JP2009145408A - レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性に優れたレジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、
前記酸発生剤成分(B)は、カチオン部に酸解離性基を有する、互いに異なる二種の酸発生剤(B1)および(B2)を含むことを特徴とするレジスト組成物;かかるレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物および該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のFエキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂と、酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ可溶性となる。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)が用いられてきた。しかし、PHS系樹脂は、ベンゼン環等の芳香環を有するため、248nmよりも短波長、たとえば193nmの光に対する透明性が充分ではない。そのため、PHS系樹脂をベース樹脂成分とする化学増幅型レジストは、たとえば193nmの光を用いるプロセスでは解像性が低いなどの欠点がある。
そのため、現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、一般的に(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が用いられている。ポジ型の場合、かかる樹脂としては、脂肪族多環式基を含有する第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を含む(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位、例えば2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等から誘導される構成単位を有する樹脂が主に用いられている(たとえば特許文献1参照)。
なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
一方、化学増幅型レジストにおいて使用される酸発生剤としては、これまで多種多様のものが提案されており、たとえばヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが知られている。現在、酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウム骨格、ジナフチルモノフェニルスルホニウム骨格等を含む酸発生剤が用いられている(特許文献2参照)。
特開2003−241385号公報 特開2005−37888号公報
近年、レジストパターンの微細化がますます進むにつれ、高解像性とともに、種々のリソグラフィー特性の向上が求められている。そのなかの一つとして、パターン形成の際のプロセスマージン等を向上させるため、焦点深度幅(DOF)特性の向上が求められている。
「DOF」とは、同一の露光量において、焦点を上下にずらして露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる焦点深度の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる範囲のことであり、その値が大きいほど好ましい。
しかしながら、従来のレジスト組成物においては、DOF特性が不充分であるという問題がある。そして、DOFなどのリソグラフィー特性の改善は、酸発生剤の改善により達成できると考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性に優れたレジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために以下の手段を提案する。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、前記酸発生剤成分(B)は、カチオン部に酸解離性基を有する、互いに異なる二種の酸発生剤(B1)および(B2)を含むことを特徴とするレジスト組成物である。
また、本発明の第二の態様は、上記本発明の第一の態様のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」とは、放射線の照射全般を含む概念とする。
「酸解離性基」は、酸の作用により解離しうる有機基である。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」とは、炭素原子数1〜5のアルキル基を意味する。
本発明により、焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性に優れたレジスト組成物およびレジストパターン形成方法が提供される。
≪レジスト組成物≫
本発明の第一の態様のレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下、(A)成分という。)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)を含有するレジスト組成物であって、前記(B)成分は、カチオン部に酸解離性基を有する、互いに異なる二種の酸発生剤(B1)および(B2)を含むものである。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する高分子材料を用いることができ、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する低分子材料を用いることもできる。
また、本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよい。
本発明のレジスト組成物がネガ型レジスト組成物である場合、例えば、(A)成分はアルカリ可溶性樹脂であり、さらに当該ネガ型レジスト組成物に架橋剤(C)が配合される。
かかるネガ型レジスト組成物は、レジストパターン形成時に、露光により(B)成分から酸が発生すると、露光部は、当該酸が作用してアルカリ可溶性樹脂と架橋剤との間で架橋が起こり、アルカリ不溶性へ変化する。
アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。なお、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
架橋剤(C)としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤を用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤(C)の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合、(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。すなわち、(A)成分は、いわゆる酸解離性溶解抑制基を有するアルカリ不溶性のものであり、レジストパターン形成時に、露光により(B)成分から酸が発生すると、当該酸が酸解離性溶解抑制基を解離させることにより、(A)成分がアルカリ可溶性となる。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)(以下、(A1)成分という。)であることが好ましい。すなわち、本発明のレジスト組成物としては、ポジ型レジスト組成物であることが好ましい。
<(A1)成分>
かかるポジ型レジスト組成物において好適に用いられる(A1)成分としては、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
また、前記(A1)成分は、さらにラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、前記(A1)成分は、さらに極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが特に好ましい。
・構成単位(a1)
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。
一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素原子および水素原子からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”−1)〜(a1”−6)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 2009145408
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R15、R16はアルキル基(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である。)を示す。]
一般式(a1”−1)〜(a1”−6)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2009145408
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは低級アルキル基または脂肪族環式基を表す。]
