JP2009143300A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ周方向に延びる主溝により区画された複数のリブを備えた空気入りタイヤにおいて、トレッド部の全体的な不均一摩耗及び偏摩耗の発生や進展を抑制して耐摩耗性を向上させる。
【解決手段】空気入りタイヤ1のトレッド部2に形成されたリブ21、22の少なくとも一方の端部側に、タイヤ周方向に延びる周方向細溝13〜16を形成する。これにより、リブ21、22を分断して端部側の副リブ21B、22Bと中央側の主リブ21A、22Aとに区画し、副リブ21B、22Bを主リブ21A、22Aを摩耗から守るディフェンスリブとして機能させる。副リブ21B、22Bを、隣接する主リブ21A、22Aの踏面に対してタイヤ半径方向外側に向かって突出させるとともに、そこに、副リブ21B、22Bをタイヤ幅方向に横断する複数本のサイプを形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数の主溝が形成されたトレッドパターンを備えた空気入りタイヤに関し、特に、トレッド部の耐摩耗性を向上させた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤの代表的なトレッドパターンとして、従来、タイヤ周方向に延びる複数の主溝により区画された複数のリブ(陸部)を有するリブパターンが知られている。このリブパターンは、排水性が高く操縦安定性等に優れるため、舗装路で使用されるバスやトラック、乗用車等を代表として空気入りタイヤに広く採用されている。ところが、このようなリブパターンを、例えばバスやダンプのフロント用タイヤ等、タイヤ幅方向(横方向)からの入力(サイドフォース)による摩耗が主体となる空気入りタイヤに使用した場合には、トレッド部の摩耗がタイヤ幅方向で不均一になる傾向がある。
図3は、このようなトレッド部に生じる摩耗のタイヤ幅方向における全体的な変化の一例を模式的に示すグラフであり、トレッド部のタイヤ幅方向位置を横軸に、摩耗量を縦軸にそれぞれ示す。
図示のように、摩耗量は、タイヤの車両に対する装着外側(図の右側)で多く、装着内側(図の左側)で少なくなり、トレッド部の装着外側のショルダ部から装着内側のショルダ部に向かって徐々に減少するように変化する傾向がある。また、この摩耗量のタイヤ幅方向での全体的な不均一化に加えて、各リブ内においても、サイドフォースによりタイヤ幅方向のエッジ部付近から摩耗が進展して端部が局部的(選択的)に摩耗する等、各リブの端部を中心として偏摩耗が発生することがある。
そこで、従来、リブの端部側にタイヤ周方向に延びるディフェンスグルーブと呼ばれる周方向細溝を配置し、その端部側をリブ本体(主リブ)から分断して副リブ(細リブ)を形成する等して、トレッド部全体の摩耗が不均一になるのを抑制した空気入りタイヤが提案されている(特許文献1参照)。
図4は、この従来の空気入りタイヤのトレッドパターンを展開して示す平面図である。
この空気入りタイヤ100は、図示のように、トレッド部101に、タイヤ周方向にジグザグ状に屈曲して延びる複数(図では3本)の主溝111、112と、各主溝111、112により区画された複数(図では4列)のジグザグ状のリブ121、122と、を備えている。また、この空気入りタイヤ100では、主溝111、112よりも幅が狭いタイヤ周方向に直線状に延びる周方向細溝113を、トレッド部101のタイヤ幅方向外側端(以下、トレッド端TEという)側に配置された、タイヤ幅方向最外側(ショルダ側)に位置するショルダリブ122のそれぞれに形成し、ショルダリブ122を、主リブ122Aと副リブ122Bとにタイヤ幅方向に分断している。
図5は、この空気入りタイヤ100の周方向細溝113が形成された部分を拡大して示すタイヤ幅方向の断面図であり、図では、トレッド部101の一方のトレッド端TE側(図1の右側)を示す。
この空気入りタイヤ100では、図示のように、周方向細溝113を、ショルダリブ122のタイヤ幅方向の一方の端部側(ここではタイヤ幅方向外側のトレッド端TE側)に配置し、ショルダリブ122を、タイヤ幅方向外側の幅狭(図1参照)な副リブ122Bと、タイヤ幅方向内側の幅広な主リブ122Aとに区画している。また、副リブ122Bのタイヤ半径方向の高さを主リブ122Aのそれよりも高く形成し、副リブ122Bを、主リブ122Aの踏面(外周面)に対してタイヤ半径方向外側(図では上側)に向かって突出させている。
