JP2009141136A - ヒートシンクおよび半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】場所による冷却性能の差を低減したヒートシンクおよび半導体装置を得る。
【解決手段】本発明のヒートシンクは、発熱体1が配設される平面部および当該平面部と反対側の面に配置される複数のフィン16,17をそれぞれ有する一対のブロック18,19と、一方のフィン16と他方のフィン17とが交互に配置されるように一方のブロック18と他方のブロック19とが対向して配置されることで一方のブロック18と他方のブロック19との間に形成される冷却流路と、一方のフィン16,17の先端と他方のブロック18,19との間にそれぞれ配設される弾性体6とを備えるものである。
【選択図】図13
【解決手段】本発明のヒートシンクは、発熱体1が配設される平面部および当該平面部と反対側の面に配置される複数のフィン16,17をそれぞれ有する一対のブロック18,19と、一方のフィン16と他方のフィン17とが交互に配置されるように一方のブロック18と他方のブロック19とが対向して配置されることで一方のブロック18と他方のブロック19との間に形成される冷却流路と、一方のフィン16,17の先端と他方のブロック18,19との間にそれぞれ配設される弾性体6とを備えるものである。
【選択図】図13
Description
この発明は、半導体デバイスや電子部品などの発熱体を冷却流体で冷却するためのヒートシンクおよびこのヒートシンクを備えた半導体装置に関する。
半導体デバイスや電子部品などの発熱体を冷却流体で冷却するヒートシンクにおいては、放熱面積を増加するために、櫛歯状のフィンを2個相補的に組み合わせて、対向するよう構成するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、フィン基板に固着された複数枚の平板状のフィン間に、複数の柱状部材が挿入されたヒートシンクもある(例えば、特許文献2参照)。さらに、複数の歯を有する同一形状の2個の櫛形押出形材を対向するように配置し、歯と歯との間にコルゲートフィンを配設したものもある(例えば、特許文献3参照)
このような従来のヒートシンクにあっては、放熱面積を増加して冷却性能を向上するために、一方のフィンとフィンとの間に溝部を形成し、当該溝部に他方のフィンの先端を他方の溝部に嵌合等の方法で挿入し、連結させてヒートシンクを構成している。しかしながら、熱間の押出成形で製造されるフィンは、製造時の摩擦力のばらつきや冷却速度の違いにより残留応力が生じ、フィン先端から根元までの長さや溝部の深さに±0.1mm程度の寸法公差が現れる。このような寸法公差を持ったフィンと溝部とを嵌合するため、フィン先端と嵌合される溝部の底面では、フィン先端と密着する部分と密着しない部分とが現れる。フィン先端と密着する部分は、フィンに熱を伝導できるが、フィン先端と密着しない部分は、フィンに熱を伝導できない。そのため、フィン先端と密着しない部分では、放熱面積が設計値より小さくなることから、場所によって冷却性能が大きく異なるという問題があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、場所による冷却性能の差を低減したヒートシンクおよび半導体装置を提供することを目的としている。
この発明に係るヒートシンクは、発熱体が配設される平面部および当該平面部と反対側の面に配置される複数のフィンをそれぞれ有する一対のブロックと、一方のフィンと他方のフィンとが交互に配置されるように一方のブロックと他方のブロックとが対向して配置されることで一方のブロックと他方のブロックとの間に形成される冷却流路と、一方のフィンの先端と他方のブロックとの間にそれぞれ配設される弾性体とを備えるものである。
また、この発明に係るヒートシンクは、発熱体が配設される平面部および当該平面部と反対側の面に配置される複数のフィンを有するブロックと、ブロックのフィンに対向して配設されるケーシングと、ブロックとケーシングとの間に形成される冷却流路と、フィンの先端とケーシングとの間に配設される弾性体とを備えるものである。
さらに、この発明に係るヒートシンクは、発熱体が配設される平面部を有するブロックと、ブロックの平面部と反対側の面に対向して配設されるケーシングと、ブロックとケーシングとの間に形成される冷却流路と、ブロックとケーシングとの間に配設される弾性体とを備えるものである。
この発明に係る半導体装置は、上記ヒートシンクと、発熱体である半導体素子とを備えるものである。
この発明に係るヒートシンクおよび半導体装置よれば、場所による冷却性能の差を低減することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるヒートシンクの構成を模式的に示す図である。図において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは、明細書の全文において共通することである。
図1は、この発明の実施の形態1によるヒートシンクの構成を模式的に示す図である。図において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは、明細書の全文において共通することである。
