JP2009145521A - 光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた異物付着防止効果を有する異物付着防止膜を備えた光学素子を提供する。
【解決手段】光学素子としての光学ローパスフィルタ1は、光学基材としての複屈折板11上に、光学薄膜としての赤外カットフィルタ膜12が積層されてなる光学基板としてのローパスフィルタ基板10上に、フッ素含有シラン系化合物からなる薄膜である異物付着防止膜55が積層されて構成されている。異物付着防止膜55の形成用材料であるフッ素含有シラン系化合物は、フッ素含有量が35重量%以上70重量%以下であり、且つ、成膜後の平均分子量が400〜10000の範囲のものが用いられていて、異物付着防止膜55は、表面の水に対する接触角が90°以上であり、且つ、静摩擦係数が0〜0.4である状態を呈している。
【選択図】図1

Description

本発明は、優れた異物付着防止効果を有する異物付着防止膜を備えた光学素子に関するものである。
眼鏡やルーペのレンズなどのように単独で用いられる光学素子、あるいはカメラや顕微鏡などのような光学装置の光路に設置され光学特性を調整するために用いられる光学フィルタなどの光学素子において、その光学素子の表面への異物付着は、光学素子または光学素子を用いた光学装置の光学特性の劣化に直結する問題となる。例えば、CCD(Charge Coupled Device)やMOS(Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子を用いて静止画を記録する光学装置としてのデジタルカメラにおいて、被写体の光像を取り込むレンズから固体撮像素子までの光路に配置される光学フィルタなどの光学素子の表面に異物が付着すると、付着している異物により遮光されるため、固体撮像素子は、レンズから入射してきた光像を正確に受光できない。この結果、得られた画像データにおいては、光学フィルタに付着した異物の位置に対応して、黒点やシミなどが写し込まれた状態となる。
このような光学素子の表面への異物付着による問題を解決するため、光学素子の表面に、異物を付着しにくく、あるいは付着した異物を除去しやすくする異物付着防止膜を形成する対策が従来より提案されている。
例えば特許文献1には、表面にフッ素を含む材料から構成された薄膜である異物付着防止膜が形成された光学素子としての光学ローパスフィルタが記載されている。ここで、フッ素を含む材料として、特に、フッ素シロキサンやパーフルオロアルキル基を含むフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜が例示されている。フッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜は表面エネルギーが非常に小さいことから、異物付着防止効果が大きく、また、その効果が持続し、さらに、付着した異物の除去性も良好である、とされている。
特開2006−163275号公報
ところで、フッ素含有シラン系化合物には多数の組成の組み合わせがあり、それぞれの組成の組み合わせごとに、成膜された化合物薄膜の表面の物理的特性が若干異なるため、異物付着防止効果の大きさを示す表面エネルギーの大きさには差異がある。しかしながら、特許文献1においては、フッ素含有シラン系化合物の組成および組成の違いによる物理特性を規定する記載や、成膜して得られた異物付着防止膜の表面エネルギーを示す物理的特性を規定する記載が特にない。
発明者は、フッ素含有シラン系化合物の分子構造の違いによる物理特性や、成膜された化合物の表面の物理的特性の差により、異物付着防止効果、あるいは付着した異物の除去性に差があることを見いだした。詳細には、フッ素含有シラン系物質のフッ素含有量や、異物付着防止膜の成膜後の平均分子量が所定の範囲内であるとき、また、成膜した異物付着膜表面の水に対する接触角や静摩擦係数が所定範囲内であるときに、優れた異物付着防止効果と、付着した異物の除去性とを有する異物付着防止膜を形成し得ることを見出した。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例にかかる光学素子は、光学基板の最表面に異物付着防止膜を有する光学素子であって、前記異物付着防止膜の表面は、水に対する接触角が90°以上であり、且つ、静摩擦係数が0〜0.4であることを特徴とする。
この構成によれば、異物付着防止膜は表面エネルギーが十分に小さく、異物に対する吸着力が働きにくく、また、表面の滑り性がよく異物が物理的に引っかかりにくい状態となり、優れた異物付着防止効果と、付着した異物を微弱な力で除去できる優れた異物除去性とを呈することを発明者は見出した。したがって、本適用例の構成により、異物が付着しにくく、また、異物が付着した場合にその異物を容易に除去することが可能な光学素子を提供することができる。
