JP2009142184A - β−グルカン含有飲料 - Google Patents

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Sunao Kamata
直 鎌田
Shinya Kimura
真也 木村
Ryohei Fukumoto
亮平 福本
Toshiyasu Yamazaki
倫康 山崎
Emi Iwata
恵美 岩田
Soji Uehara
荘二 植原
Masaji Yoshimura
正司 吉村
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Abstract

【課題】機能成分であるβ−グルカンを含有し、かつ沈殿物を生じることがなく、濁りの程度が低い飲料を提供することにある。
【解決手段】β−グルカン素材として、大麦、オーツ麦等β−グルカンを含む穀物を使用して、これをタンパク質分解反応、液化反応、糖化反応、固液分離、乾燥を行うことにより得られた、水への溶解性が高いβ−グルカン含有糖化物を飲料に使用することにより、沈殿物を生じることがなく、濁りの程度が低い飲料を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能成分であるβ−グルカンを含有する飲料に関する。詳しくはβ−グルカン含有穀物を糖化することにより得られるβ−グルカン含有糖化物を含有する飲料に関する。
近年、β−グルカンの生理機能が見出されている。β−グルカンの構造は、グルコースを構成ユニットとし、これらがβ−1,3結合、β−1,4結合する直鎖上の高分子である。例えば、β−グルカン量が異なる大麦粉を原料とするケーキ、マフィン等を摂取することにより、摂取したβ−グルカン量に依存して総コレステロール値が減少する事例が報告されている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照。)。また、米国FDAは、大麦β−グルカンに血清コレステロール値を低下させる効果があり、ヘルスクレームとして冠状心疾患の危険を減らす表示を認めている。
またマウスに大麦β−グルカンを腹腔内投与することにより、腹腔内細胞中の好中球集積が観察され、マクロファージ様細胞数の増加、活性化や細胞培養液中のIL−12、IFN−γの産生増強が観察された報告があり(例えば、非特許文献3参照。)、大麦β−グルカンによる免疫調節作用が謳われている。
穀物には、水溶性食物繊維であるβ−グルカンが含まれている。β−グルカンが比較的多く含まれる穀物としては、麦やオーツ麦が知られ、その含有量は6質量%とされる(例えば、非特許文献4参照。)。これら大麦やオーツ麦において、β−グルカンは、デンプン貯蔵細胞の細胞壁成分として存在する。こうした事実に鑑み、様々な大麦等穀物からのβ−グルカン製造法が考えられている。例えば、多ろう質大麦を原料とし、水抽出により製造する方法(例えば、特許文献1参照。)、あるいは、大麦、オーツ麦を原料として、アルカリ抽出、中和、アルコール沈殿により、重量平均分子量10万〜100万のβ−グルカンを得る方法(例えば、特許文献2参照。)、搗精歩留まり82質量%以下の大麦糠類を原料として、80〜90℃の熱水にてβ−グルカンを抽出する方法(例えば、特許文献3参照。)等がある。しかし、これらの方法は基本的に大麦等穀物からβ−グルカンを抽出する方法であり、抽出効率を上げるために様々な工夫はされているものの、いずれも抽出効率は不十分である。また、大麦等穀物中のβ−グルカン量は6〜10質量%程度と澱粉質やタンパク質等他の成分に比べると含有量が著しく低く、抽出後の残渣は製品であるβ−グルカンに比べ、著しく多い。これらは、飼料等付加価値の低い利用、または廃棄物にせざるを得ないため、製品単価が高くならざるを得ず、多くのサプリメント用、一般食品用に使用することが困難であった。
実際、β−グルカンの生理機能に基づいた食品素材が近年開発されている。例えば、キッコーマン社から「オーツ麦50EX」、「オーツ麦EX」、ADEKA社から「大麦β−グルカン」等が販売されている。これらは機能的には優れているものの、高価である(例えば、非特許文献5参照。)。また、これらを水に溶かした場合、水に完全に溶けずに沈殿物を生じる、または濁りを生じるため、飲料に使用するには適さなかった。
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本発明の目的は、本事実に鑑み、機能成分であるβ−グルカンを含有し、かつ沈殿物を生じず、濁りの程度が低いβ−グルカン含有飲料を提供することにある。
本発明は、β−グルカンを含む穀物を原料とし、タンパク質分解反応、液化反応、糖化反応、固液分離、乾燥を行うことにより得られた、水への溶解性が高いβ−グルカン含有糖化物が、上記目標を達成することを見出し、本発明を完成させたものである。