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2009145408
[式中、R’、n、Yは上記と同様である。]
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2009145408
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
Figure 2009145408
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示す。]
Figure 2009145408
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示し;Yはアルキレン基または脂肪族環式基を示す。]
一般式(a1−0−1)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定することはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、又は2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
が炭素数1〜10のアルキレン基である場合、炭素数1〜6であることが更に好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が二個以上除かれた基であることが特に好ましい。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2009145408
[上記式中、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し;nは0〜3の整数を表し;Yはアルキレン基または脂肪族環式基を表し;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
式中、X’は前記Xにおいて例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)および(a1−1−35)〜(a1−1−41)なる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
Figure 2009145408
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R11は低級アルキル基を示す。]
Figure 2009145408
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R12は低級アルキル基を示す。hは1〜3の整数を表す。]
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
(A1)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2009145408
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R’は水素原子、低級アルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基または−COOR”であり、前記R”は水素原子、または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキルキル基であり、mは0または1の整数であり、A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
A”の酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
(A1)成分において、構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
構成単位(a2)として、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。なかでも、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−2−9)、(a2−2−10)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
(A1)成分中の構成単位(a2)の割合は、共重合体(A1)を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、(a3−2)で表される構成単位、(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2009145408
[式中、Rは前記に同じであり、jは1〜3の整数であり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。]
式(a3−1)中、jは1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該共重合体(A1)を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a4)
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 2009145408
[式中、Rは前記と同じである。]
かかる構成単位(a4)を(A1)成分に含有させる際には、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a4)を1〜30モル%含有させることが好ましく、10〜20モル%含有させることがより好ましい。
本発明において、(A1)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(重合体)であり、かかる樹脂成分(重合体)として好適なものとしては、たとえば、上記構成単位(a1)、(a2)および(a3)を有する共重合体であり、かかる共重合体としては、たとえば、構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体、構成単位(a1)、(a2)、(a3)および(a4)からなる共重合体等が例示できる。
本発明において、(A1)成分としては、特に下記一般式(A1−1)で表される様な構成単位の組み合わせを含む共重合体(A1−1)が好ましい。
Figure 2009145408
[式中、Rは前記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。R20は低級アルキル基である。]
式(A1−1)中、Rは前記と同様であり、なかでも、水素原子またはメチル基であることが好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
20は低級アルキル基であり、Rの低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
(A1)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A1)成分中の共重合体(A1−1)の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。なかでも、100質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、ポジ型レジスト組成物とした際、リソグラフィー特性がより向上する。
(A1)成分は、共重合体(A1−1)以外のアルカリ可溶性樹脂成分、たとえば従来のポジ型レジスト組成物に用いられている他の高分子化合物等を用いることもできる。
(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
本発明のレジスト組成物中、(A1)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
本発明のレジスト組成物において、(B)成分は、カチオン部に酸解離性基を有する、互いに異なる二種の酸発生剤(B1)(以下、(B1)成分という。)および(B2)(以下、(B2)成分という。)を含むものである。
(B1)および(B2)成分における酸解離性基とは、酸の作用により解離しうる有機基であり、このようなものであれば特に限定されないが、例えば、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものが挙げられる。具体的には、前記構成単位(a1)において挙げた酸解離性溶解抑制基と同様ものが挙げられる。
[(B1)成分]
(B1)成分としては、酸解離性基を有するものであれば特に限定されず、たとえば、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものに、酸解離性基含有基が導入されたものが挙げられる。ここで、酸解離性基含有基とは、その構造中に酸解離性基を含む基であり、酸解離性基そのものであってもよく、酸解離性基と、酸で解離しない基または原子(酸解離性基が解離した後も当該酸発生剤に結合したままの基または原子)とから構成される基であってもよい。
酸発生剤に、酸解離性基含有基を導入する方法としては、特に限定されず、公知の方法を利用できる。たとえば、水酸基、カルボキシ基等の親水基を有する酸発生剤を用意し、該親水基の水素原子を、酸解離性基含有基で置換する方法が挙げられる。
