JP2009144063A - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents

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Hironari Yamamoto
裕也 山本
Koji Kameo
幸司 亀尾
Yoshitaka Kobayashi
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Abstract

【課題】軽量で機械強度に優れる発泡成形体の製造方法を提供する。また、金型汚染の少ない発泡成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】プロピレン系重合体(A)と、ポリ乳酸系樹脂(B)と、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)及び/又はα,β−不飽和グリシジルエステルがグラフトされてなる変性プロピレン系重合体(D)と、を含有する樹脂組成物を射出成形してなる発泡成形体の製造方法であって、発泡剤として物理発泡剤である不活性ガスや揮発性有機化合物からなる群から少なくともいずれか1種類を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系重合体(A)と、ポリ乳酸系樹脂(B)と、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)及び/又はα,β−不飽和グリシジルエステルがグラフトされてなる変性プロピレン系重合体(D)と、を含有する樹脂組成物を射出成形してなる発泡成形体の製造方法に関するものである。
近年、地球環境への影響を意識して、植物を原料として合成されるポリ乳酸系樹脂の利用が検討されている。
例えば、特許文献1には、ポリ乳酸系樹脂に揮発型発泡剤を吸収させた状態で射出成形機の金型内に結晶化度が所定の範囲であり、かつ未発泡の状態で成形した発泡性成形品を加熱して、発泡成形体を得る方法が開示されている。
特開2007−106843号公報
しかしながら、得られる発泡成形体の機械強度については、要求されているレベルに到達していないものが多く、また、発泡成形体を製造した後の金型が汚染されていることもある。
以上の課題に鑑み、本発明は軽量で機械強度に優れる発泡成形体の製造方法を提供することを目的とする。また、金型汚染の少ない発泡成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、下記に記される製造方法を用いることにより、金型汚染、発泡性に優れた発泡成形体を提供することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には以下のようなものを提供する。
本発明は、プロピレン系重合体(A)と、ポリ乳酸系樹脂(B)と、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)及び/又はα,β−不飽和グリシジルエステルがグラフトされてなる変性プロピレン系重合体(D)と、を含有する樹脂組成物を射出成形してなる発泡成形体の製造方法であって、発泡剤として物理発泡剤である不活性ガスや揮発性有機化合物からなる群から少なくともいずれか1種類を用いることを特徴とする発泡成形体の製造方法を提供する。
本発明によれば、軽量で機械強度に優れる発泡成形体を製造することが可能となる。また、本発明によれば、発泡成形体製造後の金型の汚染を低減させることが可能となる。
本発明に係る発泡成形体は、プロピレン系重合体(A)と、ポリ乳酸系樹脂(B)と、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)及び/又はα,β−不飽和グリシジルエステルがグラフトされてなる変性プロピレン系重合体(D)と、を含有する樹脂組成物を射出成形してなるものである。以下詳細に説明する。
[樹脂組成物]
<プロピレン系重合体(A)>
本発明に用いられるプロピレン系重合体(以下、成分(A)ともいう)は、プロピレンに由来する単量体単位を有し、プロピレン単独重合体(以下、成分(A−1)ともいう)、及び、プロピレン−エチレン共重合体(以下、成分(A−2)ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種のプロピレン系重合体が用いられる。
プロピレン−エチレン共重合体(成分(A−2))としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体(以下、成分(A−2−1)ともいう)、プロピレン−エチレンブロック共重合体(以下、成分(A−2−2)ともいう)が挙げられる。このプロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2−2))とは、プロピレン単独重合体成分と、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分とからなる共重合体である。
プロピレン系重合体(成分(A))として、好ましくは、剛性、耐熱性又は硬度の観点から、プロピレン単独重合体(成分(A−1))又は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2−2))である。
プロピレン単独重合体(成分(A−1))の13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上が好ましく、さらに好ましくは0.98以上である。
プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A−2))のプロピレン単独重合体成分の、13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上が好ましく、さらに好ましくは0.98以上である。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C−NMRによって測定されるプロピレン重合体分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である(ただし、NMR吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて決定される)。具体的には、13C−NMRスペクトルによって測定されるメチル炭素領域の吸収ピークの面積に対する、mmmmピークの面積の割合が、アイソタクチック・ペンタッド分率である。この方法によって測定された英国 NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19−14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率は、0.944であった。
上記プロピレン単独重合体(成分(A−1))の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]P)、ブロック共重合体(成分(A−2))のプロピレン単独重合体成分の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]P)、ランダム共重合体(成分(A−2−1))の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η])は、好ましくはそれぞれ0.7dl/g〜5dl/gであり、より好ましくは0.8dl/g〜4dl/gである。
また、プロピレン単独重合体(成分(A−1))、ブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン単独重合体成分、ランダム共重合体(成分(A−2−1))のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Q値、Mw/Mn)として、好ましくはそれぞれ3以上7以下である。
上記ブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分に含有されるエチレン含有量は20質量%〜65質量%、好ましくは25質量%〜50質量%である(ただし、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分の全量を100質量%とする)。
上記ブロック共重合体(成分(A−2−2))のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度([η]EP)は、好ましくは、1.5dl/g〜12dl/gであり、より好ましくは2dl/g〜8dl/gである。
上記ブロック共重合体(成分(A−2−2))を構成するプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の含有量は、10質量%〜60質量%であり、好ましくは10質量%〜40質量%である。
上記プロピレン単独重合体(成分(A−1))のメルトインデックス(MI)は、好ましくは、0.1g/10分〜400g/10分であり、より好ましくは1g/10分〜300g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。
上記プロピレン−エチレン共重合体(成分(A−2))のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは、0.1g/10分〜200g/10分であり、より好ましくは1g/10分〜150g/10分である。但し、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgである。
プロピレン系重合体(成分(A))を製造する方法としては、チーグラー・ナッタ型触媒又はメタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合する方法、又はプロピレン以外のオレフィンから選ばれる1種以上のオレフィンとプロピレンとを共重合する方法等が挙げられる。チーグラー・ナッタ型触媒としては、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。メタロセン触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を少なくとも1個有する周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物及び助触媒成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。
重合法としては、スラリー重合法、気相重合法、バルク重合法、溶液重合法、及び、これらを組み合わせた重合法が挙げられる。また重合法は、バッチ式、連続式のいずれでもよく、一段重合でも、多段重合でもよい。また、プロピレン系重合体(成分(A))としては、市販のプロピレン系重合体を用いてもよい。
<ポリ乳酸系樹脂(B)>
本発明に用いられるポリ乳酸系樹脂(以下、成分(B)ともいう)とは、L乳酸に由来する繰り返し単位及び/又はD乳酸に由来する繰り返し単位を有するポリ乳酸(以下、単にポリ乳酸という)、又はこのポリ乳酸と他の植物由来ポリエステル樹脂との共重合体である。成分(B)は、必要に応じて、他の植物由来ポリエステル樹脂を含有していてもよい。
乳酸と共重合可能な他の植物由来のモノマーとしては、グリコール酸等のヒドロキシカルボン酸、ブタンジオール等の脂肪族多価アルコール及びコハク酸等の脂肪族多価カルボン酸が挙げられる。ポリ乳酸系樹脂(成分(B))は乳酸及び/又は他の植物由来モノマーを直接脱水重縮合する方法、又は乳酸及び/又はヒドロキシカルボン酸の環状二量体(例えば、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン)を開環重合させる方法により製造することができる。
上記「ポリ乳酸」及び「ポリ乳酸とその他の植物由来ポリエステル樹脂との共重合体中のポリ乳酸セグメント」に含有されるL乳酸又はD乳酸に由来する繰り返し単位の含有量は、耐熱性を高める観点から、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、さらに好ましくは95モル%以上である。
ポリ乳酸系樹脂(成分(B))の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万以上100万以下であり、さらに好ましくは5万以上50万以下である。分子量分布(Q値、Mw/Mn)として、好ましくは1以上4以下である。なお、分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンを分子量標準物質として測定される。
<エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)>
本発明に用いられるエポキシ基を含有するエチレン系重合体(以下、成分(C)ともいう)は、エチレンに由来する単量体単位とを有する共重合体である。エポキシ基を有する単量体としては、例えば、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート等のα,β−不飽和グリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル等のα,β−不飽和グリシジルエーテルを挙げることができ、好ましくはグリシジルメタアクリレートである。
成分(C)のエポキシ基を有するエチレン系重合体は、他の単量体に由来する単量体単位を有していてもよく、該他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等の不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル等の不飽和ビニルエステル等が挙げられる。
成分(C)のエポキシ基を有するエチレン系重合体において、エポキシ基を有する単量体に由来する単量体単位の含有量は、0.01質量%〜30質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜20質量%である。ただし、エポキシ基を有するエチレン系重合体中の全単量体に由来する単量体単位の含有量は、赤外法により測定される。
成分(C)のエポキシ基を有するエチレン系重合体のメルトフローレイト(MFR)は、0.1g/10分〜300g/10分であり、好ましくは0.5g/10分〜80g/10分である。ここでいうメルトフローレイトとは、JIS K 7210(1995)に規定された方法によって、試験荷重21.18N、試験温度190℃の条件で測定される。
成分(C)のエポキシ基を有するエチレン系重合体の製造方法としては、公知の方法が用いられ、例えば、高圧ラジカル重合法、溶液重合法、乳化重合法等により、エポキシ基を有する単量体とエチレンと、必要に応じて他の単量体とを共重合する方法、エチレン系樹脂にエポキシ基を有する単量体をグラフト重合させる方法等を挙げることができる。
<変性プロピレン系重合体(D)>
本発明で用いられる変性プロピレン系重合体(以下、成分(D)ともいう)は、α,β−不飽和グリシジルエステルがグラフトされてなる変性プロピレン系重合体である。即ち、プロピレン系重合体に、所定量のα,β−不飽和グリシジルエステル又はα,β−不飽和グリシジルエーテルをグラフトさせてなる重合体である。
α,β−不飽和グリシジルエステルとしては、例えば、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート等が挙げられる。α,β−不飽和グリシジルエーテルとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル等を挙げることができ、好ましくはグリシジルメタアクリレートである。
変性プロピレン系重合体(成分(D))に含有される、α,β−不飽和グリシジルエステルに由来する構造単位の含有量は、0.1質量%以上20質量%未満であり、0.1質量%以上5質量%未満であることがより好ましく、0.5質量%以上1.0質量%未満であることが更に好ましい。ただし、変性プロピレン系重合体中の構造単位の含有量を100質量%とする。なお、α,β−不飽和グリシジルエステルに由来する構造単位の含有量は、赤外法により測定される。
変性プロピレン系重合体(成分(D))のメルトフローレイト(MFR)は、0.1g/10分〜300g/10分であり、好ましくは0.5g/10分〜80g/10分である。ここで、メルトフローレイトは、JIS K 7210(1995)に従い、試験温度230℃、試験荷重21.18Nの条件で測定された値である。