図1に示すように、ヒートシンクは、一方の面に発熱体1が配設される平面部を有する平板状のブロック2と、平板状の底板の両端に側壁を有した凹状であって、凹面がブロック2の他方の面(発熱体1と反対側の面)に対向して配置されたケーシング3と、ブロック2およびケーシング3の間に形成される流路5とを有する。ブロック2およびケーシング3はアルミや銅などの熱伝導率の高い金属で製造されている。発熱体1は、半導体デバイスや電子部品などで構成され、流路5に流れる冷却流体4によって冷却される。冷却流体4としては、空気、水、エチレングリコール混合水等が用いられる。また、ブロック2とケーシング3との間に形成される流路5には、弾性体であるコイルバネ6が複数配置され、コイルバネ6は、ブロック2およびケーシング3の押し付け力によって変形される。コイルバネ6は、素線の巻回転軸25方向から観察すると楕円状であり、素線の巻回転軸25方向と冷却流体4の流れ方向とが平行となるように配置され、コイルバネ6の内部も冷却流体4が流れる流路となる。ただし、冷却流体4の圧力損失が増加してもよい場合には、素線の巻回転軸25方向と冷却流体4の流れ方向とが直角となるようにコイルバネ6を配置してもよい。
発熱体1で発生した熱は、ブロック2に伝わり、冷却流体4へ放熱される。ブロックとケーシングとの間にコイルバネを配置しない場合には、ブロックからのみ冷却流体へ放熱されるため、放熱面積が小さく、十分な放熱量を得ることができない。この発明の実施の形態1に示すヒートシンクのように、ブロック2とケーシング3との間にコイルバネ6を配置する場合には、コイルバネ6とブロック2とを大きな圧力で接触させると、ブロック2の熱がコイルバネ6を介してケーシング3に伝わり、放熱面積が拡大され、冷却流体4への放熱量を大幅に増加させることができる。
図2は、この発明の実施の形態1によるヒートシンクの弾性体の一例であるコイルバネの側面図である。
コイルバネは、ジルコニウム銅やベリリム銅などの熱伝導率の高い銅合金の素線を、その巻回転軸25方向に対して90度以内の角度(α)に傾斜させて螺旋状に巻回し、一体の帯状に形成されるものである。巻回転軸25に対して90度以内の角度に傾斜させて螺旋状に巻回されているので、巻回転軸25に垂直な断面は楕円形状になり、短軸方向7にバネ弾性を持つ特性を有する。さらに、短軸方向7のバネ定数が小さいという特性も有するため、ブロック2から対向するケーシング3の表面までの距離にばらつきがある場合でも、そのばらつきに対して鈍感となり、コイルバネ6とブロック2との接触荷重に大きな差が生じず、ブロック2からコイルバネ6へ安定した伝熱量を得ることができる。
コイルバネは、ジルコニウム銅やベリリム銅などの熱伝導率の高い銅合金の素線を、その巻回転軸25方向に対して90度以内の角度(α)に傾斜させて螺旋状に巻回し、一体の帯状に形成されるものである。巻回転軸25に対して90度以内の角度に傾斜させて螺旋状に巻回されているので、巻回転軸25に垂直な断面は楕円形状になり、短軸方向7にバネ弾性を持つ特性を有する。さらに、短軸方向7のバネ定数が小さいという特性も有するため、ブロック2から対向するケーシング3の表面までの距離にばらつきがある場合でも、そのばらつきに対して鈍感となり、コイルバネ6とブロック2との接触荷重に大きな差が生じず、ブロック2からコイルバネ6へ安定した伝熱量を得ることができる。
図3は、この発明の実施の形態1によるヒートシンクのブロックとコイルバネとの接触部の拡大図である。
コイルバネ6とブロック2の接触面積(接触点数)を増加させると、ブロック2からコイルバネ6へ伝わる熱量を大きくできるため、できるだけブロック2とコイルバネ6との接触面積を増加できる形状がよい。ブロック2が平面の場合、コイルバネ6の短軸方向7の端部の1点でブロック2とコイルバネ6とが接触する。所望する放熱量が小さい場合は、ブロック2が平面でもよい。所望する放熱量が大きい場合は、接触面積を増加させるため、図3に示すように、ブロック2のコイルバネ6と接触する面にコイルバネ6の巻回転軸25方向に垂直な面での断面形状が台形状の溝8aを形成する。コイルバネ6の巻回転軸25方向に垂直な面での断面形状が左右対称であるため、台形状の溝8aも左右対称とした方がよい。台形状の溝8aにおいて、コイルバネ6側を底辺とし、ブロック2側を上辺とした場合、底辺の長さは、コイルバネ6の巻回転軸25方向に直角な断面の長軸方向長さ以上とすればよい。台形状の溝8aの左右側面9とコイルバネ6の外周とが接触し、ブロック2に溝8aを設けない場合より接触面積を約2倍に増加させることができる。ここでは、ブロック2に溝8aを設けた場合について説明したが、図3に示すように、ケーシング3のコイルバネ6と接触する面にブロック2に設けた溝8aと同様の溝8bを設けてもよい。ケーシング3に溝8bを設けない場合より接触面積を約2倍に増加させることができ、コイルバネ6からケーシング3により多くの熱が伝導し、放熱量を増加させることができる。ケーシング3の材質がアルミや銅などの熱伝導率の大きい金属の場合には、特に放熱量を増加させることができる。
コイルバネ6とブロック2の接触面積(接触点数)を増加させると、ブロック2からコイルバネ6へ伝わる熱量を大きくできるため、できるだけブロック2とコイルバネ6との接触面積を増加できる形状がよい。ブロック2が平面の場合、コイルバネ6の短軸方向7の端部の1点でブロック2とコイルバネ6とが接触する。所望する放熱量が小さい場合は、ブロック2が平面でもよい。所望する放熱量が大きい場合は、接触面積を増加させるため、図3に示すように、ブロック2のコイルバネ6と接触する面にコイルバネ6の巻回転軸25方向に垂直な面での断面形状が台形状の溝8aを形成する。コイルバネ6の巻回転軸25方向に垂直な面での断面形状が左右対称であるため、台形状の溝8aも左右対称とした方がよい。台形状の溝8aにおいて、コイルバネ6側を底辺とし、ブロック2側を上辺とした場合、底辺の長さは、コイルバネ6の巻回転軸25方向に直角な断面の長軸方向長さ以上とすればよい。台形状の溝8aの左右側面9とコイルバネ6の外周とが接触し、ブロック2に溝8aを設けない場合より接触面積を約2倍に増加させることができる。ここでは、ブロック2に溝8aを設けた場合について説明したが、図3に示すように、ケーシング3のコイルバネ6と接触する面にブロック2に設けた溝8aと同様の溝8bを設けてもよい。ケーシング3に溝8bを設けない場合より接触面積を約2倍に増加させることができ、コイルバネ6からケーシング3により多くの熱が伝導し、放熱量を増加させることができる。ケーシング3の材質がアルミや銅などの熱伝導率の大きい金属の場合には、特に放熱量を増加させることができる。
