本発明は、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の信号伝送を、光伝送により行うロータリジョイントに関する。
屋内の天井等に固定設置される監視カメラ装置として、カメラのパン角度やチルト角度を制御して撮像方向を変えながら監視を行うものが多数普及している。このような角度制御が可能な監視カメラ装置においては、天井等に固定設置される固定部とパン方向に回動可能な可動部とが電動雲台を介して接続された構成を有しているものが多い。すなわち、監視カメラ装置は、チルト方向に回転駆動するチルト駆動機構を備えたカメラが搭載された可動部が、パン方向に回動可能な電動雲台の一方(可動部分)に取り付けられると共に電動雲台の他方(固定部分)が固定部の一方に取り付けられ、そして固定部の他方が天井等に固定設置された構成を有したものが多い。このような構成の監視カメラ装置においては、可動部に搭載されたカメラから出力された映像信号が電動雲台を介して固定部に伝送され、この固定部で画像処理や出力インターフェース変換がされたのち、外部のモニタや映像信号記録装置に出力されるようになっている。
このような監視カメラ装置で用いられる電子雲台には幾つかの方式が知られているが、特に可動部をパン方向に連続して旋回させることが可能な電子雲台としては、スリップリングとブラシとの摺動接点によって旋回部と固定部とにわたる信号接続路を構築するものが知られている。しかし、この摺動接点方式は、旋回するスリップリングと固定されたブラシとの接点部分に油膜や塵埃が付着して電気的接触が不安定になったり、機械的接触に伴うノイズが発生したり、長期間の連続摺動により電気的接触性能が劣化する等の問題があった。特に映像信号においては回転に伴うノイズ発生、パン、チルトコントロール等の制御信号においては、誤動作の発生が問題となっている。さらにこのような機械接触による方法では伝送可能な周波数帯域が限られているので、高精細映像信号や高速データの伝送は困難であった。そのため、長期の使用に渡って伝送性能が劣化せず、高品位、高速な伝送が可能な接続手段が切望されていた。
そこで、発光素子と受光素子の組合せを2組使用し、固定側の受光素子と回転側の受光素子を、回転軸のほぼ中心部に互いに対向して配置し、各々の受光素子の外側に、受光素子と重ならないように発光素子を配置し、その発光素子からそれぞれの相手側受光素子の中心部に向かって斜め方向から発光素子の光ビームを投射するように光軸を配置することで、非接触で電気信号を送受信する回転光結合装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−44940号公報
しかし、特許文献1に記載の回転光結合装置では、発光素子と受光素子間の伝送は自由空間を媒体として行われるため、送信光は受光素子に到達するまでに拡散され、受光素子に入射する受光レベルは低下する。一方、受光レベルの低下を避けるためには、発光素子から送信する光をビーム状にすることが効果的であるが、受光素子に向けて正確に光軸を合わせる必要がありコストアップにつながるため極端に送信光の指向性を絞ることは出来ない。従って、特許文献1の回転光結合装置では、伝送品質を行うために十分なS/Nを確保する必要のある高精細な映像や高速なデータを扱うことが困難であった。
また、特許文献1に記載の回転光結合装置では、スリップリングからの配線を導く中央部分の中空筒に、発光素子への送信信号、受光素子からの受信信号、及び基板への供給電源を伝送するための配線を収める必要がある。そのため、扱う信号が高精細映像や高速データである場合は、配線に同軸ケーブルを用いたり、さらには差動伝送が必要となれば2本の同軸ケーブルを1系統の信号伝送に用いたりすることになるため、中空筒の内径を拡大する必要があり、その結果、装置の大型化、コストアップにつながるという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送により、小型化が可能であり、かつ高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することが可能なロータリジョイントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るロータリジョイントの第1の特徴は、固定部に対して回転部を回転軸を中心に回転自在に保持すると共に、固定部と回転部との間に、光透過性を有する円筒状部材を、その中心軸が回転軸と同軸上となる位置に配置し、固定部と回転部との間で円筒状部材を通して双方向の光信号伝送を行うロータリジョイントであって、円筒状部材は、各端部が、他端部から離れるに従って縮径する周面、又は他端部に近づくに従って縮径する周面を有するように成形され、回転部は、円筒状部材の固定部側の端部から入射された第1の光信号が該回転部側の端部の周面での光反射により導出される光路上に回転部側受光素子を設けると共に、周面に対して第2の光信号を入射する回転部側発光素子を設け、固定部は、円筒状部材の該固定部側の端部の周面に対して第1の光信号を入射する固定部側発光素子を設けると共に、入射された第2の光信号が周面での光反射により導出される光路上に固定部側受光素子を設けて、構成したことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るロータリジョイントの第2の特徴は、固定部に対して回転部を回転軸を中心に回転自在に保持すると共に、固定部と回転部との間に、光透過性を有する円筒状部材を、その中心軸が回転軸と同軸上となる位置に配置し、且つ該円筒状部材の一方の端部を回転部に固定し、固定部と回転部との間で円筒状部材を通して双方向の光信号伝送を行うロータリジョイントであって、円筒状部材は、一方の端部が、中心軸に直交する直線を含み、中心軸に対して平行でない第1及び第2の傾斜面を有するように形成されると共に、他方の端部が、一方の端部から離れるに従って縮径する周面、又は一方の端部に近づくに従って縮径する周面を有するように成形され、回転部は、円筒状部材の他方の端部から入射された第1の光信号が一方の端部の第1の傾斜面での光反射により導出される光路上に回転部側受光素子を設けると共に、第2の傾斜面に対して第2の光信号を入射する回転部側発光素子を設け、固定部は、円筒状部材の他方の端部の周面に対して第1の光信号を入射する固定部側発光素子を設けると共に、入射された第2の光信号が周面での光反射により導出される光路上に固定部側受光素子を設けて、構成したことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るロータリジョイントの第3の特徴は、固定部に対して回転部を回転軸を中心に回転自在に保持すると共に、固定部と回転部との間に、光透過性を有する円筒状部材を、その中心軸が回転軸と同軸上となる位置に配置し、且つ該円筒状部材の一方の端部を固定部に固定し、固定部と回転部との間で円筒状部材を通して双方向の光信号伝送を行うロータリジョイントであって、円筒状部材は、一方の端部が、中心軸に直交する直線を含み、中心軸に対して平行でない第1及び第2の傾斜面を有するように形成されると共に、他方の端部が、一方の端部から離れるに従って縮径する周面、又は一方の端部に近づくに従って縮径する周面を有するように成形され、回転部は、円筒状部材の一方の端部から入射された第1の光信号が他方の端部の周面での光反射により導出される光路上に回転部側受光素子を設けると共に、周面に対して第2の光信号を入射する回転部側発光素子を設け、固定部は、円筒状部材の一方の端部の第1の傾斜面に対して第1の光信号を入射する固定部側発光素子を設けると共に、入射された第2の光信号が第2の傾斜面での光反射により導出される光路上に固定部側受光素子を設けて、構成したことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るロータリジョイントの第4の特徴は、固定部に対して回転部を回転軸を中心に回転自在に保持すると共に、固定部と回転部との間に、光透過性を有する円筒状部材を、その中心軸が回転軸と同軸上となる位置に配置し、且つ該円筒状部材の一方の端部を回転部に固定し、固定部と回転部との間で円筒状部材を通して双方向の光信号伝送を行うロータリジョイントであって、円筒状部材は、一方の端部が、中心軸に直交する直線を含み、中心軸に対して直交する第1の面と、この第1の面に対して傾斜する第2の面とを有するように形成されると共に、他方の端部が、一方の端部から離れるに従って縮径する周面、又は一方の端部に近づくに従って縮径する周面である第3の面と、中心軸に直交する断面の一部を含む第4の面とを有するように成形され、回転部は、円筒状部材の他方の端部から入射された第1の光信号が一方の端部の第1の面から射出される光路上に回転部側受光素子を設けると共に、第2の面に対して第2の光信号を入射する回転部側発光素子を設け、固定部は、円筒状部材の他方の端部の第4の面に対して第1の光信号を入射する固定部側発光素子を設けると共に、入射された第2の光信号が第3の面での光反射により導出される光路上に固定部側受光素子を設けて、構成したことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るロータリジョイントの第5の特徴は、固定部に対して回転部を回転軸を中心に回転自在に保持すると共に、固定部と回転部との間に、光透過性を有する円筒状部材を、その中心軸が回転軸と同軸上となる位置に配置し、且つ該円筒状部材の一方の端部を固定部に固定し、固定部と回転部との間で円筒状部材を通して双方向の光信号伝送を行うロータリジョイントであって、円筒状部材は、一方の端部が、中心軸に直交する直線を含み、中心軸に対して直交する第1の面と、この第1の面に対して傾斜する第2の面とを有するように形成されると共に、他方の端部が、一方の端部から離れるに従って縮径する周面、又は一方の端部に近づくに従って縮径する周面である第3の面と、中心軸に直交する断面の一部を含む第4の面とを有するように成形され、回転部は、円筒状部材の一方の端部から入射された第1の光信号が他方の端部の第3の面での光反射により導出される光路上に回転部側受光素子を設けると共に、第4の面に対して第2の光信号を入射する回転部側発光素子を設け、固定部は、円筒状部材の一方の端部の第2の面に対して第1の光信号を入射する固定部側発光素子を設けると共に、入射された第2の光信号が第1の面から射出される光路上に固定部側受光素子を設けて、構成したことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るロータリジョイントの第6の特徴は、固定部に対して回転部を回転軸を中心に回転自在に保持すると共に、固定部と回転部との間に、光透過性を有する円筒状部材を、その中心軸が回転軸と同軸上又は平行となる位置に配置し、固定部と回転部との間で円筒状部材を通して双方向の光信号伝送を行うロータリジョイントであって、円筒状部材は、各端部が中心軸に直交する断面を有するように形成され、回転部は、回転軸に直交する円形平面が、円筒状部材に近づくに従って縮径する周面を有する第1の光反射部材を固定し、円筒状部材の固定部側の端部から入射されて他方の端部から射出された第1の光信号が第1の光反射部材の周面での光反射により導出される光路上に回転部側受光素子を設けると共に、周面に対して第2の光信号を照射して反射させ、他方の端部に入射させる回転部側発光素子を設け、固定部は、回転軸に直交する円形平面が、円筒状部材に近づくに従って縮径する周面を有する第2の光反射部材を固定し、第2の光反射部材の周面に対して第1の光信号を照射して反射させ、円筒状部材の該固定部側の端部に入射させる固定部側発光素子を設けると共に、入射された第2の光信号が端部から射出され、第2の光反射部材の周面での光反射により導出される光路上に固定部側受光素子を設けて、構成したことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るロータリジョイントの第7の特徴は、回転部が、第1の信号光を透過させる波長選択フィルタを回転部側受光素子の受光面側の光路上に設けたことにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るロータリジョイントの第8の特徴は、固定部が、第2の信号光を透過させる波長選択フィルタを固定部側受光素子の受光面側の光路上に設けた、ことにある。
本発明のロータリジョイントによれば、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例を示し図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施例1では、両端部が凸形状に成形された光透過性を有する円筒状部材を光伝送媒体として用い、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図1は、本発明の実施例1のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図1(a)に、本発明の実施例1のロータリジョイント1の立体構造図、図1(b)に、本発明の実施例1のロータリジョイント1の断面図を示す。
図1(b)に示すように、ロータリジョイント1は、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第1の円筒状部材101が固定されている。第1の円筒状部材101は、各端部が、他端部から離れるに従って縮径する凸形状の周面101a,101bを有するように成形されている。ここで、周面101a,101bの軸Pに対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
そして、第1の円筒状部材101の端部側には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、第1の円筒状部材101の周面101aに近接して、発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、そして、第1の円筒状部材101の周面101aに近接して、受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
ここで、発光素子13及び受光素子12は、第1の円筒状部材101の固定部3側の端部との間の光伝送が凸状の周面101bでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第1の円筒状部材101の周面101bの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子13及び受光素子12は、出射する信号光の光軸、及び入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
同様に、発光素子11及び受光素子14は、第1の円筒状部材101の回転部2側の端部との間の光伝送が凸状の周面101aでの光反射により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、第1の円筒状部材101の周面101aの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子11及び受光素子14は、出射する信号光の光軸、及び入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第1の円筒状部材101の周面101aから入射する。そして、入射した信号光は、反対側の周面101aが45度であり全反射条件が整うので、この周面101aにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第1の円筒状部材101内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行し、周面101bによってさらに全反射された信号光が受光素子12へ入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された信号光は、第1の円筒状部材101の周面101bから入射する。そして、入射した信号光は、反対側の周面101bが45度であり全反射条件が整うので、この傾斜面101bにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第1の円筒状部材101内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行し、周面101aによってさらに全反射された信号光が受光素子14へ入射する。
これにより、信号光は第1の円筒状部材101内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第1の円筒状部材101が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例1のロータリジョイント1によれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1は、第1の円筒状部材101が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第1の円筒状部材101が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例2では、各端部が凹形状に成形された光透過性を有する円筒状部材を光伝送媒体として用い、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図2は、本発明の実施例2のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図2(a)に、本発明の実施例2のロータリジョイント1Aの立体構造図、図2(b)に、本発明の実施例2のロータリジョイント1Aの断面図を示す。
図2(b)に示すように、ロータリジョイント1Aは、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第2の円筒状部材102が固定されている。第2の円筒状部材102は、各端部が、他端部から離れるに従って縮径する凹形状の周面102a,102bを有するように成形されている。ここで、周面102a,102bの軸Pに対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
そして、この第2の円筒状部材102の端部側には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、第2の円筒状部材102の端面に近接して発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、第2の円筒状部材102の端面に近接して受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
