JP2009141666A - 表面実装用の水晶発振器 - Google Patents

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重善 村瀬
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Abstract

【課題】容器本体の内底面を大きくして小型化を維持した安価な表面実装用の水晶発振器を提供する。
【解決手段】底壁1aと枠壁1bとからなるとともに内壁段部を有して凹状とした積層セラミックからなる容器本体1と、前記容器本体1の内底面に設けられた回路端子6にIC端子が固着されたICチップ2と、前記容器本体1の一端側に設けられた内壁段部の表面上に設けられた水晶保持端子5に励振電極から引出電極の延出した一端部両側が固着された水晶片3とを備え、前記回路端子6における前記IC端子中の水晶端子が接続する水晶回路端子6aは前記内壁段部に最も接近して配置された表面実装用の水晶発振器において、前記内壁段部に最も接近した前記水晶回路端子6aから壁面に延出した内底面の導電路6x上と前記水晶保持端子5と前記水晶片3の一端部両側が固着される導電性接着剤11によって電気的に接続した構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は表面実装用の水晶発振器(以下、表面実装発振器とする)を技術分野とし、特に大きなICチップを収容して小型化を維持した安価な表面実装発振器に関する。
(発明の背景)
表面実装発振器は小型・軽量であることから、特に携帯型の電子機器に内蔵される。近年では、ICチップを大きくして例えば温度補償回路を含む多素子を集積化し、発振器の高機能化等を目指すととともに、小型化を阻害しないものが望まれている。
(従来技術の一例)
第2図は一従来例を説明する図で、同図(a)は表面実装発振器の正断面面図、同図(b)はカバーを除く平面図、同図(c)は水晶片の平面である。
表面実装発振器は、積層セラミックからな凹状とした容器本体1にICチップ2と水晶片3とを収容し、金属カバー4を被せて密閉封入する。容器本体1は底壁1aと枠壁1bからなり、両端側に内壁段部を有する。内壁段部のうちの一端側は幅方向に分割されて表面にそれぞれ水晶保持端子5を有し、他端側は例えば一端側よりも段部の突出長を短くする。これにより、容器本体1の内底面の面積を大きくする。
容器本体1の内底面には回路端子6を有し、内底面の長さ方向に沿った両側に例えば3個ずつが設けられる。そして、水晶保持端子5が設けられた一端側の内壁段部に、最も接近した一端側の2個を水晶回路端子6aとする。水晶回路端子6aからは、一端側の積層面内に導電路6xが延出する。
そして、水晶回路端子6a(導電路6x)と水晶保持端子5とは、内壁段部に設けられた電極貫通孔(スルーホールやビアホール)7によって電気的に接続する。水晶回路端子6a以外の回路端子6は、外底面に設けた例えばクロックオシレータとしての電源、出力、アース、及びスタンバイ端子とした実装端子8と積層面を経て電気的に接続する。
ICチップ2は図示しない発振回路を少なくとも集積化して回路機能面(一主面)に図示しないIC端子を有する。そして、回路機能面のIC端子は例えばバンプ9を用いた超音波熱圧着によって、水晶回路端子6aを含む回路端子6に固着され、電気的・機械的に接続する(所謂フリップチップボンディング)。
水晶片3は両主面に励振電極10aを有し、外周部(両角部)となる一端部両側に引出電極10bを延出する。そして、引出電極10bの延出した水晶片3の一端部両側が内壁段部の水晶保持端子5に導電性接着剤11によって固着され、水晶共振子と電気的・機械的に接続する。
水晶片3の他端部は容器本体1の他端側の段部上に当接して配置され、水晶片3の一端部両側での固着を容易にする。但し、導電性接着剤11の加熱硬化による収縮時に他端側が持ち上がったりする。これにより、衝撃時における水晶片3の他端部の上下方向での揺動を小さくし、一端部での導電性接着剤1への影響を少なくする。金属カバー4は容器本体1の開口端面に設けられた図示しない金属リングにシーム溶接等によって接合される。
特開2007−184890号公報
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の表面実装発振器では、容器本体1の一端側での内壁段部には電極貫通孔7を設けて、水晶保持端子5と水晶回路端子6aとを電気的に接続する。したがって、電極貫通孔7を形成する分、一端側での枠壁段部の突出長を大きくする。これにより、容器本体1の内底面の面積を小さくして、大きなICチップ2の搭載を困難にする問題があった。
