて遊技者には相対的に不利な遊技)と大当たり遊技(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な遊技)とに分かれる。
さらに、前記大当たり遊技においては、後述の特別図柄制御処理において抽選された、前記特別図柄表示器33に停止表示される特定の数字図柄により、15R確変大当たり遊技、2R確変大当たり遊技(所謂「突確」と呼ばれる大当たり遊技)又は10R通常大当たり遊技の3種類の大当たり遊技が決定する。
そして、前記3種類の大当たり遊技(15R確変大当たり遊技、2R確変大当たり遊技又は10R通常大当たり遊技)は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図10参照)において、大当たり抽選テーブル(図6参照)を参照し、通常遊技の通常モード又は確変モードに応じてそれぞれ異なる抽選確率で抽選される。
このとき、大当たり遊技に当選すると、前記特別図柄表示器33(図4参照)に停止表示される特別図柄は、15R確変大当たり遊技の場合は、例えば、“7”の特別図柄が表示され、2R確変大当たり遊技の場合は、例えば、“3”の特別図柄が表示される。また、10R通常大当たり遊技の場合は、例えば、“5”の特別図柄が表示される。
さらに、前記3種類の大当たり遊技のいずれか一つに当選した場合に、前記特別図柄表示器33(図4参照)に特別図柄が停止表示されるのと同じタイミングで、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、専用の装飾図柄(例えば、数字図柄の三つ揃い)によって、15R確変大当たり遊技の場合は、例えば、“777”などの特定の数字の三つ揃いの装飾図柄が表示され、2R確変大当たり遊技の場合は、例えば、“333”などの特定の数字の三つ揃いの装飾図柄が表示される。また、10R通常大当たり遊技の場合は、例えば、“444”などの特定の数字の三つ揃いの装飾図柄が表示される。
また、前記3種類の大当たり遊技のいずれかが実行されると、3種類の大当たり遊技にそれぞれ応じた所定の回数を上限として(2R確変大当たり遊技では2回、15R確変大当たり遊技では15回、10R通常大当たり遊技では10回)、大入賞口39に付設されたシャッタ40(図3参照)が、所定時間(例えば、30秒)の開放を繰り返すことにより、遊技領域15に発射された遊技球の大入賞口39への入賞が容易となり、遊技者は短時間で大量の賞球を獲得することが可能となる。かかる大当たり遊技の獲得(大当たり遊技への当選)は、一般の遊技者の最大の目的であり、パチンコ遊技の醍醐味ともいえる。
また、本実施形態では、大当たり遊技の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、15ラウンド、10ラウンド、2ラウンドとしているが、大当たり遊技の最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(後述するメインCPU66を含む主制御回路60(図5参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数であって構わない。
他方、本実施形態における通常遊技は、通常モード(通常低確率遊技状態)、確変モード(特別高確率遊技状態)、時短モード(特別遊技モード)の3種類の遊技モードの下で実行される。
ここで、前記3種類の通常遊技(通常モード、確変モード、時短モード)のモードの移行及びそれぞれの特徴を、以下に簡単に説明する。
通常モードは、パチンコ遊技機10における基本モードであり、パチンコ遊技機10に電源を投入すると、この通常モードから遊技が開始される。なお、この通常モードは、前記確変モードにおける大当たりの抽選確率よりも大当たりの抽選確率が低確率に設定される。
確変モードは、通常遊技において、前記3種類の大当たり遊技のうち15R確変大当たり遊技又は2R確変大当たりに当選すると、当該大当たり遊技の終了後に移行する特別高確率遊技状態であり、この確変モードの特徴は、前記通常モードにおける大当たりの抽選確率よりも確変モードにおける大当たりの抽選確率の方が高確率に設定される。
具体的に説明すると、本実施形態においては、通常モードにおける大当たりの抽選確率は「1/300」であるのに対して、確変モードにおける大当たりの抽選確率は「1/30」と10倍の抽選確率が設定(図6、大当たり抽選テーブル参照)されている。つまり、確変モードでは通常モードと比較して、10倍の頻度で大当たり遊技が発生することになるので遊技者にとって有利な遊技状態であり、特に、15R確変大当たり遊技は、ラウンドゲームが最大15ラウンド継続されるため、最も有利な遊技といえる。
一方、2R確変大当たりは、ラウンドゲームが2ラウンドしかなく、大当たり遊技の継続時間が大当たり遊技の中では相対的に最も短い遊技となっているため、当たり遊技終了後の通常遊技が確変モードになるとはいえ、遊技者にとっては、15R確変大当たり遊技と比べると、好ましい大当たり遊技であるとは言えない。
最後に、時短モード(特別遊技モード)は、前記3種類の大当たり遊技のいずれに当選した場合でも、当該大当たり遊技の終了後に設定される遊技モードである。この通常遊技における時短モードとは、特別図柄及び普通図柄が変動表示を開始して停止表示されるまでの変動時間が、通常モードよりも短く設定され、さらに、前記普通図柄の抽選の結果が“当たり”の場合(つまり、前述した普通図柄表示器35(図4参照)において、表示用ランプが“○”で停止表示された場合)、始動口25に付設された羽根部材23の開放時間が通常モードよりも長く設定される。なお、かかる制御を、本実施形態では、「電チューサポート」と呼ぶ場合がある。
このように、「電チューサポート」が実行されると、始動口25に遊技球が入賞し易くなるので、単位時間当たりの大当たり抽選回数が通常モードに比べて著しく増加し、かつ始動口25への入賞に対する賞球の払い出しも増加するため、遊技球の目減りが少なく(所謂「球持ち」がよい状態となる)、遊技者にとって有利な状態といえる。
