JP2009147830A - 画像処理装置、画像処理システム、画像処理装置の制御方法、画像処理装置制御プログラム、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理システム、画像処理装置の制御方法、画像処理装置制御プログラム、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像画像データに含まれる不適正露光画素の高解像度画像データに対する影響を軽減する。
【解決手段】本発明の超解像処理部25は、差分画像データを生成する差分画像生成部33と、上記差分画像データに基づいて評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新部37と、撮像画像データから不適正露光画素を含む第1領域を抽出する領域抽出部35と、上記差分画像データの上記第1領域に対応する画素に重み付けを行う重み付け差分画像生成部36とを備え、上記画像更新部37は、上記重み付けを行った複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新するので、撮像画像データの中に不適正露光画素が含まれている場合であっても、撮像対象の形状や色彩が正確に反映された高精度な高解像度画像データを生成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の低解像度画像データから1つの高解像度画像データを生成する画像処理装置等に関するものである。
エリアセンサ等の撮像装置で撮像された画像の解像度は、当該撮像装置が有する撮像素子の密度に依存している。撮像装置のユーザは、より解像度の高い画像を撮像できる撮像装置を求めており、カメラメーカ各社は、解像度に対するユーザの要求に応じるために、撮像素子密度の高い高解像度カメラを次々と発売している。
しかしながら、撮像素子の高密度化にも限界はあり、また高密度化することにより撮像装置の製造コストが増大するという問題もある。そこで、同一の撮像対象に対して、少しずつ撮像位置をずらしながら複数回の撮像を行い、撮像された複数の撮像画像データを合成して、該撮像画像データよりも解像度の高い高解像度画像データを生成する高解像度化技術が従来から用いられている。
画像の高解像度化技術は、一般的にイメージシフト処理と超解像処理との二種類に分けられる。イメージシフト処理では、同一の撮像対象について少しずつ撮像位置をずらしながら複数回の撮像を行う。そして、複数の撮像画像データのそれぞれに含まれる画素と、高解像度画像データの画素との位置の対応を求め、撮像画像データの各画素の輝度値を高解像度画像データの各画素にマッピングすることにより、複数の撮像画像データを反映させた高解像度画像データを生成する。
なお、イメージシフト処理では、撮像画像データの全画素を高解像度画像データの画素にマッピングする必要があるため、撮像画像データの撮像位置及び撮像枚数は固定とする必要がある。したがって、イメージシフト処理では、低い計算コストで高解像度画像データを生成できるという利点を有している反面、解像度を飛躍的に向上させることは難しいという難点も有している。
一方、超解像処理では、まずイメージシフト処理と同様に、同一の撮像対象について少しずつ撮像位置をずらしながら複数回の撮像を行う。そして、超解像処理では、高解像度画像データを推定し、推定した高解像度画像と、上記複数回の撮像にて得られた複数の撮像画像データとの差が小さくなるように上記仮定した高解像度画像データを更新する。
このような方式の超解像処理は、再構成型超解像処理と呼ばれている。再構成型超解像処理としては、例えばML(Maximum-likelihood)法、MAP(Maximum A Posterior)法や、POCS(Projection On to Convex Set)法等が一般に知られており、下記の非特許文献1及び特許文献1にも開示されている。
再構成型超解像処理では、使用する低解像度画像データ(撮像画像データ)の枚数に制限がないため、解像度を飛躍的に向上させることができる。その反面、再構成型超解像処理では、高解像度画像データの更新に繰り返し演算が用いられるので、イメージシフト処理と比べて、一般に計算コストが高くなる。
以下では、超解像処理についてより詳細に説明する。超解像処理(再構成型)は、生成される高解像度画像に対して定義される評価関数の最適化問題として定式化される。つまり、超解像処理は、「推定された撮像画像データ(高解像度画像データ)」と「観測された撮像画像データ(撮像画像データ)」との二乗誤差に基づく評価関数(誤差項)の最適化問題に帰着される。なお、超解像処理は、未知数の非常に大きな最適化計算であるため、その評価関数の最適化には例えば最急降下法などの繰返し計算法がよく利用される。
また、高解像度画像データの特性が既知である場合には、その高解像度画像データの特性に基づく評価関数(拘束項)を評価関数(誤差項)に付加してもよい。例えば、高解像度画像データのエッジ成分が小さいことが予めわかっている場合には、高解像度画像データにラプラシアンフィルタを乗じた画像データに基づく評価関数(拘束項)を付加すればよい。これにより、高解像度画像データのエッジ成分が小さいということを超解像処理に反映させることができるので、高解像度化の精度を向上させることができる。
ここで、従来の超解像処理方法における処理の流れについて図22に基づいて説明する。図22は、従来の超解像処理方法の一例を示すフローチャートである。ここでは、撮像位置を少しずつずらしながら同一の撮像対象を撮像したm枚の撮像画像データから、1枚の高解像度画像データを生成することを想定している(mは正数)。なお、mは、撮像画像データを何倍に高解像度化するかに応じて決定される。具体的には、撮像画像データをx倍に高解像度化する場合には、少なくともx枚の撮像画像データが必要となる。
撮像対象の撮像方法について、図23に基づいて説明する。図23は、超解像処理に用いる撮像画像データの撮像方法の一例を示す図である。なお、同図では簡単のため、9枚の撮像画像データを用いて1枚の高解像度画像データを生成する例、すなわちm=9であり、撮像画像データを3倍に高解像度化する例を示している。また、各撮像画像データは、図示のように縦5画素、横5画素の25画素で構成されていることを想定している。
撮像画像データを3倍に高解像度化する場合には、撮像画像データの1画素の1/3ピッチで撮像位置を移動させながら、各撮像位置にて1回ずつ撮像を行う。これにより、図示のような、撮像画像データの1画素の1/3ピッチずつ撮像位置のずれた9枚の撮像画像データが取得される。同図では、各撮像画像データの撮像位置を1〜9の数字で示している。すなわち、各画素に付された数字は撮像位置を示している。例えば、同図の左上に記載されている撮像画像データの各画素には、1という数字が付されており、これは、同図の左上に記載されている撮像画像データの各画素が、撮像位置1で撮像されたことを示している。
なお、撮像対象の形状及び色彩を正確に反映させた高解像度画像データを生成するためには、各撮像画像データを同一の撮像条件にて撮像する必要がある。ここで、撮像条件とは、露光時間(シャッタースピード)、照明強度、撮像感度、使用するフィルタ、及びアイリスの少なくとも1つを指す。同図の例では、このような撮像条件を各撮像位置にて同一にしており、同図ではこの撮像条件をaで示している。すなわち、各画素に付された英字は撮像条件を示している。
ここで、フローチャートの説明に戻る。従来の超解像処理方法では、上記のようにして撮像された1枚目からm枚目までのm枚の撮像画像データyを取得する(S101)。なお、yは、上記1枚目からm枚目までのm枚の撮像画像データをベクトルとして表現したものであり、下記の数式(1)で表される。
なお、画像データのベクトル表現とは、上記数式(1)のように画像データの構成要素を一列に並べた1行のベクトルとして表現したものを指す。例えば、画像データを構成する要素のサイズが横W×縦Hである場合には、当該画像データは、1行×(W×H)列のベクトルとして表現される。
ここで、上述のように、超解像処理は、「推定された撮像画像データ(高解像度画像データ)」と「観測された撮像画像データ(撮像画像データ)」との二乗誤差に基づく評価関数(誤差項)の最適化問題に帰着される。すなわち、超解像処理を行うためには、複数の撮像画像データと、当該複数の撮像画像データから推定される高解像度画像データとが必要である。
しかしながら、撮像画像データyを取得した段階では、撮像画像データyから推定される高解像度画像データを取得することはできない。そこで、次のステップでは初期高解像度画像データhを取得する(S102)。初期高解像度画像データhは、撮像画像データよりも解像度が高い(画像を構成する画素数が多い)画像データである。なお、hは、高解像度画像データをベクトルとして表現したものである。
ここで、初期高解像度画像データについて図24に基づいて説明する。図24は、初期高解像度画像データの一例を示す図である。なお、同図では、図23の例の撮像画像データと同様に、縦5画素、横5画素の25画素で構成されている撮像画像データを3倍に高解像度化する例を示している。
縦5×横5の25画素で構成されている撮像画像データを3倍に高解像度化する場合には、縦5×3画素、横5×3画素の計225画素を有する高解像度画像データが生成されることになる。そこで、縦5×3画素、横5×3画素の画像データをベクトルとして表したデータを、初期高解像度画像データhとして予め用意しておく。なお、撮像画像データを3倍に高解像度化する場合には、高解像度画像データの各画素のサイズは、撮像画像データの各画素のサイズの1/3倍になる。
なお、初期高解像度画像データは、超解像処理によって撮像画像データとの差異が小さくなるように更新されるので、高解像度画像データの初期値、すなわち初期高解像度画像データの各画素の輝度値は、どのような値であってもよい。例えば、画像の全面が均一の灰色画像や黒画像、または白画像を初期高解像度画像データとして用いることができる。また、撮像画像データの中から選択した任意の1枚を初期高解像度画像データとして用いてもよい。
ここで、図23と図24とを比較すれば分かるように、初期高解像度画像データhと撮像画像データyとでは、各画素のサイズ及び画素数が異なり、また撮像対象の撮像位置も異なっているので、高解像度画像データhと撮像画像データyとの差分を直接に計算することはできない。そこで、S101及びS102にて撮像画像データy及び高解像度画像データhを取得すると、高解像度画像データhを撮像画像データyに位置合わせすると共に低解像度化して、m枚の擬似低解像度画像データBhを生成する(S103)。
なお、Bは、高解像度画像データhを撮像画像データyに位置合わせすると共に低解像度化する行列である。Bは、下記の数式(2)に示すように、M〜MとCとの積で表される行列である。そして、行列M〜Mは、高解像度画像データhを撮像画像データyの撮像位置に位置合わせした後、撮像画像データyの各画素位置に相当する画素の輝度値をサンプリングする処理を示す行列である。また、Cは、観測モデル(撮像装置のカメラモデル)においてボケの原因となる点広がり関数(PSF:Point Spread Function)を用いたコンボリューション(畳み込んで画像をぼかす処理)を表す行列である。
擬似低解像度画像データは、例えば図25のようになる。図25は、擬似低解像度画像データの一例を示す図である。なお、同図では、図24の高解像度画像データを図23の撮像画像データに位置合わせして生成された擬似低解像度画像データの例を示している。図示のように、擬似低解像度画像データは、撮像画像データ撮像位置1〜9のそれぞれに対応する9枚の画像データより成る。
次に、上記S103にて生成した擬似低解像度画像データBhと撮像画像データyとの差分を計算し、差分画像データXを算出する(S104)。この差分画像データXが「推定された撮像画像データ(高解像度画像データ)」と「観測された撮像画像データ(撮像画像データ)」との誤差である。
続いて、上記算出した差分画像データXを評価関数に代入して、高解像度化の精度(高解像度画像データと撮像画像データとが相違している程度)を示す評価値Eを求める(S105)。評価関数としては、公知の様々なものを適用することができるが、例えば下記の数式(3)に示す評価関数を用いることによって、評価値Eを求めることができる。
上記数式(3)は、MAP法と呼ばれる超解像処理手法にて使用される評価関数である。数式(3)は、誤差項と拘束項とから成る数式であり、数式(3)の右辺におけるBh−yすなわち差分画像データXが誤差項である。そして、数式(3)の右辺におけるw、L、及びhの文字が含まれている項が拘束項である。なお、Lは高解像度画像データhの事前確率情報を表す行列であり、wは拘束項の強さを表すパラメータである。このような拘束項を評価関数に組み込むことにより、高解像度画像データの事前確率情報を反映させて、より高精度な超解像処理を行うことができる。
この数式(3)に差分画像データXを代入して得られる値が評価値Eである。高解像度画像データhが撮像画像データyを正確に反映させているほど誤差項の値が小さくなり、それに伴って評価値Eも小さくなる。したがって、超解像処理は、評価値Eを最小化する高解像度画像データhを探索する処理であるということができる。
次に、上記算出した評価値Eの値と、予め設定した閾値とを比較する(S106)。そして、評価値Eの値が上記閾値よりも小さい場合(S106でYES)には、当該評価値Eの算出に用いた高解像度画像データhを、超解像処理の結果として得られた最終的な高解像度画像データhとして超解像処理を終了する。
なお、上記閾値は、要求される高解像度化の精度に応じて適宜変更することができる。例えば、より高い精度の高解像度化が要求される場合には、上記閾値を小さく設定すればよく、高解像度化精度は余り要求されないが、迅速な処理速度が要求される場合には、上記閾値を大きく設定すればよい。すなわち、上記閾値は、超解像処理の精度を決定するための値であり、超解像処理に要求される様々な条件に合わせて適宜設定することができる。
一方、評価値Eの値が上記閾値以上である場合(S106でNO)には、評価値Eの値が小さくなるように繰り返し演算を行って、高解像度画像データhを更新する(S107)。例えば、下記の数式(4)を用いることによって、高解像度画像データhを更新することができる。
数式(4)は、最急降下法にて用いられる数式である。数式(4)によれば、高解像度画像データhから、差分画像データに予め定めた重みβを掛け合わせた値を引くことにより、新規の高解像度画像データhk+1が生成されるようになっている。この演算を繰り返すことによって、評価値Eの値がより小さくなる高解像度画像データhが生成される。なお、繰り返し演算には、最急降下法に限らず公知の繰り返し演算手法を適用することができる。
このようにして更新された高解像度画像データhは、再度S103にて擬似的に低解像度化され、S104及びS105にて評価値Eの算出に用いられる。そして、S106にて再度評価値と閾値との比較が行われる。すなわち、超解像処理では、評価値Eの値が閾値よりも小さくなるまでS103〜S107の処理が繰り返し行われる。そして、評価値Eの値が閾値よりも小さくなったときの高解像度画像データhを、超解像処理の結果として得られた最終的な高解像度画像データhとして超解像処理を終了する。これにより、所望の倍率及び所望の精度で高解像度化された高解像度画像データhを得ることができる。
以上のように、超解像処理やイメージシフト処理によって、複数の低解像度画像データから高解像度画像データを生成することができ、これにより、撮像装置の解像度を超える、精細な画像データを生成することが可能になる。
杉本茂樹、奥富正敏、"画像の超解像度化処理"、日本ロボット学会誌、2005年、Vol.23、No.3、p.305-309 特開2006−127241号公報(2006年5月18日公開)
ところで、撮像素子は人の目に比べて、一度に捉えることのできる光の範囲(ダイナミックレンジ)が狭くなっている。そのため、広いダイナミックレンジを持つ撮像対象を撮像した場合に、撮像画像データに白とびや黒つぶれが生じることがある。そして、白とびや黒つぶれが発生した箇所は撮像対象の色彩や形状を表すデータとはならない。
したがって、超解像処理やイメージシフト処理に用いる複数の低解像度画像データ(撮像画像データ)の中に、白とびや黒つぶれが生じたものが含まれている場合には、撮像対象の形状や色彩が高解像度画像データに正確に反映されず、そのため高解像度化処理の精度が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、超解像処理に用いる複数の低解像度画像データ(撮像画像データ)の中に、白とびや黒つぶれが生じたものが含まれている場合であっても、撮像対象の形状や色彩が正確に反映された高精度な高解像度画像データを生成することのできる画像処理装置等を実現することにある。