(B1)成分としては、露光波長帯(特にArFエキシマレーザーの波長帯域)に対する透明性が高いものが好ましい。そして、(B1)成分は、併用する(B2)成分よりも前記露光波長帯に対する透明性が高いものが好ましく、同じ測定条件下において(B1)成分の波長193nmにおける吸光度は、(B2)成分のそれよりも低いことが好ましい。同じ測定条件下において(B1)成分および(B2)成分の波長193nmにおける吸光度を比較する際は、例えば、(B1)成分および(B2)成分のいずれか一方を用いたこと以外は同じ組成のレジスト組成物を、同じ条件でスピンナー等を用いて石英基板上に塗布およびベークすることによりレジスト膜を形成し、該レジスト膜について、波長193nmにおける吸光度を測定して比較すると良い。ベークする際の温度及び時間は特に限定されないが、温度は好ましくは80〜150℃であり、時間は好ましくは40〜120秒間、より好ましくは60〜90秒間である。
そして、(B1)成分の193nmにおける吸光度は、(B2)成分の193nmにおける吸光度の80%未満であることが好ましく、70%未満であることがより好ましく、65%未満であることが特に好ましい。吸光度をこのような範囲とすることで、レジストパターンは、焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性が良好なものとなる。
好ましい(B1)成分としては、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものに酸解離性基含有基が導入されたもの以外に、ジベンゾチオフェン骨格を含むカチオン部を有するものが挙げられる。このような(B1)成分は、通常、トリフェニルスルホニウム(TPS)等をカチオン部に有するような酸発生剤よりも、前記露光波長帯に対する透明性がより高い。
なかでも、ジベンゾチオフェン骨格を含むカチオン部としては、下記一般式(b’−8)で表されるものが好ましい。
Figure 2009145408
[式中、R401は酸解離性基であり、R41〜R43はそれぞれ独立してハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、またはヒドロキシアルキル基であり、Qは2価の連結基または単結合であり;nは1〜3の整数であり、n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、ただし、n+nは5以下である。]
前記一般式(b’−8)中、R401は酸解離性基であり、R41、R42およびR43はそれぞれ独立してハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、またはヒドロキシアルキル基である。
401の酸解離性基としては、酸の作用により解離しうる有機基であれば特に限定されないが、環状または鎖状の第3級アルキルエステル型酸解離性基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性基などが挙げられ、これらの中でも、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
401としては、下記一般式(b’−8−0)で表される酸解離性基であることが好ましい。
Figure 2009145408
[式中、複数のR501はそれぞれ同じであっても異なっていても良く、少なくとも1つは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり;残りの2つのR501は、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数4〜20の1価の脂肪族環式基であるか、あるいは、前記残りの2つのR501は相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環式基を形成している。]
脂肪族環式基としては、例えば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
一般式(b’−8−0)で表される酸解離性基として、複数のR501がそれぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であるものとしては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基等が挙げられる。
一般式(b’−8−0)で表される酸解離性基として、複数のR501の少なくとも1つが炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、残りの2つのR501が、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数4〜20の1価の脂肪族環式基であるものとしては、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、などが挙げられる。
一般式(b’−8−0)で表される酸解離性基として、複数のR501のうち、1つのR501が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、2つのR501が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環式基を形成しているものとしては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基などの2−アルキル−2−アダマンチル基や、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基などの1−アルキル−1−シクロアルキル基が挙げられる。
一般式(b’−8−0)で表される酸解離性基としては、これらの中でも、複数のR501のうち、1つのR501が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、2つのR501が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環式基を形成しているものが好ましく、特に2−メチル−2−アダマンチル基が好ましい。
41、R42およびR43において、アルキル基は、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、又はイソペンチル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基の一又は複数の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
ハロゲン化アルキル基は、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であることが更に好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基であることが最も好ましい。
は1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
は0〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
およびnは、それぞれ独立して0〜3の整数であり、好ましくは、それぞれ独立して0又は1であり、より好ましくはいずれも0である。
ただし、n+nは5以下である。
前記一般式(b’−8)中、Qは2価の連結基または単結合である。
2価の連結基としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、シクロプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基等の炭素数1〜8の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基が挙げられる。また、Qにおける2価の連結基は、酸素原子を含んでいてもよく、エーテル基、エステル基等も挙げられる。これらの中でも、合成のしやすさ等の点で、直鎖状のアルキレン基が好ましく、特にメチレン基が好ましい。
前記一般式(b’−8)中、Qは2価の連結基であることが好ましい。
(B1)成分のアニオン部は特に制限されず、オニウム塩系酸発生剤のアニオン部として知られているものを適宜用いることができる。例えば、一般式「R14SO (R14は、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基を表す。)」で表されるアニオン、または一般式「R−O−Y−SO (Rは1価の脂肪族炭化水素基、1価の芳香族有機基、又はヒドロキシアルキル基であり;Yはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基である。)」で表されるアニオンを用いることができる。
前記一般式「R14SO 」において、R14は、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。
前記R14としての直鎖状、若しくは分岐鎖状のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記R14としての環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記R14としてはハロゲン化アルキル基が好ましい。すなわち、(B1)成分のアニオン部は、ハロゲン化アルキルスルホン酸イオンであることが好ましい。ハロゲン化アルキルとは、アルキル中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものである。ここで、ハロゲン化アルキルは、前記R41、R42およびR43における「アルキル基」と同様のものにハロゲン原子が置換したものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。ハロゲン化アルキルにおいて、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
