JPH04127902U - 車両用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回込部を有する灯具に設けた導光板による配
光特性の劣化を解消した車両用灯具を得る。 【構成】 電球８から射出された光が照射されない回込
部３に配置された導光板５Ａの一端部５ａに光ファイバ
１０を接続し、この光ファイバ１０の他端部に配設した
光源（発光ダイオード）９の光を光ファイバ１０を通し
て導光板５Ａの一端部に導くように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は導光板を用いた車両用灯具に関し、特に配光特性を改善した灯具に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、自動車等の車両用灯具として、車両の前後に配設する灯具の一部を側方 にまで延長させた所謂回込部を形成した灯具が提案されている。この種の灯具で は、その正面部から回込部にまで導光板を配設し、この導光板に電球の光を導入 することで、導光板を通して回込部を明るく照らすようになっている。例えば、 図８はその一例の断面図である。図において、２１は灯具ボディであり、その一 部にソケット２２を用いて電球２３を取着するとともに灯具ボディ２１の一部を 側方にまで延長して回込部２４を構成している。前記灯具ボディ２１の前部開口 にはアウターレンズ２５を装着するとともに、回込部２４の灯具ボディ２１とア ウターレンズ２５との間には、導光板２６を配設している。灯具ボディ２１の内 面はリフレクタとして構成されている。

【０００３】 この導光板２６は透明部材で構成され、その導光側端部２７を前記電球２３に 対向配置し、この電球２３の光を導光側端部２７から導光板２６の内部に導入す るとともに、この導入された光を他端側に伝達する。そして、この導光板２６の 背面には錐状に凹んだ点刻部（図示せず）を形成し、導光板２６内を透過される 光を点刻部において外方に反射させ、この反射光でアウターレンズ２５を照射し 、回込部２４を明るく照らすように構成している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来の灯具では、電球からの光を導光板２６内に有効に導くために、 導光板２６の導光側端部２７を電球２３の一側になるべく近く配置している。又 、導光板２６の導光側端部２７を灯具ボディ２１に支持させるための支持片２８ も電球に近接配置される。このため、電球２３から射出された光のうち、導光板 ２６が存在する領域では導光板２６及び支持片２８によって光の直進或いはリフ レクタへの照射が阻害され、この方向への光照射量が低減されて配光特性が劣化 されるという問題がある。 本考案の目的は導光板を配設したことによる配光特性の劣化を解消した車両用 灯具を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の車両用灯具は、電球から射出された光が照射されない回込部に配置さ れた導光板の一端部に光ファイバを接続し、この光ファイバの他端部に配設した 光源の光を光ファイバを通して導光板内に導くように構成している。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、光源の光を光ファイバを通して導光板にまで導くため、電球 からの光を導光板によって阻害することがなく、配光特性を改善する。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案について図面を参照して説明する。図１は本考案の一実施例の横 断面図であり、自動車車体の後部右側に搭載するリアコンビネーションランプの 一部を示している。又、図２は図１のＡ矢視図である。これらの図において、ラ ンプの灯具ボディ１は上下に偏平な形状に形成し、ストップ＆テールランプ２を 形成し、このストップ＆テールランプ２の一側部（自動車車体の外側に対応する 部分）を後方にまで延長させて回込部３を形成している。そして、この灯具ボデ ィ１の前面側及び一側部側にわたる開口を覆うようにアウターレンズ４を装着し 、接着剤を利用してその周辺部を灯具ボディ１に封着している。又、このアウタ ーレンズ４の内側にはインナーレンズ５を配設し、灯具ボディ１に固定している 。

【０００８】 前記ストップ＆テールランプ２の灯具ボディ１内には放物面状をしたリフレク タ６を配設し、その焦点位置には光源となる電球フィラメントが配置されるよう ソケット７を用いて電球８を支持している。又、前記回込部３では、灯具ボディ １の内面が反射面として構成されている。そして、ストップ＆テールランプ２の 背面側の灯具ボディ１の一部には、複数個の発光素子、例えば発光ダイオード９ を上下方向に並んで配設するとともに、前記回込部３とストップ＆テールランプ ２の境界部では、前記インナーレンズ５の一部を上下方向に並んだ複数箇所で切 り起こし、この切起部５ａを内側に向けて曲げ形成することで、この切起部５ａ から回込部３を含む間のインナーレンズ５を導光板５Ａとして構成している。又 、この導光板５Ａとしての部位では、図示を省略する点刻がインナーレンズ５の 内側面に形成されている。そして、前記発光ダイオード９とインナーレンズ５の 切起部５ａとを夫々光ファイバ１０で接続し、発光ダイオード９の光が光ファイ バ１０を通して切起部５ａから導光板５Ａ内に導入されるように構成している。

