JP2009148116A - 車両の電源装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電圧変換系の異常判定の精度が向上した異常判定制御を実行する車両の電源装置を提供する。
【解決手段】車両の電源装置10は、力行動作と回生動作とが可能な負荷回路(インバータモータ14)と直流電源12との間に設けられる電圧コンバータ13と、電圧コンバータ13の直流電源側の電圧を検出する第1の電圧センサ30と、電圧コンバータ13の負荷回路側の電圧を検出する第2の電圧センサ34と、第1、第2の電圧センサ30,34の検出値に基づいて電圧コンバータ13の制御を行なう制御部16とを備える。制御部16は、負荷回路の力行動作時と回生動作時とで異なる判定値を用いて電圧コンバータ13および第1、第2の電圧センサ30,34を含む電圧変換系の異常検出を実行する。
【選択図】図1
【解決手段】車両の電源装置10は、力行動作と回生動作とが可能な負荷回路(インバータモータ14)と直流電源12との間に設けられる電圧コンバータ13と、電圧コンバータ13の直流電源側の電圧を検出する第1の電圧センサ30と、電圧コンバータ13の負荷回路側の電圧を検出する第2の電圧センサ34と、第1、第2の電圧センサ30,34の検出値に基づいて電圧コンバータ13の制御を行なう制御部16とを備える。制御部16は、負荷回路の力行動作時と回生動作時とで異なる判定値を用いて電圧コンバータ13および第1、第2の電圧センサ30,34を含む電圧変換系の異常検出を実行する。
【選択図】図1
Description
この発明は、車両の電源装置およびその制御方法に関し、特に、半導体素子を用いたスイッチングによりデューティー比を操作する機能を備えた電圧変換器を含む車両の電源装置およびその制御方法に関する。
近年、地球温暖化問題が注目され、環境にやさしい電気自動車やハイブリッド自動車の生産が増加している。
このような車両には、バッテリ電圧を電圧変換装置で変換してモータ駆動装置に供給する構成を採用するものもある。電圧変換装置は、直流電源からの入力電圧を、所望の出力電圧に変換する電力変換装置である。半導体素子を用いたスイッチングにより、入力電力の消費時間と出力電力の消費時間の比率を変えることで、電圧の昇圧または降圧が行なわれる。例えば電気自動車においては、直流チョッパによって昇圧された出力電圧を、インバータで交流化し、交流モータを駆動するという利用がなされている。
このような電圧変換装置において、入出力電圧センサの一方が故障した場合には、電圧変換装置のスイッチングデューティー比を利用して、故障した電圧センサが検出する電圧を推定して制御を継続する技術が、特開2003−189599号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2003−189599号公報
特開2006−230109号公報
特開2006−325322号公報
特開2006−288163号公報
しかし、推定した電圧センサの値の異常判定しきい値が一定であるため、車両の駆動状態によっては、誤判定により制御を継続できなくなったり異常が検出されなかったりする可能性がある。
この発明の目的は、電圧変換系の異常判定の精度が向上した異常判定制御を実行する車両の電源装置を提供することである。
この発明は、要約すると、車両の電源装置であって、直流電源と負荷回路との間に設けられ力行動作と回生動作とが可能な電圧コンバータと、電圧コンバータの直流電源側の電圧を検出する第1の電圧センサと、電圧コンバータの負荷回路側の電圧を検出する第2の電圧センサと、第1、第2の電圧センサの検出値に基づいて電圧コンバータの制御を行なう制御部とを備える。制御部は、第1、第2の電圧センサの検出値と、負荷回路の力行動作時と回生動作時とで異なる判定値と、を用いて電圧コンバータまたは第1、第2の電圧センサの異常検出を実行する。
好ましくは、制御部は、第1、第2の電圧センサの検出値と、電圧コンバータに対する指令デューティー比とを用いて、異常検出を実行する。
好ましくは、制御部は、所定時間内において判定値に基づいて異常と判定された時間の和が所定値以上の場合に電圧コンバータおよび第1、第2の電圧センサを含む電圧変換系が異常であるという判断を確定させる。
好ましくは、電圧コンバータは、電圧変換動作と、電圧変換を行なわずに直流電源と負荷回路とを接続する非変換動作とを実行可能に構成される。制御部は、電圧コンバータに非変換動作を実行させた際の第1、第2の電圧センサの検出値の差を用いて判定値の変更を行なう。
好ましくは、制御部は、第1の電圧センサの誤差範囲、第2の電圧センサの誤差範囲に基づいて判定値を算出する。判定値は、第2の電圧センサの検出値に適用される値である。
より好ましくは、電圧コンバータは、スイッチング素子を含む。制御部は、スイッチング素子に対するスイッチング指令値とスイッチング素子に実際に電流が流れる場合の応答誤差にさらに基づいて、判定値を算出する。
この発明は、他の局面では、直流電源と負荷回路との間に設けられ力行動作と回生動作とが可能な電圧コンバータと、電圧コンバータの直流電源側の電圧を検出する第1の電圧センサと、電圧コンバータの負荷回路側の電圧を検出する第2の電圧センサとを含む車両の電源装置の制御方法であって、力行動作と回生動作の何れを実行中であるかを判断するステップと、力行動作時と回生動作時とで異なる判定値を用いて電圧コンバータおよび第1、第2の電圧センサを含む電圧変換系の異常検出を実行するステップとを備える。
好ましくは、異常検出を実行するステップは、第1、第2の電圧センサの検出値と、電圧コンバータに対する指令デューティー比とを用いて、異常検出を実行する。
好ましくは、車両の電源装置の制御方法は、所定時間内において判定値に基づいて異常と判定された時間の和が所定値以上の場合に電圧変換系が異常であるという判断を確定させるステップをさらに備える。
好ましくは、電圧コンバータは、電圧変換動作と、電圧変換を行なわずに直流電源と負荷回路とを接続する非変換動作とを実行可能に構成される。車両の電源装置の制御方法は、電圧コンバータが非変換動作中であるか否かを判断するステップと、非変換動作を実行させた際の第1、第2の電圧センサの検出値の差を用いて判定値の変更を行なうステップとをさらに備える。
好ましくは、異常検出を実行するステップは、第1の電圧センサの誤差範囲、第2の電圧センサの誤差範囲に基づいて判定値を算出する。判定値は、第2の電圧センサの検出値に適用される値である。
