JP2009136603A - 掃除機用吸込具および電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】塵埃除去性能に優れた掃除機用吸込具を提供する。
【解決手段】複数条の第1の清掃片31を有する第1の回転ブラシ30を回転駆動する電動機24と、複数条の第2の清掃片36を有すると共に第1の回転ブラシ30の回転力で回転駆動される第2の回転ブラシ35とを備え、第1の清掃片31に帯電しやすい材料を使用し、第2の清掃片36に導電性を有する材料を使用し、第2の清掃片36から静電気を放電させるリード線44を有するもので、第1の回転ブラシ30の回転で帯電する第1の清掃片31が電気的吸引力を利用して被掃除面の塵埃を引き寄せるとともに、第2の清掃片36によって被掃除面及び第1の清掃片31を除電し、電気的結合力を中和させることで、優れた塵埃掻き上げ性能を発揮することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、掃除機用吸込具および電気掃除機に関するものである。
従来の掃除機用吸込具は、電動機等で回転駆動される1本の回転ブラシを備え、その回転ブラシの外周長手方向に設けた清掃片で、被掃除面の塵埃を掻き上げるようにしていた。しかしながら、回転ブラシが1本だけでは、十分被掃除面を清掃できないため、回転ブラシを2本平行に備えたものが発明された。ところが2本の回転ブラシのそれぞれを回転させるために電動機を2個用いると、掃除機用吸込具が重くなり、掃除機用吸込具の操作性が悪くなるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示された掃除機用吸込具50では、図12に示すように、電動機51で回転駆動されるとともに外周に清掃片52を設けた第1の回転ブラシ53と、同じく外周に清掃片54を設けた第2の回転ブラシ55とが平行に設けられ、清掃片52と清掃片54同士をオーバーラップさせて第1の回転ブラシ53の回転力を第2の回転ブラシ55に伝達して第2の回転ブラシ55を回転させるようにしている。
また、特許文献2に開示された掃除機用吸込具60では、図13に示すように、回転方向および回転数を異にする複数個の回転ブラシ61、62が被掃除面に平行に配設され、回転ブラシ61、62のブレード61b、62bが回転棒61a、62aに捻って取り付けられている。
そして、この掃除機用吸込具60では、第1の回転ブラシ61の一端が、ギア63、プーリ64、ベルト65およびプーリ66よりなる伝達機構を介して、電動機68に接続されており、他端の回転軸端61cが、軸受69により支承されている。また、第2の回転ブラシ62は、一端がギア70を介してギア63に螺合し、他端の回転軸端62cが軸受69に支承されている。そして、このように構成された掃除機用吸込具60の第1および第2の回転ブラシ61、62は、ギア63、70を介して互いに反対方向に回転されるようになっている。
特開2003−125991号公報 特開平5−111449号公報
上記特許文献1に記載された掃除機用吸込具50の構成では、清掃片52、54同士をオーバーラップさせて第1の回転ブラシ53の回転力を第2の回転ブラシ55に伝達して第2の回転ブラシ55を回転させており、被掃除面を前後よりはさんで掻き上げる力が生じ、特に、被掃除面が絨毯などの場合、糸くずなどのごみを確実にかきとることができる特徴を発揮することができる。
しかしながら、第1の回転ブラシ53と第2の回転ブラシ55が互いに擦れ合うことにより、静電気が生じ、第1、第2の回転ブラシ53、55の清掃片52、54を形成するブラシ毛が帯電してしまう。この場合、被掃除面と電気的結合力によって付着している塵埃において、ブラシ毛と同電位の静電気力で付着しているものに対しては、被掃除面から塵埃を引き離すことができず、ごみ取れ性が低下してしまう問題を有していた。
これを改善するために、回転ブラシと逆電位に帯電しやすいプレートに回転ブラシを接触させ、回転ブラシの帯電極性を制御し、被掃除面の帯電極性に対して逆電位に帯電させる構成もとられているが、回転ブラシとプレートとの摩擦による負荷が加わるため、第2の回転ブラシ55については、プレートと摩擦させることが実用上できなかった。よって2本回転ブラシを配備しても2本目の回転ブラシは十分なごみ取れ性を発揮することができなかった。
又、回転ブラシに導電性の繊維を配合し、除電によって静電気を中和させる手段も効果的であることが公知であるが、回転ブラシおよび被掃除面の帯電電位を低減し、ごみが離れやすくすることはできるが、電気力でブラシ側に引き寄せる力が働かない分、吸引力を高めなければごみ取れ性が上がらない。しかし、内部に回転ブラシ2本分の空間を有する構成においては、風速が上がりにくいという別の課題が浮上してしまう。
すなわち回転ブラシが2本ある場合、綿ごみ、糸くずなど回転ブラシの掻き上げ力で取れるごみについては優れたごみ取れ性を発揮するが、帯電した電気力で被掃除面に付着している細塵に対しては、摩擦により逆電位に帯電させる構成を2本ともに設けると回転ブラシの抵抗が大きくなってしまい、回転力が低下してしまう。また除電によって帯電したごみを剥離させようとする場合は、除電することで被掃除面のごみははがれやすくなるが、2本の回転ブラシを収納している分、吸引風が流れる通路が広いことから、細塵を吸い上げる風速が比較的低く、ごみを持ち上げにくいため、総合的にはごみ取れ性能は良化できないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、第1の回転ブラシの回転駆動力が第2の回転ブラシに確実に伝達され、第2の回転ブラシを連続的に円滑に回転駆動させるアジテーター構成において、静電気で被掃除面に付着しているごみを効率的に集塵することができ、塵埃除去性能に優れた掃除機用吸込具および電気掃除機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の掃除機用吸込具は、周面の長手方向に沿って複数条の第1の清掃片を有する第1の回転ブラシと、前記第1の回転ブラシを回転駆動する駆動源と、前記第1の回転ブラシと平行に近接して配され、周面の長手方向に沿って複数条の第2の清掃片を有すると共に前記第1の回転ブラシの回転力で回転駆動される第2の回転ブラシとを備え、前記第1の清掃片には、帯電しやすい材料を使用するとともに、前記第2の清掃片に導電性を有する材料を使用し、前記第2の清掃片から静電気を放電させる電気通路を有するもので、第1の回転ブラシの回転によって帯電する第1の清掃片が電気的吸引力を利用して被掃除面の塵埃を引き寄せるとともに、第2の回転ブラシの第2の清掃片によって被掃除面、および第1の回転ブラシの第1の清掃片を除電し、電気的結合力を中和させることで、優れた塵埃掻き上げ性能を発揮することができる。