〔適用例2〕上記適用例にかかる光学素子において、前記異物付着防止膜は、フッ素含有量が35重量%以上70重量%以下であり、且つ、成膜後の平均分子量が400〜10000のフッ素含有シラン系化合物からなることを特徴とする。
フッ素含有量が35重量%以上で且つ、成膜後の平均分子量が400以上のフッ素含有シラン系化合物により成膜された異物付着防止膜は、表面の水に対する接触角が90°以上になり、且つ、静摩擦係数が4.0以下となるのに十分なフッ素原子密度が確保され、表面エネルギーが十分に小さく平坦性に優れた状態であることを発明者は見出した。
また、フッ素含有量が35重量%以上70重量%以下で、且つ、成膜後の平均分子量が400〜10000の範囲のフッ素含有シラン系化合物によれば、異物付着防止膜の形成における溶媒への溶解性や成膜性などが製造上問題のないレベルであることを発明者は見出した。
したがって、異物の付着が起こりにくく、付着した異物を微弱な力で除去することができる異物付着防止膜を備えた光学素子を提供することができる。
〔適用例3〕上記適用例にかかる光学素子において、前記光学基板が光学薄膜を含み、前記異物付着防止膜が前記光学薄膜上に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、一般に光学薄膜は、光学基板のベースとなる光学基材との密着性を確保するように構成されているので異物付着防止膜との密着性も良好であり、光学基板が単体の光学基材であり該光学基材上に直接異物付着防止膜を形成する場合に比して、異物付着防止膜の剥離等が抑制され耐久性がよいものとなる。また、優れた異物付着防止効果を有する異物付着防止膜を備え、光学薄膜により所望の光学特性が付与された高性能な光学素子を提供することができる。
〔適用例4〕本適用例にかかる光学素子において、前記光学基板の主面の少なくとも一方の面に前記異物付着防止膜が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、光学素子の両主面ともに、異物の付着が起こりにくく、且つ、付着した異物の除去性が良好な光学素子を提供することができる。
以下、光学素子の一実施形態である光学ローパスフィルタについて図面を参照して説明する。
(光学ローパスフィルタ)
図1(a)は、本実施形態にかかる光学ローパスフィルタの構成の一例を示す斜視図であり、同図(b)は、図1(a)の光学ローパスフィルタの縦断面の一部を拡大して説明する部分断面図である。
図1(a)に示すように、光学ローパスフィルタ1は、略矩形板状の光学基板としてのローパスフィルタ基板10と、このローパスフィルタ基板10上に積層されて形成された薄膜である異物付着防止膜55とを有している。なお、赤外カットフィルタ膜が形成されていない面には、反射防止膜が形成されていてもよい。
図1(b)に示すように、ローパスフィルタ基板10は、水晶やニオブ酸リチウムなどから構成された所定の厚みを有する光学基材としての複屈折板11上に、光学薄膜としての赤外カットフィルタ膜12が積層されて構成されている。そして、このローパスフィルタ基板10の赤外カットフィルタ膜12上に、フッ素含有シラン系化合物からなる薄膜である異物付着防止膜55が積層されて光学ローパスフィルタ1を構成している。
光学ローパスフィルタ1は、例えば固体撮像素子を用いた光学装置としてのデジタルカメラなどの撮像装置において、色モアレを低減するために用いる光学素子としてよく知られている。一般に、デジタルカメラで用いられている固体撮像素子では、色フィルタアレイを用いてカラー画像を得るようにしている。このような固体撮像素子では、色フィルタアレイのピッチ相当の高い空間周波数成分の信号が入力されると、これが色信号として検波されて偽色信号が発生する。偽色信号が発生すると、撮影したカラー画像は著しく劣化する。また、CCD撮像素子やMOS撮像素子などの固体撮像素子では、光電変換を行う各画素がディスクリートな形で分離しているため、明暗の周期が各画素のピッチの1/2以下の高い空間周波数成分が入ってくると、高周波成分の折り返し像が低周波成分として出力される偽解像信号が発生し、撮影した像の解像度を低下させる要因となっている。
このような撮像素子における問題を解消するために光学ローパスフィルタ1は用いられ、高い周波数成分を抑えることにより像を故意にぼかすようにしている。一般的な光学ローパスフィルタとしては、上記の光学ローパスフィルタ1のように、水晶などの複屈折を有する結晶板(複屈折板)が主に用いられている。複屈折を有する結晶板を用いる光学ローパスフィルタは、光像の異常光を常光から画素間の距離に対応する距離だけずらして結像させることで光像をぼかし、上記した問題の発生原因となる高周波成分をカットするようにしている。このように、デジタルカメラのような光学装置においては、光学素子としての光学ローパスフィルタが必須な部品として用いられている。