ここで、ショルダリブ122のトレッド端TE側は、特に不均一かつ大きな摩耗が生じ易く、エッジ部からの偏摩耗も発生し易い部分であるが、この従来の空気入りタイヤ100では、その端部を周方向細溝113により分断して副リブ122Bとし、そこに発生した摩耗が主リブ122A側へ進展するのを抑制している。同時に、副リブ122Bを、タイヤ半径方向外側に突出させて主リブ122Aよりも摩耗し易くし、これにより、リブ122に生じる摩耗を主に副リブ122Bに集中させて負担させ、主リブ122A側の摩耗を抑制している。このように、この空気入りタイヤ100では、副リブ122Bを、主リブ122Aを摩耗から守るディフェンスリブとして機能させ、偏摩耗の進展を阻止するとともに、トレッド部101全体としての摩耗量をタイヤ幅方向でより均一化させている。
しかしながら、この従来の空気入りタイヤ100では、副リブ122Bの剛性が比較的高いため、サイドフォースが入力されたときに副リブ122Bの接地圧が増大し易く、これにより、偏摩耗の核となる局部摩耗が発生し、或いは、その摩耗を負担するディフェンスリブとしての機能が低くなる恐れがある。その結果、主リブ122A側でも摩耗が進展してその摩耗量が増加する恐れがある等、トレッド部101の全体的な不均一摩耗や偏摩耗を抑制する効果が充分とはいえず、耐摩耗性の更なる向上を図る必要がある。
特開平3−153403号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、トレッド部にタイヤ周方向に延びる主溝により区画された複数のリブを備えた空気入りタイヤにおいて、トレッド部の全体的な不均一摩耗及び偏摩耗の発生や進展を抑制し、その耐摩耗性を向上させることである。
請求項1の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、該主溝により区画された複数のリブと、を備えた空気入りタイヤであって、前記リブのタイヤ幅方向の少なくとも一方の端部側に配置され、該リブをタイヤ幅方向に分断して前記端部側の副リブと該副リブに隣接する主リブとに区画する周方向細溝を、少なくともタイヤ幅方向最外側の前記リブに備え、前記副リブは、前記隣接する主リブの踏面に対してタイヤ半径方向外側に向かって突出するとともに、該副リブをタイヤ幅方向に横断する複数本のサイプを有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、前記主溝は、タイヤ周方向にジグザグ状に延びる主溝であり、前記副リブは、前記主溝により区画されたジグザグ状の前記リブの1ピッチ内に少なくとも1本の前記サイプを有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載された空気入りタイヤにおいて、前記副リブの前記隣接する主リブの踏面に対するタイヤ半径方向外側方向の突出高さが、0.2mm以上2.0mm以下であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか記載された空気入りタイヤにおいて、前記副リブのサイプのタイヤ半径方向の深さが、前記主溝のタイヤ半径方向の深さの60%以上100%以下の深さであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記副リブのサイプのタイヤ周方向の配置間隔が、2.0mm以上6.0mm以下であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記副リブのタイヤ幅方向の幅が、前記隣接する主リブのタイヤ幅方向の幅の5%以上25%以下の幅であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記周方向細溝のタイヤ半径方向の深さが、前記主溝のタイヤ半径方向の深さの25%以上100%以下の深さであることを特徴とする。