変性プロピレン系重合体(成分(D))の製造方法としては、例えば、ミキサーや押出機等を用いて、プロピレン系重合体とα,β−不飽和グリシジルエステルを溶融混練する方法等が挙げられる。
本発明に用いられる成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)の含有量としては、成分(A)、成分(B)の合計量を100質量%としたとき、成分(A)の含有量が10質量%〜90質量%、より好ましくは20質量%〜80質量%であり、成分(B)の含有量が90質量%〜10質量%であり、より好ましくは80質量%〜20質量%である。
また、成分(C)、成分(D)を単独で添加する場合には、成分(A)及び成分(B)100質量部に対し、それぞれ1質量部〜80質量部、好ましくは1質量部〜20質量部含有する。成分(C)及び成分(D)の両方を添加する場合には、1質量部〜80質量部、好ましくは1質量部〜20質量部含有する。
上記樹脂組成物は、必要に応じて他の付加的成分を含有していてもよい。例えば、酸化防止剤、耐候性改良剤、造核剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、各種着色剤、有機充填剤、無機充填剤、成分(C)以外のエラストマー類及びその他の樹脂等が挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、カオリナイト、ベントナイト、スメクタイト、セピオライト、ワラストナイト、モンモリロナイト、クレー、アロフェン、イモゴライト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート硫酸バリウム、ガラスフレーク、カーボンブラック等が挙げられる。
無機充填剤の平均粒子径としては、0.01μm〜50μmであり、好ましくは0.1μm〜30μmであり、より好ましくは0.1μm〜5μmである。ここで無機充填剤の平均粒子径とは、遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
エラストマー類とはゴム状の弾性体を意味する。エラストマー類は、分子内に架橋点を有するゴムと、分子内に硬質層の分子グループにより分子を拘束状態にした熱可塑性エラストマーとを含む。
エラストマー類としては、上述する成分(C)以外のエラストマー類であれば、特に限定されないが、ポリオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体)、脂肪族ポリエステルエラストマー(例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネートカーボネート)、各種アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩(いわゆるアイオノマー)、エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル酸系エラストマー(例えば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体)、酸変性エチレン−プロピレン共重合体、ジエンゴム(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン)、ジエンとビニルモノマーとの共重合体(例えば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。
エチレン−プロピレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられる。炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状のα−オレフィン、分岐状のα−オレフィンが挙げられる。直鎖状のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等が挙げられる。分岐状のα−オレフィンとしては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン等が挙げられる。
[発泡成形体の製造方法]
上記の樹脂組成物から発泡成形体を製造する際には、射出発泡成形を用いる。射出発泡成形は、射出成形装置の金型が形成するキャビティ内に、上記の樹脂組成物に、後述する発泡剤を溶解させた溶融状樹脂組成物を充填して、キャビティ内で溶融樹脂を発泡させ、次いで発泡した溶融樹脂を冷却、固化させる方法である。
この射出発泡成形において、溶融状樹脂組成物を発泡させる方法は、特に限定されるものでない。例えば、所謂コアバック成形法のように、キャビティ壁面を後退させてキャビティ容積を拡大することにより、発泡剤のガスを膨張させキャビティ内に充填された溶融状樹脂組成物を発泡させる方法が挙げられる。
なお、キャビティへの溶融状樹脂組成物の注入量は、注入終了直後の時点でキャビティ容積すべてが樹脂で充満される量であることが好ましい。
射出発泡成形における射出方法は、特に限定されるものでなく、単軸射出、多軸射出、高圧射出、低圧射出、プランジャーを用いる射出方法等が挙げられる。
また、射出発泡成形は、ガスアシスト成形、メルトコア成形、インサート成形、コアバック成形、2色成形等の成形方法と組み合して行ってもよい。
本熱可塑性樹脂発泡成形体の形状は、特に限定されず、公知の如何なる形状のものであってもよい。
射出発泡成形における温度としては、射出成形機のシリンダ温度が150℃〜250℃、好ましくは170℃〜200℃であり、キャビティ温度が0℃〜100℃、好ましくは5℃〜60℃、より好ましくは20℃〜50℃である。
そして成形時の背圧としては、2MPa〜15MPa、好ましくは5MPa〜12MPaである。背圧をこのような範囲とすることにより、溶融状樹脂組成物がシリンダ内で発泡してしまうのを防止することができる。キャビティ内に充填された溶融状樹脂組成物を発泡させるタイミングは、特に限定されるものではないが、キャビティ内に充填されてから0秒〜10秒後、好ましくは0秒〜5秒後、より好ましくは0秒〜2秒後である。
本発明に用いられる発泡剤は、物理発泡剤である。物理発泡剤としては、不活性ガスや揮発性有機化合物からなる群から少なくともいずれか1種類を用いることができる。このような発泡剤を用いることにより、軽量で機械強度に優れる発泡成形体を提供することが可能となる。また、発泡成形体を製造した後の金型が汚染されるのを防止することが可能となる。
不活性ガスとしては窒素、二酸化炭素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸素等が挙げられる。揮発性有機化合物としてはエタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、石油エーテル、ペンタン類(n−ペンタン、2,2−ジメチルプロパン、1−ペンテン、シクロペンタン等)、ヘキサン類(n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、シクロヘキサン等)、ヘプタン類(n−へプタン、2,2−ジメチルへプタン、2,4−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、1−へプテン等)、トルエン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、メタノール、2−プロパノール、イソプロピルエーテル、メチルエチルケトン等の脂肪族炭化水素が挙げられる。これらは、単独でも、2種類以上を併用してもよい。
上記物理発泡剤のうち、不活性ガスを用いることが好ましい。不活性ガスは、対象となる樹脂に対し反応性を示さず、樹脂を劣化させるおそれのない、常温常圧でガス状のものであることが好ましい。
また、不活性ガスの中でも超臨界状態の不活性ガスを用いることがより好ましい。超臨界状態の不活性ガスは、樹脂への溶解性が高く、短時間で物理発泡剤を樹脂中に均一に拡散させることが可能で、発生する発泡セル数を増加させる効果があるため、より微細な発泡セル構造をもつ発泡成形体を得ることが可能となる。
発泡剤の添加量は、発泡成形体の発泡倍率により異なるが、上記樹脂組成物100質量部に対し、0.3質量部〜20質量部、好ましくは0.3質量部〜10質量部、より好ましくは0.3質量部〜5質量部である。
このような添加量とすることにより、所望の発泡倍率を有する発泡成形体を得ることが可能となる。また、軽量で機械強度に優れる発泡成形体を得ることが可能となる。さらに、発泡成形体製造後の金型の汚染を低減させることが可能となる。
このような方法により得られる発泡成形体は、表裏2層のスキン層とこれらのスキン層の間に配置される発泡層を有する。
図1は、本発明に係る発泡成形体1の断面を示した図である。上述のように、発泡成形体1は、気泡を実質的に有さない表裏2層のスキン層10a,10bと、これらのスキン層10a,10bとの間に配置され、複数の気泡21を有する発泡層20と、からなる。スキン層10a,10b厚さL1,L2はそれぞれ、100μm以上であり、好ましくは200μm以上、より好ましくは200μm〜1mm、さらに好ましくは200μm〜600μmである。スキン層の厚さをこのような範囲とすることにより、強度に優れる発泡成形体を提供することが可能となる。なお、本発明では、L1及びL2の平均値を、発泡成形体のスキン層の厚さとしている。
発泡成形体1全体の密度は、0.95g/cm3以下であり、好ましくは0.8g/cm3以下、より好ましくは0.6g/cm3以下、さらに好ましくは0.5g/cm3以下である。密度をこのような範囲とすることにより、発泡成形体の軽量化を図ることが可能となる。なお、本発明における密度は、水中置換法により測定された値を用いている。
本発明において、気泡21は、主として実質的に独立しているものを指すが、複数個連通しているものも含まれる。発泡層20中の平均気泡径は、500μm以下であり、好ましくは500μm〜30μm、より好ましくは400μm〜50μm、さらに好ましくは200μm〜50μmである。
平均気泡径は、図1に示されるように、発泡層20をスキン層近傍(領域(a),領域(b))、中心部(領域(c))、の3つの領域(本実施形態では、500μm角の正方形とする)に分け、それぞれの領域における平均気泡径から、算出した平均値である。そして各領域における気泡径は、個々の気泡の最も大きな長径(D1)とその長径に直行する短径(D2)の平均値((D1+D2)/2)をいう。
また、発泡層の気泡密度は、5×104個/cm3〜1×107個/cm3であり、好ましくは2×105個/cm3〜5×106個/cm3、より好ましくは2×105個/cm3〜1×106個/cm3である。発泡層中の平均気泡径及び気泡密度を上記の範囲とすることにより、発泡成形体の軽量化を図ることが可能となり、かつ、強度を向上させることが可能となる。