【０００９】 発光ダイオード９と光ファイバ１０との接続部は、図３のように、ディスクリ ート型発光ダイオード９Ａを内底面に搭載したハウジング１１の先端開口に光フ イァバ１０の端部を連結した上で、発光ダイオード９Ａを透明樹脂からなる導光 体１２で覆い、この導光体１２の太さを徐々に細くしてその先端を光ファイバ１ ０よりも小径にして光ファイバ１０に接続することで、発光ダイオード９Ａの光 を全て光ファイバ１０内に導くことができる。これは、図４に示すカード型の発 光ダイオード９Ｂの場合も同じである。尚、図４においては図３と同一部分には 同一符号を付して説明は省略する。

【００１０】 更に、図５に示すように、ディスクリート型発光ダイオード９Ｃと複数のレン ズ１３とを筒上のハウジング１４内に内装し、その一端に光ファイバ１０に接続 した構成としてもい。 又、光ファイバはリフレクタの一部に設けた穴を挿通させて切起部に接続させ ているが、図１に鎖線で示すようにリフレクタ６の端部を迂回させるように配設 してもよい。

【００１１】 この構成によれば、発光ダイオード９（９Ａ，９Ｂ，９Ｃ）から射出される光 は導光体１２或いはレンズ１３から光ファイバ１０に導かれ、更にインナーレン ズ５の一部で構成される導光板５Ａに導かれる。導光板５Ａでは点刻の作用によ って回込部３において略均等に光が外部に導出され、回込部３を均一に照明する ことが可能となる。これにより、ストップ＆テールランプ２では、導光板５Ａの 端部が電球８に近接配置されることがなくなり、導光板５Ａによる光照射の障害 が解消され、配光特性が改善できる。

【００１２】 図６は本考案の他の実施例であり、図７はそのＢ矢視図である。この実施例は リフレクタを有しない直射型のランプであるが、図１の実施例と均等な部分には 同一符号を付してある。ここではインナーレンズ５の回込部３に配設される部分 に厚肉部５ｂを形成することで導光板５Ｂを構成している。即ち、回込部３のイ ンナーレンズ５を、その厚さが徐々に薄くなるようなテーパ状に形成し、その厚 さが最も厚い内側の厚肉部５ｂにファイバホルダ１５を利用して光ファイバ１０ の端部を対向配置している。この光ファイバ１０の他端には前記実施例と同様に 発光ダイオード９が接続されている。

【００１３】 この実施例では、光ファイバ１０の一端から射出される光は導光板５Ｂの厚肉 部５ｂに照射され、この厚肉部５ｂの表面から導光板５Ｂ内に導かれる。 尚、回込部３に配設する導光板５Ａ，５Ｂは、前記各実施例ではインナーレン ズ５と一体に形成しているが、従来と同様に別体に構成しても良いことは言うま でもない。又、本考案は前記したコンビネーションランプに限られるものではな く、導光板を配設した灯具であれば、他の構成のコンビネーションランプ、或い は単一のランプにおいても前記実施例と同様に本考案を適用することができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、灯具内に配設した導光板の一端部に光ファイバ を接続し、導光板の端部と光源とを光ファイバで接続し、この光源の光を光ファ イバを介して導光板に導くので、導光板の端部をランプの電球に近接配置する必 要がなく、導光板が電球の光照射の障害になることがなく、電球による配光特性 を改善することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の横断面図である。

【図２】図１のＡ矢視図である。

【図３】発光ダイオードと光ファイバとの結合部の一例
の断面図である。

【図４】発光ダイオードと光ファイバとの結合部の他の
例の断面図である。

【図５】発光ダイオードと光ファイバとの結合部の更に
他の例の断面図である。

【図６】本考案の他の実施例の横断面図である。

【図７】図６のＢ矢視図である。

【図８】従来の灯具の一例の横断面図である。

【符号の説明】

１ 灯具ボディ ２ ストップ＆テールランプ ３ 回込部 ４ アウターレンズ ５ インナーレンズ ５Ａ，５Ｂ 導光板 ８ 電球 ９，９Ａ，９Ｂ，９Ｃ 発光ダイオード １０ 光ファイバ

フロントページの続き (72)考案者 片瀬 友史 静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸 製作所静岡工場内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電球から射出された光が照射されない灯
   具内の回込部に配設され、その一端部から導入された光
   で前記回込部を照明する導光板を備えた車両用灯具にお
   いて、前記導光板の一端部に光ファイバを接続し、この
   光ファイバの他端部に配設した光源の光を光ファイバを
   通して前記導光板内に導くように構成したことを特徴と
   する車両用灯具。