本発明に係る画像処理装置は、上記課題を解決するために、撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成する画像処理装置であって、上記高解像度画像データを、上記複数の撮像画像データの一つに対して位置合わせし、上記撮像画像データと同じ解像度に変換し、当該撮像画像データを撮像した撮像装置のカメラモデルから得られる点広がり関数を乗じて擬似低解像度画像データを生成し、該擬似低解像度画像データと当該撮像画像データとの差分を取る処理を、上記複数の撮像画像データのそれぞれに対して行って、複数の差分画像データを生成する差分画像生成手段と、上記差分画像生成手段が生成した上記複数の差分画像データに基づいて、上記高解像度画像データと上記複数の撮像画像データとの誤差を示す評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新手段とを備えていると共に、上記複数の撮像画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断手段と、上記複数の撮像画像データの一つと対応する一つの差分画像データにおいて、上記適正露光画素判断手段が上記複数の撮像画像データの一つにおいて正常範囲内ではないと判断した画素に対応する位置に存在する対象画素の上記評価値に対する寄与が小さくなるように、上記対象画素に重み付けを行う処理を、上記複数の差分画像データのそれぞれに対して行う重み付け差分画像生成手段とをさらに備え、上記画像更新手段は、上記重み付け差分画像生成手段が重み付けを行った上記複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新することを特徴としている。
また、本発明に係る画像処理装置の制御方法は、上記課題を解決するために、撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成する画像処理装置の制御方法であって、上記高解像度画像データを、上記複数の撮像画像データの一つに対して位置合わせし、上記撮像画像データと同じ解像度に変換し、当該撮像画像データを撮像した撮像装置のカメラモデルから得られる点広がり関数を乗じて擬似低解像度画像データを生成し、該擬似低解像度画像データと当該撮像画像データとの差分を取る処理を、上記複数の撮像画像データのそれぞれに対して行って、複数の差分画像データを生成する差分画像生成ステップと、上記差分画像生成ステップにて生成した上記複数の差分画像データに基づいて、上記高解像度画像データと上記複数の撮像画像データとの誤差を示す評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新ステップとを含み、上記複数の撮像画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断ステップと、上記複数の撮像画像データの一つと対応する一つの差分画像データにおいて、上記適正露光画素判断ステップにて上記複数の撮像画像データの一つにおいて正常範囲内ではないと判断した画素に対応する位置に存在する対象画素の上記評価値に対する寄与が小さくなるように、上記対象画素に重み付けを行う処理を、上記複数の差分画像データのそれぞれに対して行う重み付け差分画像生成ステップとさらに含み、上記画像更新ステップでは、上記重み付け差分画像生成ステップにて重み付けを行った上記複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新することを特徴としている。
上記の構成によれば、1枚の高解像度画像データを生成するために用いられる複数枚の撮像画像データのそれぞれについて、各画素が予め定めた正常範囲内であるか否かが判断される。なお、正常範囲とは、当該画素が適正露光されているとみなすことのできる輝度値の範囲(ダイナミックレンジ)である。
また、上記の構成によれば、差分画像データの画素のうち、撮像画像データにおいて正常範囲内ではないと判断された画素に対応する位置に存在する対象画素が、評価値に与える寄与が小さくなるように重み付けが行われる。そして、重み付けを行った差分画像データを用いて高解像度画像データの更新が行われる。
なお、差分画像データは、撮像画像データと擬似低解像度画像データの差分を示すデータであるから、上記対象画素には、撮像画像データにおいて正常範囲内ではないと判断された画素の輝度値が反映されている。すなわち、上記対象画素の輝度値は、不適正露光の画素の画素値が反映されているため、撮像対象の形状及び色彩を正確に示すデータではない。そのため、このようなデータが含まれる差分画像データを用いて高解像度画像データの更新を行う場合には、撮像対象の形状及び色彩が正確に反映されない、精度の低い高解像度画像データが生成されてしまう。
そこで、上記の構成によれば、正常範囲内ではないと判断された画素に対応する位置に存在する対象画素が、評価値に与える寄与が小さくなるように重み付けが行われるようにしている。これにより、不適正露光画素に由来するデータが高解像度画像データの更新に与える影響を軽減することができる。
したがって、上記の構成によれば、撮像画像データの中に、白とびや黒つぶれが生じた不適正露光画素が含まれている場合であっても、撮像対象の形状や色彩が正確に反映された高精度な高解像度画像データを生成することができる。
また、上記画像処理装置では、上記複数の撮像画像データには、異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データが含まれており、上記適正露光画素判断手段が、輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断した後に、上記異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて、上記一組の撮像画像データの全てが撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正する撮像画像補正手段を備えていることが好ましい。
従来の超解像処理では、1枚の高解像度画像データを生成するために使用する複数枚の撮像画像データを全て同じ撮像条件で撮像していたが、上記のように補正を行うことにより、異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データを用いて高解像度画像データを生成することができる。なお、撮像条件とは、露光時間(シャッタースピード)、使用する撮像装置、照明強度、撮像感度、使用するフィルタ、及びアイリスの少なくとも1つである。
ここで、上記の構成によれば、高解像度画像データが更新されると、該更新された高解像度画像データから、擬似低解像度画像データが生成される。このとき、高解像度画像データにおいて、擬似低解像度画像データの1画素に相当する領域に含まれる各画素の輝度値データは、擬似低解像度画像データの1画素の輝度値データとして統合される。
したがって、高解像度画像データにおいて、擬似低解像度画像データの1画素に相当する領域に、異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素が含まれている場合には、これらの画素の輝度値が統合されることになる。すなわち、擬似低解像度画像データの各画素には、異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素の輝度値が反映されることになるので、生成される高解像度画像データのダイナミックレンジも拡大する。
また、本発明に係る画像処理装置の制御方法は、上記課題を解決するために、撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成する画像処理装置であって、上記高解像度化倍率に応じた数の撮像画像データを一組とする複数組の撮像画像セットに基づいて上記高解像度画像データを生成するようになっており、上記各撮像画像セットに含まれる撮像画像データは、同一の撮像条件にて撮像されたものであり、異なる撮像画像セットに含まれる撮像画像データは、互いに異なる撮像条件にて撮像されたものであり、上記複数組の撮像画像セットに含まれる各撮像画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断手段と、上記適正露光画素判断手段が、輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断した後に、上記異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて、上記複数組の撮像画像セットに含まれる撮像画像データの全てが撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正する撮像画像補正手段と、上記複数組の撮像画像セットから選択した一組に含まれる各撮像画像データの画素において、上記適正露光画素判断手段が上記正常範囲内ではないと判断した置換対象画素の輝度値を、他の撮像画像セットにおいて上記置換対象画素と対応する位置の画素であって、上記適正露光画素判断手段が上記正常範囲内であると判断した置換候補画素が存在する場合に、上記置換対象画素の輝度値を上記置換候補画素の輝度値で置き換えて、一組の合成撮像画像データを生成する画像合成手段と、上記高解像度画像データを、上記一組の合成撮像画像データに含まれる合成撮像画像データの一つに対して位置合わせし、当該合成撮像画像データと同じ解像度に変換し、さらに上記複数の撮像画像データを撮像した撮像装置のカメラモデルから得られる点広がり関数を乗じて生成した擬似低解像度画像データと、当該合成撮像画像データとの差分を取って、差分画像データを生成する処理を、上記一組の合成撮像画像データに含まれる合成撮像画像データのそれぞれに対して行って、一組の差分画像データを生成する差分画像生成手段と、上記差分画像生成手段が生成した上記一組の差分画像データに基づいて、上記高解像度画像データと上記一組の合成撮像画像データとの誤差を示す評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新手段とを備え、上記適正露光画素判断手段は、上記一組の合成撮像画像データに含まれる各合成撮像画像データの画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かをさらに判断し、上記適正露光画素判断手段が上記一組の合成撮像画像データにおいて、正常範囲内ではないと判断した上記合成撮像画像データの画素に対応する位置に存在する差分画像データの画素の、上記評価値に対する寄与が小さくなるように、上記差分画像生成手段が生成した一組の差分画像データの各画素に重み付けを行う重み付け差分画像生成手段とを備え、上記画像更新手段は、上記重み付け差分画像生成手段が重み付けを行った上記複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新することを特徴としている。
上記の構成によれば、撮像条件の異なる複数の撮像画像セットの合成が行われ、合成撮像画像データが生成される。また、合成撮像画像データは、上記複数の撮像画像セットから選択された一つの撮像画像セットに含まれる各撮像画像データに、置換対象画素(不適正露光画素)が含まれており、該置換対象画素に置換候補画素(他の撮像画像セットの撮像画像データに含まれる画素であって、上記置換対象画素に対応する位置の適正露光画素)が存在する場合には、上記置換対象画素の輝度値と上記置換候補画素の輝度値を置き換えて生成される。
すなわち、上記一組の合成撮像画像データは、上記選択された一つの撮像画像セットに含まれる各撮像画像データに含まれる不適正露光画素が、選択されていない撮像画像セットに含まれる各撮像画像データに含まれる適正露光画素で置き換えられて生成された撮像画像セットということになる。
なお、上記の構成によれば、異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて、上記複数組の撮像画像セットに含まれる撮像画像データの全てが撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正しているので、上記のような置き換えを行って生成された合成撮像画像データを用いて高解像度画像データを生成することができる。上記輝度値の補正と、上記輝度値の置き換えを行うことにより、合成撮像画像データのダイナミックレンジは、上記各撮像画像セットと比べて拡大される。
したがって、上記一組の合成撮像画像データでは、撮像対象の形状及び色彩が正確に反映されている画素の割合が上記各撮像画像セットと比べて増加するので、上記一組の合成撮像画像データを用いて高解像度画像データを生成することにより、高精度な高解像度画像データを生成することができる。
なお、複数の撮像画像セットから選択された一つの撮像画像セットに含まれる各撮像画像データに、置換対象画素(不適正露光画素)が含まれている場合であって、上記置換候補画素が存在しない場合も考えられる。
そこで、上記の構成によれば、生成した一組の合成撮像画像データの画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かをさらに判断している。そして、該判断結果に基づいて、差分画像データに重み付けを行っている。
したがって、上記の構成によれば、複数の撮像画像セットから選択された一つの撮像画像セットに含まれる各撮像画像データに、置換対象画素(不適正露光画素)が含まれている場合であって、上記置換候補画素が存在しない場合であっても、不適正露光画素の影響を軽減して高精度な高解像度画像データを生成することができる。
また、上記画像処理装置と、上記撮像装置と含む画像処理システムであれば、撮像装置にて複数の撮像画像データの撮像を行い、上記画像処理装置にて該撮像された複数の撮像画像データを用いて高解像度画像データを生成することができると共に、撮像画像データの中に、白とびや黒つぶれが生じた不適正露光画素が含まれている場合であっても、撮像対象の形状や色彩が正確に反映された高精度な高解像度画像データを生成することができる。
なお、上記画像処理装置及び撮像制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像処理装置及び撮像制御装置の各手段として動作させることにより、上記画像処理装置及び撮像制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明に係る画像処理装置は、高解像度画像データを、複数の撮像画像データの一つに対して位置合わせし、上記撮像画像データと同じ解像度に変換し、当該撮像画像データを撮像した撮像装置のカメラモデルから得られる点広がり関数を乗じて擬似低解像度画像データを生成し、該擬似低解像度画像データと当該撮像画像データとの差分を取る処理を、上記複数の撮像画像データのそれぞれに対して行って、複数の差分画像データを生成する差分画像生成手段と、上記差分画像生成手段が生成した上記複数の差分画像データに基づいて、上記高解像度画像データと上記複数の撮像画像データとの誤差を示す評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新手段とを備えていると共に、上記複数の撮像画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断手段と、上記複数の撮像画像データの一つと対応する一つの差分画像データにおいて、上記適正露光画素判断手段が上記複数の撮像画像データの一つにおいて正常範囲内ではないと判断した画素に対応する位置に存在する対象画素の上記評価値に対する寄与が小さくなるように、上記対象画素に重み付けを行う処理を、上記複数の差分画像データのそれぞれに対して行う重み付け差分画像生成手段とをさらに備え、上記画像更新手段は、上記重み付け差分画像生成手段が重み付けを行った上記複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新する構成である。
また、本発明に係る画像処理装置の制御方法は、以上のように、高解像度画像データを、複数の撮像画像データの一つに対して位置合わせし、上記撮像画像データと同じ解像度に変換し、当該撮像画像データを撮像した撮像装置のカメラモデルから得られる点広がり関数を乗じて擬似低解像度画像データを生成し、該擬似低解像度画像データと当該撮像画像データとの差分を取る処理を、上記複数の撮像画像データのそれぞれに対して行って、複数の差分画像データを生成する差分画像生成ステップと、上記差分画像生成ステップにて生成した上記複数の差分画像データに基づいて、上記高解像度画像データと上記複数の撮像画像データとの誤差を示す評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新ステップとを含み、上記複数の撮像画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断ステップと、上記複数の撮像画像データの一つと対応する一つの差分画像データにおいて、上記適正露光画素判断ステップにて上記複数の撮像画像データの一つにおいて正常範囲内ではないと判断した画素に対応する位置に存在する対象画素の上記評価値に対する寄与が小さくなるように、上記対象画素に重み付けを行う処理を、上記複数の差分画像データのそれぞれに対して行う重み付け差分画像生成ステップとさらに含み、上記画像更新ステップでは、上記重み付け差分画像生成ステップにて重み付けを行った上記複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新する構成である。
したがって、撮像画像データの中に、白とびや黒つぶれが生じたものが含まれている場合であっても、撮像対象の形状や色彩が正確に反映された高精度な高解像度画像データを生成することができるという効果を奏する。
〔画像処理システム1の構成〕