ここで、発光素子13及び受光素子12は、第2の円筒状部材102の固定部3側の端部との間の光伝送が凹状の周面102bでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第2の円筒状部材102の周面102bの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子13及び受光素子12は、出射する信号光の光軸、及び入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
同様に、発光素子11及び受光素子14は、第2の円筒状部材102の回転部2側の端部との間の光伝送が凹状の周面102aでの光反射により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、第2の円筒状部材102の周面102aの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子11及び受光素子14は、出射する信号光の光軸、及び入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第2の円筒状部材102の外周部側から入射する。そして、入射した信号光は、周面102aが45度であり全反射条件が整うので、この周面102aにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第2の円筒状部材102内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行し、周面102bによってさらに全反射された信号光が受光素子12へ入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された送信光は、第2の円筒状部材102の外周部側から入射する。そして、入射した信号光は、周面102bが45度であり全反射条件が整うので、この周面102bにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第2の円筒状部材102内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行し、周面102aによってさらに全反射された信号光が受光素子14へ入射する。
これにより、信号光は第2の円筒状部材102内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第2の円筒状部材102が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例2のロータリジョイント1Aによれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1Aは、第2の円筒状部材102が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第2の円筒状部材102が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例3では、回転部側の端部が2つの傾斜面により山状となるように成形され、固定部側の端部が凸形状に成形された光透過性を有する円筒状部材を光伝送媒体として用い、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図3は、本発明の実施例3のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図3(a)に、本発明の実施例3のロータリジョイント1Bの立体構造図、図3(b)に、本発明の実施例3のロータリジョイント1Bの断面図を示す。
図3(b)に示すように、ロータリジョイント1Bは、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第3の円筒状部材103が固定されている。第3の円筒状部材103は、回転部2側の端部が、この部材の中心軸に直交する直線を含み、この中心軸に対して平行でない傾斜面103b,103cを有して山状となるように形成されている。
ここで、傾斜面103b,103cの面積比は、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量との比に応じて適切なデータ伝送が可能となるように成形される。
例えば、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量が、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量より大きい場合、傾斜面103cの面積が傾斜面103bの面積より大きくなるように成形し、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量とが略等しい場合、傾斜面103bの面積と傾斜面103cの面積とが等しくなるように成形する。ここで、傾斜面103b,103cの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、それぞれ45度にするのが好ましい。
また、第3の円筒状部材103は、固定部3側の端部が、回転部2側の端部から離れるに従って縮径する凸形状の周面103aを有するように成形されている。ここで、周面103aの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
そして、この第3の円筒状部材103の回転部2側の端部には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、第3の円筒状部材103の端面に近接して発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、第3の円筒状部材103の端面に近接して受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
ここで、発光素子13は、第3の円筒状部材103の固定部3側の端部との間の光伝送が傾斜面103cでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第3の円筒状部材103の傾斜面103cの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子13は、出射する信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
同様に、受光素子12は、第3の円筒状部材103の固定部3側の端部との間の光伝送が傾斜面103bでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第3の円筒状部材103の傾斜面103bの傾斜角度が、45度となるように成形されている場合、受光素子12は、入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
また、発光素子11及び受光素子14は、第3の円筒状部材103の回転部2側の端部との間の光伝送が凸形状の周面103aでの光反射により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、第3の円筒状部材103の周面103aの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子11及び受光素子14は、出射する信号光の光軸、及び入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように固定部基板23に固定される。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第3の円筒状部材103の周面103aから入射する。そして、入射した信号光は、反対側の周面103aが45度であり全反射条件が整うので、この周面103aにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第3の円筒状部材103内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行し、傾斜面103bによってさらに全反射された信号光が受光素子12へ入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された送信光は、第3の円筒状部材103の傾斜面103bから入射する。そして、入射した信号光は、反対側の傾斜面103cが45度であり全反射条件が整うので、この傾斜面103cにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第3の円筒状部材103内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行し、周面103aによってさらに全反射された信号光が受光素子14へ入射する。
これにより、信号光は第3の円筒状部材103内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第3の円筒状部材103が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例3のロータリジョイント1Bによれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