台形状の溝8a,8bの底辺の長さを一定として、台形状の溝8a,8bの側面9の延長線の交点に形成される内角(β)を大きくするほど、ブロック2またはケーシング3の表面からコイルバネ6の巻回転軸25までの距離が大きくなる。台形状の溝8a,8bの内部に位置するコイルバネ6の一部での放熱量が無視できるほど小さいときは、ブロック2またはケーシング3の表面からコイルバネ6の巻回転軸25までの距離が大きいほど、コイルバネ6による放熱面積の拡大効果は大きくなる。ただし、ブロック2からケーシング3への伝熱量を大きくする場合には、反対に、ブロック2の表面からコイルバネ6の巻回転軸25までの距離が小さいほどよい。よって、台形状の溝8a,8bの底辺の長さや内角(β)は、要求される放熱性能によって変更する必要がある。ケーシング3の材質が熱伝導率の大きなアルミや銅など金属の場合には、ケーシング3からの放熱量も大きくなる。一方、ケーシング3の材質が熱伝導率の小さいABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)などの樹脂の場合には、ケーシング3からの放熱量が非常に小さいため、コイルバネ6の放熱量を増加させた方がよい。
また、コイルバネ6の材質よりも低硬度な材質の皮膜をコイルバネ6表面に形成させると、コイルバネ6の押し付け力により皮膜が、台形状の溝8やケーシング3の接触点の表面の凹凸を覆うように塑性変形し、接触面積を増加させることができる。皮膜の材質は、銀、錫、インジウムなどがよい。
図4および図5は、この発明の実施の形態1によるヒートシンクのブロックとコイルバネとの接触部の他の例を示す拡大図である。
図3では、ブロック2またはケーシング3に形成される溝8a,8bのコイルバネ6の巻回転軸25方向に垂直な面における断面形状を台形として説明した。図4および図5に示すように、コイルバネ6の巻回転軸25方向に垂直な面での断面形状が三角形状や楕円形状でもよい。図4に示す溝8a,8bが三角形状の場合では、台形状の溝8a,8bと同様に左右2箇所の側面9でコイルバネ6とブロック2とが接触し、接触面積を拡大できる。また、図5に示す溝8a,8bが楕円形状の場合では、溝8a,8bは、コイルバネ6の曲率半径以上であって、コイルバネ6の曲率半径に近い曲率半径を持っていればよい。溝8a,8bは、コイルバネ6の短軸方向7の頂部で接触し、接触点は1点となるが、コイルバネ6の曲率半径以上でその曲率半径に近い曲率半径を持っているので、接触する一点の面積が増加し、接触面積を拡大することができる。
図3では、ブロック2またはケーシング3に形成される溝8a,8bのコイルバネ6の巻回転軸25方向に垂直な面における断面形状を台形として説明した。図4および図5に示すように、コイルバネ6の巻回転軸25方向に垂直な面での断面形状が三角形状や楕円形状でもよい。図4に示す溝8a,8bが三角形状の場合では、台形状の溝8a,8bと同様に左右2箇所の側面9でコイルバネ6とブロック2とが接触し、接触面積を拡大できる。また、図5に示す溝8a,8bが楕円形状の場合では、溝8a,8bは、コイルバネ6の曲率半径以上であって、コイルバネ6の曲率半径に近い曲率半径を持っていればよい。溝8a,8bは、コイルバネ6の短軸方向7の頂部で接触し、接触点は1点となるが、コイルバネ6の曲率半径以上でその曲率半径に近い曲率半径を持っているので、接触する一点の面積が増加し、接触面積を拡大することができる。
この発明の実施の形態1に示すヒートシンクにおいては、ブロック2の外周側に発熱体1を配設する平面部を有するとしたが、ケーシング3の外周側にもブロック2と同様に発熱体1を配設する平面部を有してもよい。ケーシング3側の両側に発熱体1を取り付けても、コイルバネ6によって放熱面積を拡大できるため、十分に放熱することができる。
以上のように、この実施の形態1によるヒートシンクにおいては、ブロック2とケーシング3との間の流路5に弾性体であるコイルバネ6を設けることによって、フィンを設けることなく放熱面積を拡大することができ、冷却性能を向上することができる。また、うねりや取り付けのばらつきによってブロック2から対向するケーシング3までの間隔に違いがある場合でも、短軸方向7の変位に対して荷重の変化が小さいコイルバネ6によってその間隔の違いによる接触状態の違いを解消して連結することができ、場所による冷却性能の差を低減することができる。さらに、ブロック2またはケーシング3に溝8a,8bを設けることにより、ブロック2またはケーシング3とコイルバネ6との接触面積を拡大でき、ブロック2からコイルバネ6およびケーシング3に発熱体1で発生する熱をより多く伝導することができ、放熱面積を拡大できる。また、ブロック2またはケーシング3に溝8a,8bを設けることにより、コイルバネ6の位置が固定され、ケーシング3とブロック2との取り付けの際に、コイルバネ6が移動することがなく、場所による冷却性能の差をさらに低減することができる。
特に、発熱体1である半導体素子が小さいインバータまたはコンバータなどにおいては、熱伝導による熱の拡大範囲が狭いため、半導体素子直下の冷却性能が十分でないと、半導体素子を設計どおりに冷却できない場合がある。しかしながら、この発明の実施の形態1によるヒートシンクを用いることによって、場所による冷却性能の差を低減することができるので、半導体素子を設計どおりに冷却することが可能となる。
