JP2009133668A - 検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で流路の流速を測定することができる小型の検査装置を提供する。
【解決手段】ポンプから液体をマイクロチップに注入し、試薬と検体とを反応させて反応結果を測定する検査装置において、液体が流れる流路の流速測定区間に該流路の流速測定区間と直交する方向から光を照射する発光部と、流路の流速測定区間を透過した光を受光して光量に応じた信号を発生する受光部と、信号に基づいて流速を算出する流速算出手段と、を有することを特徴とする検査装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、検査装置に関する。
近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、センサなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。これは、μ−TAS(Micro total Analysis System:マイクロ総合分析システム)、バイオリアクタ、ラブ・オン・チップ(Lab−on−chips)、バイオチップとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。現実には遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたミクロ化分析システムは、コスト、必要試料量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析を可能とすることによる恩恵は多大と言える。
各種の分析、検査ではこれらの分析用チップ(マイクロチップ)における分析の定量性、解析の精度、経済性などが重要視される。そのためにはシンプルな構成で、高い信頼性の送液システムを確立することが課題であり、精度が高く、信頼性に優れるマイクロ流体制御素子が求められている。本出願人はこのような用途に好適なマイクロポンプの動作原理と制御方法を例えば特許文献2に開示している。
また、本出願人は、マイクロチップの微細流路内に試薬などを封入し、マイクロポンプによって微細流路に液体を注入して試薬などを移動させ、反応部を構成する流路、次いで検出部を構成する流路へ流すことにより、反応結果を測定することができる検査装置を提案している(例えば、特許文献3参照)。
このような検査装置では、複数のマイクロポンプを有するマイクロポンプユニットによって駆動液をマイクロチップに注入し、マイクロチップ内の所定の部位に液体を送り出すタイミング、液量、液量の変化率、送り方向などの送液制御を行っている。マイクロポンプの性能にはバラツキがあるので精度良く所定の流量で送液するためには、流路毎に流量センサを配置して流量を測定し、マイクロポンプの制御にフィードバックする必要がある。
微小流量の計測方法として、複数の流路が形成されているガラス基板の上に流路の蓋としてシリコン基板を形成し、その上に流体流量検出用の2つのヒータを形成し、上流側のヒータと下流側のヒータの抵抗比から流量を検出する熱式流量センサが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−28589号公報 特開2001−322099号公報 特開2006−149379号公報 特開平7−159215号公報
しかしながら、特許文献4に開示されているような熱式流量センサに用いる方法は、ヒータの特性ばらつきが大きく、また経時変化をおこすので、流量を正確に測定することが難しい。
正確に流量を測定するには、例えば、流路を通過する液体の先端を流路内の2個所に設けたセンサで検知し、液体を検知した時間差から流路内の2個所を移動する液体の流速を算出し流量を求める方法がある。しかしながら、センサを1つの流路について少なくとも2つ配置する必要があるため、流路の数に伴って装置が大型化する問題がある。特に、マイクロチップ内の流路の流量を測定する場合は、マイクロチップも大型化し内部の流路の長さも長くなるため検査時間が増す問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、簡単な構成で流路の流速を測定することができる小型の検査装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.
ポンプから液体をマイクロチップに注入し、該マイクロチップ内の試薬と検体とを反応させて反応結果を測定する検査装置において、
前記液体が流れる流路の流速測定区間に該流路の流速測定区間と直交する方向から光を照射する発光部と、
前記流路の流速測定区間を透過した前記光を受光して光量に応じた信号を発生する受光部と、
前記信号に基づいて流速を算出する流速算出手段と、
を有することを特徴とする検査装置。
2.
前記流路の流速測定区間の中間部分を遮光する中間遮光手段を有し、
前記流速算出手段は、
前記液体が前記中間遮光手段により前記光が遮光されている遮光区間を通過する時間を前記信号から算出し、前記時間に基づいて流速を算出することを特徴とする1に記載の検査装置。
3.
前記流路の流速測定区間は、
前記マイクロチップの一部であることを特徴とする1または2に記載の検査装置。
4.