上記方法により得られたβ−グルカン含有糖化物を飲料に用いることにより、機能成分であるβ−グルカンを含有し、沈殿物を生じず、濁りの程度が低いβ−グルカン含有飲料を得ることができる。本発明品は、スポーツ飲料、果汁飲料、健康飲料、緑茶飲料、ウーロン茶、炭酸飲料、紅茶飲料、コーヒー飲料、果実飲料、野菜ジュース、ミネラルウォーター、豆乳、乳飲料等幅広く飲料に使用することができる。
本発明には、同一出願人による先の出願願(特願平 2007−221921)に記載された製造方法に則り、β−グルカンを含む穀物をタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物(以下「本製造方法によるβ−グルカン含有糖化物」という。)を使用する。本製造方法によるβ−グルカン含有糖化物本β−グルカン含有糖化物は、そのタンパク質分解反応、液化方法、糖化方法、固液分離方法、及び必要に応じて行う乾燥方法の個々の方法については特に限定されるものではない。
本製造方法によるβ−グルカン含有糖化物上記β−グルカン含有糖化物の原料は、β−グルカンを含む穀物を用いる。穀物の例としては、米類・小麦類・トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類等の穀類を挙げることができ、特に限定されるものではなく、澱粉質とβ−グルカンを含む穀物であれば本発明に使用することができるが、β−グルカン含量が高いものほど得られる糖化物中のβ−グルカン含量が高く、商品価値が高い。β−グルカンを多く含む穀物としては、大麦やオーツ麦があり、本発明に使用することができるが、これ以外の上記穀物でもβ−グルカンを含めば本発明に使用することができ、特にこれにこだわらない。
本製造方法によるβ−グルカン含有糖化物上記β−グルカン含有糖化物の製造方法について説明する。まず始めに、上記穀物を水に1〜20質量%の固形分濃度で分散させる。次にタンパク質分解反応を行う。この際、上記穀物含有の水溶液の温度をタンパク質分解酵素の反応温度まで上げて、タンパク質分解酵素を添加し、タンパク質を分解する。この際、水の温度を反応温度まで上げた後に、穀物、タンパク質分解酵素を添加してもよい。この際の反応温度とは、穀物の糊化温度よりも低く、かつタンパク質分解酵素が活性をもつ温度のことである。前処理の際の反応温度は穀物の糊化温度以上まで上げてはならない。粘度が上がりすぎ、液化反応が不十分となるためである。また、タンパク質分解酵素はその温度に応じて活性が異なり、温度が低すぎても反応が進まない。反応温度範囲は、穀物の種類やタンパク質分解酵素の種類により異なるが、通常20℃から60℃で行うのが好ましい。タンパク質分解酵素の添加量は特に限定するものではないが、固形分1gに対して、50〜1000U添加する。反応pHは、タンパク質分解酵素が活性をもつ範囲ならよく、特に限定する必要はない。また、反応時間も特に限定するものではないが、生産性を考慮すると通常1〜24時間で行う。例えば、大麦5部に対し水を95部添加し、固形分1g当たりタンパク質分解酵素を300U添加し、55℃まで温度を上げ、3時間反応させることにより、反応を行うことができる。
その後、上記反応液に、液化酵素を添加して液化反応を行う。ここで言う液化とは、澱粉質をランダムに切断し、水に可溶化させることである。液化酵素は、α−アミラーゼを用いればよく、植物由来、微生物由来のものがあるが、また、液化酵素添加量は特に限定するものではないが、通常1gあたり10〜1000U添加する。液化酵素は、特に限定されるものではない。液化酵素添加後、穀物の糊化温度以上まで昇温して、液化する。液化温度は穀物の糊化温度よりも高ければよく、特に限定するものではない。例えば、上記前処理液に、液化酵素を固形分1g当たり50U添加し、30分かけて80℃まで昇温し、80℃の状態を30分保持することにより液化することができる。
さらに、上記液化液に糖化酵素を添加し、糖化反応を行う。ここで言う糖化とは、液化により生じるデキストリン類をさらに分解し、少糖類とすることである。糖化酵素は液化液により可溶化されたデキストリンを分解するものであれば、特に限定されるものではない。また、酵素の種類をかえることにより、目的に応じた糖組成とすることができる。なお、糖化反応の際の反応温度は、短時間で失活しない程度に低く、雑菌汚染の恐れがない程度に高い温度であれば特に問題はなく、通常は50〜70℃にするが、酵素の至適温度にするのがより好ましい。また、pHは短時間で失活しない程度であれば特に問題はないが、酵素の至適pHにするのがより好ましい。なお、ここで言う至適pHとは酵素活性が最も高くなるpHのことであり、至適温度とは酵素活性が最も高くなる温度のことである。