なお、この実施の形態1によるヒートシンクにおいては、ブロック2とケーシング3との間の流路5にコイルバネ6を複数設けた場合について示したがコイルバネは1個でもよい。コイルバネ6を複数設けた方が場所による冷却性能の差を低減することができるとともに、接触面積を拡大でき、ブロック2からコイルバネ6およびケーシング3に発熱体1で発生する熱をより多く伝導することができ、放熱面積を拡大できる。
実施の形態2
図6は、この発明の実施の形態2によるヒートシンクのコイルバネの巻回転軸方向に平行な断面での断面図である。
図6に示すように、この発明の実施の形態2に示すヒートシンクは、ブロック2およびケーシング3の平面状の内壁に、コイルバネ6の素線の巻き方向と平行な方向に第二の溝11がコイルバネ6の素線ごとに設けられている点が実施の形態1に示すヒートシンクと異なっており、その他の構成および機能は、実施の形態1に示すヒートシンクと同様である。
図6は、この発明の実施の形態2によるヒートシンクのコイルバネの巻回転軸方向に平行な断面での断面図である。
図6に示すように、この発明の実施の形態2に示すヒートシンクは、ブロック2およびケーシング3の平面状の内壁に、コイルバネ6の素線の巻き方向と平行な方向に第二の溝11がコイルバネ6の素線ごとに設けられている点が実施の形態1に示すヒートシンクと異なっており、その他の構成および機能は、実施の形態1に示すヒートシンクと同様である。
図7は、この発明の実施の形態2によるヒートシンクにおけるコイルバネの1本の素線とブロックとの接触部分における断面の拡大図である。
図7に示す断面は、コイルバネ6の巻回転軸25方向と平行な面である。図7に示すように、ブロック2のコイルバネ6の素線ごとに設けられた第二の溝11の形状を、コイルバネ6の素線12の曲率半径Rs以上の曲率半径Rgを有する凹状の曲面とする。第二の溝11の曲率半径Rgを、コイルバネ6の素線12の曲率半径Rsよりも大きくすれば、コイルバネ6の素線12とブロック2に設けられた第二の溝11との接触部において、接触点は1箇所であるが、接触面積が増加する。また、第二の溝11の曲率半径Rgとコイルバネ6の素線12の曲率半径Rsとの差が小さいほど、大きな接触面積を得ることができる。
図7に示す断面は、コイルバネ6の巻回転軸25方向と平行な面である。図7に示すように、ブロック2のコイルバネ6の素線ごとに設けられた第二の溝11の形状を、コイルバネ6の素線12の曲率半径Rs以上の曲率半径Rgを有する凹状の曲面とする。第二の溝11の曲率半径Rgを、コイルバネ6の素線12の曲率半径Rsよりも大きくすれば、コイルバネ6の素線12とブロック2に設けられた第二の溝11との接触部において、接触点は1箇所であるが、接触面積が増加する。また、第二の溝11の曲率半径Rgとコイルバネ6の素線12の曲率半径Rsとの差が小さいほど、大きな接触面積を得ることができる。
また、図6に示すように、ケーシング3の冷却流体4側の面にも、コイルバネ6の素線12の巻き方向と平行な方向に延在する第二の溝11を形成し、この第二の溝11をコイルバネ6の素線12の曲率半径Rs以上の曲率半径を有する凹状の曲面とすればよい。コイルバネ6の素線12とケーシング3に設けられた第二の溝との接触部において、接触点は1箇所であるが、接触面積が増加する。したがって、コイルバネ6とブロック2との接触部、コイルバネ6とケーシング3との接触部の接触面積の増加によって、ブロック2からコイルバネ6およびケーシング3により多くの熱量を伝導でき、コイルバネ6およびケーシング3での冷却流体4への放熱量を増加させることができる。
また、ブロック2またはケーシング3のコイルバネ6の素線12の巻き方向と平行な方向に延在する第二の溝11をコイルバネ6の素線12の曲率半径Rsより大きな曲率半径Rgを持った凹状の曲面とすることで、コイルバネ6が安定した位置に保持される。そのため、コイルバネ6の押し付け圧力が安定すると共に、接触面積や接触位置の数にばらつきを生じず、場所によって冷却性能のばらつきのない、安定した冷却性能を持つヒートシンクを得ることができる。
この実施の形態2においては、ブロック2またはケーシング3の内壁が平面状の場合について説明した。実施の形態1で説明したコイルバネ6の軸方向に延在する台形状や三角形状や楕円形状の第一の溝8a,8bを有するブロック2またはケーシング3の場合には、図8に点線で示すように第一の溝8a,8bの側面に、コイルバネ6の素線12の巻き方向に平行で、コイルバネ6の素線12の曲率半径以上の曲率半径を有する凹状の曲面(第二の溝11の巻き方向の形状を、コイルバネ6の外周の形状と略同一な形状とする)を持った第二の溝11を設ければよい。第一の溝8a,8bの側面に第二の溝11を設けることによって、接触面積をより大きくでき、ブロック2からコイルバネ6およびケーシング3により多くの熱量を伝導でき、コイルバネ6およびケーシング3での冷却流体4への放熱量を増加させることができる。
この実施の形態2においては、第一の溝8a,8bの側面に形成される第二の溝11の形状を曲面とした場合について説明したが、図9、図10に示すように、第二の溝11の形状を台形形状または三角形状としてもよい。第二の溝11の形状を台形形状または三角形状とすることによって、コイルバネ6の素線12と第二の溝11の接触点数が増加し、ブロック2またはケーシング3とコイルバネ6との接触面積を拡大することができる。そのため、ブロック2からコイルバネ6およびケーシング3により多くの熱量を伝導でき、コイルバネ6およびケーシング3での冷却流体4への放熱量を増加させることができる。さらに、うねりや取り付けのばらつきによってブロック2から対向するケーシング3までの間隔に違いがある場合でも、短軸方向7の変位に対して荷重の変化が小さいコイルバネ6によってその間隔の違いによる接触状態の違いを解消して連結することができ、場所による冷却性能の差を低減することができる。
実施の形態3
図11は、この発明の実施の形態3によるヒートシンクを示す図である。図11(a)は、この発明の実施の形態3によるヒートシンクの構成を模式的に示す図であり、図11(b)は、この発明の実施の形態3によるヒートシンクの弓形フィンの断面の拡大図である。
図11は、この発明の実施の形態3によるヒートシンクを示す図である。図11(a)は、この発明の実施の形態3によるヒートシンクの構成を模式的に示す図であり、図11(b)は、この発明の実施の形態3によるヒートシンクの弓形フィンの断面の拡大図である。
図11に示すように、この発明の実施の形態3によるヒートシンクでは、ブロック2とケーシング3との間に設けられた弾性体は、平板が円弧状に湾曲した弓形フィン15である点が実施の形態1と異なっている。その他の構成および機能は、実施の形態1に示すヒートシンクと同様である。
ケーシング3の一部は、主板14上に薄い平板が円弧状に湾曲した弓形フィン15が複数並んだ冷却構造体13で構成されており、弓形フィン15の一端は主板14と一体に形成されており、他端は発熱体1の取り付けられるブロック2に接触している。ブロック2のケーシング3に対する押し付け力によって、弓形フィン15が変形し、弓形フィン15の一端がブロック2に押し付けられ、発熱体1の熱が弓形フィン15および主板14に伝導する。弓形フィン15と弓形フィン15との間に形成される空間が流路5となり、冷却流体4が流れ、弓形フィン15および主板14に伝導した熱が冷却流体4に放熱される。
弓形フィン15および主板14を有する冷却構造体13は、アルミや銅などの熱伝導性の高い金属であり、弓形フィン15の厚みは、弾性を維持できる0.1mm以下である。0.1mm以下の弓形フィン15を複数並べると、主板14に向かう方向の荷重に対し弾性を持ち、荷重に対し、反作用の力を発生する。この反作用の力で弓形フィン15の一端をブロック2に押し付けることができる。さらに、荷重の負荷によって、弓形フィン15の中心付近の空間は維持されつつ、隣り合う弓形フィン15の先端と先端とは密着するように変形するため、多数の弓形フィン15が密着した弓形フィン15の先端付近の熱抵抗は著しく小さくなり、冷却流体4の圧力損失は、それほど増加しない。また、弓形フィン15は非常に薄いため、長手方向に荷重方向の変形量を変えることができ、ブロック2にうねりがあっても、弓形フィン15先端をブロック2の全面に接触させることができる。
弓形フィン15および主板14を有する冷却構造体13は、刃物の付いた圧延ローラよって製造される。材料となる板を圧延ローラに通し、板の表面を刃物によって切り起こしていく。一つの刃で一枚のフィンを切り起こすと図11(b)の弓形フィン15を形成できる。また、刃物の先端のみを二股にすることで、先端のみ二つに分かれた二股の弓形フィン15を形成できる。二股とすれば、弓形フィン15の先端とブロック2との接触点数が増加するとともに、弓形フィン15の先端のみがより薄くなるためより変形しやすくなり、ブロック2と弓形フィン15の先端との接触面積をより拡大でき、ブロック2からの熱を弓形フィン15に良好に伝導することができる。さらに、刃物先端の曲率を変更することで、図12(a)または図12(b)のように弓形フィン15の先端を中心付近の曲率とは反対の曲率を持つように形成できる。このような形状にすることで、隣り合う弓形フィン15先端と弓形フィン15先端との干渉がなくなり、弓形フィン15先端を確実にブロック2に接触することができ、接触点数が増加し、ブロック2からの熱を弓形フィン15に良好に伝導することができる。その結果、多数並んだ弓形フィン15および主板14から冷却流体4に放熱され、発熱体1を十分に冷却できるようになる。
以上より、この実施の形態3によるヒートシンクにおいては、ブロック2とケーシング3との間の流路5に弾性体である弓形フィン15を設け、弓形フィン15の先端を発熱体1の取り付けられたブロック2に押し付けることで、発熱体1の熱を冷却構造体13に十分伝導できるようになる。冷却構造体13は、多数の弓形フィン15で構成されているため、放熱面積が著しく大きく、伝導した熱を冷却流体4に良好に放熱することができ、発熱体1を十分に冷却することができる。さらに、うねりや取り付けのばらつきによってブロック2から対向するケーシング3までの間隔に違いがある場合でも、フィンの長手方向に先端の変形量を変えることができる弓形フィン15によって、その間隔の違いによる接触状態の違いを解消して連結することができ、場所によって冷却性能の差を低減することができる。
なお、この実施の形態3においては、ケーシング3の一部を冷却構造体13とした。ブロック2の一部を冷却構造体13としてもよい。
実施の形態4
図13は、この発明の実施の形態4によるヒートシンクを示す断面図である。
図13に示すように、この発明の実施の形態4によるヒートシンクは、第1ブロック18と、第2ブロック19と、第1ブロック18および第2ブロック19の間に形成される流路5とを備える。第1ブロック18は、発熱体1が配設される平面部を有し、当該平面部と反対側の面に複数のフィン16が配設され、櫛歯状となっている。第2ブロック19も、第1ブロック18と同様に、発熱体1が配設される平面部を有し、当該平面部と反対側の面に複数のフィン17が配設され、櫛歯状となっている。これら第1ブロック18と第2ブロック19とは、相互に対向し、第1ブロック18のフィン16と第2のブロック19のフィン17とが交互に位置するよう配設されている。冷却流体4を流すため、フィン16とフィン17との間には空間が形成されている。冷却流体4の流れの方向は、紙面に垂直方向である。
