JP2009136970A - 面取り工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本願発明に係る面取り工具1は、ベース2に削剥部3を突設し、削剥部3を被孔形成体の円形孔の開口縁部に当接させた状態で削剥部3に回転力を付与することにより開口縁部を面取り形成するものであって、削剥部3は、開口縁部に当接して開口縁部を削剥する削剥面33を備え、削剥面33は、ベース2に対向して設けられて且つ円形孔と同径である仮想円Qの円周上又はその近傍に先端部を有すると共に先端部から仮想円Qの径外方向に向けて徐々にベース2に近接する傾斜状に形成されており、ベース2は、手動により削剥部3に仮想円Qの中心廻りの回転力を付与する把持部4を備えている。
【選択図】 図1
Description
この種の施工においては、シーリング材によるシール性の信頼性を向上させるべく、貫通孔の開口縁部を面取りすることでシーリング材を充填するための空間(シーリングポケットとも言う)を設け、該空間にシーリング材を充填することが有効であるが、該開口縁部の面取りは、作業者がカッターナイフ等を用いて少しずつ開口縁部を切削する等の施工がなされており、きわめて危険な作業であるばかりでなく、作業に熟練を要すると言う問題がある。のみならず、かかる施工によるシーリングポケットの仕上がりをいずれの貫通孔においても均一なものとすることが困難であり、所望のシール性を発揮させることができない虞があるという問題も生じていた。
そこで、本発明は、建物の外壁等に形成される直径十〜十数cm程度の貫通孔の開口縁部を容易且つ均質に面取り形成することができる面取り工具を提供することを目的とする。
ベースに削剥部を突設して形成され、該削剥部を被孔形成体に形成されている円形孔の開口縁部に当接させた状態で該ベースを介して削剥部に回転力を付与することにより、該開口縁部を面取り形成する面取り工具であって、
前記削剥部は、前記開口縁部に当接して当該開口縁部を削剥する削剥面を備え、該削剥面は、前記ベースに対向して設けられて且つ前記円形孔と同径である仮想円の円周上又はその近傍に先端部を有すると共に該先端部から当該仮想円の径外方向に向けて徐々にベースに近接する傾斜状に形成されており、
前記ベースは、手動により前記削剥部に前記仮想円の中心廻りの回転力を付与する把持部を備えていることを特徴としている。
また、手動により把持部を把持して削剥部に回転力を付与することができるので、上述の如く円形孔の開口縁部に削剥部の削剥面を当接させた状態で把持部によりベースを介して削剥部に回転力を付与することにより、削剥部の削剥面が円形孔の開口縁部に擦りつけられ、この擦れ合いによって開口縁部が削り取られ、これによって該開口縁部を面取り形成することができる。
なお、被孔形成体とは、本願発明の面取り工具の削剥部よりも硬度及び塑性変形能が著しく小さい材料により形成されており、例えば、面取り工具が鉄やステンレス等の金属製であるのに対し、被孔形成体は軽量気泡コンクリート(ALC)やプレキャストコンクリートにより形成されている。
これにより、各削剥片の削剥面が開口縁部を削り取ることとなって、少ない回転によっても効率よく面取り形成を行うことができる。また、各削剥面の間から削り粉が落下することとなり、これによって該削り粉が削剥面と開口縁部の間に介在して該削剥面による削剥を阻害する虞は低減されることとなる。
また、前記削剥部は、前記複数の削剥片を連結する円周壁を備え、該円周壁の内径は前記仮想円と同一であることが好ましい。
また、前記削剥部の前記ベースからの突出高さは、前記円形孔の開口縁部に形成される面取りの深さと同一であることが好ましい。
これにより、ベースが被孔形成体に当接する状態まで開口縁部の面取りが進行すると、所定の面取り形成が完了したこととなり、それ以上の開口縁部の削れを防止して必要以上に面取りを進行させてしまうことを防止することができる。
これによれば、削剥部を円形孔に嵌め込んだ状態で一対の取っ手を把持して回転させることにより、該削剥部及びベースを当該仮想円、即ち円形孔の中心廻りに回転させることができる。特に、一対の取っ手が仮想円を中心として対称となる位置に配備されているので、当該回転をバランスよく行うことができるのである。
また、当該一対の把持部を介して削剥部の削剥面を円形孔の開口縁部に対して押圧することとなるが、該削剥面のいずれの部分にも等しく押圧力を付与することができる。
図1〜図3に示す如く、本発明に係る面取り工具1は、被孔形成体となる軽量気泡コンクリート製の外壁パネルW(図4参照)に開設された円形状の貫通孔H(円形孔)の開口縁部Eを面取り形成するものであって、ベース2と、該ベース2に突設された削剥部3及び把持部4とを備えている。
図1に示す如く、ベース2は、平坦な金属板を正方形状に加工して形成されており、当該ベース2の外形は、少なくとも外壁パネルWの貫通孔Hの内周円と同径の仮想円Qよりも大きいものとされている。
円周壁32は、金属製の帯を前記仮想円Qと同一の内径を有する環状に形成してベース2の一方の面に溶接接合されている。また、該円周壁32の外周面に複数枚の削剥片31が放射状に取り付けられている。
図2及び図3に示す如く、各削剥片31は、円周壁32と同程度の厚さを有する金属板を直角三角形状に加工して形成されており、互いに直角となる一対の小口面のうち、一方がベース2に溶接接合されると共に他方が円周壁32に溶接接合されている。これにより、各削剥片31は、仮想円Q近傍に先端部を有し、該先端部から仮想円Qの径外方向に向けて徐々にベース2の一方の面に近接する傾斜面を有することとなり、該傾斜面が外壁パネルWの貫通孔Hの開口縁部Eに当接して該開口縁部Eを削剥する削剥面33となる。
また、ベース2の他方の面には、手動により削剥部3に前記仮想円Qの中心廻りの回転力を付与するための把持部4が設けられている。
該把持部4は、前記仮想円Qの中心を介して対称となる位置に一対の取っ手41を備えている。各取っ手41は、金属棒をコ字状に屈曲させて形成されており、持ち手部42の両端部にそれぞれ持ち手部42とベース2とを連結する連結部43を備えて形成されている。また、これら一対の取っ手41は、持ち手部42の軸心をベース2の側面に平行とした状態で可及的互いに離間した状態で該ベース2に取り付けられている。
図4(a)(b)に示す如く、まず、外壁パネルWの所定位置に円形の貫通孔Hを形成し、該貫通孔Hに当該貫通孔Hと同径の外径を有する円筒状のスリーブSを嵌装する。
そして、図5(a)(b)に示す如く、貫通孔Hの一対の開口縁部Eのうち、外壁面側となる開口縁部Eを面取り形成すべく、外壁面側となる開口縁部Eに面取り工具1を配備する。
また、この様に削剥部3を貫通孔Hに対向させた状態で面取り工具1を配備することにより、把持部4が外壁パネルWの外壁面と同じ方向を向くこととなって作業者Tと対向する。
また、該削剥により削り粉が発生することとなるが、該削り粉は、隣り合う削剥片31と円周壁32とにより形成される空間P(図1等参照)に落下・貯留することとなり、該削り粉が削剥面33と開口縁部Eの接触面に溜まりこんで該削剥面33による開口縁部Eの削剥を阻害するものとはならない。
その後、図8(a)(b)に示す如く、当該空間にシーリング材Cを充填した後、図9(a)(b)に示す如く該外壁パネルWに上記外壁面側からウェザーカバー8を取り付ける。
例えば、削剥面33の形状は、図10(a)に示す如く凹円弧状に形成することも可能であり、図10(b)、に示す如く傾斜の異なる複数(当該図においては2つ)の傾斜面を組み合わせることにより形成することも可能である。
また、削剥片31は、図11に示す如く、円弧方向に所定の厚さを有して形成することも可能であり、この場合、各削剥片31の削剥面33の表面を荒らして鑢状に形成することも可能である。また、削剥片31の枚数も、必要に応じて適宜増減することが可能である。
また、削剥部3は、図12(a)(b)に示す如く、円周壁32を有することなく削剥片31どうしを上記仮想円Qの中心で連結する構成とする場合であっても、本実施形態と同様の作用効果を奏する。また、かかる削剥部3によれば、貫通孔Hの口径によらず当該貫通孔Hの開口縁部Eを面取り形成することが可能である。
また、把持部4の形状は、上記仮想円Qを中心とする円弧状に形成する(図13参照)等、適宜形状を選択することが可能である。
また、ベース2の形状も、円形やリング状等、適宜形状を選択することが可能である(図13参照)。
2 ベース
3 削剥部
4 把持部
8 ウェザーカバー
31 剥削片
32 円周壁
33 削剥面
41 取っ手
42 持ち手部
43 連結部
81 カバー体
82 筒体
83 開口部
84 円筒部
85 鍔部
W 外壁パネル
H 貫通孔
E 開口縁部
Claims (5)
- ベースに削剥部を突設して形成され、該削剥部を被孔形成体に形成されている円形孔の開口縁部に当接させた状態で該ベースを介して削剥部に回転力を付与することにより、該開口縁部を面取り形成する面取り工具であって、
前記削剥部は、前記開口縁部に当接して当該開口縁部を削剥する削剥面を備え、該削剥面は、前記ベースに対向して設けられて且つ前記円形孔と同径である仮想円の円周上又はその近傍に先端部を有すると共に該先端部から当該仮想円の径外方向に向けて徐々にベースに近接する傾斜状に形成されており、
前記ベースは、手動により前記削剥部に前記仮想円の中心廻りの回転力を付与する把持部を備えている
ことを特徴とする面取り工具。 - 前記削剥部は、前記仮想円の径内側から径外側に向けて延設される複数の削剥片を備え、各削剥片に前記削剥面がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面取り工具。
- 前記削剥部は、前記複数の削剥片を連結する円周壁を備え、該円周壁の内径は前記仮想円と同一であることを特徴とする請求項2に記載の面取り工具。
- 前記削剥部の前記ベースからの突出高さは、前記円形孔の開口縁部に形成される面取りの深さと同一であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の面取り工具。
- 前記把持部は、前記仮想円の中心を介して対称となる位置に一対の取っ手を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の面取り工具。
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