糖化酵素としてβ−アミラーゼを用いれば、マルトースが多く含まれる糖化物を得ることができる。この際、β−アミラーゼとしては、大豆や大麦麦芽など植物由来のものやBacillus属、Pseudomonas属など微生物由来のものがあり、いずれを用いてもよい。マルトースの量は、β−アミラーゼの添加量と反応時間により調整することができるが、更に、枝切酵素を使用することにより増やすことができる。枝切酵素とは、澱粉やデキストリンのα−1,6結合を切断する酵素で、種類としてプルラナーゼやイソアミラーゼがある。特に由来を限定するものではなく、プルラナーゼ「アマノ」(天野エンザイム、Klebsiella pneumoniae由来)やプロモザイム(ノボザイムズ、Bacillus acidopullulyticus由来)等が使用できる。最終的に、糖組成としてマルトース量は、液化の際の分解度にもよるが、30〜75質量%まで調整することができる。
また、糖化酵素としてグルコアミラーゼを用いれば、グルコースが多く含まれる糖化液を得ることができる。この際、グルコアミラーゼとしては、特に由来にはこだわらない。グルコースの量は、グルコアミラーゼの量と反応時間により調整することができるが、更に、枝切酵素の使用することにより増やすことができる。市販の酵素では、プルラナーゼが配合されたグルコアミラーゼがあり、これらを用いることにより作業性を上げることができる。最終的に、糖組成としてグルコース量は、液化の際の分解度にもよるが、50質量%以上まで調整することができる。
この様にして製造した糖化液から遠心分離やフィルタープレスにより固液分離をして不溶部を除くことにより、液部を得る。このまま、本液部を後工程に使用しても良いが、ケイソウ土や活性炭などを助材とする濾過を行うことにより、清澄な液を得ることができる。また、濾過は遠心分離やフィルタープレスを行わない液を直接行うこともできる。固液分離した液や濾過液でも食品素材として利用することができるが、栄養豊富なため、わずかな微生物の混入でも微生物が増殖してしまい、運送するのが困難である。
通常の穀物糖化物は、得られた清澄な濾過液を濃縮することにより、微生物に汚染されにくい糖化物とすることができるが、本発明品は濃縮中固形分濃度を上げるとゲル化してしまうため、微生物が増殖しないレベルまで濃縮することができない。
得られた清澄な濾過液を乾燥し粉体とすることにより、微生物に汚染されにくい運送に適した糖化物に仕上ることができる。乾燥する方法は、特にこだわらないが、例えばスプレードライ法、凍結乾燥法がある。以上述べた方法により、β−グルカンを含有するβ−グルカン含有糖化物を得ることができる。
本発明のβ−グルカン含有飲料は、本製造方法によるβ−グルカン含有糖化物記載したタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物を、飲料へ添加すれば得ることができる。添加時のβ−グルカン含有糖化物の形態には特に制限はなく、そのまま、あるいは水やその他水溶性の溶媒や飲食品の他の原料に溶解させて、目的とする飲料に添加すればよい。添加時には、攪拌混合、必要に応じて加熱し、β−グルカンを溶解・分散させることが好ましく、また既存の食品用乳化剤等を加えて乳化させてもよい。混合させる手段は特に限定されず、ミキサー等の混合器を用いることができる。
本発明の飲料は、あらかじめ本製造方法によるβ−グルカン含有糖化物タンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物を添加して、缶入り、びん入りの飲料としてもよいし、粉末状、固形状の他の成分とβ−グルカン含有糖化物を混合しておき、摂食時に、お湯または水等を加え液状とする粉末ジュース等の形態としてもよい。
本発明の飲料における本製造方法によるβ−グルカン含有糖化物タンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物の含有量は、特に制限されないが、飲料に対して0.1〜30質量%となるように配合するのが好ましい。0.1質量%より低いとβ−グルカンの効果が低く、30質量%より高いとゲル化してしまい、飲料の形態をなさないためである。また、添加量10質量%を超えるとゲル化はしないものの著しく粘度が上がるため、低粘度の飲料とするには、0.1〜10質量%が好ましい。