この場合、例えばICチップに温度補償回路等を集積化して高機能化とする場合は、容器本体1の大型化を避けることができなくなる。また、電極貫通孔7を形成するので、この分の価格が高くなる問題もあった。
(発明の目的)
本発明は容器本体の内底面を大きくして小型化を維持した安価な表面実装発振器を提供することを目的とする。
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、底壁と枠壁とからなるとともに内壁段部を有して凹状とした積層セラミックからなる容器本体と、前記容器本体の内底面に設けられた回路端子にIC端子が固着されたICチップと、前記容器本体の一端側に設けられた内壁段部の表面上に設けられた水晶保持端子に励振電極から引出電極の延出した一端部両側が固着された水晶片とを備え、前記回路端子における前記IC端子中の水晶端子が接続する水晶回路端子は前記内壁段部に最も接近して配置された表面実装用の水晶発振器において、前記内壁段部に最も接近した前記水晶回路端子と前記水晶保持端子と前記水晶片の一端部両側が固着される導電性接着剤によって電気的に接続した構成とする。
このような構成であれば、容器本体の内壁段部に水晶片の一端部を固着する導電性接着剤によって水晶保持端子と水晶回路端子とを接続するので、従来例での電極貫通孔を要しない。したがって、内壁段部の突出長を短くして容器本体の内底面の面積を大きくできる。また、電極貫通孔を設けない分、価格を安価にできる。
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記導電性接着剤は前記一端側の内壁段部上から内壁面を突出して内壁面を垂れ下がり、前記水晶回路端子に到達する。これにより、引出電極の延出した水晶片の一端部両側は内壁段部の壁面から突出した導電性接着剤によっても固着されるので、接着剤面積を確保して固着強度を維持できる。
同請求項3では、請求項1において、前記容器本体の内壁段部は一端側に設けられて水晶片の一端部両側を固着する分割された内壁段部と、前記容器本体の他端側に設けられて前記一端側の内壁段部よりも短い突出長の内壁段部とからなる。これにより、衝撃時における水晶片の他端部での上下の揺動を小さくするので、水晶片を保持する一端部両側での導電性接着剤への影響を少なくする。また、一端部両側での内壁段部の突出長よりも短くするので、内底面の大きさを維持できる。
第1図は本発明の一実施形態を説明する表面実装発振器の正断面図、同図(b)はカバーを除く平面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与して、その説明は簡略又は省略する。
表面実装発振器は、前述したように、底壁1aと枠壁1bとを有した積層セラミックからなり、内壁段部を有する凹状とした容器本体1にICチップ2と水晶片3とを収容する。内壁段部の一端側は表面に水晶保持端子5aを有する分割段部とし、例えば、他端側は一端側と突出長を同じにする。容器本体1における内底面に設けた6個の回路端子6のうち、2個の水晶回路端子6aはここでも一端側の内壁段部に最も接近して配置される。
ICチップ2はIC端子を有する回路機能面が容器本体1の内底面に設けた回路端子6にフリップチップボンディングによって固着される。水晶片3は引出電極10bの延出した一端部両側が分割された内壁段部の水晶保持端子5に導電性接着剤11によって固着される。そして、容器本体1の開口端面はシーム溶接による金属カバー4が接合される。
この実施形態では、表面実装発振器(容器本体1)の平面外形は例えば2.0×1.6 mmとして、一端側の内壁段部の突出長は0.2mmとし、他端側は従来同様に0.2mmとする。これにより、容器本体1の内底面の面積を1.0mm2とする。ちなみに、従来例では一端側の内壁段部の突出長は0.4mmとし、本実施形態よりも長くなる。また、水晶回路端子6aからは導電路6xが延出して、分割された内壁段部の壁面に到達する。この場合、積層面に侵入して、あるいは壁面の直前までもよい。
このようなものでは、容器本体1の内底面にICチップ2を固着した後、先ず、加熱硬化型の導電性接着剤11を分割された内壁段部の水晶保持端子5上に塗布する。この場合、導電性接着剤11を内壁段部の内壁面から突出させて、内壁面に沿って垂れ流す。そして、水晶回路端子6a上から壁面に延出した内底面の導電路上6xにも到達させて塗布する。