本発明の一実施形態について図1から図13に基づいて説明すると以下の通りである。まず、本実施形態の画像処理システム1の構成について、図2に基づいて説明する。図2は、画像処理システム1の要部構成を示すブロック図である。図示のように、画像処理システム1は、撮像装置2と制御装置3とを含む構成である。
撮像装置2は、制御装置3の指示に従って撮像を行う装置であり、図示のように、レンズ11、撮像素子12、及びアクチュエータ13を備えている。すなわち、撮像装置2では、撮像対象に反射した光を、レンズ11を介して撮像装置2内の撮像素子12に光学的に結像させるようになっている。そして、撮像素子12が、光学的に結像した撮像対象の像を空間的に離散化させてサンプリングし、画像信号に変換することにより、撮像対象の像が画像データとして取得されるようになっている。
撮像素子12としては、例えばCCD(charge-coupled device)やCMOS(complementary mental-oxide semiconductor)等を用いることができる。なお、ここでは撮像装置2は、マトリクス状に配列した複数の撮像素子12にて撮像を行うエリアセンサであることを想定している。
アクチュエータ13は、撮像対象と撮像素子12との相対位置を変化させるものである。アクチュエータ13は撮像装置2の筐体の内壁に固定されており、撮像素子12はアクチュエータ13によって支持されている。すなわち、アクチュエータ13は、撮像対象とレンズ11とを結ぶ光軸に対して垂直な平面において撮像素子12を2次元的に移動させることによって、撮像対象と撮像素子12との相対位置を変化させるようになっている。
つまり、アクチュエータ13が、撮像対象と撮像素子12との相対位置を変化させることにより、撮像装置2が撮像対象を撮像する撮像位置(撮像領域の撮像対象上の位置)が変化するようになっている。なお、アクチュエータ13は、撮像素子12を2次元のみならず、回転を含む3次元で移動させるものであってもよい。
アクチュエータ13としては、例えばピエゾアクチュエータやステッピングモータ等を使用することができる。アクチュエータ13は、撮像対象と撮像素子12との相対位置を変化させることができるものであればよく、特に限定されないが、ここではピエゾアクチュエータを用いるものとする。
制御装置3は、撮像装置2の動作制御を行うと共に、撮像装置2が取得した撮像対象の画像データ(以下、撮像画像データと呼ぶ)に超解像処理を施して、高解像度画像データを生成する。制御装置3にて実行される超解像処理によれば、撮像画像データに白とびや黒つぶれが発生している場合であっても精度の高い高解像度画像データを生成することができる。また、制御装置3にて実行される超解像処理によれば、従来の超解像処理と比べて広いダイナミックレンジを有する高解像度画像データが生成される。
図示のように、制御装置3は、撮像制御部21、撮像条件保存部22、低解像度画像保存部23、高解像度画像保存部24、及び超解像処理部25を備えており、これらの構成により、上記のような制御装置3の機能が実現されている。
撮像制御部21は、図示のように、アクチュエータ制御部26及び撮像タイミング制御部27を備えている。アクチュエータ制御部26は、アクチュエータ13を移動させることによって撮像装置2の撮像位置を制御する。具体的には、アクチュエータ制御部26は、アクチュエータ13の移動開始及び停止のタイミング、移動速度、及び移動距離等の制御を行う。
撮像タイミング制御部27は、撮像装置2の撮像開始及び停止のタイミングを制御する。具体的には、撮像タイミング制御部27は、アクチュエータ制御部26から送られてくる、撮像装置2の現在の撮像位置を示す情報と、撮像条件保存部22に格納されている撮像条件とに基づいて撮像装置2へ制御信号を送ることにより、各撮像位置における撮像時間、すなわち露光時間を制御する。
ここで、撮像制御部21の制御によって撮像される撮像画像データについて、図3に基づいて説明する。図3は、撮像素子12と高解像度画像データの画素との位置関係を説明する図である。同図では、「a」の文字が記載され、マトリクス状に配列した矩形のそれぞれが高解像度画像データの画素を示しており、太線の矩形Aが撮像素子12の1つを示している。すなわち、矩形Aに含まれる領域は、撮像画像データにおいて1つの画素として表される。
同図(a)〜(d)に示すように、矩形Aの一辺の長さは、高解像度画像データの画素の2倍である。すなわち、同図では、撮像画像データの解像度を2倍にする場合の撮像位置(撮像画像データの画素の位置)と高解像度画像データの画素との位置関係を示している。
図示のように、撮像位置は、高解像度画像データの1画素分の幅ずつ移動される。そして、各撮像位置で取得した撮像対象の輝度値データは、撮像位置に含まれる高解像度画像データの画素のうち、最も左上に位置する画素(図示の例では他の画素と色を変えて示している)の輝度値データとして高解像度画像データに反映される。このようにして撮像を行うことにより、高解像度画像データの各画素の輝度値を推定するために必要な一組の撮像画像データを取得することができる。
画像処理システム1では、撮像タイミング制御部27の指示によって、ある撮像位置にて撮像が行われると、撮像装置2は、撮像された撮像画像データと、撮像時の撮像位置と、撮像条件(例えば露光時間)とを対応付けて低解像度画像保存部23に格納する。そして、アクチュエータ制御部26は、撮像位置を高解像度画像データの画素の幅だけずらし、再度撮像タイミング制御部27の指示によって撮像が行われる。
この繰り返しによって、撮像対象の全体の画像が撮像される。そして、上記撮像によって生成された撮像画像データが、その撮像位置及び撮像条件と対応付けられた撮像画像データ28として低解像度画像保存部23に格納される。なお、以下では、1枚の高解像度画像データの生成に必要な撮像画像データの枚数をm(mは正数)とし、1枚の高解像度画像データに対応するm枚一組の撮像画像データを撮像画像セットとして説明を行う。
詳細については後述するが、画像処理システム1では、露光時間の異なる複数の撮像画像セットを用いることによって、超解像処理にて生成される高解像度画像データのダイナミックレンジを拡大させることができる。ここでは、撮像画像セットの数をn(nは正数)とする。したがって、画像処理システム1では、超解像処理を行うために、m×n枚の撮像画像データが使用される。
高解像度画像保存部24は、低解像度画像保存部23に格納されているm×n枚の撮像画像データを用いて超解像処理を行うことによって生成された高解像度画像データ29を格納する。なお、上記従来の超解像処理と同様に、超解像処理を行うためには初期高解像度画像データを用いる必要があるため、超解像処理を行う前に、予め高解像度画像保存部24に初期高解像度画像データを格納しておく。
初期高解像度画像データは、超解像処理にて生成したい解像度の画像であればよく、特に限定されない。例えば、撮像画像データの解像度を2倍にする場合には、各画素のサイズが撮像画像データの1/2となる全面が均一の黒画像や白画像、または灰色画像を初期高解像度画像データとして用いることができる。
また、撮像画像データの中から選択した任意の1枚に対して補間処理を行い、画素数を増加させたものを初期高解像度画像データとして用いてもよい。このように、高解像度画像データを撮像画像データから生成した場合には、超解像処理を行う前の段階で、撮像画像データが高解像度画像データに反映されることになる。その結果、超解像処理における繰り返し演算の回数を減らすことが可能になり、短時間で高精度な高解像度画像データを生成することが可能になる。
なお、上記補間処理方法としては、例えばm枚の撮像画像データから選択した任意の1枚の撮像画像データにおいて、撮像対象のある位置を撮像した画素の輝度値を、高解像度画像データにおいて、撮像対象の上記と同じ位置に対応する画素の輝度値に設定する方法が挙げられる。
なお、高解像度画像データは、撮像画像データよりも解像度が高いデータであるから、撮像画像データの1画素は、高解像度画像データの複数画素に対応する。例えば、撮像画像データの解像度を3倍にする場合には、撮像画像データの1画素を高解像度画像データの3×3の画素とすればよい。
また、上記補間処理方法では、撮像画像データの1つの画素に対応する、高解像度画像データの複数の画素における輝度値を全て同じ輝度値とするので、処理が簡単である反面、撮像画像データが高解像度画像データに正確に反映され難いという難点もある。そこで、撮像画像データの1つの画素に対応する、高解像度画像データの複数の画素における輝度値を、上記撮像画像データの1つの画素に隣接する画素の輝度値に応じて変化させるようにしてもよい。
例えば、撮像画像データの解像度を3倍にする場合には、m枚の撮像画像データから選択した任意の1枚の撮像画像データにおいて、撮像対象のある位置を撮像した画素の輝度値を、撮像対象の上記と同じ位置に対応する3×3の9つの画素の中心に位置する画素の輝度値とすればよい。そして、高解像度画像データにおいて、上記3×3の9つの画素の中心に位置する画素の周囲8画素の輝度値を、撮像画像データにおいて、撮像対象の上記と同じ位置を撮像した画素に隣接する画素の輝度値を利用して決定すればよい。
上記方法によれば、撮像画像データがより正確に反映された高解像度画像データが得られるので、超解像処理における繰り返し演算の回数をさらに減らすことが可能になり、短時間で高精度な高解像度画像データを生成することが可能になる。
また、撮像画像データを複数用いることにより、撮像画像データがさらに正確に反映された高解像度画像データを得ることができる。例えば、一組の撮像画像セットの各画素における輝度値を、高解像度画像データにマッピングすることにより、撮像画像データがさらに正確に反映された高解像度画像データを得ることができる。なお、一組の撮像画像セットを用いたマッピングによって高解像度画像データを生成する上記の処理が、いわゆるイメージシフト処理である。
さらに、撮像対象の形状及び色彩の少なくとも一方が予め分かっている場合には、撮像対象の形状及び色彩の少なくとも一方を示す画像データであり、所望の解像度(画素数)を有する画像データである設計データを初期高解像度画像データとして用いることもできる。設計データを用いることにより、撮像対象の設計値を高解像度画像データに反映させることができるので、超解像処理における繰り返し演算の回数をさらに減らすことが可能になり、短時間で高精度な高解像度画像データを生成することが可能になる。
超解像処理部25は、撮像画像保存部に格納された撮像画像データを高解像度化して高解像度画像データを生成する超解像処理を行う。具体的には、超解像処理部25は、撮像画像保存部に格納された撮像画像データと、高解像度画像保存部24に格納された高解像度画像データ29とに基づいて、新規の高解像度画像データを生成し、生成した高解像度画像データを高解像度画像保存部24に格納する。なお、超解像処理部25が実行する超解像処理の詳細については後に詳しく説明する。
〔超解像処理部25の構成〕
続いて、超解像処理部25の詳細な構成について図1に基づいて説明する。図1は、超解像処理部25の要部構成を示すブロック図である。図示のように、超解像処理部25は、正規化部31、画像合成部32、差分画像生成部(差分画像生成手段)33、擬似低解像度画像生成部34、領域抽出部(適正露光画素判断手段)35、重み付け差分画像生成部(重み付け差分画像生成手段)36、及び画像更新部(画像更新手段)37を備えている。
正規化部31は、撮像画像セットの中に、異なる撮像条件にて撮像されたものが含まれている場合に、上記撮像画像セットに含まれる全ての撮像画像データが、上記異なる撮像条件の1つの撮像条件にて撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正する。これにより、異なる撮像条件で撮像された撮像画像データを含む撮像画像セットを用いて超解像処理を行うことが可能になる。
例えば、撮像画像データA,B,Cがあり、各撮像画像データの露光時間がそれぞれa,b,c(a<b<c)である場合を考える。この場合に、露光時間aを基準にすると、撮像画像データB及びCの輝度値を例えば下記の数式(5)にて表すことができる。
すなわち、露光時間がbの撮像画像データBは、露光時間がaの撮像画像データAに対して、露光時間がb/a倍になっているので、輝度値もb/a倍になっていると予想される。同様に、露光時間がcの撮像画像データCは、露光時間がaの撮像画像データAに対して、露光時間がc/a倍になっているので、輝度値もc/a倍になっていると予想される。
したがって、露光時間がaの撮像画像データAを基準にした場合には、露光時間がbの撮像画像データの輝度値をa/b倍に補正し、露光時間がc秒の撮像画像データの輝度値をa/c倍に補正することによって、撮像画像データA〜Cの輝度値を全て同等とすることができる。なお、基準とする露光時間は、撮像画像データA〜Cの中から任意のものを選択することができる。
なお、正規化の方法は、上記の例に限られない。例えば、撮像画像データの輝度値の平均値を求め、該求めた平均値に基づいて、各撮像画像データの輝度値が同程度となるように補正を行うことによって正規化を行ってもよい。また、露光時間以外にも、使用する撮像装置、照明強度、撮像感度、使用するフィルタ、及びアイリス等の撮像条件が異なっている場合にも、超解像処理に用いる全ての撮像画像データが、上記異なる撮像条件の1つの撮像条件にて撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正(正規化)する。
また、詳細については後述するが、超解像処理部25では、撮像条件の異なる複数組の撮像画像セットを合成して合成撮像画像データを生成する。ここで、撮像条件の異なる撮像画像データを合成するためには、各撮像画像データの撮像条件が同じであるとみなすことができるように補正を行う必要がある。そこで、正規化部31は、撮像条件の異なる複数の撮像画像セットについても輝度値の正規化を行う。
画像合成部32は、正規化部31が正規化した、撮像条件の異なる複数組の撮像画像セットを合成して合成撮像画像データを生成する。画像合成部32が撮像画像データを合成することにより、撮像画像のセット数は1となる。したがって、合成撮像画像データの枚数はm枚ということになる。
合成撮像画像データは、複数の異なる撮像条件で撮像された撮像画像データを反映しているので、合成撮像画像データを用いて超解像処理を行うことにより、生成される高解像度画像データのダイナミックレンジを拡大させることができる。なお、合成撮像画像データの生成方法については後述する。
差分画像生成部33は、撮像画像データと擬似低解像度画像データとの差分を差分画像データとして算出し、算出した差分画像データを重み付け差分画像生成部36に送る。なお、撮像画像セットが複数の場合(n≧2)には、差分画像生成部33は、画像合成部32が生成した合成撮像画像データと擬似低解像度画像データとの差分を差分画像データとして算出する。また、擬似低解像度画像データは、擬似低解像度画像生成部34が生成したものを用いる。
擬似低解像度画像生成部34は、高解像度画像保存部24に格納されている高解像度画像データを読み出し、読み出した高解像度画像データの解像度が撮像画像データと同じ解像度となるように低解像度化する。また、擬似低解像度画像生成部34は、高解像度画像データに対してPSFによる変換を行い、撮像画像データのそれぞれに位置合わせされた複数(m枚)の擬似低解像度画像データを生成する。擬似低解像度画像データは、差分画像生成部33に送られて、差分画像データの生成に用いられる。
領域抽出部35は、撮像画像データにおける超解像処理に不適な不適正露光領域を検出する。不適正露光領域とは、撮像装置2の有効なダイナミックレンジの範囲外の輝度値を有する領域であり、黒つぶれや白とびが発生している可能性が高い領域である。このような領域が含まれている撮像画像データを超解像処理に用いると、超解像処理の精度が低下したり、繰り返し演算に要する処理時間が長くなったりするという問題が生じる。
具体的には、領域抽出部35は、m×n枚の撮像画像データのそれぞれについて、輝度値が予め定めた正常範囲から外れている第1領域を抽出し、抽出した領域の各撮像画像データ上の位置を記憶する。また、ここでは、撮像画像データにおいて、上記抽出された第1領域以外の領域を第2領域と呼ぶ。すなわち、領域抽出部35が第1領域を抽出することにより、各撮像画像データは、正常範囲外の輝度値を有する第1領域と、正常範囲内の輝度値を有する第2領域とに分けられる。
なお、上記正常範囲は、適正露光とみなすことのできる輝度値の上限値と下限値とで規定される輝度値の範囲である。上限値を越えた輝度値を示す領域は、白とびなどのハレーションが発生していると考えられる領域であり、下限値より小さい輝度値を示す領域は、黒くつぶれた状態となっていると考えられる領域である。したがって、上記正常範囲内の輝度値を有する第2領域は、撮像装置2の有効なダイナミックレンジの範囲内での撮像によって得られた輝度値を有する領域ということになる。
例えば、撮像画像データの輝度値範囲が0〜255までの256階調である場合には、10〜245までの輝度値範囲を正常範囲、すなわち第2領域とすればよい。そして、白とびが発生していると予想される0〜9までの輝度値範囲と、黒つぶれが発生していると予想される246〜255までの輝度値範囲を正常範囲外、すなわち第1領域とすればよい。無論、上記の数値範囲は一例であり、領域抽出に用いる数値範囲は、必要に応じて適宜変更することができる。