本発明の飲料には、乳化剤、ゲル化剤、増粘剤、安定剤等の食品添加物や食品を添加しても構わない。これらは食用であれば特に限定されず、乳化剤としては、例えば、レシチン、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、シュガーエステル等が挙げられ、増粘剤・安定剤としては、例えば、プルラン、サイリウム、アラビアガム、ジェランガム、グルコマンナン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、およびそれらの低分子化物、澱粉、化工加工澱粉、各種α化デンプン、結晶セルロース、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等が挙げられる。その他、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の糖類がある。これら上記に挙げた添加物の2種以上の併用、もしくは、それらの複合化物の併用も可能である。これらの添加剤の添加量は特に限定されず、一般的な量であることができ、節食時の飲料全量に対して、例えば、0.01〜15質量%である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[β−グルカンの定量方法]
β−グルカン量は、メガザイム社のβ−グルカン測定キットを用いて、McCleary法(酵素法)により行った。すなわち、固形分約1gをメスフラスコを用いて100mlに希釈する。希釈した糖化物5mlを遠心管に入れ、細かく粉砕した硫酸アンモニウム2.5gを加え、溶解する。4℃、20時間静置した後、4℃、3000rpm、10分遠心し、上清を除去する。残ったペレットに50質量%エタノール水溶液1mLを加え、激しく攪拌してペレットを懸濁させ、さらに50質量%エタノール水溶液10mL加えて混合する。再び、4℃、3000rpm、5分遠心し、上清を除去する。再度、ペレット懸濁、エタノール添加、遠心の操作を繰り返す。ペレットを20mM リン酸ナトリウムバッファー(pH 6.5)4.8mLに再溶解し、リケナーゼ溶液200μLを加え、40℃、5分インキュベーションする。25℃、3000rpm、10分遠心した上清を100μLずつエッペンチューブに移す。チューブにβ-グルコシダーゼ溶液100μL加えて40℃、15分反応させる。その後、チューブにglucose oxidase/peroxidase(GOPOD)を3mLずつ加え、40℃、20分反応させる。510nmの吸光度を測定する。なお、β−グルコシダーゼ溶液のかわりに50mM 酢酸バッファー(pH4.0)100μLを加えたものをブランクとする。β−グルカン含有量は、次式により求めた。
β−グルカン(質量%)=△A×F×9×D
ここに、
△A=サンプルの吸光度−ブランクの吸光度
F=100/グルコース100μgの吸光度
D=糖化物をメスフラスコで希釈した際の希釈倍率
[合成例1]β−グルカン含有糖化物
実施例に使用する、本製造方法によるβ−グルカン含有糖化物タンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物の製造例を以下に示す。大麦(栽培品種:CDCファイバーCDCファイバー)の粉砕物50gを純水950gに分散させる。これに苛性ソーダを加えて、pHを6.0に調整する。これに、スミチームP(新日本化学工業製、Bacillus Subtilis由来プロテアーゼ)を15000U添加し、55℃で1時間反応する。この後、クライスターゼT10S(大和化成製、Bacillus Subtilis由来α−アミラーゼ)を2500U添加した後、加熱して1時間かけて90℃に昇温し、90℃で1時間反応する。次に、60℃まで冷却し、pHを変えずに糖化酵素としてβアミラーゼ#1500S(ナガセケムテックス製、大豆由来)先願の実施例1と同じならば:ハイマルトシン(阪急共栄物産製、小麦由来β―アミラーゼ)を500U、プルラナーゼ「アマノ」3(天野エンザイム製、Klebsiella pneumonial由来)を500U添加し、60℃で24時間反応する。反応液を70℃に加熱し、これをろ紙No.5C(東洋濾紙製)上に10gの珪藻土#800S(昭和化学工業製)をコートしたヌッチェに通液する。この濾過液を孔径5μのニトロセルロースタイプメンブランフィルター(東洋濾紙製)に通液した後、スプレードライ試験装置L−8i(大川原化工機製)にかけた。運転条件は、原液温度80℃、ディスクMC−50、回転数25000rpm、入口温度150℃で行い、粉体状の糖化物が得られた。β−グルカン含有量を[β−グルカンの定量方法]で測定したところ、10.0%であった。
[合成例2]β−グルカン抽出物
比較例に使用する、β−グルカン抽出物の製造例を以下に示す。大麦(栽培品種:ミサトゴールデン)の粉砕物500gに対し50℃の温水5リットルを加え、50℃を保ちながら撹拌抽出した。これを、遠心機にて固液分離した上清を煮沸した後、冷却した液に2倍量のエタノールを加えて沈殿を回収、乾燥させて、β−グルカン抽出物を得た。β−グルカン含有量を[β−グルカンの定量方法]で測定したところ、20.0%であった。