次に、導電性接着剤11に引出電極10bの延出した水晶片3の一端部両側を当接するとともに、水晶片3の他端部を他端側の内壁段部に当接する。最後に、導電性接着剤11を加熱硬化して、水晶片3の一端部両側を水晶保持端子5に固着する。この場合、水晶片3の他端部は導電性接着剤11の加熱硬化による収縮によって持ち上がったり、当接したままの状態となる。
このような構成であれば、引出電極10bの延出した水晶片3の一端部両側は、水晶保持端子5上及び壁面から突出した導電性接着剤11に底面が接触して、導電性接着剤11の加熱硬化とともに固着される。この場合、引出電極10bの延出した一端部両側は内壁面から突出した導電性接着剤11にも当接してするので、導電性接着剤11との接着面積を確保して固着強度を維持できる。
そして、水晶保持端子5と水晶回路端子6aとは壁面を経て垂れ下がった導電性接着剤11によって電気的に接続する。したがって、一端側の分割された内壁段部には従来例での電極貫通孔7を設けることなく、水晶片3の一端部両側を固着(保持)して、水晶保持端子5と水晶回路端子6aとを電気的に導通する。ちなみに、電極貫通孔7の直径は0.1
mmであり、導電性接着剤11の壁面からの突出分は0.2mmとなる。
これらにより、一端側の内壁段部には電極貫通孔7を設けないので、この分、内壁段部の突出長を従来例の0.4mmから0.2mmに短縮できる。したがって、一端部の内壁段部の突出長を短縮した分だけ、容器本体1の内底面の面積を広げられ、大きなICチップ2を収容できる。そして、電極貫通孔7を形成しない分、安価にできる。
水晶片3の一端部両側を一端側の内壁段部に保持する際、水晶片3の他端部を他端側の内壁段部に当接する。したがって、水晶片3の他端部が下方に傾いて落下することなく、水晶片3を確実に保持できる。そして、他端側の内壁段部は突出長を一端側の内壁段部よりも短くするので、内底面の面積の縮小を防止できる。
(他の事項)
上記実施形態ではクロックオシレータとして説明したが、例えば温度補償発振器とした場合でも同様に適用できる。この場合は、温度補償機構を集積化してICチップ3が大型化するので、その効果が大きい。
本発明の一実施形態を説明する表面実装発振器の図で、同図(a)は正断面図、同図(b)はカバーを除く平面図である。 一従来例を説明する図で、同図(a)は表面実装発振器の正断面面図、同図(b)はカバーを除く平面図、同図(c)は水晶片の平面である。
符号の説明
1 容器本体1、2 ICチップ、3 水晶片、4 金属カバー4、5 水晶保持端子、6 回路端子、6a 水晶回路端子、実装端子、7 電極貫通孔、8 実装端子、9 バンプ、10 励振及び引出電極、11 導電性接着剤。

Claims (3)

  1. 底壁と枠壁とからなるとともに内壁段部を有して凹状とした積層セラミックからなる容器本体と、前記容器本体の内底面に設けられた回路端子にIC端子が固着されたICチップと、前記容器本体の一端側に設けられた内壁段部の表面上に設けられた水晶保持端子に励振電極から引出電極の延出した一端部両側が固着された水晶片とを備え、前記回路端子における前記IC端子中の水晶端子が接続する水晶回路端子は前記内壁段部に最も接近して配置された表面実装用の水晶発振器において、前記内壁段部に最も接近した前記水晶回路端子と前記水晶保持端子と前記水晶片の一端部両側が固着される導電性接着剤によって電気的に接続したことを特徴とする表面実装用の水晶発振器。
  2. 請求項1において、前記導電性接着剤は前記一端側の内壁段部上から内壁面を突出して内壁面を垂れ下がり、前記水晶回路端子に到達した表面実装用の水晶発振器。
  3. 請求項1において、前記容器本体の内壁段部は一端側に設けられて水晶片の一端部両側を固着する分割された内壁段部と、前記容器本体の他端側に設けられて前記一端側の内壁段部よりも短い突出長の内壁段部とからなる表面実装用の水晶発振器。
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JP2011055033A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Kyocera Kinseki Corp 圧電発振器
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