また、領域抽出は、画素単位で行ってもよいし、複数の画素を1ブロックとするブロック単位で行ってもよい。例えばx×y画素の領域(x、yは正数)を1ブロックとして撮像画像データを複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画素の輝度値の平均値に基づいて各ブロックが第1領域に分類されるか否かを判断するようにしてもよい。
そして、領域抽出部35が、上記抽出した領域を記憶する記憶方法は、各撮像画像データの全画素について、第1領域か第2領域かが示されているものであればよいが、以下のように記憶しておくことにより、後続の処理を高速化することが可能になる。
すなわち、領域抽出部35は、m×n枚の撮像画像データと同じサイズのメモリ空間Zmnを設定する。そして、撮像画像データにおいて第1領域であると判断された画素に対応する上記メモリ空間Zmn上の画素位置には1をセットし、第2領域であると判断された画素に対応する上記メモリ空間Zmn上の画素位置には255をセットする。これにより、メモリ空間Zmnでは、白とびまたは黒つぶれしている画素の位置には1の値が格納され、ダイナミックレンジ内の画素の位置には255の値が格納される。
ここでは、領域抽出部35が上記のようにして生成したデータを抽出領域データZmnと呼ぶ。抽出領域データZmnは、重み付け差分画像生成部36にて差分画像データの重み付けに用いられると共に、画像合成部32にて画像合成に用いられる。
すなわち、画像合成部32では、撮像位置が同じで露光時間が異なる撮像画像データを1つの画像データに統合するときに、抽出領域データZmnを参照することにより、合成撮像画像データに含まれる第1領域が少なくなるように統合を行う。そして、複数組の撮像画像セットを用いる場合には、画像合成部32が合成撮像画像データを生成したときに、領域抽出部35は、抽出領域データZmnを、合成撮像画像データの各画素が第1領域に属するか第2領域に属するかを示す抽出領域データZに更新する。
具体的には、画像合成部32は、抽出領域データZmnを参照して、撮像位置が同じで露光時間が異なる撮像画像データの各画素が第1領域に属するか第2領域に属するかを判定する。そして、同一位置の画素において、第1領域に属する画素と第2領域に属する画素とが検出された場合には、画像合成部32は合成撮像画像データにおける上記位置の画素の輝度値として、第2領域に属する画素の輝度値を採用する。また、画像合成部32は、上記位置の画素値を第2領域として抽出領域データZを更新する。
なお、同一位置の画素において、第2領域に属する画素が複数検出された場合には、例えば最も露光時間が長い画素の輝度値を採用すればよい。また、同一位置の画素において、第1領域に属する画素のみが検出された場合には、いずれか1つの画素の輝度値を採用する。したがって、例えば最も露光時間の長い撮像画像セットを基準とし、この撮像画像セットに含まれる画素のうち、第1領域に属する画素を、他の撮像画像セットの同じ位置の画素であって、第2領域に属する画素の輝度値と置き換えるようにすればよい。
これにより、m×n枚の正規化後撮像画像データがm枚の合成撮像画像データに統合されると共に、m×n枚の正規化後撮像画像データに基づいて生成された抽出領域データZmnがm枚の合成撮像画像データに対応する抽出領域データZに更新される。なお、抽出領域データZでは抽出領域データZmnと同様に、第1領域の画素の位置には1の値が格納され、第2領域の画素の位置には255の値が格納される。
このような合成処理により生成された合成撮像画像データには、複数の露光時間で撮像された撮像画像データが反映されているので、撮像画像データと比べてダイナミックレンジが拡大されている。したがって、上記合成撮像画像データを用いて超解像処理を行うことにより、撮像画像データを用いて超解像処理を行う場合と比べて、ダイナミックレンジの広い高解像度画像データを生成することができる。
さらに、このような合成処理により生成された合成撮像画像データでは、可能であれば、第1領域の画素の輝度値が、他の撮像画像データにおいて位置が同じである第2領域の画素の輝度値に置き換えられている。したがって、上記合成撮像画像データを用いて超解像処理を行うことにより、撮像画像データを用いて超解像処理を行う場合と比べて、超解像処理に有用なデータの割合が高くなるので、超解像処理の精度を向上することができ、また超解像処理の演算時間も短縮することができる。
ここで、撮像画像データの合成の具体例について図4に基づいて説明する。図4は、撮像画像データの合成方法の一例を示す図である。なお、同図では、a〜cの3通りの露光時間(a<b<c)にて、1〜mまでのm種類の異なる撮像位置でそれぞれ撮像を行い、m枚1組の撮像画像セットを3組取得した例を示している。ここでは、簡単のためP1〜P4の4つの領域についてのみ説明を行うが、撮像画像データの各画素についても同様の処理が行われる。
図示のように、P1〜P3は、何れも撮像画像データ上における位置が同じである。このように、異なる撮像画像セットに含まれており、かつ撮像位置が同じ撮像画像データにおいて、撮像画像データにおける位置が同じ(撮像対象の同じ位置を撮像した)画素について合成が行われる。そして、合成撮像画像データでは、P1〜P3と同じ位置のP4にP1〜P3の画素を合成した結果が反映される。すなわち、P1〜P3は、合成対象の領域であり、画素P4は合成後の領域である。
例えば、P1及びP2が第2領域に属しており、P3が第1領域に属している場合には、第2領域に属する画素のうち、最も露光時間の長いP2の輝度値が、P4の輝度値として採用される。すなわち、合成対象の画素のうち、1つでも第2領域に属している画素があれば、合成後は第2領域となる。なお、P1〜P3の全てが第1領域である場合には、P1〜P3の何れかの輝度値を合成後の画素の輝度値とすればよい。
重み付け差分画像生成部36は、領域抽出部35が生成した抽出領域データZに基づいて、差分画像生成部33が算出した差分画像データに対して、第1画像領域と第2画像領域に対応する重み付けを行い、重み付け差分画像データを生成する。重み付け差分画像生成部36が重み付けを行うことにより、正常範囲外の輝度値を有する第1領域が超解像処理に与える影響が低減されるので、撮像画像データに白とびや黒つぶれが発生している場合であっても、高精度な超解像処理を行うことができる。そして、重み付け差分画像生成部36は、上記生成した重み付け差分画像データを画像更新部37に送る。
なお、重み付けは、超解像処理に対する第1画像領域の寄与が第2画像領域の寄与に対して小さくなるように行われるものであればよく、特に限定されない。ここでは、抽出領域データZにおいて、第1領域の画素の位置には1の値が格納され、第2領域の画素の位置には255の値が格納されるようになっている。そこで、抽出領域データZに1/255を乗じた値を重みとして、上記差分画像データに乗じる。
これにより、差分画像データにおいて、合成画像データにて第1領域となっている領域の画素の輝度値が1/255となる。一方、差分画像データにおいて、合成画像データにて第2領域となっている領域の画素の輝度値について補正は行われない。したがって、上記構成によれば、合成画像データにて第1領域となっている領域の画素の寄与を、合成画像データにて第2領域となっている領域の画素の寄与に比べて十分に低くすることができる。
なお、ここでは、差分画像データに抽出領域データZを乗じることによって重み付けを行う例について説明したが、抽出領域データZや抽出領域データZmnを用いずに重み付けを行うこともできる。例えば、重み付け差分画像生成部36が、正規化後撮像画像データ、または撮像画像データの各画素位置の輝度値を参照して、差分画像データの各画素の輝度値が、第1領域の画素に基づいて算出されたものであるか第2領域の画素に基づいて算出されたものであるかの判定を行い、該判定結果に基づいて重みを付与するようにしてもよい。
また、ここでは、第1領域と第2領域との2つの領域に関して重み付けを行う例を説明したが、3以上の領域に分割してもよい。例えば、撮像装置2の有効ダイナミックレンジ範囲において入射光量と出力が線形でない場合には、3以上の領域に分割し、各領域に応じた重みを付与することが好ましい。
具体例を挙げれば、輝度値が0〜255までの256階調である場合には、輝度値が0〜2の範囲の重みを0とし、輝度値が3〜7の範囲及び、輝度値が248〜252の範囲の重みを第2領域の重みの1/4とし、輝度値が253〜255の範囲の重みを0とすればよい。このように、輝度値が有効ダイナミックレンジに近い領域ほど、超解像処理への寄与が大きくなるように、段階的に重み付けを行うことにより、撮像画像データを正確に反映させた高精度な高解像度画像データを生成することができる。
画像更新部37は、上記重み付け差分画像データを用いて高解像度画像データの更新を行う。そして、画像更新部37は、更新後の高解像度画像データを高解像度画像保存部24に格納する。
〔超解像処理の流れ〕
次に、画像処理システム1において実行される超解像処理について、図5に基づいて説明する。図5は、画像処理システム1において実行される超解像処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御装置3の撮像制御部21は、撮像装置2に撮像対象の撮像を指示する。指示を受けた撮像制御部21は、撮像条件保存部22から撮像条件を読み出し、該読み出した撮像条件に従って撮像対象の撮像を行う(S1)。具体的には、撮像制御部21は、同一の撮像対象について、撮像位置を少しずつずらしながらm種類の異なる撮像位置にて撮像を実行させる。そして、撮像制御部21は、露光時間の変更を行い、露光時間の変更後の撮像条件にて、再度上記m種類の異なる撮像位置にて撮像を実行させる。このようにして撮像された、m枚×nセットの撮像画像データが低解像度画像保存部23に格納される。
上記のようにして得られるm枚×nセットの撮像画像データは、例えば図6のようになる。図6は、撮像画像セットの一例を示す図である。なお、ここでは、図23の従来例と同様に、9枚の撮像画像データを用いて1枚の高解像度画像データを生成する例、すなわちm=9であり、撮像画像データを3倍に高解像度化する例を示している。また、各撮像画像データは、図示のように縦5画素、横5画素の25画素で構成されていることを想定している。そして、図示のように、互いに異なる露光時間にて撮像された3組の撮像画像セットを使用することを想定している。
すなわち、図示の撮像画像セット1は、撮像位置1から撮像位置9までの9つの撮像位置にて、露光時間aで撮像された撮像画像データの組である。同様に、撮像画像セット2は、撮像位置1から撮像位置9までの9つの撮像位置にて、露光時間bで撮像された撮像画像データの組であり、撮像画像セット3は、撮像位置1から撮像位置9までの9つの撮像位置にて、露光時間cで撮像された撮像画像データの組である。なお、露光時間は、a<b<cである。
また、撮像位置は、撮像画像データの1画素幅の1/3ピッチで位置ずれしている。すなわち、撮像位置2は、撮像位置1から、図中右向きに、撮像画像データの1画素幅の1/3だけ移動した位置であり、撮像位置4は、撮像位置1から、図中下向きに、撮像画像データの1画素幅の1/3だけ移動した位置である。
このように、撮像画像データの1画素幅の1/3ピッチで撮像位置をずらして撮像を行うことにより、撮像画像データの1画素につき、9回の撮像が行われることになる。これにより、撮像画像データの3倍の解像度、すなわち9倍の画素数を有する高解像度画像データの各画素値を求めることができる。すなわち、x倍に高解像度化を行う場合には、撮像画像データの1画素幅の1/xピッチで撮像位置をずらして撮像を行えばよい。
図示のように、3通りの露光時間で撮像を行い、3組の撮像画像セットを取得した場合には、撮像位置1〜9のそれぞれについて、3通りの露光時間で撮像された撮像画像データが生成される。なお、ここでは、簡単のため、撮像条件として露光時間のみを変更する例について説明するが、露光時間以外の撮像条件も変更してもかまわない。また、1組の撮像画像セットに含まれる撮像画像データ間で撮像条件が異なっていてもかまわない。さらに、ここでは複数組の撮像画像セットを用いて超解像処理を行う例を説明するが、少なくとも1組の撮像画像セットがあれば超解像処理を行うことができる。
ここでフローチャートの説明に戻る。m枚×nセットの撮像が終了し、m×n枚の撮像画像データymnが低解像度画像保存部23に格納されると、領域抽出部35及び正規化部31は、上記格納されたm×n枚の撮像画像データymnを取得すると共に、撮像条件保存部22から上記m×n枚の撮像画像データymnの撮像に用いられた撮像条件を読み出す(S2)。
領域抽出部35は、撮像画像データymnを取得すると、m×n枚の撮像画像データymnのそれぞれから、撮像画像データymnの輝度値分布に基づいて、白とび領域や黒つぶれ領域等の不適正露光領域を特定し、これを第1領域として抽出する(S3)。そして、領域抽出部35は、m×n枚の正規化した撮像画像データの各画素が第1領域に属するか、第2領域に属するかを示す抽出領域データZmnを生成する。
例えば、図6に示すような25画素×9枚×3セットの撮像画像データを用いる場合には、領域抽出部35は、25画素×9枚×3セット=675画素分のデータ領域を有する抽出領域データZmnを設定する。そして、設定した抽出領域データZmnの各画素位置について、当該画素位置に対応する撮像画像データの画素が第1領域であれば、1の値を格納し、当該画素位置に対応する撮像画像データの画素が第2領域であれば、255の値を格納する。
一方、正規化部31は、上記取得した撮像条件から、各撮像画像データymnの露光時間を取得し、該取得した露光時間に基づいて撮像画像データymnを正規化する(S4)。そして、正規化部31は、正規化によって生成した撮像画像データymnを画像合成部32に送る。
例えば、図6の例では、撮像画像セット1〜3でそれぞれ撮像条件(露光時間)が異なっているので、各撮像画像セットが同一の露光時間で撮像されたものとみなすことができるように正規化が行われる。具体的には、正規化部31は、露光時間がaの撮像画像データAを基準にした場合には、露光時間がbの撮像画像データの輝度値をa/b倍に補正し、露光時間がc秒の撮像画像データの輝度値をa/c倍に補正する。すなわち、正規化部31は、撮像画像セット2に含まれる画素1b〜9bのそれぞれの輝度値をa/b倍に補正し、撮像画像セット3に含まれる画素1c〜9cのそれぞれの輝度値をa/c倍に補正する。なお、1つの撮像画像セット内に撮像条件の異なる撮像画像データが含まれている場合には、正規化部31は、これらのデータについても正規化を行う。なお、正規化を行うタイミングはこの例に限られない。正規化は、後述の差分画像データの生成までに行われればよい。
ここで、正規化部31は、撮像画像データymnの正規化が終了すると、撮像画像セット数nが1であるか否かを確認する(S5)。撮像セット数nが1ではない場合(S5でYES)、すなわち複数セットの撮像が行われている場合には、正規化部31は、画像合成部32に正規化後の撮像画像データymnを送る。一方、撮像セット数nが1である場合(S5でNO)には、正規化部31は、差分画像生成部33に正規化後の撮像画像データymnを送る。
画像合成部32は、撮像画像データymnを受け取ると、各撮像画像セットにおいて、同じ撮像位置で撮像された撮像画像データを合成してm枚1セットの合成撮像画像データyを生成し、該生成したm枚の合成撮像画像データyを差分画像生成部33に送る。また、画像合成部32は、領域抽出部35に指示して、m×n枚の撮像画像データymnに対応する抽出領域データZmnを、m枚の合成撮像画像データyに対応する抽出領域データZに更新させる。
例えば、図6の撮像画像セット1〜3の合成を行う場合には、撮像位置1〜9のそれぞれで撮像された撮像画像データが合成されて、合成撮像画像データyが生成される。合成撮像画像データyは、例えば図7のようになる。図7は、合成撮像画像データyの一例を示す図である。
同図では、露光時間aで撮像した撮像画像データでは、該撮像画像データを構成する全25画素が第2領域(適正露光)に設定されていることを想定している。また、より露光時間の長い、露光時間bで撮像した撮像画像データでは、該撮像画像データを構成する画素のうち、中央に位置する1つの画素が第1領域(露光過多)に設定されており、他の24の画素が第1領域に設定されていることを想定している。そして、さらに露光時間の長い露光時間cで撮像した撮像画像データでは、該撮像画像データを構成する画素のうち、最も外側の16画素が第2領域に設定されており、中央部の9画素が第1領域(露光過多)に設定されていることを想定している。
この場合には、中央に位置する1つの画素は、露光時間aで撮像した撮像画像データでのみ第2領域に設定されているので、この画素の輝度値としては、露光時間aで撮像した撮像画像データの輝度値a1〜a9が適用される。また、中央に位置する1つの画素を囲む8つの画素は、露光時間aで撮像した撮像画像データ及び露光時間bで撮像した撮像画像データの両方で第2領域に設定されているので、より露光時間の長い露光時間bで撮像した撮像画像データの輝度値b1〜b9が適用される。そして、最も外側の16画素は、全ての撮像画像データにおいて第2領域に設定されているので、露光時間の最も長い露光時間cで撮像した撮像画像データの輝度値c1〜c9が適用される。このようにして、図示のような、9枚の合成撮像画像データが生成される。