本発明によれば、トレッド部にタイヤ周方向に延びる主溝により区画された複数のリブを備えた空気入りタイヤにおいて、トレッド部の全体的な不均一摩耗及び偏摩耗の発生や進展を抑制でき、その耐摩耗性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、図4に示す上記した空気入りタイヤ100と同様に、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、各主溝により区画された複数のリブとを備えた、リブパターンの空気入りタイヤである。
なお、これら各主溝及びリブは、例えばジグザグ状や略直線状等、要求されるタイヤ性能等に応じた所定形状に形成されるが、ここでは、それぞれタイヤ周方向にジグザグ状(図4参照)に屈曲して延びるように形成されている。また、各主溝は、その幅及び深さ、並びにジグザグの幅、ピッチ、及び位相等が略同一な同一形状に形成されており、従って、各リブのジグザグピッチ長さ(同一の主溝側のジグザグ凸部又は凹部間のタイヤ周方向の間隔)も略同一になっている。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤのトレッド部を示すタイヤ幅方向の半断面図であり、トレッド部の輪郭形状を模式的に示す。
この空気入りタイヤ1は、図示のように、トレッド部2に上記した主溝11、12を3本備えており、タイヤ赤道面CL上に中央主溝11を、タイヤ赤道面CLと両トレッド端TEとの略中間位置のそれぞれに中間主溝12(図ではタイヤ赤道面CLの片側の1本のみ示す)を配置している。また、この3本の主溝11、12によりトレッド部2を区画して、中央主溝11と中間主溝12との間に配置された中央リブ21と、そのタイヤ幅方向外側に位置し、中間主溝12とトレッド端TEとの間に配置されたショルダリブ22とからなる、タイヤ赤道面CLを挟んで2列ずつの計4列のリブ21、22を形成している。
更に、この空気入りタイヤ1では、リブ21、22のタイヤ幅方向の少なくとも一方の端部側(ここでは両端部側)に、タイヤ周方向に延びる周方向細溝(ディフェンスグルーブ)13〜16を配置し、これにより、各リブ21、22をタイヤ幅方向に3分断して、両端部側の副リブ(ディフェンスリブ)21B、22Bと、それらに挟まれた中央部側の主リブ21A、22Aと、に区画している。
各周方向細溝13〜16は、主溝11、12よりも幅狭に形成されるとともに、主溝11、12のタイヤ半径方向の深さFと同じか、又はそれよりも浅い所定のタイヤ半径方向の深さDに形成されている。また、この周方向細溝13〜16は、例えばタイヤ周方向に直線状やジグザグ状に延びる形状等、リブ21、22をタイヤ幅方向に分断可能な形状に形成されて、リブ21、22のタイヤ幅方向の各端部(主溝11、12又はトレッド端TE)から所定の距離を隔てた位置に配置されている。これにより、各副リブ21B、22Bを、タイヤ周方向に連続した状態でリブ21、22から分断するとともに、そのタイヤ幅方向の幅Wが、それぞれの主リブ21A、22Aのタイヤ幅方向の幅Hに対して、それよりも狭い所定範囲内の幅になるようにしている。なお、この主溝11、12の深さF及び周方向細溝13〜16の深さDは、主リブ21A、22Aの踏面(外周面)からのタイヤ半径方向の深さである。また、副リブ21B、22Bの幅W及び主リブ21A、22Aの幅Hは、各踏面のエッジ間のタイヤ幅方向の幅である。
本実施形態の空気入りタイヤ1では、この周方向細溝13〜16の深さDを、主溝11、12の深さFの25%以上100%以下の深さに形成している。これにより、各周方向細溝13〜16を主溝11、12と同じ深さに形成して、リブ21、22から副リブ21B、22Bを完全に分断(分離)するか、或いは、それよりも浅く形成して、各主リブ21A、22Aと副リブ21B、22Bとが、周方向細溝13〜16の溝底よりも下側の部分で繋がるように、副リブ21B、22Bを各リブ21、22から分断する。また、副リブ21B、22Bの幅Wが、それぞれの主リブ21A、22Aの幅Hの5%以上25%以下になるように各周方向細溝13〜16を配置し、副リブ21B、22Bを幅狭な細リブに形成している。
更に、ここでは、周方向細溝13〜16の内、中央リブ21の各主溝11、12側の周方向細溝13、14、及びショルダリブ22の主溝12側の周方向細溝15は、主溝11、12の形状に合わせてタイヤ周方向にジグザグ状に屈曲して延びるように形成し、ショルダリブ22のトレッド端TE側の周方向細溝16は、略直線状のトレッド端TEに合わせてタイヤ周方向に略直線状に形成している。このように、周方向細溝13〜16を、それぞれのリブ21、22の端部の溝壁やトレッド端TEの形状等に応じた形状に形成し、分断する各副リブ21B、22Bの幅Wをタイヤ周方向で略同一になるようにして、そのタイヤ幅方向の剛性をタイヤ周方向で略均一にしている。
また、これら副リブ21B、22Bは、タイヤ半径方向の高さが、各リブ21、22内で周方向主溝13〜16を挟んで隣接する主リブ21A、22Aの高さよりも高くなっており、それぞれの主リブ21、22の踏面に対して、タイヤ半径方向外側に向かって突出している。即ち、副リブ21B、22Bは、その所定幅の踏面を各主リブ21A、22Aの踏面と略平行にした状態で、そのタイヤ外径が、隣接する主リブ21A、22Aのタイヤ外径よりも大きくなるように形成されている。また、ここでは、副リブ21B、22Bの各主リブ21A、22Aの踏面に対するタイヤ半径方向外側方向の突出高さS(以下、単に突出高さSという)、即ち、副リブ21B、22Bと、その主リブ21A、22Aとの段差を、0.2mm以上2.0mm以下に形成している。更に、本実施形態では、各副リブ21B、22Bに、そのタイヤ幅方向(横方向)等の変形に対する剛性を低下させるための複数本のサイプを形成している。
図2は、ショルダリブ22のトレッド端TE側(図1のXで示す領域)をタイヤ半径方向外側(図では上側)から見た平面図である。
図示のように、各副リブ21B、22B(ここではショルダリブ22のトレッド端TE側の副リブ22B)には、タイヤ幅方向(図では左右方向)に横断するサイプ18が、タイヤ周方向(図では上下方向)に所定の配置間隔Pで複数本並設されている。
この各サイプ18は、副リブ22Bのタイヤ幅方向両側の周方向細溝16と、トレッド端TE側のショルダ部とに開口し、それら開口部間を結んでタイヤ幅方向に略直線状に延びるとともに、タイヤ半径方向内側に向かって所定の深さに形成されている。従って、副リブ22Bは、これら複数本のサイプ18により、タイヤ周方向に並設された複数のブロック状部分に分断される。また、これら各サイプ18は、タイヤ周方向の配置間隔Pが2.0mm以上6.0mm以下に、タイヤ半径方向の深さが、主溝11、12のタイヤ半径方向深さF(図1参照)の60%以上100%以下の深さになっている。
なお、各リブ21、22の主溝11、12側の副リブ21B、22Bにも、以上と同様の複数本のサイプ18が形成されているが、これら各サイプ18では、両端部が、副リブ21B、22Bを挟む各周方向細溝13〜15及び主溝11、12に開口している。また、ここでは、上記したリブ21、22のタイヤ周方向のジグザグピッチ長さに合わせて、各副リブ21B、22Bのサイプ18の配置間隔Pが設定されており、ジグザグ状のリブ21、22の1ピッチ(1箇所のジグザグ凸部又は、それに対応した範囲)内に、少なくとも1本のサイプ18が配置されるようになっている。
本実施形態の空気入りタイヤ1では、以上のように各リブ21、22を周方向細溝13〜16により分断して、端部側の副リブ21B、22Bと中央側の主リブ21A、22Aとに区画し、これら各副リブ21B、22Bを、主リブ21A、22Aを摩耗から守るためのディフェンスリブとして機能させている。同時に、副リブ21B、22Bを、主リブ21A、22Aの踏面に対してタイヤ半径方向外側に向かって突出させてより摩耗し易くし、副リブ21B、22Bの有するサイドフォース等による摩耗を引き受けるディフェンスリブとしての機能を高めている。
従って、本実施形態によれば、リブ21、22に生じる摩耗を主に副リブ21B、22Bに集中させて負担させ、かつ、そこに生じた摩耗を周方向細溝13〜16により遮断して主リブ21A、22A側へ進展するのを抑制することができる。これにより、リブ21、22のエッジ部から進行する偏摩耗等が主リブ21A、22Aに進展するのを阻止できるとともに、主リブ21A、22Aの摩耗量を減少させることもでき、トレッド部2の全体としての摩耗量をタイヤ幅方向でより均一にすることができる。
また、この空気入りタイヤ1では、各副リブ21B、22Bに、タイヤ幅方向に横断する複数本のサイプ18を付加して剛性を低下させたため、サイドフォースの入力等に伴う副リブ21B、22Bの接地圧を低下させることができる。その結果、接地圧の上昇に伴い発生する偏摩耗の核となる局部摩耗等が、副リブ21B、22B内で発生するのを抑制でき、その機能低下を防止することができる。同時に、副リブ21B、22Bがより摩耗し易くなる等、そのリブ21、22内で摩耗を負担する機能がより高くなり、主リブ21A、22Aの摩耗量を一層減少させることもできる。このように、副リブ21B、22Bのディフェンスリブとしての機能が向上するとともに、その機能をより長期に渡って確実に維持することもできるため、トレッド部2の全体的な不均一摩耗及び偏摩耗の発生や進展等を効果的に抑制することが可能となり、空気入りタイヤ1の耐摩耗性をさらに向上させることができる。
ここで、副リブ21B、22Bの突出高さS(図1参照)が0.2mmよりも低い場合には、主リブ21A、22Aとの段差が小さくなり過ぎて、副リブ21B、22Bの上記した突出させたことによる効果が充分得られず、主リブ21A、22Aに摩耗が進展する等して、その摩耗量が増加する恐れがある。一方、突出高さSが2.0mmよりも高い場合には、主リブ21A、22Aとの大きな段差に起因して、リブ21、22内で凹状に窪んだ主リブ21A、22Aの踏面が、車両の制動時に作用するブレーキングフォースにより路面上で引きずられて摩耗する、いわゆる引きずり摩耗が発生し易くなる。従って、副リブ21B、22Bの突出高さSは、0.2mm以上2.0mm以下の高さにするのが望ましく、この範囲内であれば、主リブ21A、22Aの耐摩耗性の低下を防止しつつ、副リブ21B、22Bの摩耗を負担する機能を充分に発揮させることができる。
また、各副リブ21B、22Bの幅W(図1参照)を、その主リブ21A、22Aの幅Hの5%よりも狭くした場合には、副リブ21B、22Bの剛性が低くなって、サイドフォース等が入力したときに亀裂や破断が生じ易くなる等、副リブ21B、22Bに充分な耐テア性を確保できない恐れがある。一方、25%よりも広くした場合には、副リブ21B、22Bの剛性が高くなってディフェンスリブとしての機能が低下するとともに、主リブ21A、22Aの表面積及び体積が減少して必要な摩耗容量を確保できない恐れがある。従って、各副リブ21B、22Bの幅Wは、各主リブ21A、22Aの幅Hの5%以上25%以下の幅に形成するのが望ましい。この範囲内にすることで、主リブ21A、22Aの摩耗容量を確保しつつ、副リブ21B、22Bに、サイドフォース等による摩耗を効果的に抑制でき、かつ充分な耐テア性を確保しうる剛性を付与することができ、耐摩耗性と耐テア性とを両立させることができる。
更に、周方向細溝13〜16の深さD(図1参照)は、主溝11、12の深さFの25%以上100%以下の深さにするのが望ましい。これは、上記した偏摩耗等は、主に摩耗初期に生じて問題となるが、周方向細溝13〜16を主溝11、12の深さFの25%以上の深さにすれば、偏摩耗等が問題となる間を通じて、副リブ21B、22Bに充分なディフェンスリブとしての機能を発揮させることができるからである。一方、トレッド部2の摩耗寿命の観点から、周方向細溝13〜16を主溝11、12よりも深くする必要はなく、かつ、そのような深さに形成した場合には、溝底部の変形が大きくなって亀裂が生じ易くなり、副リブ21B、22Bの耐テア性が低下する恐れもある。
また、副リブ21B、22Bの各サイプ18は、タイヤ半径方向の深さを、主溝11、12のタイヤ半径方向の深さFの60%以上100%以下の深さに形成するのが望ましい。この範囲内の深さであれば、各副リブ21B、22Bの剛性を適切に低下させて、そのディフェンスリブとしての機能を効果的に向上できるとともに、周方向細溝13〜16と同様に、偏摩耗等が問題となる間を通じて、その機能を確実に維持して、必要な耐摩耗性を確保することができる。また、これら複数本のサイプ18は、上記したように、ジグザグ状のリブ21、22の1ピッチ内に少なくとも1本配置されていれば、充分に副リブ21B、22Bの剛性を低下させる効果を発揮し得るが、剛性の適切化の点から、そのタイヤ周方向の配置間隔P(図2参照)は、2.0mm以上6.0mm以下にするのが望ましい。
なお、本実施形態では、各リブ21、22のタイヤ幅方向の両端部側に周方向細溝13〜16を配置したが、周方向細溝13〜16は、リブ21、22の少なくとも一方の端部側に配置すればよい。このように、主リブ21A、22Aの片側に副リブ21B、22Bを形成することで、従来よりも耐摩耗性を向上させることができ、主リブ21A、22A内での摩耗の進展等を抑制することができる。同様に、この周方向細溝13〜16は、特に不均一かつ大きな摩耗が生じ易く、エッジ部からの偏摩耗も発生し易いタイヤ幅方向最外側のショルダリブ22に少なくとも設ければ、充分な耐摩耗性の向上効果が得られる。従って、周方向細溝13〜16は、ショルダリブ22のみに形成してもよく、ショルダリブ22を含む複数のリブ21、22、又は全てのリブ21、22に形成してもよい。
また、主溝11、12は、例えば波状又は正弦波状に湾曲しつつタイヤ周方向に延びる形状や、或いは、矩形波状又は台形波状に屈曲しつつタイヤ周方向に延びる形状等(本発明では、このようにタイヤ幅方向に種々の形状で振幅しつつタイヤ周方向に延びるものを含めてジグザグ状という)、タイヤ周方向に延びる他のジグザグ形状等に形成してもよい。同様に、周方向細溝13〜16も、タイヤ周方向に延びる他のジグザグ形状等に形成してもよく、このとき、リブ21、22がタイヤ幅方向に分断可能であれば、主溝11、12と異なる形状であってもよい。
更に、副リブ21B、22Bに配置する複数本のサイプ18は、各副リブ21B、22Bを、そのタイヤ幅方向の一方の端部から他方の端部まで横断して延びるものであればよい。従って、本発明で副リブ21B、22Bをタイヤ幅方向に横断するという場合には、タイヤ幅方向に略平行に横断する場合に加えて、例えばタイヤ幅方向に対して所定の角度で傾斜して横断し、或いは湾曲又は屈曲しつつタイヤ幅方向に横断する等、副リブ21B、22Bを他の態様で横断し、そのタイヤ幅方向の端部間に渡って延びるものを含む。
(タイヤ試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明した副リブ(ディフェンスリブ)21B、22Bを有する実施例のタイヤ(以下、実施品という)と、それらを有しない従来構造の比較例のタイヤ(以下、比較品という)とを試作し、以下の条件で摩耗試験を行った。実施品と比較品は共に、JATMA YEAR BOOK(2006、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ275/80R22.5のトラック及びバス用の空気入りラジアルプライタイヤである。
これら各タイヤは、実施品が、中央リブ21及びショルダリブ22の両端部のそれぞれに、周方向細溝13〜16及び副リブ21B、22B(図1参照)を備えているのに対し、比較品では、それらが形成されていない従来のリブ21、22を備えている点で相違するが、それら以外は全て同一に構成されている。また、実施品と比較品は共に、トレッド幅が240mm、主溝11、12の深さFが19.0mm、両リブ21、22及び主溝11、12のタイヤ幅方向の幅が、それぞれ49.2mm及び14.4mmである。
これらに加えて、実施品(図1参照)には、中央リブ21とショルダリブ22のタイヤ幅方向の両端部側に、深さDが9.5mmの周方向細溝13〜16を配置して副リブ21B、22Bを形成した。これら各副リブ21B、22Bは全て、幅Wが5.0mm、突出高さSが0.2mmである。なお、ここでは、周方向細溝13〜16の深さD(9.5mm)は、主溝11、12の深さF(19.0mm)の50%の深さであり、副リブ21B、22Bの幅W(5.0mm)は、主リブ21A、22Aの幅H(39.2mm)の約13%の幅であり、副リブ21B、22Bの突出高さSも含めて、これらは、上記した望ましい範囲内になっている。
摩耗試験は、これら各タイヤを、内圧850kPaでバスのフロント軸側に装着し、3250kgの荷重を付加した状態で舗装面上を速度60km/hで1000km走行させて行った。このとき、バスを、遠心力が0.3Gになるように円旋回させ、各タイヤに車両横方向の力(サイドフォース)を作用させつつ走行させた。
試験結果は、走行後の各タイヤのショルダリブ22の摩耗量を測定し、その差により評価したが、比較品では、両ショルダリブ22のトレッド端TE側の端部の摩耗量を、実施品では、副リブ22Bを除く両ショルダリブ22(主リブ22A)のトレッド端TE側の端部の摩耗量を、それぞれ測定して比較した。また、試験結果は、比較品の摩耗量を100とした指数により数値化し、その値が大きいほど摩耗量が少なく良好な結果であることを示す。
その結果、摩耗量指数は、比較品の100に対し、実施品では112と高くなっており、摩耗量が大幅に減少したことが分かった。これにより、本発明により、トレッド部2の全体的な不均一摩耗及び偏摩耗の発生や進展を抑制でき、空気入りタイヤ1の耐摩耗性を向上できることが証明された。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッド部を示すタイヤ幅方向の半断面図である。 図1のXで示す領域をタイヤ半径方向外側から見た平面図である。 従来のトレッド部に生じる摩耗のタイヤ幅方向における全体的な変化の一例を模式的に示すグラフである。 従来の空気入りタイヤのトレッドパターンを展開して示す平面図である。 図4の空気入りタイヤの周方向細溝が形成された部分を拡大して示すタイヤ幅方向の断面図である。
符号の説明
1・・・空気入りタイヤ、2・・・トレッド部、11・・・中央主溝、12・・・中間主溝、13〜16・・・周方向細溝、18・・・サイプ、21・・・中央リブ、21A・・・主リブ、21B・・・副リブ、22・・・ショルダリブ、22A・・・主リブ、22B・・・副リブ、CL・・・赤道面、TE・・・トレッド端。

Claims (7)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、該主溝により区画された複数のリブと、を備えた空気入りタイヤであって、
    前記リブのタイヤ幅方向の少なくとも一方の端部側に配置され、該リブをタイヤ幅方向に分断して前記端部側の副リブと該副リブに隣接する主リブとに区画する周方向細溝を、少なくともタイヤ幅方向最外側の前記リブに備え、
    前記副リブは、前記隣接する主リブの踏面に対してタイヤ半径方向外側に向かって突出するとともに、該副リブをタイヤ幅方向に横断する複数本のサイプを有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記主溝は、タイヤ周方向にジグザグ状に延びる主溝であり、
    前記副リブは、前記主溝により区画されたジグザグ状の前記リブの1ピッチ内に少なくとも1本の前記サイプを有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1または2に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記副リブの前記隣接する主リブの踏面に対するタイヤ半径方向外側方向の突出高さが、0.2mm以上2.0mm以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記副リブのサイプのタイヤ半径方向の深さが、前記主溝のタイヤ半径方向の深さの60%以上100%以下の深さであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記副リブのサイプのタイヤ周方向の配置間隔が、2.0mm以上6.0mm以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記副リブのタイヤ幅方向の幅が、前記隣接する主リブのタイヤ幅方向の幅の5%以上25%以下の幅であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記周方向細溝のタイヤ半径方向の深さが、前記主溝のタイヤ半径方向の深さの25%以上100%以下の深さであることを特徴とする空気入りタイヤ。
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