さらに、本発明の実施例3のロータリジョイント1Bによれば、発光素子11から出射される信号光によるデータ伝送量と、発光素子13から出射される信号光によるデータ伝送量とが異なる場合に、このデータ伝送量に応じた傾斜面103bと傾斜面103cの面積比とすることができるので、より効率的に高精細な映像や高速なデータを送受信することができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1Bは、第3の円筒状部材103が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第3の円筒状部材103の両端部を逆にして、第3の円筒状部材103が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例4では、回転部側の端部が2つの傾斜面により谷状となるように成形され、固定部側の端部が凹状に成形された光透過性を有する円筒状部材を光伝送媒体として用い、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図4は、本発明の実施例4のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図4(a)に、本発明の実施例4のロータリジョイント1Cの立体構造図、図4(b)に、本発明の実施例4のロータリジョイント1Cの断面図を示す。
図4(b)に示すように、ロータリジョイント1Cは、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第4の円筒状部材104が固定されている。第4の円筒状部材104は、回転部2側の端部が、この部材の中心軸に直交する直線を含み、この中心軸に対して平行でない傾斜面104b,104cを有して谷状となるように形成されている。
ここで、傾斜面104b,104cの面積比は、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量との比に応じて適切なデータ伝送が可能となるように成形される。
例えば、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量が、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量より大きい場合、傾斜面104bの面積が傾斜面104cの面積より大きくなるように成形し、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量とが略等しい場合、傾斜面104bの面積と傾斜面104cの面積とが等しくなるように成形する。ここで、傾斜面104b,104cの中心軸に対する傾斜角度は、それぞれ45度にするのが好ましい。
また、第4の円筒状部材104は、固定部3側の端部が、回転部2側の端部に近づくに従って縮径する凹形状の周面104aを有するように成形されている。ここで、周面104aの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
そして、この第4の円筒状部材104の回転部2側の端面には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、第4の円筒状部材104の端面に近接して発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、第4の円筒状部材104の端面に近接して受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
ここで、発光素子13は、第4の円筒状部材104の固定部3側の端部との間の光伝送が傾斜面104cでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第4の円筒状部材104の傾斜面104cの傾斜角度が、45度となるように成形されている場合、発光素子13は、出射する信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
同様に、受光素子12は、第4の円筒状部材104の固定部3側の端部との間の光伝送が傾斜面104bでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第4の円筒状部材104の傾斜面104bの傾斜角度が、45度となるように成形されている場合、受光素子12は、入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
また、発光素子11及び受光素子14は、第4の円筒状部材104の回転部2側の端部との間の光伝送が凹状の周面104aでの光反射により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、第4の円筒状部材104の周面104aの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子11及び受光素子14は、出射する信号光の光軸、及び入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように固定部基板23に固定される。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第4の円筒状部材104の外周部から入射する。そして、入射した信号光は、周面104aが45度であり全反射条件が整うので、この周面104aにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第4の円筒状部材104内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行し、傾斜面104cによってさらに全反射された信号光が受光素子12へ入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された送信光は、第4の円筒状部材104の外周部から入射する。そして、入射した信号光は、傾斜面104bが45度であり全反射条件が整うので、この傾斜面104bにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第4の円筒状部材104内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行し、周面104aによってさらに全反射された信号光が受光素子14へ入射する。
これにより、信号光は第4の円筒状部材104内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第4の円筒状部材104が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例4のロータリジョイント1Cによれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
さらに、本発明の実施例4のロータリジョイント1Cによれば、発光素子11から出射される信号光によるデータ伝送量と、発光素子13から出射される信号光によるデータ伝送量とが異なる場合に、このデータ伝送量に応じた傾斜面104bと傾斜面104cの面積比とすることができるので、より効率的に高精細な映像や高速なデータを送受信することができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1Cは、第4の円筒状部材104が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第4の円筒状部材104の両端部を逆にして、第4の円筒状部材104が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例5では、回転部側の端部が、回転軸に直交する断面と、この断面に対して傾斜した傾斜面とを有するように成形されると共に、固定部側の端部が凸状に成形された光透過性を有する円筒状部材を光伝送媒体として用い、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図5は、本発明の実施例5のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図5(a)に、本発明の実施例5のロータリジョイント1Dの立体構造図、図5(b)に、本発明の実施例5のロータリジョイント1Dの断面図を示す。
図5(b)に示すように、ロータリジョイント1Dは、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第5の円筒状部材105が固定されている。第5の円筒状部材105は、回転部2側の端部が、この部材の中心軸に直交する直線を含み、この中心軸に対して直交する平面105bと、平面105bに対して傾斜する傾斜面105cとを有するように形成されている。
ここで、平面105bと傾斜面105cとの面積比は、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量との比に応じて適切なデータ伝送が可能となるように成形される。
例えば、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量が、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量より大きい場合、傾斜面105cの面積が平面105bの面積より大きくなるように成形し、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量とが略等しい場合、傾斜面105cの面積と平面105bの面積とが等しくなるように成形する。ここで、傾斜面105cの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
また、第5の円筒状部材105は、固定部3側の端部が、回転部2側の端部から離れるに従って縮径する凸形状の周面105aを有するように成形されている。ここで、周面105aの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
そして、この第5の円筒状部材105の回転部2側の端部には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、第5の円筒状部材105の端面に近接して発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、第5の円筒状部材105の端面に近接して受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
ここで、発光素子13は、第5の円筒状部材105の固定部3側の端部との間の光伝送が傾斜面105cでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第5の円筒状部材105の傾斜面105cの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子13は、出射する信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
また、受光素子12は、第5の円筒状部材105の固定部3側の端部との間の光伝送が平面105bでの透過により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、受光素子12は、入射される信号光の光軸が軸Pと平行となるように回転部基板21に固定される。
また、発光素子11及び受光素子14は、第5の円筒状部材105の回転部2側の端部との間の光伝送が凸状の周面105aでの光反射により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、第5の円筒状部材105の周面105aの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子11及び受光素子14は、出射する信号光の光軸、及び入射される信号光の光軸が軸Pと垂直となるように固定部基板23に固定される。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第5の円筒状部材105の周面105aから入射する。そして、入射した信号光は、反対側の周面105aが45度であり全反射条件が整うので、この周面105aにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第5の円筒状部材105内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行し、さらに平面105bを透過した信号光が受光素子12へ入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された送信光は、第5の円筒状部材105の外周部から入射する。そして、入射した信号光は、傾斜面105cが45度であり全反射条件が整うので、この傾斜面105cにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第5の円筒状部材105内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行し、周面105aによってさらに全反射された信号光が受光素子14へ入射する。
これにより、信号光は第5の円筒状部材105内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第5の円筒状部材105が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例5のロータリジョイント1Dによれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
さらに、本発明の実施例5のロータリジョイント1Dによれば、発光素子11から出射される信号光によるデータ伝送量と、発光素子13から出射される信号光によるデータ伝送量とが異なる場合に、このデータ伝送量に応じた平面105bと傾斜面105cの面積比とすることができるので、より効率的に高精細な映像や高速なデータを送受信することができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1Dは、第5の円筒状部材105が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第5の円筒状部材105の両端部を逆にして、第5の円筒状部材105が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例6では、回転部側の端部が、回転軸に直交する断面と、この断面に対して傾斜した傾斜面とを有するように成形されると共に、固定部側の端面が、回転軸に直交し、かつ回転軸を中心とした円形の平面と、外周側からこの円形の平面に向かって傾斜した凸状の周面とを形成するように成形された光透過性を有する円筒状部材を光伝送媒体として用い、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図6は、本発明の実施例6のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図6(a)に、本発明の実施例6のロータリジョイント1Eの立体構造図、図6(b)に、本発明の実施例6のロータリジョイント1Eの断面図を示す。
図6(b)に示すように、ロータリジョイント1Eは、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第6の円筒状部材106が固定されている。第6の円筒状部材106は、回転部2側の端部が、この部材の中心軸に直交する直線を含み、この中心軸に対して直交する平面106cと、平面106cに対して傾斜する傾斜面106dとを有するように形成されている。
ここで、平面106cと傾斜面106dとの面積比は、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量との比に応じて適切なデータ伝送が可能となるように成形される。例えば、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量が、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量より大きい場合、傾斜面106dの面積が平面106cの面積より大きくなるように成形し、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量とが略等しい場合、傾斜面106dの面積と平面106cの面積とが等しくなるように成形する。ここで、傾斜面106dの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
また、第6の円筒状部材106は、固定部3側の端部が、回転部2側の端部から離れるに従って縮径する周面106aと、中心軸に直交する断面の一部を含む平面106bとを有して凸形状に成形されている。ここで、周面106aの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
そして、平面106bと周面106aとの面積比は、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量との比に応じて適切なデータ伝送が可能となるように成形される。
例えば、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量が、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量より大きい場合、周面106aの面積が平面106bの面積より大きくなるように成形し、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量とが略等しい場合、傾斜面106aの面積と円形の平面106bの面積とが等しくなるように成形する。
そして、この第6の円筒状部材106の回転部2側の端部には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、第6の円筒状部材106の端面に近接して発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、第6の円筒状部材106の端面に近接して受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
ここで、発光素子13は、第6の円筒状部材106の固定部3側の端部との間の光伝送が傾斜面106dでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第6の円筒状部材106の傾斜面106dの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子13は、出射する信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
また、受光素子12は、第6の円筒状部材106の固定部3側の端部との間の光伝送が平面106cでの透過により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、受光素子12は、入射される信号光の光軸が軸Pと平行となるように回転部基板21に固定される。