このように、合成撮像画像データは、複数の撮像条件(例えば露光時間)で撮像された撮像画像データに含まれる各画素の輝度値データのうち、有効なデータ、すなわち第2領域の輝度値データを組み合わせて構成されている。これにより、合成撮像画像データのダイナミックレンジは、撮像画像データよりも拡大されることになる。
ここで、画像処理システム1は、合成撮像画像データを用いて超解像処理を行うが、合成撮像画像データを用いてイメージシフト処理を行うようにしてもよい。合成撮像画像データを用いてイメージシフト処理を行う場合には、撮像画像データを用いてイメージシフト処理を行う場合と比べて、ダイナミックレンジの広い高解像度画像データを生成することができる。なお、イメージシフト処理は、合成撮像画像データの各画素の輝度値を、高解像度画像データの各画素にマッピングすることによって行われる。
ここで、マッピングの方法について説明する。上記のように、マッピングは、合成撮像画像データの各画素の輝度値を、高解像度画像データの各画素に適用することによって行われる。図7のように、5×5画素の合成撮像画像データを9枚用いる場合には、3倍の高解像度化が行われることになるので、高解像度画像データは、縦5×3画素×横5×3画素を有する画像データとなる。したがって、図示の例では、縦15×横15の各画素の輝度値に、合成撮像画像データの各画素の輝度値を適用することによって行われる。
具体的には、高解像度画像データの最も左上の画素の輝度値として、図7の最も左上の合成撮像画像データにおいて、最も左上に位置する画素の輝度値(c1)が適用される。同様に、高解像度画像データの最上列の左から2番目の画素の輝度値として、図7の最上列の左から2番目の合成撮像画像データにおいて、最も左上に位置する画素の輝度値(c2)が適用される。
以上のような処理を行い、9枚の合成撮像画像データの全画素を高解像度画像データにマッピングすることにより、図8に示す高解像度画像データが得られる。図8は、図7の合成撮像画像データをイメージシフト処理に供することで生成された高解像度画像データを示す図である。なお、図7と図8とでは、各画素の大きさが同じ程度となっているが、実際には高解像度画像データの各画素は、合成撮像画像データの各画素の1/3のサイズになっている。
ここで、図7の例では、全ての合成撮像画像データの全画素が第2領域となったことを想定しているが、同一の撮像位置で撮像された全ての撮像画像データにおいて、第1領域に設定されている画素が含まれている場合も考えられる。このような画素が含まれている場合には、高精度な超解像処理を行うことは困難となる。そこで、超解像処理部25では、合成を行った後に、抽出領域データZmnを、m枚の合成撮像画像データyに対応する抽出領域データZに更新し、該抽出領域データZを用いて、第1領域となっている画素の超解像処理における寄与を低下させるために重み付けを行う。
画像合成部32が合成撮像画像データyの生成を終了した後、または撮像セット数が1である場合(S5でNO)には、擬似低解像度画像生成部34は、高解像度画像保存部24に格納されている初期高解像度画像データhを取得する(S7)。
続いて、擬似低解像度画像生成部34は、上記取得した初期高解像度画像データhを、m枚の撮像画像データのそれぞれと位置合わせすると共に、光学的劣化要因やダウンサンプリング等の要因を考慮して低解像度化を行い、擬似低解像度画像データを生成する(S8)。
具体的には、擬似低解像度画像生成部34は、初期高解像度画像データhにBを乗じて、擬似低解像度画像データBhを生成する。なお、初期高解像度画像データhは1枚であるが、擬似低解像度画像データBhは、撮像画像データのそれぞれに位置合わせされているので、擬似低解像度画像データBhの枚数はm枚になる(図25参照)。そして、擬似低解像度画像生成部34は、上記生成した擬似低解像度画像データBhを差分画像生成部33に送る。
差分画像生成部33は、擬似低解像度画像データBhを受け取ると、受け取った擬似低解像度画像データBhから、画像合成部32が生成した合成撮像画像データyを引いて、m枚の差分画像データXを算出する(S9)。そして、差分画像生成部33は、該算出したm枚の差分画像データXを重み付け差分画像生成部36に送る。なお、撮像画像データが1セットのみである場合には、差分画像生成部33は、擬似低解像度画像データBhから撮像画像データyを引いて、m枚の差分画像データXを算出する。
重み付け差分画像生成部36は、差分画像データXを受け取ると、領域抽出部35が生成した抽出領域データZに基づいて重み付けを行う(S10)。具体的には、差分画像生成部33は、差分画像データXにαZを乗じることによって、差分画像データXの各画素の輝度値を補正した重み付け差分画像データXαZを生成し、該生成した重み付け差分画像データXαZを画像更新部37に送る。なお、αは抽出領域データZに乗じる重みであり、αの値は必要に応じて適宜設定することができる。
例えば、ここでは、抽出領域データZにおいて、第1領域の画素の輝度値を1とし、第2領域の画素の輝度値を255とすることを想定しているので、αの値を1/255に設定すればよい。これにより、重み付け差分画像データXαZにおける第1領域の画素の輝度値が全て1以下の値に補正される一方、第2領域の画素の輝度値は差分画像データXと同じになる。したがって、第1領域に属する画素の輝度値の寄与を第2領域の画素と比べて低くすることができ、これにより超解像処理の精度を向上させることができる。
重み付け差分画像データXαZを受け取った画像更新部37は、該受け取った重み付け差分画像データXαZを評価関数に代入して、評価値Eを算出する。なお、評価関数は、例えば〔背景技術〕で示した従来の超解像処理と同様に数式(3)を用いればよい。そして、画像更新部37は、上記算出した評価値Eと予め設定した閾値と比較する(S12)。なお、上記従来の超解像処理と同様に、上記閾値は、要求される高解像度化の精度に応じて適宜変更することができる。
評価値Eの値が上記閾値よりも小さい場合(S12でYES)には、画像更新部37は、超解像処理を終了する。そして、このときに高解像度画像保存部24に格納されている高解像度画像データhが、超解像処理の結果となる高解像度画像データということになる。
一方、評価値Eの値が上記閾値以上である場合(S12でNO)には、画像更新部37は、評価値Eの値が小さくなるように、当該評価値Eの算出に用いた高解像度画像データhを更新する(S13)。画像更新部37は、例えば上記従来の超解像処理と同様に、上記数式(4)を用いることによって、高解像度画像データhを更新することができる。
そして、画像更新部37は、更新した高解像度画像データhを高解像度画像保存部24に格納する。高解像度画像保存部24に新規に高解像度画像データhが格納されると、低解像度画像生成部がこれを擬似的に低解像度化して擬似低解像度画像データBhを生成する(S8)。
このように、超解像処理部25では、評価値Eの値が上記閾値よりも小さくなるまでS8〜S13までの処理が繰り返される。これにより、所望の倍率で高解像度化がなされた所望の精度の高解像度画像データhを得ることができる。
ここで、上述のように、高解像度画像データhから擬似低解像度画像データBhを生成するときには、PSFの畳み込み処理が行われる。このPSFの畳み込み処理により、重み付けによって輝度値の値が十分小さい値に補正された画素の輝度値は、当該画素の周囲に位置する画素の輝度値の影響によって補間更新される。したがって、白とびや黒つぶれが発生した第1領域の画素の画素値についても、S8〜S13までの処理が繰り返されることによって撮像対象の形状及び色彩を反映させた値に近づいてゆく。
また、PSFの畳み込み処理は、繰り返し演算を行うときに差分画像データ(上記の例では重み付け差分画像データ)に対しても行われる。すなわち、ここでは、数式(4)を用いて高解像度画像データの更新を行うことを想定している。数式(4)では、数式(3)の評価関数Eの偏微分を取っているので、偏微分後の数式(4)は、下記の数式(6)のように表される。
上記のように、数式(6)では、差分画像データ(Bh−y)にBが乗じられているので、差分画像データ(Bh−y)は、この繰り返し演算によってPSFの畳み込み処理を受けることになる。これにより、高解像度画像データを更新するときに、差分画像データの各画素は、その周囲に位置する画素の影響によって補間更新される。
すなわち、上記のように重み付けを行った場合には、高解像度画像データの画素において、撮像画像データの不適正露光画素が反映される画素についても、その周囲の正常露光画素の輝度値によって補間更新される。したがって、上記の構成によれば、重み付けを行わない場合と比べて、撮像対象の形状及び色彩を正確に反映させた高解像度画像データを生成することができる。
なお、上記のフローチャートは、本発明の超解像処理の一例を示すものであり、本発明は、この例に限定されない。例えば撮像画像セットを1組のみ用いる場合には、図5のフローチャートにおけるS5及びS6の処理は省略してもよい。また、超解像処理に用いる全ての撮像画像データを同じ撮像条件で撮像した場合には、S4の正規化処理は省略してもよい。
〔具体例〕
続いて、本発明の超解像処理方法について、具体例を挙げて説明する。ここでは、図9に示すような形状及び色彩を有する撮像対象の撮像を行うことを想定している。図9は、撮像対象の一例を示す図である。
図示のように、ここでは、撮像対象が互いに階調が異なる6つの円形の領域が2行3列に等間隔で配列した画像であることを想定している。また、図示のように、6つの円形の領域は、同図の右側に位置するものほど階調が低くなっており、上側に配列した3つの円形領域の方が下側に配列した3つの円形領域よりも階調が低くなっている。無論、撮像対象の形状及び色彩は、どのようなものであってもよく、図示の例に限られない。
この撮像対象を、1〜mまでのm箇所の互いに異なる撮像位置にて撮像することにより、m枚1セットの撮像画像セットを取得することができる。そして、さらに撮像条件を変えて、上記1〜mまでのm箇所の互いに異なる撮像位置にて撮像することにより、nセットの撮像画像セットを取得することができる。なお、ここでは簡単のため、撮像条件として露光時間のみを変更する例について説明する。
m枚×nセットの撮像画像データは、例えば10に示すような撮像画像データとなる。図10は、撮像画像データの一例を示す図である。図示のように、同一撮像画像セットに含まれるm枚の撮像画像データは、異なる撮像位置にて撮像されたため、撮像画像データに写り込んでいる撮像対象の像も互いに異なっている。また、図示のように、撮像装置2の解像度が十分でないため、撮像画像データは、撮像対象の像がぼやけた画像データとなっている。なお、図10では、各撮像画像データの撮像位置がずれていることを示すため、位置ずれを誇張して記載しているが、実際には、撮像位置のずれは、最大で撮像画像データの1画素分の幅となる。
さらに、ここではnセットの撮像を行うので、図示のように、同じ撮像位置にて撮像した撮像画像データがそれぞれn枚ずつ得られる。同じ撮像位置で撮像したn枚の撮像画像データは、露光時間がそれぞれ異なっているので、撮像画像データの輝度値も露光時間に応じて異なっている。すなわち、露光時間が長い撮像条件にて撮像された撮像画像データほど撮像画像データの輝度値は大きくなっている。
ここで、図10にD及びDで示す領域は白とびしており、D及びDで示す領域は黒つぶれしている。これは、露光時間等の条件によって露光過多または露光不足となることにより発生するものである。領域D〜Dには、図9に示す撮像対象とは異なる色が表示されている。すなわち、領域D〜Dは、撮像対象の形状及び色彩を正確に反映しておらず、このような領域の輝度値データを用いて超解像処理を行ってしまうと、超解像処理の精度が低下してしまう。
また、本発明の超解像処理では、撮像画像データの正規化を行う。正規化を行うことによって、例えば図11に示すような画像データが得られる。図11は、正規化した撮像画像データの一例を示す図である。図示のように、正規化を行うことによって、各セットの撮像画像データの輝度値が同程度になっている。このように正規化を行うことにより、超解像処理に使用する全ての撮像画像データを同一の撮像条件で撮像したものとみなすことができ、これにより様々な撮像条件で撮像して得られた撮像画像データを用いて超解像処理を行うことが可能になる。
そして、正規化を行った後の、同一撮像位置の撮像画像データについて、画像の合成が行われ、合成撮像画像データが生成される。なお、本例のように、撮像画像データに対して正規化を行うようにしてもよいし、撮像画像データの合成を行った後に、合成撮像画像データに対して正規化を行うようにしてもよい。
続いて、本例で使用する初期高解像度画像データについて説明する。上述のように、様々な画像データを初期高解像度画像データとして使用することができるが、例えば図12(a)〜(d)に示すような画像データを使用することができる。図12(a)〜(d)は、初期高解像度画像データの一例を示す図である。
すなわち、同図(a)に示すような、画像データの全面が白色の白色画像を初期高解像度画像データとして使用することができる。同様に、画像データの全面が黒色の黒色画像を初期高解像度画像データとして使用することができる。また、同図(b)に示すように、画像データの全面が白色と黒色の中間階調の灰色画像を初期高解像度画像データとして用いてもよい。
さらに、同図(c)に示すように、撮像画像データから選択した任意の画像データに補間処理を施したものを初期高解像度画像データとして用いることもできる。また、ここでは撮像対象の形状及び色彩が図9に示すものであることが予めわかっているので、同図(d)に示すような、撮像対象の形状及び色彩を示す設計データを初期高解像度画像データとして用いることもできる。
なお、超解像処理では、高解像度画像データと撮像画像データとの差異が小さくなるように、高解像度画像データを順次更新してゆくので、初期高解像度画像データと撮像画像データとの差異が小さいほど、超解像処理は短時間で終了する。したがって、図12(a)〜(d)に示す初期高解像度画像データの中では、同図(a)や(b)に示すものよりも、同図(c)や(d)に示すものを用いた方が超解像処理の処理時間及び演算量を少なく抑えることができる。
図12(c)または図12(d)に示す画像データを初期高解像度画像データとして用いた場合には、擬似低解像度画像データは、例えば図13に示すようなデータとなる。図13は、擬似低解像度画像データの一例を示す図である。図示のように、擬似低解像度画像データは、m枚の撮像画像データのそれぞれと同じ撮像位置のm枚の画像データで構成されており、各画像データの解像度(画素サイズ)は撮像画像データと同じである(図25参照)。
なお、図12(a)や図12(b)に示すような初期高解像度画像データの擬似低解像度化を行う場合には、図13のような画像データは生成されず、全面が均一で解像度(画素数)が撮像画像データと等しい、黒色画像や白色画像、または灰色画像等が生成される。
このようにして生成した擬似低解像度画像データと合成撮像画像データとの差分から差分画像データを生成し、差分画像データに重み付けを行って重み付け差分画像データを生成する。そして、この重み付け差分画像データを用いて繰り返し演算を行うことにより、初期高解像度画像データは順次更新されて、所望の精度の高解像度画像データが生成される。
〔参考例〕
上記画像処理システム1の構成によれば、露光時間が異なる複数の撮像画像データを正規化し、合成して超解像処理を行っているので、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを生成することができる。
また、画像処理システム1の構成によれば、白とびや黒つぶれが発生している可能性の高い第1領域の寄与が、有効ダイナミックレンジ内の輝度値を有する第2領域の寄与よりも小さくなるように重み付けが行われるので、高精度な高解像度画像データを少ない演算量で短時間に生成することが可能になる。
しかしながら、画像処理システム1では、露光時間が異なる複数の撮像画像セットを用いているので、撮像に要する時間が長くなるという問題がある。すなわち、超解像処理において解像度をN倍にする場合には、N回の撮像を行う必要があるので、複数の露光時間で撮像を行う場合には、撮像時間の増加が著しい。
例えば、解像度を3倍にする場合には、9回の撮像を行う必要がある。この場合に、露光時間を100ミリ秒に設定すると、900ミリ秒で撮像は終了する。しかしながら、露光時間を100ミリ秒、200ミリ秒、300ミリ秒の3通りに設定した場合には、撮像終了までに最短でも5400ミリ秒の時間を要する。
なお、画像処理にてダイナミックレンジの拡大を行うことは、従来から行われている。例えば、“多重絞りカラー画像の解析”(浅田尚紀、松山隆司、望月孝俊、情報処理学会論文誌、1991年10月、Vol.32、No.10、p.1338-1348)や、特開平02−174470号公報(1990年7月5日公開)、及び特開2007−49228号公報(2007年2月22日公開)には、露光時間の異なる複数の画像を用いて合成処理を行うことにより、ダイナミックレンジを拡張することが記載されている。
上記の文献で記載されている方法によれば、ダイナミックレンジを拡大する対象となる撮像対象を、短時間露光及び長時間露光の2種類の露光時間で撮像する。そして、2種類の露光時間で撮像した各画像について、白とび画素、黒つぶれ画素等の不適正露光領域を検出し、それらの領域を短時間露光画像、もしくは長時間露光画像で置き換えるようにしている。
