JP2009130806A - 弾性表面波素子及びその製造方法 - Google Patents
弾性表面波素子及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009130806A JP2009130806A JP2007305825A JP2007305825A JP2009130806A JP 2009130806 A JP2009130806 A JP 2009130806A JP 2007305825 A JP2007305825 A JP 2007305825A JP 2007305825 A JP2007305825 A JP 2007305825A JP 2009130806 A JP2009130806 A JP 2009130806A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- frequency
- surface acoustic
- acoustic wave
- particles
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】基板2と、基板2上に形成された交差指電極5a,5b及び交差指電極からなるIDTと、を有し、原子量が150amuよりも大きくて物理吸着が少ないTa粒子12を、基板2の主面に、交差指電極5a,5b間及び交差指電極間が短絡しない程度に付着され、それにより周波数を調整したSAW素子1である。
【選択図】図2
Description
よって、高い周波数安定性及びエージング特性を得ることができ、信頼性が向上する。
これにより、温度特性の変動が抑制されるので、周波数調整幅を大きくすることができるとともに安定した調整を行うことができる。
これにより、基板と電極材料とのスパッタ率を意識することなく(材料に関係なく)周波数を調整することができるので、処理時間の短縮が可能になる。また、基板に対して熱衝撃が少ないので測定のバラツキが抑えられ、高精度に周波数を調整することができる。
したがって、レート調整が安定するとともに、作業が簡単で効率が良く生産性を向上させることができる。
これにより、物理吸着が少なく密着力が比較的高い遷移金属系材料を用いているので、水や有機物を付着し難く、マイグレーションを生じにくい。そのため、周波数調整後の製造工程及び信頼性試験の周波数変動を小さくすることが可能となる。また、スパッタリングなどの物理蒸着法で基板表面にその付着速度を制御して付着させることができる。また、酸化物を用いることで微粒子の質量が更に増加したものとなり、周波数調整をより効果的に行うことができる。また、酸化物であることから密着性がさらに向上しエージング特性を高めることができる。
これにより、第1の付着速度では短時間で多量の粒子を付着させることができ、時間当たりの周波数変動量が大きくなるので、SAW素子の周波数粗調整に適しているのに対し、第2の付着速度では、時間当たりの周波数変動量が小さくなるので、SAW素子の周波数微調整に適している。したがって、粒子の付着速度を途中で変更するように制御することにより、例えばスパッタリングにおいてその使用電力を切り換えることによって、SAW素子の周波数調整工程においてその粗調整と微調整とを連続して行うことができる。これは、同じスパッタ装置を使用して実施することができ、作業が簡単で効率がよく、生産性を向上させることができる。
これにより、交差指電極間の短絡が確実に防止され、マイグレーションが生じにくくなる。
本発明は、周波数を高精度に調整かつ調整量のばらつきを少なくすることができる。また、粒子が、物理吸着が少なく密着性の高い遷移金属の粒子であることから、水や有機物を付着し難く、マイグレーションを生じにくい。そのため、周波数調整後の製造工程及び信頼性試験の周波数変動を小さくすることが可能となる。さらに、粒子の質量が大きい(原子量が150amuよりも大きい)ので、僅かな付着量で有効に周波数調整を行うことができるとともに、交差指電極間の短絡が確実に防止される。よって、高い周波数安定性及びエージング特性を得ることができ、信頼性の高い弾性表面波素子を得ることができる。
これにより、交差指電極間の短絡が確実に防止され、マイグレーションが生じにくくなる。
これにより、水や有機物を付着し難く、マイグレーションを生じにくい。そのため、周波数調整後の製造工程及び信頼性試験の周波数変動を小さくすることが可能となる。また、酸化物を用いることで微粒子の質量が更に増加したものとなり、周波数調整をより効果的に行うことができるとともに、密着性がさらに向上しエージング特性を高めることができる。
これにより、高周波化に対応したいわゆるダイヤモンドSAW素子において、非常に高い周波数精度及び周波数安定性が得られる。また、優れたエージング特性及び信頼性が確保される。
これにより、電気機械結合係数の大きい弾性表面波が励振される。また、高周波化のために交差指電極間が狭ピッチになったとしても、粒子間の電気的導通が防止され、交差指同士の短絡を防止することができる。これにより、優れたエージング特性及び信頼性が確保される。
図1は、本発明を適用したトランサルバーサル型構造のSAWフィルタとしてのSAW素子1を示している。SAW素子1は、例えばシリコンからなる矩形薄板の基板2を有する。基板2の主面には、ダイヤモンド層3が形成され、かつその上に例えばZnOからなる圧電体層4が積層されている。このダイヤモンド積層構造の基板を用いることにより、SAW素子1は、水晶等の圧電基板の場合に比してSAW伝搬速度を高速度化でき、それにより高周波化を図ることができる。
図3に、イオンビームスパッタ装置の概略構成を示す。
このイオンビームスパッタ装置20は、蒸着室としての真空チャンバ21、該真空チャンバ21に接続される真空排気系30、真空チャンバ21内に配置されるイオンガン22、ワークホルダ(不図示)、シャッター27及び真空チャンバ21外に測定器29を備えている。
ここで、イオンビーム24は所定のビーム幅を有しているので、イオンビーム24がターゲット23のスパッタ面に入射すると、そのビーム幅に応じた広さの領域(照射領域)が照射され、スパッタリングされた粒子(スパッタ粒子)がスパッタ面からワーク26へと放出される。
大筋には、圧電基板に形成された各SAW素子の実際の周波数を測定し、その測定値を所望の周波数(目標値)と比較して必要な周波数調整量を算出する。この算出結果に対応してスパッタ電力を適当に選択しかつそれに基づいて加工時間を適当に設定して、SAW素子1の周波数を調整する。
直線L1は、第1のスパッタレート(例えば、1000ppm/sec)で周波数を調整した場合である。直線L2は、第2のスパッタレート(例えば、10ppm/sec)で周波数を調整した場合である。直線L1は傾斜が急で、周波数が急激に変化していることを表しているのに対して、直線L2は比較的緩やかな周波数の変動を表している。従って、Ta粒子12の単位時間当たりの付着量及び付着速度は、スパッタ電力により決定される。
次に、複数のSAW素子を長時間駆動させて周波数の長期的な変動幅を測定する信頼性試験を行う。
図5に、Taを用いて周波数調整を行ったSAW素子のエージング特性を示す。
高温加速試験の条件を、保存温度85℃、デバイスへの印加電力を5dBmとし、所定の時間経過した後の周波数の変化ΔFを測定した。
図5に示すように、Taを用いて周波数調整を行ったSAW素子は、試験開始後100時間を少し越えたところまで周波数の変動はほとんど生じていない。その後ほんの僅かな変動が見受けられるが、その変動量は極めて小さく長時間に亘ってその変動幅に大きな変化がないことが分かる。
図6に示すように、Auを用いて周波数調整を行ったSAW素子は、試験開始後まもなく周波数の変動が見受けられる。その変動幅は時間が経過するにつれて大きくなり、300時間を経過したあたりからその変動幅が一段と大きくなっていることが分かる。
それぞれの材料で周波数の調整を行った後、大気中に4時間放置し、所定時間経過した後の周波数の変化ΔFを測定した。図7によれば、Auに比べ、物理吸着の少ないTa,Hf,Wの方が周波数の変動が小さいことが分かる。これにより、物理吸着の少ない金属材料を用いることでエージング特性が良好となり、従来のAuを用いた場合より優れていることが分かる。また、特にTaは他の材料よりも周波数の変動が極めて少ないことが明らかとされ、Taを用いて周波数調整を行った方が、長期的に安定した特性を有するSAW素子を得ることが可能となる。
他の実施形態として、絶縁保護膜11を省略し、IDTを形成した基板2の表面にTa粒子12を直接付着させることができる。この場合にも、Ta粒子12を島状又はクラスタ状に形成することにより、隣接する交差指電極間の電気的短絡を防止しつつ、SAW素子1の周波数を調整できる。
Claims (11)
- 圧電材料と少なくとも1組の交差指電極からなるIDTとを有する弾性表面波素子を形成する工程と、
物理蒸着法を用いて、前記弾性表面波素子の表面に原子量が150amuよりも大きくて物理吸着が少ない金属またはその酸化物の粒子を付着させて前記弾性表面波素子の周波数を調整する工程と、を有することを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。 - 前記周波数調整工程において、
前記弾性表面波素子の温度を略一定に保持することを特徴とする請求項1記載の弾性表面波素子の製造方法。 - 前記物理蒸着法がイオンビームスパッタであり、そのイオンビームの電流量、加速電圧
及び加工時間により前記周波数の調整量を線形的に制御することを特徴とする請求項1又は2記載の弾性表面波素子の製造方法。 - 前記粒子の材料は、Ta,Nb,Hf,La,W,Zrまたはこれらの酸化物(Ta2O5,Nb2O5,La2O3,HfO2,WO3,ZrO2)であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の弾性表面波素子の製造方法。
- 前記周波数調整工程が、前記粒子を第1の付着速度で付着させる工程と、
その後に、前記第1の付着速度よりも遅い第2の付着速度で前記粒子を付着させる工程と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の弾性表面波素子の製造方法。 - 前記弾性表面素子の表面に付着した前記粒子または前記粒子の集合体の大きさが、前記弾性表面波素子の波長λに対して1/4未満であることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波素子の製造方法。
- 圧電材料を含む基板と、
前記基板上に形成された少なくとも1組の交差指電極からなるIDTと、を有し、
原子量が150amuよりも大きくて物理吸着が少ない金属またはその酸化物が、前記IDTが形成された前記基板の表面に付着していることを特徴とする弾性表面波素子。 - 付着した前記粒子または前記粒子の集合体の大きさが、前記交差指電極の間隔より小さいことを特徴とする請求項7記載の弾性表面波素子。
- 前記粒子が、Ta,Nb,Hf,La,W,Zrまたはこれらの酸化物(Ta2O5,Nb2O5,La2O3,HfO2,WO3,ZrO2)からなることを特徴とする請求項7または8記載の弾性表面波素子。
- 前記基板が、ダイヤモンド層及び圧電体層を積層して構成されていることを特徴とする請求項7記載の弾性表面波素子。
- 前記基板が、水晶、タンタル酸リチウム、ランガサイトのいずれか一種を主として構成されていることを特徴とする請求項7記載の弾性表面波素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007305825A JP2009130806A (ja) | 2007-11-27 | 2007-11-27 | 弾性表面波素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007305825A JP2009130806A (ja) | 2007-11-27 | 2007-11-27 | 弾性表面波素子及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009130806A true JP2009130806A (ja) | 2009-06-11 |
Family
