過去において、インターネットは殆どが固定端末装置、例えばパーソナルコンピュータ又はその類似装置を介してアクセスされてきた。従って、ディスプレイされるコンテンツ、例えば文書、画像ファイルなどインターネットからダウンロードされるものについて特に制限はなかった。なぜならば、これらの端末装置は十分に大きなスクリーンのみならず、多数のアプリケーション(応用ソフト)を実行することができる複雑なOS(基本ソフト)並びに多数のアプリケーションの記憶、任意の大きさのファイルの処理を可能にする大きいメモリ容量を備えているからである。
ところで、技術開発の状況下において、インターネットはますますモバイル(携帯)装置、例えば携帯電話、携帯コンピュータ、ラップトップ及びポケット型PCを介してアクセスされるようになりつつある。固定端末装置とは対照的に、これらのモバイル型端末装置は特徴として、ディスプレイスクリーンが非常に小さく、OS(基本ソフト)(ウインドウズCE、パーム(Palm社)、エポック/シンビアン(EPOC/Symbian)など)も極小で、アプリケーションバージョンもこの極小OS(基本ソフト)に適応した極小のもので、ワーキングメモリも小さなファイルを処理できるだけのもので、更にメモリ容量もアプリケーションの選択を提供するだけの小さなものである。
従って、全てのファイル又はファイルフォーマット及び/又はコンテンツを明確に送出できるというものではなく、全く送出できない場合もある。これはディスプレイに視覚的に出力すること、及びコンテンツを印刷することに関係する。この理由から、インターネット規格HTML(Hyper Text Markup Language)の他に、WML言語を備えたワップ(WAP(Wireless Application Protocol))が開発された。このWAP規格に基づいて、インターネットアクセスの制限された形が、モバイル装置を使って可能になった。これらHTML及びWMLはしかしながら、これらの言語で作成された文書だけをモバイル端末装置に通信することができるに過ぎない。
この問題に対する解決として、とりわけ、関連ファイルをモバイル端末装置にディスプレイすることを目的として、この関連ファイルをミニマル(極小)フォーマットに変換することが提案されている。しかし、この変換は手動で、かつ、オフラインで行われ、従って、その使用は極めて限られたものとなる。
しかし、固定装置もまた、データを翻訳するために必要なアプリケーションがインストールされていない場合、データをロード(loading)するのに利用可能なワーキングメモリが不十分な場合、あるいはアプリケーションを実行可能とするようなOS(例えばUnix(登録商標)についてのウインドウズアプリケーション)を有しない場合などにおいては、必ずしも関連コンテンツを適当な様式でディスプレイできるとは限らない。
モバイル通信技術は規格GMSで成り立ってきたし、これからも規格GPRS及びHSCSD並びに将来のUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)で発展し続けるであろう。このように、通信オプションが継続的に最適化されている。すなわち、通信可能なデータ量が莫大に増大することになる。これに対し、コンテンツを発信するオプションは制限されたままである。
同様にして、このようなタイプの端末装置からアクセスすることができるインターネット、イントラネット又は他のメモリ媒体からディスプレイされるコンテンツは制限を受けることになる。
従って、本発明の目的は、上記欠点を回避することができ、特にフォーマット及びアプリケーションに依存することなくコンテンツの出力を可能とするような、通信ネットワークにおけるデータ出力/ファイル出力のための方法及び設計、並びに関連コンピュータプログラムプロダクツ及びコンピュータによる読取り可能な関連記憶媒体を提供することである。
この目的は本発明による請求項1及び14に記載の要旨に従うことにより解決される。本発明の具体的態様が従属請求項に記載されている。