合成例1及び2で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物、および合成例2で得られたβ−グルカン抽出物をそれぞれ表1の配合で純水に溶解させ、透過率を測定した。
Figure 2009142184
表1より、サンプル中のβ−グルカン量が同一の場合、合成例1で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物は、合成例2で得られたβ−グルカン含有抽出物と比べて、水への溶解性が良く、透過率が高いことがわかる。
次に、上記で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物、およびβ−グルカン抽出物を使用し、飲料を製造した。
[実施例1]スポーツドリンク飲料
果糖ぶどう糖液糖、砂糖、酸味料、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、香料、水の全量に対し、1.6質量%の合成例1で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物を配合・攪拌混合し、UHT殺菌機で殺菌、冷却をして、β−グルカン含有スポーツドリンク飲料を得た。スポーツドリンク飲料は均一に溶解・分散し、食味・食感に優れていた。
[実施例2]果汁飲料
ピーチ果汁、果糖ぶどう糖液糖、有機酸、香料、水の全量に対し、4.2質量%の合成例1で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物を配合・攪拌混合し、UHT殺菌機で殺菌、冷却をして、β−グルカン含有果汁飲料を得た。果汁飲料は均一に溶解・分散し、食味・食感に優れていた。
[実施例3]健康飲料
果糖ぶどう糖液糖、マルトース、アスタキサンチン製剤、酸味料、安定剤、香料、水の全量に対し、6.0質量%の合成例1で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物を配合・攪拌混合し、UHT殺菌機で殺菌、冷却をして、健康飲料を得た。健康飲料は均一に溶解・分散し、食味・食感に優れていた。
[実施例4]乳清飲料
砂糖、脱脂粉乳、安定剤、香料、水の全量に対し、2.4質量%の合成例1で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物を配合・攪拌混合し、UHT殺菌機で殺菌、冷却をして、β−グルカン含有乳清飲料を得た。乳清飲料は均一に溶解・分散し、食味・食感に優れていた。
[比較例1]スポーツドリンク飲料
合成例1で得られたβ−グルカン含有糖化物の代りに、合成例2で得られたβ−グルカン抽出物を全量に対し0.8質量%の配合で使用した以外は実施例1と同様にして、スポーツドリンク飲料を得た。スポーツドリンク飲料は濁りを生じた。
[比較例2]果汁飲料
合成例1で得られたβ−グルカン含有糖化物の代りに、合成例2で得られたβ−グルカン抽出物を全量に対し2.1質量%の配合で使用した以外は実施例2と同様にして果汁飲料を得た。本果汁飲料は濁るのみならず、沈殿物を生じた。
[比較例3]健康飲料
合成例1で得られたβ−グルカン含有糖化物の代りに、合成例2で得られたβ−グルカン抽出物を全量に対し3.0質量%の配合で使用した以外は実施例3と同様にして健康飲料を得た。本健康飲料は濁るのみならず、沈殿物を生じた。
[比較例4]乳清飲料
実施例4において、合成例1で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物の代りに、合成例2で得られたβ−グルカン抽出物を全量に対し1.2質量%の配合で使用した以外は実施例34と同様にして乳清飲料を得た。本乳清飲料は実施例4に比べて濁りの程度が高く、沈殿物を生じた。
合成例1で得られたタンパク質分解反応・液化・糖化・固液分離・乾燥して製造したβ−グルカン含有糖化物を使用した場合、合成例2で得られたβ−グルカン含有抽出物を使用した場合と比べて、沈殿物を生じることがなく、濁りの程度が低い飲料が得られることがわかった。

Claims (3)

  1. β−グルカン含有穀物を、タンパク質分解反応、液化反応、糖化反応、固液分離、乾燥を行うことにより得られるβ−グルカン含有糖化物を含有することを特徴とする飲料。
  2. β−グルカン含有穀物の原料がオーツ麦または大麦であることを特徴とする請求項1乃至2記載の飲料。
  3. 飲料に対するβ−グルカン含有糖化物の添加量が0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1乃至32記載の飲料。
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