また、本発明の電気掃除機は、電動送風機と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具を備えたもので、第1の回転ブラシの塵埃除去性能を持続させるとともに、被掃除面の除電を行うことで、塵埃の剥離性を高め、2本の回転ブラシのかき上げ性能と合せ、際立った塵埃除去性能を発揮する電気掃除機を提供することができる。
本発明の掃除機用吸込具および電気掃除機は、第1の回転ブラシの帯電により、電気的吸引力を利用して被掃除面の塵埃を効率よくかきあげるとともに、同時に第2の回転ブラシに配した第2の清掃片によって被掃除面、及び第1の回転ブラシの除電を行うことにより、ごみ取れ性向上と第1の回転ブラシの帯電性能の持続を実現するもので、被掃除面の塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
第1の発明は、周面の長手方向に沿って複数条の第1の清掃片を有する第1の回転ブラシと、前記第1の回転ブラシを回転駆動する駆動源と、前記第1の回転ブラシと平行に近接して配され、周面の長手方向に沿って複数条の第2の清掃片を有すると共に前記第1の回転ブラシの回転力で回転駆動される第2の回転ブラシとを備え、前記第1の清掃片には、帯電しやすい材料を使用するとともに、前記第2の清掃片に導電性を有する材料を使用し、前記第2の清掃片から静電気を放電させる電気通路を有するもので、第1の回転ブラシの回転によって帯電する第1の清掃片が電気的吸引力を利用して被掃除面の塵埃を引き寄せるとともに、第2の回転ブラシの第2の清掃片によって被掃除面、および第1の回転ブラシの第1の清掃片を除電し、電気的結合力を中和させることで、優れた塵埃掻き上げ性能を発揮することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の電気通路を、電流を制限する電流制限手段を介してアースを含む商用電源に放電するように構成したもので、絶縁を確保しながら、前記第2の回転ブラシの複数条の前記第2の清掃片から電荷をアースに逃がし、被掃除面などの電位を限りなく0V近くまで下げることができる。
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の第1の清掃片が当接する箇所に、前記第1の清掃片の帯電極と逆に帯電する素材にて形成した摩擦板を配するとともに、前記第1の清掃片が、前記摩擦板に当接する前段階で、第2の清掃片と触れる位置に設定されているもので、前記第1の清掃片の帯電極と逆に帯電する素材にて形成した摩擦板に第1の清掃片が当接する前に、第2の清掃片によって第1の清掃片を電気的に中和させるので、第1の清掃片が繰り返し摩擦板に当たっても初期状態が繰り返され、常に優れた帯電性能を持続することができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の第2の清掃片は、導電性を有する複数の繊維からなる繊維状部と、同じく導電性を有するとともに前記繊維状部を固定したベース材から構成され、長手方向の全幅で導電性繊維同士の導通が保たれるとともに、複数条の前記第2の清掃片が互いに、導電部材によって導通が維持されているもので、複数条の第2の清掃片はいずれかが必ず被掃除面に接し、かつ複数個所が接する。そして接触箇所の間で被掃除面の電荷が瞬時に行き来できる。
第5の発明は、電動送風機と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具を備えたもので、第1の回転ブラシの塵埃除去性能を持続させるとともに、被掃除面の除電を行うことで、塵埃の剥離性を高め、2本の回転ブラシのかき上げ性能と合せ、際立った塵埃除去性能を発揮する電気掃除機を提供することができる。
以下、本発明の掃除機用吸込具に係る最良の実施の形態について、図面に基づき説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、実施の形態で開示された内容ではなく、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれると解されるべきである。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る掃除機用吸込具15について、図1〜図11を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の全体斜視図である。
図1において、本実施の形態における掃除機用吸込具15を接続した電気掃除機の掃除機本体1の後方部に、電動送風機2を内蔵した電動送風機室3が配され、掃除機本体1の前方部に、吸引された塵埃を捕集する集塵袋(図示せず)を着脱自在に収納するとともに、電動送風機2の吸引側開口と連通する集塵室4が配されている。掃除機本体1の後方下部の左右両側に、1対の走行用車輪5が水平に配された走行軸(図示せず)に対して回転自在に取り付けられ、また、掃除機本体1の前方下部に、同じく走行用のキャスター6が垂直な軸心周りに回動自在に、且つ水平に配された走行軸(図示せず)に対して回転自在に取り付けられている。