図13は、この発明の実施の形態4によるヒートシンクを示す断面図である。
図13に示すように、この発明の実施の形態4によるヒートシンクは、第1ブロック18と、第2ブロック19と、第1ブロック18および第2ブロック19の間に形成される流路5とを備える。第1ブロック18は、発熱体1が配設される平面部を有し、当該平面部と反対側の面に複数のフィン16が配設され、櫛歯状となっている。第2ブロック19も、第1ブロック18と同様に、発熱体1が配設される平面部を有し、当該平面部と反対側の面に複数のフィン17が配設され、櫛歯状となっている。これら第1ブロック18と第2ブロック19とは、相互に対向し、第1ブロック18のフィン16と第2のブロック19のフィン17とが交互に位置するよう配設されている。冷却流体4を流すため、フィン16とフィン17との間には空間が形成されている。冷却流体4の流れの方向は、紙面に垂直方向である。
対向する第2ブロック19のフィン17の先端21と第1ブロック18のフィン16の底部20の間、および第1ブロック18のフィン16の先端22と第2ブロック19のフィン17の底部23の間には、空間が設けられており、この空間に弾性体であるコイルバネ6が配置されている。フィン16の先端22とフィン17の底部23、およびフィン17の先端23とフィン16の底部20は、それぞれコイルバネ6を介し連結されており、それぞれ温度の高いフィン16の底部20およびフィン17の底部23から、温度の低いフィン16の先端22およびフィン17の先端21に熱を伝導し、放熱面積を増加することができる。中空であるコイルバネ6の内部にも冷却流体4が流れるので、コイルバネ6から冷却流体4に放熱され、コイルバネ6がフィンとしての効果も持つ。コイルバネ6が変形することによって、フィン16,17の底部20,23から先端22,21における間隔のばらつきを解消でき、かつ高い冷却性能を得ることができる。
以上のように、この実施の形態4によるヒートシンクにおいては、フィンの先端とブロック(フィンの底部)との間に空間があり、この各空間に弾性体であるコイルバネ6を配置することによって、放熱面積を拡大でき、高い冷却性能を得られると共に、フィンの底部から先端までの長さのばらつきによる冷却性能の場所による差を低減でき、安定した冷却性能を得ることができる。
また、第1ブロック18と第2ブロック19とは、押出成形で製造できる形状であり、同一形状にできるため、金型費や単価を抑え、ヒートシンクの製造コストを下げることができる。さらに、図13に示すように、両端部に第1ブロック18と第2ブロック19とが咬合する段差部31,32を設けることでシール性や位置決め精度を向上することができる。
さらに、フィン16,17の先端22,21および底部20,23に、実施の形態1と同様に、フィンが延在する方向に第一の溝を設けてもよい。また、フィン16,17の先端22,21および底部20,23に、実施の形態2と同様に、コイルバネ6の素線の巻き方向と平行な方向に延在する第二の溝を設けてもよい。第一の溝または第二の溝にコイルバネ6を配置し、第1ブロック18と第2ブロック19とを連結することによって、フィン16,17の先端22,21または底部20,23とコイルバネ6との接触点数が増加し、接触面積を拡大することができ、冷却流体4への放熱量を増加させることができる。また、コイルバネ6が安定した位置に保持されるため、コイルバネ6の押し付け圧力が安定すると共に、接触面積や接触位置の数にばらつきを生じず、冷却性能の場所による差を低減でき、安定した冷却性能を持つヒートシンクを得ることができる。
発熱体1である半導体素子が小さいインバータまたはコンバータなどの場合や冷却流体として水やエチレングリコール混合水を使用する場合は、熱があまり拡大しない。そのため、図14に示すように、フィンの幅よりも大きな幅を有し、第1ブロック18と第2ブロック19とが咬合して位置決めをする段差部33,34を発熱体1の直下に設けた方がよい。半導体素子などの発熱体1は、過渡的な負荷の増加によって、数秒程度の短時間に限って過大に発熱することがあり、発熱体1直下の熱容量が大きい方が、発熱体1の温度上昇を抑制することができる。
上記においては、第1ブロック18と第2ブロック19が櫛歯状で、第1ブロック18のフィン16と第2ブロック19のフィン17とを交互に配置する場合について説明した。第1ブロックまたは第2ブロックのどちらか一方がフィンを有する櫛歯状のブロックで、他方がフィンを有さないケーシングであって、ケーシングとフィンとの間にコイルバネ6を配置する構成でもよい。放熱面積を拡大により高い冷却性能を得られると共に、フィンの底面から先端までの長さのばらつきによって生じる冷却性能の場所による差を低減でき、安定した冷却性能を得ることができる。なお、この場合も、発熱体1は、ブロックおよびケーシングの両方に配置されてもよいし、どちらか一方に配置されてもよい。
実施の形態5
図15は、この発明の実施の形態5によるヒートシンクのフィンの先端付近の断面の拡大図である。
実施の形態4によるヒートシンクでは、フィンの先端と底部との間に配設される弾性体をコイルバネとした。この実施の形態5によるヒートシンクにおいては、弾性体が平板を波状に湾曲させた波状板24である点で実施の形態4と異なっている。その他の構成は、実施の形態4に示すヒートシンクと同様である。なお、図15は、第1ブロック18のフィン16先端付近の断面を示しているが、第2ブロック19のフィン17先端付近も同様の構造となっている。
図15は、この発明の実施の形態5によるヒートシンクのフィンの先端付近の断面の拡大図である。