(光学薄膜としての赤外カットフィルタ)
光学ローパスフィルタ1において、赤外カットフィルタ膜12は、例えば、酸化チタン(TiO2)の薄膜と酸化シリコン(SiO2)の薄膜とが複数回積層されて構成され、固体撮像素子を用いた撮像装置における赤外線による問題を解消する光学薄膜である。なお、赤外カットフィルタ膜12は、赤外線を吸収するガラスである所謂IR(Infrared)ガラスからなる薄膜であってもよい。
(異物付着防止膜)
ローパスフィルタ基板10の赤外カットフィルタ膜12上に形成されている異物付着防止膜55は、フッ素含有シラン系化合物を成膜することにより得られた薄膜である。このとき、フッ素含有シラン系化合物のフッ素含有量が35重量%以上で、且つ、成膜後の平均分子量が400以上であることを必須とする。なお、フッ素含有シラン系化合物のフッ素含有量は70重量%以下であることが好ましく、また、成膜後の平均分子量が10000以下であることが好ましい。
このような構成のフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜55は、表面の水に対する接触角が90°以上となり、且つ、静摩擦係数が0〜0.4となり、表面エネルギーが十分に小さくなって異物に対する吸着力が働きにくく、また、異物が物理的に引っかかりにくい状態になることにより、優れた異物付着防止効果と、付着した異物を微弱な力で除去できる優れた異物除去性を呈することを発明者は見出した。
フッ素含有シラン系化合物中のフッ素含有量が35重量%以上であれば、成膜された異物付着防止膜55の最表面において、該異物付着防止膜表面の水に対する接触角が90°以上になり、且つ、静摩擦係数が4.0以下となるのに十分なフッ素原子が確保される。また、成膜後のフッ素含有シラン系化合物の平均分子量が400以上であれば、比較的長い分子鎖が折りたたまれた状態となっているフルオロアルキル基の炭素−フッ素結合が非常に強くなる分、分子間凝集力が弱くなるため、折りたたまれていた分子鎖が小さな力で解きほぐされて最表面近傍に規則的に配列される。これにより、異物付着防止膜55の表面は表面エネルギーがより小さい状態となり、平坦性に優れた状態となるので、異物が接触した場合にフルオロアルキル基が容易に変形して異物が引っ掛りにくい状態になって異物の付着が起こりにくいとともに、付着した異物を微弱な力で除去することができる。
また、フッ素含有量が35重量%以上70重量%以下で、且つ、成膜後の平均分子量が400〜10000の範囲のフッ素含有シラン系化合物によれば、異物付着防止膜55の形成における溶媒への溶解性や成膜性などが製造上問題のないレベルであることを発明者は見出した。
なお、異物付着防止膜55の膜厚は特に限定されないが、0.001μm〜0.5μmが好ましく、0.001μm〜0.03μmであるとより好ましい。異物付着防止膜の膜厚が薄過ぎると、異物付着防止効果が乏しくなり、厚過ぎると、表面がべたついたり、光学素子の光学特性に悪影響を及ぼすので好ましくない。なお、異物付着防止膜55の厚みは、異物付着防止効果を確保できる範囲でできるだけ薄くする方が、クーロン力が小さくなって異物を引き寄せる力が低下するため、より好ましい。
(異物付着防止膜の形成方法)
次に、光学ローパスフィルタ1における、ローパスフィルタ基板10上への異物付着防止膜55の形成方法について説明する。
上記フッ素含有シラン系化合物を用いてローパスフィルタ基板10上に異物付着防止膜55を形成するには、有機溶剤に溶解させたフッ素含有シラン系化合物をローパスフィルタ基板10上に塗布する湿式の形成方法と、真空チャンバ内でフッ素含有シラン系化合物を含む蒸発源からフッ素含有シラン系化合物をローパスフィルタ基板10上に真空蒸着する乾式の形成方法との大別して二つの方法を採用することができる。以下、湿式および乾式それぞれの異物付着防止膜形成方法について詳細に説明する。
〔湿式の異物付着膜形成方法〕
湿式の異物付着防止膜形成方法は、フッ素含有シラン系化合物を有機溶剤に溶解させ、これを光学基板表面に塗布する方法である。塗布方法としては、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、カーテンフロー法、刷毛塗りなどを採用することができる。なお、これらの塗布方法のうち、簡易的な設備で均一な塗布が可能なディッピング法を用いることが好ましい。