掃除機本体1の前面には、吸引ホース10の一端に設けられた接続ジョイント部11が着脱自在に接続されるとともに、集塵室4に連通する吸気口7が設けられている。
吸引ホース10の他端には、操作者が掃除の際に把持するとともに、掃除機本体1の運転を操作するための操作部14aを有する把手14を備えた先端ジョイント部12が設けられている。この吸引ホース10の先端ジョイント部12に、伸縮自在あるいは継ぎ自在に構成された延長管13の手元側の一端が着脱自在に接続され、さらに、その延長管13の先端側の他端が、本実施の形態の掃除機用吸込具15に着脱自在に接続される。
掃除機本体1の前部から両側にかけての表面に、弾性材料からなるバンパー8が延設されており、掃除機本体1の走行時に、掃除機本体1が家具、柱などに衝突してもそれらに傷を付けないようにしている。掃除機本体1の後部上面に起伏可能に設けられた本体ハンドル9は、掃除機本体1を持ち運ぶ際に把持されるものである。
次に、本実施の形態1における掃除機用吸込具15の詳細な構成について、図2〜図5を用いて説明する。図2は、同掃除機用吸込具の外観斜視図であり、図3は、この掃除機用吸込具の底面側から見た斜視図であり、また、図4は、この掃除機用吸込具の下ケースを外し、底面側から見た平面図であり、図5は、この掃除機用吸込具の断面図(吸込具本体の左方側から見た状態)である。
なお、図2以降の図において、掃除機用吸込具15の走行方向について、把手14を掴んだ操作者が掃除機用吸込具15を押し進める(前進させる)方向を前方(図1において左下方向)といい、操作者が掃除機用吸込具15を引き戻す(後退させる)方向を後方(図1において右上方向)という。また、掃除機用吸込具15を前進させる方向に向かって右側を右方(図1において左上方向)、左側を左方(図1において右下方向)という。
図2に示すように、掃除機用吸込具15の本体ケース17は、上ケース17aと、底面に開口部18を有する下ケース17bから構成され、上ケース17aの後方中央部には、接続管19が傾動自在に取着され、延長管13の先端がこの接続管19の開口端19aに着脱自在に嵌合固定される。また、下ケース17bの外周面には、ウレタン系樹脂などの弾性材料からなるノズルバンパー20が設けられており、家具(図示せず)などに当たったときの衝撃を和らげる機能を果たしている。
また、図3に示すように、下ケース17bの底面には、その中央左右端近傍に走行用の前輪21が1対、後方左右端近傍に走行用の後輪22が1対、それぞれ回転自在に取着されている。また、開口部18の後方中央に起伏安全スイッチ23が起伏可能に取着され、この起伏安全スイッチ23が、被掃除面に接触し、その取着されている凹部23a内に倒れこんだ状態で、操作者が操作部14aを操作したときに、掃除機本体1の後述の第1および第2の回転ブラシ30、35が回転し、また、この起伏安全スイッチ23が被掃除面から離れて凹部23a内から起立した状態では、操作者が操作部14aを操作しても、第1および第2の回転ブラシ30、35が回転しないように構成されている。
掃除機用吸込具15の前部には、図4および図5に示すように、開口部18から掃除機用吸込具15の上方に向けて回転ブラシ収容空間としての回転ブラシ収容空間18aが形成され、この回転ブラシ収容空間18aの後方側は接続管19に連通している。そして、この回転ブラシ収容空間18a内の前方側に第1の回転ブラシ30が、後方側に第1の回転ブラシ30と平行に第2の回転ブラシ35が収容され、それぞれ掃除機用吸込具15に対して回転自在に、掃除機用吸込具15の進退方向に対して垂直に軸支されている。また、掃除機用吸込具15の回転ブラシ収容空間18aの後方側には、第1の回転ブラシ30を正転方向、すなわち掃除機用吸込具15を前進させる方向に回転駆動する駆動源としての電動機24が収納されている。
さらに、図4に示すように、第1の回転ブラシ30の一端側(左方端部)には、外周面に凹凸が形成されたプーリ26が固着され、第2の回転ブラシ35の一端側(左方端部)には、軸芯保持材27aが固着されている。そして、プーリ26の左端側に突出した図示しない回転軸を回転可能に支持するように取り付けられた連結支持材28が、第2の回転ブラシ35側の軸受部28aで第2の回転ブラシ35に固着された軸芯保持材27aを回転可能に支持し、第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35とが、この連結支持材28によって所定の間隔を隔てて、回転自在に保持された状態で、吸込具本体16の上ケース17aの左端側の適所に固定されている。
また、第1の回転ブラシ30の他端側(右方端部)および第2の回転ブラシ35の他端側(右方端部)には、それぞれ軸芯保持材27b、27cが固着され、これらの軸芯保持材27b、27cが、連結軸受材29を介して、所定の間隔を隔てて、回転自在に保持された状態で、吸込具本体16の上ケース17aの右端側の適所に固定されている。
そして、電動機24のシャフト24aに固着されたプーリ24bと、第1の回転ブラシ30の端部に固着されたプーリ26との間に張架されたベルト25を介して、電動機24(シャフト24a)の回転が第1の回転ブラシ30に伝達されるように構成されている。
次に、本実施の形態1における第1および第2の回転ブラシ30、35の詳細な構成について、図6および図7を用いて説明する。
図6は、この掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの斜視図(吸込具本体から取り外し、底面側から見た状態)であり、図7は、同掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの部分断面図及び平面図である。なお、図6以降の図において、矢印は、第1および第2の回転ブラシ30、35の回転方向を示している。
