JP2009131126A - 電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用頻度の高い標準入力電流以下での高効率性と高力率で最大電力の確保とを両立すること。
【解決手段】インダクタンス値が大きいが標準電流以上では飽和するリアクタとインダクタンス値が小さいが最大電流でも飽和しないリアクタを直列接続し、半導体スイッチとで交流電源を短絡し開放できるように構成し、電流が少ないときには、大きいインダクタンスによるインピーダンスで高調波電流を低減して直流側に接続された負荷を駆動し、電流が多い時には、半導体スイッチと小さいインダクタンスで電源電流が正弦波状になるように制御して直流側に接続された負荷を駆動する。
【選択図】図1
【解決手段】インダクタンス値が大きいが標準電流以上では飽和するリアクタとインダクタンス値が小さいが最大電流でも飽和しないリアクタを直列接続し、半導体スイッチとで交流電源を短絡し開放できるように構成し、電流が少ないときには、大きいインダクタンスによるインピーダンスで高調波電流を低減して直流側に接続された負荷を駆動し、電流が多い時には、半導体スイッチと小さいインダクタンスで電源電流が正弦波状になるように制御して直流側に接続された負荷を駆動する。
【選択図】図1
Description
本発明は標準入力電力と最大電力との間にへだたりがあり、使用頻度の高い標準入力電力およびそれ以下の電力での使用状態における高効率性が求められる機器に電力を供給し、かつ交流電源より流入する電流の高調波を抑制しながら高力率を維持する電源装置に関するものである。具体的にこのような機器として、空気調和装置、冷暖房装置、冷蔵庫、ヒートポンプ給湯機などがある。
空気調和装置や冷蔵庫などでの主たる電力は、冷凍サイクルにおける動力注入部品である電動圧縮機の駆動に用いられる。システムの負荷は運転モードや環境温度などにより変化するため、インバータ回路を用いて電動圧縮機の電動機を可変速駆動することにより、常に高効率な駆動を実現している。
インバータ回路は直流を任意の周波数と任意の電圧の擬似交流に変換する回路である。したがって、家庭などでインバータ回路を用いるには、交流電源を一旦直流に変換して用いる必要がある。
ところが、交流電源を整流して平滑して直流電源を構成すると、交流電源の瞬時電圧の高い期間のときだけ交流電源から電流が流れ込む。このため、電源電流に大きな高調波成分が含まれ、また、電源力率も悪化するので、直流出力の最大値を大きくとることが困難になる。
これを緩和するために、整流回路の交流側もしくは直流側にリアクタを挿入し、電源電流波形を回線する方法がとられてきた。
しかしながら、リアクタで電源高調波を改善するには、大きなインダクタンスが必要となり、結果として、大型で重量も重い大きなリアクタが必要となり、電源装置が非常に大型化するという課題を有している。
さらに、大きなインダクタンスに大きな電流を流すと電圧降下も大きくなり、直流電圧が低下しまって、直流側負荷に接続された機器で所望の動作をすることが難しくなるという課題も有している。
この課題を解決するために、小容量のリアクタと半導体スイッチを設け、半導体スイッチとリアクタとで交流側電源を一旦短絡し、開放時にリアクタに蓄積された電流を負荷側に伝送することにより、交流電源側の高調波を改善し、かつ電源力率も高くする、昇圧コンバータによる方法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図7は特許文献1に開示される従来のAC/DC変換回路を示した図である。図7において、交流電源の端子U、Vから、U側はリアクタ34を経由してトランジスタ36、38とダイオード10、12で構成されるハーフブリッジ回路に入力され、V側はダイオード14、16のブリッジに入力され、2つのブリッジの共通点から直流を取り出して負荷30へ電力を供給する。
U相電位がV相電位よりも高いときには、トランジスタ38のみをON/OFFする。U相電位がV相電位よりも低いときには、トランジスタ36のみをON/OFFする。
それぞれトランジスタをONすると、リアクタ34を介して交流電源を短絡することになり、短絡期間中は流れる電流が増加していくトランジスタをOFFすると、リアクタを流れていた電流は、逆側のトランジスタに並列接続されたダイオードを経由して直流負荷側に電流が流れ込む。
このようにして、交流電圧の低い期間でも、短絡を利用して電流を流せるので、交流電源から流れ出す電流の高調波を減少させることができる。
特開平01−117658号公報
前記従来の構成では、昇圧コンバータの場合、回路の主な損失は、高周波で半導体スイッチをオン/オフすることによる半導体スイッチング損失と、半導体スイッチの導通損失、リアクタの巻き線抵抗による損失と、リアクタのコアの損失である。特にリアクタのコアの損失は、半導体スイッチをオン/オフすると流れる電流が鋭角的に変化し、高周波成分を多く含むので、多くの損失を生じる。
ところが、空気調和装置等の実際の運転状況は、立ち上がり時などで空調する部屋の温度をすばやく所望の温度にする必要がある期間などを除けば、標準的な負荷以下の期間が大半である。
この昇圧コンバータを用いて空気調和装置を効率よく駆動するには、標準的な負荷以下の期間での損失を少なくすることが特に重要である。
昇圧コンバータにおいて、標準的な負荷以下の場合、半導体のスイッチング損失と導通損失とリアクタのコアの損失が主体となる。このため、標準的な負荷以下では、半導体スイッチを用いない方式と比べると、損失は増加してしまうという課題を有している。
また、最大電流での動作では、電流が大きいため、リアクタの巻き線損失、コアの損失が増加する。このため、最大電流での動作を確保し、かつ標準入力以下での損失を少なくするにはコアを大型化する必要があった。
本発明は、交流電源を直流に変換して負荷である機器を駆動する電源装置において、入力電流を略正弦波状に駆動して高力率、低高調波を実現する電源装置における、前記従来の課題を解決するもので、標準的に使用される負荷電力に比べて、最大電力が大きく設定される機器に対して、標準的に使用される負荷電力時における回路の効率を改善することができ、かつ小型化できる電源装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電源装置は、交流電源をリアクタを介してスイッチング素子にて短絡する経路を有し、前記短絡経路を短絡、開放することにより昇圧動作をさせながら、入力電流を略正弦波状に駆動して高力率、低高調波を実現する電源装置であって、標準使用する入力電力が最大電力に比べて十分小さい機器へ電力供給する電源装置において、前記リアクタを2種類のリアクタの直列接続で構成したものである。
これによって、標準入力電力以下においては、2つのリアクタのインダクタンスの和により、半導体損失やコアの損失が少ないあるいは無い状態で高調波電流を少なくすることができ、最大入力電力では、片方のリアクタのインダクタンスにより、半導体スイッチとで昇圧動作による高力率、低高調波電流を実現して、最大出力電力を確保することができる。
本発明の電源装置によれば、運転時間が長い標準入力電力以下での高効率と、最大入力電力とを両立させることができる。
第1の発明は、交流電源をリアクタを介してスイッチング素子にて短絡する経路を有し、前記短絡経路を短絡、開放することにより昇圧動作をさせながら、入力電流を略正弦波状に駆動して高力率、低高調波を実現する電源装置であって、標準使用する入力電力が最大電力に比べて十分小さい機器へ電力供給する電源装置において、前記リアクタを2種類のリアクタの直列接続で構成することにより、2種類のリアクタのインダクタンス飽和特性の差異を用いて、広い入力電力幅に応じて、損失を少なくすることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、2種類のリアクタの飽和電流容量値を概ね機器の標準使用時の入力電流以下とした第一のリアクタと、概ね機器の最大入力電流以上とした第二のリアクタとで構成するものである。これにより、使用頻度の高い標準使用時の入力電流以下での高効率駆動と最大電流における高力率出力動作を両立することができる。
第3の発明は、第2の発明において、2種類のリアクタのうち、第二のリアクタを高飽和磁束密度の材料で構成するものである。これにより、第二のリアクタを小型化することができる。
第4の発明は、第2または第3の発明において、第一のリアクタを高周波損失の少ないコア材料で構成するものである。これにより、第一のリアクタにおけるコアの低損失化がはかれ、使用頻度の高い標準入力以下での効率を向上させることができる。
第5の発明は、第2〜4のいずれか1つの発明において、第一のリアクタを高温時に損失が少ないコア材料で構成するものである。これにより、標準入力以下でも第一のリアクタの温度が比較的高く保たれるので、第一のリアクタのコアの低損失化が維持され、使用頻度の高い標準入力以下での効率を向上させることができる。
第6の発明は、第4または第5の発明において、第一のリアクタのインダクタンスを第二のリアクタのインダクタンスよりも大きく設定するものである。これにより、使用頻度の高い標準入力以下での状態における第一のリアクタでの電力分担が大きくなり、効率を向上させることができる。
第7の発明は、第2〜6のいずれか1つの発明において、半導体スイッチのON/OFFの動作周期を、標準入力を超える入力電流での運転時での動作周期を異なるものとするものである。これにより、使用頻度の高い標準入力以下での効率を向上と、小型の部品で最大入力を実現することができ、また、第一のリアクタと第二のリアクタの損失やサイズのバランスを機器に応じた最適化ができる。
第8の発明は、第2〜7のいずれか1つの発明において、標準入力を下回る小入力運転時に、半導体スイッチをON/OFFさせても、交流電源からの流入電流の高調波が規制値以下になるように、前記2つのリアクタの合成インダクタンスを設定するものである。これにより、使用頻度の高い小入力運転時における半導体駆動損失がなくなるので、効率の向上が図れる。
第9の発明は、第1〜8のいずれか1つの発明において、コアの形状を略円環状にする
ものである。これにより、コア内部の磁束が均等にかつ高密度に分布するようになるので、小型で大きなインダクタンスを実現できる。
ものである。これにより、コア内部の磁束が均等にかつ高密度に分布するようになるので、小型で大きなインダクタンスを実現できる。
第10の発明は、飽和しやすい材料と飽和しにくい材料との2種類の材料を用いたコアの組合せに1種類の巻き線によるリアクタを構成し、標準入力電流以下ではどちらのコア材料も飽和せず、標準入力電流以上では、片方のコア材料のみが飽和するように構成するものである。これにより、使用頻度の高い標準使用時の入力電流以下での高効率駆動と最大電流における高力率出力動作を両立することができる。
第11の発明は、第10の発明において、2種類のコアにより構成されるリアクタで概ね機器の標準使用時の入力電流以下で飽和する第一のコアと、概ね機器の最大入力電流以上で飽和する第二のコアとで構成するものである。これにより、使用頻度の高い標準使用時の入力電流以下での高効率駆動と最大電流における高力率出力動作を両立することができる。
第12の発明は、第11の発明において、第二のコアを磁気飽和しにくいコア材料で構成するものである。これにより、第二のコア部分を小型化することができる。
第13の発明は、第11または第12の発明において、第一のコアを高周波損失の少ないコア材料で構成するものである。これにより、第一のコアにおける低損失化がはかれ、使用頻度の高い標準入力以下での効率を向上させることができる。
第14の発明は、第11〜13のいずれか1つの発明において、第一のコアを高温時に損失が少ないコア材料で構成するものである。これにより、標準入力以下でも第一のコアの温度が比較的高く保たれるので、第一のコアの損失が低減され、使用頻度の高い標準入力以下での効率を向上させることができる。
第15の発明は、第13または第14の発明において、前記第一のコアにより実現できるインダクタンスを前記第二のコアで実現できるインダクタンスよりも大きく設定するものである。これにより、使用頻度の高い標準入力以下での状態における第一のコアでの電力分担が大きくなり、効率を向上させることができる。
第16の発明は、第11〜15のいずれか1つの発明において、機器の標準入力電流以下での運転時における短絡と開放の動作周期と、標準入力を超える入力電流での運転時での動作周期を異なるものとするものである。これにより、使用頻度の高い標準入力以下での効率を向上と、小型の部品で最大入力を実現することができ、また、第一のコアと第二のコアの損失やサイズのバランスを機器に応じた最適化ができる。
第17の発明は、第11〜16のいずれか1つの発明において、機器の標準入力を下回る小入力運転時に、前記短絡と開放を繰り返す動作を休止しても、交流電源からの流入電流の高調波が規制値以下になるように、リアクタのインダクタンスを設定するものである。これにより、使用頻度の高い小入力運転時における半導体駆動損失がなくなるので、効率の向上が図れる。
第18の発明は、第10〜17のいずれか1つの発明において、コアの形状を略円環状にするものである。これにより、コア内部の磁束が均等にかつ高密度に分布するようになるので、小型で大きなインダクタンスを実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態による電源装置の回路ブロック図を示すものである。
図1は、本発明の第1の実施の形態による電源装置の回路ブロック図を示すものである。