実施の形態4によるヒートシンクでは、フィンの先端と底部との間に配設される弾性体をコイルバネとした。この実施の形態5によるヒートシンクにおいては、弾性体が平板を波状に湾曲させた波状板24である点で実施の形態4と異なっている。その他の構成は、実施の形態4に示すヒートシンクと同様である。なお、図15は、第1ブロック18のフィン16先端付近の断面を示しているが、第2ブロック19のフィン17先端付近も同様の構造となっている。
フィン16の先端22およびフィン17の底部23には、波状板24に対応した凹凸を有する溝35が形成されている。溝35は、波状板24の曲面の曲率半径より大きい曲率半径を有する凹状の曲面が、波状板24の曲面の数だけフィン16の幅方向に並んだ形状としている。波状板24に曲面の法線方向からフィン16の先端22およびフィン17の底部23によって荷重が付加されると、波状板24は波長を拡大する方向に広げられ、弾性変形範囲内において、元の形状に戻るためフィン16の先端22およびフィン17の底部23に圧力が作用する。このような構成とすることで、フィン16の先端22およびフィン17の底部23と波状板24の接触部とにおいて、接触点が1箇所であるが、接触面積が増加する。したがって、波状板24において、フィン17の底部23からフィン16により多くの熱量を伝導でき、フィン16およびフィン17での冷却流体4への放熱量を増加させることができるとともに、波状板24の間隙を流れる冷却流体4へ波状板24からの放熱量も増加させることができる。ここで、板状板24の材質は、銅やアルミなどの熱伝導率の高い金属がよい。
ただし、弾性体をコイルバネとした場合は、バネ乗数が小さく、コイルバネの短軸方向の変位が異なっても、コイルバネがフィンの先端や底部に押し付ける力に大きな差を生じず、フィンの底部から先端までの長さのばらつきによる冷却性能のばらつきを小さくできていた。しかしながら、板状板24では、フィンの先端から底部方向の弾性変形量が小さく、バネ乗数がコイルバネよりも大きいため、フィンの底部から先端までの長さのばらつきが小さいときのみ、冷却性能のばらつきを抑制することができる。
以上のように、この実施の形態5によるヒートシンクにおいては、フィンの先端と底部に空間があり、この各空間に弾性体である波状板24を配置することによって、放熱面積を拡大でき、高い冷却性能を得られると共に、フィンの底面から先端までの長さのばらつきによる冷却性能の場所による差を低減でき、安定した冷却性能を得ることができる。
上記においては、第1ブロック18と第2ブロック19が櫛歯状で、第1ブロック18のフィン16と第2ブロック19のフィン17とを交互に配置する場合について説明した。第1ブロックまたは第2ブロックのどちらか一方がフィンを有する櫛歯状のブロックで、他方がフィンを有さないケーシングであって、ケーシングとフィンとの間に波状板24を配置する構成でもよい。放熱面積を拡大により高い冷却性能を得られると共に、フィンの底面から先端までの長さのばらつきによって生じる冷却性能の場所による差を低減でき、安定した冷却性能を得ることができる。なお、この場合も、発熱体1は、ブロックおよびケーシングの両方に配置されてもよいし、どちらか一方に配置されてもよい。
なお、この実施の形態5によるヒートシンクにおいては、フィン16の先端21およびフィン17の底部23に、波状板24に対応した凹凸を有する溝35を設けた場合について示したが、溝を設けなくてもよい。
実施の形態6
図16は、この発明の実施の形態6によるヒートシンクのフィンの先端付近の断面の拡大図である。
実施の形態4においては、フィンの先端とブロック(フィンの底部)との間に配設される弾性体はコイルバネであった。この実施の形態6においては、弾性体は、実施の形態3で述べた、一端が主板14に連結し、他端が開放された円弧状の弓形フィン15が複数並んで構成された冷却構造体13である点が実施の形態4と異なっている。その他の構成は、実施の形態4に示すヒートシンクと同様である。
図16は、この発明の実施の形態6によるヒートシンクのフィンの先端付近の断面の拡大図である。
実施の形態4においては、フィンの先端とブロック(フィンの底部)との間に配設される弾性体はコイルバネであった。この実施の形態6においては、弾性体は、実施の形態3で述べた、一端が主板14に連結し、他端が開放された円弧状の弓形フィン15が複数並んで構成された冷却構造体13である点が実施の形態4と異なっている。その他の構成は、実施の形態4に示すヒートシンクと同様である。
複数並んだ弓形フィンと弓形フィンとの間には、冷却流体4が流れることができる空間が存在する。フィン16,17の先端22,21および底部20,23の形状は、平面である。弓形フィンの開放された一端をフィン16,17の先端22,21または底面20,23に接するよう配置する。円弧状の弓形フィンに円の中心方向にフィン16,17の先端22,21または底部20,23によって荷重が付加されると、円弧状の弓形フィンは一端の円の中心付近に近づき楕円弧状になり、弾性変形範囲内において、元の形状に戻るためフィン16,17の先端22,21または底部20,23に圧力を作用する。このような構成とすることで、フィン16,17の先端22,21または底部20,23と円弧状の弓形フィンの先端が接触し、接触面積が増加する。したがって、円弧状の弓形フィンを有した冷却構造体13は、コイルバネ6よりも熱伝導する面積が大きいため、ブロック18,19からフィン16,17により多くの熱量を伝導でき、フィン16,17での冷却流体4への放熱量を増加させることができるとともに、冷却構造体13の内部を流れる冷却流体4へ冷却構造体13からの放熱量も増加させることができる。ここで、冷却構造体13の材質は、銅やアルミなどの熱伝導率の高い金属がよい。