フッ素含有シラン系化合物の溶媒となる有機溶剤としては、フッ素含有シラン系化合物の溶解性に優れるパーフルオロ基を有する有機化合物を用いる。例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ1,3−ジメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。また、パーフルオロエーテル系溶剤、クロロトリフルオロエチレンオリゴマー油を使用することもできる。その他に、フロン225(CF3CF2CHC12とCClF2CF2CHClFの混合物)を例示することができる。さらに、これらの有機溶剤を単独で用いることもでき、2種以上を混合して用いることもできる。
なお、上記したフッ素含有シラン系化合物の有機溶剤のうち、地球温暖化係数の低いフルオロエーテル系溶剤を用いることが特に好ましく、本発明の異物付着防止膜55を構成するフッ素含有シラン系化合物の選定においては、フルオロエーテル系溶剤に対する溶解性、および、フルオロエーテル系溶剤を溶媒として用いた場合の成膜性のそれぞれを評価項目の一つとした。
また、フッ素含有シラン系化合物を有機溶剤で希釈するときの濃度は、0.03重量%〜1重量%の範囲が好ましい。濃度が低過ぎると、十分な厚さの異物付着防止膜の形成が困難であるため十分な異物付着防止効果が得られなかったり、膜強度が弱くなって耐久性が十分得られなかったりする場合があるので好ましくない。一方、濃度が高過ぎると、異物付着防止膜が厚くなり過ぎる虞があり、塗布後に塗りむらをなくすためのリンス作業の負担が増したり、光学素子の光学特性に悪影響を及ぼしたりする虞があるので好ましくない。
ディッピング法により光学基板に異物付着防止膜を形成する方法では、上記の有機溶剤を用いて所定濃度に調整したディッピング用処理液中に光学基板を浸漬し、一定時間経過後、一定速度で光学基板を引き上げる。この際、浸漬時間としては0.5分〜3分程度が望ましい。0.5分以下であると、光学基板表面へのディッピング用処理液の吸着が十分でないため、所定の異物付着防止効果を得ることができない。また、3分以上の場合には、サイクルタイムの増加を招くので好ましくない。
光学基板の引き上げ速度は、ディッピング用処理液の濃度との兼ね合いで決めるものであるが、100mm/分〜300mm/分が望ましい。100mm/分以下では、異物付着防止膜が薄くなり過ぎて所望の異物付着防止効果が得られず、300mm/分以上では、異物付着防止膜が厚くなり過ぎ、塗布後に塗りむらをなくすためのリンス作業の増加を招くとともに、光学基板の光学特性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
ディッピング用処理液から引き上げられた光学基板は、その後、所定の温度および湿度に設定された恒温恒湿槽に一定時間投入して、光学基板上に塗布されたディッピング用処理液中の有機溶剤を除去することにより、光学基板上に異物付着防止膜が形成される。
〔乾式の異物付着防止膜形成方法〕
乾式の異物付着防止膜形成方法では、真空蒸着装置の真空チャンバ内でフッ素含有シラン系化合物を光学基板上に蒸着する真空蒸着法を用いる。真空蒸着装置は、真空チャンバ内に、フッ素含有シラン系化合物を含む蒸発源と、蒸発源を加熱する加熱ヒータと、光学基板を支持する支持装置とを有している。そして、真空チャンバ内部が、該真空チャンバに明けられた排気口から排気管を通じて接続された真空生成装置により排気されている。
真空チャンバ内において、光学基板は、異物付着防止膜を形成する側の面を蒸発源に対面させた状態で支持装置に固定される。蒸発源には、フッ素含有シラン系化合物をフッ素系溶剤で所定の固形分濃度となるように希釈し、これを多孔質セラミックスからなるペレットに所定量含浸させたものなどを用いる。
そして、真空生成装置により真空チャンバ内を減圧して所定の圧力にした後、蒸発源を加熱ヒータにより例えば600℃に加熱してフッ素含有シラン系化合物を蒸発させることによって、光学基板の蒸発源に対向させた主面側にフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜を所望の厚みになるまで蒸着させる。
異物付着防止膜の蒸着が終了した光学基板は、チャンバを除々に大気圧に戻してからチャンバから取り出す。光学基板の両主面に異物付着防止膜を形成する場合は、光学基板を反転して再度支持装置に取り付け、上記と同様な蒸着処理を行う。異物付着防止膜の形成が終了した光学基板は、チャンバから取り出した後、所定の温度および湿度に調整された恒温恒湿槽に所定時間投入してアニールを行うか、または、室内に所定時間放置してエージングを行う。その後、異物付着防止膜の厚みを調整する必要がある場合は、過剰分を拭き取るなどの除去作業を行う。
以上述べた方法により、光学基板上に異物付着防止膜を形成することができる。