図1において、交流電源102を第一のリアクタ101a、第二のリアクタ101bおよび半導体スイッチ103で短絡する経路を設ける。さらに、交流電源2から2つのリアクタ101a、101bを経由して、ダイオードブリッジ107a、107b、107c、107dにより整流し、直流負荷8を駆動するように構成する。
この電源装置における制御は制御手段105を用いて、半導体スイッチ103の短絡と開放を繰り返すことにより実現する。具体的には、交流電圧検出手段104から得た交流電圧波形と電流検出手段106で得られた交流電流波形が相似形になるように、半導体スイッチ103の短絡時間比率を制御する。
さらに、出力電圧検出手段109で得られた出力電圧が負荷に応じて適正な電圧となるように、交流電流波形の振幅を調整する。
このように半導体スイッチ103を駆動制御することにより、交流電源102から流入する電流は正弦波状になり、高力率で電源高調波電流を含まない電源装置を構成することができる。
なお、リアクタ101a、101bは直列接続されており、それぞれのインダクタンスの和の値を有する1つのリアクタとして動作できることはいうまでもない。
また、半導体スイッチ103の具体構成例は図2に示すように、2つのIGBTトランジスタ141a、141bとダイオード142a、142bの組合せで実現できる。
さらに、これ以外の回路素子の組合せによっても実現できることは明白であり、半導体スイッチ103の構成は図2に示す回路に限定されることはない。
図3は図1における2つのリアクタの電流−インダクタンス特性を示す図である。電流が少ない領域では、第一のリアクタのインダクタンスは大きく、第二のリアクタのインダクタンスは小さい値となっている。電流が増加すると、第一のリアクタは急激に飽和してインダクタンスが非常に小さくなり、第二のリアクタはあまり飽和せず、ある程度のインダクタンスを保持する特性とする。
このため、2つのリアクタを直列接続すると、標準入力電流以下の動作点では、大きなインダクタンスとなり、最大入力電流に近づくと小さなインダクタンスとなる。このような特性をもつリアクタを図1の回路に使用すると、入力電流が小さい時にはインダクタンスが大きく、半導体スイッチ3を制御しなくても電流の高調波成分を少なくすることができる。
高調波電流を所望の値以下に制御する必要があるとしても、半導体スイッチ103を頻繁に短絡と開放を行う必要がない。このため、半導体スイッチ103の駆動に関連する損失を非常に少なくできる。
次に電流が増加し、標準入力電流よりも十分大きい入力電流になったときには、第一のリアクタは飽和してインダクタンスがほぼゼロになり、第二のリアクタのみのインダクタンスとなる。このときは、半導体スイッチ103を短い周期で短絡と開放を行うことによ
り、負荷108へ高い電圧を供給でき、かつ、入力電流の高調波電流も抑圧され、高い力率での動作が可能になる。
り、負荷108へ高い電圧を供給でき、かつ、入力電流の高調波電流も抑圧され、高い力率での動作が可能になる。
以上説明したリアクタを実現できる具体的なコア材料としては、第一のリアクタ用のコア材料としてはフェライト系の材料が挙げられる。フェライト系の材料を用いたリアクタは高周波損失が少ないという利点を有する。
第一のリアクタは最大電流よりも十分小さい電流で飽和させればよいので、コアを小型にすることができる。また、フェライト材料は100℃程度の比較的高温でおけるコアの損失が少ないという特徴も有しており、小型化すれば温度が上昇しやすくなるが、結果としてコアの損失が少なく保て、標準入力以下での高効率化にさらに寄与する。
一方、第二のリアクタ用のコア材料としては、合金粉末を固めたいわゆるダスト系の材料が挙げられる。ダスト系材料は、磁束の飽和が緩慢であるという特徴を有し、高電流領域でもインダクタンスを保持できるという性質がある。
また、第二のリアクタのインダクタンスは小さいので、小さいコアで実現することができる。このような特性を有するコア材料を用いて図3に示すような特性の2種類のリアクタを実現することができる。
なお、例として挙げた材料以外のもので同様の特性を有する材料を用いても同様の効果が得られることはいうまでもない。
また、このような電源装置において、リアクタや半導体素子は損失により発熱するが、実際の組込み状態では、発熱に対する冷却方法が自在に選べるわけではない。例えば半導体素子の冷却に余裕が無い場合には、大電流時にON/OFFの周期を長くして、スイッチング損失を下げることも有り得る。
この場合、標準入力以下の入力電流時には、第一のコア材料に高周波損失の少ないものを用いているので、高周波におけるコアの損失が増加しないという利点を出すこともできる。
図4は、交流電源102をダイオードブリッジ157a、157b、157c、157dで一旦整流し、整流出力を半導体スイッチ153とリアクタ101a、101bで短絡させ、半導体スイッチ153の開放時にリアクタ101a、101bに蓄えられた電流を、ダイオード159を通して負荷108へ供給するように構成したものである。
この構成であっても、図1と同様に、高力率、低高調波電流を実現することができ、リアクタ群と半導体スイッチの短絡経路が交流側であっても直流側であっても同様の機能を実現することができる。
また、図1や図4以外に、特許文献1に記載されている複数の半導体スイッチによる、いわゆる混合ブリッジ回路構成であっても同様のことが実現できることは明白である。
以上のように、本実施の形態においては、大きいインダクタンス値を有して飽和しやすいリアクタと小さいインダクタンス値を有して飽和しないリアクタとを直列接続することにより、使用頻度の高い標準入力電流以下では大きいインダクタンスにより高調波電流を低減させることにより半導体スイッチの制御による損失を少なくし、より大きい入力電流になると小さいインダクタンスとなり、半導体スイッチの制御により高力率高出力となるので、大きいリアクタを採用することなく高効率と高出力を両立することができる。
なお、本実施の形態においては、特性の異なる2種類のリアクタを直列に接続して所望のインダクタンス特性を得るものとして説明したが、同様のインダクタンス特性が得られる方法であればよく、直列接続に限定されるものではない。また、同じ直列接続であっても、連続して直列接続する必要がないことも明白である。
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態による電源装置の回路ブロック図である。第一の実施例の図1との違いは、図1におけるリアクタ101a、101bが一つのリアクタ130で構成されている点である。以下、図6を用いて、1つのリアクタ130で図3に示すインダクタンス特性を実現する方法を説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態による電源装置の回路ブロック図である。第一の実施例の図1との違いは、図1におけるリアクタ101a、101bが一つのリアクタ130で構成されている点である。以下、図6を用いて、1つのリアクタ130で図3に示すインダクタンス特性を実現する方法を説明する。
図6の(a)は円環状コア131と巻き線132により構成されたリアクタであり、これ全体が図5におけるリアクタ130である。図6の(b)と(c)は円環状コア131の正面図と側面図を示しており、側面図(c)での左側を第一の材料によるコア131a、右側を第二の材料によるコア131bで構成する。
ここで、コア131aの材料は例えばフェライトを用い、コア131bの材料としては合金ダスト粉末を用いることで、図3に示した2つのリアクタの直列接続によるインダクタンス特性と同様のインダクタンス特性を実現することも可能である。このような特性をもつリアクタ130を用いることにより、実施の形態1で説明したことと同様の効果を得ることができる。
また、図6では円環状の形状で説明したが、同様の特性が得られる方法であれば、円環状でなくてもよく、また、2つのコア131a、131bを1つずつ用いる方法でなく、複数個ずつ組み合わせることであっても実現できる。
以上のように、本発明にかかる電源装置は、使用頻度の高い標準入力以下の入力電力においての高効率化と、高力率により最大出力電力を確保することができるので、圧縮機をインバータ回路で可変速駆動する、空気調和装置、冷暖房装置、ヒートポンプ式給湯機、冷蔵庫など、幅広く適用できる。
101a、101b、130 リアクタ
103 半導体スイッチ
103 半導体スイッチ
Claims (18)
- 交流電源をリアクタを介してスイッチング素子にて短絡する経路を有し、前記短絡経路を短絡、開放することにより昇圧動作をさせながら、入力電流を略正弦波状に駆動して高力率、低高調波を実現する電源装置であって、標準使用する入力電力が最大電力に比べて小さい機器へ電力供給する電源装置において、前記リアクタを2種類のリアクタの直列接続で構成した電源装置。
- 前記2種類のリアクタを、それぞれのコアの飽和電流容量を概ね機器の標準使用時の入力電流以下とした第一のリアクタと、概ね機器の最大入力電流以上とした第二のリアクタとで構成した、請求項1に記載の電源装置。
- 前記第二のリアクタを磁気飽和しにくいコア材料で構成した請求項2に記載の電源装置。
- 前記第一のリアクタを高周波損失の少ないコア材料で構成した請求項2または3に記載の電源装置。
- 前記第一のリアクタを高温時に損失が少ないコア材料で構成した請求項2〜4のいずれか1項に記載の電源装置。
- 前記第一のリアクタのインダクタンスを前記第二のリアクタよりも大きく設定した請求項4または5に記載の電源装置。
- 機器の標準入力電流以下での運転時における短絡と開放の動作周期と、標準入力を超える入力電流での運転時における動作周期を異なるものとすることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の電源装置。
- 機器の標準入力を下回る小入力運転時に、前記短絡と開放を繰り返す動作を休止しても、交流電源からの流入電流の高調波が規制値以下になるように、前記2つのリアクタの合成インダクタンスを設定することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の電源装置。
- 前記2つのリアクタのうち少なくとも1つを略円環状のコアで構成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電源装置。
- 交流電源をリアクタを介してスイッチング素子にて短絡する経路を有し、前記短絡経路を短絡、開放することにより昇圧動作をさせながら、入力電流を略正弦波状に駆動して高力率、低高調波を実現する電源装置であって、標準使用する入力電力が最大電力に比べて十分小さい機器へ電力供給する電源装置において、前記リアクタを2種類のコアの組合せで構成した電源装置。
- 前記2種類のコアを、コアの飽和電流容量を概ね機器の標準使用時の入力電流以下とした第一のコアと、概ね機器の最大入力電流以上とした第二のコアとで構成した請求項10に記載の電源装置。
- 前記第二のコアは磁気飽和しにくいコア材料で構成した請求項11に記載の電源装置。
- 前記第一のコアを高周波損失の少ないコア材料で構成した請求項11または12に記載の電源装置。
- 前記第一のコアを高温時に損失が少ないコア材料で構成した請求項11〜13のいずれか1項に記載の電源装置。
- 前記第一のコアにより実現できるインダクタンスを前記第二のコアで実現できるインダクタンスよりも大きく設定した請求項13または14に記載の電源装置。
- 機器の標準入力電流以下での運転時における短絡と開放の動作周期と、標準入力を超える入力電流での運転時での動作周期を異なるものとすることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の電源装置。
- 機器の標準入力を下回る小入力運転時に、前記短絡と開放を繰り返す動作を休止しても、交流電源からの流入電流の高調波が規制値以下になるように、リアクタのインダクタンスを設定することを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載の電源装置。
- 略円環状のコアで構成したことを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の電源装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012090453A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-05-10 | Toshiba Tec Corp | 電力変換装置 |
JP2014075949A (ja) * | 2012-10-05 | 2014-04-24 | Mitsubishi Electric Corp | 直流電源装置、モータ駆動装置、空気調和装置、冷蔵庫およびヒートポンプ給湯装置 |
JP2015144560A (ja) * | 2015-03-06 | 2015-08-06 | 三菱電機株式会社 | 直流電源装置、モータ駆動装置、空気調和装置、冷蔵庫およびヒートポンプ給湯装置 |
-
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- 2007-11-28 JP JP2007306757A patent/JP2009131126A/ja active Pending
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