この目的のため、以下の方法が想定される。すなわち、出力しようとするデータ/ファイルにアクセスするのに少なくとも必要な情報を端末装置からデータ処理ユニットへ送信し、前記データ処理ユニットをコンピュータプログラムにより制御し、それぞれの記憶位置にて出力しようとする前記データ/ファイルを開き、前記データ/ファイルを送出するためのプリントジョブを開始させ、プリントジョブから得られるプリントファイルをハイパーテキストページ、特にHTML又はWMLサイト中に埋め込み、及び/又は出力しようとする前記データ/ファイルを事前指定可能なフォーマットに変換する。次に、プリントファイルを含むハイパーテキストページ及び/又はプリントジョブから得られるプリントファイル及び/又は必要に応じて変換されたデータ/ファイルを端末装置へ送信し、前記端末装置が送信されたデータ/ファイルを送出すか、若しくは、プリントファイルを含むハイパーテキストページ及び/又はプリントジョブから得られるプリントファイル及び/又は必要に応じて変換されたデータ/ファイルを通信ネットワークにおいてリコールのために提供し、この提供された情報にアクセスするのに必要な情報を前記端末装置へ送信し、アクセスのために必要な情報の送信後、端末装置により通信ネットワークからデータ/ファイルが自動的にリコールされ、送出され、出力しようとする前記データ/ファイルが手動リコールにより要求され、送出されることを特徴とする方法である。
更に、通信ネットワークにおいてデータ出力/ファイル出力を実行するための設計が提供されている。これは、少なくとも1個のプロセッサ及び/又はチップを有し、通信ネットワークにおけるデータ出力/ファイル出力についての方法が実行可能に構築されたものであって、その方法が、出力しようとするデータ/ファイルにアクセスするのに少なくとも必要な情報を端末装置からデータ処理ユニットへ送信し、前記データ処理ユニットをコンピュータプログラムにより制御し、それぞれの記憶位置にて出力しようとする前記データ/ファイルを開き、前記データ/ファイルを送出するためのプリントジョブを開始させ、プリントジョブから得られるプリントファイルをハイパーテキストページ、特にHTML又はWMLサイト中に埋め込み、及び/又は出力しようとする前記データ/ファイルを事前指定可能なフォーマットに変換するものであって、プリントファイルを含むハイパーテキストページ及び/又はプリントジョブから得られるプリントファイル及び/又は必要に応じて変換されたデータ/ファイルを端末装置へ送信し、前記端末装置が送信されたデータ/ファイルを送出し、又はプリントファイルを含むハイパーテキストページ及び/又はプリントジョブから得られるプリントファイル及び/又は必要に応じて変換されたデータ/ファイルを通信ネットワークにおいてリコールのために提供し、この提供された情報にアクセスするのに必要な情報を前記端末装置へ送信し、アクセスのために必要な情報の送信後、端末装置により通信ネットワークからデータ/ファイルが自動的にリコールされ、送出され、出力しようとする前記データ/ファイルが手動リコールにより要求され、送出されることを特徴とする。
通信ネットワークにおいてデータ出力/ファイル出力を実行するためのコンピュータプログラムプロダクツが提供されている。これは、プログラムが記憶されるコンピュータ読取り記憶媒体を含み、一旦、コンピュータのメモリにロードされたとき、前記コンピュータにより、通信ネットワークにおけるデータ出力/ファイル出力のための方法が実行され、それにより、出力しようとするデータ/ファイルにアクセスするのに少なくとも必要な情報が端末装置からデータ処理ユニットへ送信され、前記データ処理ユニットがコンピュータプログラムにより制御されて、それぞれの記憶位置にて出力しようとする前記データ/ファイルが開かれ、前記データ/ファイルを送出するためのプリントジョブが開始され、プリントジョブから得られるプリントファイルがハイパーテキストページ、特にHTML又はWMLサイト中に埋め込まれ、及び/又は出力しようとする前記データ/ファイルが事前指定可能なフォーマットに変換され、プリントファイルを含むハイパーテキストページ及び/又はプリントジョブから得られるプリントファイル及び/又は必要に応じて変換されたデータ/ファイルが端末装置へ送信され、前記端末装置により送信されたデータ/ファイルが送出され、又はプリントファイルを含むハイパーテキストページ及び/又はプリントジョブから得られるプリントファイル及び/又は必要に応じて変換されたデータ/ファイルが通信ネットワークにおいてリコールのために提供され、この提供された情報にアクセスするのに必要な情報が前記端末装置へ送信され、アクセスのために必要な情報の送信後、端末装置により通信ネットワークからデータ/ファイルが自動的にリコールされ、送出させ、出力しようとする前記データ/ファイルが手動リコールにより要求され、送出されるようになっている。