上記実施形態の光学ローパスフィルタ1によれば、フッ素含有量が35重量%以上で、且つ、成膜後の平均分子量が400以上のフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜55が表面に形成されている。これにより、異物付着防止膜55の表面の水に対する接触角が90°以上になり、且つ、静摩擦係数が4.0以下となり、表面エネルギーが十分小さい状態となるので、異物に対する吸着力が働きにくく、また、異物が物理的に引っ掛かりにくくなることによって、優れた異物付着防止効果と、付着した異物を微弱な力で除去できる優れた異物除去性を有する光学ローパスフィルタ1を提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づき詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.光学基板の作成
後述する実施例および比較例において、表面に異物付着防止膜を形成する光学基板には、光学基材として円形の白板ガラス(直径30mm、厚さ0.3mm)上に無機化合物の薄膜からなる光学薄膜としての反射防止膜を真空蒸着法により形成して作成したものを用いた。
反射防止膜の形成について詳述すると、反射防止膜形成用の無機薄膜の材料として、高屈折率層の形成用材料である酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率n=2.05)と、低屈折率層の形成用材料である酸化シリコン(SiO2、屈折率n=1.46)とをそれぞれ用い、これらを次のように積層させて反射防止膜を形成した。
まず、白板ガラスを真空蒸着装置の真空チャンバ内にセットしてから、真空チャンバ内を真空度8×10-4Paまで排気し、真空槽の圧力が5×10-3Pa以下の状態で、加速電圧500V、光学基材上の電流密度を30μA/cm2として酸素ガスイオンにより60秒間のイオンクリーニング処理を施した。そして、チャンバ内の温度を60℃にした状態で、膜厚0.08λの酸化シリコン、膜厚0.15λの酸化ジルコニウム、膜厚0.05λの酸化シリコン、膜厚0.25λの酸化ジルコニウム、膜厚0.25λの酸化シリコンをこの順に蒸着することにより積層させて、5層からなる反射防止膜を形成した。なお、反射防止膜の設計波長λは520nmとした。
2.光学素子の作成(光学基板上への異物付着防止膜の形成)
後述する実施例および比較例に示す方法により、光学基板上に異物付着防止膜を形成することによって光学素子を形成した。
3.物理特性およびその他の評価
後述する各実施例および比較例で得られた光学素子は、以下に示す評価方法により諸物理特性およびその他の評価を行った。
(1)静摩擦係数の測定
新東科学株式会社製の表面試験機「ミューズ94iII」を使用して、後述する各実施例および比較例で得られた光学素子の異物付着防止膜の表面の静摩擦係数を、平織り綿布を被試験片に装着して測定した。測定は各水準ごとに三回ずつ行い、測定結果の平均値を表1に、また、測定結果の最小値〜最高値を表2に、それぞれ示す。
(2)水に対する接触角の測定
接触角計(「CA−D型」)協和株式会社製)を使用し、液適法によって、後述する各実施例および比較例で得られた光学基板上の異物付着防止膜の表面の純水の接触角を測定した。
(3)異物付着性(防塵性)
後述する各実施例および比較例で得られた光学素子の異物付着防止膜の表面への異物付着性(防塵性)を次の評価方法により評価した。まず、セルロース製不織布(「ベンコット」旭化成株式会社製)で荷重1kgfをかけながら30往復擦った後60秒放置してから、光学素子の表面よりも広い面積に敷き詰められたポリエチレンからなる多数のビーズ(平均粒径10μm)に、光学素子の異物付着防止膜側の表面を静かに接触させた。その後、光学素子の異物付着防止膜側を下向きにして10秒静止してから、光学素子の異物付着防止膜側を上向きにし、この状態で顕微鏡により異物付着防止膜表面の3mm×2.3mmの領域を観察して付着しているビーズを計数した。測定は10箇所行い、その平均値を異物の付着量として、次の評価基準にて防塵性(異物の付着し難さ)を判定した評価結果を表1に示す。
〇:300個未満
△:300個以上,500個未満
×:500個以上
なお、測定時の環境は、室温25℃±3℃、湿度55%±5%RHであった。
(4)異物除去性
後述する各実施例および比較例で得られた光学基板の異物付着防止膜の表面に、上記異物付着性の評価方法と同一の方法にてビーズを付着させた後、異物付着防止膜の表面から5cmの距離からエアブロアにより圧力50KPaの乾燥空気を10秒吹き付けた。そして、異物付着防止膜表面の3mm×2.3mmの領域を観察して付着しているビーズを計数した。測定は10箇所行い、その平均値を付着量(除去後付着量)として、次の評価基準(上記異物付着量の評価基準の約三分の一)にて異物の除去性を判定した評価結果を表1に示す。
