JP5281422B2 - 建設車両用タイヤ - Google Patents

建設車両用タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5281422B2
JP5281422B2 JP2009015760A JP2009015760A JP5281422B2 JP 5281422 B2 JP5281422 B2 JP 5281422B2 JP 2009015760 A JP2009015760 A JP 2009015760A JP 2009015760 A JP2009015760 A JP 2009015760A JP 5281422 B2 JP5281422 B2 JP 5281422B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
lug
tread
groove
land portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009015760A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010173379A (ja
Inventor
茂昭 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2009015760A priority Critical patent/JP5281422B2/ja
Publication of JP2010173379A publication Critical patent/JP2010173379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5281422B2 publication Critical patent/JP5281422B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、トレッド幅方向に対して傾斜して延びる複数のラグ溝によって区画されるラグ型陸部を備える建設車両用タイヤに関する。
従来、ホイールローダーなどの建設用車両に装着される建設車両用タイヤでは、泥濘地でのトラクション性能や、トレッドに付着した泥などを自然に除去し得るセルフクリーニング性能を確保するため、トレッド幅方向に対して傾斜した複数のラグ(ラグ型陸部)設けるともに、隣接するラグの間に形成されるラグ溝の幅を広くしたトレッドパターンが広く用いられている。
このような建設車両用タイヤでは、ラグが接地面に叩きつけられることや、接地面に押しつけられたラグが接地面から離れるときに元の形状に戻ることに起因する振動が問題となる。そこで、このような振動を低減する様々な方法が実現されている。
例えば、ラグ溝の幅や、タイヤ周方向に沿って延びる陸部列を設ける位置を工夫して、このような振動を低減する方法が知られている(特許文献1参照)。具体的には、陸部列をタイヤ赤道線近傍のセンター領域に配設することによって、一定のトラクション性能を確保しつつ、振動を低減する。
また、このような陸部列がセンター領域に配設された建設車両用タイヤでは、陸部列を設けない場合と比較してトラクション性能を犠牲にせざるを得ないため、陸部列を設けることなく振動を低減する方法も提案されている。具体的には、ラグ溝の数を増加すること、つまり、ラグの数を増加することによって、いわゆるエッヂ力を増大させつつ、ラグのブロック剛性を低下させることによって振動を低減する。このような建設車両用タイヤによれば、高いトラクション性能を確保しつつ振動を低減できる。
特開2005−186703号公報(第3−4頁、第1図)
しかしながら、上述した従来の建設車両用タイヤには、次のような問題があった。すなわち、ラグのブロック剛性を低下させた場合、ラグが変形し易くなり、トレッドの偏摩耗が発生する問題があった。
そこで、本発明は、トラクション性能を確保しつつ、ラグが接地面に叩きつけられることや、接地面に押しつけられたラグが接地面から離れるときに元の形状に戻ることに起因する振動と、トレッドの偏摩耗とを効果的に抑制できる建設車両用タイヤの提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、トレッド幅方向に対して傾斜して延びる複数のラグ溝(ラグ溝10)によって区画されるラグ型陸部(ラグ型陸部20)を備える建設車両用タイヤ(建設車両用タイヤ1)であって、前記ラグ型陸部には、前記ラグ型陸部の短手方向に沿って前記ラグ型陸部をブロック状陸部(ブロック状陸部20A)に分断する分断溝(分断溝30)が形成され、前記ラグ溝の溝底(溝底10A)には、前記溝底からタイヤ径方向外側に膨出する膨出部(膨出部40)が設けられ、前記膨出部は、前記ラグ溝を介して隣接する2つの前記ブロック状陸部を連結することを要旨とする。
かかる特徴によれば、複数のラグ溝によって区画されるラグ型陸部には、分断溝が形成される。また、ラグ溝の溝底には、膨出部が設けられる。これによれば、膨出部が設けられていない場合と比較して、膨出部の分、当該膨出部のエッヂ量が増大する。このため、エッヂ力が増大し、トラクション性能が向上する。