より好ましくは、電圧コンバータは、スイッチング素子を含む。異常検出を実行するステップは、スイッチング素子に対するスイッチング指令値とスイッチング素子に実際に電流が流れる場合の応答誤差にさらに基づいて、判定値を算出する。
本発明によれば、電圧変換系の異常判定の精度が向上するので、従来検出できなかった異常が検出可能となったり、誤判定により制御が中断されることを避けたりすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明を行なう。なお、図中同一または相当部品には、同一の符号を付して、その説明は繰返さない。
[実施の形態の全体構成および基本制御]
図1は、本実施の形態に係る車両の電源装置および関連機器の構成を説明する概略図である。
図1は、本実施の形態に係る車両の電源装置および関連機器の構成を説明する概略図である。
図1では、電気自動車に搭載された状況が想定されている。車両の電源装置10は、直流電源12とインバータモータ14とを結ぶ回路部、及び制御部16からなる直流チョッパ装置の構成を含む。回路部は、コイル18と、ダイオード20,24と、トランジスタ22,26とコンデンサ28とを含む。
直流電源12の正極にコイル18の一端が接続されている。そして、コイル18の他端には、ダイオード20とトランジスタ22が並列に接続された上アームと、ダイオード24とトランジスタ26が並列に接続された下アームが接続されている。
上アームの他端はインバータモータ14の正極側端子に接続され、下アームの他端はインバータモータ14の負極側端子に接続されると共に直流電源12の負極に接続されている。また、インバータモータ14の正極側端子と負極側端子との間にコンデンサ28が接続されている。
直流電源12の電圧VLは、電圧センサ30によって測定される。また、直流電源12の電流IBは電流計32によって測定される。さらに、インバータモータ14の正極側端子と負極側端子との間に出力される出力電圧VHは、電圧センサ34によって測定される。これら測定された電圧と電流は、制御部16に送られる。
制御部16に対しては、さらに、インバータモータ14から、消費電力の情報が送られる。この情報は、電力を演算可能はトルク指令情報などで代替することも可能である。また、指令部36からは、制御部16において行なわれる出力電力の制御の目標出力電力が入力される。指令部36は、電気自動車の走行状況に応じて、随時、最適な目標出力電力を指示している。
制御部16には、演算制御部38と記憶部40が含まれている。演算制御部38は、予め設定されたプログラムに従って演算を行なう他、入力信号や出力信号などの処理も実施する。具体的には、演算制御部38は、トランジスタ22,26に対して、スイッチングの指令を行なう。そして、このスイッチングにおいては、オンオフの時間に関するデューティー比を操作して、出力電圧を目標出力電圧に近づける制御を行なっている。また、演算制御部38は、チョッパ装置の出力電圧VHを制御量とする制御と、回路部の異常判定に関する演算処理も行なっている。
記憶部40は、演算制御部38が処理を行なう上で必要となる情報等を一時的、あるいは、固定的に記憶するものである。例えば、回路部の異常判定を行なうための閾値は、この記憶部40に記憶されている。
次に、回路部の作用について、簡単に説明する。この回路部は、直流電源12からの電力をインバータモータ14に供給する順方向変換回路としての昇圧回路として動作可能であるとともに、逆に直流電源12へ回生する逆方向変換回路としての降圧回路としても動作可能である。
昇圧回路としての動作するときは、トランジスタ22をオフにした状態で、トランジスタ26のオンとオフが行なわれる。すなわち、トランジスタ26がオンの状態においては、直流電源12から流れる電流は、コイル18,トランジスタ26を経由して直流電源12に戻るループを形成する。このループを電流が流れる間に、磁気エネルギがコイル18に蓄積される。
そして、トランジスタ26をオフにすると、直流電源12から流れる電流は、コイル18,ダイオード20を経由してインバータモータ14に流れ、直流電源12に戻るループを形成する。この間には、直流電源12からの電気エネルギに加え、コイル18に蓄積された磁気エネルギがインバータモータ14に供給されるので、インバータモータ14に与えられる出力電圧は昇圧される。
一方、降圧回路として動作するときは、トランジスタ26をオフにした状態で、トランジスタ22のオンとオフが行なわれる。すなわち、トランジスタ22がオンの状態においては、インバータモータ14から回生される電流は、トランジスタ22,コイル18,直流電源12へと流れ、インバータモータ14に戻るループを形成する。
また、トランジスタ22がオフの状態においては、コイル18,直流電源12,ダイオード24からなるループを形成し、コイル18に蓄積された磁気エネルギが直流電源12に回生される。
この逆方向変換回路においては、インバータモータ14が電力を供給する時間よりも、直流電源12が電力を受ける時間の方が長い。このことからわかるように、インバータモータ14における電圧は降圧されて直流電源12に回生される。電圧変換装置の動作は、この力行動作と回生動作を適切に制御することで行なわれる。
ここで、デューティー比について説明する。簡単のため、電圧コンバータ13が昇圧回路だけからなる場合を考えると、デューティー比duty0は次のように表される:
duty0=ton/(ton+toff) …(1)
duty0=VL/VH …(2)
ただし、トランジスタのオン時間をton、トランジスタのオフ時間をtoffとする。式(2)は、回路を流れる電流が常に一定であると仮定して、スイッチングの一周期の間に直流電源で供給される電力と出力側で消費される電力が等しいとした場合に導かれる式である。
duty0=ton/(ton+toff) …(1)
duty0=VL/VH …(2)
ただし、トランジスタのオン時間をton、トランジスタのオフ時間をtoffとする。式(2)は、回路を流れる電流が常に一定であると仮定して、スイッチングの一周期の間に直流電源で供給される電力と出力側で消費される電力が等しいとした場合に導かれる式である。
式(1)、式(2)からわかるように、tonとtoffを変えてデューティー比を変化させることにより、出力電圧を所望の値に設定することができる。デューティー比の定義においては、近似を行なわない、あるいは、近似の精度を高めた理論式を用いることも可能である。なお、逆方向変換回路を含む場合には、やはり同様の考えに基づいて、拡張をおこなえばよい。
図2は、制御部16において行なわれる電圧コンバータ13に対する制御の流れを説明する図である。
図2を参照して、まず、指令部36から入力される目標出力電圧Vdccomの信号50と、電圧センサ30から入力される直流電源12の入力電圧VLの信号52に基づいて、デューティー比duty1が次式(3)により定められる(S54)。
duty1=VL/Vdccom … (3)
この式は、式(2)のVHをVdccomに置き換えたものである。すなわち、理論値に従って、出力電圧VHを目標出力電圧Vdccomとするようにデューティー比を設定したことを意味する。
duty1=VL/Vdccom … (3)
この式は、式(2)のVHをVdccomに置き換えたものである。すなわち、理論値に従って、出力電圧VHを目標出力電圧Vdccomとするようにデューティー比を設定したことを意味する。
しかしながら、現実には、用いた理論式の精度や、各デバイスの動作精度などに起因して、出力電圧VHは、目標出力電圧Vdccomとは異なった値となってしまう。そこで、電圧センサ34から入力される信号56によって取得した出力電圧VHと目標出力電圧Vdccomとの比較計算(S58)を行ない、偏差E=(VH−Vdccom)を求める。そして、偏差に対し、比例係数Kp、積分係数KiからなるPI制御の計算を行ない、操作値duty_piを求める。操作値duty_piを形式的に書けば次式(4)のようになる。
duty_pi=Kp・E+Ki∫Edt … (4)
ただし、実際の計算は、制御部16内において時間的に離散化されたデータに対して行なっている。そして、トランジスタ22,26に対しては、デューティー比duty1を操作地duty_piで補正(S62)したデューティー比duty=duty1−duty_piに基づいてスイッチングの指令信号64が出力される。
duty_pi=Kp・E+Ki∫Edt … (4)
ただし、実際の計算は、制御部16内において時間的に離散化されたデータに対して行なっている。そして、トランジスタ22,26に対しては、デューティー比duty1を操作地duty_piで補正(S62)したデューティー比duty=duty1−duty_piに基づいてスイッチングの指令信号64が出力される。
通常は、操作値duty_piはフィードバック項であり、フィードフォワード項のduty1と比べて小さく、0の近傍で小刻みに変化している。しかし、たとえば電圧変換系の一部に異常が発生するとその結果操作値duty_piが突然増大または減少をはじめる。すなわち、異常が発生した場合には、操作値duty_piにその影響が現れる。
そこで、操作値に対し異常発生を判定するための上限値及び下限値を設定しておき、この値の範囲外になった時点で異常発生を判定することが有効である。
[基本判定処理]
ここで、上限値及び下限値の設定を含む異常判定処理について説明する。操作値の大きさが異常となる要因としては、センサの異常による入力電圧VLの異常、同じくセンサの異常による出力電圧VHの異常、ダイオードやトランジスタなどの半導体素子の異常によるデューティー異常、の3つを考慮する。
ここで、上限値及び下限値の設定を含む異常判定処理について説明する。操作値の大きさが異常となる要因としては、センサの異常による入力電圧VLの異常、同じくセンサの異常による出力電圧VHの異常、ダイオードやトランジスタなどの半導体素子の異常によるデューティー異常、の3つを考慮する。
図3は、電圧変換系の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。
図1、図3を参照して、ステップS1において、制御部16は、指令部36からのデューティー指令値Dと、電圧センサ30の計測値VLと、電圧センサ34の計測値VHとを取得する。デューティー指令値Dは、図2における目標出力電圧Vdccomを示す指令値である。
図1、図3を参照して、ステップS1において、制御部16は、指令部36からのデューティー指令値Dと、電圧センサ30の計測値VLと、電圧センサ34の計測値VHとを取得する。デューティー指令値Dは、図2における目標出力電圧Vdccomを示す指令値である。
そして、ステップS2において、制御部16は記憶部40に格納されているセンサ誤差テーブルを参照してセンサ計測値VLに対応する誤差範囲下限VLminと誤差範囲上限VLmaxとを決定する。
図4はセンサ誤差テーブルの一例を示した図である。
図4に示した誤差テーブルは、横軸がセンサの出力値(計測値)であり縦軸はそのときの実電圧である。これにより、誤差テーブルに計測値VLを入力すると、実際の電圧はVLmin〜VLmaxの範囲内にあることが分かる。なお、誤差テーブルは、センサの仕様上の精度や、受け入れ評価で確定した実力範囲などで決定される。
図4に示した誤差テーブルは、横軸がセンサの出力値(計測値)であり縦軸はそのときの実電圧である。これにより、誤差テーブルに計測値VLを入力すると、実際の電圧はVLmin〜VLmaxの範囲内にあることが分かる。なお、誤差テーブルは、センサの仕様上の精度や、受け入れ評価で確定した実力範囲などで決定される。
ステップS2においてVLmin、VLmaxが決定されると、次はステップS3に処理が進み、デューティー指令値Dに対応する最小値Dmin,最大値Dmaxを決定する。
図5は、デューティー指令値Dに対する誤差を説明するための波形図である。
図5を参照して、マイコン出力ポート(duty50%)と表示されている波形は、図1の演算制御部38で実行される図2に示した演算処理の結果、出力されるdutyが50%であることを示す。この信号dutyに基づいて、図示しないデッドタイム生成回路や駆動回路を経由して、図1のトランジスタ22,26のスイッチング制御が行なわれる。
図5を参照して、マイコン出力ポート(duty50%)と表示されている波形は、図1の演算制御部38で実行される図2に示した演算処理の結果、出力されるdutyが50%であることを示す。この信号dutyに基づいて、図示しないデッドタイム生成回路や駆動回路を経由して、図1のトランジスタ22,26のスイッチング制御が行なわれる。
また、上アームゲートと表示されている波形は、駆動回路によって駆動されるトランジスタ22の制御電極(IGBTやパワーMOSFETであればゲート、バイポーラトランジスタであればベース)に与えられる信号波形を示す。そして上アームスイッチングと示されているのは、上アームゲートが図5のように制御される結果、トランジスタ22のスイッチング(ON/OFF)が発生するタイミングを示している。