〇:100個未満
△:100個以上,150個未満
×:150個以上
なお、測定時の環境は、室温25℃±3℃、湿度55%±5%RHであった。
Figure 2009145521
(5)成膜性
後述する各実施例および比較例において、湿式または乾式の膜形成方法により異物付着防止膜を形成する過程および成膜された異物付着防止膜の膜特性に問題がないかどうかを確認した評価結果を表2に示す。
〇:特に問題なし
△:成膜過程または成膜後、くもり等があっても洗浄すれば適用可能なレベル
×:適用不可と判断される問題がある
Figure 2009145521
(実施例1)
光学基板の反射防止膜上に、真空蒸着法によりフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜を形成した。
フッ素含有シラン系化合物として、GE東芝シリコーン株式会社製の化合物(製品名:TSL8257)を用いた。ここで、TSL8257を、住友スリーエム株式会社製のフルオロエーテル系溶剤(製品名:ノベックHFE−7200)に希釈して固形分濃度3%溶液を調製し、これを多孔質セラミックス製のペレットに1g含浸させ乾燥させたものを蒸発源として真空チャンバ内にセットした。
また、異物付着防止膜形成中は、ハロゲンランプを加熱ヒータとして使用し、蒸発源のペレットを600℃に加熱して、フッ素含有有機ケイ素化合物を蒸発させた。蒸着時間は3分であった。
(実施例2)
光学基板の反射防止膜上に、ディッピング法によりフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜を形成した。
フッ素含有シラン系化合物として、一般式(1)に示すものを用いた。
Figure 2009145521

・・・(1)
ここで、一般式(1)に示すフッ素含有シラン系化合物を住友スリーエム株式会社製のフルオロエーテル系溶剤(製品名:ノベックHFE−7200)に希釈して0.2重量%の濃度の溶液を調整し、異物付着防止膜形成用のディッピング用処理液とした。そして、光学基板をディッピング用処理液に浸漬して1分保持した後、150mm/分の速度にて引き上げ、その後、60℃、90%RHに設定した恒温恒湿槽に投入し、2時間保持することで異物付着防止膜を形成した。
(実施例3)
光学基板の反射防止膜上に、ディッピング法によりフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜を形成した。
フッ素含有シラン系化合物として、一般式(2)に示すものを用いた。
Figure 2009145521

・・・(2)
その他は、実施例2と同様であった。
(実施例4)
光学基板の反射防止膜上に、ディッピング法によりフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜を形成した。
フッ素含有シラン系化合物として、一般式(3)に示すものを用いた。
Figure 2009145521

・・・(3)
その他は、実施例2および実施例3と同様であった。
(比較例1)
光学基板の一方の主面側に形成された反射防止膜上に、真空蒸着法によりフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜を形成した。
フッ素含有シラン系化合物として、信越化学株式会社製の化合物(製品名:LS−1080)を用いた。
その他は、実施例1と同様であった。
(比較例2)
光学基板の一方の主面側に形成された反射防止膜上に、フッ化マグネシウム(MgF2)からなる異物付着防止膜を形成した。
その他は、実施例1と同様であった。
(評価結果)
表1の結果により、上記実施例1〜4のフッ素含有シラン系化合物からなる異物付着防止膜は、比較例2の異物付着防止膜に比して、異物付着防止効果(防塵性)および付着した異物の除去性が明らかに向上している。また、フッ素含有シラン系化合物からなる比較例1の異物付着防止膜は、実施例1〜4の異物付着防止膜に比して、異物付着防止効果はやや劣り、付着した異物の除去性は明らかに劣っている。
異物付着防止効果および付着した異物の除去性が良好であることが確認された実施例1〜4のフッ素含有シラン系化合物が、いずれも成膜後の平均分子量が400以上であるのに対して、異物付着防止効果および付着した異物の除去性が劣っていた比較例1のフッ素含有シラン系化合物の成膜後の平均分子量は200であり400を大きく下回っていた。
また、実施例1〜4のフッ素含有シラン系化合物のフッ素含有量がいずれも35重量%以上であるのに対して、比較例1のフッ素含有シラン系化合物のフッ素含有量は30重量%であり35重量%を下回っていた。