また、膨出部は、ラグ溝を介してタイヤ周方向に隣接する2つのブロック状陸部を連結する。これによれば、タイヤ周方向におけるラグ型陸部のブロック剛性が向上し、建設車両用タイヤ自体の撓み量が減少する。このため、建設車両用タイヤの軸方向視において、タイヤ周方向におけるラグ型陸部のブロック剛性が低い場合と比較して、ラグ型陸部が接地面に叩きつけられる際の角度が小さくなり、ラグ型陸部がスムーズに接地する。従って、接地面に叩きつけられるブロック状陸部への衝撃が緩和され、ブロック状陸部が接地面に叩きつけられることに起因する振動を低減できる。
また、ラグ溝は、トレッド幅方向に対して傾斜して延びる。これによれば、接地面に押しつけられたラグ型陸部が接地面から離れる(蹴り出す)際に、1つのラグ型陸部は、全て同時に接地面から離れことがなく、ラグ型陸部の動きが拘束される。さらに、上述したように、膨出部によりタイヤ周方向におけるラグ型陸部のブロック剛性が向上するため、ラグ型陸部の変形が抑制される。従って、接地面に押しつけられたラグ型陸部が接地面から離れるときに元の形状に戻ることに起因する振動を低減できる。
さらに、ラグ型陸部の変形が抑制されることに伴って、ブロック状陸部が変形しにくくなり、トレッドの偏摩耗を抑制できる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記膨出部は、タイヤ赤道線(タイヤ赤道線CL)上に位置することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または2の特徴に係り、前記建設車両用タイヤのトレッド面視において、タイヤ赤道線と直交するトレッド幅方向線(トレッド幅方向線WL)と前記ラグ型陸部の溝壁(溝壁21)とが形成する角度(a)は、15度〜40度であることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、前記分断溝は、直線状であり、前記トレッド面視において、前記トレッド幅方向線と、前記分断溝を形成する前記ブロック状陸部の溝壁(溝壁22)とが形成する角度は、30度〜60度であることを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第1乃至4の特徴に係り、前記ラグ型陸部を含むトレッドパターンが形成されるトレッドを備え、前記建設車両用タイヤの外径を‘OD’とし、路面と接する前記トレッドのトレッド幅方向における幅を‘TW’とした場合、前記トレッドパターンがタイヤ周方向に繰り返されるピッチ数Pは、(OD×π)/(0.4227×TW)によって求められる値の±1を満たすことを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第1乃至5の特徴に係り、前記分断溝は、前記タイヤ赤道線上に位置する中央分断溝(中央分断溝31)と、前記中央分断溝よりも前記トレッド幅方向外側に位置する外側分断溝(外側分断溝33)とを有することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記中央分断溝の溝底(溝底31A)は、前記膨出部の表面(表面40A)と連なり、前記外側分断溝の溝底(溝底33A)は、前記ラグ溝の溝底と連なることを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記膨出部のタイヤ径方向における高さ(H)は、前記外側分断溝のタイヤ径方向における深さ(D2)に対して20%〜80%であることを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、本発明の第1乃至8の特徴に係り、前記ラグ型陸部を含むトレッドパターンが形成されるトレッドを備え、前記膨出部のトレッド幅方向における幅(W)は、路面と接する前記トレッドのトレッド幅方向における幅(トレッド接地幅TW)に対して15%〜30%であることを要旨とする。
本発明の第10の特徴は、本発明の第1乃至9の特徴に係り、前記ラグ型陸部を含むトレッドパターンが形成されるトレッドを備え、前記建設車両用タイヤの外径を‘OD’とし、路面と接する前記トレッドのトレッド幅方向における幅を‘TW’とし、前記トレッドパターンがタイヤ周方向に繰り返されるピッチ数をPとした場合、タイヤ赤道線上の前記ラグ溝のタイヤ周方向における長さは、(OD×π)/Pによって求められた値の18%〜19.5%であることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、トラクション性能を確保しつつ、ラグが接地面に叩きつけられることや、接地面に押しつけられたラグが接地面から離れるときに元の形状に戻ることに起因する振動と、トレッドの偏摩耗とを効果的に抑制できる建設車両用タイヤを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る建設車両用タイヤ1のトレッドパターンを示すトレッド面視図(展開図)である。 