発泡層の気泡密度は、上記各領域(a)〜(c)の気泡密度の平均値である。気泡密度は、各領域の気泡数を、単位面積(1cm2)当りの気泡数に換算し、その気泡数を3/2乗した値である。
本発明に係る発泡成形体の発泡倍率は、樹脂組成物の密度を発泡成形体1全体の密度で除した値であり、1倍を越え10倍以下であることが好ましく、1.05倍〜3倍であることがより好ましい。なお、発泡成形体の発泡倍率は、樹脂組成物の密度及び発泡成形体の密度について、樹脂組成物の密度を該発泡成形体の密度で除して求めることが可能である。
本発明に係る製造方法により得られる発泡成形体は、自動車用部品や家電用部品、その他の工業用製品等の用途に好適に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例又は比較例では、以下に示した樹脂及び発泡剤を用いた。
(1)プロピレン単独重合体(A−1)
住友化学株式会社製「商品名:X101A」
MFR:40(g/10分)
(2)プロピレン−(プロピレン−エチレン)共重合体(A−2)
住友化学株式会社製「商品名:WPX5343」
MFR:50(g/10分)
(3)ポリ乳酸系樹脂(B)
ユニチカ株式会社製「商品名:テラマック TE−4000」
(4)エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体(C)
住友化学株式会社製「商品名:ボンドファースト E」
MFR(190℃):3(g/10分)
グリシジルメタアクリレートに由来する単量体単位含有量:12質量%
(5)エチレン−ブテン共重合体ゴム(E)
住友化学株式会社製「商品名:CX5505」
密度:0.878(g/cm3
MFR(190℃):14(g/10分)
(6)発泡剤(F−1)
発泡剤として窒素ガスを用いた。
(7)発泡剤(F−2)
発泡剤として重曹系発泡剤を用いた。
三協化成製「商品名:MB3274」
[評価方法]
(1)メルトフローレイト(MFR)
JIS K7210に準拠して、プロピレンから誘導される繰り返し単位を主成分とする樹脂については、温度230℃、荷重21.2Nなる条件で測定した。
(2)グリシジルメタアクリレートに由来する単量体単位含有量(単位:質量%)
プレスシートを作成し、赤外吸収スペクトルの特性吸収の吸光度を厚さで補正して、検量線法により求めた。なお、グリシジルメタアクリレート特性吸収としては、910cm-1のピークを用いた。
(3)密度
発泡成形体の密度は比重計(ミラージュ貿易株式会社製、電子比重計EW−200SG)で比重を測定し、純水の密度を1.0g/cm3として求めた。
(4)衝撃値
発泡成形体の衝撃値はHIGH RATE IMPACT TESTER(Reometrics.inc製)により、測定条件としては1/2インチのダート径で、速度の5m/secにより3インチのリングにより固定したサンプルを打ち抜き変位と荷重の波形を測定した。その後、衝撃に要するエネルギー値を算出した。
(5)金型汚染
発泡成形体を10個成形した時点の金型の成形品と接触する面に付着物がついていないものを○とし、付着物がついているものを×とした。
〔実施例1〕
発泡成形体を次の方法で製造した。
50mmφ二軸混練押出機(東芝機械社製TEM50A)を用い、表1に示す割合、フィード方法で、シリンダ温度は190℃に設定し、押出量50kg/hr、スクリュ回転数200rpmで、発泡用熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを用い、射出成形機として、エンゲル社製ES2550/400HL−MuCell(型締力400トン)、金型として、図1に示した、成形品部寸法が290mm×370mm、高さ45mm、厚み2mmtの箱型形状(ゲート構造:バルブゲート、成形体中央部分)を有するものを用いて発泡成形を実施した。発泡剤としては、表1に示すとおり窒素ガスを用い、成形機のシリンダ内に10MPaに加圧して供給した(発泡剤注入量 0.8質量部)。成形温度200℃、型温20℃で、金型内にフル充填するように射出し、保圧を掛けずに金型のキャビティ内で同溶融樹脂を発泡させ、次いで発泡樹脂を冷却・固化して発泡成形体を得、評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
表1に記載した発泡剤以外は実施例と同様の方法で発泡剤を製造し、評価した。
Figure 2009144063
図1は、本発明に係る発泡成形体の断面を示す図である。
符号の説明
1 発泡成形体
10a,10b スキン層
20 発泡層
21 気泡

Claims (4)

  1. プロピレン系重合体(A)と、ポリ乳酸系樹脂(B)と、エポキシ基を含有するエチレン系重合体(C)及び/又はα,β−不飽和グリシジルエステルがグラフトされてなる変性プロピレン系重合体(D)と、を含有する樹脂組成物を射出成形してなる発泡成形体の製造方法であって、
    発泡剤として物理発泡剤を用いることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  2. 前記物理発泡剤は、不活性ガス、揮発性有機化合物からなる群から選ばれる少なくともいずれか1種である請求項1に記載の発泡成形体の製造方法。
  3. 前記不活性ガスは、超臨界状態である請求項1又は2に記載の発泡成形体の製造方法。
  4. 前記物理発泡剤の含有量は、前記樹脂組成物100質量部に対し、0.5質量部から20質量部である請求項1から3いずれかに記載の発泡成形体の製造方法。
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