ここで、該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(フッ素化前のアルキル基中の全水素原子数に対する、フッ素化により置換したフッ素原子の数の割合、以下同様。)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R14としてのアリール基は、置換基を有していてもよい、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基などが挙げられる。置換基は複数有していても良い。
前記R14としてのアルケニル基は、置換基を有していてもよい、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基などが挙げられる。置換基は複数有していても良い。
前記一般式「R−O−Y−SO 」において、Rは1価の脂肪族炭化水素基、芳香族有機基、又はヒドロキシアルキル基であり;Yはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基である。
の1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の1価の飽和炭化水素基、又は、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状の1価の脂肪族不飽和炭化水素基が挙げられる。
直鎖状の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基などが挙げられる。
分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
環状の1価の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
の1価の脂肪族炭化水素基の炭素数は、3〜4が好ましく、3が特に好ましい。
の1価の芳香族有機基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基;これらのアリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのアリール基、ヘテロアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
のヒドロキシアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状の1価の飽和炭化水素基の少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されたものである。直鎖状又は分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基の1つまたは2つの水素原子が水酸基に置換されたものが好ましい。具体的には1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
の1価のヒドロキシアルキル基の炭素数は3〜10が好ましく、3〜8がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
の、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−;等を挙げることができる。
また、Yの、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基としては、Sに結合する炭素原子がフッ素化されていることが好ましく、このようなフッ素化アルキレン基として、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−;等を挙げることができる。
これらの中でも、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CFCF−が特に好ましい。
(B1)成分のアニオン部としては、下記一般式(b−3)で表されるアニオン、下記一般式(b−4)で表されるアニオン等を用いることができる。
Figure 2009145408
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜6であり、より好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は好ましくは1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜7、最も好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
(B1)成分として、複数のR501がそれぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、Qが単結合であるものの好ましい具体例としては、以下の式(b1−81)〜式(b1−89)で表される化合物が挙げられ、Qが2価の連結基であるものの好ましい具体例としては、以下の式(b1−121)〜式(b1−129)で表される化合物が挙げられる。
(B1)成分として、複数のR501の少なくとも1つは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、残りの2つのR501が、それぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素数4〜20の1価の脂肪族環式基であり、Qが単結合であるものの好ましい具体例としては、以下の式(b1−91)〜式(b1−99)で表される化合物が挙げられ、Qが2価の連結基であるものの好ましい具体例としては、以下の式(b1−131)〜式(b1−139)で表される化合物が挙げられる。
(B1)成分として、複数のR501の少なくとも1つは炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、残りの2つのR501が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂肪族環式基を形成し、Qが単結合であるものの好ましい具体例としては、以下の式(b1−101)〜式(b1−119)で表される化合物が挙げられ、Qが2価の連結基であるものの好ましい具体例としては、以下の式(b1−141)〜式(b1−159)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
これらの中でも、(B1)成分としては、前記化学式(b1−141)で表される化合物が好ましい。
<(B1)成分の製造方法>
前記一般式(b’−8)で表されるカチオン部を有する(B1)成分のうち、Qが単結合であるものは、例えば、以下のようにして製造できる。
有機溶剤(例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)中へ、下記一般式(b1−5)で表される化合物(以下、中間体化合物(b1−5)という。)、下記一般式(b1−8−20)で表される化合物、及びアミン触媒(例えば、N,N−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等)を添加し、5〜50℃にて10分〜12時間、より好ましくは30分〜3時間反応させ、反応生成物を希塩酸、水等にて洗浄し、例えば、反応生成物の有機溶剤(例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)溶液を、貧溶媒(例えばヘキサン、ジブチルエーテル等)中へ滴下することで得ることができる。
Figure 2009145408
[式中、R41は、上記(b’−8)式中のR41と同様であり;n、nは、上記(b’−8)式中のn、nと同様であり、R42およびR43は、上記(b’−8)式中のR42およびR43と同様であり;nおよびnは上記(b’−8)式中のnおよびnと同様であり;Xは、前記(B1)成分のアニオン部である。]
Figure 2009145408
[式中、R401は、上記(b’−8)式中のR401と同様である。]
また、前記一般式(b’−8)で表されるカチオン部を有する(B1)成分のうち、Qが2価の連結基であるものは、例えば、以下のようにして製造できる。
有機溶剤(例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)中へ、中間体化合物(b1−5)及び塩基(例えば、水素化ナトリウム等)を添加し、次いで一般式「Br−Q−C(=O)−O−R401(式中、QおよびR401は前記と同様である。)」等で表される化合物を添加して、還流下にて1〜40時間、より好ましくは10〜30時間反応させ、反応生成物を水中に添加し、有機溶剤(例えばジクロロメタン等)で抽出した後、有機層を濃縮し、ジクロロメタン等の有機溶剤に溶解後、希塩酸、水等にて洗浄し、貧溶媒(例えばヘキサン、ジブチルエーテル等)中へ滴下することで得ることができる。
また、中間体化合物(b1−5)は、例えば、五酸化二リンのメタンスルホン酸溶液中へ下記一般式(b1−5−20)で表される化合物を添加し、室温付近まで冷却した後、下記一般式(b1−5−21)で表される化合物をゆっくりと添加し、室温にて2〜40時間、より好ましくは5〜20時間反応させる。反応生成物を水と有機溶剤(例えばジクロロメタン、クロロベンゼン、ヨードベンゼン等)の混合溶液にて洗浄し、水相を取り出し、そこへ例えば下記一般式(b1−5−22)で表されるカリウム塩を添加し、室温にて0.5〜8時間、より好ましくは1.0〜4時間反応させることで得ることができる。
Figure 2009145408
[式中、R41は、上記(b’−8)式中のR41と同様であり;n、nは、上記(b’−8)式中のn、nと同様である。]
Figure 2009145408
[式中、R42およびR43は、上記(b’−8)式中のR42およびR43と同様であり;nおよびnは上記(b’−8)式中のnおよびnと同様である。]
・・・(b1−5−22)[Xは、前記と同様である。]
[(B2)成分]
(B2)成分としては、酸解離性基を有するもので、(B1)成分と互いに異なるものであれば特に限定されず、たとえば(B1)成分同様に、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものに、酸解離性基含有基が導入されたものが挙げられる。
そして(B2)成分は、少なくともカチオン部の構造が(B1)成分と異なるものが好ましく、カチオン部がジベンゾチオフェン骨格を含まないものがより好ましい。
(B2)成分としては、露光波長帯(特にArFエキシマレーザーの波長帯域)に対する感度が高いものが好ましく、併用する(B1)成分よりも感度が高いものが好ましい。
好ましい(B2)成分としては、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものに酸解離性基含有基が導入されたもの以外に、下記一般式(b’−14)で表されるカチオン部を有するものが挙げられる。このような(B2)成分は、通常、レジスト膜において露光部/非露光部の高コントラスト化を可能とするものである。
Figure 2009145408
[式中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく(ただし、ジベンゾチオフェン骨格は除く);R”〜R”のうち少なくとも1つは、水素原子の一部または全部がアルコキシアルキルオキシ基またはアルコキシカルボニルアルキルオキシ基で置換された置換アリール基である。]
前記一般式(b’−14)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表す。ただし、R”〜R”のうち少なくとも1つは、水素原子の一部または全部がアルコキシアルキルオキシ基またはアルコキシカルボニルアルキルオキシ基で置換された置換アリール基である。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部が、アルコキシアルキルオキシ基およびアルコキシカルボニルアルキルオキシ基以外の置換基、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。このようなアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
”〜R”のうち少なくとも1つは、前記アリール基の水素原子の一部または全部がアルコキシアルキルオキシ基またはアルコキシカルボニルアルキルオキシ基で置換された置換アリール基である。R”〜R”のうち2つ以上が前記置換アリール基であっても良いが、R”〜R”のうちいずれか1つが前記置換アリール基であることが最も好ましい。
前記置換アリール基中の、水素原子が置換されたアルコキシアルキルオキシ基としては、例えば、下記一般式(b’−14−1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2009145408
[式中、R47およびR48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基であり、R48およびR49は相互に結合して一つの環構造を形成していても良い。ただし、R47およびR48のうち少なくとも1つは水素原子である。]
式中、R47およびR48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、ただし、R47およびR48のうち少なくとも1つは水素原子である。
47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
そして、R47およびR48は、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることが好ましく、R47およびR48がいずれも水素原子であることが特に好ましい。
49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10であることが最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
48およびR49は、相互に結合して一つの環構造を形成していても良い。この場合、R48とR49と、R49が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR48が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。
前記置換アリール基中の、水素原子が置換されたアルコキシカルボニルアルキルオキシ基としては、例えば、下記一般式(b’−14−2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2009145408
[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R51は酸解離性基である。]
50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられ、メチレン基であることが特に好ましい。
51における酸解離性基としては、酸の作用により解離しうる有機基であれば特に限定されず、(B1)成分における前記一般式(b’−8)中の酸解離性基であるR401と同様である。
前記置換アリール基中の、水素原子が置換されたアルコキシアルキルオキシ基またはアルコキシカルボニルアルキルオキシ基の数は、2つ以下であることが好ましく、1つであることが最も好ましい。
前記置換アリール基以外のR”〜R”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることが最も好ましい。
”〜R”は、これらのうちいずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に、ジベンゾチオフェン骨格以外の環を形成してもよい。この場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
(B2)成分のアニオン部は特に制限されず、(B1)成分と同様で良い。
(B2)成分として好ましい具体例を以下に挙げる。
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
Figure 2009145408
これらの中でも、(B2)成分としては、前記化学式(b1−14−401)で表される化合物が好ましい。
<(B2)成分の製造方法>
前記一般式(b’−14)で表されるカチオン部を有する(B2)成分(以下、化合物(b1−14)という)は、例えば、以下のようにして製造できる。すなわち、有機酸H(Bは、例えば、メタンスルホン酸イオン等、有機酸のアニオン部を表わす。)の溶液中に、下記一般式(b1−14−01)および(b1−14−02)で表される化合物を加えて反応させた後、純水および有機溶剤(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)を加えて、有機層を回収し、この有機層中から下記一般式(b1−14−03)で表される化合物を得る。
次いで、一般式(b1−14−03)で表される化合物を、有機溶剤(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)と水との混合溶剤中に溶解させ、そこへ所望のアニオンXのアルカリ金属塩L(Lは、例えば、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属カチオンを表わす。)を加えて反応させ、分液および水洗した後、有機層中から下記一般式(b1−14−04)で表される化合物を得る。
次いで、一般式(b1−14−04)で表される化合物を有機溶剤(例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等)に溶解させ、氷冷した後、塩基(例えば、水素化ナトリウム等)を加え、所望のアルコキシアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル基のハロゲン化物(例えば、一般式「Cl−C(R47)(R48)−O−R49」、「Cl−R50−C(=O)−O−R51」、「Br−R50−C(=O)−O−R51」等。ここでR47〜R51は前記と同様である。)を加えて、−R10” −OHの−OH基の水素原子を前記アルコキシアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル基と置換することで、化合物(b1−14)が得られる。
Figure 2009145408
[式中、R”およびR”は前記一般式(b’−14)中のR”およびR”と同様であり;R10”は前記一般式(b’−14)中のアリール基であるR”から1つの水素原子を除いたアリーレン基であり;Bは、有機酸のアニオン部であり;Lは、アルカリ金属カチオンであり;Xは、前記(B2)成分のアニオン部である。]
また、化合物(b1−14−03)のアニオン交換について、Lと反応させる前に化合物(b1−14−03)の−R10” −OHの−OH基の水素原子を前記アルコキシアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル基と置換してから、アニオン交換を行うことによっても、化合物(b1−14)を得ることができる。
(B)成分中、(B1)成分および(B2)成分は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分中の(B1)成分および(B2)成分の合計含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。なかでも、100質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、レジストパターンは、無機系または有機系反射防止膜を用いた場合でも、焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性が良好なものとなる。
また、(B)成分中の(B1)成分および(B2)成分合計量に占める(B2)成分の比率は、特に限定されないが、10〜95質量%であることが好ましく、40〜90質量%であることがさらに好ましく、60〜85質量%であることが最も好ましい。このような配合比率とすることで、レジストパターンは、無機系または有機系反射防止膜を用いた場合でも、焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性が良好なものとなる。
そして、本発明のレジスト組成物において、(B1)成分および(B2)成分の合計含有量は、前記(A)成分の100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることが特に好ましく、7〜18質量部であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、レジストパターンは、無機系または有機系反射防止膜を用いた場合でも、焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性が良好なものとなる。一方、上限値以下であることにより、保存安定性が良好なものとなる。
(B)成分においては、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(B1)成分および(B2)成分以外の酸発生剤(B3)(以下、(B3)成分という。)を、前記(B1)成分および(B2)成分と併用してもよい。
(B3)成分としては、前記(B1)成分および(B2)成分以外であれば特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2009145408
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”は、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。なお、式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
また、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R”〜R”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”は、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したフッ素化アルキル基(パーフルオロアルキル基)が、酸の強度が強くなるので好ましい。
”としては、直鎖状若しくは環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては、上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を前記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
また、下記一般式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩をオニウム塩系酸発生剤として用いることもできる。
Figure 2009145408
[式中、R54〜R59はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
54〜R59において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
54〜R59に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR54〜R59はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R4”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部等が挙げられる。これらの中でも、フッ素化アルキルスルホン酸イオンが好ましく、炭素数1〜4のフッ素化アルキルスルホン酸イオンがより好ましく、炭素数1〜4の直鎖状のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンが特に好ましい。具体例としては、トリフルオロメチルスルホン酸イオン、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルホン酸イオン、ノナフルオロ−n−ブチルスルホン酸イオン等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2009145408
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009145408
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2009145408
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2009145408
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B3)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、フッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
本発明のレジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜15質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(D)成分>
本発明のレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
<任意成分>
[(E)成分]
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のレジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
[(S)成分]
本発明のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
上記本発明のレジスト組成物は、従来知られていない新規なレジスト組成物である。本発明のレジスト組成物は、無機反射防止膜(無機BARC)上、有機反射防止膜(有機BARC)上を問わず、焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性が良好なレジストパターンが形成できる。
本発明において、(B1)成分および(B2)成分は、カチオン部が酸解離性基を有し、非露光部においては、その構造は変わらない。したがって、レジスト膜の非露光部においては、(A1)成分に対して、アルカリ現像液に対する溶解抑止効果を発揮すると考えられる。そして、本発明のレジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合には、(B1)成分および(B2)成分が露光部において溶解促進効果を発揮し、かつ、非露光部においては溶解抑制効果を発揮すると考えられる。
また、(B1)成分として、好ましくは露光波長帯(特にArFエキシマレーザーの波長帯域)に対する透明性が(B2)成分よりも高い酸発生剤を用いることにより、トリフェニルスルホニウム(TPS)等をカチオン部に有するような酸発生剤よりも、レジスト組成物中に多く配合することができる。特に、ジベンゾチオフェン骨格を含むカチオン部を有する(B1)成分は、レジストの各種成分を溶解させるために用いられている有機溶剤(レジスト溶剤)に対する溶解性が優れている。これにより、レジスト膜中における酸発生剤の密度を高めることができ、酸発生効率がさらに高まると推測される。