図2は、本実施形態に係る建設車両用タイヤ1のトレッドパターンを示す一部斜視図である。 図3は、本実施形態に係るラグ溝10を示す断面図(図1のA−A断面図)である。 図4は、本実施形態に係る中央分断溝31を示す断面図(図1のB−B断面図)である。 図5は、本実施形態に係る外側分断溝33を示す断面図(図1のC−C断面図)である。 図6は、本実施形態に係る膨出部40を示す断面図(図1のD−D断面図)である。 図7は、比較例に係る建設車両用タイヤ100を示す斜視図である。 図8は、本実施形態に係る建設車両用タイヤ1の軸方向視から見た図である。 図9は、本実施形態に係る建設車両用タイヤ1のトラクション性能を示すグラフである。 図10は、その他の実施形態に係る建設車両用タイヤ1のトレッドパターンを示すトレッド面視図(展開図)である。
次に、本発明に係る建設車両用タイヤの実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)トレッドパターン、(2)ラグ溝の構成、(3)分断溝の構成、(4)膨出部の構成、(5)比較評価、(6)作用・効果、(7)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)トレッドパターン
まず、本実施形態に係る建設車両用タイヤ1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る建設車両用タイヤ1のトレッドパターンを示すトレッド面視図(展開図)である。図2は、本実施形態に係る建設車両用タイヤ1のトレッドパターンを示す一部斜視図である。
本実施形態では、建設車両用タイヤ1は、ビード部、カーカス層、ベルト層などやトレッドパターンが形成されるトレッドを備える一般的な建設車両用ラジアルタイヤ(例えば、ダンプトラックやグレーダー、ショベルローダー、ホイールローダー、ホイールクレーンの建設車両に装着されるタイヤ)である。
図1及び図2に示すように、建設車両用タイヤ1は、複数のラグ溝10によって区画されるラグ型陸部20を備える。ラグ型陸部20には、ラグ型陸部20の短手方向に沿ってラグ型陸部20をブロック状陸部20Aに分断する分断溝30が形成される。また、ラグ溝10の溝底10Aには、溝底10Aからタイヤ径方向外側に膨出する膨出部40が設けられる。
ここで、建設車両用タイヤ1の外径を‘OD’とし、トレッドのトレッド幅方向における幅(以下、トレッド接地幅)を‘TW’とした場合、トレッドパターンがタイヤ周方向に繰り返されるピッチ数Pは、
(OD×π)/(0.4227×TW)
によって求められる値の±1を満たす。
ここで、0.4227は、1ピッチのタイヤ周方向における長さ(いわゆる、ピッチ長)をトレッド接地幅TWで除算した値である。つまり、ピッチ長とトレッド接地幅TWとの比を0.4227に近づけるように、ピッチ長とトレッド接地幅TWとを設定する。
なお、トレッド接地幅TWは、建設車両用タイヤ1をJATMA YEAR BOOK(2007年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%を内圧として充填し、最大負荷能力を負荷したときにおけるトレッドのトレッド幅方向における幅を指す。なお、使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
(2)ラグ溝の構成
次に、本実施形態に係るラグ溝10の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係るラグ溝10を示す断面図(図1のA−A断面図)である。
図1〜図3に示すように、ラグ溝10は、トレッド幅方向に対して傾斜して延びる。具体的には、建設車両用タイヤ1のトレッド面視(図1参照)において、ラグ溝10の傾斜角a、すなわち、タイヤ赤道線CLと直交するトレッド幅方向線WLとラグ型陸部20の溝壁21とが形成する角度は、15度〜40度である。
ここで、建設車両用タイヤ1の外径を‘OD’とし、トレッド接地幅を‘TW’とし、ピッチ数をPとした場合、タイヤ赤道線CL上のラグ溝10のタイヤ周方向における長さL1は、
(OD×π)/P
によって求められた値の18%〜19.5%である。
(3)分断溝の構成
次に、本実施形態に係る分断溝30の構成について、図1、図2、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本実施形態に係る中央分断溝31を示す断面図(図1のB−B断面図)である。図5は、本実施形態に係る外側分断溝33を示す断面図(図1のC−C断面図)である。
図1及び図2に示すように、分断溝30は、直線状である。分断溝30は、トレッド幅方向に対して傾斜するラグ溝10と逆側に傾斜して延びる。具体的には、トレッド面視において、分断溝30の傾斜角b、すなわち、上述したトレッド幅方向線WLと、分断溝30を形成するブロック状陸部20Aの溝壁22とが形成する角度は、30度〜60度である。なお、分断溝30の傾斜角bは、全て同一である。