前記流路の流速測定区間は、
前記ポンプから前記マイクロチップに液体を注入するように前記ポンプと前記マイクロチップの間に設けられた中間流路の一部であることを特徴とする1または2に記載の検査装置。
本発明によれば、1組の発光部と受光部により流路の流速測定区間を透過する光量の変化を検出し流速を算出するので、簡単な構成で流路の流速を測定することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態における検査装置82の外観図である。
検査システム80は検査装置82とマイクロチップ1から構成される。検査装置82はマイクロチップ1に予め注入された検体と、試薬との反応を自動的に検出し、表示部84に結果を表示する装置である。検査装置82には挿入口83があり、マイクロチップ1を挿入口83に差し込んで検査装置82の内部にセットするようになっている。
なお、挿入口83はマイクロチップ1を挿入時に接触しないように、マイクロチップ1の厚みより十分高さがある。85はメモリカードスロット、86はプリント出力口、87は操作パネル、88は入出力端子である。
検査担当者は図1の矢印方向にマイクロチップ1を挿入し、操作パネル87を操作して検査を開始させる。検査装置82の内部では、制御手段の指令により図1には図示せぬマイクロポンプユニット5がマイクロチップ1に駆動液等の液体を注入し、マイクロチップ1内の反応の検査が自動的に行われる。検査が終了すると液晶パネルなどで構成される表示部84に結果が表示される。検査結果は操作パネル87の操作により、プリント出力口86よりプリントを出力したり、メモリカードスロット85に挿入されたメモリカードに記憶することができる。また、外部入出力端子88から例えばLANケーブルを使って、パソコンなどにデータを保存することができる。
検査担当者は、検査終了後、マイクロチップ1を挿入口83から取り出す。
次に、本発明の実施形態に係わるマイクロポンプユニット5の一例について、図2を用いて説明する。
図2(a)は本発明に係わるマイクロポンプユニット5の平面図であり、図2(b)は左側面図、図2(c)は右側面図である。また、図2(d)は図2(a)にA−Aで示す部分の断面図である。
図2に示すようにマイクロポンプユニット5は、第1の基板11、第2の基板12から成る。なお、図2(a)において、第1の基板11に設けられた溝部を点線で図示している。
図2(a)のA−Aで示す部分が一つのマイクロポンプMPを構成しており、後に説明するマイクロポンプ機構によって、例えば入出力口145から吸入した液体を入出力口146から吐出する。あるいは、逆方向に入出力口146から吸入した液体を入出力口145から吐出することもできる。図2(a)の例では、第1の基板11に8つのマイクロポンプMPが形成されている。これらのマイクロポンプMPは互いに同じ構造であるから、以下においては図2(d)を用いてその構造を説明する。
第1の基板11は、例えば幅17mm、奥行き35mm、厚み0.2mmの大きさの長方形のシート状である。図2(d)に示すように、第1の基板11に形成された各マイクロポンプMPは、ポンプ室121、ダイヤフラム122、第1絞り流路123、第1流路124、第2絞り流路125、および第2流路126を有する。
マイクロポンプユニット5は、上に述べたマイクロポンプMPの作動によって、一方の入出力口145から液体を吸い込み、他方の入出力口146から液体を吐出する。また、圧電素子112に印加する駆動電圧を制御することによって、液体の吸入と吐出の方向を逆にすることができる。なお、第1の基板11それ自体の構造については、従来の技術の項で述べた特開2001−322099号を参照することができる。
次にマイクロポンプユニット5の動作原理について説明する。
第2絞り流路125は、その流入側と流出側との差圧が零に近いときは流路抵抗が低いが、差圧が大きくなると流路抵抗が大きくなる。つまり圧力依存性が大きい。第1絞り流路123は、差圧が零に近いときの流路抵抗は第2絞り流路125の場合よりも大きいが、圧力依存性がほとんどなく、差圧が大きくなっても流路抵抗は余り変化せず、差圧が大きい場合に流路抵抗が第2絞り流路125よりも小さくなる。
このような流路抵抗特性は、流路を流れる液体(流体)が、差圧の大きさに応じて乱流となるようにするか、または差圧にかかわりなく常に層流となるようにするか、によって得ることが可能である。具体的には、例えば、第2絞り流路125を流路長の短いオリフィスとし、第1絞り流路123を第2絞り流路125と内径が同じで流路長の長いノズルとすることによって実現することが可能である。
第1絞り流路123と第2絞り流路125のこのような流路抵抗特性を利用して、ポンプ室121に圧力を発生させるとともに、その圧力の変化の割合を制御することによって、流路抵抗の低い方に液体を吐出するようなポンプ作用を実現することができる。
つまり、ポンプ室121の圧力を上昇させるとともに、その変化の割合を大きくしておけば、差圧が大きくなって第2絞り流路125の流路抵抗の方が第1絞り流路123の流路抵抗よりも大きくなり、ポンプ室121内の液体は第1絞り流路123から吐出する(吐出工程)。そして、ポンプ室121の圧力を下降させるとともに、その変化の割合を小さくすれば、差圧が小さく維持されて第1絞り流路123の流路抵抗の方が第2絞り流路125の流路抵抗よりも大きくなり、第2絞り流路125からポンプ室121内に液体が流入する(吸入工程)。
これとは逆に、ポンプ室121の圧力を上昇させるとともに、その変化の割合を小さくすれば、差圧が小さく維持されて第1絞り流路123の流路抵抗の方が第2絞り流路125の流路抵抗よりも大きくなり、ポンプ室121内の液体は第2絞り流路125から吐出する(吐出工程)。そして、ポンプ室121の圧力を下降させるとともに、その変化の割合を大きくすれば、差圧が大きくなって第1絞り流路123の流路抵抗の方が第2絞り流路125の流路抵抗よりも小さくなり、第1絞り流路123からポンプ室121内に液体が流入する(吸入工程)。