本実施の形態1においては、図3、図4および図6に示すように、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が、長手方向(軸心方向)の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字状に形成されるとともに、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が、第1の清掃片31と逆形状の略V字状に形成されている。そして、後に詳しく説明するように、第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が、第2の回転ブラシ35の軸芯材37の外周面に設けられた保持条部37a(図8参照)に背面側から当接し、これを押圧することによって、第1の回転ブラシ30の回転駆動力が、第2の回転ブラシ35に伝達され、第2の回転ブラシ35を回転駆動させることになる。
しかも、第2の回転ブラシ35の回転が、ギアなどを介さずに、第1の回転ブラシ30の回転力を利用して行われるため、被掃除面が絨毯などの場合に、第2の回転ブラシ35が回転しにくくなっても、第2の回転ブラシ35を支持する連結支持材28の軸受部28aや連結軸受材29などの部分に過大な負荷が加わることもなく、これらの部分で機械的故障を引き起こすこともない。
さらに、本実施の形態1においては、第1の清掃片31ならびに第2の清掃片36における略V字形状が、それぞれ第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の長手方向の中間点を挟んで左右対称となるように構成されている。すなわち、第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の中間点に略V字形状の頂点が位置している。そして、この略V字形状の頂点から、第1の回転ブラシ30および第2の回転ブラシ35の端部側に移行するにしたがって前進角側に変位する第1の清掃片31および第2の清掃片36の配列線を平面上に展開したときに、この配列線がほぼ直線状となっている。
このように第1の清掃片31ならびに第2の清掃片36を構成することによって、軸方向(スラスト方向)の荷重バランスが崩れることなく、軸受部(連結支持材28の軸受部28aや連結軸受材29の軸受部)への負荷を軽減させることができ、より軽量な材料で軸受部および延いては、掃除機用吸込具15を構成することができる。さらに、掃除機用吸込具15の走行性能を向上させることができる。
ここで、本実施の形態1の第1および第2の回転ブラシ30、35において、第1および第2の清掃片31、36の略V字形状の頂点は、図6に示すように、それぞれの両端が配される円周上の位置より回転方向に対して約90°後退した位置に設定されている。
第1の回転ブラシ30は、掃除機用吸込具15の進退方向に対して垂直な方向に長く、開口部18の左右幅寸法とほぼ同じ長さに設定された円管状の軸芯材32と、この軸芯材32とほぼ同じ長さに設定され、軸芯材32に挿着される複数条(本実施の形態1においては3条)の第1の清掃片31とを備えている。
軸芯材32には、その長手方向に沿って、図8に示すように、その外周面から外方に突出する複数対のリブ条部32aが設けられ、対をなすリブ条部32aの互いに対向する面に他方に向けて突出した鍔条部32bが形成されている。これにより、これらの一対のリブ条部32aと鍔条部32bとの間に、開口部分が狭められた溝条部32cが形成され、この溝条部32cに第1の清掃片31が挿着される挿着空間33が形成されている。
第1の清掃片31は、ベース材としての基端部31aと、この基端部31aから起毛された複数の繊維からなる繊維状部31bとを備えている。そして、この第1の清掃片31の基端部31aが、軸芯材32に形成された装着空間33内に挿入、案内されて組み付けられ、第1の清掃片31の繊維状部31bが軸芯材32の鍔条部32bからその直径方向に突出している。このように、第1の清掃片31は、基端部31aが装着空間33内に挿入されることで、簡単に第1の回転ブラシ30の軸芯材32に組み付けられ、また、交換が必要な時には、この装着空間33内から抜き出されることで、簡単に軸芯材32から取り外される。
また、軸芯材32の対をなすリブ条部32aのうち、第1の回転ブラシ30の回転方向に対して背面側に位置するリブ条部32aの鍔条部32bの上面に、外方に向けて突出する支持条部32dが形成され、第1の清掃片31を背面側から支持している。さらに、この支持条部32dの第1の清掃片31に対向する面に、第1の清掃片31に向けて突出する凸部32eが第1の回転ブラシ30の長手方向に沿って連続的または断続的に形成されている。これにより、第1の清掃片31は回転駆動される際に、背面側から支持条部32dにより支持され、さらに凸部32eにより拘束されて、背面側あるいは側方側に撓むのが抑制され、効果的に被掃除面上の塵埃を掻き上げるとともに、掃除機用吸込具15を前進する回転力を被掃除面に作用させて自走性を向上させることができる。
また、第2の回転ブラシ35は、第1の回転ブラシ30と同様に、掃除機用吸込具15の進退方向に対して垂直な方向に長く、開口部18の左右幅寸法とほぼ同じ長さに設定された棒状の軸芯材37と、この軸芯材37とほぼ同じ長さに設定され、軸芯材37に挿着される複数条(本実施の形態1においては3条)の第2の清掃片36とを備えている。
軸芯材37には、その長手方向に沿って、図8に示すように、その外周面から直径方向に突出する複数対の保持条部37aが設けられ、対をなす保持条部37aの互いに対向する基端部分が切り欠かれて、開口部分が狭められた溝条部37bが形成され、この溝条部37bに第2の清掃片36が挿着される挿着空間38が形成されている。
また、対をなす保持条部37aにおいて、第2の回転ブラシ35の回転方向に対して後方側に位置する背面側の面、すなわち、第1の清掃片31によって押圧される面が、その背面側の基端部と第2の回転ブラシ35の軸中心とを通る直線に対して回転方向側に10〜60度の範囲(図8に示す例では約45度)で傾斜するように形状設定されている。
第2の清掃片36は、ベース材となる基端部36aと、この基端部36aから起毛された複数の繊維からなる繊維状部36bとを備えている。そして、この第2の清掃片36の基端部36aが、軸芯材37に形成された装着空間38内に挿入、案内されて組み付けられ、第2の清掃片36の繊維状部36bが軸芯材37の溝条部37bからその直径方向に突出している。このように、第2の清掃片36は、基端部36aが装着空間38内に挿入されることで、簡単に第2の回転ブラシ35の軸芯材37に組み付けられ、また、交換が必要な時には、この装着空間38内から抜き出されることで、簡単に軸芯材37から取り外される。
そして、このように構成された第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35とを有する掃除機用吸込具15では、電動機24(駆動源)による第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が第2の回転ブラシ35の保持条部37aに背面側から当接し、これを押圧することによって第1の回転ブラシ30の回転駆動力が、第2の回転ブラシ35に伝達されるので、確実に第2の回転ブラシ35を回転駆動させることができる。特に、第1の清掃片31が第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36を押圧する場合に比べて、保持条部37aが軸芯材37に形成された硬質なものであるだけに、確実に回転駆動力が伝達されることになる。
特に、第1の清掃片31によって押圧される保持条部37aの背面を回転方向側に傾斜させて形成しているため、第1の清掃片31がこの保持条部37aの背面に対して大きな接触面積をもって当接し、確実に回転駆動力を伝達し、第2の回転ブラシ35を回転駆動させることができる。特に、この傾斜角度が10〜60度の範囲にあれば、第1の清掃片31がこの保持条部37aの背面に当接する時点から、さらに第2の回転ブラシ35を回転駆動させる間を通じて、大きな接触面積をもって第2の回転ブラシ35を押圧することができるので、確実に回転駆動力を第2の回転ブラシ35に伝達する上で効果的である。
さらに、第1の回転ブラシ30の軸芯材32に形成された対をなすリブ条部32aのうち回転方向に対して背面側に位置するリブ条部32a(鍔条部32b)の上面から外方に突出する支持条部32dが設けられ、この支持条部32dが第1の清掃片31を背面側から支持しているので、第1の清掃片31が第2の回転ブラシ35の保持条部37aを背面側から押圧する際に、第1の清掃片31が後方側に撓むのを抑制することができ、確実に第1の回転ブラシ30の回転駆動力を第2の回転ブラシ35に伝達することができる。
特に、鍔条部32b上面から支持条部32d先端までの長さを、第1の清掃片31が鍔条部32b上面から突出する長さの0.1〜0.6倍の範囲に設定すれば、第1の清掃片31を、その清掃片32の剛性に見合った適所で支持して、後方側に撓むのをより効果的に抑制することができ、確実に回転駆動力を第2の回転ブラシ35に伝達する上で効果的である。
また、支持条部32dの第1の清掃片31に対向する面に凸部32eを連続的または断続的に形成しているので、第1の清掃片31を支持して後方側あるいは側方側に撓むのをより効果的に抑制することができ、確実に回転駆動力を第2の回転ブラシ35に伝達する上で効果的である。
さらに、本実施の形態1において、第1の回転ブラシ30の軸中心から第1の清掃片31の先端までの長さは、第2の回転ブラシ35の軸中心から第2の清掃片36の先端までの長さよりも長く設定されている。これにより、第1の清掃片31を、第2の回転ブラシ35の保持条部37aに確実に当接させ、第2の清掃片36を第1の回転ブラシ30の軸芯材32に接触させることなく、第1の回転ブラシ30の回転駆動力を、第2の回転ブラシ35に伝達することができる。しかも、第1の回転ブラシ30が被掃除面に対して強く、深く接触するため、第1の清掃片31が効果的に被掃除面上の塵埃を掻き上げるとともに、掃除機用吸込具15を前進する回転力を被掃除面に作用させて自走性を向上させることができる。
次に、本実施の形態1に使用される材料について説明する。
第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31は、従来より一般的に使用されている素材で形成されており、繊維状部31bは、帯電列においてプラスに帯電しやすいナイロンを使用している。
第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が回転中に当接する本体ケース17の前面の内側には、帯電列においてマイナスに帯電しやすいフッ素で形成した摩擦板40が貼り付けてあり、第1の清掃片31と摩擦板40が擦れ合うことにより、第1の清掃片31はプラスに、摩擦板40はマイナスにそれぞれ帯電するとともに、マイナスの電子が空中に放出される(公知の技術)。
第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36は、導電性を有するもので、繊維状部36bは、表面に金属材を結合させた導電性繊維を使用しており、繊維状部36bを保持する基端部36aは、同じく導電性を有するもので、表面を導電性のコーティング材で覆うことにより、第2の清掃片36の一端から他端まで導通状態になっており、その抵抗値は1kΩ〜10MΩである。
第2の回転ブラシ35の軸芯保持材27cと連結軸受材29は、導電性樹脂で成形されており、吸込具本体16の上ケース17aの右端側に配備され、同じく導電性樹脂で成形した接触部材41と電気的に接合される。
第2の清掃片36は、前述のようにV字の頂点と両端の位置がねじれて配してあり、3本配してあるが、軸芯保持材27cを介してすべて導通が保たれている。すなわち、軸芯保持材27cは、3本の第2の清掃片36の導通を維持する導電部材となっている。
ねじれた3本の第2の清掃片36は、いずれかが必ず被掃除面に接し、かつ複数個所が接する。そして接触箇所の間で被掃除面の電荷が瞬時に行き来できる。
接触部材41は、抵抗基板43とリード線44でつながっており、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36は、軸芯保持材27cと連結軸受材29、接触部材41を介して抵抗基板43と電気的導通を維持している。なおこの際の導通抵抗は、500Vを印加したときに100MΩ以下であればよく、必ずしも各部品同士が完全に接触している必要はない。
続いて図4、図11を用いて電気回路構成を説明する。
抵抗基板43には、高電圧用で抵抗値1.8MΩの固定抵抗45が2個直列に配備されており(計3.6MΩ)、一端は第2の回転ブラシ35側に、他端側は、電動機24や安全スイッチ23に電源を供給する電源基板46に接続されている。
以上のように、第2の回転ブラシ35の軸芯保持材27c、連結軸受材29、接触部材41、リード線44、抵抗基板43、電源基板46とで、第2の清掃片36から静電気を放電させるための電気通路を形成している。
抵抗基板43との導通を実現する第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36は、100V電源供給ラインと電気的につながっているが、間には、固定抵抗45の2個分の3.6MΩの抵抗を有しているので、第2の清掃片36に流れる漏洩電流は、0.03mA以下に抑えられ、電源供給ラインと絶縁されていることになる。
但し、絶縁を維持しながらも、小容量の電荷は第2の清掃片36と100V電源供給ライン間を行き来することができ、第2の清掃片36近傍の静電気を100V電源供給ラインに逃がすことができる。すなわち絶縁はされているが電気的にアースされていることになる。
被掃除面に生じる静電気の電位は、条件によっては25kV程度まで上がることがあるが、電気容量としては微少であるとともに、固定抵抗45によって電流が抑えられるため、静電気が電源基板46やそれにつながる掃除機本体の回路(図示せず)に流れても誤動作したり、回路が破損したりするような故障モードには至らない。
次に、以上のように構成された掃除機用吸込具15と電気掃除機(掃除機本体1)の動作、作用について、図1、図9、図10を用いて説明する。
図9は、本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの回転駆動状態の時間的変化を示す断面図(吸込具本体の左方側から見た状態で、図の下方向が底面側)であり、図10は、第1および第2の回転ブラシの斜視図(底面側から見た状態)と軸方向の各位置における回転駆動状態を示す断面図である。なお、図9においては、(a)〜(d)で、第1および第2の回転ブラシ30、35が30°ずつ回転したときの回転駆動状態を、時間経過を追って示している。
また、図10は、(a)が第1および第2の回転ブラシ30、35における右端位置での回転駆動状態を、(b)が、右端位置から左端側に長手方向寸法の1/ 6寄った位置での回転駆動状態を、(c)が、右端位置から左端側に長手方向寸法の1/3 寄った位置での回転駆動状態を、(d)が長手方向の中間位置での回転駆動状態を示している。
掃除機本体1から図示しない電源コードを引き出し、その先端についた電源プラグ(図示せず)を部屋のコンセントに差し込んで、把手14に設けた操作部14aを操作して、電動送風機2および掃除機用吸込具15に内蔵された電動機24に通電すると、掃除機用吸込具15の下ケース17bの底面に設けられた開口部18に電動送風機2による吸引力が作用し、木床や絨毯などの被掃除面上の塵埃が第1および第2の清掃片31、36の繊維状部31b、36bにより掻き上げられ、吸引されて、延長管13、吸引ホース10を通って集塵室4に運ばれ、そこで捕集される。
先にも記したように、本実施の形態1の第1および第2の回転ブラシ30、35において、第1および第2の清掃片31、36の略V字形状の頂点は、図6に示すように、それぞれの両端が配される円周上の位置より回転方向に対して約90°後退した長手方向の中間位置に設定されている。
そして、第1および第2の回転ブラシ30、35の長手方向のある部分では、ある時期(例えば、図9における(a)〜(c)の時間帯)において、第1の清掃片31が第2の回転ブラシ35の保持条部37aに当接し、この保持条部37aが、第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第1の清掃片31によって回転方向の背面側から押圧されることにより、第2の回転ブラシ35が回転駆動される。
そして、この第1の清掃片31が第2の回転ブラシ35の保持条部37aに当接する状態が終わり、ある時期(例えば、図9における(d)の時間帯)、第1の清掃片31と保持条部37aとは互いに離間しているが、やがて直に図9における(a)の状態に戻り、第1の清掃片31が保持条部37aに当接し始める。このように、長手方向のある部分を取ってみた場合、1回転する間のほぼ半分の時間帯において、第1の清掃片31が保持条部37aに当接する状態が維持されている。
しかも、このような第1の清掃片31が保持条部37aに当接する状態が、図10における第1および第2の回転ブラシ30、35の長手方向のいずれかの位置(例えば、図10における(d)〜(b)の位置)において維持されている。そして、このように第1の清掃片31が保持条部37aに当接した状態が、第1および第2の回転ブラシ30、35の回転に伴い、第1および第2の回転ブラシ30、35の外方(左右の端部側)から内方(中間位置側)に向けて変位していく。