このような分断溝30は、中央分断溝31と、外側分断溝33とを有する。中央分断溝31は、タイヤ赤道線CL上に位置する。中央分断溝31の溝底31Aは、図4に示すように、膨出部40の表面40Aと連なる。
外側分断溝33は、中央分断溝31よりもトレッド幅方向外側に位置する。本実施形態では、外側分断溝33は、中央分断溝31のトレッド幅方向両側に1本ずつ(計2本)設けられる。外側分断溝33の溝底33Aは、図5に示すように、ラグ溝10の溝底10Aと連なる。
つまり、外側分断溝33のタイヤ径方向における深さD2は、ラグ溝10のタイヤ径方向における深さD3と同一である(D2=D3)。中央分断溝31のタイヤ径方向における深さD1は、外側分断溝33のタイヤ径方向における深さD2から、膨出部40のタイヤ径方向における高さHを減算した値となる(D1=D2−H)。
(4)膨出部の構成
次に、本実施形態に係る膨出部40の構成について、図1、図2及び図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る膨出部40を示す断面図(図1のD−D断面図)である。
図1及び図2に示すように、膨出部40は、ラグ溝10を介してタイヤ周方向に隣接する2つのブロック状陸部20Aを連結する。膨出部40は、タイヤ赤道線CL上に位置する。
図6に示すように、膨出部40のタイヤ径方向における高さHは、外側分断溝33のタイヤ径方向における深さD2に対して20%〜80%である。特に、高さHは、深さD2に対して20%〜50%であることが好ましい。また、膨出部40のトレッド幅方向における幅Wは、トレッド接地幅TWに対して15%〜30%である。
(5)比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る建設車両用タイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(5.1)各建設車両用タイヤの構成、(5.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(5.1)各建設車両用タイヤの構成
まず、比較例及び実施例1〜15に係る建設車両用タイヤについて、表1を参照しながら説明する。なお、建設車両用タイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ 車両種別 : ホイールローダー
・ タイヤサイズ :17.5R25
・ リムサイズ : 14.00/1.5
・ タイヤ外周 : 1362mm
・ トレッド接地幅 : 412mm
・ ラグ溝深さ : 30mm
・ ピッチ数 : 30ピッチ
Figure 0005281422
比較例に係る建設車両用タイヤ100は、図7に示すように、トレッド幅方向に対して傾斜して、タイヤ赤道線CLに対して交互に延びるラグ溝101によって区画されるラグ型陸部102を備える。また、比較例に係る建設車両用タイヤ100では、ラグ型陸部102には、ラグ型陸部102の短手方向に沿ってラグ型陸部102をブロック状陸部102Aに分断する分断溝103が形成される。なお、比較例に係る建設車両用タイヤ100には、膨出部が形成されていない。
実施例1〜15に係る建設車両用タイヤ1は、上述した実施形態で説明した通りである。なお、実施例1〜15に係る建設車両用タイヤ1では、表1に示すように、ラグ溝10や分断溝30、膨出部40などの構成が異なる。
(5.2)評価結果
次に、上述した比較例及び実施例1〜15に係る建設車両用タイヤを用いた評価結果について、表1を参照しながら説明する。具体的には、(5.2A)振動評価、(5.2B)トラクション評価、(5.2C)摩耗評価について説明する。
(5.2A)振動評価
各建設車両用タイヤが装着された車両を走行させ、ドライバーがフィーリング評価を行い、各建設車両用タイヤの振動性能を指数化(10点満点)した。なお、数値が大きいほど、振動性に優れている。
この結果、実施例1〜15に係る建設車両用タイヤ1は、比較例に係る建設車両用タイヤ100と比べて、振動性能に優れていることが判った。
(5.2B)トラクション評価
各建設車両用タイヤが装着された車両を走行させ、比較例に係る建設車両用タイヤ100のトラクション性能を“100”とし、その他の建設車両用タイヤ1のトラクション性能を指数化した。なお、指数が高いほど、トラクション性能に優れている。
この結果、実施例1〜15に係る建設車両用タイヤ1は、比較例に係る建設車両用タイヤ100と比べて、振動性能に優れていることが判った。
(5.2C)摩耗評価
各建設車両用タイヤが装着された車両を、ラグ型陸部が10%摩耗するまで走行させ、ユーザーが各建設車両用タイヤを目視して偏摩耗が発生しているか否かを評価した。なお、○は、偏摩耗として認識されなず、×は、偏摩耗として認識された。
この結果、比較例及び実施例1〜15に係る建設車両用タイヤ1は、全て偏摩耗として認識されず、偏摩耗を抑制できることが判った。
(6)作用・効果