通信ネットワークにおいてデータ出力/ファイル出力を実行するためにコンピュータ読取り記憶媒体が使用される。この記憶媒体にはプログラムが記憶され、それが一旦、コンピュータのメモリにロードされたとき、前記コンピュータにより、通信ネットワークにおけるデータ出力/ファイル出力のための方法が実行され、それにより、出力しようとするデータ/ファイルにアクセスするのに少なくとも必要な情報が端末装置からデータ処理ユニットへ送信され、前記データ処理ユニットがコンピュータプログラムにより制御されて、それぞれの記憶位置にて出力しようとする前記データ/ファイルが開かれ、前記データ/ファイルを送出するためのプリントジョブが開始され、プリントジョブから得られるプリントファイルがハイパーテキストページ、特にHTML又はWMLサイト中に埋め込まれ、及び/又は出力しようとする前記データ/ファイルが事前指定可能なフォーマットに変換され、プリントファイルを含むハイパーテキストページ及び/又はプリントジョブから得られるプリントファイル及び/又は必要に応じて変換されたデータ/ファイルが端末装置へ送信され、前記端末装置により送信されたデータ/ファイルが送出され、又はプリントファイルを含むハイパーテキストページ及び/又はプリントジョブから得られるプリントファイル及び/又は必要に応じて変換されたデータ/ファイルが通信ネットワークにおいてリコールのために提供され、この提供された情報にアクセスするのに必要な情報が前記端末装置へ送信され、アクセスのために必要な情報の送信後、端末装置により通信ネットワークからデータ/ファイルが自動的にリコールされ、送出させ、出力しようとする前記データ/ファイルが手動リコールにより要求され、送出されるようになっている。
本明細書でコンテンツとは、アプリケーションプログラムを用いて可視化、送出可能なファイル及びデータを意味する。これらのコンテンツはインターネット、イントラネット(すなわち、企業内のネットワーク環境)又は他の記憶媒体(例えば、セントラルサーバ又はスタンドアロンオフィスコンピュータ)中に見出すことができる。それにより、データ通信を、通信ライン、無線ライン又は赤外線データ通信、更にこれらの通信手段の組合せを介して実行することができる。
コンテンツのアドレスは通常、いわゆるURL(Unified Resource Locator、 例えば、(公序良俗違反につき、不掲載)/inhalt.doc、リンクとも呼ばれる)、パスネーム(C:\Dokumente\inhalt.doc)又はアンアンビギュアスな記述(デスクリプション)(unambiguous、カスタマー番号1234を有するカスタマー情報)である。これらのアドレスの形態の全ても、準備された形で端末装置使用者に提供することができる。
以上、詳述したように、本発明によれば、フォーマット及びアプリケーションに依存することなくコンテンツを出力できる。
以下、本発明の好適なデータ/ファイル出力方法の実施の形態について詳細に説明する。
端末装置は、モバイル端末装置、例えば携帯電話、携帯コンピュータ、ラップトップ、ポケット型PC、その他の類似装置であることが好ましい。従って、上述のように全てのコンテンツをディスプレイするのに必ずしも常に適していないコンピュータのような固定端末装置も含まれる。この後者のケースは、その適しない原因が一般にコンピュータに全て適用可能とは限らない多種雑多なアプリケーションの存在にある。
上記データ処理ユニットは、通常、大容量固定コンピュータ又はその類似装置である。しかし、適当に設備を備えていれば、モバイル端末装置を使用することも考えられる。
インターフェースは一般的なケーブルインターフェース、赤外線又はブルートゥース(Bluetooth)インターネット等であってもよい。
ディスプレイされるべきコンテンツのアドレスは、好ましくはダイアルアップ(dial-up)接続又はインターネットを使用して上記データ処理ユニットへ送信される。それにより上記データ処理ユニットは使用者の家庭又はオフィスにおけるコンピュータ、コーポレート(corporate)サーバ又はこのサービスを提供するインターネットサービスプロバイダーのサーバであってもよい。
もし、上記端末装置又はモバイル端末装置がコンテンツをオンスクリーンでディスプレイできないとき、又は送出できないときは、所望のコンテンツをデータ処理ユニットにローディング(loading)するのに必要な全ての記述(デスクリプション)が、端末装置からデータ処理ユニットへ送信されるという方法が提供される。通常、関連URL又は正確な記憶位置を送信すれば十分である。データ処理ユニットから、コンテンツがその後、ローディングされ、次いで、プリントプロセス及び/又はプリントジョブが開始され、又は、必要に応じてコンテンツが特定のフォーマットに変換される。このフォーマットは全地球的に事前指定することができ、本発明に従ってデータ処理ユニットに対し履行されたコンピュータプログラムを用いて大略的、かつ、固定的にセットされる。従って、この変換はリクエストされている端末装置から独立して行われる。例えば、プリントファイル及び/又は変換されたコンテンツをHTML又はWMLサイトに埋め込むことが実用的であることが証明されている。埋め込むことにより、(埋め込まれた)データをブラウザによって表示することが可能となる。これに代わるものであって、同じく実用的であるとして証明されているものは、コンテンツをHTMLファイル(又は、同じようなフォーマット)に変換し、それによりコンテンツのプリントヴューをこの変換による変化をできるだけ小さくして通信することである。このようにして作成されたHTMLファイルは次いで、通信ネットワーク又はインターネット中に記憶される。これはデータ処理ユニットに対し履行されたコンピュータプログラムにより行われ、関連アドレス(URL)が、リクエストされている端末装置に向けて送信される。
必要なデスクリプション及び/又はアドレスの通信は、異なる方法で行うこともできる。すなわち、例えば、インターネットセッション内において、HTML又はWAPに基づくものか否かに関係なく、ユーザは、デスクリプションが選択により送信されたコンテンツが与えられたり、あるいはユーザはそのデスクリプションをその目的のためのフィールドに直接、導入する。これらのデスクリプションは次いで、ウェブサーバから発信される。HTML又はWAPページに埋め込まれた結果が、すなわち、ドキュメントビューが、このアクションに対する直接的応答ページとしてディスプレイされ、従って、再度、呼び出される必要はない。ユーザにとっては、これはあたかも彼が単にリンクをクリックしたように見えるであろう。
実行の更に他の形は、コンテンツの通信が以下のようにして実現されるものである。すなわち、ユーザが、記述された理由により開くことができない付属物を有するメールをデータ処理ユニットに送信し、ユーザは、このデータ処理ユニットからオリジナルドキュメントの代わりに、結果に対するリンクを含む応答メールを受理する。
他の具体例において、関連アドレス(URL)の通信もSMS(Systems Management Server)として行うことができ、それによりユーザは後に、導入された(entered)ネットワークアドレスに対し手動でアクセスするか、データ処理ユニットにより送信されたデータが端末装置にインストールされたプログラムを開始させ、それにより、導入されているネットワークアドレスが自動的にアクセスされ、端末装置に対しコンテンツが送出され、記憶され、及び/又は印刷される。
インターネットにおけるHTMLのフォーマット及び記憶の使用は、携帯電話、携帯コンピュータ、ラップトップ又はポケット型PCを含めた殆どの端末装置が追加の特定のソフトウエアを必要とせずにインターネットにアクセスすることができるという利点を有する。
しかし、更に、本発明の他の実施形態において、所望の出力フォーマットを端末装置から事前指定することもできる。この場合、コンテンツはデータ処理ユニットについてのコンピュータプログラムにより変換される。関連するデスクリプションがそれにより端末装置から、要求されたコンテンツのためのアクセスデスクリプションと共にデータ処理ユニットへ送信されるか、あるいはこれらのフォーマットデスクリプションがデータ処理ユニットについての他のユーザデスクリプションと共に記憶される。
本発明による方法は当然、他の出力システムと組合わせることができる。すなわち、通信網にコンテンツを記憶するのと平行して、あるいはそれに代わるものとして、ビットマップファイルを作成し、第1の端末装置へ送信することも可能である。なぜならば、通常、ビットマップファイルはグラフィックディスプレイ機能を有するあらゆる端末装置から送出することができるからである。
データ処理ユニットから端末装置へ送信されるデータ量をできるだけ小さく維持するため、(モバイル)端末装置はそのディスプレイ情報、例えばディスプレイサイズ、必要なスケーリング(scaling)、カラー又は白黒ディスプレイを、コンテンツをローディングするためのデスクリプションと共にデータ処理ユニットへ送信することもできる。データ処理ユニットは次いで、要求されたコンテンツから特定の要求を満たすビットマップファイルを作成し、それにより実際に必要なデータ量のみが送信されることになる。
場合によっては、要求されたコンテンツからHTML又はWMLファイルを作成しないで、むしろピュアファイル(例えば、ASCIIファイル)を作成し、ついで端末装置へ送信することが賢いことがある。なぜならば、これらのピュアファイルは殆どの端末装置によりディスプレイすることができるからである。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の要旨を逸脱することなく、上記方法、特徴的要素を組み合わせたり、変更することにより種々の変形例を実現することは容易に可能であろう。