さらに、櫛歯状のブロック18,19のフィン16,17の先端部に、直接、円弧状の弓形フィンを複数設けると、弓形フィンを設けた冷却構造体13の主板と櫛歯状のブロック18,19との間に熱抵抗がなくなり、第1ブロック18から第2ブロック19まで、または第2ブロック19から第1ブロック18までより熱を伝導することができるようになる。櫛歯状のブロック18,19のフィン16,17の先端部に形成される複数の円弧状の弓形フィンは、押し出し成形によって製造された櫛歯状のブロック19を図17のようにフィン17の先端が突出するジグ26に挿入し、刃物の付いた圧延ローラでフィン17先端のみを切り起こしてフィンを形成させる。
以上のように、この実施の形態6のヒートシンクにおいては、フィンの先端と底部に空間があり、その各空間に弾性体である一端が主板と連結し他端が開放された円弧状の弓形フィンを複数配置することによって、放熱面積を拡大でき、高い冷却性能を得られると共に、フィンの底面から先端までの長さのばらつきによって生じる冷却性能の場所による差を低減でき、安定した冷却性能を得ることができる。
上記においては、第1ブロック18と第2ブロック19が櫛歯状で、第1ブロック18のフィン16と第2ブロック19のフィン17とを交互に配置する場合について説明した。第1ブロックまたは第2ブロックのどちらか一方がフィンを有する櫛歯状のブロックで、他方がフィンを有さないケーシングであって、ケーシングとフィンとの間に弓形フィンを有する冷却構造体13を配置する構成でもよい。放熱面積を拡大により高い冷却性能を得られると共に、フィンの底面から先端までの長さのばらつきによって生じる冷却性能の場所による差を低減でき、安定した冷却性能を得ることができる。なお、この場合も、発熱体1は、ブロックおよびケーシングの両方に配置されてもよいし、どちらか一方に配置されてもよい。
1 発熱体、2 ブロック、3 ケーシング、4 冷却流体、5 流路、6 コイルバネ、7 コイルバネの短軸方向、8a,8b 溝、9 溝の左右側面、11 第二の溝、12 素線、13 冷却構造体、14 主板、15 弓形フィン、16,17 フィン、18 第1ブロック、19 第2ブロック、20,23 フィンの底部、21,22 フィンの先端、25 巻回転軸、26 ジグ、31,32 段差部、33,34 段差部、35 溝。
Claims (13)
- 発熱体が配設される平面部および当該平面部と反対側の面に配置される複数のフィンをそれぞれ有する一対のブロックと、
一方のフィンと他方のフィンとが交互に配置されるように一方のブロックと他方のブロックとが対向して配置されることで前記一方のブロックと前記他方のブロックとの間に形成される冷却流路と、
前記一方のフィンの先端と前記他方のブロックとの間にそれぞれ配設される弾性体とを備えることを特徴とするヒートシンク。 - 発熱体が配設される平面部および当該平面部と反対側の面に配置される複数のフィンを有するブロックと、
前記ブロックの前記フィンに対向して配設されるケーシングと、
前記ブロックと前記ケーシングとの間に形成される冷却流路と、
前記フィンの先端と前記ケーシングとの間に配設される弾性体とを備えることを特徴とするヒートシンク。 - 発熱体が配設される平面部を有するブロックと、
前記ブロックの前記平面部と反対側の面に対向して配設されるケーシングと、
前記ブロックと前記ケーシングとの間に形成される冷却流路と、
前記ブロックと前記ケーシングとの間に配設される弾性体とを備えることを特徴とするヒートシンク。 - 前記弾性体は、コイルバネであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のヒートシンク。
- 前記弾性体は、平板が円弧状に湾曲した弓形フィンであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のヒートシンク。
- 前記ブロックに前記弾性体が配設される溝を備えたことを特徴とする請求項1または3に記載のヒートシンク。
- 前記フィンの先端に前記弾性体が配設される溝を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のヒートシンク。
- 前記ケーシングに前記弾性体が配設される溝を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載のヒートシンク。
- 前記弾性体は、コイルバネであり、
前記溝は、台形状であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のヒートシンク。 - 前記弾性体は、コイルバネであり、
前記溝は、楕円形状であって前記コイルバネの曲率半径よりも大きい曲率半径を有することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のヒートシンク。 - 前記弾性体は、コイルバネであり、
前記溝は、前記コイルバネの素線ごとに設けられていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のヒートシンク。 - 前記一対のブロックは、同一の形状であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
- 請求項1から12に記載のヒートシンクと、
発熱体である半導体素子とを備えることを特徴とする半導体装置。
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2007
- 2007-12-06 JP JP2007316083A patent/JP2009141136A/ja active Pending
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