このようなポンプ室121の圧力制御は、圧電素子112に供給する駆動電圧を制御し、ダイヤフラム122の変形の量およびタイミングを制御することによって実現される。
図3は圧電素子112に供給する駆動電圧Eと流量Qの関係を示す説明図である。圧電素子112に高い駆動電圧を印加するとポンプ室121の圧力が高まるものとする。
図3(a−1)に示す波形ではT1<T3なので、ポンプ室121の圧力が上昇するときの変化の割合は、ポンプ室121の圧力が下降するときの変化の割合より大きい。したがって、前述の様にポンプ室121内の液体は第1絞り流路123から吐出する。
図3(a−2)は流路123から吐出された液体の、流路124における流量Qの一例を示している。T1の期間、ポンプ室121の圧力が急に上昇するので流路124を流れる流量Qも急に上昇する。T2の休止期間の後、T3の期間はポンプ室121の圧力が緩やかに下降すると、おもに第2絞り流路125からポンプ室121内に液体が流入し、一部が第1絞り流路123からポンプ室121内に流入する。そのため、流量Qは緩やかに減少する。しかし、T3の期間に減少する流量QはT1の期間に流入した流量Qより少なく、T4の休止期間においては、初期状態よりも流量Qが増加している。このようにT1からT4のサイクルを繰り返すことにより流量Qは増加していく。
一方、図3(b−1)に示す波形ではT7<T5なので、ポンプ室121の圧力が上昇するときの変化の割合は、ポンプ室121の圧力が下降するときの変化の割合より小さい。したがって、前述の様に第1絞り流路123からポンプ室121内に液体が流入する。
図3(b−2)は流路123から吸入された液体の、流路124における流量Qの一例を示している。T5の期間、ポンプ室121の圧力が緩やかに上昇すると、おもに第2絞り流路125から液体が吐出し、一部が第1絞り流路123から吐出する。そのため、流量Qは緩やかに増加する。一方、T6の休止期間の後、T7の期間においてポンプ室121の圧力が急に下降すると、第1絞り流路123からポンプ室121内に液体が流入する。そのため、流量Qは急に減少する。しかし、T5の期間に増加する流量QはT7の期間に吐出した流量Qより少なく、T8の休止期間においては、初期状態よりも流量Qが減少している。このようにT5からT8のサイクルを繰り返すことにより流量Qは減少していく。
図3において、圧電素子112に印加する最大電圧e1は、数ボルトから数十ボルト程度、最大で100ボルト程度である。また、時間T1,T7は20μs程度、時間T2,T6は0〜数μs程度、時間T3,T5は60μs程度である。時間T4,T8は0であってもよい。駆動電圧Eの周波数は11kHz程度である。図3(a−1)および(b−1)に示す駆動電圧Eによって、流路23には、例えば図3(a−2)および図3(b−2)に示すような流量が得られる。なお、図3(a−2)および図3(b−2)における流量曲線は、ポンプ動作によって得られる流量を模式的に示したもので、実際には流体の慣性振動が重畳する。したがって、これら図に示された流量曲線に振動成分が重畳された曲線が実際に得られる流量を示すこととなる。
次に、本発明の実施形態に係わるマイクロチップ1の一例について、図4を用いて説明する。
図4(a)、図4(b)はマイクロチップ1の外観図である。図4(a)において矢印は、後述する検査装置82にマイクロチップ1を挿入する挿入方向であり、図4(a)は挿入時にマイクロチップ1の上面となる面を図示している。図4(b)はマイクロチップ1の側面図である。
図4(a)の検出部の窓111aと検出部の流路111bは検体と試薬の反応を光学的に検出するために設けられており、ガラスや樹脂などの透明な部材で構成されている。110a、110b、110c、110d、110eは内部の微細流路に連通する駆動液注入部であり、各駆動液注入部110から駆動液50を注入し内部の試薬等を駆動する。213はマイクロチップ1に検体を注入するための検体注入部である。
図4(b)に示すように、マイクロチップ1は溝形成基板108と、溝形成基板108を覆う被覆基板109から構成されている。次に、マイクロチップ1を構成する溝形成基板108と被覆基板109に用いる材料について説明する。
マイクロチップ1は、加工成形性、非吸水性、耐薬品性、耐候性、コストなどに優れていることが望まれており、マイクロチップ1の構造、用途、検出方法などを考慮して、マイクロチップ1の材料を選択する。その材料としては従来公知の様々なものが使用可能であり、個々の材料特性に応じて通常は1以上の材料を適宜組み合わせて、基板および流路エレメントが成形される。
特に、多数の測定検体、とりわけ汚染、感染のリスクのある臨床検体を対象とするチップは、ディスポーサブルタイプであることが望ましい。そのため、量産可能であり、軽量で衝撃に強く、焼却廃棄が容易なプラステック樹脂、例えば、透明性、機械的特性および成型性に優れて微細加工がしやすいポリスチレンが好ましい。また、例えば分析においてチップを100℃近くまで加熱する必要がある場合には、耐熱性に優れる樹脂(例えばポリカーボネートなど)を用いることが好ましい。また、タンパク質の吸着が問題となる場合にはポリプロピレンを用いることが好ましい。樹脂やガラスなどは熱伝導率が小さく、マイクロチップの局所的に加熱される領域に、これらの材料を用いることにより、面方向への熱伝導が抑制され、加熱領域のみ選択的に加熱することができる。
検出部111において、呈色反応の生成物や蛍光物質などの検出を光学的に行う場合は、少なくともこの部位の基板は光透過性の材料(例えばアルカリガラス、石英ガラス、透明プラスチック類)を用い、光が透過するようにする必要がある。本実施形態においては、検出部の窓111aと、少なくとも検出部の流路111bを形成する溝形成基板は、光透過性の材料が用いられていて、検出部111を光が透過するようになっている。
本発明の実施形態に係わるマイクロチップ1には、検査、試料の処理などを行うための、微小な溝状の流路(微細流路)および機能部品(流路エレメント)が、用途に応じた適当な態様で配設されている。本実施形態では、これらの微細流路および流路エレメントによってマイクロチップ1内で行われる特定の遺伝子の増幅およびその検出を行う処理の一例を図4(c)を用いて説明する。なお、本発明の適用は図4(c)で説明するマイクロチップ1の例に限定されるものでは無く、様々な用途のマイクロチップ1に適用できる。
図4(c)はマイクロチップ1内部の微細流路および流路エレメントの機能を説明するための説明図である。
微細流路には、例えば検体液を収容する検体収容部221、試薬類を収容する試薬収容部220などが設けられており、場所や時間を問わず迅速に検査ができるよう、試薬収容部220には必要とされる試薬類、洗浄液、変性処理液などがあらかじめ収容されている。図4(c)において、試薬収容部220、検体収容部221および流路エレメントは四角形で表し、その間の微細流路は実線と矢印で表す。
マイクロチップ1は、微細流路を形成した溝形成基板108と溝状の流路を覆う被覆基板109から構成されている。微細流路はマイクロメーターオーダーで形成されており、例えば幅は数μm〜数百μm、好ましくは10〜200μmで、深さは25〜500μm程度、好ましくは25〜250μmである。
少なくともマイクロチップ1の溝形成基板108には、上記の微細流路が形成されている。被覆基板109は、少なくとも溝形成基板の微細流路を密着して覆う必要があり、溝形成基板の全面を覆っていても良い。なお、マイクロチップ1の微細流路には、例えば、図示せぬ送液制御部、逆流防止部(逆止弁、能動弁など)などの送液を制御するための部位が設けられ、逆流を防止し、所定の手順で送液が行われるようになっている。
検体注入部213はマイクロチップ1に検体を注入するための注入部、駆動液注入部110はマイクロチップ1に駆動液50を注入するための注入部である。マイクロチップ1による検査を行うに先立って、検査担当者は検体を検体注入部213から注射器などを用いて注入する。図4(c)に示すように、検体注入部213から注入された検体は、連通する微細流路を通って検体収容部221に収容される。
次に、駆動液注入部110aから駆動液50を注入すると、駆動液50は連通する微細流路を通って検体収容部221に収容されている検体を押し出し、増幅部222に検体を送り込む。
一方、駆動液注入部110bから注入された駆動液50は、連通する微細流路を通って試薬収容部220aに収容されている試薬aを押し出す。試薬収容部220aから押し出された試薬aは増幅部222に駆動液50によって送り込まれる。このときの反応条件によっては、増幅部222の部分を所定の温度にする必要があり、後で説明するように検査装置82の内部で加熱または吸熱して所定の温度で反応させる。
所定の反応時間の後、さらに駆動液50により増幅部222から送り出された反応後の検体を含む溶液は、検出部111に注入される。注入された溶液は検出部111の流路壁に担持されている反応物質と反応し流路壁に固定化する。
次に、駆動液注入部110cから駆動液50を注入すると、駆動液50は連通する微細流路を通って試薬収容部220bに収容されている試薬bを押し出し、微細流路から検出部111に注入する。
同様に、駆動液注入部110dから駆動液50を注入すると、駆動液50は連通する微細流路を通って試薬収容部220cに収容されている試薬を押し出し、微細流路から検出部111に注入する。
最後に、駆動液注入部110eから駆動液50を注入して、洗浄液収容部223から洗浄液を押しだし、検出部111に注入する。洗浄液によって検出部111内に残留している未反応の溶液41を洗浄する。
洗浄後、検出部111の流路壁に吸着した反応物の濃度を光学的に測定することによって、増幅した遺伝子など被検出物を検出する。このように、駆動液注入部110から駆動液50を順次注入することにより、マイクロチップ1の内部で所定の処理が行われる。
図5は第1の実施形態の検査装置82の内部構成の一例を示す断面図、図6は流路182の流速を測定する流速測定区間を説明する説明図、図7は第1の実施形態の流速測定方法を説明するための説明図である。
以下、図5を用いて検査装置82の内部構成を説明し、流速の測定については図6、図7を用いて説明する。
検査装置82は温度調節ユニット152、光検出部150、中間流路部180、第1発光部191、第1受光部193、マイクロポンプユニット5、パッキン90a、90b、駆動液タンク91などから構成される。以下、これまでに説明した構成要素と同一の構成要素には同番号を付し、説明を省略する。
図5は、マイクロチップ1の上面を温度調節ユニット152とマイクロポンプユニット5に密着させている状態である。マイクロチップ1は図示せぬ駆動部材により駆動され、紙面上下方向に移動可能である。
初期状態において、マイクロチップ1は図5の紙面左右方向に挿抜可能であり、検査担当者は挿入口83から図示せぬ規制部材に当接するまでマイクロチップ1を挿入する。所定の位置までマイクロチップ1を挿入するとフォトインタラプタなどを用いたチップ検知部95がマイクロチップ1を検知し、オンになる。
温度調節ユニット152は、ペルチェ素子、電源装置、温度制御装置などを内蔵し、発熱または吸熱を行ってマイクロチップ1を所定の温度に調整するユニットである。
図示せぬ制御部が、チップ検知部95がオンになった信号を受信すると、駆動部材によりマイクロチップ1を下降させて、マイクロチップ1の下面を温度調節ユニット152とパッキン92を介して中間流路部180に押しつけて密着させる。
