JP2009131877A - 連続鋳造用ガイドロールセグメント - Google Patents

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Abstract

【課題】同一の連続鋳造機で厚みの異なる鋳片を鋳造する際に、鋳片の上、下面をガイドロールでそれぞれ支持可能な連続鋳造用ガイドロールセグメントを提供する。
【解決手段】連続鋳造鋳型11で鋳造された鋳片12を鋳片12の厚み方向両側から円弧状に支持するガイドロール13、14を複数本ずつ分割して保持する連続鋳造用ガイドロールセグメント10において、円弧状に曲がった鋳片12の上、下面側を支持するガイドロール13、14をそれぞれ保持する上、下フレーム15、16と、上、下フレーム15、16間を連結し、上、下フレーム15、16の鋳片12の鋳造方向に対して左右の前後にそれぞれ設けられ、上フレーム15を下フレーム16に対して昇降する昇降手段17とを有し、上フレーム15は前後方向に少なくとも2分割された分割部20、21を備え、隣り合う分割部20、21は中折れ機構22を介して連結している。
【選択図】図2

Description

本発明は、連続鋳造鋳型で鋳造された鋳片を案内するガイドロールを保持する連続鋳造用ガイドロールセグメントに関し、詳細には、鋳片厚みの変更に伴って行うガイドロールのアライメント(芯出し)調整が可能な連続鋳造用ガイドロールセグメントに関する。
図7に示すように、連続鋳造機の鋳型で鋳造された鋳片81は、鋳片81の厚み方向両側がそれぞれ複数のガイドロール82、83で円弧状に支持されて鋳造される。ここで、鋳片81は、鋳片81の下面側を支持するガイドロール83で形成される基準円弧面84に沿って曲げられるように、鋳片81の上面をガイドするガイドロール82は、基準円弧面84と同心の円弧面(反基準円弧面ともいう)85を形成するようにガイドロール82の中心位置が調整されている(ガイドロール82の芯出しがなされている)。そして、上、下のガイドロール82、83は、隣接する複数本がそれぞれ上、下フレーム86、87に取付けられてガイドロールセグメント88を構成しており、ガイドロール82の中心位置の調整は、例えば特許文献1に記載されているように、ガイドロールセグメント88単位で行われる。また、連続鋳造鋳型を交換して同一の連続鋳造機で厚みの異なる鋳片を製造する場合は、各ガイドロールセグメント88の一体となったガイドロール82と上フレーム86を移動させることにより上、下の対向するガイドロール82、83の間隔を調整している。
特開平9−225608号公報
ここで、各ガイドロールセグメント88では、例えば、厚みがDの鋳片81に対応して、基準円弧面84の半径がR、反基準円弧面85の半径がR−Dとなるようにガイドロール83、82はボルト等で上、下フレーム86、87にそれぞれ固定されている。このため、厚みがDより薄いDの鋳片を鋳造しようとして、図7に示すように、ガイドロールセグメント88の中央のガイドロール82が厚みDの鋳片の上面に当接するように上フレーム86を移動した場合、ガイドロールセグメント88内のガイドロール82で実際に形成される反基準円弧面89と、基準円弧面84に対して厚みがDの鋳片の上面が形成する円弧面90(すなわち、半径がR−Dの円弧面)とは厳密には一致せず、ガイドロールセグメント88の両端部のガイドロール82は厚みがDの鋳片の上表面(円弧面90)からδだけ浮き上がった状態になる。その結果、各ガイドロールセグメント88のガイドロール82でそれぞれ形成される反基準円弧面89同士は不連続に連結して、厚みがDの鋳片の上表面は一様に支持されなくなる。
例えば、ガイドロールセグメント88で、両端部(鋳造方向の先端部と後端部)のガイドロール83の基準円弧面84に沿った中心間距離Lが1700mm、基準円弧面84の半径Rが7500mm、鋳片厚みDが300mmとしてガイドロール82が芯出し調整されている場合、厚みが250mmの鋳片を鋳造するため各ガイドロール82の中心位置を変更すると、浮き上がり量δは0.32mmとなる。ここで、0.32mmという浮き上がり量δは、ガイドロールセグメント88で各ガイドロール82、83が理想的に芯出しされている状態で発生するもので、各ガイドロール82、83に芯出しの誤差が存在すれば、浮き上がり量δは増大する。そして、浮き上がり量δが増大すると、鋳片の保持状態が不適切になり、場合によっては鋳片の内部割れ(内部疵)等の発生につながり、製品欠陥若しくは品質低下となるという問題が生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、同一の連続鋳造機で2種類以上の厚みの鋳片を鋳造する場合に、隣接するガイドロールセグメント間で各々のガイドロールセグメント内のガイドロールで形成される円弧面が不連続とならないように、鋳片の上、下面をガイドロールでそれぞれ支持することが可能な連続鋳造用のガイドロールセグメントを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントは、連続鋳造鋳型で鋳造された鋳片を該鋳片の厚み方向両側から円弧状に支持するガイドロールを複数本ずつ分割して保持する連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、
円弧状に曲がった前記鋳片の上、下面側を支持する前記ガイドロールをそれぞれ保持する上、下フレームと、
前記上、下フレーム間を連結し、該上、下フレームの前記鋳片の鋳造方向に対して左右の前後にそれぞれ設けられ、該上フレームを該下フレームに対して昇降する昇降手段とを有し、
前記上フレームは前後方向に少なくとも2分割された分割部を備え、隣り合う該分割部は中折れ機構を介して連結している。
本発明に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記昇降手段の上部側は前記上フレームにピン接続されていることが好ましい。
本発明に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記中折れ機構は、隣り合う前記分割部同士を回動可能に接続する連結ピンと、隣り合う該分割部の上部にそれぞれ取付けピンを介して取付けられ該分割部を該連結ピンの回りに回動する回動手段とを有する構成とすることができる。
本発明に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記上フレームは前後方向に2分割され、前記中折れ機構は、前記分割部同士を回動可能に接続する連結ピンと、該連結ピンの(軸方向)両側にそれぞれ取付けられて該連結ピンを昇降させて該分割部を該連結ピンの回りに回動する昇降駆動手段とを有する構成とすることができる。
また、前記上フレームは前後方向に2分割され、前記中折れ機構は、前記分割部同士を回動可能に接続する連結ピンと、該分割部の左右の両外側にそれぞれ取付けられて該分割部を昇降させて該分割部を該連結ピンの回りに回動する昇降駆動手段とを有する構成とすることもできる。
本発明に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記上フレームの前後の左右両側と前記下フレームの前後の左右両側のそれぞれの間には、該上、下フレームに基側がそれぞれ固定され、先側で該上、下フレームの高さ方向の位置決めを行うスペーサを挟んで保持する上、下スペーサ保持部材が設けられ、該スペーサの一面側には前記分割部の傾斜角度に等しい角度の傾斜面を形成することができる。
また、前記上フレームの前後の左右両側と前記下フレームの前後の左右両側のそれぞれの間には、該上、下フレームに基側がそれぞれ固定され、先側で該上、下フレームの高さ方向の位置決めを行うスペーサを挟んで保持する上、下スペーサ保持部材が設けられ、該上、下スペーサ保持部材のいずれか一方又は双方は球面座を介して該スペーサに当接するようにしてもよい。
請求項1〜7記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいては、円弧状に曲がった鋳片の上面側を支持するガイドロールを保持する上フレームは前後方向に分割された複数の分割部を備え、隣り合う分割部は中折れ機構を介して連結しているので、隣り合う分割部同士を中折れ(屈折)させて、極力理想に近く、すなわち、円弧状に曲がった鋳片の上側面と隣接するガイドロールセグメンの各上フレームのガイドロールで形成される円弧面の形状が極力一致して、各上フレームの両端部のガイドロールに生じる鋳片の上表面からの浮き上がり量δが小さくなるように、オンラインで微調整が可能で、鋳片の内部割れ等の発生を防止して製品欠陥若しくは品質低下を防止できる。特に、円弧状に曲げる際の円弧半径が小さな連続鋳造機においては、製品欠陥率若しくは品質低下率を大幅に低減できる。また、ガイドロールセグメントの整備作業においても従来と同様なガイドロール芯出し精度で対応できる。
特に、請求項2記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいては、昇降手段の上部側と上フレームがピン接続されているので、昇降手段の上部側と上フレームが接続した状態で、分割部同士の中折れが可能になる。
請求項3〜5記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいては、隣り合う分割部同士が連結ピンで接続されているので、分割部同士の中折れが更に容易にできる。
請求項6記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいては、スペーサを交換して上、下フレームの位置決めを行った際に、上フレームの隣り合う分割部間が中折れして下スペーサ保持部材の軸心に対して上スペーサ保持部材の軸心が傾斜しても、スペーサの一面側には分割部の傾斜角度に等しい角度の傾斜面が形成されているので、上スペーサ保持部材の当て面とスペーサの上側当て面、スペーサの下側当て面と下スペーサ保持部材の当て面はそれぞれ当接することができ、上、下スペーサ保持部材及びスペーサの各当て面に損傷が生じるのを防止することができる。
請求項7記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいては、スペーサを交換して上、下フレームの位置決めを行った際に、上フレームの隣り合う分割部間が中折れして下スペーサ保持部材の軸心に対して上スペーサ保持部材の軸心が傾斜しても、上、下スペーサ保持部材のいずれか一方又は双方は球面座を介してスペーサに当接するので、スペーサを常に上、下スペーサ保持部材で安定して保持することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントを使用した連続鋳造機の説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ同連続鋳造用ガイドロールセグメントの説明図、部分平面図、図3(A)、(B)はそれぞれ同連続鋳造用ガイドロールセグメントの作用の説明図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントの説明図、図5は同連続鋳造用ガイドロールセグメントの部分平面図、図6(A)、(B)は変形例に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントの説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメント10は、連続鋳造鋳型11で鋳造された厚みがDの鋳片12を、鋳片12の厚み方向両側からそれぞれ支持して円弧状に曲げて鋳片12の鋳造方向を変えるガイドロール13、14を複数本ずつに分割して保持している。そして、図2に示すように、連続鋳造用ガイドロールセグメント10は、円弧状に曲がった鋳片12の上、下面側を支持するガイドロール13、14をそれぞれ保持する上、下フレーム15、16と、上、下フレーム15、16間を連結し、上、下フレーム15、16の鋳片12の鋳造方向に対して左右の前後にそれぞれ設けられ、上フレーム15を下フレーム16に対して昇降する昇降手段17とを有している。なお、図1で符号19はガイドロール13、14で構成されたサポートロールセグメントである。以下詳細に説明する。
図2(A)、(B)に示すように、上フレーム15、は前後方向に2分割された分割部20、21(分割部20が後側、分割部21が前側)を備え、分割部20、21は中折れ機構22を介して連結している。ここで、中折れ機構22は、分割部20、21の対向側にそれぞれ設けた連結部を貫通して分割部20、21同士を回動可能に接続する連結ピン23と、隣り合う分割部20、21の上面にそれぞれ設けた取付け部24、25に取付けピン26を介して両端側が取付けられて、取付け部24、25間の距離を微小距離(例えば、上フレーム15の長さの0.002〜0.100%)だけ伸縮させることで分割部20、21を連結ピン23の回りに回動する回動手段の一例である流体圧シリンダ27とを有している。
そして、下フレーム16は、下フレーム16に直交して(左右方向に)配置された取付け台28を介して下フレーム16の前後の両側下部が連続鋳造機の架台に設けたガイドロールセグメント取付け部29に固定され、ガイドロール14は下フレーム16の上面側にロール取付け台30を介して、ガイドロール14で形成される円弧面(すなわち基準円弧面)31の半径がRとなるように軸心が位置決めされて(芯出しされて)回転可能に取付けられている。一方、ガイドロール13は分割部20、21の下面側にロール取付け台32を介して、ガイドロール13で形成される円弧面(すなわち反基準円弧面)33の半径がR−Dとなるように軸心が位置決めされて(芯出しされて)回転可能に取付けられている。
昇降手段17は、下フレーム16の前後の両側をガイドロールセグメント取付け部29に固定している取付け台28の左右方向の両側にそれぞれ載置されて固定された昇降駆動部34と、昇降駆動部34に連結して昇降するロッド部材35とを有している。そして、ロッド部材35の上部側は、分割部20、21の左右方向の両側に設けられた連結ロッド部材36の先側(下部)と接続ピン37を介して接続している。ここで、連結ロッド部材36の基側は、分割部20、21の上面側にそれぞれ固定された流体圧シリンダ38のピストンロッド(図示せず)と連結している。
更に、上フレーム15の前後の左右両側(分割部20の後部の左右両側及び分割部21の前部の左右両側)と下フレーム16の前後の左右両側のそれぞれの間には、上、下フレーム15、16に基側がそれぞれ固定され、先側で上、下フレーム15、16の高さ方向の位置決め(上、下フレーム15、16間の隙間調整)を行うスペーサ39を挟んで保持する上、下スペーサ保持部材40、41が設けられている。そして、スペーサ39の一面側(例えば、上面側)には分割部20、21の傾斜角度に等しい角度の傾斜面が形成されている。なお、図2(A)では、鋳片12厚みがDの場合に上、下フレーム15、16が平行になるようにガイドロール13の芯出しが行われているので、スペーサ39の一面側に形成される傾斜面の傾斜角度は0度となっている。
以上のような構成とすることにより、流体圧シリンダ38の作動流体の圧力を一定値に保持することで、上フレーム15(分割部20、21)を下フレーム16側に常時押圧することができ、スペーサ39により位置決めされた上、下フレーム15、16の高さ方向の位置決めが保持される。そして、例えば、鋳片12の表面に異物が付着して鋳片厚みが急増した場合には、上フレーム15に加わる上向きの力が流体圧シリンダ38の作動流体の圧力に優ることになって、上フレーム15が上昇しガイドロール13、14が損傷するのが防止できる。
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメント10の作用について説明する。
鋳片12の厚みがDからD(D<Dとする)に変化するのに伴って、図3(A)に示すように、先ず、昇降手段17を操作して上、下フレーム15、16間の間隔を拡大してスペーサ39を取外し、ガイドロール13で形成される反基準円弧面33の半径がR−DからR−Dに変更されたときの上、下フレーム15、16間の間隔に対応したスペーサ42に交換する。次いで、昇降手段17を再度操作して、上フレーム15の中央のガイドロール13が厚みDの鋳片の上面に当接するように上フレーム15の位置決めを行う。このとき、上フレーム15の中央のガイドロール13が厚みDの鋳片の上面に当接した際に上フレーム15の前後方向両端側のガイドロール13が厚みDの鋳片の上表面から浮き上がる浮き上がり量δを予め算出しておき、浮き上がり量δが消失するように中折れ機構22を同時に操作して分割部20、21を中折れさせる。これによって、厚みDの鋳片の上面側をガイドロール13で一様に支持することができる。
ここで、図3(A)に示すように、スペーサ42の一面側(例えば、上面側)には分割部20、21の中折れに伴う傾斜角度αに等しい角度の傾斜面42aが予め形成されている。このため、上フレーム15を中折れさせた状態で移動させてスペーサ42を上、下スペーサ保持部材40、41で挟んだ際に、図3(B)に示すように、上スペーサ保持部材40の当て面とスペーサ42の上側当て面(傾斜面42a)、スペーサ42の下側当て面と下スペーサ保持部材41の当て面をそれぞれ当接させることができ、上、下スペーサ保持部材40、41及びスペーサ42の各当て面に損傷が生じるのを防止できる。
なお、鋳片12の厚みがDより厚いDに変化する場合も同様の方法でガイドロールセグメント10の調整ができるが、上フレーム15の中折れの方向は逆になる。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメント43について説明する。図4に示すように、第2の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメント43は第1の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメント10と比較して、上フレーム44が前後方向に3分割された分割部45、46、47(分割部46を中央にして、後側が分割部45、前側が分割部47)を備え、隣り合う分割部45、46、47同士が中折れ機構48を介して連結していることが特徴となっている。このため、中折れ機構48について説明し、連続鋳造用ガイドロールセグメント10と同一の構成部材には同一の符号を付して説明は省略する。
図5に示すように、中折れ機構48は、分割部45、46同士を回動可能に接続すると共に、分割部46、47同士を回動可能に接続する連結ピン49と、分割部45、46の上部にそれぞれ設けた取付け部50、51に取付けピン52、52aを介して両側が取付けられて、取付け部50、51間の距離を微小距離(例えば、上フレーム44の長さの0.001〜0.050%)だけ伸縮させることで分割部45を分割部46に対して回動する回動手段の一例である流体圧シリンダ53と、一側が取付けピン52aを介して取付け部51に取付けられ、他側が分割部47の上部に設けた取付け部54に取付けピン52bを介して取付けられて、取付け部51、54間の距離を微小距離(例えば、上フレーム44の長さの0.001〜0.050%)だけ伸縮させることで分割部47を分割部46に対して回動する回動手段の一例である流体圧シリンダ55とを有している。なお、連結ピン49の軸方向両側は、分割部46の左右方向両側に設けられたピン支持部56で支持されている。