また、この時短モードは、前記3種類の大当たり遊技に対応して、継続期間が定められる。大当たり遊技が10R通常大当たり遊技の場合は、当該大当たり遊技終了後に、特別図柄の変動回数(例えば、50回又は100回)が継続期間として設定される。一方、大当たり遊技が15R確変大当たり遊技又は2R確変大当たり遊技の場合の継続期間は、当該大当たり遊技終了後、実質的に次回の大当たり遊技への当選が期待できる特別図柄の変動回数(例えば、10000回)に設定される。
以上説明したように、本実施形態においては、「通常モード」、「確変モード」、「通常モード+時短モード」及び「確変モード+時短モード」の4つの遊技モードの下で通常遊技が行われることになり、パチンコ遊技機10の遊技状態の変化(つまり、前記3種類の大当たり遊技の発生等)に応じて遊技状態が推移してゆくことになる。
以下、上述した遊技状態の変化に合わせてパチンコ遊技機10で実行される処理を図7〜図14に示す。
[メイン処理]
図7に示すように、最初に、主制御回路60のメインCPU66は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図9を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示器33に表示される特別図柄、液晶表示装置32において、始動口25に対応した装飾図柄による演出表示に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。そして、詳しくは、図11を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。さらに、これも詳細は図13を用いて後述するが、遊技球貯留部20における遊技球の滞留を解消するための球詰り解消制御処理(ステップS14)を実行する、このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12〜ステップS14の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図8を用いて説明する。
図8に示すように、最初に、メインCPU66は、大当たり抽選用乱数値等の各抽選値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。
さらに、この入力検出処理(ステップS22)において、メインCPU66は、始動口25への遊技球の入賞を検出すると、前記乱数更新処理(ステップS21)において更新された乱数値を読み出して、最大4個を保留個数の上限として、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ここでメインRAM70の所定の領域に記憶された始動口25への遊技球の入賞と乱数値は、後述の特別図柄記憶チェック処理(図10参照)の大当たり抽選処理(ステップS64)において参照されることとなる。そして、この処理が終了するとステップS23へ処理を移す。
ステップS23においては、タイマ更新処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たり遊技が発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する。そして、この処理が終了するとステップS24へ処理を移す。
ステップS24においては出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定の領域に記憶されている各種の出力要求に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給する。すなわち、後述する各処理において、メインCPU66は、各種駆動遊技部材(パチンコ遊技機10の遊技領域15に配設されており、なおかつ遊技状態に応じて、その形態を変化させる遊技部材)に対する信号出力要求がメインRAM70の所定領域に記憶された場合は、それに応じた信号を出力する。例えば、始動口25に付設されている羽根部材23を開放又は閉鎖するための普通電動役物ソレノイド118、大入賞口39に付設されているシャッタ40を開放又は閉鎖するための大入賞口ソレノイド120などの各ソレノイドの駆動要求があった場合、制御信号を出力して、各種駆動遊技部材を駆動させる処理を行なう。
さらに、この出力処理において、メインCPU66は、電飾ユニット53(図4参照)に設置されている各種表示器類(始動口25に対応した特別図柄表示器33、普通図柄表示器35、始動口25に対応した特別図柄保留ランプ33a〜33d、普通図柄保留ランプ35a〜35d)のそれぞれに対応した図柄の変動要求又は停止要求、或いはランプの点灯要求又は消灯要求がメインRAM70の所定の領域に記憶されていた場合は、それに対応した電飾ユニット53(図4参照)に設置されている各種表示器類の、図柄の変動又は停止、或いはランプの点灯又は消灯を制御する。そして、この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンド信号を副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンド信号としては、例えば、液晶表示装置32に導出表示されるデモ表示コマンド、始動口25に対応した装飾図柄の種類を指定する導出図柄指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理では、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを契機として、予め定められた数の賞球払出を行うための賞球制御コマンド信号を払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
ここで、本実施形態においては、前記乱数更新処理(ステップS21)において所定の範囲(例えば1〜30000)内で更新された乱数値を、前記始動口25へ遊技球が入賞したタイミングで読み出し、大当たり抽選にかかる乱数値として用いるようにしている。しかし、乱数値の取得手段は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、専用の乱数発生器等を主制御回路60に備え、そこで所定の範囲(例えば1〜30000)内でランダムに更新される乱数値を、前記始動口25へ遊技球が入賞したタイミングで読み出し、大当たり抽選にかかる乱数値として用いるようにしてもよい。
[特別図柄制御処理]
図7のステップS12において実行される特別図柄制御処理について、図9を用いて説明する。
最初に、ステップS31の処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
ステップS32においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、“大当たり”の抽選、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。すなわち、ステップS35において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS36へ処理を移す。
ステップS36においては、メインCPU66は、特別図柄停止処理を行なう。この特別図柄停止処理では、メインCPU66は、始動口25に対応して変動表示中の特別図柄の変動停止要求を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、この処理でメインRAM70の所定の領域に記憶された特別図柄の変動停止要求は、前述したシステムタイマ割込処理の出力処理(図8、ステップS24)において電飾ユニット53(図4参照)へ出力され、始動口25に対応して変動表示中の特別図柄が変動停止される。この処理が終了するとステップS37へ処理を移す。
そして、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否かを判断し、大当たりでなければステップS39に処理を移す。一方、大当たりであった場合は、ステップS38の大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして本サブルーチンを終了する。
ステップS39においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS43に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まず、メインCPU66は、ステップS41で大入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42で大入賞口開放処理を行う。この大入賞口開放処理では、メインCPU66は、まず大入賞口39の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の開放指示を記憶する)し、次に大入賞口開放タイマに大入賞口39の開放時間(例えば、30秒)をセットする。そして、特別図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
ステップS43においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS49に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行う。大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU66は、ステップS44で大入賞口開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大入賞口開放タイマのタイムアップ、同時に、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして入賞口開放タイマのタイムアップ、又は、大入賞口39へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS45へ処理を移行する。
ステップS45においては、メインCPU66は、大入賞口閉鎖処理(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40による大入賞口ソレノイド120の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS46へ処理を移す。
ステップS46においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(10R通常大当たりでは10回、15R確変大当たりでは15回、2R確変大当たりでは2回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合はステップS48で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットし処理を終了する。また、メインCPU66は、大入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、ステップS47において、メインCPU66は、大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに再度大入賞口39の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS49においては、メインCPU66は、大当たり終了処理を行う。大当たり終了処理では、大当たり図柄が15R確変大当たり又は2R確変大当たりの場合は、通常遊技を「確変モード+時短モード」とするとともに、時短モードの継続期間として、所定の特別図柄の変動回数(例えば、10000回)を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
一方、大当たり図柄が10R通常大当たりの場合には、通常遊技を「通常モード+時短モード」とするとともに、所定の特別図柄の変動回数(例えば、100回)を、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
そして、最後にメインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して、特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図9のステップS33において実行される特別図柄記憶チェック処理について図10を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS61において、始動口25に遊技球が入賞した場合に保留された特別図柄の保留個数が“0”であるか否かを判断し、特別図柄の保留個数が“0”の場合にはステップS62に処理を移し、特別図柄の保留個数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動要求がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
ステップS62においては、メインCPU66は、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンド信号を送る。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値(01)を、特別図柄制御フラグにセットし、ステップS64に処理を移す。
ステップS64においては、大当たり抽選処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、パチンコ遊技機10の現在の遊技モード(通常モード、確変モード)に基づいて、大当たりの抽選値が異なる複数の大当たり抽選テーブル(図6参照)から1つの大当たり抽選テーブルを選択する。そして、始動口25へ遊技球が入賞した時に抽出された大当たり抽選用乱数値と、前記選択された大当たり抽選テーブルを参照し、大当たりを抽選(15R確変大当たり、2R確変大当たり、10R通常大当たり又は“はずれ”のうちのいずれかを決定)する。
ここで、本実施形態に係る大当たり抽選テーブルについて説明する。図6に示すように、例えば、通常モードにおける大当たり抽選テーブルと確変モードにおける大当たり抽選テーブルでは、乱数値を1〜30000に設定した中で、大当たりの抽選値は、通常モードでは「100/30000」に設定されているのに対し、確変モードでは「1000/30000」と設定されている。
すなわち、10R通常大当たり、15R確変大当たり、ラウンドゲーム数が少なく、大当たり遊技の継続期間が短い大当たり遊技である2R確変大当たり(所謂「突確」)の大当たり抽選値の合計、つまり、大当たり遊技に当選する確率は、通常モードでは1/300であるのに対し、確変モードでは10/300(1/30)に設定されている。つまり、遊技モード(通常モードと確変モード)によって、大当たり遊技に移行する確率が異なっており、通常遊技が確変モードの下で行われている場合には、大当たり遊技に移行する確率は、通常モードよりも10倍向上することとなるので、確変モードは、遊技者にとって極めて有利な状態といえる。
図10に示す特別図柄記憶チェック処理の説明に戻る。
上述した大当たり抽選テーブルを用いたステップS64の大当たり抽選処理が終了すると、メインCPU66は処理をステップS65に移す。
ステップS65においては、メインCPU66は、大当たりであるか否かの判断処理を行う。この処理において、メインCPU66は、前述したステップS64の大当たり抽選処理における抽選結果が大当たりであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当たりでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
ステップS66においては、大当たり図柄である特別図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりの種類に対応して表示される特別図柄を決定する。例えば、「15R確変大当たり」に対しては、特別図柄は“7”が決定され、「2R確変大当たり」に対しては、特別図柄は“3”、「10R通常大当たり」に対しては、特別図柄は“5”というように、それぞれの大当たりに対応して特別図柄は決定される。そして、決定された特別図柄は、メインRAM70の所定の領域に記憶される。これによって、電飾ユニット53(図4参照)に設置されている始動口25に対応した特別図柄表示器33において、大当たりに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。
さらに、本実施形態においては、このステップS66の処理で、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりの種類(2R確変大当たり、15R確変大当たり、10R通常大当たり)と大当たりの発生回数とを、メインRAM70の所定の領域に、「大当たり遊技の履歴」として記憶更新する。そして、この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄に対応した特別図柄(例えば“7”、“3”、“5”以外の数字)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、電飾ユニット53(図4参照)に設置されている始動口25に対応した特別図柄表示器33において、はずれに対応した特別図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS68では、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メインCPU66は、現在の通常遊技が、時短モードであるか否か判断し、時短モードの場合は、ステップS70へ処理を移行する。一方、現在の通常遊技が時短モードでないと判断した場合は、ステップS69において、通常モードの特別図柄変動時間(例えば10秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS70においては、メインCPU66は、時短モードの特別図柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば5秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。また、このステップS70の処理において、メインCPU66は、時短モードの継続期間としてメインRAM70の所定の領域に記憶された特別図柄の変動回数(例えば、50回)を「−1」減算して記憶更新する。そして、特別図柄の変動回数が“0”になった場合、つまり、時短モードの継続期間が終了した場合は、時短モードをリセット(メインRAM70の所定の領域に記憶された時短モードのフラグをクリア)して、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS71においては、メインCPU66は、遊技球が入賞した始動口25に対応した特別図柄表示器33(図4参照)に対し、変動表示を開始させる要求をメインRAM70の所定の領域に記憶してステップS72へ処理を移す。この処理によって、前記ステップS69及びステップS70で特別図柄変動タイマにセットされた変動時間にあわせて、始動口25に対応した特別図柄表示器33において特別図柄の変動表示が行なわれ、所定時間経過後(特別図柄変動タイマがタイムアップした後)、前記ステップS66及びステップS67で決定された“大当たり”又は“はずれ”の特別図柄が停止表示されることとなる。
ステップS72においては、メインCPU66は、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66又はステップS67で記憶された“大当たり”又は“はずれ”のデータ、そしてステップS69又はステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータ、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間を決定し、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、この処理が終了すると本サブルーチンを終了する。
そして、ここで記憶された液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間は、図8のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、始動口25に対応した装飾図柄が液晶表示装置32の表示領域32aに導出表示されるとともに、装飾図柄の変動時間も決定される。つまり、電飾ユニット53(図4参照)において、始動口25に対応した特別図柄表示器33で導出表示される特別図柄の変動時間と、液晶表示装置32に導出表示される装飾図柄の変動時間は、同期して行われることとなる。
[普通図柄制御処理]
図7のステップS13において実行されるサブルーチンについて図11を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS101において、普通図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)であるか否か判断し、普通図柄制御フラグが(00)でない場合はステップS104へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(00)の場合は、ステップS103の普通図柄記憶チェック処理を行う。この普通図柄記憶チェック処理では、詳しくは図12を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、普通図柄の当り判定、普通図柄の変動開始、普通図柄の変動タイマのセット等を行い、普通図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS104においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合は、ステップS105において、普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアップしていなかった場合は処理を終了する。一方、普通図柄変動タイマがタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS106において、普通図柄停止処理を行なう。この普通図柄停止処理においては、メインCPU66は、普通図柄表示器35に対して変動を停止する要求をセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これにより、普通図柄表示器35において、前記普通図柄記憶チェック処理で判定された、普通図柄の“当り”又は“はずれ”の判定結果が表示されることとなる。この処理が終了すると、メインRAM70の所定の領域に記憶されている普通図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
ステップS107においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄が当りであると判断した場合は、ステップS109の普通電動役物開放処理に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS110において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動役物である羽根部材23の開放処理(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の開放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物(羽根部材23)の開放時間(例えば、遊技モードが時短モードの場合は3秒、確変モード又は通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(03)をセットして処理を終了する。