同様に、下アームゲートと表示されている波形は、駆動回路によって駆動されるトランジスタ26の制御電極(IGBTやパワーMOSFETであればゲート、バイポーラトランジスタであればベース)に与えられる信号波形を示す。そして下アームスイッチングと示されているのは、下アームゲートが図5のように制御される結果、トランジスタ26のスイッチング(ON/OFF)が発生するタイミングを示している。
なお、上アーム(トランジスタ22)のON期間と下アーム(トランジスタ26)のON期間が重なると電圧VH側の正極母線と負極母線とが短絡してしまうので、短絡しないようにデッドタイムが設けられている。そして、デッドタイムにおいては、ダイオード20または24でスイッチングタイミングが決まってくる。
スイッチングにおけるハッチング部分は、駆動回路のスイッチング遅れやデッドタイムによる影響を受ける部分であり、この部分が誤差となる。なお、上アームのスイッチングにおける誤差部分は回生時に影響がある部分であり、下アームのスイッチングにおける誤差部分は力行時に影響がある部分である。
ステップS3に示したように、たとえば、Dmin=D−10(%)と定めることができ、Dmax=D+10(%)と定めることができる。
続いて、図3のステップS4では、VH=VL/Dの関係式から次のようにVH計算値の上限値Vupperと下限値Vlowerを算出する。
Vupper=VLmax/Dmin
Vlower=VLmin/Dmax
そして、ステップS5では、図4のセンサ誤差テーブルを参照して、センサ計測値VHに対応する誤差範囲での最小値VHmin、最大値VHmaxを決定する。この値を用いてステップS6でVHmin>Vupperが成立するか否かが判断される。VHmin>Vupperとしたのは、VHセンサの誤差を考慮してVHを小さく評価してVHminとしても上限値Vupperを超えているようならば明らかに電圧変換系が異常であると考えられるからである。
Vupper=VLmax/Dmin
Vlower=VLmin/Dmax
そして、ステップS5では、図4のセンサ誤差テーブルを参照して、センサ計測値VHに対応する誤差範囲での最小値VHmin、最大値VHmaxを決定する。この値を用いてステップS6でVHmin>Vupperが成立するか否かが判断される。VHmin>Vupperとしたのは、VHセンサの誤差を考慮してVHを小さく評価してVHminとしても上限値Vupperを超えているようならば明らかに電圧変換系が異常であると考えられるからである。
ステップS6で、VHmin>Vupperが成立するようであれば(ステップS6でYES)、電圧変換系に異常が発生した可能性がある。この状態が所定時間連続するか否かがステップS7で判断され、所定時間連続するようであればステップS11に処理が進んでコンバータ異常であると判定される。
ステップS6でVHmin>Vupperが成立しないばあいや(ステップS6でNO)、成立してもステップS7で所定時間連続せず再び不成立となる場合には、ステップS8に処理が進む。
ステップS8では、VHmax<Vlowerが成立するか否かが判断される。VHmax<Vlowerとしたのは、VHセンサの誤差を考慮してVHを大きく評価してVHmaxとしても下限値Vlowerを下回るようならば明らかに電圧変換系が異常であると考えられるからである。
ステップS8で、VHmax<Vlowerが成立するようであれば(ステップS8でYES)、電圧変換系に異常が発生した可能性がある。この状態が所定時間連続するか否かがステップS9で判断され、所定時間連続するようであればステップS11に処理が進んでコンバータ異常であると判定される。
ステップS8でVHmax<Vlowerが成立しない場合や(ステップS8でNO)、成立してもステップS9で所定時間連続せず再び不成立となる場合には、ステップS10に処理が進み、コンバータは正常であると判断される。
ステップS10でコンバータが正常と判断された場合またはステップS11でコンバータが異常と判断された場合には、ステップS12に処理が進み、制御はメインルーチンに移される。
[変形処理例1]
スイッチングデューティーの指令値に対して、実際の上アームのスイッチング時間と下アームのスイッチング時間に、スイッチング遅れやデッドタイム分の影響が生じることは先に図5で説明した。
スイッチングデューティーの指令値に対して、実際の上アームのスイッチング時間と下アームのスイッチング時間に、スイッチング遅れやデッドタイム分の影響が生じることは先に図5で説明した。
この影響は、回生時と力行時で異なる。すなわち、図5の上アームスイッチングのハッチング部分は回生時に影響が生じる部分であり、下アームスイッチングのハッチング部分は力行時に影響が生じる部分である。
したがって、回生時と力行時で、スイッチングに与える影響の最大値、最小値を変えて
VHセンサ出力を判定する判定値を算出すれば、もっと精度良くコンバータの異常判定ができる。
VHセンサ出力を判定する判定値を算出すれば、もっと精度良くコンバータの異常判定ができる。
図6は、第1の変形例における、電圧変換系の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。
図6のフローチャートは、図3で説明した基本判定処理のフローチャートにおいて、ステップS3に代えてステップS21,S22A,S22Bを含む。他のステップについては、図6のフローチャートは図3のフローチャートと同じであるので、説明は繰返さない。
ステップS2で、センサ計測値VLに対応する誤差範囲下限VLminと誤差範囲上限VLmaxとを決定された後に、ステップS21において、図1のインバータモータ14が力行動作中であるか回生動作中であるかが判断される。
ステップS21において、力行動作中であると判断された場合には、ステップS22Aに処理が進む。また、ステップS21において、回生動作中であると判断された場合には、ステップS22Bに処理が進む。
ステップS22Aでは、デューティー指令値Dに対応する力行時の最小値Dmin,最大値Dmaxを決定する。たとえば、Dmin=D−10(%)と定めることができ、Dmax=D(%)と定めることができる。
また、ステップS22Bでは、デューティー指令値Dに対応する回生時の最小値Dmin,最大値Dmaxを決定する。たとえば、Dmin=D(%)と定めることができ、Dmax=D+10(%)と定めることができる。
ステップS22AまたはS22Bにおいて最小値Dmin,最大値Dmaxが決定されると、この値を用いてステップS4以降の処理が実行される。ステップS4以降の処理については図3の場合と同じであるのでここでは説明は繰返さない。
ステップS22A、S22Bの処理の意味について、ここで図を用いて説明しておく。
図7は、デューティー指令値DとVLセンサ値から推定されるVHセンサ値の範囲を示す図である。
図7は、デューティー指令値DとVLセンサ値から推定されるVHセンサ値の範囲を示す図である。
図7において、デューティー指令値Dは、CPUdutyと記載されている。説明の簡単のため、VLセンサ値は固定で300(V)であるとした。中央の破線は、VH=VL/Dの関係においてVL=300(V)固定として得られた曲線、すなわちVH=300/Dである。
たとえば、デューティー比100%の時は昇圧しておらずVH=VLになるので、中央の破線はVH=300Vを示す。また、デューティー比50%の時には中央の破線はVH=300/0.5で600Vを示す。この中央の破線で得られた値に対して図4のセンサ誤差テーブルを考慮して、破線の上下に上限値、下限値を示す曲線が引かれている。このようにしてVHセンサ値に発生し得る誤差範囲を示すことができる。
図3および図6におけるステップS6、S8の判定は、言い換えると、VHセンサ値が図7の上限値と下限値の間に入るか否かを判定していることと同じである。
なお、実際の判定値は、図7にVLセンサ値の誤差とデューティー指令値Dの誤差を考慮しなければならない。図7ではVHセンサ値が300Vで誤差が無いものとしたので、VLセンサ値の誤差を考慮するには、中央の破線に対して誤差が+側に最大の場合と−側に最大の場合で2本の中央線を引く。そして2本の中央線の各々に対して、図7で示したと同様にVHセンサ値の誤差を考慮した上限値、下限値を引く。これらの上限値と下限値で囲まれた範囲のうち一番広い範囲がVHセンサ値の取り得る範囲である。
また、デューティー指令値Dの誤差については、たとえば、デューティー指令値Dが70%であって、誤差が±10%であるとすると、60%〜80%の範囲において上限値と下限値が取り得る値を考慮すればよい。これについてさらに図示して説明する。
図8は、図7に対して、デューティー指令値Dからのスイッチングのずれを考慮する処理を説明するための図である。
図8を参照して、図3のステップS3で設定したようにDmin=D−10(%)、Dmax=D+10(%)と定めると、結局力行時の範囲A1と回生時の範囲A2の両方を常に考慮することになる。つまり、VHセンサの検出値の最大値は点P1で決定され、最小値は点P4で決定されることになる。
これに対し、図6のステップS22A,A22Bで設定したように、力行時にはDmin=D−10(%)、Dmax=D(%)と定め、回生時にはDmin=D(%)、Dmax=D+10(%)と定めると、力行時には範囲A1のみが考慮され、回生時には範囲A2のみが考慮される。
この結果、力行時には、上限値は点P1のVHセンサ値で決定され、下限値は点P3のVHセンサ値で決定されることになる。また、回生時には、上限値は点P2のVHセンサ値で決定され、下限値は点P4のVHセンサ値で決定されることになる。
つまり、上限値と下限値の間で規定されるVHセンサ値の許容範囲が狭くなるので、検出率が向上すると共に、より早期にコンバータ異常を検出できるようになる。
[変形処理例2]
先に図5によって、上アームスイッチングは回生時に影響し、下アームスイッチングは力行時に影響することを少し説明した。このような関係から、力行、回生のいずれか一方の場合しか検出できない故障モードがあることが理解できる。たとえば、下アームOFF故障、すなわち図1の回路図においてトランジスタ26がOFF状態のまま固定されてしまうような故障は、インバータモータ14が力行動作を行なわなければ検出することはできない。
先に図5によって、上アームスイッチングは回生時に影響し、下アームスイッチングは力行時に影響することを少し説明した。このような関係から、力行、回生のいずれか一方の場合しか検出できない故障モードがあることが理解できる。たとえば、下アームOFF故障、すなわち図1の回路図においてトランジスタ26がOFF状態のまま固定されてしまうような故障は、インバータモータ14が力行動作を行なわなければ検出することはできない。
図3や図6の処理の場合は、ステップS7やステップS9で上限値または下限値からはみ出した時間が所定時間連続した場合に異常であることを確定させていたが、力行と回生を短時間で繰返している場合には、異常が発生していても異常判定が確定しない。
このような場合に異常検出率を向上させるためには、異常発生した時間を積算し所定時間内で積算値が基準値を超えた場合に異常を確定させればよい。
図9は、第2の変形例における、電圧変換系の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。
図9を参照して、ステップS1において、制御部16は、指令部36からのデューティー指令値Dと、電圧センサ30の計測値VLと、電圧センサ34の計測値VHとを取得する。
そして、ステップS2において、制御部16は記憶部40に格納されているセンサ誤差テーブルを参照してセンサ計測値VLに対応する誤差範囲下限VLminと誤差範囲上限VLmaxとを決定する。
その後、ステップS21において、図1のインバータおよびモータ14が力行動作中であるか回生動作中であるかが判断される。
ステップS21において、力行動作中であると判断された場合には、ステップS22Aに処理が進む。また、ステップS21において、回生動作中であると判断された場合には、ステップS22Bに処理が進む。
ステップS22Aでは、デューティー指令値Dに対応する力行時の最小値Dmin,最大値Dmaxを決定する。たとえば、Dmin=D−10(%)と定めることができ、Dmax=D(%)と定めることができる。
また、ステップS22Bでは、デューティー指令値Dに対応する回生時の最小値Dmin,最大値Dmaxを決定する。たとえば、Dmin=D(%)と定めることができ、Dmax=D+10(%)と定めることができる。
以上の処理については、図6のフローチャートと共通する。そして、以下の処理については、力行時と回生時で別々に異常発生時間を積算して積算値が判定値を超えたら異常判定を確定させる処理を行なう。
まず、力行時には、ステップS23Aにおいて、VH=VL/Dの関係式から次のようにVH計算値の上限値Vupperと下限値Vlowerを算出する。
Vupper=VLmax/Dmin
Vlower=VLmin/Dmax
そして、図4のセンサ誤差テーブルを参照して、センサ計測値VHに対応する誤差範囲での最小値VHmin、最大値VHmaxを決定する。このステップS23Aの処理は、図3のステップS3,S4の処理を合せたものに相当する。
Vupper=VLmax/Dmin
Vlower=VLmin/Dmax
そして、図4のセンサ誤差テーブルを参照して、センサ計測値VHに対応する誤差範囲での最小値VHmin、最大値VHmaxを決定する。このステップS23Aの処理は、図3のステップS3,S4の処理を合せたものに相当する。
続いて、ステップS24Aでは、ステップS23Aで設定した上限値Vupperと下限値Vlowerおよび最小値VHminと最大値VHmaxに基づいて、力行時異常検出の有無が判断される。具体的には、VHmin>VupperまたはVHmax<Vlowerが成立するか否かが判断される。この処理は、図3のステップS6〜S9の処理に相当するものであるが、この処理においてステップS7、S9の所定時間は、図3の場合よりも短く設定される。また、処理ルーチンの実行時間を所定時間と考えれば、S7,S9の所定時間の連続判定を行なわなくても良い。
ステップS24Aにおいて、力行時異常検出有りと判断された場合には、ステップS25AでカウンタAを加算する処理が実行される。カウンタAは、図1の演算制御部38のレジスタ等で実現され、力行時の異常検出時間を積算するカウンタである。なお、カウンタAは、車両起動時にクリアされている。
ステップS25Aの処理が終了した場合またはステップS24Aで力行時異常が検出されなかった場合には、ステップS26Aに処理が進む。ステップS26Aでは、カウンタAの計数値がしきい値TAより大きいか否かが判断される。しきい値TAは図3のステップS7やS9における所定時間に対応するものであり、異常が発生した時間を積算したものを判定する判定値である。
ステップS26Aにおいて、カウンタAの計数値がしきい値TAを超えない場合にはステップS27に処理が進み処理が継続される。一方、ステップS26Aにおいて、カウンタAの計数値がしきい値TAを超えた場合にはステップS30に処理が進みコンバータ異常が確定する。
次に、回生時の処理について説明する。まず、ステップS22Bで回生時用のDmin、Dmaxが決定された後、ステップS23Bにおいて、VH=VL/Dの関係式から次のようにVH計算値の上限値Vupperと下限値Vlowerを算出する。
Vupper=VLmax/Dmin
Vlower=VLmin/Dmax
そして、図4のセンサ誤差テーブルを参照して、センサ計測値VHに対応する誤差範囲での最小値VHmin、最大値VHmaxを決定する。このステップS23Bの処理は、図3のステップS3,S4の処理を合せたものに相当する。
Vupper=VLmax/Dmin
Vlower=VLmin/Dmax
そして、図4のセンサ誤差テーブルを参照して、センサ計測値VHに対応する誤差範囲での最小値VHmin、最大値VHmaxを決定する。このステップS23Bの処理は、図3のステップS3,S4の処理を合せたものに相当する。
続いて、ステップS24Bでは、ステップS23Bで設定した上限値Vupperと下限値Vlowerおよび最小値VHminと最大値VHmaxに基づいて、回生時異常検出の有無が判断される。具体的には、VHmin>VupperまたはVHmax<Vlowerが成立するか否かが判断される。この処理は、図3のステップS6〜S9の処理に相当するものであるが、この処理においてステップS7、S9の所定時間は、図3の場合よりも短く設定される。また、処理ルーチンの実行時間を所定時間と考えれば、S7,S9の所定時間の連続判定を行なわなくても良い。
ステップS24Bにおいて、回生時異常検出有りと判断された場合には、ステップS25BでカウンタBを加算する処理が実行される。カウンタBは、図1の演算制御部38のレジスタ等で実現され、回生時の異常検出時間を積算するカウンタである。なお、カウンタBは、車両起動時にクリアされている。
ステップS25Bの処理が終了した場合またはステップS24Bで力行時異常が検出されなかった場合には、ステップS26Bに処理が進む。ステップS26Bでは、カウンタBの計数値がしきい値TBより大きいか否かが判断される。しきい値TBは図3のステップS7やS9における所定時間に対応するものであり、異常が発生した時間を積算したものを判定する判定値である。
ステップS26Bにおいて、カウンタAの計数値がしきい値TBを超えない場合にはステップS27に処理が進み処理が継続される。一方、ステップS26Bにおいて、カウンタBの計数値がしきい値TBを超えた場合にはステップS30に処理が進みコンバータ異常が確定する。
ステップS27では、カウンタCの加算が行なわれる。カウンタCは、異常発生時間を積算する期間を計測するためのもので、図1の演算制御部38のレジスタ等で実現される。なお、カウンタCは、車両起動時にクリアされている。
続いて、ステップS28において、カウンタCの計数値がしきい値TCを超えたか否かが判断される。カウンタCの計数値がしきい値TCを超えた場合には、ステップS29に処理が進み、カウンタA,B,Cのリセットが実行される。これにより、異常発生時間の積算値(カウンタA,B)も、積算処理をしていた期間を示す値(カウンタC)もゼロクリアされる。なお、しきい値TCはTAおよびTBよりも大きい値に設定される。しきい値TCの大きさを加減することにより、検出感度を調整することができる。
ステップS28においてカウンタCの計数値がしきい値TCを超えていない場合や、ステップS29のリセット処理がされた場合や、ステップS30のコンバータ異常が確定された場合には、ステップS31に処理が進み、制御はメインルーチンに移される。
図10は、力行時のみに検出可能な異常が発生した場合に図9のフローチャートの処理によって異常が確定された例を説明するための動作波形図である。
図10を参照して、時刻t11〜t17において、力行と回生が繰返されている。時刻t11〜t12、t13〜t14、t16〜t17は力行動作が行なわれバッテリから電流が流出し、時刻t12、〜t13、t14〜t16は回生動作が行なわれバッテリに充電が行なわれている。
力行時にしか検出できない異常、たとえば、下アームOFF故障、すなわち図1の回路図においてトランジスタ26がOFF状態のまま固定されてしまうような故障が発生しているとする。すると、力行時すなわち時刻t11〜t12、t13〜t14、t16〜t17は異常が検出される。しかし、外乱やノイズの影響により異常を誤検出することを防ぐため、時刻t11で異常が検出されても直ちに異常確定フラグを1にセットすることはしない。
そして、時刻t11〜t12、t13〜t14の間は、カウンタAがカウントアップされていき、異常の発生している時間が積算される。そして時刻t14において、カウンタAのカウント値がしきい値TAに到達すると、異常確定フラグが0から1に確定する。
これにより、コンバータ異常が発生したことが記憶され、修理工場などで修理を行なう際に読み出されるデータに故障が反映される。
このように、異常発生を検出している時間が短時間であり、これが繰り返し検出される場合にも、第2変形例の検出処理では検出することができるので、異常検出率を向上させることができる。
[変形処理例3]
以上説明してきた処理においては、センサの誤差を図4のセンサ誤差テーブルで誤差範囲を決定して、その誤差に基づいて、異常判定のしきい値を決定した。
以上説明してきた処理においては、センサの誤差を図4のセンサ誤差テーブルで誤差範囲を決定して、その誤差に基づいて、異常判定のしきい値を決定した。
しかし、図1の車両の構成では、上アームオン状態(トランジスタ22をオン状態に固定)すれば、基本的にVHを計測する電圧センサ34とVLを計測する電圧センサ30は同じ値を出力するはずである。
車両は、要求駆動力やモータの回転数に応じて、昇圧コンバータで電圧を昇圧してインバータモータ14に供給しているので、要求駆動力やモータの回転数の状態によっては、上アームオン状態で運転する時間も存在する。このような上アームオン状態でVHを計測する電圧センサ34の出力とVLを計測する電圧センサ30の出力を比較して相対的な誤差が大きいか小さいかを認識することができる。
したがって、図4のセンサ誤差テーブルを誤差範囲の広いものと、やや狭めたものと複数種類用意しておき、VHを計測する電圧センサ34出力とVLを計測する電圧センサ30出力の相対誤差の大小によって適用する誤差テーブルを切替えれば、より高精度なコンバータ異常判定ができる可能性が高くなる。
図11は、変形処理例3における判定基準の補正を行なう処理を説明したフローチャートである。図11の処理は、図3,6,9で使用される電圧センサの誤差テーブルを切替えるために実行され、一定時間経過ごとまたは所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図11を参照して、まずステップS51においてコンバータが非昇圧中であるか否かが判断される。非昇圧とは、コンバータの上アームON状態であり、デューティー比指令値Dが100%の状態である。
ステップS51において、非昇圧中でなければ、判定基準の変更は行なわずステップS56に処理が進み、制御はメインルーチンに移される。ステップS51において、非昇圧中であれば、ステップS52に処理が進む。
ステップS52では、VHセンサ値とVLセンサ値の差が力行、回生、無負荷運転時で変化するか否かが判断される。実際にはVH−VLの値の差の変動が所定のしきい値以下かどうかで変化の有無を判断する。
ステップS52において、(VH−VL)が力行、回生、無負荷で変化する場合には、ステップS51で非昇圧であると判断された基準のデューティー比指令値Dが100%という条件が誤差を含んでおり、実際には上アームオン状態ではなかったと考えられる。そこで、ステップS55に処理が進み、判定基準値の変更は行なわず、ステップS56に処理が進み、制御はメインルーチンに移される。
一方、ステップS52において、(VH−VL)が力行、回生、無負荷で変化しない場合には、ステップS53に処理が進む。ステップS53ではVHセンサとVLセンサのずれの補正が可能と判断される。そして、ステップS54において(VH−VL)の値に基づいて、コンバータ異常の判定基準を適宜変更する。そして、ステップS56に処理が進み、制御はメインルーチンに移される。
図12は、図11のステップS54で実行されるコンバータ異常の判定基準の変更の一例を説明するための図である。
図12は、図4で例示したセンサ誤差テーブルに対応するものである。図12に示した誤差テーブルは、線H1と線L1に挟まれる範囲で示される第1の誤差範囲と、線H2と線L2に挟まれる範囲で示される第2の誤差範囲とが規定されている。第1の誤差範囲よりも第2の誤差範囲の方が狭く、つまり誤差の少ないセンサであることを示す。
図11のステップS54においてVH−VLに基づいて判定基準を選択する例を説明する。|VH−VL|があるしきい値よりも小さければ、電圧センサはばらつきの少ない性能の良いものが車両に組みつけられていると考えることができる。この場合は、誤差テーブルは、誤差範囲が狭い第2の誤差範囲(線L2−H2間)を採用する。
|VH−VL|があるしきい値よりも大きければ、電圧センサはばらつきの大きい性能のあまり良くないものが車両に組みつけられていると考えることができる。この場合は、誤差テーブルは、誤差範囲が広い第1の誤差範囲(線L1−H1間)を採用する。
上記では、電圧センサ誤差のテーブルを選択することを一例として示したが、これに限定されるものではない。他の方法であっても、上アームON状態で車両の運転が実行されることを、センサばらつきの学習をするきっかけとして、コンバータ異常の判定基準を補正したり選択したりすることができる。
最後に、本願実施の形態について図1等を用いて総括的に説明する。車両の電源装置10は、力行動作と回生動作とが可能な負荷回路(インバータモータ14)と直流電源12との間に設けられる電圧コンバータ13と、電圧コンバータ13の直流電源側の電圧を検出する第1の電圧センサ30と、電圧コンバータ13の負荷回路側の電圧を検出する第2の電圧センサ34と、第1、第2の電圧センサ30,34の検出値に基づいて電圧コンバータ13の制御を行なう制御部16とを備える。図6や図9に示したように、制御部16は、負荷回路の力行動作時と回生動作時とで異なる判定値を用いて電圧コンバータ13および第1、第2の電圧センサ30,34を含む電圧変換系の異常検出を実行する。
図9に示すように、好ましくは、制御部16は、所定時間内において判定値に基づいて異常と判定された時間の和が所定値以上の場合(ステップS26AまたはS26BでYES)に電圧変換系が異常であるという判断を確定させる(ステップS30)。
好ましくは、電圧コンバータ13は、電圧変換動作(スイッチング動作)と、電圧変換を行なわずに直流電源と負荷回路とを接続する非変換動作(上アームON動作:デューティー比100%)とを実行可能に構成される。制御部16は、電圧コンバータ13に非変換動作を実行させた際の第1、第2の電圧センサ30,34の検出値の差を用いて判定値の変更を行なう。
好ましくは、制御部16は、第1の電圧センサ30の誤差範囲、第2の電圧センサ34の誤差範囲に基づいて判定値を算出する。判定値は、第2の電圧センサ34の検出値に適用される値である。
より好ましくは、電圧コンバータ13は、スイッチング素子(トランジスタ22,26)を含む。制御部16は、スイッチング素子に対するスイッチング指令値(デューティー比指令値D)とスイッチング素子に実際に電流が流れる場合の応答誤差にさらに基づいて、判定値を算出する。
以上説明したように、本実施の形態においては、電圧変換系の異常判定の精度が向上するので、従来検出できなかった異常を検出可能となったり、誤判定により制御が中断されることを避けたりすることができる。
以上の実施の形態で開示された制御方法は、コンピュータを用いてソフトウエアで実行可能である。この制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体(ROM、CD−ROM、メモリカードなど)から車両の制御装置中のコンピュータに読み込ませたり、また通信回線を通じて提供したりしても良い。
なお、本実施の形態ではモータのみで走行する電気自動車に発明を適用する例を示した。しかし、本発明は電圧コンバータを搭載するものであれば電気自動車以外にも適用可能である。たとえば、動力分割機構によりエンジンの動力を車軸と発電機とに分割して伝達可能なシリーズ/パラレル型ハイブリッド自動車や、発電機を駆動するためにのみエンジンを用い、発電機により発電された電力を使うモータでのみ車軸の駆動力を発生させるシリーズ型ハイブリッド自動車や、燃料電池自動車にも適用できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両の電源装置、12 直流電源、13 電圧コンバータ、14 インバータモータ、16 制御部、18 コイル、20,24 ダイオード、22,26 トランジスタ、28 コンデンサ、30,34 電圧センサ、32 電流計、36 指令部、38 演算制御部、40 記憶部。
Claims (12)
- 直流電源と負荷回路との間に設けられ力行動作と回生動作とが可能な電圧コンバータと、
前記電圧コンバータの前記直流電源側の電圧を検出する第1の電圧センサと、
前記電圧コンバータの前記負荷回路側の電圧を検出する第2の電圧センサと、
前記第1、第2の電圧センサの検出値に基づいて前記電圧コンバータの制御を行なう制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1、第2の電圧センサの検出値と、前記力行動作時と前記回生動作時とで異なる判定値と、を用いて前記電圧コンバータまたは前記第1、第2の電圧センサの異常検出を実行する、車両の電源装置。 - 前記制御部は、前記第1、第2の電圧センサの検出値と、前記電圧コンバータに対する指令デューティー比とを用いて、前記異常検出を実行する、請求項1に記載の車両の電源装置。
- 前記制御部は、所定時間内において前記判定値に基づいて異常と判定された時間の和が所定値以上の場合に前記電圧コンバータおよび前記第1、第2の電圧センサを含む電圧変換系が異常であるという判断を確定させる、請求項1に記載の車両の電源装置。
- 前記電圧コンバータは、電圧変換動作と、電圧変換を行なわずに前記直流電源と前記負荷回路とを接続する非変換動作とを実行可能に構成され、
前記制御部は、前記電圧コンバータに非変換動作を実行させた際の前記第1、第2の電圧センサの検出値の差を用いて前記判定値の変更を行なう、請求項1に記載の車両の電源装置。 - 前記制御部は、前記第1の電圧センサの誤差範囲、前記第2の電圧センサの誤差範囲に基づいて前記判定値を算出し、
前記判定値は、前記第2の電圧センサの検出値に適用される値である、請求項1に記載の車両の電源装置。 - 前記電圧コンバータは、スイッチング素子を含み、
前記制御部は、前記スイッチング素子に対するスイッチング指令値と前記スイッチング素子に実際に電流が流れる場合の応答誤差にさらに基づいて、前記判定値を算出する、請求項5に記載の車両の電源装置。 - 直流電源と負荷回路との間に設けられ力行動作と回生動作とが可能な電圧コンバータと、前記電圧コンバータの前記直流電源側の電圧を検出する第1の電圧センサと、前記電圧コンバータの前記負荷回路側の電圧を検出する第2の電圧センサとを含む車両の電源装置の制御方法であって、
前記力行動作と前記回生動作の何れを実行中であるかを判断するステップと、
前記第1、第2の電圧センサの検出値と、前記力行動作時と前記回生動作時とで異なる判定値と、を用いて前記電圧コンバータまたは第1、第2の電圧センサの異常検出を実行するステップとを備える、車両の電源装置の制御方法。 - 前記異常検出を実行するステップは、前記第1、第2の電圧センサの検出値と、前記電圧コンバータに対する指令デューティー比とを用いて、前記異常検出を実行する、請求項7に記載の車両の電源装置の制御方法。
- 所定時間内において前記判定値に基づいて異常と判定された時間の和が所定値以上の場合に前記電圧コンバータおよび第1、第2の電圧センサを含む電圧変換系が異常であるという判断を確定させるステップをさらに備える、請求項7に記載の車両の電源装置の制御方法。
- 前記電圧コンバータは、電圧変換動作と、電圧変換を行なわずに前記直流電源と前記負荷回路とを接続する非変換動作とを実行可能に構成され、
前記電圧コンバータが前記非変換動作中であるか否かを判断するステップと、
前記非変換動作を実行させた際の前記第1、第2の電圧センサの検出値の差を用いて前記判定値の変更を行なうステップとをさらに備える、請求項7に記載の車両の電源装置の制御方法。 - 前記異常検出を実行するステップは、前記第1の電圧センサの誤差範囲、前記第2の電圧センサの誤差範囲に基づいて前記判定値を算出し、
前記判定値は、前記第2の電圧センサの検出値に適用される値である、請求項7に記載の車両の電源装置の制御方法。 - 前記電圧コンバータは、スイッチング素子を含み、
前記異常検出を実行するステップは、前記スイッチング素子に対するスイッチング指令値と前記スイッチング素子に実際に電流が流れる場合の応答誤差にさらに基づいて、前記判定値を算出する、請求項11に記載の車両の電源装置の制御方法。
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