そして、(B2)成分として、(B1)成分と互いに異なる酸発生剤、好ましくは露光波長帯(特にArFエキシマレーザーの波長帯域)に対する感度が高い酸発生剤、より好ましくは、前記一般式(b’−14)で表されるカチオン部を有する酸発生剤を併用することにより、無機反射防止膜(無機BARC)上、有機反射防止膜(有機BARC)上を問わず、焦点深度幅(DOF)などのリソグラフィー特性が良好なレジストパターンが形成できると考えられる。
また、本発明のレジスト組成物を用いることにより、露光余裕度(ELマージン)の向上も期待される。ELマージンとは、露光量を変化させて露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる露光量の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる露光量の範囲のことである。
さらに、本発明のレジスト組成物は、液浸露光工程を含むレジストパターン形成方法において、液浸露光用レジスト組成物として好適に用いることができ、良好なリソグラフィー特性が得られ、また、3層レジスト積層体を形成する工程を含むレジストパターン形成方法において、上層レジスト膜形成用ポジ型レジスト組成物として好適に用いることができ、良好なリソグラフィー特性が得られると考えられる。
≪レジストパターン形成方法≫
次に、本発明の第二の態様のレジストパターン形成方法について説明する。
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に、上記本発明のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク(PEB)処理)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。上記レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EBまたはEUV、特にArFエキシマレーザーに対して有効である。また、液浸露光に対しても有効である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(合成例1)<化合物(b1−14−401)の合成>
[中間体化合物(1)の合成]
Figure 2009145408
20℃以下で制御したメタンスルホン酸(60.75g)に酸化リン(8.53g)と2,6−ジメチルフェノール(8.81g)とジフェニルスルホキシド(12.2g)を少量ずつ添加した。温度を15〜20℃で制御しながら30分熟成した後、40℃まで昇温し2時間熟成した。その後、15℃以下に冷却した純水(109.35g)に反応液を滴下した。滴下終了後、ジクロロメタン(54.68g)を加え、攪拌後、ジクロロメタン層を回収した。別容器に20〜25℃のヘキサン(386.86g)を仕込み、ジクロロメタン層を滴下した。滴下終了後、20〜25℃で30分間熟成した後、ろ過することによって目的化合物を得た(収率70.9%)。
得られた化合物について、H−NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、600MHz):δ(ppm)=7.61−7.72(m,10H,phenyl),7.14(S,2H,H),3.12(S,3H,H),2.22(s,6H,H)。
上記の結果から、得られた化合物が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009145408
[中間体化合物(b1−14−501)〜(b1−14−503)の合成]
Figure 2009145408
化合物(1)(4g)をジクロロメタン(79.8g)に溶解させた。溶解確認後、炭酸カリウム(6.87g)を添加し、ブロモ酢酸2−メチル−2−アダマンタン(3.42g)を添加した。還流下、24時間反応後、ろ過、水洗浄を行い、ヘキサンで晶析した。得られた粉体を減圧乾燥することによって目的化合物3.98gを得た(収率66%)。
該化合物について、H−NMRによる分析を行った。その結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl、600MHz):δ(ppm)=7.83−7.86(m,4H,phenyl),7.69−7.78(m,6H,phenyl),7.51(s,2H,Hd),4.46(s,2H,Hc),2.39(s,6H,Ha),2.33(s,2H,Adamantane),2.17(s,2H,Adamantane),1.71−1.976(m,11H,Adamantane),1.68(s,3H,Hb),1.57−1.61(m,2H,Adamantane)。
上記の結果から、得られた化合物には下記に示す構造を有する化合物(b1−14−501)が含まれることが確認された。さらに、得られた化合物には、カチオン部のNMRデータが上記と同じである化合物(b1−14−502)および(b1−14−503)が含まれることが、イオンクロマトグラフィーの測定結果から確認された。これら化合物の比率は、化合物(b1−14−501)21.4mol%、化合物(b1−14−502)11.4mol%、(b1−14−503)67.2mol%であった。
Figure 2009145408
[化合物(b1−14−401)の合成]
Figure 2009145408
化合物(b1−14−501)21.4mol%、化合物(b1−14−502)11.4mol%、(b1−14−503)67.2mol%の混合物25.5gを、200gの純水に溶解させ、そこへジクロロメタン(127.4g)およびノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム(16.0g)を添加し、室温にて14時間撹拌した。その後、ジクロロメタン層を分液した後、希塩酸洗、アンモニア洗、水洗を行い、ジクロロメタン層を濃縮および乾固することによって、白色固体として目的物(32.9g)を得た。
得られた化合物について、H−NMR、19F−NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.75−7.86(m,10H,ArH),7.61(s,2H,ArH),4.62(s,2H,CH),2.31(s,6H,CH),1.49−1.97(m,17H,Adamantane)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−77.8,−112.2,−118.7,−123.0。
上記の結果から、化合物が上記構造を有することが確認できた。
(合成例2)<化合物(b1−141)の合成>
[中間体化合物(b1−51)の合成]
Figure 2009145408
120.2gのメタンスルホン酸中へ1.99gの五酸化二リンを添加し、その溶液中へ5.86gの2,6−ジメチルフェノールを添加した。溶液を水浴中で20℃以下まで冷却した後、8.01gのジベンゾチオフェンオキサイドをゆっくりと添加し、その後水浴を外して室温にて14時間反応を行った。その後180.3gの水と180.3gのジクロロメタンの混合溶液を10℃以下まで冷却し、そこへ反応液を25℃以下に保ちながらゆっくりと滴下した。反応液を分液し、水相を取り出した。そこへ13.54gのノナフルオロブタンスルホン酸カリウムを添加し、室温にて1.5時間攪拌した後、314.3gのジクロロメタンを添加して攪拌し、有機相を分液して取り出した。さらに有機相を118.2gの純水にて中性になるまで水洗いした後分液し、有機相を取り出した。取り出した有機相中へヘキサン(360.6g)を貧溶媒として添加し、結晶を得た。この結晶を40℃にて減圧乾燥することによって中間体化合物12.0gを得た(収率40%)。
この中間体化合物について、H−NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、600MHz):δ(ppm) = 9.59(br s,1H,Hg),8.49(d,2H,H),8.25(d,2H,H),7.95(t,2H,H),7.74(t,2H,H),7.20(s,2H,H),2.14(s,6H,H)。
19F−NMR(Acetone−d6、376MHz):δ(ppm)=−81.2,−114.6,−121.5,−126.0。
上記の結果から、この中間体化合物が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009145408
<化合物(b1−141)の合成>
Figure 2009145408
前記中間体化合物(b1−51)6.05gを脱水テトラヒドロフラン60.5gに溶解させ、氷冷した後、そこへ水素化ナトリウム(純度60%)0.48gをゆっくりと添加した。その後、ブロモ酢酸2−メチル−2−アダマンタン3.45gを添加した。還流下、21時間反応後、反応液をあらかじめ氷冷しておいた純水81.8gへ滴下し、ジクロロメタン108.8gで3回抽出した。その有機層を濃縮し、得られた固体をジクロロメタン40.55gで再溶解し、有機層を希塩酸洗浄、水洗浄した。そのジクロロメタン溶液をn−ヘキサン608.25gへ滴下することによって目的物を6.95g得た(収率:85.7%)。
得られた化合物についてNMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ(ppm)=8.49(d,2H,ArH),8.30(d,2H,ArH),7.93(t,2H,ArH),7.73(t,2H,ArH),7.30(s,2H,ArH),4.52(s,CH),2.16−2.24(br s,8H,Ar−CH+Adamantane),1.45−1.92(m,15H,Adamantane+CH).
19F−NMR(DMSO−d6,376MHz):δ(ppm)=−77.7,−112.0,−118.6,−122.9.
上記の結果から、化合物が上記構造を有することが確認できた。
(参考例1〜2、実施例1〜3、比較例1)
表1に示す組成と配合量で各成分を混合、溶解してポジ型レジスト組成物溶液を調製した。
Figure 2009145408
表1中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。なお、参考例1〜2の(B)成分の配合量は当モル量である。また、実施例1における(B)−1および(B)−2の合計配合量は、比較例1における(B)−1の配合量と当モル量である。表1中の「−」は未配合であることを表す。
(A)−1:下記化学式(A)−1で表されるMw=7000、Mw/Mn=1.8の重合体。
(B)−1:前記化学式(b1−14−401)で表される酸発生剤。
(B)−2:前記化学式(b1−141)で表される酸発生剤。
(S)−1:PGMEA/PGME=6:4(質量比)
Figure 2009145408
前記(A)−1は、各構成単位を誘導するモノマーを用いて、公知の滴下重合法により共重合して得た。化学式(A)−1中、()の右下に付した数字は各構成単位の割合(モル%)を示す。この組成比は13C−NMRにより算出した。また、Mw、Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準で求めた。
[光学特性(吸光度)の評価]
参考例1〜2のレジスト組成物を、それぞれ、スピンナーを用いて1インチの石英基板上に塗布し、110℃で60秒間ベークすることにより、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。そして、波長177nm〜800nmの範囲内における当該レジスト膜(膜厚150nm)の膜厚1000nmあたりの吸光度を、Woollam社製の分光エリプソメトリーを用いて測定した。かかる波長193nmにおける膜厚1000nmあたりの吸光度を求めたところ、参考例1の化学式(b1−14−401)で表される酸発生剤を用いた場合の吸光度は1.233であり、参考例2の化学式(b1−141)で表される酸発生剤を用いた場合の吸光度は0.767であった。
<リソグラフィー特性の評価>
得られたポジ型レジスト組成物溶液を用いてレジストパターンを形成し、以下のリソグラフィー特性を評価した。
[感度・解像性]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚75nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記で得られたポジ型レジスト組成物溶液を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07、照明条件=X−pole.(0.78/0.97)、偏光条件=w/P)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。そして、110℃、60秒間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液「NMD−3」(東京応化工業株式会社製)で40秒間現像し、その後40秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行ことにより、ラインアンドスペース(1:1)のレジストパターン(L/Sパターン)を形成した。
その結果、ライン幅65nm、ピッチ130nmのL/Sパターンが形成された。
また、この時の最適露光量(感度:Eop,mJ/cm)を求めた。その結果を表2に示した。
[焦点深度幅(DOF)の評価]
上記Eopにおいて、焦点を適宜上下にずらし、上記のL/Sパターンがターゲット寸法65nm±10%(すなわち58.5〜71.5nm)の寸法変化率の範囲内で形成できる焦点深度幅(DOF、単位:nm)を求めた。その結果を表2に示した。
Figure 2009145408
本発明に係る実施例1〜3のレジストパターンでは、比較例1のものよりもDOFの向上が確認された。
以上の結果から、本発明に係る実施例1〜3のレジスト組成物は、良好なリソグラフィー特性が得られることが確認できた。

Claims (11)

  1. 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、
    前記酸発生剤成分(B)は、カチオン部に酸解離性基を有する、互いに異なる二種の酸発生剤(B1)および(B2)を含むことを特徴とするレジスト組成物。
  2. 前記酸発生剤(B1)の193nmにおける吸光度が、前記酸発生剤(B2)の193nmにおける吸光度の80%未満である請求項1記載のレジスト組成物。
  3. 前記酸発生剤(B1)が、ジベンゾチオフェン骨格を含むカチオン部を有する請求項1または2記載のレジスト組成物。
  4. 前記酸発生剤(B2)が、下記一般式(b’−14)で表されるカチオン部を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
    Figure 2009145408
    [式中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく(ただし、ジベンゾチオフェン骨格は除く);R”〜R”のうち少なくとも1つは、水素原子の一部または全部がアルコキシアルキルオキシ基またはアルコキシカルボニルアルキルオキシ基で置換された置換アリール基である。]
  5. 前記酸発生剤(B1)および/または酸発生剤(B2)が、アニオン部としてハロゲン化アルキルスルホン酸イオンを有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  6. 前記基材成分(A)は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分である請求項1〜5のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  7. 前記基材成分(A)は樹脂成分(A1)であって、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項6記載のレジスト組成物。
  8. 前記基材成分(A)は、さらにラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項7記載のレジスト組成物。
  9. 前記基材成分(A)は、さらに極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項7または8記載のレジスト組成物。
  10. 含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜9のいずれか一項に記載のレジスト組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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