また、発光素子11は、第6の円筒状部材106の回転部2側の端部との間の光伝送が傾斜面106bでの透過により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、発光素子11は、出射される信号光の光軸が軸Pと一致するように固定部基板23に固定される。
さらに、受光素子14は、第6の円筒状部材106の回転部2側の端部との間の光伝送が周面106aでの光反射により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、第6の円筒状部材106の周面106aの角度が45度となるように成形されている場合、受光素子14は、入射する信号光の光軸が軸Pと垂直となるように固定部基板23に固定される。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第6の円筒状部材106の平面106bから入射する。そして、入射した信号光は、第6の円筒状部材106内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行する。そして、さらに平面106cを透過した信号光が受光素子12へ入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された送信光は、第6の円筒状部材106の外周部から入射する。そして、入射した信号光は、傾斜面106dが45度であり全反射条件が整うので、この傾斜面106dにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第6の円筒状部材106内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行し、周面106aによってさらに全反射された信号光が受光素子14へ入射する。
これにより、信号光は第6の円筒状部材106内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第6の円筒状部材106が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例6のロータリジョイント1Eによれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
さらに、本発明の実施例6のロータリジョイント1Eによれば、発光素子11から出射される信号光によるデータ伝送量と、発光素子13から出射される信号光によるデータ伝送量とが異なる場合に、このデータ伝送量の比に応じて、第6の円筒状部材106の両端における平面と傾斜面との面積比を適正にすることができるので、より効率的に高精細な映像や高速なデータを送受信することができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1Eは、第6の円筒状部材106が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第6の円筒状部材106の両端部を逆にして、第6の円筒状部材106が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例7では、回転部側の端部が、回転軸に直交する断面と、この断面に対して傾斜した傾斜面とを有するように成形されると共に、固定部側の端面が、回転軸に直交し、かつ回転軸を中心とした円形の平面と、外周側からこの円形の平面へ中心に向かって傾斜した凹状の周面とを形成するように成形された光透過性を有する円筒状部材を光伝送媒体として用い、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図7は、本発明の実施例7のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図7(a)に、本発明の実施例7のロータリジョイント1Fの立体構造図、図7(b)に、本発明の実施例7のロータリジョイント1Fの断面図を示す。
図7(b)に示すように、ロータリジョイント1Fは、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第7の円筒状部材107が固定されている。第7の円筒状部材107は、回転部2側の端部が、この部材の中心軸に直交する直線を含み、この中心軸に対して直交する平面107cと、平面107cに対して傾斜する傾斜面107dとを有するように形成されている。
ここで、平面107cと傾斜面107dとの面積比は、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量との比に応じて適切なデータ伝送が可能となるように成形される。例えば、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量が、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量より大きい場合、傾斜面107dの面積が平面107cの面積より大きくなるように成形し、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量とが略等しい場合、傾斜面107dの面積と平面107cの面積とが等しくなるように成形する。ここで、傾斜面107dの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
また、第7の円筒状部材107は、固定部3側の端部が、回転部2側の端部に近づくに従って縮径する周面107aと、中心軸に直交する断面の一部を含む平面107bとを有して凹形状に成形されている。ここで、周面107aの中心軸に対する傾斜角度は、例えば、45度にするのが好ましい。
そして、円形の平面107bと周面107aとの面積比は、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量との比に応じて適切なデータ伝送が可能となるように成形される。
例えば、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量が、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量より大きい場合、周面107aの面積が平面107bの面積より大きくなるように成形し、発光素子13から出射された信号光のデータ伝送量と、発光素子11から出射された信号光のデータ伝送量とが略等しい場合、周面107aの面積と平面107bの面積とが等しくなるように成形する。
そして、この第7の円筒状部材107の回転部2側の端面には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、第7の円筒状部材107の端面に近接して発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、第7の円筒状部材107の端面に近接して受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
ここで、発光素子13は、第7の円筒状部材107の固定部3側の端部との間の光伝送が傾斜面107dでの光反射により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、第7の円筒状部材107の傾斜面107dの傾斜角度が45度となるように成形されている場合、発光素子13は、出射する信号光の光軸が軸Pと垂直となるように回転部基板21に固定される。
また、受光素子12は、第7の円筒状部材107の固定部3側の端部との間の光伝送が平面107cでの透過により光路が設けられる位置に回転部基板21に固定される。即ち、受光素子12は、入射される信号光の光軸が軸Pと平行となるように回転部基板21に固定される。
また、発光素子11は、第7の円筒状部材107の回転部2側の端部との間の光伝送が円形の平面107bでの透過により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、発光素子11は、出射する信号光の光軸が軸Pと一致するように固定部基板23に固定される。
さらに、受光素子14は、第7の円筒状部材107の回転部2側の端部との間の光伝送が周面107aでの光反射により光路が設けられる位置に固定部基板23に固定される。即ち、第7の円筒状部材107の周面107aの角度が45度となるように成形されている場合、受光素子14は、入射する信号光の光軸が軸Pと垂直となるように固定部基板23に固定される。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第7の円筒状部材107の円形の平面107bから入射する。そして、入射した信号光は、第7の円筒状部材107内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行する。そして、さらに第7の円筒状部材107の回転部2側の平面107cを透過した信号光が、受光素子12へ入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された送信光は、第7の円筒状部材107の外周部から入射する。そして、入射した信号光は、傾斜面107dが45度であり全反射条件が整うので、この傾斜面107dにより全反射される。そして、全反射された信号光は、第7の円筒状部材107内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行し、周面107aによってさらに全反射された信号光が受光素子14へ入射する。
これにより、信号光は第7の円筒状部材107内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第7の円筒状部材107が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例7のロータリジョイント1Fによれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
さらに、本発明の実施例7のロータリジョイント1Fによれば、発光素子11から出射される信号光によるデータ伝送量と、発光素子13から出射される信号光によるデータ伝送量とが異なる場合に、このデータ伝送量の比に応じて、第7の円筒状部材107の両端における平面と傾斜面との面積比を適正にすることができるので、より効率的に高精細な映像や高速なデータを送受信することができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1Fは、第7の円筒状部材107が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第7の円筒状部材107の両端部を逆にして、第7の円筒状部材107が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例8では、各端部が回転軸に直交する断面を有するように成形された光透過性を有する円筒状部材の光伝送媒体と、光を反射させる凸形状の光反射部材とを用いて、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図8は、本発明の実施例8のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図8(a)に、本発明の実施例8のロータリジョイント1Gの立体構造図、図8(b)に、本発明の実施例8のロータリジョイント1Gの断面図を示す。
図8(b)に示すように、ロータリジョイント1Gは、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第8の円筒状部材108が固定されている。
第8の円筒状部材108の回転部2側の端部は、軸Pに直交する断面108bを有するように成形されている。同様に、第8の円筒状部材108の固定部3側の端部も、軸Pに直交する断面108aを有するように成形されている。
また、第8の円筒状部材108の回転部2側には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、そして受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
また、所定の軸に直交する円形平面が、この平面から離れるに従って縮径する周面30aを有し、この周面30aに光反射性処理が施こされた第1の光反射部材30が、発光素子13と第8の円筒状部材108の回転部2側の端部との間の光信号伝送が光反射により光路が設けられるように、また、受光素子12と第8の円筒状部材108の回転部2側の端部との間の光信号伝送が光反射により光路が設けられるように、前記所定の軸と軸Pとが同軸上となる位置で回転部2に固定されている。
ここで、周面30aの傾斜は直線となるものであり、第1の光反射部材30の底面30bに対する周面30aの傾斜角度は、例えば45度にするのが好ましい。
なお、第1の光反射部材30は、円錐体や円錐台等、周面30aを有しさえすればよい。
さらに、所定の軸に直交する円形平面が、この平面から離れるに従って縮径する周面31aを有し、この周面31aに光反射性処理が施こされた第2の光反射部材31が、発光素子11と第8の円筒状部材108の固定部3側の端部との間の光信号伝送が光反射により光路が設けられるように、また、受光素子14と第8の円筒状部材108の固定部3側の端部との間の光信号伝送が光反射により光路が設けられるように、所定の軸と軸Pとが同軸上となる位置で固定部3に固定されている。
ここで、周面31aの傾斜は直線となるものであり、第2の光反射部材31の底面31bに対する周面31aの傾斜角度は、例えば45度にするのが好ましい。
なお、第2の光反射部材31も、円錐体や円錐台等、周面31aを有しさえすればよい。
また、第1の光反射部材30の周面30a、及び第2の光反射部材31の周面31aは、光反射性を有するものであるが、例えば、光反射性膜により被覆する等のように、その表面が信号光を反射させるように加工されていればよい。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第2の光反射部材31の周面31aにより軸P方向へ反射され、第8の円筒状部材108の断面108aから入射する。そして、入射した信号光は、第8の円筒状部材108内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行する。そして、さらに第8の円筒状部材108の回転部2側の断面108bを透過した信号光が、第1の光反射部材30の周面30aにより軸Pに対して直角方向へ反射され、受光素子12へ入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された送信光は、第1の光反射部材30の周面30aにより軸P方向へ反射され、第8の円筒状部材108の断面108bに入射する。そして、入射した信号光は、第8の円筒状部材108内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行する。そして、さらに第8の円筒状部材108の固定部3側の断面108aを透過した信号光が、第2の光反射部材31の周面31aにより軸Pに対して直角方向へ反射され、受光素子14へ入射する。
これにより、信号光は第8の円筒状部材108内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第8の円筒状部材108が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例8のロータリジョイント1Gによれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
さらに、本発明の実施例8のロータリジョイント1Gによれば、第8の円筒状部材108の両端部を回転軸に直交する断面を有するように成形しているので、より簡単に製造することができ、これにより製造コストを低減させることができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1Gは、第8の円筒状部材108が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第8の円筒状部材108が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例9では、各端部が回転軸に直交する断面を有するように成形された光透過性を有する円筒状部材の光伝送媒体と、実施例8記載の光反射部材とは別形態である、光を反射させる凸形状の光反射部材とを用いて、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図9は、本発明の実施例9のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図9(a)に、本発明の実施例9のロータリジョイント1Hの立体構造図、図9(b)に、本発明の実施例9のロータリジョイント1Hの断面図を示す。
図9(b)に示すように、ロータリジョイント1Hは、回転部2と固定部3とを備え、固定部3に対して回転部2が軸Pを中心に回転可能に保持されている。
回転部2は、回転部基板21を有し、この回転部基板21には、例えばアクリル樹脂などの光透過性を有する素材で成形された第8の円筒状部材108が固定されている。
第8の円筒状部材108は、実施例8で説明したものと同一であるため、その構成についての説明を省略する。
第8の円筒状部材108の回転部2側には、発光素子13と受光素子12とが回転部基板21上に配置されている。
一方、固定部3は、発光素子13と対になるように受光素子14が固定部基板23上に配置され、そして、受光素子12と対になるように発光素子11が固定部基板23上に配置されている。
また、所定の軸に直交する円形平面が、この平面から離れるに従って縮径する周面32aを有し、この周面32aに光反射性処理が施こされた第3の光反射部材32が、発光素子13と第8の円筒状部材108の回転部2側の端部との間の光信号伝送が光反射により光路が設けられるように、また、受光素子12と第8の円筒状部材108の回転部2側の端部との間の光信号伝送が光反射により光路が設けられるように、前記所定の軸と軸Pとが同軸上となる位置で回転部2に固定されている。
ここで、周面32aの傾斜は所定の曲率を有した凹状の曲線となるものであり、その曲率は、第8の円筒状部材108の断面108bから射出された信号光が受光素子12に集光されるように設計される。なお、第3の光反射部材32は、円錐体や円錐台等、周面32aを有しさえすればよい。
さらに、所定の軸に直交する円形平面が、この平面から離れるに従って縮径する周面33aを有し、この周面33aに光反射性処理が施こされた第4の光反射部材33が、発光素子11と第8の円筒状部材108の固定部3側の端部との間の光信号伝送が光反射により光路が設けられるように、また、受光素子14と第8の円筒状部材108の固定部3側の端部との間の光信号伝送が光反射により光路が設けられるように、前記所定の軸と軸Pとが同軸上となる位置で固定部3に固定されている。
ここで、周面33aの傾斜は所定の曲率を有した凹状の曲線となるものであり、その曲率は、円筒状部材108の断面108aから射出された信号光が受光素子14に集光されるように設計される。なお、第4の光反射部材33は、円錐体や円錐台等、周面33aを有しさえすればよい。
また、第3の光反射部材32の周面32a、及び第4の光反射部材32の周面32aは、光反射性を有するものであるが、例えば、光反射性膜により被覆する等のように、その表面が信号光を反射させるように加工されていればよい。
固定部基板23に固定された発光素子11より発光された送信光は、第4の光反射部材33の周面33aにより反射されると共に、第8の円筒状部材108の断面108aに集光されて入射する。そして、入射した信号光は、第8の円筒状部材108内を外周方向に広がりながら回転部2側の端部に向かって進行する。そして、さらに第8の円筒状部材108の回転部2側の断面108bを透過した信号光が、第3の光反射部材32の周面32aにより反射されると共に、受光素子12へ集光されて入射する。
また、回転部基板21に固定された発光素子13より発光された送信光は、第3の光反射部材32の周面32aにより反射されると共に、第8の円筒状部材108の断面108bに集光されて入射する。そして、入射した信号光は、第8の円筒状部材108内を外周方向に広がりながら固定部3側の端部に向かって進行する。そして、さらに第8の円筒状部材108の固定部3側の断面108aを透過した信号光が、第4の光反射部材33の周面33aにより反射されると共に、受光素子14へ集光されて入射する。
これにより、信号光は第8の円筒状部材108内を外周方向に広がりながら他端へ向かって進行するので、軸Pを中心とした回転部2の回転に伴って、第8の円筒状部材108が回転しても、受光素子12,14の受光レベルは殆ど変動なく、受光素子12,14は安定して信号光を受光することができる。
以上のように、本発明の実施例9のロータリジョイント1Hによれば、固定部3とこれに回転自在に組み合わされた回転部2とにわたる双方向の光伝送を小型且つローコストに実現でき、しかも高精細な映像や高速なデータであっても安定して送受信することができる。
さらに、本発明の実施例9のロータリジョイント1Hによれば、第8の円筒状部材108の両端を回転軸に直交する断面を有するように成形しているので、より簡単に製造することができ、これにより製造コストを低減させることができる。
特に、第3及び第4の光反射部材32,33により、信号光を反射させると共に集光させるので、より信号光の光損失が少なく、より安定的に高精細な映像や高速なデータを送受信することができる。
なお、本実施例では、ロータリジョイント1Hは、第8の円筒状部材108が回転部2に固定される例として説明したが、これ以外にも、第8の円筒状部材108が固定部3に固定されるように構成してもよい。
本発明の実施例10では、実施例1におけるロータリジョイントの構成に加え、回転部及び固定部に、所定の波長の信号光を選択的に透過させる波長選択フィルタをさらに備え、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる双方向の光伝送を行うロータリジョイントを例に挙げて説明する。
図10は、本発明の実施例10のロータリジョイントの構成を示した構成図である。
図10(a)に、本発明の実施例10のロータリジョイント1Jの立体構造図、図10(b)に、本発明の実施例10のロータリジョイント1Jの断面図を示す。
図10(b)に示すように、第1の円筒状部材101の周面101bから出射された信号光の光路上であって受光素子12の受光面の前に、信号光の波長を選択的に透過させる波長選択フィルタ34が回転部基板21に固定されている。波長選択フィルタ34は、例えば、誘電体多層膜や波長選択性を有する樹脂材料等で構成されている。
これにより、第1の円筒状部材101の傾斜面101bから出射された信号光の波長と発光素子13から出射される信号光の波長が異なる場合、発光素子13から出射する信号光を遮断する波長選択性を有する波長選択フィルタ34を設けることで、受光素子12は、発光素子13から出射される信号光をノイズとして受光することなく、安定的に、発光素子11から出射された信号を受光することができる。
また、図10(b)に示すように、第1の円筒状部材101の周面101aから出射された信号光の光路上であって受光素子14の受光面の前に、信号光の波長を選択的に透過させる波長選択フィルタ35が固定部基板23に固定されている。波長選択フィルタ35は、波長選択フィルタ34と同様に、誘電体多層膜や波長選択性を有する樹脂材料等で構成されている。
これにより、第1の円筒状部材101の周面101aから出射された信号光の波長と発光素子11から出射される信号光の波長が異なる場合、発光素子11から出射する信号光を遮断する波長選択性を有する波長選択フィルタ35を設けることで、受光素子14は、発光素子11から出射される信号光をノイズとして受光することなく、安定的に、発光素子13から出射された信号を受光することができる。
なお、本実施例では、実施例1のロータリジョイント1の構成に加え、回転部及び固定部に、所定の波長の信号光を選択的に透過させる波長選択フィルタ34,35をさらに備えた構成としたが、いずれか一方の波長選択フィルタのみを備えるようにしてもよい。
さらには、実施例2〜9のロータリジョイント1A〜1Hそれぞれにおいて、波長選択フィルタ34,35の少なくとも一方を備えた構成としてもよい。
以上詳述した実施例1〜7において、円筒状部材の各端部の形状は例示した以外の組み合わせによるものとしてもよい。例えば、実施例1,2においては、円筒状部材の端部を、凸形状をなす周面と凹形状をなす周面との組み合わせとしてもよい。また、実施例3,4においては、円筒状部材の両端部を、凸形状同士又は凹形状同士だけでなく、凸形状と凹形状との組み合わせとしてもよい。また、実施例5においては、第5の円筒状部材105の一方の端部を凹形状をなす周面を有するように構成してもよい。
また、実施例8,9においては、第8の円筒状部材108を、軸Pとその部材の中心軸とが同軸上に位置する場合のみならず、光路を外さない範囲での平行な位置にあるように配置し、且つ第8の円筒状部材108を回転部2及び固定部3のいずれによっても回転されないように構成してもよい。
(a)に、本発明の実施例1のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例1のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例2のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例2のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例3のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例3のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例4のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例4のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例5のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例5のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例6のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例6のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例7のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例7のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例8のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例8のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例9のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例9のロータリジョイントの断面図を示す。
(a)に、本発明の実施例10のロータリジョイントの立体構造図を示し、(b)に、本発明の実施例10のロータリジョイントの断面図を示す。
符号の説明
1…ロータリジョイント
1A…ロータリジョイント
1B…ロータリジョイント
1C…ロータリジョイント
1D…ロータリジョイント
1E…ロータリジョイント
1F…ロータリジョイント
1G…ロータリジョイント
1H…ロータリジョイント
1J…ロータリジョイント
2…回転部
3…固定部
11,13…発光素子
12,14…受光素子
21…回転部基板
23…固定部基板
30…第1の光反射部材
31…第2の光反射部材
33…第3の光反射部材
34…第4の光反射部材
34,35…波長選択フィルタ
101…第1の円筒状部材
102…第2の円筒状部材
103…第3の円筒状部材
104…第4の円筒状部材
105…第5の円筒状部材
106…第6の円筒状部材
107…第7の円筒状部材
108…第8の円筒状部材