JP2009146764A - フロントコンビネーション型灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】四輪自動車にも昼間点灯が義務づけられると、二輪自動車と同様にヘッドライトを点灯すると、そのヘッドライトの明るさにより二輪自動車の存在がマスクされ、二輪車の存在の確認が困難となり、事故の要因となる問題点を生じる懸念があった。
【解決手段】本発明により四輪自動車用のフロントコンビネーション型灯具中で、インナーレンズを有するものを選定し、その灯具にDRL発光用光源11を取付けると共に、インナーレンズには、導光凸部を設けDRL発光用光源11で光輝させることで、DRL発光用光源11のワット数で明るさを調整し、導光凸部のインナーレンズ上の大きさで発光面積を調整できるものとして、二輪自動車の昼間点灯と発光形態を変えるものとして誤認やマスキングを避ける。
【選択図】図2

Description

近年においては、DRL(Daytime Running Lamp)と称され、四輪自動車においても、歩行者、対向車からの視認性を向上させるために、昼間の走行時において、常時点灯しておくランプの設置が要求されるものと成ってきており、本発明は、そのDRLに関するものである。
原動機付自転車、自動二輪車においては、四輪自動車間の間隙を利用して、追い越し、追い抜きを行うなどの行為を通常的に行うものであるので、四輪自動車の運転者が、その存在位置を確実に把握していることが困難であり、例えば、左折時に脇をすり抜けようとしている自動二輪車と接触を起こすなどの事故を多発するものとなっていた。
この点を解決するためには、原動機付自転車、自動二輪車においては、昼間においても前照灯を点灯していることで、四輪自動車など他の自動車に対する視認性を向上させることが可能であるとの認識が行われ、1996年以降に製造が行われた原動機付自転車、自動二輪車については、原動機が作動している間は前照灯を消灯することができない構造とすることが定められている。
これにより、原動機付自転車、自動二輪車に対する四輪自動車側からの視認性の向上は、一応の成果が認められるものとなり、事故の減少などの効果も生じているが、同時に、図3に示すように、自動点灯時にはすれ違いビーム、必用に応じては走行ビームとヘッドランプ96の切り換えを可能とするように、イグニッションスイッチ91の投入に応じて、第一の多重制御ユニット92、多重信号線93を介して、ハイビーム用リレー94a、ロービーム用リレー94bの何れかを駆動する第二の多重制御ユニット95が必要となるなど複雑な構成が要求され、製品が煩雑化する問題点を生じている。
更には、四輪車側からの歩行者の視認性、あるいは、逆に、二輪自動車、歩行者側からの四輪自動車の確認にも問題があることが明らかとなり、上記した原動機付自転車、自動二輪車以外の車両にも昼間点灯を行わせるものとする規則の法制化が各国において検討されているのが現状である。
特開平07−257268号公報 道路運送車両法
しかしながら、第一には、二輪、四輪の全ての自動車が昼間時にもヘッドライトを点灯して走行するようにすれば、四輪自動車のヘッドライトにより二輪自動車のヘッドライトはマスクされ、また、昼間は双方が非点灯であったときと同様な状態に二輪自動車側がなり、現在の二輪自動車のみのヘッドライトの昼間点灯の意味が失われる問題点を生じる。
また、四輪自動車のヘッドライトは、消費電力が二輪自動車のヘッドライトに比べて、二倍以上の消費電力と成るので、昼間も点灯することになれば、エンジンに対する負荷も増え、現在、地球温暖化の原因として低減が望まれているCO2の発生量を増加させる要因となるという問題点も指摘されている。
本発明は、前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、少なくとも1枚のレンズにより複数の灯具が覆われて成るフロントコンビネーション型灯具において、前記灯具の何れかにはDRL発光用光源を併設すると共に、前記複数の灯具の機能を損なわない範囲に筋状の導光凸部を前記レンズ厚み方向に形成し、前記導光凸部には、この導光凸部内に取り込まれた光をを前記フロントコンビネーション型灯具の照射方向に向けて放射する光取出しカットとが設けられていることを特徴とするフロントコンビネーション型灯具を提供することで二輪自動車のヘッドランプの中間点灯をマスクすることなく、また、歩行者などからの視認性も向上できるものとして、加えて、回路構成の簡素化、コストダウンを可能として、課題を解決するものである。