マイクロチップ1の駆動液注入部110は、マイクロチップ1とパッキン92を密着させたときに、中間流路部180に設けられた対応する開口185とそれぞれ連通する位置に設けられている。中間流路部180は、中間流路182の溝を設けた透明な第1基板184と、第1基板184を覆う透明な第2基板183から構成され、中間流路182の両端には開口185と開口186が設けられている。開口186はパッキン90bを介してマイクロポンプユニット5の入出力口146と連通している。
マイクロポンプユニット5の吸込側には、パッキン90aを介して駆動液タンク91が接続され、駆動液タンク91に充填された駆動液50をパッキン90aを介して吸い込むようになっている。駆動液50は水などの液体である。一方、マイクロポンプユニット5の吐出側の端面に設けられた入出力口146は中間流路182を介してマイクロチップ1の駆動液注入部110と連通しているので、マイクロポンプユニット5から送り出された駆動液50は、マイクロチップ1の駆動液注入部110からマイクロチップ1内に形成された流路250に注入される。このようにして、マイクロポンプユニット5から駆動液注入部110に駆動液50を注入する。
液温調節ユニット195は、ペルチェ素子、電源装置、温度制御装置などを内蔵し、発熱または吸熱を行って駆動液タンク91を所定の温度に調整するユニットである。
マイクロチップ1の検出部111では、検体とマイクロチップ1内に貯蔵された試薬が反応して、例えば呈色、発光、蛍光、混濁などをおこす。本実施形態では図4で説明したように、検出部111でおこる試薬の反応結果を光学的に検出する。光検出部150は第2発光部150aと第2受光部150bから成り、マイクロチップ1の検出部111を透過する光を検出できるように配置されている。
なお、図2に図示したマイクロポンプユニット5の例ではマイクロポンプMPが8つ設けられているが、全てのマイクロポンプMPを使用する必要はない。図3に図示したマイクロチップ1の場合は、5つのマイクロポンプMPが連通するよう駆動液注入部110を配置すれば良い。
中間流路部180には中間流路182を流れる駆動液50の流速を測定するため第1発光部191と第1受光部193が設けられている。図6は中間流路182の第1発光部191と第1受光部193が設けられている部分の拡大断面図である。第1発光部191は本発明の発光部、第1受光部193は本発明の受光部である。
第1発光部191はLED、ランプなどの発光素子であり、図6にx1で示す流速測定区間x1に光を照射する。中間流路182を覆う遮光板40、41は、流速測定区間以外に第1発光部191の光が照射されないように設けられている。遮光板40、41は本実施形態のように必ずしも別に設ける必要は無く、一体に形成された部品を設けても良いし、第1基板184、第2基板183に印刷しても良い。
また、遮光板40、41は必ずしも設ける必要はなく、例えば第1発光部191の発光する光をレンズ等の光学系で集光し平行光を流速測定区間x1に照射するようにしても良い。
第1受光部193は、例えばフォトダイオードなどの受光素子とオペアンプなどから構成され、受光素子の出力電流を電圧に変換して出力する。第1受光部193の受光素子は、対向する位置にある第1発光部191が発光する光を透明な中間流路部180の流速測定区間x1を介して受光する。駆動液50が中間流路182の流速測定区間x1を流れると、中間流路182の流速測定区間x1を透過する光量が増加し、第1受光部193の出力電圧Bも増加する。
図7(a)、(b)、(c)は図6の中間流路182を通過する駆動液50の位置を説明する説明図である。駆動液50は中間流路182を紙面右方向に移動するものとする。図7(a)は駆動液50の先端が流速測定区間x1に接し、これから流速測定区間x1に入る状態、図7(b)は駆動液50の先端が流速測定区間x1の中間にある状態、図7(c)は駆動液50の先端が流速測定区間x1からこれから出る状態を示している。なお、図7(a)、(b)、(c)には第1発光部191、第1受光部193を図示していないが、第1発光部191、第1受光部193は図6のように配置され第1発光部191が流速測定区間x1に照射する光を第1受光部193が受光している。
図7(d)は図7(a)、(b)、(c)のように駆動液50の先端が中間流路182の流速測定区間x1を通過するとともに第1受光部193の出力電圧Bが増加することを説明するグラフである。図7(d)の横軸は時間t(sec)、縦軸は第1受光部193の出力電圧B(V)である。
駆動液50に用いる液体として例えば水を用い、第1基板184と第2基板183の材質は透明なガラスの場合を例に説明する。また、駆動液50が注入される前、中間流路182には空気が入っているものとする。
図7(a)の状態では駆動液50が流速測定区間x1に入る前であり、流速測定区間x1は空気だけである。ガラスの屈折率は約1.5、空気の屈折率は約1.0なので、中間流路182の流速測定区間x1の透過率は低く、このときの第1受光部193の出力電圧B(V)は図7(d)に示すようb1である。
図7(b)のように駆動液50の先端が流速測定区間x1に入ってくると流速測定区間xに占める駆動液50の面積が増してくる。すると、駆動液50である水の屈折率は約1.3であり空気の屈折率よりガラスの屈折率に近いので、駆動液50の面積が増すと中間流路182の流速測定区間x1の透過率も高くなり第1受光部193の出力電圧B(V)も増す。
図7(c)のように中間流路182の流速測定区間x1が駆動液50で満たされると透過率が最も高くなり、このときの第1受光部193の出力電圧B(V)は図7(d)に示すようb2である。このように、時刻t1から時刻t2までの駆動液50の先端が流速測定区間x1を通過する時間T1の間に、出力電圧B(V)はb2−b1=ΔB1増加する。
したがって、第1受光部193の出力電圧B(V)の変化を監視することにより、出力電圧B(V)が増加し始める時刻t1と、出力電圧B(V)の増加が終わる時刻t2と、と求め時間T1を算出することができる。
流速測定区間の距離L1とすると流速Vは次の式(1)で求められる。なお、中間流路182の断面積Sは一定とする。
V=L1/T1・・・・・・・(1)
中間流路182の断面積Sは一定なので、流量Qは次の式(2)で求められる。
Q=V×S・・・・・・・(2)
このように、本発明では1組の第1発光部191と第1受光部193により流速を測定できるので、部品点数が少なく検査装置を小型にできる。また、第1発光部191と第1受光部193を配置する上での制約が少ないので、さまざまな場所の流速を測定できる。
例えば、図8に示す実施形態の検査装置82の内部構成のようにマイクロチップ1側に第1発光部191と第1受光部193を設けて、マイクロチップ1の流路250の流速を測定することもできる。この場合、すくなくとも流速を測定する流路250の部分を構成する基板は透明である必要がある。遮光板40、41については図5で説明したように、一体の部品でも良いし、マイクロチップ1に印刷等で形成しても良い。なお、図8の例では中間流路部180は必ずしも必要ではない。
また、例えば、マイクロポンプユニット5の第1流路124の流速を測定するように第1発光部191と第1受光部193を設けて良い。
何れの場合も図7で説明した流速の測定原理により流速(流量)を測定することができる。
図9は、本発明の実施形態における検査装置82の回路ブロック図である。
制御部99は、CPU98(中央処理装置)とRAM97(Random Access Memory),ROM96(Read Only Memory)等から構成され、不揮発性の記憶部であるROM96に記憶されているプログラムをRAM97に読み出し、当該プログラムに従って検査装置82の各部を集中制御する。
以下、いままでに説明した機能と同一機能を有する機能ブロックには同番号を付し、説明を省略する。
チップ検知部95はマイクロチップ1が規制部材に当接すると検知信号をCPU98に送信する。CPU98は検知信号を受信すると、機構駆動部32に指令し所定の手順でマイクロチップ1を下降または上昇させる。
ポンプ駆動部500は各マイクロポンプMPの圧電素子112を駆動する駆動部である。ポンプ駆動制御部412はプログラムに基づいて、所定量の駆動液50を注入または吸入するようにポンプ駆動部500を制御する。ポンプ駆動部500はポンプ駆動制御部412の指令を受けて、図3に示すような波形の駆動電圧Eを発生して圧電素子112を駆動する。
CPU98は所定のシーケンスで検査を行い、検査結果をRAM97に記憶する。検査結果は、操作部87の操作によりメモリカード501に記憶したり、プリンタ503によってプリントすることができる。
第1受光部193は、駆動液50の通過による光量の変化に応じた信号を発生し制御部99に入力する。流速算出部410は、第1受光部193から入力される信号電圧を図示せぬA/D変換器によりデジタル値に変換しRAM97に一時記憶させる。流速算出部410はRAM97に記憶されている第1受光部193から入力された信号レベルの変化から流速Vを算出する。流速算出部410は本発明の流速算出手段である。
次に、図10を用いて流速測定ルーチンの手順を説明するフローチャートである。
以下、図10のフローチャートに沿って説明する。
中間流路182内の駆動液50の先端の位置は図7(a)より紙面左方向であり、CPU98が流速測定ルーチンをコールしてから、ポンプ駆動制御部412はポンプ駆動部500に指令し駆動液50を流速測定区間に向けて送液するものとする。
S200:光量の初期値を測定するステップである。
流速算出部410は、第1受光部193が受光している光量に応じた信号電圧B0(V)のデジタル値をRAM97に記憶する。
S201:光量を測定するステップである。
所定の時間後、流速算出部410は第1受光部193が受光している光量に応じた信号電圧Bn(V)のデジタル値をRAM97に記憶する。
S202:前回測定した光量より増加したか、否か、判定するステップである。
流速算出部410は、RAM97に記憶した最新の信号電圧Bnと前回の信号電圧Bn-1とを比較し、第1受光部193が受光している光量が増加したか、否か、を判定する。
第1受光部193が受光している光量が増加していない場合、(ステップS202;No)、ステップS201に戻る。
第1受光部193が受光している光量が増加した場合、(ステップS202;Yes)、ステップS203に進む。
S203:時間を計測するカウンタをスタートするステップである。
流速算出部410は、時間を計測する内部カウンタを初期化し、カウントを開始する。
ステップS202で駆動液50の先端が流速測定区間x1に入ったので、内部カウンタにより時間の計測を開始する。
S204:光量を測定するステップである。
所定の時間後、流速算出部410は第1受光部193が受光している光量に応じた信号電圧Bn(V)のデジタル値をRAM97に記憶する。
S205:前回測定した光量より増加したか、否か、判定するステップである。
流速算出部410は、RAM97に記憶した最新の信号電圧Bnと前回の信号電圧Bn-1とを比較し、第1受光部193が受光している光量が増加したか、否か、を判定する。
第1受光部193が受光している光量が増加している場合、(ステップS205;Yes)、ステップS204に戻る。
第1受光部193が受光している光量が増加していない場合、(ステップS205;No)、ステップS206に進む。
S206:時間を計測するカウンタを停止するステップである。
流速算出部410は、時間を計測する内部カウンタを停止する。
ステップS205で駆動液50の先端が流速測定区間x1を通過したので、内部カウンタを停止する。
S207:流速を算出するステップである。
流速算出部410は、時間を計測する内部カウンタの値から流速を算出する。
以上でサブルーチンは終了し、メインルーチンに戻る。
メインルーチンでは、流速測定ルーチンで測定した流速が所定の範囲か、否かを判定し所定の流速になるように制御する。例えば、圧電素子112に印加する最大電圧e1を変更したり、駆動波形を変更する。
次に、第2の実施形態の検査装置82における流速測定区間と流速測定の手順について説明する。
図11は、中間流路部180に設けられた第1発光部191と第1受光部193の第2の実施形態を示す断面図である。
図6で説明した第1の実施形態との違いは、流速測定区間の中間部分を遮光する中間遮光板42が設けられている点である。そのほかの構成は第1の実施形態と同じであり、説明を省略する。
図12(a)、(b)、(c)は図11の中間流路182を通過する駆動液50の位置を説明する説明図である。第2の実施形態では中間遮光板42により遮光された遮光区間x2を駆動液50の先端が通過する時間から流速を測定する。中間遮光板42は本発明の中間遮光手段である。中間遮光板42は中間流路部180の近くに配置するか、中間流路部180に貼り付けたり、印刷しても良い。また、マイクロチップ1にも同様に配置することができる。なお、本実施形態では遮光板40、41を設けているが必ずしも必要ではなく、中間遮光板42だけを設けても良い。
図12(a)は駆動液50の先端が流速測定区間x1にこれから入る状態、図12(b)は駆動液50の先端が遮光区間x2の中間位置にある状態、図12(c)は駆動液50の先端が流速測定区間x1からこれから出る状態を示している。なお、図12(a)、(b)、(c)には第1発光部191、第1受光部193を図示していないが、第1発光部191、第1受光部193は図11のように配置され第1発光部191が流速測定区間x1に照射する光を第1受光部193が受光している。
第2の実施形態では図12(d)のグラフのように、駆動液50の先端が中間流路182の流速測定区間x1の中間遮光板42により遮光されていない部分を通過するとともに第1受光部193の出力電圧Bが増加し、遮光区間x2を通過する間は出力電圧Bが一定になる。図12(d)の横軸は時間t(sec)、縦軸は第1受光部193の出力電圧B(V)である。
図12(a)の状態では駆動液50が流速測定区間x1に入る前であり、流速測定区間x1は空気だけである。中間流路182の流速測定区間x1の透過率は低く、このときの第1受光部193の出力電圧B(V)は図12(d)に示すようb1である。
図7で説明したように駆動液50が流速測定区間x1に入り駆動液50の面積が増すと、中間流路182の流速測定区間x1の透過率も高くなり第1受光部193の出力電圧B(V)も増す。
図12(b)のように駆動液50の先端が遮光区間x2に入ってくると流速測定区間x1を透過する光量は一定になり出力電圧B(V)も一定の電圧b3になる。
図12(c)のように中間流路182の流速測定区間x1が駆動液50で満たされると透過率が最も高くなり、このときの第1受光部193の出力電圧B(V)は図7(d)に示すようb4である。このように、時刻t3から時刻t4までの間に、出力電圧B(V)はb3−b1=ΔB2増加する。時刻t4から時刻t5までの間は、出力電圧B(V)はb3一定となり、時刻t5から時刻t6までの間に、出力電圧B(V)はb4−b3=ΔB3増加する。
したがって、第1受光部193の出力電圧B(V)を監視することにより、出力電圧B(V)が増加が終わる時刻t4と、出力電圧B(V)の増加が始まる時刻t5と、を求めて時間T2を算出することができる。
このように第2の実施形態では、出力電圧B(V)が増加が終わる時刻t4から出力電圧B(V)が一定の時間T2を求めるので、例えば時刻t3で出力電圧B(V)の増加が始まってからサンプリング周期を短くし測定の精度を高めることができる。
遮光区間x2の距離L2とすると流速Vは次の式(3)で求められる。なお、中間流路182の断面積Sは一定とする。
V=L2/T2・・・・・・・(3)
中間流路182の断面積Sは一定なので、流量Qは前述の式(2)で求められる。
Q=V×S・・・・・・・(2)
なお、本実施形態では中間流路182の流速を測定する例を説明したが、第1の実施形態と同様に配置の自由度が大きいので、マイクロチップ1やマイクロポンプ5の流速を測定することも容易である。
次に、図13を用いて第2の実施形態の流速測定ルーチンの手順を説明するフローチャートである。
以下、図13のフローチャートに沿って説明する。
中間流路182内の駆動液50の先端の位置は図12(a)より紙面左方向であり、CPU98が流速測定ルーチンをコールしてから、ポンプ駆動制御部412はポンプ駆動部500に指令し駆動液50を流速測定区間に向けて送液するものとする。
S300:光量の初期値を測定するステップである。
流速算出部410は、第1受光部193が受光している光量に応じた信号電圧B0(V)のデジタル値をRAM97に記憶する。
S301:光量を測定するステップである。
所定の時間後、流速算出部410は第1受光部193が受光している光量に応じた信号電圧Bn(V)のデジタル値をRAM97に記憶する。
S302:前回測定した光量より増加したか、否か、判定するステップである。
流速算出部410は、RAM97に記憶した最新の信号電圧Bnと前回の信号電圧Bn-1とを比較し、第1受光部193が受光している光量が増加したか、否か、を判定する。
第1受光部193が受光している光量が増加していない場合、(ステップS302;No)、ステップS301に戻る。
第1受光部193が受光している光量が増加した場合、(ステップS302;Yes)、ステップS303に進む。
S303:光量を測定するステップである。
所定の時間後、流速算出部410は第1受光部193が受光している光量に応じた信号電圧Bn(V)のデジタル値をRAM97に記憶する。
S304:前回測定した光量より増加したか、否か、判定するステップである。
流速算出部410は、RAM97に記憶した最新の信号電圧Bnと前回の信号電圧Bn-1とを比較し、第1受光部193が受光している光量が増加したか、否か、を判定する。
第1受光部193が受光している光量が増加している場合、(ステップS304;Yes)、ステップS303に戻る。
第1受光部193が受光している光量が増加していない場合、(ステップS304;No)、ステップS305に進む。
S305:時間を計測するカウンタをスタートするステップである。
流速算出部410は、時間を計測する内部カウンタを初期化し、カウントを開始する。
ステップS304で駆動液50の先端が遮光区間x2に入ったので、内部カウンタにより時間の計測を開始する。
S306:光量を測定するステップである。
所定の時間後、流速算出部410は第1受光部193が受光している光量に応じた信号電圧Bn(V)のデジタル値をRAM97に記憶する。
S307:前回測定した光量より増加したか、否か、判定するステップである。
流速算出部410は、RAM97に記憶した最新の信号電圧Bnと前回の信号電圧Bn-1とを比較し、第1受光部193が受光している光量が増加したか、否か、を判定する。
第1受光部193が受光している光量が増加していない場合、(ステップS307;No)、ステップS306に戻る。
第1受光部193が受光している光量が増加した場合、(ステップS307;Yes)、ステップS308に進む。
S308:時間を計測するカウンタを停止するステップである。
流速算出部410は、時間を計測する内部カウンタを停止する。
ステップS205で駆動液50の先端が遮光区間x2を通過したので、内部カウンタを停止する。
S309:流速を算出するステップである。
流速算出部410は、時間を計測する内部カウンタの値から流速を算出する。
以上でサブルーチンは終了し、メインルーチンに戻る。
なお、本実施形態では駆動液50の先端が遮光区間x2を通過するタイミングをソフトウェアで検出する例を説明したが、例えば第1受光部193の出力電圧を微分する微分回路を設けてタイミングを検出し、カウンター回路により時間を計測しても良い。
以上このように、本発明によれば、簡単な構成で流路の流速を測定することができる小型の検査装置を提供することができる。
本発明の実施形態における検査システム80の外観図である。 本発明の実施形態に係わるマイクロポンプユニット5の一例についての説明図である。 圧電素子112に供給する駆動電圧Eと流量Qの関係を示す説明図である。 本発明の実施形態に係わるマイクロチップ1の一例についての説明図である。 第1の実施形態の検査装置82の内部構成の一例を示す断面図である。 流路182の流速を測定する第1の実施形態の流速測定区間を説明する説明図である。 第1の実施形態の流速測定方法を説明するための説明図である。 マイクロチップ1側に第1発光部191と第1受光部193を設けた検査装置82の内部構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態における検査装置82の回路ブロック図である。 第1の実施形態の流速測定の手順を説明する流速測定ルーチンのフローチャートである。 中間流路部180に設けられた第1発光部191と第1受光部193の第2の実施形態を示す断面図である。 第2の実施形態の流速測定の原理を説明するための説明図である。 第2の実施形態の流速測定の手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 マイクロチップ
5 マイクロポンプユニット
42 中間遮光板
50 駆動液
80 検査システム
82 検査装置
83 挿入口
84 表示部
90 パッキン
91 駆動液タンク
110 駆動液注入部
111 検出部
150 光検出部
190 駆動液検知手段
191 第1発光部
193 第1受光部
195 液温調節ユニット
213 検体注入部
410 流速算出部
412 ポンプ駆動制御部
MP マイクロポンプ
x1 流速測定区間
x2 遮光区間

Claims (4)

  1. ポンプから液体をマイクロチップに注入し、該マイクロチップ内の試薬と検体とを反応させて反応結果を測定する検査装置において、
    前記液体が流れる流路の流速測定区間に該流路の流速測定区間と直交する方向から光を照射する発光部と、
    前記流路の流速測定区間を透過した前記光を受光して光量に応じた信号を発生する受光部と、
    前記信号に基づいて流速を算出する流速算出手段と、
    を有することを特徴とする検査装置。
  2. 前記流路の流速測定区間の中間部分を遮光する中間遮光手段を有し、
    前記流速算出手段は、
    前記液体が前記中間遮光手段により前記光が遮光されている遮光区間を通過する時間を前記信号から算出し、前記時間に基づいて流速を算出することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記流路の流速測定区間は、
    前記マイクロチップの一部であることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
  4. 前記流路の流速測定区間は、
    前記ポンプから前記マイクロチップに液体を注入するように前記ポンプと前記マイクロチップの間に設けられた中間流路の一部であることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
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