このような構成とすることにより、分割部46に対して分割部45、47の回動を独立に行うことができる。このため、連続鋳造用ガイドロールセグメント43で各ガイドロール13、14に芯出しの誤差が存在して鋳片12の厚みがDからDに変化するのに伴って上フレーム44の位置決めを行った際に上フレーム44の前後方向両端側のガイドロール13が厚みDの鋳片の上表面から浮き上がる浮き上がり量に差が生じても、分割部45、47の分割部46に対する回動角度をそれぞれ調整して、厚みDの鋳片の上面側をガイドロール13で一様に支持することができる。
なお、第2の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメント43の作用は、第1の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメント10の作用と同一なので説明は省略する。
本発明の第2の実施の形態の連続鋳造用ガイドロールセグメント43の変形例に係る連続鋳造用ガイドロールセグメント57について説明する。図6(A)、(B)に示すように、連続鋳造用ガイドロールセグメント57は、上フレーム58が前後方向に3分割された分割部59、60、61(分割部60を中央にして、後側が分割部59、前側が分割部61)を備え、隣り合う分割部59、60、61同士を連結している中折れ機構62の構成が、連続鋳造用ガイドロールセグメント43の中折れ機構48と異なっている。このため、中折れ機構62について説明する。
中折れ機構62は、分割部59、60の左右方向両側をそれぞれ回動可能に接続する連結ピン63と、分割部60、61の左右方向両側をそれぞれ回動可能に接続する連結ピン64と、分割部59、60の上部にそれぞれ設けた取付け部65、66に取付けピン67、68を介して両側が取付けられて、取付け部65、66間の距離を微小距離(例えば、上フレーム58の長さの0.001〜0.050%)だけ伸縮させることで分割部59を分割部60に対して回動する回動手段の一例である流体圧シリンダ69と、分割部60、61の上部にそれぞれ設けた取付け部70、71に取付けピン72、73を介して両側が取付けられて、取付け部70、71間の距離を微小距離(例えば、上フレーム58の長さの0.001〜0.050%)だけ伸縮させることで分割部61を分割部60に対して回動する回動手段の一例である流体圧シリンダ74とを有している。なお、連結ピン63の両側は、分割部60の後側部に形成されたピン支持部75で支持され、連結ピン64の両側は、分割部60の前側部に形成されたピン支持部76で支持されている。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、スペーサの一面側に分割部の中折れに伴う傾斜角度に等しい角度の傾斜面を予め形成しておく代りに、上、下スペーサ保持部材のいずれか一方又は双方の先部に球面座を設け、球面座を介してスペーサに当接するようにしてもよい。
また、上フレームを前後方向に2分割とし、中折れ機構を、分割部同士を回動可能に接続する連結ピンと、連結ピンの軸方向両側にそれぞれ取付けられて連結ピンを昇降させて分割部を連結ピンの回りに回動する昇降駆動手段とを有する構成とすることができる。更に、上フレームを前後方向に2分割とし、中折れ機構を、分割部同士を回動可能に接続する連結ピンと、分割部の左右の両外側にそれぞれ取付けて分割部を昇降させ分割部を連結ピンの回りに回動する昇降駆動手段とを有する構成とすることもできる。
本発明の第1の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントを使用した連続鋳造機の説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ同連続鋳造用ガイドロールセグメントの説明図、部分平面図である。 (A)、(B)は同連続鋳造用ガイドロールセグメントの作用の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントの説明図である。 同連続鋳造用ガイドロールセグメントの部分平面図である。 (A)、(B)は変形例に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントの説明図である。 従来例に係る連続鋳造用ガイドロールセグメントの説明図である。
符号の説明
10:連続鋳造用ガイドロールセグメント、11:連続鋳造鋳型、12:鋳片、13、14:ガイドロール、15:上フレーム、16:下フレーム、17:昇降手段、19:サポートロールセグメント、20、21:分割部、22:中折れ機構、23:連結ピン、24、25:取付け部、26:取付けピン、27:流体圧シリンダ、28:取付け台、29:ガイドロールセグメント取付け部、30:ロール取付け台、31:円弧面、32:ロール取付け台、33:円弧面、34:昇降駆動部、35:ロッド部材、36:連結ロッド部材、37:接続ピン、38:流体圧シリンダ、39:スペーサ、40:上スペーサ保持部材、41:下スペーサ保持部材、42:スペーサ、42a:傾斜面、43:連続鋳造用ガイドロールセグメント、44:上フレーム、45、46、47:分割部、48:中折れ機構、49:連結ピン、50、51:取付け部、52、52a、52b:取付けピン、53:流体圧シリンダ、54:取付け部、55:流体圧シリンダ、56:ピン支持部、57:連続鋳造用ガイドロールセグメント、58:上フレーム、59、60、61:分割部、62:中折れ機構、63:連結ピン、64:連結ピン、65、66:取付け部、67、68:取付けピン、69:流体圧シリンダ、70、71:取付け部、72、73:取付けピン、74:流体圧シリンダ、75、76:ピン支持部

Claims (7)

  1. 連続鋳造鋳型で鋳造された鋳片を該鋳片の厚み方向両側から円弧状に支持するガイドロールを複数本ずつ分割して保持する連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、
    円弧状に曲がった前記鋳片の上、下面側を支持する前記ガイドロールをそれぞれ保持する上、下フレームと、
    前記上、下フレーム間を連結し、該上、下フレームの前記鋳片の鋳造方向に対して左右の前後にそれぞれ設けられ、該上フレームを該下フレームに対して昇降する昇降手段とを有し、
    前記上フレームは前後方向に少なくとも2分割された分割部を備え、隣り合う該分割部は中折れ機構を介して連結していることを特徴とする連続鋳造用ガイドロールセグメント。
  2. 請求項1記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記昇降手段の上部側は前記上フレームにピン接続されていることを特徴とする連続鋳造用ガイドロールセグメント。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記中折れ機構は、隣り合う前記分割部同士を回動可能に接続する連結ピンと、隣り合う該分割部の上部にそれぞれ取付けピンを介して取付けられ該分割部を該連結ピンの回りに回動する回動手段とを有していることを特徴とする連続鋳造用ガイドロールセグメント。
  4. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記上フレームは前後方向に2分割され、前記中折れ機構は、前記分割部同士を回動可能に接続する連結ピンと、該連結ピンの両側にそれぞれ取付けられて該連結ピンを昇降させて該分割部を該連結ピンの回りに回動する昇降駆動手段とを有していることを特徴とする連続鋳造用ガイドロールセグメント。
  5. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記上フレームは前後方向に2分割され、前記中折れ機構は、前記分割部同士を回動可能に接続する連結ピンと、該分割部の左右の両外側にそれぞれ取付けられて該分割部を昇降させて該分割部を該連結ピンの回りに回動する昇降駆動手段とを有していることを特徴とする連続鋳造用ガイドロールセグメント。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記上フレームの前後の左右両側と前記下フレームの前後の左右両側のそれぞれの間には、該上、下フレームに基側がそれぞれ固定され、先側で該上、下フレームの高さ方向の位置決めを行うスペーサを挟んで保持する上、下スペーサ保持部材が設けられ、該スペーサの一面側には前記分割部の傾斜角度に等しい角度の傾斜面が形成されていることを特徴とする連続鋳造用ガイドロールセグメント。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の連続鋳造用ガイドロールセグメントにおいて、前記上フレームの前後の左右両側と前記下フレームの前後の左右両側のそれぞれの間には、該上、下フレームに基側がそれぞれ固定され、先側で該上、下フレームの高さ方向の位置決めを行うスペーサを挟んで保持する上、下スペーサ保持部材が設けられ、該上、下スペーサ保持部材のいずれか一方又は双方は球面座を介して該スペーサに当接することを特徴とする連続鋳造用ガイドロールセグメント。
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