実施形態では、複数のラグ溝10によって区画されるラグ型陸部20には、分断溝30が形成される。また、ラグ溝10の溝底10Aには、膨出部40が設けられる。これによれば、膨出部40が設けられていない場合と比較して、膨出部40の分、当該膨出部40のエッジ量が増大する。このため、エッヂ力が増大し、トラクション性能が向上する。なお、エッヂ力とは、タイヤ転動時にトレッドパターンが接地面に踏み込む際のエッヂに掛かる圧力の総和(エッヂ量×エッヂ圧)である。
また、膨出部40は、ラグ溝10を介してタイヤ周方向に隣接する2つのブロック状陸部20Aを連結する。これによれば、タイヤ周方向におけるラグ型陸部20のブロック剛性が向上し、タイヤ周方向におけるラグ型陸部20の撓み量が減少する。このため、図8に示すように、建設車両用タイヤ1の軸方向視において、タイヤ周方向におけるラグ型陸部20のブロック剛性が低い場合(二点鎖線)と比較して、ラグ型陸部20が接地面に叩きつけられる際の角度αが小さくなり、ラグ型陸部20がスムーズに接地する。従って、接地面に叩きつけられるブロック状陸部20Aへの衝撃が緩和され、ブロック状陸部20Aが接地面に叩きつけられることに起因する振動を低減できる。
また、ラグ溝10は、トレッド幅方向に対して傾斜して延びる。これによれば、接地面に押しつけられたラグ型陸部20が接地面から離れる(蹴り出す)際に、1つのラグ型陸部20は、全て同時に接地面から離れことがなく、ラグ型陸部20の動きが拘束される。さらに、上述したように、膨出部40によりタイヤ周方向におけるラグ型陸部20のブロック剛性が向上するため、ラグ型陸部20の変形が抑制される。従って、接地面に押しつけられたラグ型陸部20が接地面から離れるときに元の形状に戻ることに起因する振動を低減できる。
さらに、ラグ型陸部20の変形が抑制されることに伴って、ブロック状陸部20Aが変形しにくくなり、トレッドの偏摩耗を抑制できる。
実施形態では、膨出部40は、タイヤ赤道線CL上に位置する。これによれば、タイヤ転動時に接地し続けるタイヤ赤道線CL上において、高いトラクション性能を確保しつつ、ラグ型陸部20が接地面に叩きつけられることや、接地面に押しつけられたラグ型陸部20が接地面から離れるときに元の形状に戻ることに起因する振動と、トレッドの偏摩耗とを効果的に抑制できる。
実施形態では、建設車両用タイヤ1のトレッド面視(図1参照)において、ラグ溝10の傾斜角a、すなわち、トレッド幅方向線WLとラグ型陸部20の溝壁21とが形成する角度は、15度〜40度である。なお、図9に示すように、ラグ溝10の傾斜角aが15度よりも小さい場合や40度よりも大きい場合、エッヂ力が増大しにくいため、トラクション性能を確保できないことがある。
実施形態では、トレッド面視において、分断溝30の傾斜角b、すなわち、トレッド幅方向線WLとブロック状陸部20Aの溝壁22とが形成する角度は、30度〜60度である。なお、分断溝30の傾斜角bが30度よりも小さい場合、分断溝30で区画されるブロック状陸部20Aの角部が鋭角(図1の角度c)になり、角部が欠けやすくなってしまうことがある。一方、分断溝30の傾斜角bが60度よりも大きい場合、エッヂ量が減少し、トラクション性能を確保できないことがある。
実施形態では、ピッチ数Pは、(OD×π)/(0.4227×TW)によって求められる値の±1を満たす。なお、ピッチ数Pが上記数式によって求められた値よりも少ない場合、エッヂ量が減少し、トラクション性能を確保できないことがある。一方、ピッチ数Pが上記数式によって求められた値よりも多い場合、ラグ型陸部20が接地面に叩きつけられることに起因する振動を抑制できないことがある。
実施形態では、膨出部40のタイヤ径方向における高さHは、外側分断溝33のタイヤ径方向における深さD2に対して20〜80%である。なお、高さHが深さD2に対して20%よりも小さい場合、タイヤ周方向におけるラグ型陸部20のブロック剛性を確保しにくく、振動を抑制できないことがある。一方、高さHが深さD2に対して80%よりも大きい場合、タイヤ周方向におけるラグ型陸部20のブロック剛性が高くなりすぎて、振動が発生してしまうことがある。
実施形態では、膨出部40のトレッド幅方向における幅Wは、トレッド接地幅TWに対して15〜30%である。なお、幅Wが15%よりも小さい場合、タイヤ周方向におけるラグ型陸部20のブロック剛性を確保しにくく、振動を抑制できないことがある。一方、幅Wが30%よりも大きい場合、ラグ溝10が浅すぎるかのうよな印象をユーザーに与えてしまう。
実施形態では、タイヤ赤道線CL上のラグ溝10のタイヤ周方向における長さL1は、(OD×π)/Pによって求められた値の18%〜19.5%である。なお、長さL1が上記数式によって求められた値よりも短い場合、ラグ溝10が狭すぎて、石などがラグ溝10に挟まることがある。一方、長さL1が上記数式によって求められた値よりも長い場合、トレッドの接地面積が減少し、トラクション性能を確保できないことがある。
(7)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、実施形態では、建設車両用タイヤ1は、ビード部、カーカス層、ベルト層などやトレッドパターンが形成されるトレッドを備える一般的な建設車両用ラジアルタイヤであるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ラジアルタイヤ以外のタイヤ(例えば、バイアスタイヤ)であってもよい。