ステップS111においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、ステップS114へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、ステップS112へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、ステップS113の普通電動役物閉鎖処理において、普通電動役物である羽根部材23を閉鎖状態(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御フラグに(04)をセットして処理を終了する。
ステップS114においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図11のステップS103において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。
最初に、ステップS121において、メインCPU66は、普通図柄保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄保留個数が“0”であると判断した場合には、普通図柄記憶チェック処理を終了する。尚、この普通図柄保留個数はメインRAM70の所定の領域に記憶され、通過ゲート54を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算して記憶更新される。一方、メインCPU66は、普通図柄の保留個数が“0”でないと判断した場合には、ステップS122において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値“01”をセットし、ステップS123へ処理を移す。
ステップS123においては、普通図柄当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(通過ゲート54を遊技球が通過することによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄(例えば、“○”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれ図柄(例えば、“×”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、電飾ユニット53(図4参照)において、普通図柄表示器35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示器35は、普通図柄の変動表示(例えば“○”、“×”図柄を交互に点滅させる)を開始する。この後、ステップS124に処理を移す。
ステップS124においては、メインCPU66は、通常遊技が時短モードであるか否かを判断し、通常遊技が時短モードであった場合は、ステップS126において、メインCPU66は、通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。一方、遊技モードが時短モードでない(つまり、確変モード又は通常モード)場合は、ステップS125において、メインCPU66は、時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。
[球詰り解消制御処理]
図7のステップS14において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。なお、この球詰り解消制御処理における遊技球貯留部20の構成については、図15を参照して説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS150において、球抜きセンサ105(図5参照)の入力を検知したか否かを判断して、検知していなかった場合はステップS152へ処理を移す。一方、検知した場合はステップS151に処理を移す。この球抜きセンサ105は、遊技者が球抜きレバー28を操作した場合に、所定の検知信号としてメインCPU66に供給されるものである。
ステップS151において、メインCPU66は、遊技球貯留部20の第1球受部20a、第2球受部20b、第3球受部20cにそれぞれ設けられている遊技球攪拌棒20gの動作要求を、攪拌棒制御回路77(図5参照)に対して指示する。これにより、攪拌棒制御回路77は各球受部の遊技球攪拌棒20gにそれぞれ設けられている攪拌モータM1,M2,M3(図5参照)に対して、所定の動作態様で動作させる制御を実行する。その結果、前述したように、遊技球貯留部20の内部に貯留されていた遊技球を速やかに流下させることができるため、遊技球供給路20dの終端近傍(発射手段の発射位置)の奥に設けられている遊技球の流下切換ルート(図示せず)から、遊技球貯留部20に貯留された遊技球を下皿22に短時間で排出させることが可能となる。そして、この処理が終了すると本サブルーチンを終了する。
ステップS152において、メインCPU66は、遊技球貯留部20に設けられている全ての検知センサ(第1検知センサS1、第2検知センサS2、第3検知センサS3、第4検知センサS4)で遊技球を検知しているか否かを判断し、全ての検知センサで遊技球を検知していない場合(つまり、遊技球貯留部20内部に貯留されている遊技球が空の状態)は、ステップS162へ処理を移す。一方、何れかの検知センサで遊技球を検知していた場合(つまり、遊技球貯留部20内部に遊技球が貯留されていた状態)はステップS153に処理を移す。
ステップS153において、メインCPU66は、遊技球供給路20dの終端近傍に設けられた第4検知センサS4が遊技球を検知しているか否かを判断して、遊技球を検知していた場合は、ステップS156へ処理を移す。一方、遊技球を検知していなかった場合は、ステップS154において、メインCPU66は、遊技球貯留部20の第1球受部20a、第2球受部20b、第3球受部20cにそれぞれ設けられている第1検知センサS1、第2検知センサS2、第3検知センサS3により、遊技球を検知しているか否かを判断して、遊技球を検知していた場合は、ステップS155に処理を移す。また、遊技球を検知していなかった場合は、本サブルーチンを終了する。
ステップS155において、メインCPU66は、遊技球を検知した各球受部(第1球受部20a、第2球受部20b、第3球受部20c)に設けられている遊技球攪拌棒20gの動作要求を、攪拌棒制御回路77(図5参照)に対して指示する。これにより、攪拌棒制御回路77は遊技球を検知した各球受部の遊技球攪拌棒20gに設けられている攪拌モータM1,M2,M3(図5参照)に対して、所定の動作態様で動作させる制御を実行する。この処理が終了すると本サブルーチンを終了する。
ステップS156において、メインCPU66は、第3球受部20cに設けられた第3検知センサS3が遊技球を検知しているか否かを判断して、遊技球を検知していた場合は、ステップS159へ処理を移す。一方、遊技球を検知していなかった場合は、メインCPU66は、ステップS157において、第1球受部20a又は第2球受部20bにそれぞれ設けられている第1検知センサS1又は第2検知センサS2の何れかのセンサにより遊技球を検知しているか否かを判断して、遊技球を検知していた場合は、ステップS158に処理を移す。また、遊技球を検知していなかった場合は本サブルーチンを終了する。
ステップS158において、メインCPU66は、遊技球を検知した第1球受部20a及び第2球受部20bに設けられている遊技球攪拌棒20gの動作要求を、攪拌棒制御回路77(図5参照)に対して指示する。これにより、攪拌棒制御回路77は遊技球を検知した各球受部の遊技球攪拌棒20gに設けられている攪拌モータM1,M2(図5参照)に対して、所定の動作態様で動作させる制御を実行する。この処理が終了すると本サブルーチンを終了する。
ステップS159において、メインCPU66は、第2球受部20bに設けられた第2検知センサS2が遊技球を検知しているか否かを判断して、遊技球を検知していた場合は、ステップS162へ処理を移す。一方、遊技球を検知していなかった場合は、メインCPU66は、ステップS160において、第1球受部20aに設けられている第1検知センサS1が遊技球を検知しているか否かを判断して、遊技球を検知していた場合は、ステップS161に処理を移す。また、遊技球を検知していなかった場合は本サブルーチンを終了する。
ステップS161において、メインCPU66は、遊技球を検知した第1球受部20aに設けられている遊技球攪拌棒20gの動作要求を、攪拌棒制御回路77(図5参照)に対して指示する。これにより、攪拌棒制御回路77は遊技球を検知した第1球受部20aの遊技球攪拌棒20gに設けられている攪拌モータM1(図5参照)に対して、所定の動作態様で動作させる制御を実行する。この処理が終了すると本サブルーチンを終了する。
ステップS162において、メインCPU66は、遊技球貯留部20の第1球受部20a、第2球受部20b、第3球受部20cにそれぞれ設けられている遊技球攪拌棒20gの停止要求を、攪拌棒制御回路77(図5参照)に対して指示する。これにより、攪拌棒制御回路77は各球受部の各遊技球攪拌棒20gに設けられている攪拌モータM1,M2,M3(図5参照)に対して、所定の停止位置で停止させる制御を実行する。そして、この処理が終了すると本サブルーチンを終了する。
なお、前述した各球受部における各遊技球攪拌棒20gの所定の停止位置とは、例えば、図16に示すように、第1球受部20aにおいては、第1球受部20aの中心から放射状に略120度の間隔で設けられた3本の攪拌棒が、第1球受部20aの底面に設けられた3箇所の遊技球入球口20Pを塞がない、言い換えると3箇所の遊技球入球口20Pへの遊技球の入球を妨げない位置である。
以上、上述してきた本実施形態における球詰り解消制御処理によれば、遊技者が球抜きレバー28を操作すると、遊技球貯留部20の各球受部に設けられた、遊技球攪拌棒20gが全て動作して、よりスムーズに遊技球貯留部20に貯留された遊技球を下皿22に排出するとともに、遊技球貯留部20の下方(発射手段の発射位置に近い方)の遊技球の検知センサが遊技球を検知せず、なおかつ、遊技球を検知しなかった検知センサの上方に設けられた各球受部の検知センサが遊技球を検知した場合は、遊技球を検知した球受部は遊技球が滞留していると判断して、当該球受部に設けられた遊技球攪拌棒20gを動作させて、遊技球の滞留を解消する制御が実行されることとなる。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図14を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS201において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60のメインCPU66から送られてきた各種コマンド(例えば、導出図柄指定コマンド等)を解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、前記コマンド解析処理において、主制御回路60のメインCPU66からの導出図柄指定コマンドを受信した場合に、その導出図柄指定コマンドに応じた装飾図柄等の画像表示制御を、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行うこととなる。
そして、サブCPU206は、スピーカ46R,46Lから発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種の装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202〜ステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
[遊技球貯留部20の変形例]
上述してきた実施形態においては、図15に示すように、遊技球貯留部20を構成する第1球受部20aの右側に遊技球投入部20eを設け、なおかつ各球受部(第1球受部20a、第2球受部20b、第3球受部20c)を連通する単一又は複数の球流下通路20kを垂直に設置して説明してきたが、以下、遊技球投入部20eの配置及び球流下通路20kの設置形態の異なる変形例について、図17を参照して簡潔に説明する。図17は変形例における遊技球貯留部20の全体構成を説明する正面拡大図である。
図17に示すように、変形例における遊技球貯留部20は、前述した実施形態と同様に、縦方向の上下に配置された3個の球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)、各球受部を連通する単一又は複数の球流下通路20k、最終的に遊技球を発射手段の発射位置に順次供給する遊技球供給路20d、そして、最上段の第1球受部20aのさらに上段に、外部からの遊技球を第1球受部20aに投入するための遊技球投入部20eが設けられている。
そして、図示するように、変形例における最大の特徴は、遊技球投入部20eの配設位置と、各球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)を連通する単一又は複数の球流下通路20kの形状である。以下、遊技球投入部20e、球流下通路20k以外の各種の部品については、その構成及び機能ともに前述した実施形態と同一のため、説明を省略する。
すなわち、変形例においては、遊技球投入部20eは第1球受部20aのさらに上段に設けられ、遊技球投入部20eに投入された遊技球は、3本の球流下通路20kにより、螺旋状に回転しながら第1球受部20aへ流下するように連通されている。そして、第1球受部20aに貯留された遊技球は、3本の球流下通路20kにより、螺旋状に回転しながら第2球受部20bへ流下するように連通されている。また、第2球受部20bに貯留された遊技球は、2本の球流下通路20kにより、螺旋状に回転しながら第3球受部20cへ流下するように連通されている。
つまり、変形例における遊技球貯留部20によれば、上段に設けられた遊技球投入部20eから最下段に設けられた第3球受部20cに遊技球を流下させる場合に、単純に垂直に流下させるだけではなく、螺旋状に回転させながら流下させることにより、各球受部に流下した遊技球が各球受部の底面に設けられた遊技球入球口20P(図16参照)に入球し易くする構成としている。
上述してきた実施形態の遊技機によれば、遊技球貯留部20の各球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)を縦型に上下に設置して、下段になるほど連通経路を減少させた球流下通路20k及び遊技球供給路20dにより連通することにより、球詰りの発生し難い遊技球貯留部20の構成とするとともに、各球受部及び遊技球供給路20dに遊技球の検知センサ(第1検知センサS1、第2検知センサS2、第3検知センサS3、第4検知センサS4)と、各球受部の内部にそれぞれ遊技球攪拌棒20gとを設けて、前述した球詰り解消制御処理(図13参照)により、各球受部における遊技球の滞留(つまり、球詰り)を検知すると、当該球受部の遊技球攪拌棒20gを動作させて球詰りの解消を図ることにより、遊技球貯留部20内での球詰りの発生を防止した遊技機とすることができる。
さらに、本実施形態における遊技球貯留部20を構成する各部材を、遊技盤14と同様に、その全部が透光性を有する部材によって形成することにより、遊技者は、遊技球貯留部20に貯留されている遊技球の分量を直接視認して、各球受部、球流下通路20k及び遊技球供給路20dを流下してゆく遊技球を確認しながら遊技を実行することが可能となり、安心して遊技を楽しむことができる。
以上の実施形態により、以下の遊技機が実現される。
すなわち、遊技球が転動する遊技領域15が設けられた遊技盤14と、前記遊技領域15に遊技球を発射する発射手段(例えば、発射ハンドル26)と、前記遊技領域15に発射された遊技球が、前記遊技領域15に設けられた複数の入賞口(例えば、始動口25)に入賞した場合、予め定められた所定の数の遊技球を払い出す払出口36と、前記払出口36から払い出された遊技球を一旦貯留するとともに、貯留した遊技球を前記発射手段へ順次送給可能とした遊技球貯留部20と、を備え、前記遊技球貯留部20を縦長に形成し、当該遊技球貯留部内に、前記発射手段へ向かって流下する遊技球の球詰まりを防止する球詰まり防止手段(例えば、第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)を、複数段設けた遊技機(パチンコ遊技機10)。
前記球詰まり防止手段は、縦方向に設けられた複数の球受部(例えば、第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)と、各球受部間を連通する単一又は複数の球流下通路20kとを備える遊技機(パチンコ遊技機10)。
前記球流下通路20kの設置数を、下段に行くほど減少させた遊技機(パチンコ遊技機10)。
前記球詰まり防止手段は、遊技球の滞留を防止するための上下動可能な攪拌棒(例えば、遊技球攪拌棒20g)を、前記各球受部(例えば、第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)に備えている遊技機(パチンコ遊技機10)。
最上段に位置する前記球受部(例えば、第1球受部20a)は、前記払出口36の下方に配置されている遊技機(パチンコ遊技機10)。
また、本実施形態においては、3個の球受部(第1球受部20a,第2球受部20b,第3球受部20c)と各球受部を連通する球流下通路20kを、上段の球受部から下段の球受部へゆくほど3個、2個、1個と減少させて設置する構成の遊技球貯留部20としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、球受部の設置個数は複数であればよく、また、各球受部を連通する単一又は複数の球流下通路20kの設置本数も、下段に設置された球流下通路20kの設置本数が減少してゆく構成であれば、その設置本数も特に限定するものではない。
さらに、本実施形態では、遊技球攪拌棒20gを、各球受部の中心から略120度間隔に放射状に設けた3本の棒形状としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各球受部の内部の遊技球の滞留を解消できるものであれば適宜変更可能である。
また、本実施形態では、各球受部の遊技球の有無を検知するセンサとして、発光部と受光部からなる光センサで説明したが、各球受部の遊技球の有無を検知できるものであれば、例えば、磁気センサなどを用いることも可能である。
また、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。