本発明により、インナーレンズを有する灯具の何れか、例えば、ヘッドライト用のハウジングにDRL発光用光源を併設すると共に、前記インナーレンズの前記ヘッドライトからの光が干渉しない部分に導光凸部を設けたインナーレンズに、DRL発光用光源を配置し、前記導光凸部をDRL発光用光源からの光で光輝させる構成としたことで、DRL発光用光源の消費電力の設定を自在ととし、例えば、二輪自動車のヘッドランプとの区別を、四輪自動車の運転者に対しても、歩行者に対しても明確に判断できるものとして、実用性を向上させる。
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1〜図3に符号1で示すものは、本発明に係るフロントコンビネーション型灯具1を要部で示す図であり、図1は、例えば、プロジェクター型ヘッドランプ2に設けられているインナーレンズ3を利用してDRL10を設けたときの例を示す正面図である。
この実施例においては、インナーレンズ3のほぼ中心に前記プロジェクター型ヘッドランプ2の投影レンズ2aが設置され、前記投影レンズ2aを覆いインナーレンズ3が設けられる形状とされている。そして、前記インナーレンズ3の内部にDRL10の光源であるDRL発光用光源11が設けられている。
このときに、図1にも示すように、前記DRL発光用光源11は、前記プロジェクター型ヘッドランプ2を点灯したときにも、前記プロジェクター型ヘッドランプ2の配光特性を乱さない位置、即ち、前記投影レンズ2aからの光を遮ることのない位置を選択して設置されている。
このように、前記DRL発光用光源11を取付けたことで、例えば、自動車のエンジンが回転しているときには、常時に前記DRL発光用光源11が点灯しているように回路設定を行っておけば、DRL10としての機能は満たすものとなるが、四輪自動車の正面投影面積は、二輪自動車に比べて格段に大きいので、前記DRL発光用光源11が点灯しているのみでは他車からの視認性が高いとは言えない。
よって、本発明では、前記インナーレンズ3の一部にも、前記DRL発光用光源11からの光により発光する部分を設け、前記DRL10としての発光面積を増加して、上記した視認性が不足するという問題点を補填している。
図2は上記に説明したプロジェクター型ヘッドランプ2、インナーレンズ3、DRL発光用光源11の好ましい配置例を示す説明図であり、前記プロジェクター型ヘッドランプ2の楕円反射面2bの第一焦点におかれた光源2cから発せられる光は、シェード2dの近傍に設定された第二焦点近傍に収束し、前記シェード2dにより遮蔽され、例えば、略下弦の半円状の配光形状を形成するものとなる。
ここで、前記投影レンズ2aは前記シェード2dの近傍に焦点を設定されているので、上記した略下弦の半円状の配光形状をインナーレンズ3を透過して、照射方向に向けて拡大投影するものとなる。このときに投影レンズ2aにより投影される配光形状は、上下左右が反転されるものとなるので、上弦の半円状となり、上向き光を含むことのない、すれ違い配光が得られるものとなる。
本発明では、上記インナーレンズ3の、上記に説明した投影レンズ2aからの光が透過しない部分に導光凸部4を設けるものであり、この導光凸部4は前記インナーレンズ3の肉厚から突出する凸状に形成されている。そして、例えば、前記DRL発光用光源11の近傍においては内面側の曲率が平面に近く設定されるなどして、前記DRL発光用光源11からの光を、この導光凸部4内に取り込み易くする光取込カット4b(図2も参照)が設けられている。
また、図2の説明図でも明らかなように、前記導光凸部4とインナーレンズ3とが接合している位置には、好ましくは薄肉部4aが設けられていて、一旦、前記DRL発光用光源11から前記導光凸部4に入射した光は、インナーレンズ3側に漏れ出す量が少なくなるように図られている。更に加えて、前記導光凸部4は、例えば枠型状、円形状、楕円形状など閉ループ状とされて、前記インナーレンズ3とのデザイン的なマッチングも図られている。
上記の構成としたことで、前記導光凸部4に入射したDRL発光用光源11からの光は、前記導光凸部4の形状に沿って進むものとなり、例えば、前記導光凸部4の照射側の面に光取出しカット4cを設けておけば、この導光凸部4がインナーレンズ3上に設けられた形状で光るものとなり、前記DRL発光用光源11のみが設けられた状態に比べて、発光面積を増加し、他車、歩行者に対する視認性の向上が可能となる。
尚、この実施例においては、前記DRL発光用光源11としてある程度の光量が要求されるものとなるので、例えばハロゲン電球を採用した例で示したが、ハロゲン電球などには直射光を遮蔽するためにブラックトップ11aが施されている場合がある。このような場合には、当該のDRL発光用光源11の後方など適宜の位置に反射鏡5を設けておき、この反射鏡5からの光を持って光取込カット4bを照射するものとすればよい。
また、本発明においては、前記DRL発光用光源11として、ハロゲン電球などを使用した例で説明したが、このDRL発光用光源11は、例えば、自動車のエンジンが回転している間は点灯を継続するものであるので、長寿命であることが要求される。よって、例えば複数のLEDランプからの光を反射鏡5で集光し、光取込カット4bに入射させるなどの手段も考えられる。
また、この実施例においては、インナーレンズ3側で出射される光束の断面積が比較的に狭いプロジェクター型ヘッドランプ2の例で説明したが、本発明はこれを限定するものではなく、例えば、フロントターン用ランプ、ポジションランプなど他の灯器であっても良く、更に言えば、小型自動車などにおいては、アウターレンズ自体が小形化されているので、視認性の向上などの面から上記と同様な手法により、アウターレンズ(図示は省略する)に設けても良いものである。
本発明では、インナーレンズ3(又はアウターレンズ)をDRL10の発光部として、共有して使用することが可能であり、よって、従来からのフロントコンビネーション型灯具1の構成を著しく変えることなく、実施が可能であり、また、DRL発光用光源11として採用するランプの消費電力の設定も自由であるので、所謂、昼間点灯用のランプとしての最適の明るさを設定できるものとなる。
また、上記のように、フロントコンビネーション型灯具1の内部に組み込んだことで、別体に形成するのに比較して、防水構造とするためのハウジングなどを用意する必要もなく、また、特に車体にこのDRL10を取付けるための取付場所も考慮する形成する必要もなく、更には、DRL10を制御するための何らの制御回路も不要として、全体としてのコストダウンが可能となる。
本発明に係るフロントコンビネーション型灯具を要部で示す正面図である。 同じく、本発明に係るフロントコンビネーション型灯具の構成を要部で示す説明図である。 従来例を示す配線図である。
符号の説明
1…フロントコンビネーション型灯具
2…プロジェクター型ヘッドランプ
2a…投影レンズ
2b…楕円反射面
2c…光源
2d…シェード
3…インナーレンズ
4…導光凸部
4a…薄肉部
4b…光取込カット
4c…光取出しカット
10…DRL
11…DRL発光用光源

Claims (7)

  1. 少なくとも1枚のレンズにより複数の灯具が覆われて成るフロントコンビネーション型灯具において、前記灯具の何れかにはDRL発光用光源を併設すると共に、前記複数の灯具の機能を損なわない範囲に筋状の導光凸部を前記レンズ厚み方向に形成し、前記導光凸部には、この導光凸部内に取り込まれた光をを前記フロントコンビネーション型灯具の照射方向に向けて放射する光取出しカットとが設けられていることを特徴とするフロントコンビネーション型灯具。
  2. 前記導光凸部には、前記DRL発光用光源からの光を、この導光凸部内に導入する光取込カットが設けられていることを特徴とする請求項1記載のフロントコンビネーション型灯具。
  3. 前記レンズに設けられる導光凸部は、一部が前記レンズの肉厚に対して、少なくとも、一方向に対して凸状とされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のフロントコンビネーション型灯具。
  4. 前記レンズと、前記導光凸部との間には薄肉部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のフロントコンビネーション型灯具。
  5. 前記レンズの前記灯具の機能を損なわない範囲に設けられる筋状の前記導光凸部は、閉ループ状とされていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載のフロントコンビネーション型灯具。
  6. 前記レンズは、前記複数の灯具の何れかに設けられたインナーレンズであることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のフロントコンビネーション型灯具。
  7. 前記レンズは、このフロントコンビネーション型灯具の全体を覆うアウターレンズであることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のフロントコンビネーション型灯具。
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