このように構成された第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35とを有する掃除機用吸込具15では、電動機24(駆動源)による第1の回転ブラシ30の回転駆動に伴い、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が第2の回転ブラシ35の保持条部37aに背面側から連続的に当接し、これを押圧することによって第1の回転ブラシ30の回転駆動力が第2の回転ブラシ35に伝達される状態が維持されるので、確実に第2の回転ブラシ35を回転駆動させることができる。特に、第1の清掃片31が第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36を押圧する場合に比べて、保持条部37aが軸芯材37に形成された硬質なものであるだけに、確実に回転駆動力が伝達されることになる。
従って、連続的で確実な第1および第2の回転ブラシ30、35の回転により、被掃除面上の塵埃を第1の回転ブラシ30と第2の回転ブラシ35との間に弾き飛ばして、塵埃を外部に漏らすことなく確実に除塵することができ、このことによって掃除機用吸込具15の塵埃除去性能を大幅に向上させることができる。
しかも、第1および第2の回転ブラシ30、35の第1および第2の清掃片31、3 6が、それぞれ逆方向に開いた、長手方向の中央側に寄るに従って回転方向に対して後退角側に変位する略V字形状に形成されているため、被掃除面上の塵埃を、吸塵力のより強い中央側に掻き上げ、より確実に外部に漏らすことなく除去することができる。
また、電動機24で回転駆動される第1の回転ブラシ30を前方側に、第2の回転ブラシ35を後方側にそれぞれ配し、運転時に第1の回転ブラシ30を、吸込具本体16を前進させる方向に回転させ、第2の回転ブラシ35を第1の回転ブラシ30の回転方向と逆方向に回転させるようにしているので、掃除機用吸込具15を前方方向に移動させる力が効率よく、且つ強力に被掃除面に作用し、絨毯上であっても、掃除機用吸込具15を軽く操作できる。
次に、第1、第2の回転ブラシ30、35近傍の電位について説明する。
被掃除面の種類や湿度の影響により、被掃除面の帯電状況は異なるが、被掃除面がマイナスの電位を有し、被掃除面上にある塵埃がプラスに帯電している場合は、塵埃と被掃除面の間には電気的結合力が働き、離れにくくなっている。
第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が、本体ケース17の前面の内側に貼り付けたマイナスに帯電しやすいフッ素で形成した摩擦板40に当たることにより、プラスに帯電しやすいナイロンで形成した第1の清掃片31は、プラス電位に帯電し、摩擦板40はマイナスにする。
マイナスに帯電した摩擦板40からは、マイナスイオンが放出され、その一部は被掃除面のプラスに帯電している塵埃によっていく。
マイナスイオンが、プラスに帯電した塵埃を包み込んで、塵埃の電位をマイナスに変えることにより、被掃除面と塵埃との静電気による結合力は弱められるとともに、プラスに帯電した第1の清掃片31に引き寄せられ、塵埃をより効果的に掻き上げることができる。
同時に、プラスの電荷を有する塵埃が除去されるとともに、マイナスイオンを受けるため、塵埃を掻き上げたあとの被掃除面はマイナスの電位がより強くなる。
電気的結合力は、電位差によって生じるものであるので、塵埃がマイナスに変えられても、被掃除面がより強いマイナス電位になってしまうと、電位差による結合力が生まれて塵埃は被掃除面から離れにくくなってしまう。
第1の回転ブラシ30が、高速回転動作において連続的に被掃除面を掻き上げる際、1箇所に2〜3回第1の清掃片31が当たるが、当たる回数が増えるごとに、被掃除面と塵埃の結合力が強くなることにより、従来構成の掃除機用吸込具では、電気的結合力の影響を受けやすい極小の細塵が被掃除面に残る現象が見られた。
しかしながら、本実施の形態1に係る掃除機用吸込具15においては、第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36が導電性を有しており、かつ電気的にアースされているため、被掃除面の電荷を0V近くまで除電することができる。
したがって以下に記載の3つの効果を発揮することができる。
(1)被掃除面を除電し、被掃除面と塵埃間の電気的結合力を弱める。
(2)第1の回転ブラシ30による塵埃掻き上げ時に生じる被掃除面の電位上昇を抑える。
(3)第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36と回転時に第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が触れる際に、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31の帯電電位を0V近くまで中和させる。
(1)の除電機能については空中放電させるものと異なり、完全にアース接続させることにより、優れた除電能力を発揮するため、マイナスイオンを利用した第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31と同等以上に、塵埃と被掃除面との結合力を弱める役目をなす。ただし第2の清掃片36には電位が生じないため、塵埃を第2の清掃片36に引き寄せる力は、第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31ほど強くはない。
(2)は、マイナスイオンを利用した第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31が作り出す弊害を軽減するもので、第1の清掃片31が帯電した塵埃を掻き上げた際に生じる被掃除面の電位上昇を防止することにより、塵埃の結合力が強まるのを防ぎ、塵埃掻き上げ効果を持続させるものである。
(3)は、被掃除面を掻き上げたあとの帯電した第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31を、一旦0V近くまで中和させ、再び摩擦板40に第1の清掃片31が当たるときに電位的に中和した第1の清掃片31からマイナス電荷が摩擦板40に供給されるもので、再び第1の清掃片31は、プラスに帯電し、摩擦板40がマイナスに帯電する作用が繰り返され、マイナスイオンを放出し続けることができる。したがってマイナスイオン放出能力を維持するにおいて摩擦板40も小さくでき、それでいて長時間マイナスイオンを放出し続けることができる。
このように、本実施の形態1に係る掃除機用吸込具15においては、近接して回転する2本の回転ブラシを配し、第1の回転ブラシ30は、帯電した第1の清掃片31にマイナスイオンで帯電させた塵埃を引き寄せる電気的結合力を利用して優れた塵埃掻き上げ性能を発揮し、第2の回転ブラシ35はアースされた第2の清掃片36によって被掃除面の静電気を除去して塵埃掻き上げ性能を高めるとともに、第1の回転ブラシ30の帯電が及ぼす弊害を防止し、かつ第1の回転ブラシ30の帯電およびマイナスイオン放出を持続させるために電荷を供給する働きをなすため、第1の回転ブラシ30の塵埃掻き上げ性能を持続させる役目も発揮するので、その組み合わせによる効果は大なるものである。
1本の回転ブラシの中に、帯電ブラシと除電ブラシを交互に配する従来例もあるが、極めて近接して配した場合は、それぞれが電気的効能を打ち消してしまい、十分な効果を発揮できない。
以上のように、本実施の形態は、個々に帯電機能、除電機能を独立させて構成し、それぞれの機能がフルに発揮できる構成において、2本の回転ブラシの中間付近で帯電ブラシ(第1の回転ブラシ30の第1の清掃片31)と除電ブラシ(第2の回転ブラシ35の第2の清掃片36)とが接する設定になっているのでそれぞれが優れた性能を発揮した上で、上述の組み合わせ効果を発揮するもので、機械的な掻き上げ能力と合せ、その塵埃除去性能は、極めてすぐれたものとなる。
以上のように、本発明にかかる掃除機用吸込具及び電気掃除機は、第1および第2の回転ブラシが効率よく回転し、塵埃除去性能に優れたもので、家庭用、業務用、店舗用の各種電気掃除機に使用することができる。
本発明の実施の形態1における掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の全体斜視図 同掃除機用吸込具の外観斜視図 同掃除機用吸込具の底面側から見た斜視図 同掃除機用吸込具の下ケースを外し、底面側から見た平面図 同掃除機用吸込具の断面図 同掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの底面側から見た斜視図(吸込具本体から取り外した状態) (a)同掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの平面図、(b)同第1および第2の回転ブラシの部分断面図 同掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの拡大断面図 (a)〜(d)同掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの回転駆動状態の時間的変化を示す断面図 (a)〜(d)同掃除機用吸込具の第1および第2の回転ブラシの斜視図と軸方向の各位置における回転駆動状態を示す断面図 同掃除機用吸込具の電気回路の概念図 従来の掃除機用吸込具のある実施形態を示す断面図 従来の掃除機用吸込具の他の実施形態を示す断面図
符号の説明
1 掃除機本体
15 掃除機用吸込具
16 吸込具本体
17 本体ケース
18 開口部
18a 回転ブラシ収容空間
24 電動機(駆動源)
27c 軸芯保持材(導電部材、電気通路)
29 連結軸受材(電気通路)
30 第1の回転ブラシ
31 第1の清掃片
31a、36a 基端部(ベース材)
31b、36b 繊維状部
32、37 軸芯材
32a リブ条部
32b 鍔条部
32c 溝条部
32d 支持条部
35 第2の回転ブラシ
36 第2の清掃片
37a 保持条部
37b 溝条部
40 摩擦板
41 接触部材(電気通路)
43 抵抗基板(電気通路)
44 リード線(電気通路)
46 電源基板(電気通路)

Claims (5)

  1. 周面の長手方向に沿って複数条の第1の清掃片を有する第1の回転ブラシと、前記第1の回転ブラシを回転駆動する駆動源と、前記第1の回転ブラシと平行に近接して配され、周面の長手方向に沿って複数条の第2の清掃片を有すると共に前記第1の回転ブラシの回転力で回転駆動される第2の回転ブラシとを備え、前記第1の清掃片には、帯電しやすい材料を使用するとともに、前記第2の清掃片に導電性を有する材料を使用し、前記第2の清掃片から静電気を放電させる電気通路を有することを特徴とする掃除機用吸込具。
  2. 電気通路は、電流を制限する電流制限手段を介してアースを含む商用電源に放電するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の掃除機用吸込具。
  3. 第1の清掃片が当接する箇所に、前記第1の清掃片の帯電極と逆に帯電する素材にて形成した摩擦板を配するとともに、前記第1の清掃片が、前記摩擦板に当接する前段階で、第2の清掃片と触れる位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の掃除機用吸込具。
  4. 第2の清掃片は、導電性を有する複数の繊維からなる繊維状部と、同じく導電性を有するとともに前記繊維状部を固定したベース材から構成され、長手方向の全幅で前記繊維状部同士の導通が保たれるとともに、複数条の前記第2の清掃片が互いに、導電部材によって導通が維持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具。
  5. 電動送風機と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の掃除機用吸込具を備えた電気掃除機。
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