例えば、特開平02−174470号公報では、長時間露光画像と短時間露光画像とを交互に出力する構成としている。すなわち、短時間露光画像出力時に、その輝度値が所定値以下の画素に関しては黒つぶれがあると判断し、メモリに記憶されている長時間露光画像信号に切り替える。同様に、長時間露光画像出力時に、その輝度値が所定値以上の画素に関しては白とびがあると判断し、メモリに記憶されている短時間露光信号に切り替える。
なお、上記従来の方法によれば、置き換える対象となる画素は撮像位置が同じである必要がある。すなわち、上記従来の方法によれば、画素レベルで撮像位置が一致した一組の画像を用いる必要がある。撮像位置がずれた画像データで上記従来の方法を用いた場合には、画素の置き換えを行った箇所が、置き換えを行っていない箇所と不連続になってしまうからである。
したがって、撮像位置をずらしながら撮像を行う超解像処理においては、上記従来のダイナミックレンジ拡張方法を適用することは考えられていなかった。また、上述ように、超解像処理において、複数組の撮像画像セットを合成した合成撮像画像データを用いることによって、高解像度画像データダイナミックレンジを拡張することができるが、撮像に時間がかかるという難点もある。
そこで、本参考例では、撮像に要する時間を増加させずにダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを生成する例について図14〜図21に基づいて説明する。より詳細には、本参考例では、撮像対象の撮像を行うときに、撮像位置に応じて露光時間を変更しながら撮像を行うことにより、撮像位置毎に異なる露光時間で撮像された撮像画像データを取得する。
そして、このようにして撮像された撮像画像データを用いて超解像処理またはイメージシフト処理を行うことによって、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを生成することができる。すなわち、本参考例に記載の発明は、主に撮像方法に特色がある。
図14は、本参考例の撮像方法を説明する図である。なお、同図では、縦5×横5の25画素からなる撮像画像データを3倍に高解像度化する例を示している。3倍に高解像度化する場合には、図6の例と同様に、撮像画像データは9枚必要になる。また、この場合には、図6の例と同様に、9枚の撮像画像データの撮像位置は、撮像画像データ1画素の幅の1/3ピッチでずれている。
ここで、図6の例と比較すればわかるように、図14の撮像画像データは、同図の最上段及び最下段の露光時間がaであるのに対し、同図の2段目の露光時間はbとなっている。すなわち、本参考例の撮像方法によれば、1枚の高解像度画像データを生成するための撮像画像セットの中に、複数の異なる露光時間にて撮像された撮像画像データが含まれている。なお、ここでは簡単のため撮像条件として露光時間のみを変更する例について説明する。
このような撮像画像セットは、図2に示す画像処理システムにて取得することができる。すなわち、アクチュエータ制御部26は、アクチュエータ13を駆動して撮像素子12を予め定めた撮像位置に移動させる。そして、この撮像位置において、撮像タイミング制御部27は、露光時間aだけ撮像対象を撮像させる。これにより、図14の最上段の一番左に示す撮像画像データが撮像される。
撮像が終了すると、アクチュエータ制御部26は、アクチュエータ13を駆動して、図14における右向きに像画像データの1画素幅の1/3だけ撮像領域が移動するように、撮像素子12を移動させる。そして、移動が終了すると、撮像タイミング制御部27は、上記の場合と同様に、露光時間aだけ撮像対象を撮像させる。これにより、1画素幅の1/3だけ移動した撮像位置においても露光時間aで撮像が行われることになり、図14の最上段の中央に示す撮像画像データが撮像される。同様に、さらに1画素幅の1/3だけ移動させた撮像位置においても露光時間aで撮像が行われ、図14の最上段の一番右に示す撮像画像データが撮像される。
ここで、図14の最上段に記載されている3枚の撮像画像データの撮像が終了すると、アクチュエータ制御部26は、アクチュエータ13を駆動して、図14における下向きに像画像データの1画素幅の1/3だけ撮像領域が移動するように、撮像素子12を移動させる。そして、移動が終了すると、撮像タイミング制御部27は、露光時間bだけ撮像対象を撮像させる。これにより、図14の2段目の一番右に示す撮像画像データが撮像される。すなわち、図14の最上段の撮像画像データは、露光時間aで撮像が行われていたが、図14の2段目の撮像画像データでは、露光時間がbに変わっている。
以下同様に、1画素幅の1/3ピッチで撮像位置を移動させながら露光時間bで撮像を行い、図14の2段目の中央、及び一番左に記載の撮像画像データを取得する。そして、アクチュエータ制御部26は、アクチュエータ13を駆動して、図14における下向きに撮像画像データの1画素幅の1/3だけ撮像領域が移動するように、撮像素子12を移動させる。ここでは、撮像タイミング制御部27は、再び露光時間をaに戻して撮像を実行させる。そして、上記と同様にして、撮像画像データ1画素幅の1/3ピッチで撮像位置を図14の右向き移動させながら露光時間bで撮像を行い、図14の最下段に記載されている3枚の撮像画像データを取得する。
このように、本発明の撮像方法によれば、高解像度画像データを生成するための1組の撮像画像セット内に、複数の露光時間(撮像条件)で撮像された撮像画像データが含まれることになる。例えば、図14の例では、撮像画像セットに含まれる9枚の撮像画像データのうち、6枚が露光時間aで撮像されたものであり、3枚が露光時間bで撮像されたものである。
このような複数の露光時間(撮像条件)にて撮像された撮像画像データを用いることによって、1種類の露光時間で撮像された撮像画像データのみを用いる場合と比べて、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを生成することができる。なお、高解像度画像データは、イメージシフト処理にて生成されるものであってもよいし、再構成型の超解像処理にて生成されるものであってもよい。
ここでは、まずイメージシフト処理にてダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを生成する例について説明する。上述のように、イメージシフト処理は、撮像画像データの各画素の輝度値を高解像度画像データの各画素位置にマッピングすることによって行われる。
例えば、図14の9枚の撮像画像データを用いてイメージシフト処理を行った場合には、図15に示す高解像度画像データが生成される。図15は、図14の撮像画像データを用いてイメージシフト処理を行うことにより生成される高解像度画像データを示す図である。
図示のように、図14の9枚の撮像画像データを用いてイメージシフト処理を行った場合には、高解像度画像データの最上行の各画素には、露光時間aで撮像された撮像画像データの輝度値がマッピングされる。そして、上から2行目には、露光時間bで撮像された撮像画像データの輝度値がマッピングされ、上から3行目及び4行目には、露光時間aで撮像された撮像画像データの輝度値がマッピングされる。以下同様に、高解像度画像データの各行に、露光時間b、露光時間a、露光時間a、露光時間bの順で撮像画像データの輝度値がマッピングされる。
ここで、上記のようにして生成された高解像度画像データの各画素について、その輝度値が正常範囲内か否かを判別する。すなわち、ここでは高解像度画像データの各画素が正常露光の第2領域であるか、不適正露光の第1領域であるかを判別する。判別の方法は、上記実施形態で説明した通りであるから、ここではその説明を省略する。
続いて、上記判別処理において不適正露光画素と判定された画素について補間処理を行う。補間処理は、上記不適正露光画素に隣接する画素(例えば当該不適正露光画素の上下左右の4方向、または上下左右斜めの8方向に隣接する画素)のうち、上記判別処理において正常露光画素であると判定された画素の輝度値の平均値または中間値で上記不適正露光画素の輝度値を置き換えることで行われる。
このように補間処理を行うことによって、例えば露光時間bまたは露光時間aのいずれか一方で撮像された撮像画像データに白とびや黒つぶれが発生していた場合であっても、正常露光画素によって補間更新される。すなわち、補間処理を行うことによって高解像度画像データのダイナミックレンジが拡大される。
そして、上記補間処理後の高解像度画像データの画素には、互いに異なる撮像条件(例えば露光時間)にて撮像された撮像画像データに由来する画素が含まれているので、各画素の正規化を行う。正規化の方法は、上記実施形態で説明した通りである。これにより、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データが生成される。
次に、超解像処理にてダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを生成する例について説明する。上記実施形態の超解像処理部25によれば、本参考例の超解像処理を実行することができる。つまり、本参考例の超解像処理は、図1に示す超解像処理部25にて、図5のフローチャートに記載の処理を行うことによって実行される。
すなわち、図5のフローチャートにおける撮像画像データとして、上記の撮像方法にて取得した一組の撮像画像セットを用いて超解像処理を行うことにより、複数組の撮像画像セットを用いることなく、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを生成することができる。なお、本参考例では、撮像画像セットを一組のみ用いるので、図5のフローチャートにおけるS5及びS6の処理は行われない。
ここで、図5のフローチャートでは、S13にて更新された高解像度画像データが、撮像画像データに位置合わせされると共に低解像度化されて、擬似低解像度画像データが生成される(S8)。このとき、高解像度画像データの各画素は、PSFによりダウンサンプリングされる。例えば、図15の高解像度画像データを擬似低解像度化した場合には、縦3×横3画素の領域に含まれる9つの画素の画素値が、擬似低解像度画像データの1画素の輝度値となる。
その結果、高解像度画像データの各画素は、低解像度化の際に、当該画素の周囲に位置する画素の輝度値によって補間更新される。これにより、高解像度画像データの画素の中に、重み付けによって寄与が低下された画素が含まれている場合であって、当該画素の周囲に正常に露光された画素が配置している場合には、この画素は周囲の画素の画素値によって更新される。
したがって、擬似低解像度画像データの1画素に対応する領域に含まれる、高解像度画像データの複数画素には、各撮像条件で撮像した撮像画像データに由来する画素が均等に含まれていることが好ましい。例えば、図15の例では、高解像度画像データの縦3×横3画素の領域(擬似低解像度画像データの1画素に対応する領域)に含まれる9つの画素のそれぞれには、露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素が6つと、露光時間bで撮像した撮像画像データに由来する画素が3つ含まれている。
これにより、例えば露光時間bで撮像した撮像画像データが白とびしていた場合であっても、露光時間aで撮像した撮像画像データが正常露光で撮像されたものであれば、露光時間bで撮像した撮像画像データに由来する画素の画素値は、擬似低解像度画像データの生成時に露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素の画素値によって補間更新される。そして、これにより、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データが生成される。
なお、図14の撮像方法にて撮像を行った場合には、図15に示すように、露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素と、露光時間bで撮像した撮像画像データに由来する画素とがストライプ状に配列する。この場合に、例えば、露光時間aまたはbの何れか一方で撮像された撮像画像データの広い領域で露光不良が生じたときには、図15に示すように、高解像度画像データの各画素の左右方向に隣接する画素の露光時間が等しくなることから、十分な補間更新が行われにくくなるということも考えられる。
また、図14の撮像方法にて撮像を行った場合には、図15に示すように、露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素の方が、露光時間bで撮像した撮像画像データに由来する画素よりも数が多くなる。したがって、露光時間aで撮像した撮像画像データの広い領域で露光不良が生じた場合には、十分な補間更新が行われにくくなるということも考えられる。
そこで、図16に示すような撮像画像データを用いることによって、上記の問題点を解決することができる。図16は、本参考例の上記とは別の撮像方法を説明する図である。図16に示す撮像画像データの撮像方法は、図14の例とほぼ同様であるが、露光時間を変更するタイミングが異なっている。
すなわち、図16の例では、撮像位置が上下方向または左右方向に隣接する撮像画像データの露光時間(撮像条件)がそれぞれ異なるように撮像されている。このようにして撮像された撮像画像データの各画素値を高解像度画像データの画素位置にマッピングすることにより、図17に示す高解像度画像データが生成される。
なお、再構成型の超解像処理では、マッピング処理を行うことはないが、撮像画像データの各画素は、マッピング処理を行った場合と同じ位置に反映される。したがって、図16の撮像画像セットを用いて超解像処理を行った場合には、図17に示すような高解像度画像データが生成される。
図17は、図16の撮像画像データから生成される高解像度画像データを示す図である。図示のように、図17の例では露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素と、露光時間bで撮像した撮像画像データに由来する画素とが、同図の左右方向及び上下方向に交互に現れる。
ここで、図15の例では、上下方向及び斜め方向では異なる露光時間で撮像された撮像画像データに由来する各画素が交互に配列されているが、左右方向には同じ露光時間で撮像された撮像画像データに由来する画素のみが配列されている。そのため、左右方向の隣接画素間での補間処理が十分に行われないおそれがあった。
これに対し、図17の例では、上下方向、左右方向、斜め方向の何れの方向においても、異なる露光時間で撮像された撮像画像データに由来する各画素が交互に配列する。したがって、この配列によれば、隣接画素間での補間処理が十分に行われ、その結果、図15の例と比べてより高精度な高解像度画像データを生成することが可能となる。
また、図15の例では、高解像度画像データの縦3×横3画素の領域(擬似低解像度画像データの1画素に対応する領域)に含まれる9つの画素のそれぞれには、露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素が6つと、露光時間bで撮像した撮像画像データに由来する画素が3つ含まれていた。すなわち、図15の例では、露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素の割合が高く、そのためaで撮像した撮像画像データに由来する画素の影響が大きくなっている。
これに対し、図17の例では、高解像度画像データの縦3×横3画素の領域(擬似低解像度画像データの1画素に対応する領域)に含まれる9つの画素のそれぞれには、露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素が5つと、露光時間bで撮像した撮像画像データに由来する画素が4つ含まれている。
すなわち、図17の例では、高解像度画像データにおいて、擬似低解像度画像データの1画素に対応する領域に含まれる、露光時間の異なる撮像画像データに由来する画素の数の差が図15の例よりも小さくなっている。これにより、一方の露光時間で撮像した撮像画像データの広い領域で露光不良が生じた場合であっても、十分な補間更新が行われるため、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを精度よく生成することができる。
ところで、図14〜図17の例では、9枚の撮像画像データを用いる場合に、a及びbの2種類の露光時間で撮像を行っている。そのため、高解像度画像データにおいて、露光時間aで撮像した撮像画像データに由来する画素と、露光時間bで撮像した撮像画像データに由来する画素とを等しくすることはできず、何れかの露光時間で撮像した撮像画像データの影響が他方の露光時間で撮像した撮像画像データの影響よりも大きくなってしまう。
そこで、9枚の撮像画像データを用いる場合には、3種類または9種類の露光時間で撮像を行えばよい。これにより、高解像度画像データにおける、各露光時間で撮像した撮像画像データに由来する画素の数を等しくすることができる。図18は、3種類の露光時間で撮像する場合の撮像方法を説明する図である。なお、図18においても、図14や図16と同様に、縦5×横5の25画素からなる撮像画像データを3倍に高解像度化する例を示している。
図示のように、3種類の露光時間で撮像する場合も、撮像位置の移動方法は、図14や図16の場合と同様である。ただし、図18の例では、最上段の3枚の撮像画像データと、2段目の3枚の撮像画像データと、最下段の3枚の撮像画像データとが、それぞれ異なる露光時間で撮像されている。すなわち、図18の例では、最上段の3枚の撮像画像データは、露光時間aで撮像され、2段目の3枚の撮像画像データは、露光時間bで撮像され、最下段の3枚の撮像画像データは、露光時間cで撮像されている。
そして、図18の例の撮像画像データを用いることによって、図19に示す高解像度画像データを得ることができる。図19は、図18の撮像画像データから生成される高解像度画像データを示す図である。
図示のように、高解像度画像データの縦3×横3画素の領域(擬似低解像度画像データの1画素に対応する領域)に含まれる9つの画素のそれぞれには、露光時間a〜cで撮像した撮像画像データに由来する画素が3つずつ含まれている。これにより、高解像度画像データにおける、露光時間a〜cで撮像した撮像画像データに由来する画素の寄与を等しくすることができる。その結果、例えば何れかの露光時間で撮像した撮像画像データの広い領域で露光不良が生じた場合であっても、十分な補間更新が行われるため、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを精度よく生成することができる。
ここで、図示のように、図19の例では、上下方向及び斜め方向には、各露光時間で撮像した撮像画像データに由来する画素が交互に配列しているが、左右方向には同一の露光時間で撮像した撮像画像データに由来する画素のみが配列している。したがって、図19の例では、図15の例と同様に、左右方向の隣接画素間での補間処理が十分に行われないおそれがある。
そこで、例えば図20に示す撮像方法にて撮像を行えばよい。図20は、上記とはさらに異なる撮像方法を説明する図である。なお、図20においても、図18と同様に、3種類の露光時間にて撮像を行い、9枚の撮像画像データを取得する例を示している。また、各撮像画像データは、縦5×横5の25画素からなり、この撮像画像データを3倍に高解像度化することを想定している。
図示のように、図20の例においても、撮像位置の移動方法は、図14や図16、及び図18の場合と同様である。ただし、図20の例では、最上段から最下段までの各段における3枚の撮像画像データが、それぞれ異なる露光時間で撮像されている。そして、図20の例では、最左列から最右列までの各列における3枚の撮像画像データが、それぞれ異なる露光時間となっている。すなわち、図20の例では、最上段の最左列、2段目の2列目、及び3段目の最右列の撮像画像データは露光時間aで撮像され、最上段の2列目、2段目の最右列、及び3段目の最左列の撮像画像データは露光時間bで撮像され、最上段の最右列、2段目の最左列、及び3段目の2列目、の撮像画像データは露光時間cで撮像されている。
そして、図20の例の撮像画像データを用いることによって、図21に示す高解像度画像データを得ることができる。図21は、図20の撮像画像データから生成される高解像度画像データを示す図である。
図示のように、高解像度画像データの縦3×横3画素の領域(擬似低解像度画像データの1画素に対応する領域)に含まれる9つの画素のそれぞれには、露光時間a〜cで撮像した撮像画像データに由来する画素が3つずつ含まれている。これにより、高解像度画像データにおける、露光時間a〜cで撮像した撮像画像データに由来する画素の寄与を等しくすることができる。その結果、例えば何れかの露光時間で撮像した撮像画像データの広い領域で露光不良が生じた場合であっても、十分な補間更新が行われるため、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを精度よく生成することができる。
また、図示のように、図21の例では、上下方向、及び左右方向には、各露光時間で撮像した撮像画像データに由来する画素が交互に配列している。したがって、図21の例では、上下方向、及び左右方向にて補間処理が十分に行われる。その結果、図21の例では、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを精度よく生成することができる。
なお、図21の例では、斜め方向には同一の露光時間で撮像した撮像画像データに由来する画素のみが配列しているが、図21の例の配列は、左右方向に同一の露光時間で撮像した撮像画像データに由来する画素のみが配列する図19の例よりも好ましい。これは、超解像処理で用いられるPSFはガウス分布を持つ点広がり関数のため、畳み込み処理時の注目画素の近傍にできるだけ多くの正常値がある方が好ましいためである。また、イメージシフトを行う場合の補間処理においても、注目画素の上下左右に位置する4画素を用いる場合があるので、上記のように注目画素の上下左右に同じ露光時間で撮像した撮像画像データに由来する画素が配列しないようにすることが好ましい。
以上のように、本参考例の撮像方法によれば、一組の撮像画像データを用いた場合であってもダイナミックレンジの拡張された高解像度画像データを生成することができる。無論、上述の方法は本参考例の撮像方法の一例を示すものであり、本参考例の撮像方法はこの例に限られない。
すなわち、上述の例では、縦5×横5の25画素からなる撮像画像データを3倍に高解像度化する例を示したが、撮像画像データの画素数、及び高解像度化の倍率は、必要に応じて適宜変更することができる。また、上述の例では、撮像条件として露光時間のみ変化させる例を示したが、使用する撮像装置、照明強度、撮像感度、使用するフィルタ、及びアイリス等の撮像条件の少なくとも1つを変化させるようにしてもよい。
上述のように、本参考例の撮像方法では、一組の撮像画像セットに、少なくとも1枚の他の撮像画像データと撮像条件が異なる撮像画像データが含まれていれば、ダイナミックレンジを拡張することができる。
そして、高解像度画像データにおいて、撮像画像データの1画素に対応する領域に含まれる、互いに異なる撮像条件で撮像された撮像画像データに由来する画素の配置を調整することによって、より精度の高い高解像度画像データを生成することが可能になる。
すなわち、本参考例の撮像方法では、高解像度画像データにおいて、撮像画像データの1画素に対応する領域に含まれる複数の画素において、互いに異なる撮像条件で撮像された撮像画像データに由来する画素の画素数の差が最小となるように、各撮像画像データの撮像条件を制御することが好ましい。
例えば、図15の例では、高解像度画像データにおいて、撮像画像データの1画素に対応する領域には、露光時間aで撮像された撮像画像データに由来する画素が6個、露光時間bで撮像された撮像画像データに由来する画素が3個含まれている。これに対して、図17の例では、高解像度画像データにおいて、撮像画像データの1画素に対応する領域には、露光時間aで撮像された撮像画像データに由来する画素が5個、露光時間bで撮像された撮像画像データに由来する画素が4個含まれている。
すなわち、図17の例では、互いに異なる撮像条件で撮像された撮像画像データに由来する画素の画素数の差が最小されている。したがって、図17の例の高解像度画像データが生成される図16の撮像方法が、図15の例の高解像度画像データが生成される図14の撮像方法よりも好ましいということになる。
また、本参考例の撮像方法では、高解像度画像データにおいて、撮像画像データの1画素に対応する領域に含まれる、同じ撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素において、上記各領域内において縦方向または横方向に連続して配列される画素の数が最小化されるように撮像条件を制御することが好ましい。
上述のように、本参考例の撮像方法で生成された撮像画像データを(再構成型)超解像処理に用いた場合には、擬似低解像度画像データを生成する際に、撮像画像データの1画素に対応する領域に含まれる、異なる撮像画像データに由来する画素が補間更新される。したがって、高解像度画像データに含まれる、異なる撮像条件で撮像された撮像画像データに由来する画素は、当該高解像度画像データの全面に均一に配列していることが好ましい。
言い換えれば、高解像度画像データに含まれる、異なる撮像条件で撮像された撮像画像データに由来する画素は、当該高解像度画像データにおいて、水平方向、垂直方向、斜め方向に均一に分布しており、また異なる撮像条件で撮像された撮像画像データに由来する画素の分布密度の差が小さいことが好ましい。
例えば、図15の例では、高解像度画像データにおいて、露光時間aで撮像された撮像画像データに由来する画素、及び露光時間bで撮像された撮像画像データに由来する画素が同図の横方向に15個連続して配列している。これに対して、図17の例では、露光時間aで撮像された撮像画像データに由来する画素、及び露光時間bで撮像された撮像画像データに由来する画素が同図の横方向に連続して配列している個数は最大で2個になっている。
すなわち、図17の例では、横方向に連続して配列される画素の数が最小化されている。したがって、図17の例の高解像度画像データが生成される図16の撮像方法が、図15の例の高解像度画像データが生成される図14の撮像方法よりも好ましいということになる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、制御装置3の各ブロック、特に撮像制御部21及び超解像処理部25は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、制御装置3は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御装置3の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記制御装置3に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、制御装置3を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
上述のように、撮像条件の異なる複数の撮像画像セットについて、撮像条件に応じた輝度値の補正を行い、さらにこれらを合成することにより、撮像画像データと比べてダイナミックレンジが拡大された合成撮像画像データを得ることができる。そして、この合成撮像画像データを用いて高解像度画像データを生成することにより、ダイナミックレンジが拡大された高解像度画像データが生成される。
しかしながら、撮像条件の異なる複数の撮像画像セットを用いる場合には、撮像する撮像画像データの枚数が増加するため、撮像に要する時間が長くなってしまうという問題を生じる。
そこで、上記参考例に係る発明の撮像制御装置は、上記課題を解決するために、撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成するために、上記撮像対象を撮像する撮像装置の制御を行う撮像制御装置であって、上記高解像度画像データにおいて、上記撮像画像データの1画素に対応する領域のそれぞれに、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する高解像度画像データの画素が含まれるように上記各撮像画像データの撮像条件を制御する撮像条件制御手段を備えていることを特徴としている。
また、上記参考例に係る発明の撮像制御装置の制御方法は、上記課題を解決するために、撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成するために、上記撮像対象を撮像する撮像装置の制御を行う撮像制御装置の制御方法であって、上記高解像度画像データにおいて、上記撮像画像データの1画素に対応する領域のそれぞれに、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する高解像度画像データの画素が含まれるように上記各撮像画像データの撮像条件を制御する撮像条件制御ステップを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、高解像度画像データにおいて、撮像画像データの1画素に対応する領域のそれぞれに、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する高解像度画像データの画素が含まれるように各撮像画像データの撮像条件が制御される。なお、撮像条件とは、露光時間(シャッタースピード)、使用する撮像装置、照明強度、撮像感度、使用するフィルタ、及びアイリスの少なくとも1つである。
したがって、上記の構成にて撮像された、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データを用いて高解像度画像を生成した場合には、撮像画像データの1画素に対応する領域のそれぞれに、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する高解像度画像データの画素が含まれる高解像度画像データが生成される。
この高解像度画像データは、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データを反映しているので、同じ撮像条件で撮像した撮像画像データを用いて高解像度画像データを生成する場合と比べて、ダイナミックレンジが拡大されている。
したがって、上記の構成によれば、所望の高解像度倍率の高解像度画像データを生成するために必要な撮像画像データを増やすことなく、ダイナミックレンジの拡張された高解像度画像データを生成することができる。
また、上記撮像条件制御手段は、上記各領域に含まれる同じ撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素において、上記各領域内において縦方向または横方向に連続して配列される画素の数が最小化されるように上記各撮像画像データの撮像条件を制御することが好ましい。
ここで、ある撮像条件にて撮像された撮像画像データの広い領域で不適正露光画素が発生した場合に、上記撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素が、各領域内において縦方向または横方向に連続して配列されていると、高解像度画像データにおいて、不適正露光画素が目立ちやすい。
例えば、露光過多による白とびが広い領域で発生した撮像画像データに由来する画素が、各領域内において縦方向または横方向に連続して配列されていると、高解像度画像データにおいて、縦方向または横方向に白い筋が視認される。
そこで、上記の構成によれば、同じ撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素が、各領域内において縦方向または横方向に連続して配列される画素の数を最小化するようにしている。これにより、特定の撮像条件にて撮像された撮像画像データの広い領域で不適正露光画素が発生した場合であっても、高解像度画像データにおいて、不適正露光画素に由来する画素が目立ち難くなる。
また、上記の撮像制御装置の制御に基づいて撮像された撮像画像データを用いて超解像処理を行った場合には、高解像度画像データにおいて、撮像画像データの1画素に対応する領域に含まれる複数の画素が補間更新される。これにより、不適正露光画素に由来する画素の輝度値が、該画素に隣接する正常露光画素の輝度値によって適正な値に更新されるので、高精度な高解像度画像データを生成することができる。
また、上記撮像条件制御手段は、上記各領域に含まれる互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素の画素数の差が最小となるように上記各撮像画像データの撮像条件を制御することが好ましい。
ここで、ある撮像条件にて撮像された撮像画像データの広い領域で不適正露光画素が発生した場合であって、上記撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素の各領域内に占める割合が高い場合には、高解像度画像データにおいて不適正露光画素が目立ちやすい。
そこで、上記の構成によれば、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素の画素数の差を最小にしている。これにより、特定の撮像条件にて撮像された撮像画像データの広い領域で不適正露光画素が発生した場合であっても、高解像度画像データにおいて、不適正露光画素に由来する画素が目立ち難くなる。
また、上記の撮像制御装置の制御に基づいて撮像された撮像画像データを用いて超解像処理を行った場合には、高解像度画像データにおいて、撮像画像データの1画素に対応する領域に含まれる複数の画素が補間更新される。これにより、不適正露光画素に由来する画素の輝度値が、該画素に隣接する正常露光画素の輝度値によって適正な値に更新されるので、高精度な高解像度画像データを生成することができる。
また、上記撮像制御装置の制御により撮像された一組の撮像画像データの全てが、上記異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正する撮像画像補正手段と、上記撮像画像補正手段が補正を行った一組の撮像画像データを用いて超解像処理を行う超解像処理手段とを備えている画像処理装置であれば、所望の高解像度倍率の高解像度画像データを生成するために必要な撮像画像データを増やすことなく、ダイナミックレンジの拡張された高解像度画像データを生成することができる。
これは、超解像処理を行う際に、撮像画像データの1画素に対応する領域のそれぞれに、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する高解像度画像データの画素が、擬似低解像度画像データを生成するときに1画素に統合されることによる。
すなわち、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する高解像度画像データの画素の輝度値が、擬似低下像度画像データの1つの画素として統合されて、高解像度画像データの更新に用いられることにより、更新後の高解像度画像データには、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データの輝度値が反映される。その結果、高解像度画像データのダイナミックレンジが拡大される。
また、上記撮像制御装置の制御により撮像された一組の撮像画像データの各画素を、上記高解像度画像データの各画素位置にマッピングして高解像度画像データを生成するマッピング手段と、上記マッピング手段が生成した高解像度画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断手段と、上記高解像度画像データにおいて上記適正露光画素判断手段が正常範囲内ではないと判断した画素の輝度値を、該画素に隣接する画素のうち、上記適正露光画素判断手段が正常範囲内であると判断した画素の輝度値に基づいて補間する補間手段と、上記マッピング手段が生成した高解像度画像データの全画素が、上記異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて撮像されたものとみなすことができるように、上記高解像度画像データの各画素の輝度値を補正する撮像画像補正手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置であれば、所望の高解像度倍率の高解像度画像データを生成するために必要な撮像画像データを増やすことなく、ダイナミックレンジの拡張された高解像度画像データを生成することができる。
本発明によれば、ダイナミックレンジの拡大された高解像度画像データを生成することができるので、静止画像または動画像の高解像度化を行う装置に好適に適用できる。
本発明の実施形態を示すものであり、超解像処理部の要部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示すものであり、画像処理システムの要部構成を示すブロック図である。 撮像素子と高解像度画像データの画素との位置関係を説明する図である。 本発明の実施形態を示すものであり、撮像画像データの合成方法の一例を示す図である。 上記画像処理システムにおいて実行される超解像処理の一例を示すフローチャートである。 上記画像処理システムにおいて使用される撮像画像セットの一例を示す図である。 上記撮像画像セットに含まれる撮像画像データを合成して生成される合成撮像画像データの一例を示す図である。 上記合成撮像画像データをイメージシフト処理に供することで生成された高解像度画像データを示す図である。 上記画像処理システムにて用いられる撮像対象の一例を示す図である。 上記撮像対象を撮像して得られる撮像画像データの一例を示す図である。 上記撮像画像データを正規化した状態の一例を示す図である。 同図(a)〜(d)は、上記画像処理システムにて用いられる初期高解像度画像データの一例を示す図である。 上記画像処理システムにて生成される擬似低解像度画像データの一例を示す図である。 本発明の参考例における撮像方法を説明する図である。 上記撮像方法にて撮像された撮像画像データを用いてイメージシフト処理を行うことにより生成される高解像度画像データを示す図である。 本発明の参考例における、上記とは別の撮像方法を示す図である。 上記撮像方法にて撮像された撮像画像データから生成される高解像度画像データを示す図である。 本発明の参考例において、3種類の露光時間で撮像する場合の撮像方法を説明する図である。 上記撮像方法にて撮像された撮像画像データから生成される高解像度画像データを示す図である。 本発明の参考例における、上記とはさらに異なる撮像方法を説明する図である。 上記撮像方法にて撮像された撮像画像データから生成される高解像度画像データを示す図である。 従来の超解像処理方法の一例を示すフローチャートである。 超解像処理に用いる撮像画像データの撮像方法の一例を示す図である。 超解像処理に用いる初期高解像度画像データの一例を示す図である。 超解像処理に用いる擬似低解像度画像データの一例を示す図である。
1 画像処理システム
2 撮像装置
3 制御装置
21 撮像制御部
25 超解像処理部
31 正規化部
32 画像合成部
33 差分画像生成部(差分画像生成手段)
34 擬似低解像度画像生成部
35 領域抽出部(適正露光画素判断手段)
36 重み付け差分画像生成部(重み付け差分画像生成手段)
37 画像更新部(画像更新手段)

Claims (15)

  1. 撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成する画像処理装置であって、
    上記高解像度画像データを、上記複数の撮像画像データの一つに対して位置合わせし、上記撮像画像データと同じ解像度に変換し、当該撮像画像データを撮像した撮像装置のカメラモデルから得られる点広がり関数を乗じて擬似低解像度画像データを生成し(処理順番)、該擬似低解像度画像データと当該撮像画像データとの差分を取る処理を、上記複数の撮像画像データのそれぞれに対して行って、複数の差分画像データを生成する差分画像生成手段と、
    上記差分画像生成手段が生成した上記複数の差分画像データに基づいて、上記高解像度画像データと上記複数の撮像画像データとの誤差を示す評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新手段とを備えていると共に、
    上記複数の撮像画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断手段と、
    上記複数の撮像画像データの一つと対応する一つの差分画像データにおいて、上記適正露光画素判断手段が上記複数の撮像画像データの一つにおいて正常範囲内ではないと判断した画素に対応する位置に存在する対象画素の上記評価値に対する寄与が小さくなるように、上記対象画素に重み付けを行う処理を、上記複数の差分画像データのそれぞれに対して行う重み付け差分画像生成手段とをさらに備え、
    上記画像更新手段は、上記重み付け差分画像生成手段が重み付けを行った上記複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新することを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記複数の撮像画像データには、異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データが含まれており、
    上記適正露光画素判断手段が、輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断した後に、上記異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて、上記一組の撮像画像データの全てが撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正する撮像画像補正手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成する画像処理装置であって、
    上記高解像度化倍率に応じた数の撮像画像データを一組とする複数組の撮像画像セットに基づいて上記高解像度画像データを生成するようになっており、上記各撮像画像セットに含まれる撮像画像データは、同一の撮像条件にて撮像されたものであり、異なる撮像画像セットに含まれる撮像画像データは、互いに異なる撮像条件にて撮像されたものであり、
    上記複数組の撮像画像セットに含まれる各撮像画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断手段と、
    上記適正露光画素判断手段が、輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断した後に、上記異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて、上記複数組の撮像画像セットに含まれる撮像画像データの全てが撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正する撮像画像補正手段と、
    上記複数組の撮像画像セットから選択した一組に含まれる各撮像画像データの画素において、上記適正露光画素判断手段が上記正常範囲内ではないと判断した置換対象画素の輝度値を、他の撮像画像セットにおいて上記置換対象画素と対応する位置の画素であって、上記適正露光画素判断手段が上記正常範囲内であると判断した置換候補画素が存在する場合に、上記置換対象画素の輝度値を上記置換候補画素の輝度値で置き換えて、一組の合成撮像画像データを生成する画像合成手段と、
    上記高解像度画像データを、上記一組の合成撮像画像データに含まれる合成撮像画像データの一つに対して位置合わせし、当該合成撮像画像データと同じ解像度に変換し、さらに上記複数の撮像画像データを撮像した撮像装置のカメラモデルから得られる点広がり関数を乗じて生成した擬似低解像度画像データと、当該合成撮像画像データとの差分を取って、差分画像データを生成する処理を、上記一組の合成撮像画像データに含まれる合成撮像画像データのそれぞれに対して行って、一組の差分画像データを生成する差分画像生成手段と、
    上記差分画像生成手段が生成した上記一組の差分画像データに基づいて、上記高解像度画像データと上記一組の合成撮像画像データとの誤差を示す評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新手段とを備え、
    上記適正露光画素判断手段は、上記一組の合成撮像画像データに含まれる各合成撮像画像データの画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かをさらに判断し、
    上記適正露光画素判断手段が上記一組の合成撮像画像データにおいて、正常範囲内ではないと判断した上記合成撮像画像データの画素に対応する位置に存在する差分画像データの画素の、上記評価値に対する寄与が小さくなるように、上記差分画像生成手段が生成した一組の差分画像データの各画素に重み付けを行う重み付け差分画像生成手段とを備え、
    上記画像更新手段は、上記重み付け差分画像生成手段が重み付けを行った上記複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新することを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の画像処理装置と、上記撮像装置とを含む画像処理システム。
  5. 撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成する画像処理装置の制御方法であって、
    上記高解像度画像データを、上記複数の撮像画像データの一つに対して位置合わせし、上記撮像画像データと同じ解像度に変換し、当該撮像画像データを撮像した撮像装置のカメラモデルから得られる点広がり関数を乗じて擬似低解像度画像データを生成し、該擬似低解像度画像データと当該撮像画像データとの差分を取る処理を、上記複数の撮像画像データのそれぞれに対して行って、複数の差分画像データを生成する差分画像生成ステップと、
    上記差分画像生成ステップにて生成した上記複数の差分画像データに基づいて、上記高解像度画像データと上記複数の撮像画像データとの誤差を示す評価値を算出すると共に、該評価値が予め定めた閾値以上である場合に、該評価値が小さくなるように上記高解像度画像データを更新する画像更新ステップとを含み、
    上記複数の撮像画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断ステップと、
    上記複数の撮像画像データの一つと対応する一つの差分画像データにおいて、上記適正露光画素判断ステップにて上記複数の撮像画像データの一つにおいて正常範囲内ではないと判断した画素に対応する位置に存在する対象画素の上記評価値に対する寄与が小さくなるように、上記対象画素に重み付けを行う処理を、上記複数の差分画像データのそれぞれに対して行う重み付け差分画像生成ステップとさらに含み、
    上記画像更新ステップでは、上記重み付け差分画像生成ステップにて重み付けを行った上記複数の差分画像データを用いて上記高解像度画像データを更新することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  6. 請求項1から3の何れか1項に記載の画像処理装置を動作させるための画像処理装置制御プログラムであって、
    コンピュータを上記各手段として機能させるための画像処理装置制御プログラム。
  7. 請求項6に記載の画像処理装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  8. 撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成するために、上記撮像対象を撮像する撮像装置の制御を行う撮像制御装置であって、
    上記高解像度画像データにおいて、上記撮像画像データの1画素に対応する領域のそれぞれに、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する高解像度画像データの画素が含まれるように上記各撮像画像データの撮像条件を制御する撮像条件制御手段を備えていることを特徴とする撮像制御装置。
  9. 上記撮像条件制御手段は、上記各領域に含まれる同じ撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素において、上記各領域内において縦方向または横方向に連続して配列される画素の数が最小化されるように上記各撮像画像データの撮像条件を制御することを特徴とする請求項8に記載の撮像制御装置。
  10. 上記撮像条件制御手段は、上記各領域に含まれる互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する画素の画素数の差が最小となるように上記各撮像画像データの撮像条件を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の撮像制御装置。
  11. 請求項8から10の何れか1項に記載の撮像制御装置の制御により撮像された一組の撮像画像データの全てが、上記異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて撮像されたものとみなすことができるように、各撮像画像データの各画素の輝度値を補正する撮像画像補正手段と、
    上記撮像画像補正手段が補正を行った一組の撮像画像データを用いて超解像処理を行う超解像処理手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
  12. 請求項8から10の何れか1項に記載の撮像制御装置の制御により撮像された一組の撮像画像データの各画素を、上記高解像度画像データの各画素位置にマッピングして高解像度画像データを生成するマッピング手段と、
    上記マッピング手段が生成した高解像度画像データの各画素について、その輝度値が予め定めた正常範囲内であるか否かを判断する適正露光画素判断手段と、
    上記高解像度画像データにおいて上記適正露光画素判断手段が正常範囲内ではないと判断した画素の輝度値を、該画素に隣接する画素のうち、上記適正露光画素判断手段が正常範囲内であると判断した画素の輝度値に基づいて補間する補間手段と、
    上記マッピング手段が生成した高解像度画像データの全画素が、上記異なる撮像条件から選択された1つの撮像条件にて撮像されたものとみなすことができるように、上記高解像度画像データの各画素の輝度値を補正する撮像画像補正手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
  13. 撮像対象を、高解像度化倍率に応じた数の低解像度の撮像画像データに基づいて高解像度化した高解像度画像データを生成するために、上記撮像対象を撮像する撮像装置の制御を行う撮像制御装置の制御方法であって、
    上記高解像度画像データにおいて、上記撮像画像データの1画素に対応する領域のそれぞれに、互いに異なる撮像条件にて撮像された撮像画像データに由来する高解像度画像データの画素が含まれるように上記各撮像画像データの撮像条件を制御する撮像条件制御ステップを含むことを特徴とする撮像制御装置の制御方法。
  14. 請求項8から10の何れか1項に記載の撮像制御装置を動作させるための画像処理装置制御プログラムであって、
    コンピュータを上記各手段として機能させるための撮像制御装置制御プログラム。
  15. 請求項14に記載の撮像制御装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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