実施形態では、ラグ型陸部20の角部の形状については特に制限はなく、例えば、断面が90度で施されていてもよく、面取りや湾曲(円弧)状に施されていてもよい。なお、エッヂ力を増大させるためには、ラグ型陸部20の角部の断面が90度で施されていることが好ましい。
分断溝30の傾斜角bは、全て同一であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、異なっていてもよい。分断溝30は、直線状であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、屈曲していてもよい。
実施形態では、外側分断溝33は、中央分断溝31のトレッド幅方向両側に1本ずつ(計2本)設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、中央分断溝31のトレッド幅方向両側に2本ずつ(計4本)設けられていてもよい。
実施形態では、膨出部40は、タイヤ赤道線CL上に位置するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、タイヤ赤道線CL上以外であっても、ラグ溝10を介してタイヤ周方向に隣接する2つのブロック状陸部20Aを連結していればよい。
膨出部40は、タイヤ周方向に隣接する2つのブロック状陸部20Aを連結するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、タイヤ周方向に隣接していなくても、隣接する2つのブロック状陸部20Aを連結していればよい。
なお、実施形態で説明したラグ溝10やラグ型陸部20、分断溝30、膨出部40の構成や形状、本数などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できることは勿論である。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…建設車両用タイヤ
10…ラグ溝
10A…溝底
20…ラグ型陸部
20A…ブロック状陸部
21…溝壁
22…溝壁
30…分断溝
31…中央分断溝
31A…溝底
33…外側分断溝
33A…溝底
40…膨出部
40A…表面

Claims (8)

  1. トレッド幅方向に対して傾斜して延びる複数のラグ溝によって区画されるラグ型陸部を備える建設車両用タイヤであって、
    前記ラグ型陸部には、前記ラグ型陸部の短手方向に沿って前記ラグ型陸部をブロック状陸部に分断する分断溝が形成され、
    前記ラグ溝の溝底には、前記溝底からタイヤ径方向外側に膨出する膨出部が設けられ、
    前記膨出部は、前記ラグ溝を介して隣接する2つの前記ブロック状陸部を連結し、
    前記分断溝は、
    前記タイヤ赤道線上に位置する中央分断溝と、
    前記中央分断溝よりも前記トレッド幅方向外側に位置する外側分断溝とを有しており、
    前記中央分断溝の溝底は、前記膨出部の表面と連なり、
    前記外側分断溝の溝底は、前記ラグ溝の溝底と連なる建設車両用タイヤ。
  2. 前記膨出部は、タイヤ赤道線上に位置する請求項1に記載の建設車両用タイヤ。
  3. 前記建設車両用タイヤのトレッド面視において、タイヤ赤道線と直交するトレッド幅方向線と前記ラグ型陸部の溝壁とが形成する角度は、15度〜40度である請求項1または2に記載の建設車両用タイヤ。
  4. 前記分断溝は、直線状であり、
    前記トレッド面視において、前記トレッド幅方向線と、前記分断溝を形成する前記ブロック状陸部の溝壁とが形成する角度は、30度〜60度である請求項3に記載の建設車両用タイヤ。
  5. 前記ラグ型陸部を含むトレッドパターンが形成されるトレッドを備え、
    前記建設車両用タイヤの外径を‘OD’とし、路面と接する前記トレッドのトレッド幅方向における幅を‘TW’とした場合、前記トレッドパターンがタイヤ周方向に繰り返されるピッチ数Pは、
    (OD×π)/(0.4227×TW)
    によって求められる値の±1を満たす請求項1乃至4の何れか一項に記載の建設車両用タイヤ。
  6. 前記膨出部のタイヤ径方向における高さは、前記外側分断溝のタイヤ径方向における深さに対して20%〜80%である請求項に記載の建設車両用タイヤ。
  7. 前記ラグ型陸部を含むトレッドパターンが形成されるトレッドを備え、
    前記膨出部のトレッド幅方向における幅は、路面と接する前記トレッドのトレッド幅方向における幅に対して15%〜30%である請求項1乃至の何れか一項に記載の建設車両用タイヤ。
  8. 前記ラグ型陸部を含むトレッドパターンが形成されるトレッドを備え、
    前記建設車両用タイヤの外径を‘OD’とし、路面と接する前記トレッドのトレッド幅方向における幅を‘TW’とし、前記トレッドパターンがタイヤ周方向に繰り返されるピッチ数をPとした場合、タイヤ赤道線上の前記ラグ溝のタイヤ周方向における長さは、
    (OD×π)/P
    によって求められた値の18%〜19.5%である請求項1乃至の何れか一項に記載の建設車両用タイヤ。
JP2009015760A 2009-01-27 2009-01-27 建設車両用タイヤ Expired - Fee Related JP5281422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009015760A JP5281422B2 (ja) 2009-01-27 2009-01-27 建設車両用タイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009015760A JP5281422B2 (ja) 2009-01-27 2009-01-27 建設車両用タイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010173379A JP2010173379A (ja) 2010-08-12
JP5281422B2 true JP5281422B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=42704764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009015760A Expired - Fee Related JP5281422B2 (ja) 2009-01-27 2009-01-27 建設車両用タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5281422B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7457246B2 (ja) 2020-04-28 2024-03-28 横浜ゴム株式会社 タイヤ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000177328A (ja) * 1998-12-18 2000-06-27 Bridgestone Corp 重荷重用空気入りタイヤ
US6293323B1 (en) * 2000-01-27 2001-09-25 The Goodyear Tire & Rubber Company Off-road tire
US7134467B2 (en) * 2003-12-19 2006-11-14 The Goodyear Tire & Rubber Company Low net to gross OTR tire

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010173379A (ja) 2010-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4899650B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5675895B2 (ja) 農業車両用空気入りラジアルタイヤ
JP6043483B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP4873988B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5827663B2 (ja) 不整地走行用の自動二輪車用タイヤ
JP4437888B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5647642B2 (ja) 不整地走行用空気入りタイヤ
WO2011024492A1 (ja) タイヤ
JP2014141163A (ja) 不整地走行用の自動二輪車用タイヤ
JP7225865B2 (ja) タイヤ
JP5144116B2 (ja) 空気入りタイヤ
KR101760527B1 (ko) 중하중용 공기 타이어
JP5258502B2 (ja) タイヤ
JP4358572B2 (ja) オフザロードタイヤ
JP4661260B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2021187173A (ja) 不整地走行用の二輪車用タイヤ
JP5498218B2 (ja) タイヤ
JP2009001156A (ja) 空気入りタイヤ
JP5281422B2 (ja) 建設車両用タイヤ
JP4285617B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP5623717B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN112238711B (zh) 轮胎
JP2009220779A (ja) オフロード用空気入りタイヤ
JP2011057064A (ja) タイヤ
JP2011143795A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees