JP2009136023A - 固体撮像装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素加算を行うに当たって、電荷積分アンプの出すノイズを平均化することによってS/Nを改善する。
【解決手段】光電変換素子を含み、当該光電変換素子で得た電荷を電気信号に変換して出力する画素が行列状に2次元配置されてなる画素部11から各画素の信号を行単位で並列に読み出す構成のCMOSイメージセンサにおいて、この読み出した各画素の信号を、複数の電荷積分アンプ14−1,14−2を用いて複数チャンネルで出力し、この複数チャンネルの各信号をマルチプレクサ15で同時に取り込んで画素加算を行うようにする。
【選択図】図1
【解決手段】光電変換素子を含み、当該光電変換素子で得た電荷を電気信号に変換して出力する画素が行列状に2次元配置されてなる画素部11から各画素の信号を行単位で並列に読み出す構成のCMOSイメージセンサにおいて、この読み出した各画素の信号を、複数の電荷積分アンプ14−1,14−2を用いて複数チャンネルで出力し、この複数チャンネルの各信号をマルチプレクサ15で同時に取り込んで画素加算を行うようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体撮像装置およびその駆動方法に関し、特に画素部から各画素の信号を行単位で並列に読み出す固体撮像装置およびその駆動方法に関する。
近年、これまで主流であったCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサに代わる固体撮像装置として、CMOSイメージセンサが注目を集めている。これは、CCDイメージセンサにはその製造に専用プロセスを必要とし、またその動作に複数の電源電圧が必要であり、さらに複数の周辺ICを組み合わせて動作させる必要があるため、システムが非常に複雑化するといった種々の問題があり、これらの問題をCMOSイメージセンサが克服しているからである。
すなわち、CMOSイメージセンサは、その製造には世界中で生産されている一般的なCMOS型集積回路と同様の製造プロセスを用いることが可能であり、また単一電源での駆動が可能、さらにCMOSプロセスを用いたアナログ回路や論理回路を同一チップ内に混在させることができるため、周辺ICの数を減らすことができるといった、非常に大きなメリットを複数持ち合わせている。
CCDイメージセンサの出力回路がFD(Floating Diffusion)アンプを用いた1ch出力が主流なのに対して、CMOSイメージセンサは各画素毎にFDアンプを持ち合わせており、画素が行列状に2次元配置されてなる画素アレイの中のある一行を選択し、それらを同時に列方向へと読み出すような列並列出力型が主流である(例えば、特許文献1参照)。これは、画素内に配置されたFDアンプでは十分な駆動能力を得ることが難しいため、データレートを下げることが必要であり、それには並列処理が有利とされているからである。
この並列出力型CMOSイメージセンサの出力回路は、図9に示すように、列方向に並列に読み出した信号を、画素アレイ(センサセル)の下部もしくは上部に列の数だけ用意された容量アレイC11〜C1nに転送し、そこでサンプリングして保持する。その後、電荷積分型のアンプOPを用いて水平方向に順次転送する。ここからは1chのシリアル出力となるため、データレートは一気に上昇する。
CMOSイメージセンサの場合、CMOSアナログ回路技術を用いた電荷積分アンプOPを画素アレイと同一チップ内に集積可能であり、十分広帯域なアンプを設計することができれば、水平方向へ高いデータレートで転送していくことは可能である。ただし、近年のイメージセンサの多画素化に伴い、データレートは上昇の一途をたどり、この電荷積分アンプOPの設計が非常に難しくなってきている。
電荷積分アンプOPの広帯域化の妨げとなる要因として幾つか挙げられる。そもそもMOSトランジスタを用いた回路が広帯域化を苦手としていることもその要因の一つである。回路的な要因としては、電荷積分アンプOPはリセット動作が必要なため、動作シーケンスがリセットと読み出しの2相になってしまい、通常の2倍の周波数帯域を必要とすることが挙げられる。
さらに、容量アレイC11〜C1nから電荷積分アンプOPへと信号を伝送する水平信号線HLには、列の数だけスイッチ素子S11〜S1nが接続されているため、多くの寄生容量Cpがついており、これが電荷積分アンプOPの帯域を制限していることが挙げられる。近年のイメージセンサの多画素化に伴い、データレートだけでなく、この寄生容量Cpも増加の一途をたどっており、電荷積分アンプOPの設計はますます困難になる一方である。
そのため、電荷積分アンプOP自体を複数個持ち、複数チャンネルから出力することにより、1チャンネル当りのデータレートを落とすような方法が考えられる。ところが、複数チャンネルで出力すると、後段のADコンバータまで複数チャンネル必要になってくるため、ADコンバータの微分誤差、積分誤差のばらつきから、チャンネル間のマッチングが取りにくいという問題がある。
また、CMOSイメージセンサでは、画素間で信号を加算する画素加算を比較的容易に行うことができる。その画素加算の方法自体はさまざまである。図9を用いて従来の出力回路における画素加算の方法について説明する。
画素からの信号は、容量アレイC11〜C1nに出力され、サンプリングされて保持される。通常、電荷積分アンプOPで信号を読み出す場合には、読み出したい信号を保持している容量と水平信号線HLとをつなぐスイッチ素子S11〜S1nのどれか一つを選択して、当該容量と水平信号線HLをつないでやれば良い。画素の信号は容量に電荷として保持されているため、加算は比較的簡単である。すなわち、2つ画素の信号を加算する場合は2つのスイッチ素子(例えば、S11とS12)を同時にオンしてやれば、電荷積分アンプOPで読み出される際に自動的に加算される。3つ同時に読み出せば、3つの画素の信号が加算されることになる。
画素加算は信号量を増やすことができるためS/N的に有利に作用するが、この電荷積分アンプOPを用いた加算方法の場合には、電荷積分アンプOP自体が出すノイズを減らすことができないため、実際には、あまりS/Nの改善にはならないという問題がある。
ここで、画素加算と電荷積分アンプOPのノイズとの関係について、図10を用いて詳しく説明する。図10は、図9の出力回路を簡略化して示した回路図である。図10において、信号源VnInは、電荷積分アンプOP1の出すノイズを入力換算して表現したものである。
画素アレイP1と、画素アレイP1からの信号を列並列に読み出す画素信号読み出し回路R1とを有するCMOSイメージセンサにおいて、出力回路は、画素信号読み出し回路R1によって読み出される信号を保持する容量素子C1,C2と、基準電圧Vrefを非反転(+)入力とする電荷積分アンプOP1と、この電荷積分アンプOP1の反転(−)入力端子につながる水平信号線HL1と、容量素子C1,C2と水平信号線HL1とを選択的につなぐスイッチ素子S1,S2と、電荷積分アンプOPの帰還容量C0,C0′と、帰還容量C0に対して帰還容量C0′を選択的に並列接続するスイッチ素子S0と、帰還容量C0をリセットするリセットスイッチSrstとを有する構成となっている。なお、ここでは簡単のために、水平信号線HL1の寄生容量の影響を無視して考える。
次に、上記構成の出力回路の回路動作について説明する。先ず、スイッチ素子S0はオフ(開)しているものとする。この状態において、スイッチ素子S1だけをオン(閉)し、容量素子C1に保持された信号を読み出す場合、その信号にかかるゲインG1は容量素子C0,C1の容量比でのみ決定される。すなわち、ゲインG1は、
G1=−C1/C0
となる。
G1=−C1/C0
となる。
電荷積分アンプOPのノイズについては、図10では入力換算値VnInとして表現しているが、これが電荷積分アンプOPの出力端子Voutへと伝わるときのゲインは、電荷積分アンプOPの帰還量βに反比例するから、出力端子Voutの出力ノイズVnOUTは、
VnOUT=VnIn/β
となる。
VnOUT=VnIn/β
となる。
ここで、帰還量βは、
β=C0/(C0+C1)
である。よって、出力ノイズVnOUTは、
VnOUT=VnIn(C0+C1)/C0
となる。なお、入力換算値VnInは、電荷積分アンプOPが発生するランダムなノイズの標準偏差の値であり、それを換算した出力ノイズVnOUTもやはり標準偏差の値である。
β=C0/(C0+C1)
である。よって、出力ノイズVnOUTは、
VnOUT=VnIn(C0+C1)/C0
となる。なお、入力換算値VnInは、電荷積分アンプOPが発生するランダムなノイズの標準偏差の値であり、それを換算した出力ノイズVnOUTもやはり標準偏差の値である。
一方、スイッチ素子S1,S2を同時にオンして、容量素子C1,C2を同時に読み出すことによって水平方向で隣り合う2画素間で画素加算を行う場合は、信号にかかるゲインG2は、
G2=−(C1+C2)/C0
となり、容量素子C1,C2の容量値が同じ大きさであれば、2倍のゲインで読み出されることになる。ただし、このままでは読み出しのゲインが大きくなりすぎて、信号が電源電圧の範囲に収まらなくなる場合が出てくるので、スイッチ素子S0をオンして帰還容量C0′を帰還容量C0と並列につないでやり、読み出しゲインを一定に保つようにする場合がほとんどである。
G2=−(C1+C2)/C0
となり、容量素子C1,C2の容量値が同じ大きさであれば、2倍のゲインで読み出されることになる。ただし、このままでは読み出しのゲインが大きくなりすぎて、信号が電源電圧の範囲に収まらなくなる場合が出てくるので、スイッチ素子S0をオンして帰還容量C0′を帰還容量C0と並列につないでやり、読み出しゲインを一定に保つようにする場合がほとんどである。
この場合、信号の読み出しゲインG2′は、
G2′=−(C1+C2)/(C0+C0′)
となり、C1=C2およびC0=C0′であれば、
G2′=−C1/C0
となって、読み出しゲインG2′は加算しない場合と同じとなる。この場合の電荷積分アンプOPのノイズVnInは、やはりその帰還量βに反比例して出力端子Voutへと伝わるが、帰還量βは、
β=(C0+C0′)/(C0+C0′+C1+C2)
=C0/(C0+C1)
となって1画素読み出しのときと全く変わらない。したがって、電荷積分アンプOPから出力されるノイズは画素加算する/しないにかかわらず一定である。
G2′=−(C1+C2)/(C0+C0′)
となり、C1=C2およびC0=C0′であれば、
G2′=−C1/C0
となって、読み出しゲインG2′は加算しない場合と同じとなる。この場合の電荷積分アンプOPのノイズVnInは、やはりその帰還量βに反比例して出力端子Voutへと伝わるが、帰還量βは、
β=(C0+C0′)/(C0+C0′+C1+C2)
=C0/(C0+C1)
となって1画素読み出しのときと全く変わらない。したがって、電荷積分アンプOPから出力されるノイズは画素加算する/しないにかかわらず一定である。
このようなことが起こるのは、加算したときの信号ゲインを一定に保とうとするために行われるゲインの割戻しの行為が、電源電圧と扱える信号範囲の問題から、どうしても電荷積分アンプOPで読み出す前に(または、読み出しながら)行われているからである。したがって、電荷積分アンプOPで読み出した後に割り戻すことができれば、原理的に電荷積分アンプOP自体のノイズも減らすことができるはずである。
さて、上述したように、従来例に係るCMOSイメージセンサでは、画素加算を行っても電荷積分アンプOPのノイズについては減らすことができないが、画素自体が発するノイズ(FDアンプの熱雑音や、KT/Cノイズ、その他固定パターンノイズ)については画素加算によって減らすことができている。ここで、画素自体のノイズと、電荷積分アンプOPのノイズで、どちらが支配的であるかを考える。近年のイメージセンサの多画素化に伴うデータレートの上昇と、携帯情報端末への搭載に伴う低消費電力化の要求から、電荷積分アンプOPのノイズは上昇の一途をたどっている。一方、画素開発が進むに連れて画素のノイズは劇的に改善されてきている。したがって、もはや電荷積分アンプOPのノイズが支配的な状況である。
そこで、本発明は、画素加算を行うに当たって、電荷積分アンプの出すノイズを平均化することによってS/Nを改善可能な固体撮像装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、光電変換素子を含む画素が行列状に2次元配置され、各光電変換素子で光電変換された信号電荷を電気信号に変換して並列に出力する画素部から各画素の信号を行単位で並列に読み出す構成の固体撮像装置において、この読み出した各画素の信号を、電荷積分アンプを用いて複数チャンネルで出力し、この複数チャンネルの各信号をマルチプレクサで同時に取り込んで加算する構成を採っている。
複数チャンネルの信号をマルチプレクサに同時に取り込み、当該マルチプレクサで画素加算を行うことで、画素信号がもともと持つノイズだけでなく、電荷積分アンプを含み、各画素の信号を複数チャンネルで出力する出力手段で発生するノイズ自体も平均化できるためS/Nを改善できる。
本発明によれば、光電変換素子を含む画素が行列状に2次元配置され、各光電変換素子で光電変換された信号電荷を電気信号に変換して並列に出力する画素部から各画素の信号を行単位で並列に読み出す構成の固体撮像装置において、この読み出した各画素の信号を、複数の電荷積分アンプを用いて複数チャンネルで出力し、この複数チャンネルの各信号をマルチプレクサで同時に取り込んで画素加算を行うことにより、画素信号がもともと持つノイズだけでなく、各画素の信号を複数チャンネルで出力する系で発生するノイズ自体も平均化できるためS/Nを改善できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。ここでは、CMOSイメージセンサの場合を例に挙げて説明するものとする。図1において、画素部11は、カラーフィルタ(図示せず)を通して入射する光を電気信号に変換する光電変換素子やFDアンプを含む画素が行列状に2次元配置され、これら画素の配列に対して行ごとに行選択線が、列ごとに垂直信号線がそれぞれ配線され、1行分の画素の信号が同時に読み出される構成となっている。
図1は、本発明の第1実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図である。ここでは、CMOSイメージセンサの場合を例に挙げて説明するものとする。図1において、画素部11は、カラーフィルタ(図示せず)を通して入射する光を電気信号に変換する光電変換素子やFDアンプを含む画素が行列状に2次元配置され、これら画素の配列に対して行ごとに行選択線が、列ごとに垂直信号線がそれぞれ配線され、1行分の画素の信号が同時に読み出される構成となっている。
垂直駆動回路12は、画素部11の各画素を行単位で選択し、選択した行の画素に蓄積された信号の転送、読み出し、リセットを行単位で操作する。画素信号読み出し回路13は、垂直駆動回路12による垂直走査によって選択された行の各画素の信号を列並列に読み出す。ここで、画素部11における水平方向の画素数をnとする。容量素子C1〜Cn(以下、「容量アレイC1〜Cn」と記す場合もある)は、画素信号読み出し回路13の信号出力線L1〜Lnの各々とグランドとの間に接続され、画素信号読み出し回路13によって列並列に読み出された信号を保持する。
スイッチ素子S1〜Snは、画素信号読み出し回路13の信号出力線L1〜Lnの各終端と複数(本例では、2本)の水平信号線HSL1,HSL2との間に交互に接続されている。具体的には、スイッチ素子S1,S3,S5,…は奇数列の信号出力線L1,L3,L5,…と水平信号線HSL1との間に接続され、スイッチ素子S2,S4,S6,…は偶数列の信号出力線L2,L4,L6,…と水平信号線HSL2との間に接続されている。
なお、ここでは、水平信号線が2本の場合を例に挙げて示していることで、スイッチ素子S1〜Snは、2本の水平信号線HSL1,HSL2に対して水平方向において2個周期で交互に接続されることになるが、水平信号線HSLが3本の場合には3個周期に、4本の場合には4個周期に、…という具合に、規則正しく順番に接続されることになる。
水平信号線HSL1,HSL2の各出力端は、オペアンプOP1,OP2の各反転(−)端子に接続されている。オペアンプOP1は、基準電圧Vrefを非反転(+)入力とし、反転入力端子と出力端子との間に並列に接続された帰還容量C01およびスイッチ素子Srst1と共に電荷積分アンプ14−1を構成している。オペアンプOP2も同様に、基準電圧Vrefを非反転入力とし、反転入力端子と出力端子との間に並列に接続された帰還容量C02およびスイッチ素子Srst2と共に電荷積分アンプ14−2を構成している。
電荷積分アンプ14−1,14−2は、容量アレイC1〜Cnの各々からスイッチ素子S1〜Snを通して読み出される各信号を、容量アレイC1〜Cnの各容量と帰還容量C01,C02の各容量との容量比で決まるゲインで増幅して出力する。これら電荷積分アンプ14−1,14−2において、スイッチ素子Srst1,Srst2は、帰還容量C01,C02の各電荷をリセットする。電荷積分アンプ14−1,14−2の各出力は、マルチプレクサ(MPX)15の2入力となる。
ここで、容量アレイC1〜Cn、スイッチ素子S1〜Sn、水平信号線HSL1,HSL2および電荷積分アンプ14−1,14−2は、画素部11から行単位で並列に読み出される各画素の信号を、複数チャンネル(本例では、2チャンネル)で出力する出力手段を構成している。なお、出力するチャンネル数が2チャンネルに限られるものではないことは勿論である。
マルチプレクサ15は、電荷積分アンプ14−1,14−2の各出力を受け取り、それらを順次交互に取り込んで出力することにより、2チャンネルで入力される信号を1チャンネルにまとめる。ADコンバータ(アナログ-デジタル変換器)16は、マルチプレクサ15から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像データに変換する。
次に、上記構成の第1実施形態に係る固体撮像装置における電荷積分アンプ14−1,14−2の各動作について、図2のタイミングチャートを用いて説明する。なお、以降の動作説明は水平読み出し期間(水平出力期間)に関するものである。
先ず、水平信号線HSL1につながれた奇数列のスイッチ素子S1,S3,S5,…がすべてオフした状態において、リセットパルスφSrst1によって電荷積分アンプ14−1のスイッチ素子Srst1をオンすることで、帰還容量C01の電荷をリセットする(リセット動作)。次いで、水平走査パルスφS1によってスイッチ素子S1をオンすることにより、容量素子C1に保持されている信号を、水平信号線HSL1を通して電荷積分アンプ14−1に読み出す。
この容量素子C1の読み出しが終わる前、ちょうど読み出し期間の半分にさしかかった時点で、今度はリセットパルスφSrst2によって電荷積分アンプ14−2のスイッチ素子Srst2をオンすることで、帰還容量C02の電荷をリセットし、さらに次のタイミングで、水平走査パルスφS2によってスイッチ素子S2をオンすることで、容量素子C2に保持されている信号を、水平信号線HSL2を通して電荷積分アンプ14−2に読み出す。この時点ではまだ容量素子C1の読み出しは終了していないが、電荷積分アンプ14−2がちょうど読み出し期間の半分程度にさしかかった頃、電荷積分アンプ14−1は先に容量素子C1の読み出しを終了する。
電荷積分アンプ14−1において再びリセット動作を行った後、水平走査パルスφS3によってスイッチ素子S3をオンして容量素子C3に保持されている信号の読み出しを開始する。この時点で容量素子C2の読み出しはまだ終了していないが、容量素子C3の読み出しがちょうど半分程度終了した頃容量素子C2の読み出しが終了し、再びリセット動作に入った後、今度は容量素子C4の読み出しに移行する。以降、同様の動作を順次繰り返す。
このように、2つの電荷積分アンプ14−1,14−2は、互いに半分ずつずれたタイミングで動作を行い、それぞれ水平信号線HSL1,HSL2を介して自分につながれた容量アレイC1〜Cnに蓄えられた信号を読み出していく。そして、電荷積分アンプ14−1,14−2の各出力QVOUT1,QVOUT2はマルチプレクサ15に供給される。マルチプレクサ15は、半分ずつずれた電荷積分アンプ14−1,14−2の各出力QVOUT1,QVOUT2の1画素期間のそれぞれ後ろ半分を組み合わせることで、電荷積分アンプ14−1,14−2の動作周期の2倍のスピードの1系統の信号を作り出し、ADコンバータ16へ入力することが可能となる。
図3に、2入力マルチプレクサ15の構成の一例を示す。本例に係るマルチプレクサ15は、電荷積分アンプ14−1,14−2の各出力QVOUT1,QVOUT2をサンプリングするスイッチ素子SH1,SH2および容量素子Csh1,Csh2と、サンプリングした信号をプリアンプOP3へと転送するためのスイッチ素子TR1,TR2と、プリアンプOP3の入力に存在する寄生容量Cpmを適当な電圧Vmへとリセットするためのスイッチ素子Srstmとを有する構成となっている。
上記構成のマルチプレクサ15の動作について、図4のタイミングチャートを用いて説明する。
電荷積分アンプ14−1,14−2の各出力QVOUT1,QVOUT2は、それぞれ1/2周期ずつずれたサンプリングパルスφSH1,φSH2によってスイッチ素子SH1,SH2が順次オンすることでサンプリングされ、容量素子Csh1,Csh2に保持される。容量素子Csh1,Csh2に保持された信号は、それぞれやはり1/2周期ずつずれた転送パルスφTR1,φTR2によってスイッチ素子TR1,TR2が順次オンすることで順次プリアンプOP3へと転送されていく。
ただし、プリアンプOP3の入力には通常寄生容量Cpmが存在しており、そのままでは1つ前のデータと混色を起こすため、通常、リセットパルスφSrstmによってスイッチ素子Srstmをオンさせることにより、寄生容量Cpmに残った信号をリセットする動作が必要である。スイッチ素子Srstmをオンするタイミングは、転送パルスφTR1がオフしてから転送パルスφTR2がオンするまでの期間内、および転送パルスφTR2がオフしてから転送パルスφTR1がオンするまでの期間内である。
プリアンプOP3は、転送されてきた信号を順次ADコンバータ16へと出力する。プリアンプOP3の出力信号MPXOUTは、図4に示すような信号波形になり、データレートは電荷積分アンプ14−1,14−2の動作周期の2倍になる。ただし、プリアンプOP3の出力信号MPXOUTには、リセットパルスφSrstmによるリセットノイズが含まれることになる。
上述したように、複数(本例では、2つ)の電荷積分アンプ14−1,14−2を用いて複数チャンネルで信号を読み出す(多チャンネル出力)とともに、複数チャンネルの信号をマルチプレクサ15で順次取り込んでマルチプレクスし、1チャンネルの信号にして出力することにより、ADコンバータ16を1個設けるだけで済むため、ADコンバータの微分誤差、積分誤差のばらつきに伴うチャンネル間のマッチングを考慮しなくても、1チャンネル当たりのデータレートを低減することができる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。本実施形態に係る固体撮像装置においても、CMOSイメージセンサの場合を例に挙げて説明するものとする。
図5は、本発明の第2実施形態に係る固体撮像装置の構成例を示すブロック図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。本実施形態に係る固体撮像装置においても、CMOSイメージセンサの場合を例に挙げて説明するものとする。
図5において、画素部11、垂直駆動回路12(図5中では省略)、画素信号読み出し回路13、容量アレイC1〜Cnおよびスイッチ素子S1〜Snの構成は、第1実施形態に係る固体撮像装置の構成と同じである。なお、画素部11には、例えば図5に示すように、行方向(水平方向)にG,R,G,R,G,R,…、もしくはB,G,B,G,B,G,…という水平方向2画素繰り返し、垂直方向(列方向)2画素繰り返しのコーディングを持つ原色ベイヤー配列のカラーフィルタが配されている。ただし、このカラーコーディングに限定されるものではない。
第1実施形態に係る固体撮像装置では水平信号線HSLが2本(HSL1,HSL2)設けられていたのに対して、本実施形態に係る固体撮像装置では水平信号線HSLが例えば4本(HSL1〜HSL4)設けられている。そして、スイッチ素子S1〜Snは、4本の水平信号線HSL1〜HSL4に対して4個周期に接続されている。具体的には、スイッチ素子S1,S5,…が水平信号線HSL1に、スイッチ素子S2,S6,…が水平信号線HSL3に、スイッチ素子S3,S7,…が水平信号線HSL2に、スイッチ素子S4,S8,…が水平信号線HSL4にそれぞれ接続されている。
水平信号線HSL1〜HSL4の各出力端は、オペアンプOP1〜OP4の各反転端子に接続されている。オペアンプOP1は、基準電圧Vrefを非反転入力とし、反転入力端子と出力端子との間に並列に接続された帰還容量C01およびスイッチ素子Srst1と共に電荷積分アンプ14−1を構成している。オペアンプOP2も同様に、基準電圧Vrefを非反転入力とし、反転入力端子と出力端子との間に並列に接続された帰還容量C02およびスイッチ素子Srst2と共に電荷積分アンプ14−2を構成している。
オペアンプOP3も同様に、基準電圧Vrefを非反転入力とし、反転入力端子と出力端子との間に並列に接続された帰還容量C03およびスイッチ素子Srst3と共に電荷積分アンプ14−3を構成している。オペアンプOP4も同様に、基準電圧Vrefを非反転入力とし、反転入力端子と出力端子との間に並列に接続された帰還容量C04およびスイッチ素子Srst4と共に電荷積分アンプ14−4を構成している。
電荷積分アンプ14−1〜14−4は、容量アレイC1〜Cnの各々からスイッチ素子S1〜Snを通して読み出される各信号を、容量アレイC1〜Cnの各容量と帰還容量C01〜C04の各容量との容量比で決まるゲインで増幅して出力する。これら電荷積分アンプ14−1〜14−4において、スイッチ素子Srst1〜Srst4は、帰還容量C01〜C04の各電荷をリセットする。電荷積分アンプ14−1,14−2の各出力はマルチプレクサ15−1の2入力となり、電荷積分アンプ14−3,14−4の各出力はマルチプレクサ15−4の2入力となる。
ここで、奇数列の容量素子C1,C3,C5,C7,…、奇数列のスイッチ素子S1,S3,S5,S7,…、水平信号線HSL1,HSL2および電荷積分アンプ14−1,14−2は、画素部11から行単位で並列に読み出される同じ色の画素の信号を、複数チャンネル(本例では、2チャンネル)にて各チャンネルごとに出力する第1の出力手段を構成している。偶数列の容量素子C2,C4,C6,C8,…、偶数列のスイッチ素子S2,S4,S6,S8,…、水平信号線HSL3,HSL5および電荷積分アンプ14−3,14−4は、画素部11から行単位で並列に読み出される同じ色(第1の出力手段とは異なる色)の画素の信号を複数チャンネルにて各チャンネルごとに出力する第2の出力手段を構成している。なお、出力するチャンネル数が2チャンネルに限られるものではないことは勿論である。
マルチプレクサ15−1は、上記第1の出力手段に対応して設けられ、電荷積分アンプ14−1,14−2の各出力を受け取り、それらを順次交互に取り込んで出力することにより、2チャンネルで読み出された信号を1チャンネルにまとめる。マルチプレクサ15−2は、上記第2の出力手段に対応して設けられ、電荷積分アンプ14−3,14−4の各出力を受け取り、それらを順次交互に取り込んで出力することにより、2チャンネルで読み出された信号を1チャンネルにまとめる。図5から明らかなように、マルチプレクサ15−1,15−2としては、図3と同じ構成のものが用いられている。ADコンバータ16−1,16−2は、マルチプレクサ15−1,15−2から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像データに変換する。
次に、上記構成の第2実施形態に係る固体撮像装置における電荷積分アンプ14−1〜14−4の各動作について、図6のタイミングチャートを用いて説明する。なお、以降の動作説明は水平読み出し期間(水平出力期間)に関するものである。
先ず、水平信号線HSL1につながれたスイッチ素子S1,S5,…がすべてオフした状態において、リセットパルスφSrst1によって電荷積分アンプ14−1のスイッチ素子Srst1をオンすることで、帰還容量C01の電荷をリセットする。次いで、水平走査パルスφS1によってスイッチ素子S1をオンすることで、容量素子C1に保持されている信号を、水平信号線HSL1を通して電荷積分アンプ14−1に読み出す。
この容量素子C1の読み出しが終わる前、ちょうど読み出し期間の1/4にさしかかった時点で、今度はリセットパルスφSrst3によって電荷積分アンプ14−3のスイッチ素子Srst3をオンすることで、帰還容量C03の電荷をリセットし、さらに次のタイミングで、水平走査パルスφS2によってスイッチ素子S2をオンすることで、容量素子C2に保持されている信号を、水平信号線HSL3を通して電荷積分アンプ14−3に読み出す。
この容量素子C2の読み出しが終わる前、ちょうど読み出し期間の1/4にさしかかった時点で、今度はリセットパルスφSrst2によって電荷積分アンプ14−2のスイッチ素子Srst2をオンすることで、帰還容量C02の電荷をリセットし、さらに次のタイミングで、水平走査パルスφS3によってスイッチ素子S3をオンすることで、容量素子C3に保持されている信号を、水平信号線HSL2を通して電荷積分アンプ14−2に読み出す。
この容量素子C3の読み出しが終わる前、ちょうど読み出し期間の1/4にさしかかった時点で、今度はリセットパルスφSrst4によって電荷積分アンプ14−4のスイッチ素子Srst4をオンすることで、帰還容量C04の電荷をリセットし、さらに次のタイミングで、水平走査パルスφS4によってスイッチ素子S4をオンすることで、容量素子C4に保持されている信号を、水平信号線HSL4を通して電荷積分アンプ14−4に読み出す。
この容量素子C4の読み出し期間がちょうど1/4程度にさしかかった頃、ようやく容量素子C1の読み出しが終了し、再び帰還容量C01の電荷をリセットした後、今度は容量素子C5の信号を読み出す動作に移行する。このように、電荷積分アンプ14−1,14−2,14−3,14−4は、1/4周期ずつずれたタイミングで動作し、信号を順次読み出してくる。
ここで、電荷積分アンプ14−1,14−2について見てみると、これらの出力QVOUT1,QVOUT2は、それぞれ1/2周期ずつずれていることがわかる。この信号はそのままマルチプレクサ15−1へと入力され、それぞれ1/2周期ずつずれたサンプリングパルスφSH1,φSH2によってスイッチ素子SH1,SH2がオンすることでサンプリングされ、容量素子Csh1,Csh2に保持される。
容量素子Csh1,Csh2に保持された信号は、それぞれやはり1/2周期ずつずれた転送パルスφTR1,φTR2によってスイッチ素子TR1,TR2がオンすることで順次プリアンプOP5へと転送されていく。プリアンプOP5は、転送されてきた信号を順次ADコンバータ16−1へと出力する。電荷積分アンプ14−3,14−4の出力QVOUT3,QVOUT4についても同様にマルチプレックスされ、プリアンプOP6へと転送される。プリアンプOP5,OP6の各出力信号MPXOUT1,MPXOUT2は、図6に示すような信号波形になる。
上述した一連の動作により、画素部11のある行(例えば、図5のPL1行)の画素の信号を読み出すときには、水平信号線HSL1,HSL2にはG(Green)の画素の信号だけが読み出され、水平信号線HSL3,HSL4にはB(Blue)の画素の信号だけが読み出されてくることになる。また、PL1行の次の行を読み出すときには、水平信号線HSL1,HSL2にはR(Red)の画素の信号だけが、水平信号線HSL3,HSL4にはGの画素の信号だけが読み出されてくることになる。
このように、画素部11から行単位で並列に読み出される各画素の信号を複数チャンネル(本例では、2チャンネル)で出力する出力手段を複数(本例では、2つ)設けるとともに、これら出力手段の各々に対応してマルチプレクサを複数設け、複数の出力手段では各々同じ色の画素の信号を各チャンネルごとに出力することにより、ある行を読み出しているときに、同一の水平信号線には同一の色の画素のみが読み出されて来ることになる。
そして、電荷積分アンプ14−1〜14−4で読み出した後のマルチプレックスを、電荷積分アンプ14−1と電荷積分アンプ14−2、電荷積分アンプ14−3と電荷積分アンプ14−4というように同じ色同士で限定して行うことにより、マルチプレクサ15−1,15−2に寄生容量Cpm5,Cpm6が存在したとしても混色の心配がないため、マルチプレックスの動作からリセット期間を省くことが可能となり、さらなる高速化を図ることができる。また、マルチプレックス後のプリアンプOP5,OP6の出力波形からリセットノイズを除去することができるため、ADコンバータ16−1,16−2の取り込みタイミングに余裕が生まれ、スピードマージンを増加できる。
さらに、複数チャンネルのマルチプレックスを行う場合、電荷積分アンプ14−1〜14−4の動作スピードに比してプリアンプOP5,OP6の動作スピードが非常に高くなってしまう懸念があるが、同じ色同士のマルチプレックスであることによって混色の心配がないため、プリアンプOP5,OP6の動作スピードは、固体撮像装置に入射光を導くレンズの分解能と画素ピッチで決まる光学周波数より速ければ良いことになる。また、当該光学周波数は通常それほど高くないため、プリアンプOP5,OP6の動作スピードを抑えることが可能となる。このように、色別に読み出し-マルチプレックスを行うことにより、さらなる高速化が可能となってくる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る固体撮像装置では、図1に示した第1実施形態に係る固体撮像装置の構成を前提とし、当該構成において、複数チャンネル(ここでは、2チャンネル)の信号を電荷積分アンプ14−1,14−2から同時にマルチプレクサ15に転送することによって画素加算を行うことを特徴としている。なお、本実施形態においても、マルチプレクサ15として、例えば図3に示した構成のものを用いるものとする。
第3実施形態に係る固体撮像装置では、図1に示した第1実施形態に係る固体撮像装置の構成を前提とし、当該構成において、複数チャンネル(ここでは、2チャンネル)の信号を電荷積分アンプ14−1,14−2から同時にマルチプレクサ15に転送することによって画素加算を行うことを特徴としている。なお、本実施形態においても、マルチプレクサ15として、例えば図3に示した構成のものを用いるものとする。
以下に、第3実施形態に係る固体撮像装置の具体的な動作について、図7のタイミングチャートを用いて説明する。なお、以降の動作説明は水平読み出し期間(水平出力期間)に関するものである。
先ず、水平信号線HSL1,HSL2につながれたスイッチ素子S1〜Snがすべてオフした状態において、リセットパルスφSrst1,φSrst2によって電荷積分アンプ14−1,14−2のスイッチ素子Srst1,Srst2をオンすることで、帰還容量C01,C02の電荷をリセットする。次に、水平走査パルスφS1,φS2によってスイッチ素子S1,S2をオンすることで、容量素子C1,C2に保持されている信号を、水平信号線HSL1,HSL2を通して電荷積分アンプ14−1,14−2に同時に読み出す。
この読み出した信号は、図3に示したマルチプレクサ15に入力される。そして、同相のサンプリングパルスφSH1,φSH2によってスイッチ素子SH1,SH2が同時にオンすることでサンプリングされ、容量素子Csh1,Csh2に保持される。次に、リセットパルスφSrstmによってスイッチ素子Srstmをオンさせることで、寄生容量Cpmを適当な電圧Vmへとリセットした後、同相の転送パルスφTR1,φTR2によってスイッチ素子TR1,TR2が同時にオンすることで、容量素子Csh1,Csh2に保持されている信号をプリアンプOP3へと転送する。
このとき、容量素子Csh1,Csh2に保持された信号電圧をV1,V2とすると、プリアンプOP3に入力される電圧V3は、
V3=V1{Csh1/(Csh1+Csh2+Cpm)}
+V2{Csh2/(Csh1+Csh2+Cpm)}
+Vm{Cpm/(Csh1+Csh2+Cpm)}
となる。
V3=V1{Csh1/(Csh1+Csh2+Cpm)}
+V2{Csh2/(Csh1+Csh2+Cpm)}
+Vm{Cpm/(Csh1+Csh2+Cpm)}
となる。
仮に、Csh1=Csh2とし、またCpm≪Csh1とすると、
V3=(V1+V2)/2
となり、信号電圧V1,V2の平均の電圧となる。これはつまり、容量素子C1と容量素子C2に保持されていた信号が加算されたことを意味している。
V3=(V1+V2)/2
となり、信号電圧V1,V2の平均の電圧となる。これはつまり、容量素子C1と容量素子C2に保持されていた信号が加算されたことを意味している。
従来技術の説明で述べたように、電荷積分アンプに読み出すときに2つの容量素子を同時に水平信号線に接続するような加算方法の場合には読み出しのゲインが2倍になってしまい、信号レンジが電源電圧の範囲に入らなくなってしまうため、フィードバック容量を大きくして読み出しゲインが変わらないようにする必要があった。これに対して、本実施形態に係る固体撮像装置よれば、寄生容量Cpmの影響が十分小さければ、特に何もしなくても読み出しゲインを一定に保つことができるという利点がある。
ここで、ノイズについて考えてみる。図1の電荷積分アンプ14−1,14−2の入力換算ノイズをそれぞれVn1,Vn2とする。簡単のために、水平信号線HSL1,HSL2の寄生容量およびマルチプレクサ15の寄生容量Cpmの影響は無視することにする。
電荷積分アンプ14−1,14−2の出力ノイズVn1OUT,Vn2OUTは、従来例でも説明したように、帰還量βに反比例するから、
Vn1OUT=Vn1(C01+C1)/C01
Vn2OUT=Vn2(C02+C2)/C02
となる。これが信号と一緒になって容量素子Csh1,Csh2にサンプリング保持されるから、容量素子Csh1,Csh2に保持される信号値は、
Csh1:V1+Vn1OUT
Csh2:V2+Vn2OUT
という具合に、信号とノイズが重複した形となる。ただし、ここで扱っている入力換算ノイズVn1,Vn2は標準偏差の値であり、その換算値である出力ノイズVn1OUT,Vn2OUTもやはり標準偏差の値である。
Vn1OUT=Vn1(C01+C1)/C01
Vn2OUT=Vn2(C02+C2)/C02
となる。これが信号と一緒になって容量素子Csh1,Csh2にサンプリング保持されるから、容量素子Csh1,Csh2に保持される信号値は、
Csh1:V1+Vn1OUT
Csh2:V2+Vn2OUT
という具合に、信号とノイズが重複した形となる。ただし、ここで扱っている入力換算ノイズVn1,Vn2は標準偏差の値であり、その換算値である出力ノイズVn1OUT,Vn2OUTもやはり標準偏差の値である。
この後、同相の転送パルスφTR1,φTR2によってスイッチ素子TR1,TR2を同時にオンしてマルチプレックスしたときにプリアンプOP3に伝わる信号値V3はCsh1=Csh2とすると、
V3=(V1+V2)/2
+√(Vn1OUT2 +Vn2OUT2 )/2
となる。
V3=(V1+V2)/2
+√(Vn1OUT2 +Vn2OUT2 )/2
となる。
ノイズも信号も2つの平均値となるが、ノイズは標準偏差でその大きさを表しているため、平均値は加算平均ではなく二乗平均にて計算される。さらに、簡単のために、V1=V2、Vn1OUT=Vn2OUTとすると、信号値V3は、
V3=V1+(Vn1OUT/√2)
となる。加算する前に容量素子Csh1にサンプリングされたときの値と比べると、ノイズが1/√2になった分だけS/Nが改善されていることがわかる。
V3=V1+(Vn1OUT/√2)
となる。加算する前に容量素子Csh1にサンプリングされたときの値と比べると、ノイズが1/√2になった分だけS/Nが改善されていることがわかる。
このように、マルチプレックスを行う際に画素加算を行うと、電荷積分アンプのノイズを低減できるという利点がある。これは、従来例のように、電荷積分アンプで読み出す際に加算する場合と違って、電荷積分アンプで読み出してから加算することになるため、電荷積分アンプの出すノイズも一緒に加算、平均化されるからである。
なお、本実施形態では、容量素子C1と容量素子C2のように、隣り合った容量素子に保持された信号を加算する場合を例に挙げて説明したが、容量アレイC1〜Cnと水平信号線HSL1,HSL2とをつなぐスイッチ素子S1〜Snの配置を工夫することで、もしくはスイッチ素子S1〜Snを駆動する水平走査パルスφS1〜φSnの駆動タイミングを工夫することで、隣り合わない容量素子に保持された信号同士を加算することも可能である。例えば、1画素飛びの信号を加算して、同じ色のカラーフィルタを通過してきた信号同士の加算にすることも可能である。
また、本実施形態では、2つの電荷積分アンプ14−1,14−2を用いて2画素加算を行う場合を例に挙げて説明したが、2画素加算に限られるものではなく、複数、例えば4つの電荷積分アンプを用いて4画素加算を行うことも可能であるし、4つの電荷積分アンプを用いて2画素ずつ加算しながら2倍のデータレートで読み出すような駆動も可能である。
以上説明した本発明の3つの実施形態に係る固体撮像装置ではすべて、画素部11から行単位で並列に読み出される各画素の信号を、複数の電荷積分アンプを用いて複数チャンネルで出力する構成としたが、電荷積分アンプの代わりに普通のボルテージフォロワを用いて複数チャンネルで出力する構成や、非反転アンプを用いて複数チャンネルで出力する構成を採ることも可能である。
また、マルチプレクサ15,15−1,15−2としては、図3に示した構成のものの他に、図8に示すような構成のものを用いることも可能である。かかる構成のマルチプレクサ25は、サンプリング容量Csh1,Csh2をそのままプリアンプOP3のフィードバック容量に用いるもので、寄生容量Cpmの影響を一切受けることがないという利点を持っている。
図8に示す構成のマルチプレクサ25は、図3に示した構成のマルチプレクサ15と同様に用いることができる。また、その駆動には、図4のタイミングチャートにおいて、リセットパルスφSrstmを除く各タイミングパルスが用いられることになる。
なお、図8において、スイッチ素子SH1,SH2はそれぞれ図4のサンプリングパルスφSH1,φSH2のタイミングで動作し、スイッチ素子TR1,TR2はそれぞれ転送パルスφTR1,φTR2のタイミングで動作する。また、スイッチ素子TR1r,TR2rはそれぞれスイッチ素子TR1,TR2と同じタイミングで動作し、スイッチ素子xTR1r,xTR2rはそれぞれスイッチ素子TR1r,TR2rの反転動作を行う。
また、Vref1,Vref2,Vref3はそれぞれ適当に設定された基準電圧であり、3つとも同じ電圧であっても良いし、違った電圧であっても構わない。図8に示す構成のマルチプレクサは、リセット動作が不要であるため高速であり、また混色の心配もない。しかも、第3実施形態に係る固体撮像装置において、マルチプレクサ15−1,15−2として用いた場合であっても、画素加算の動作を同様に行うことができ、また、画素加算時に電荷積分アンプのノイズを平均化できる効果についても同様である。
なお、上記各実施形態では、CMOSイメージセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はCMOSイメージセンサへの適用に限られるものではなく、MOSイメージセンサに代表されるX−Yアドレス型固体撮像装置全般、さらには画素で光電変換された信号電荷を垂直画素列ごとに配された垂直転送部で転送し、各垂直列毎に垂直転送部の後段に設けられた電荷検出部で電気信号に変換し、水平走査によって出力するいわゆる水平スキャン方式の固体撮像装置にも適用可能である。
11…画素部、12…垂直駆動回路、13…画素信号読み出し回路、14−1〜14−4…電荷積分アンプ、15,15−1,15−2,25…マルチプレクサ、16,16−1,16−2…ADコンバータ
Claims (2)
- 光電変換素子を含む画素が行列状に2次元配置され、各光電変換素子で光電変換された信号電荷を電気信号に変換して並列に出力する画素部と、
前記画素部から行単位で並列に読み出される各画素の信号を、電荷積分アンプを用いて複数チャンネルで出力する出力手段と、
前記出力手段から前記複数チャンネルで出力される各信号を同時に取り込んで加算するマルチプレクサと
を備えた固体撮像装置。 - 光電変換素子を含む画素が行列状に2次元配置され、各光電変換素子で光電変換された信号電荷を電気信号に変換して並列に出力する画素部から各画素の信号を行単位で並列に読み出し、
この読み出した各画素の信号を、電荷積分アンプを用いて複数チャンネルで出力し、
この複数チャンネルの各信号をマルチプレクサで同時に取り込んで加算する
固体撮像装置の駆動方法。
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