また、実施例1〜4のフッ素含有シラン系化合物の表面の水に対する接触角がいずれも90°以上あり、さらに100°を上回っているのに対して、比較例1のフッ素含有シラン系化合物の成膜後の表面の水に対する接触角は85°であり、90°を下回っていた。
また、実施例1〜4のフッ素含有シラン系化合物の表面の静摩擦係数がいずれも0.4以下であるのに対して、比較例1のフッ素含有シラン系化合物の表面の静摩擦係数は0.4を上回っていた。なお、静摩擦係数は、フッ素含有シラン系化合物の成膜後の平均分子量が大きくなるほど低い値となっている傾向が顕著にみられる。
(変形例)
上記実施形態の光学ローパスフィルタ1は、ローパスフィルタ基板10の一方の主面側にのみ異物付着防止膜55を設ける構成とした。これに限らず、ローパスフィルタ基板10(光学基板)の両主面に異物付着防止膜を設ける構成としてもよい。
図2は、光学基板の両主面に異物付着防止膜を備えた光学ローパスフィルタの部分断面図である。
図2に示すように、光学ローパスフィルタ100は、水晶やニオブ酸リチウムなどから構成された所定の厚みを有する複屈折板21の一方の主面上に、赤外カットフィルタ膜22が積層されて構成されたローパスフィルタ基板20を有している。そして、ローパスフィルタ基板20の赤外カットフィルタ膜22上と、ローパスフィルタ基板20の赤外カットフィルタ膜22が形成された側と異なる他方の主面上に、フッ素含有シラン系化合物などの薄膜からなる異物付着防止膜65が積層されて形成されている。また、上記の他方の主面にはあらかじめ反射防止膜等が形成され、その上に異物付着防止膜65が積層されて形成されていてもよい。
この構成によれば、光学ローパスフィルタ100を光路に備えた光学装置において、光学ローパスフィルタ100の両面に優れた防塵効果を有する異物付着防止膜が形成されているので、異物付着による光学装置の光学特性の劣化をより効果的に防止することができる。例えば、光学装置としてのデジタル一眼レフカメラにおいて、交換可能なレンズのレンズ取り付け部分近傍に光学ローパスフィルタ100を設置した構成とした場合に、レンズ交換時に外部からカメラ本体内部に浸入してくる異物と、カメラ本体内部に残存していて光学ローパスフィルタ100側に移動してくる異物との双方に対して防塵効果を奏し、光学ローパスフィルタ100への異物付着による光学装置の光学特性の劣化をより軽減することができる。
〔除塵手段〕
上記実施形態およびその変形例で説明した異物付着防止膜55,65を有する光学ローパスフィルタ1,100(光学素子)は、それを組み込む光学装置において実施することが可能な下記のような除塵手段と組み合わせることにより、その異物付着防止効果および付着した異物の除去する除塵効果をさらに効果的に発揮することができる。
まず、振動を利用した除塵手段について説明する。
光学ローパスフィルタ1,100などの光学素子を振動させる加振手段を設けて光学素子を振動させることにより、異物の付着を抑制することができ、また、付着した異物を除去することが可能である。例えば、光学素子を所定の周波数で振動させる加振手段として、周波電圧を印加できるように構成された電気機械変換素子を含む加振部材を光学素子の周縁部に取り付け、電気機械変換素子に周波電圧を印加して加振部材を介して光学素子を振動させる方法などが考えられる。このような振動を利用した除塵手段を併用することにより、上記実施形態および変形例の光学ローパスフィルタ1,100の異物付着防止膜55,65による異物付着防止効果はより効果的に発揮される。すなわち、光学ローパスフィルタ1,100の表面に異物が接近した場合には、光学ローパスフィルタ1,100の表面が振動していることにより異物が付着しにくくなり、また、異物が付着してしまった場合には、振動により異物が光学ローパスフィルタ1,100の表面から除去されやすくなる。
次に、静電気を利用した防塵手段について説明する。
光学装置内において、光学素子の異物付着防止膜が形成された面と対向する面を+(プラス)あるいは−(マイナス)に帯電させることが可能な集塵板を、光学素子の異物付着防止膜が形成された面と平行な方向にスライド自在に設置する。この集塵板は、光学素子の除塵動作時以外は、光学素子の光路から外れた位置に待機させておく。
光学素子の表面には、+(プラス)あるいは−(マイナス)に帯電したほこりなどの異物が付着している場合、この帯電したほこりなどの異物によって、光学素子の表面には、ほこりの電荷とは逆電位の電荷が誘電されている。
前記の集塵板により除塵動作を行う際には、例えば集塵板を+に帯電させた状態で、光学素子の異物付着防止膜が形成された面に沿って所定の速度で走査させることにより、光学素子上に−に帯電している異物が集塵板に吸い寄せられるので、光学素子から除去することができる。同様に、光学素子上に−で帯電している異物は、集塵板を+に帯電させて光学基板表面に沿って走査させることにより除去することができる。このとき、上記実施形態または変形例の光学ローパスフィルタ1,100の表面には、表面エネルギーが非常に低い状態の異物付着防止膜55,65を有しているので、上記集塵板を用いた静電気を利用した除塵手段の除塵効果が著しく向上する。
この他の静電気を利用した防塵手段としては、光学装置にイオナイザを設け、このイオナイザから光学素子の表面に向けてイオン化された空気を当てることにより、光学素子の表面の帯電電荷を発生イオンにより中和する方法もある。この方法を併用することによっても、表面に異物付着防止膜が設けられた光学素子への異物付着をさらに効果的に抑えることができる。
上記した振動を利用した除塵手段と静電気を利用した防塵機構とは、これらを併用して同時に作動させてもよく、これによれば、上記実施形態および変形例の光学ローパスフィルタ1,100が備えた異物付着防止膜55,65の異物付着防止効果と相まって、異物を除去する効果をさらに効果的に発揮させることができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態やその変形例、あるいは実施例について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態およびその変形例、あるいは実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では光学素子としての光学ローパスフィルタ1に異物付着防止膜55を設けた例について詳細に説明した。これに限らず、本発明の異物付着防止膜は、眼鏡やルーペのレンズなどのように単独で用いられる光学素子や、光学装置などの光路に配置され、所望の光学特性を得ながら光を透過あるいは反射させるのに供する様々な光学素子に対して適用することができる。例えば、偏光フィルタ、減光フィルタ、変則反射除去フィルタ、色彩強調・効果用フィルタなどの、光学ローパスフィルタ以外の光学フィルタや、各種のレンズ、あるいはプリズムなどの光学素子の異物付着防止膜として適用することができる。
また、上記実施形態では、光学薄膜としての赤外カットフィルタ膜12が設けられ、その赤外カットフィルタ膜12上に異物付着防止膜55が形成された光学ローパスフィルタ1(光学素子)について説明した。これに限らず、光学ローパスフィルタ1(光学素子)には、要求される光学的特性あるいは機械的特性に応じて、種々の光学薄膜が設けられる場合がある。例えば、低屈折率物質と高屈折率物質とを交互に積層させた反射防止膜を形成する場合がある。低屈折率物質として酸化珪素が、高屈折率物質としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。
また、プラスチックなど機械的強度が低い基材からなる光学基板を用いる場合には、耐磨耗性を高めるためのハードコート層を設ける構成としてもよい。このとき、ハードコート層は、無機微粒子を有するゾルゲルを硬化する湿式法などによって形成することができる。
(a)は、光学素子の一実施形態である光学ローパスフィルタの構成を示す斜視図、(b)は、光学ローパスフィルタの縦断面の一部を説明する部分断面図。 光学ローパスフィルタの変形例を説明する部分断面図。
符号の説明
1,100…光学素子としての光学ローパスフィルタ、10,20…光学基板としてのローパスフィルタ基板、11,21…光学基材としての複屈折板、12,22…光学薄膜としての赤外カットフィルタ膜、55,65…異物付着防止膜。

Claims (4)

  1. 光学基板の最表面に異物付着防止膜を有する光学素子であって、
    前記異物付着防止膜の表面は、水に対する接触角が90°以上であり、且つ、静摩擦係数が0〜0.4であることを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子であって、
    前記異物付着防止膜は、フッ素含有量が35重量%以上70重量%以下であり、且つ、成膜後の平均分子量が400〜10000のフッ素含有シラン系化合物からなることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1または2に記載の光学素子であって、
    前記光学基板が光学薄膜を含み、前記異物付着防止膜が前記光学薄膜上に形成されていることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学素子であって、
    前記光学基板の主面の少なくとも一方の面に前記異物付着防止膜が形成されていることを特徴とする光学素子。
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