ID=40821256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007305825A Pending JP2009130806A (ja) | 2007-11-27 | 2007-11-27 | 弾性表面波素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009130806A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8823941B2 (en) | 2011-04-12 | 2014-09-02 | Seiko Epson Corporation | Detection device |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5994910A (ja) * | 1982-11-19 | 1984-05-31 | Toyo Commun Equip Co Ltd | 周波数微細調整方法 |
JPH11163655A (ja) * | 1997-12-01 | 1999-06-18 | Murata Mfg Co Ltd | 弾性表面波装置の製造方法 |
JP2003264448A (ja) * | 1994-05-13 | 2003-09-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 弾性表面波モジュール素子 |
JP2006238211A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Seiko Epson Corp | 弾性表面波素子及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-11-27 JP JP2007305825A patent/JP2009130806A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5994910A (ja) * | 1982-11-19 | 1984-05-31 | Toyo Commun Equip Co Ltd | 周波数微細調整方法 |
JP2003264448A (ja) * | 1994-05-13 | 2003-09-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 弾性表面波モジュール素子 |
JPH11163655A (ja) * | 1997-12-01 | 1999-06-18 | Murata Mfg Co Ltd | 弾性表面波装置の製造方法 |
JP2006238211A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Seiko Epson Corp | 弾性表面波素子及びその製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8823941B2 (en) | 2011-04-12 | 2014-09-02 | Seiko Epson Corporation | Detection device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5099151B2 (ja) | 弾性境界波装置の製造方法 | |
KR100200179B1 (ko) | 표면파 장치 | |
JP4289399B2 (ja) | 弾性波デバイスおよび弾性波デバイスの製造方法 | |
US7772742B2 (en) | Boundary acoustic wave device | |
JP5045864B1 (ja) | 弾性波装置の製造方法 | |
WO2006114930A1 (ja) | 弾性境界波装置 | |
JP2002344279A (ja) | 圧電薄膜共振子 | |
US7320164B2 (en) | Method of manufacturing an electronic component | |
JP3282645B2 (ja) | 表面弾性波素子 | |
TW202044757A (zh) | 高次模式彈性表面波裝置 | |
US8198781B2 (en) | Boundary acoustic wave device | |
EP0726649A1 (en) | Surface acoustic wave device | |
JP2008244653A (ja) | 薄膜バルク波共振器の製造方法 | |
JPH0832398A (ja) | 表面弾性波素子 | |
Iriarte et al. | SAW COM-parameter extraction in AlN/diamond layered structures | |
JP3411124B2 (ja) | 弾性表面波モジュール素子の製造方法 | |
JP2006238211A (ja) | 弾性表面波素子及びその製造方法 | |
JP2006135443A (ja) | 弾性表面波素子、弾性表面波素子の製造方法 | |
CN111316566A (zh) | 表面声波设备 | |
US20220385267A1 (en) | Surface acoustic wave device with high electromechanical coupling coefficient based on double-layer electrodes and preparation method thereof | |
KR20080008396A (ko) | 탄성경계파 장치 | |
JP2009130806A (ja) | 弾性表面波素子及びその製造方法 | |
TW201916415A (zh) | 壓電薄膜元件 | |
JP2018125725A (ja) | 弾性波デバイス | |
JP2004080408A (ja) | ラダー型sawフィルタ及びラダー型sawフィルタの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20101108 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20101116 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110111 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20110112 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20110301 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |