以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
図1〜図13は、本発明を適用した実施の形態に係る操作信号生成装置1について説明するための図である。なお、操作信号生成装置1は、建造物、又は、建造物に固定された工作物、又は、静置して利用される物品(これらについては、適宜、「建造物等」と呼ぶ)の振動に基づいて、電子機器を操作する(動作させる)操作信号を生成する装置である。
ここで、「建造物」とは、家屋(壁、床、天井、屋根、柱、プールや風呂等も含む)やビルや道路(歩道を含む)、港湾設備やダム、上下水道、パイプライン、船舶、電車、自動車、駐車場(立体駐車場を含む)を含む。また、「建造物に固定された工作物」とは、家屋等に備え付けられたドアやバスタブやバスユニット、換気扇ユニット、トイレユニット、システムキッチン、道路に設けられた電柱、送電塔やマンホールを含む。また、「静置して利用される物品」とは、テーブルや椅子、本棚やクローゼットなどの家具、家屋等に備え付けられて利用される操作対象である電子機器本体及びリモコンを含む。ただし、これらは、建造物、工作物、物品の一例であり、本発明はこれに限られるものではない。また、本発明は、建造物と工作物、工作物と静置物品、静置物品と建造物などの、異なる分類に同時に属する部材を対象に含む。
また、本発明が操作の対象とする電子機器についても、特に限定されるものではない。例えば、電子機器は、照明機器、AV機器、エアコン、ナビゲーションシステム、ドア(自動ドア)、電子キー、換気扇、電磁弁であってもよい。ただし、ここに挙げた電子機器は、本発明の対象の一例であり、本発明がこれらに限られるものではない。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、図1に示すように、振動を検出する振動検出センサ10を含む。なお、本実施の形態では、振動検出センサ10の出力信号に基づいて、後述する操作信号生成部20で、電子機器を操作する操作信号が生成される。このことから、本実施の形態では、振動検出センサ10を、操作信号生成装置1に操作情報を入力するための操作情報入力装置(ユーザインターフェース)ととらえてもよい。
振動検出センサ10は、対象物(建造物等)の振動を検出することが可能ないずれかのセンサを利用することができる。例えば、振動検出センサ10として、角速度センサ(ジャイロセンサ)を利用してもよい。ここで、角速度センサとは、ある一定の回転軸を中心とした回転運動に対する回転の速さ(回転角速度)を計測するセンサであり、回転角速度に応じたアナログ信号を出力するように構成されていてもよい。ジャイロセンサは、例えば圧電効果を利用して振動する振動ジャイロスコープであってもよい。このタイプのセンサでは、ジャイロ素子(水晶等の振動体)に交流電圧を加えることでジャイロ素子の少なくとも一部を振動させ、コリオリ力を利用して、回転率や角速度に応じた電流(電圧)を発生させる。この電流(電圧)信号を内部で増幅し、角速度に比例した電圧を出力することで、振動に応じた電気信号を出力することが可能になる。なおジャイロの種類は任意であり、例えばMEMS(micro electro mechanical system)技術を応用したジャイロセンサでもよい。振動検出センサ10は、所定の1軸方向のみの振動を検出する構成であってもよく、互いに直交する2軸又は3軸それぞれに対して検出する構成でもよい。
ただし、本発明に適用可能な振動検出センサ10はジャイロセンサに限られるものではない。例えば、振動検出センサ10として、加速度を検出する加速度センサを利用してもよい。これによっても、建造物等の振動を検出することができる。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、図1に示すように、アナログ処理回路(アナログフロントエンド回路)15を含む。アナログ処理回路15は、ローパスフィルタ/オペアンプ14、A/Dコンバータ16を含み、振動検出センサ10が出力するアナログ信号12の入力を受け付け、対応するデジタル信号18を生成するように構成されていてもよい。なお、本実施の形態では、アナログ処理回路15を、振動検出センサ10や、後述する操作信号生成部20の一部ととらえてもよい。ただし、本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、アナログ処理回路15を含まない構成であってもよい。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、図1に示すように、電子機器を操作する操作信号を生成する操作信号生成部20を含む。操作信号生成部20が生成する操作信号は、電子機器に特定の動作を行わせるための信号であり、例えば、電子機器のオン/オフを制御する信号(オン/オフ反転信号)であってもよく、コマンド信号(動作選択信号)であってもよい。
操作信号生成部20は、振動検出センサ10の出力信号に基づいて、操作信号を生成する。本実施の形態では、操作信号生成部20は、振動検出センサ10の出力信号が所定の条件を満たしているか否かを判定し、当該出力信号が所定の条件を満たしている場合に、操作信号を生成するように構成されている。すなわち、操作信号生成部20は、建造物等に特定の振動が加えられたときにのみ操作信号を生成するように構成されているといえる。
操作信号生成部20は、1の振動検出センサの出力信号に基づいて、前記振動入力領域の異なる位置に設定された複数のスイッチエリアに対する叩き入力の有無を判定し、前記複数のスイッチエリアのいずれかのスイッチエリアに前記叩き入力が有りと判定された場合には、当該スイッチエリアに対応した操作信号を生成するようにしてもよい。
また本実施の形態の操作信号生成装置1は、複数の振動検出センサ10を含み、操作信号生成部20は、前記保持部材の異なる位置に配置された複数の振動検出センサ10の出力信号の遷移に基づき前記振動入力領域の異なる位置に設定された複数のスイッチエリアに対する叩き入力の有無を判定し、前記複数のスイッチエリアのいずれかのスイッチエリアに前記叩き入力が有りと判定された場合には、当該スイッチエリアに対応した操作信号を生成するようにしてもよい。
本実施の形態では、操作信号生成部20(操作信号生成装置1)は、図1に示すように、叩き回数検出部30を含む。叩き回数検出部30は、振動検出センサ10の出力信号に基づいて、ユーザが建造物等を叩いた回数を検出する。叩き回数検出部30は、振動検出センサ10の出力信号(例えばアナログ処理回路15から出力されたデジタル信号18)を受け取り、出力信号の遷移に基づき叩かれた回数を判定するもので、例えばCPUやCPUを含むマイクロコンピュータ等で実現することができる。
なお、叩き回数検出部30が叩き回数を検出する方法は特に限定されるものではない。以下、振動検出センサ10としてジャイロセンサを利用した場合を例にとって、叩き回数検出部30が叩き回数を検出する手順の一例について説明する。
図2(A)は、振動検出センサ10(建造物等)が1回振動したときの、振動検出センサ10の出力信号を示す図である。すなわち、振動検出センサ10(建造物等)が1回振動すると、振動検出センサ10からは、図2(A)に示すアナログ信号(アナログ電圧信号)が出力される。なお、図2(A)における電圧値220は、振動検出センサ10が右回転した場合に出力される電圧値であり、電圧値222は、振動検出センサ10が左回転した場合に出力される電圧値である。なお、振動検出センサ10は、建造物等が振動するたびに、所定の基準軸の両側に同程度変位する。そのため、建造物等が1回振動すると、振動検出センサ10は、図2(A)に示すように、基準電圧を対称とする2つのピークを持つ信号を出力する。
これをアナログ処理回路15で処理すると、図2(B)に示すデジタル信号が生成される。すなわち、図2(B)は、振動検出センサ10が出力したアナログ信号をデジタル変換した結果を示している。静止状態の電圧値を0とすると、+の値を有する区間220’では右回転しており(右回転パルス発生)、−の値を有する区間では左回転している事になる(左回転パルス発生)。建造物等が1回叩かれると、右回転と左回転が一対となって検出される。そのため、この一対となる右回転パルスと左回転パルスを検出することにより1回叩かれたことを検出することができる。
次に、叩き回数検出部30が叩き回数を判定する手法について説明する。図3は、振動検出センサ10(建造物等)が2回叩かれた場合に、振動検出センサ10から出力される出力信号の一例を示す図である。なお、図3では、出力信号250を連続的な線(アナログ値)で示しているが、出力信号250は離散的な点の集合(デジタル値)で表してもよい。
図3を見ると、振動検出センサ10の出力を示す出力信号250は、P1,P2、P3、P4の極値(最大値又は最小値)を有する規則的なパルスのあとに、P5,P6,P7,P8の極値を有する派生的なパルスが現れる。ここでP1,P2の極値を有するパルスは1回目の叩き操作によって生じたものであり、P3,P4の極値を有するパルスは2回目の叩き操作によって生じたものである。そしてそれ以降の不規則なパルス(極値P5、P6、P7,P8を有するパルス)は、1回目と2回目の叩き操作の反動として生じる揺れにより生じたものである。
本実施の形態では、出力信号250の強度(電圧値)の閾値(+S、−S)を設定し、閾値を超える一対のパルスを検出すると1回の叩き操作が行われたと判定するようにしてもよい。このようにすると、図3に示す出力信号250は、所定の期間内に、閾値を超える2対のパルス(P1、P2を極値とする1対のパルス、P3、P4を極値とする1対のパルス)を有するので、2回の叩き操作があったと判定することができる。すなわち、叩き回数検出部30は、所定の期間内に出現するパルスの数をカウントすることで、叩き操作の回数を検出する構成となっていてもよい。
なお、本実施の形態では、出力信号250の強度(電圧値)の取り得る上限と下限の両方を規定した極値範囲(+l、−l)を設定し、極値が極値範囲内である一対のパルスを検出すると1回の叩き操作が行われたと判定するようにしてもよい。このようにすると出力信号250は、極値が極値範囲内にある2対のパルス(P1、P2を極値とする1対のパルス、P3、P4を極値とする1対のパルス)を有するので、2回の叩き操作があったと判定することができる。また、これによると、振動検出センサ10が極値範囲を超える値を有する信号を出力した場合に、当該振動に基づいて電子機器が動作することを防止することができる。そのため、電子機器の誤動作を防止することができる。
なお、本実施の形態では、操作信号生成装置1は、叩き動作の判定条件(閾値や極値範囲)を設定することが可能に構成されていてもよい。例えば操作信号生成装置1は、図1に示すように、書き換え可能に構成された判定条件記憶部32と判定条件設定部34とを含んでいてもよく、叩き回数検出部30は、判定条件記憶部32に記憶された判定条件に基づいて叩き回数を検出してもよい。なお、判定条件記憶部32に記憶させる判定条件は、振動検出センサ10の出力信号に基づいて設定してもよい。具体的には、判定条件設定期間を設けてユーザに叩き動作を行わせ、振動検出センサ10から出力された信号に基づいて閾値や極値範囲などの判定条件(上述したSの値やlの値)を設定し、判定条件記憶部32に記憶させてもよい。このとき、パルスの出現間隔(周期)についてもあわせて検出し、判定条件記憶部32に記憶させてもよい。
一般に、物を叩く動作(強さや早さ)はユーザ毎に異なる。図4(A)にはユーザAが叩き動作を連続して2回行ったときの振動検出センサ10の出力信号270を示し、図4(B)にはユーザBが叩き動作を連続して2回行ったときの振動検出センサ10の出力信号280を示す。図4(A)及び図4(B)に示すように、同じ「2回叩く」という動作を行った場合でも、ユーザ毎に出力信号の強度や周期が異なる。そのため、特定のユーザに応じた判定条件を設定することで、第三者が電子機器を動作させることを防止することができ、操作信号生成装置1にセキュリティー機能を付加することが可能になる。なお、振動検出センサ10の出力信号は、建造物等の叩き領域(操作情報入力領域)によっても異なる。そのため、ユーザがある程度の範囲内で自由に叩き領域を設定し、当該叩き領域を叩いたときの振動検出センサ10の出力信号に基づいて判定条件を設定すれば、当該ユーザが定めた叩き領域を叩かなければ判定条件を満たす振動を生成することが困難になる。そのため、第三者が判定条件を満たす振動を再現することが困難で、信頼性の高いセキュリティシステムを実現することが可能になる。また、ユーザ毎に判定情報を設定することで、操作信号生成装置1の誤作動を防止することができることから、操作信号生成装置1を高精度に動作させることが可能になる。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、図1に示すように、対応関係記憶部40を含む。対応関係記憶部40は、叩き回数(振動パターン)と操作信号との対応関係を記憶する。すなわち、対応関係記憶部40は、振動検出センサ10の出力信号と操作信号との対応関係を記憶しているといってもよい。なお対応関係記憶部40を、例えばフラッシュメモリやEEPROMなどの書き換え可能なメモリで構成し、外部からの入力に基づき、該書き換え可能なメモリに基準データを設定できるように構成されていてもよい。また対応関係をプログラムの命令コードに組み込み、CPUに実行させることで対応関係記憶部40として機能させるようにしてもよい。
そして、本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、操作信号生成処理部25を有する。操作信号生成処理部25は、対応関係記憶部40に記憶された対応関係を示すデータに基づいて、叩き回数検出部30で検出された叩き回数(すなわち振動検出センサ10で検出された振動パターン)に対応する操作信号(コマンド)を生成する。これにより、「叩く」という単純な動作を組み合わせることによって所望の操作信号を生成することが可能になるため、操作性に優れた操作信号生成装置1を提供することが可能になる。
対応関係記憶部40は、叩き回数や振動パターンといった、振動検出センサ10の出力信号と操作信号の対応関係とを処理体系毎に記憶していてもよい。この場合、操作信号生成装置1は複数の処理体系を切り替えて実行するための処理体系切り替え部を含む。そして、操作信号生成部20は、選択された処理体系における対応関係に基づいて、検出された叩き回数(あるいは振動パターン)に対応付けられた操作信号を生成するように構成されていてもよい。
なお、本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、図1に示すように、対応関係設定部42を含む。対応関係設定部42は、振動検出センサ10の出力信号(叩き回数や振動パターン)とコマンドとの対応関係を設定し、対応関係記憶部40に記憶させるもので、例えばCPUやCPUを含むマイクロコンピュータ等で実現することができる。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、接触検出部を含んでいてもよい(図示せず)。接触検出部は、静電センサ(タッチパネル)、温度センサ、圧力センサ等、ユーザが接触していることを検出することが可能な電子デバイスによって実現してもよい。そして、本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、ユーザが接触検出部に接触している期間に限り、電子機器の操作が可能になるように構成されていてもよい。これにより、ユーザが操作信号生成装置1による電子機器の操作を意図しないときに、電子機器が誤動作することを防止することができる。なお、接触検出部は、振動検出センサ10の出力信号に基づく電子機器の操作を、有効又は無効に設定する手段であるととらえることができる。すなわち、本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、振動検出センサ10の出力信号に基づく電子機器の操作を、有効又は無効に設定する設定手段を備えているとみなしてもよい。ただし、本発明に適用可能な設定手段は、接触検出デバイスに限られるものではない。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、操作信号生成部20で生成された操作信号を、有線又は無線で電子機器100に送信するように構成されていてもよい。そして、電子機器100は操作信号を受信し、当該操作信号に基づいて所定の動作を行う。電子機器100は制御部102を有していてもよく、制御部102が、操作信号に基づいて、電子機器100に所定の動作を行わせてもよい。なお、制御部102は、操作信号に基づいてコマンドを実行する装置であってもよく、例えばCPUやCPUを含むマイクロコンピュータ等で実現することができる。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1の各機能は、半導体集積回路装置(IC)によって実現してもよい。例えば、先に述べた操作信号生成部20や叩き回数検出部30、対応関係記憶部40や対応関係設定部42は、半導体集積回路装置によって実現してもよい。また、振動検出センサ10は、振動検出素子とその動作を制御する制御回路とを含むMEMSとして構成されていてもよい。なお、アナログ処理回路15は、本実施の形態に係る操作信号生成装置1を実現するための半導体集積回路装置に搭載されていてもよく、別の半導体集積回路装置や電子部品として実現してもよい。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、図5(A)に示すように、少なくとも振動検出センサ10が実装される基板50を有する。基板50には、操作信号生成部20の機能を実現するための半導体集積回路装置が実装されていてもよい。また、基板50には、電源装置や、外部(電子機器100)に操作信号を送信するための発信装置が実装されていてもよい。基板50の材料や構造は特に限定されるものではない。基板50は配線パターンを有していてもよく、操作信号生成装置1は、該配線パターンを介して、種々の信号の授受が行われるように構成されていてもよい。
本実施の形態に係る操作信号生成装置1は、図5(B)に示すように、少なくとも振動検出センサ10が内部に配置される、筐体52をさらに含む。そして、基板50は、筐体52の一部を構成していてもよい。このとき、筐体52の内面を基板50の回路面として利用することで、基板50の回路面(実装面)及び集積回路装置(IC)を、筐体52内部に配置することができる。筐体52は、防水性の筐体であってもよい。これによると、基板50の回路面や集積回路装置が水分と接触することを防止することができるため、水周りや屋外で安全に利用することが可能な操作信号生成装置を提供することができる。また、筐体52は、気密性の筐体であってもよい。これにより、火気厳禁の環境下で安全に利用することが可能な操作信号生成装置を提供することができる。本実施の形態では、筐体52(筐体52及び筐体52内部に封止された電子部品)を指して、操作信号生成装置ユニット2と称してもよい。
図6(A)及び図6(B)は、操作信号生成装置ユニット2(筐体52)が保持部材60に備え付けられた様子を示す図である。なお、保持部材60は、建造物等を構成する部材である。保持部材60は、例えば家屋の壁材や床材であってもよい。保持部材60は、ユーザ側を向く主面62を含む。そして、主面62は、振動入力領域64と、振動入力領域64を囲む周辺領域66とを含む。なお、振動入力領域64とは、図6(B)に示すように、その裏面63に操作信号生成装置ユニット2が取り付けられる領域である。すなわち、振動入力領域64とは、主面62のうち、最も操作信号生成装置ユニット2(振動検出センサ10)に近い領域であり、叩き振動を最も効率よく操作信号生成装置ユニット2に伝えることができる領域であるといえる。
本実施の形態では、図6(B)に示すように、操作信号生成装置ユニット2は、支持部材68によって支持されていてもよい。支持部材68(保持部材60)は、一点又は複数点で、操作信号生成装置ユニット2を支持していてもよい。これによると、保持部材60(振動入力領域64)の振動が効率よく操作信号生成装置ユニット2(振動検出センサ10)に伝わるため、精度の高い操作信号生成装置を提供することができる。ただし、操作信号生成装置ユニット2(基板50)は、樹脂材料によって保持部材60に保持されていてもよい。なお、硬質の樹脂材料を介して操作信号生成装置ユニット2を保持部材に取り付けることで、保持部材60の振動を正確に操作信号生成装置ユニット2に伝えることが可能になる。ただし、操作信号生成装置ユニット2(基板50)は、保持部材60に接触するように、保持部材60に保持されていてもよい。あるいは、振動検出センサ10を、保持部材60に接触させてもよい。
保持部材60は、図6(B)に示すように、振動入力領域64と周辺領域66とが平らに構成されていてもよい。本実施の形態に係る操作信号生成装置1によると、振動検出センサ10を振動させることによって操作信号が生成されるため、ユーザが操作するスイッチやタッチパネルといったインターフェースが不要になる。また、振動検出センサ10に振動を伝えることができれば電子機器を操作することができるため、ユーザが操作部(振動入力領域64)の位置を正確に把握していない場合でも、電子機器を操作することが可能になる。そのため、振動入力領域64の位置をユーザに正確に認識させる必要がなく、振動入力領域64と周辺領域66との境界に、凹部や凸部、あるいは、模様の違いなど、ユーザに知覚可能な構成を設ける必要がなくなるため、外観上の制約を受けずに、操作信号生成装置ユニット2を設置することができる。特に、主面62に凸部を設けることなく設置することができるため、床下や道路等にも安全に設置することが可能になる。なお、振動入力領域64は、周辺領域66と同じ材料で構成されていてもよいが、異なる材料で構成されていてもよい。振動入力領域64は、ユーザの接触を検出することが可能ないずれかの構成をなしていてもよい。
ただし、振動入力領域64には、発光塗料が塗布されていてもよい。これによると、暗所においてユーザに振動入力領域64を認識させることが可能になり、暗所であっても電子機器を正確に操作することが可能になる。
あるいは、基板50(筐体52)には発光する部品が実装されていてもよく、保持部材60の振動入力領域64の少なくとも一部は、発光部品から出射した光が透過するように構成されていてもよい。これによっても、暗所においてユーザに振動入力領域64を認識させることが可能になる。
なお、保持部材60における操作信号生成装置ユニット2が取り付けられる領域65は、その周辺の領域67と一体的に構成されていてもよい。これによると、保持部材60の広範な不特定領域をユーザが叩いた場合でも、操作信号生成装置ユニット2(振動検出センサ10)に振動を伝えることが可能になる。ただし、保持部材60における操作信号生成装置ユニット2が取り付けられる領域65は、その周辺の領域67と分離していてもよく、両者は、振動を吸収する部材(例えば軟質性の樹脂部材)で固定されていてもよい。これによると、周辺の領域67に与えられた振動が、領域65(操作信号生成装置ユニット2)に伝達されることを防止することができる。そのため、誤作動の起こりにくい操作信号生成装置を提供することができる。
図14及び図15は、操作信号生成装置ユニット2(筐体52)が保持部材460に備え付けられた他の例を示す図である。なお、保持部材460は、建造物等400けられた凹部410の開口部と勘合して、前記建造物等400と一体なるように構成され、その外面(ユーザ側を向く主面462)が振動入力領域464となる。
例えば図14に示すように、操作信号生成装置ユニット2は、支持部材468によって支持されていてもよい。支持部材468(保持部材460)は、一点又は複数点で、操作信号生成装置ユニット2を支持していてもよい。これによると、保持部材460(振動入力領域464)の振動が効率よく操作信号生成装置ユニット2(振動検出センサ10)に伝わるため、精度の高い操作信号生成装置を提供することができる。
このような場合には、例えば図16に示すように操作信号生成装置ユニット2の内部に筐体52に固定された基板470を設置し、当該基板470に振動検出センサ10を設置してもよい。振動入力領域464に加えられた振動(叩き入力)が指示部材468を介して操作信号生成装置ユニット2に伝わることにより、操作信号生成装置ユニット2自体が振動して、その振動が内部の振動検出センサ10に伝わるからである。
また例えば図15に示すように、操作信号生成装置ユニット2(基板50)は、樹脂材料469によって保持部材460に保持されていてもよい。
このような場合には、例えば図17に示すように操作信号生成装置ユニット2の内部に指示部材472によって筐体52と接続された基板470’を設置し、当該基板470’に振動検出センサ10を設置してもよい。振動入力領域464に加えられた振動(叩き入力)が操作信号生成装置ユニット2の内部の指示部材472を介して基板470’に設置されて信号検出センサ10に伝わるからである。
次に、叩き回数と操作信号との対応関係を例示しながら、本実施の形態に係る操作信号生成装置1と電子機器100との具体的な動作について説明する。
図7には、操作信号生成装置1がAV機器(DVDを内蔵したTV)のコントローラとして構成されている場合の、叩き回数と操作信号との対応関係を示す対応テーブル300を示す。対応テーブル300には、叩き回数と、当該叩き回数に対応した操作信号を特定するための操作信号特定情報が記憶されている。なお、図7に示す対応テーブル300は、操作信号生成装置1が複数の処理体系を有している場合の対応テーブルである。この場合の操作信号生成装置1は、選択されている処理体系を示す情報を格納するレジスタを有していてもよい。そして、当該レジスタに格納された情報に基づいて、特定の処理体系の対応テーブルを選択し、操作信号を生成する。
例えば、主電源がオフの場合、レジスタには‘1’が格納され、3回という叩き回数に、主電源をオンにするという操作信号が割り当てられる。主電源がオンになると、レジスタには‘2’が格納され、1回、2回の叩き回数に対して、それぞれ、TVを選択する操作信号、DVDを選択する操作信号が割り当てられる。そして、TVが選択されると、レジスタには‘3’が格納され、1〜4回の叩き回数に対して、それぞれ、チャンネルアップ操作信号、チャンネルダウン操作信号、音声アップ操作信号、音声ダウン操作信号が割り当てられる。また、DVDが選択されると、レジスタには‘4’が格納され、1〜4回の叩き回数に対して、それぞれ、スタート/ストップの反転操作信号、録画開始信号、音声アップ操作信号、音声ダウン操作信号が割り当てられる。
上記のように、操作信号生成装置1が複数の処理体系を有している場合には、その処理体系を選択することで、電子機器の操作性を高めることができる。
ただし、操作信号生成装置1は、より単純に、叩き振動を検出して、オン/オフの反転信号を出力する装置として構成されていてもよい。例えば電子機器が照明機器として構成されている場合を例に取ると、照明装置が消灯しているときに振動検出センサ10が叩き振動を検出すると、操作信号生成装置1は、点灯操作信号を生成するように構成されていてもよい。逆に、照明装置が点灯しているときに振動検出センサ10に叩き振動が入力されると、操作信号生成装置1は、消灯操作信号を生成するように構成されていてもよい。
あるいは、操作信号生成装置1は、振動検出センサ10に叩き振動が入力されるたびに照明機器に操作信号を送信し、照明機器は、操作信号を受信するたびに、図8に示すように、第1調光状態(点灯:光量大)310、第2調光状態(光量中)320、第3調光状態(光量小)330、第4調光状態(消灯状態)340と、順に設定するように構成されていてもよい。
あるいは、電子機器100としての照明機器は、操作信号を受信するたびに点灯し、所定時間が経過すると消灯するように構成されていてもよい。
次に、本実施の形態に係る操作信号生成装置1が行う各処理について、フローチャート図を参照しながら説明する。
図9は、回転角速度を用いて叩き回数を判定する処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
まずジャイロセンサ(振動検出センサ10)で回転角速度を検出する(ステップS10)。
次にジャイロセンサが出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する(ステップS20)。
次に回転角速度値(デジタル信号)を入力してワークバッファに保持する(ステップS30)。
次にワークバッファ(取り込みデータ保持部)に保持された過去x秒分の回転角速度値の遷移に基づき叩かれた回数を検出する(ステップS40)。
次に叩き回数と操作信号との対応関係に基づき、検出された叩き回数に対応付けられた操作信号を生成する(ステップS50)。
図10は、叩く回数と操作信号との対応関係を登録する処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
対応関係設定入力を受け付けると(ステップS110)、入力に基づき叩き回数とコマンド(操作信号)の対応関係を設定し、対応関係記憶部に記憶させる(ステップS120)。
ここで、対応関係の入力は、例えばユーザが「対応関係の登録」を選択したことを検出すると、「叩く回数」と「対応するコマンド」とを選択する画面を表示してユーザの選択処理を促し、ユーザの選択処理を受け付けるような形式で行うようにしてもよい。
なお「叩く回数」と実行するコマンドの関係は随時設定/変更可能に構成することができる。
図11は、判定条件記憶部に、判定条件を登録する処理について説明するためのフローチャートである。
まず判定条件登録期間であるか否かを判断し、判定条件登録期間内であれば以下の処理を行う(ステップS210)。なお、判定条件登録であるか否かの判断は、接触検出部が接触を検出しているか否かで行ってもよい。例えば、接触検出部がユーザの接触を検出している場合にのみ、判定条件の登録を許可する構成としてもよい。
叩き判定条件登録期間内に受け取った信号(回転角速度値)に基づき、判定条件を生成し、判定条件記憶部に記憶させる(ステップS220)。
図12は、叩き回数を判定する処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
まずジャイロセンサ(振動検出センサ)で回転角速度を検出する(ステップS310)。
次にジャイロセンサが出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する(ステップS320)。
次に回転角速度値(デジタル信号)を入力してワークバッファに保持する(ステップS330)。
ワークバッファに保持されている過去x秒分の回転角速度値の遷移及び判定条件に基づき叩かれた回数を検出する(ステップS340)。
そして対応関係記憶部に格納された対応関係に基づき、選択された処理体系における叩き回数に対応付けられた操作信号を生成する(ステップS350)。
図13には、この操作信号生成装置の動作を説明するためのフローチャート図である。
はじめに、振動検出センサ10が振動を検出し、振動に応じた信号を出力する(ステップS410)。
次に、振動検出センサ10の出力信号が、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS420)。ここでは、振動検出センサ10の振動が、叩き振動であるか否かについて判定してもよい。
振動検出センサ10の出力信号が所定の条件を満たしている場合(ステップS410におけるYesの場合)には、当該信号に基づいて、操作信号を生成する(ステップS430)。例えば、叩き回数を検出し、叩き回数に対応した操作信号を生成してもよい。
次に振動入力領域に複数のスイッチエリアを設けスイッチエリアに応じた操作信号を生成する実施例について説明する。
まず1つのジャイロセンサ(振動検出センサの一例)で異なる2つのスイッチエリアへの叩き入力の判定を行う例について説明する。図18は、建造物等の振動入力領器に設けられた複数のスイッチエリアとジャイロセンサの位置関係を示す図であり、図19(A)、図19(B)は、各スイッチエリアを叩いた場合にジャイロセンサから取り出されるアナログ信号例を示す図である。
ここでスイッチエリアは振動入力領域に対して叩き入力を行う際に、叩かれる領域のことであり、振動入力領域の表面上に適宜設定することができる。
図18の710は振動入力領域に設けられた2のスイッチエリアSW1、SW2を含む部分を上から見た場合の2つのスイッチエリアSW1、SW2の位置関係を示す図であり、710’は振動入力領域に設けられた2のスイッチエリアSW1、SW2を含む部分を横から場合の2つのスイッチエリアSW1、SW2とジャイロセンサ710の位置関係を示す図である。
このような場合、叩く位置によりジャイロセンサ770の回転方向が異なる為、叩く位置により異なるアナログ信号が取り出される。
図19(A)は、スイッチエリアSW1を叩いた場合にジャイロセンサから取り出されるアナログ信号例を示しており、図19(B)は、スイッチエリアSW2を叩いた場合にジャイロセンサから取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW1が叩かれた場合には一対となる所定の大きさの負パルス730と所定の大きさの正パルス732がこの順で発生し、スイッチエリアSW2が叩かれた場合には一対となる所定の大きさの正パルス740と所定の大きさの負パルス742がこの順で発生する。
このようにジャイロセンサ720とスイッチエリアSW1、SW2との位置関係によって、取り出されるアナログ信号の特徴(例えば振幅方向の遷移)が異なるため、取り出されたアナログ信号の特徴から叩かれたスイッチエリアを判定することができる。例えば取り出されたアナログ信号が、図19(A)に示すように一対となる所定の大きさの負パルス730と所定の大きさの正パルス732がこの順で発生したことを示す場合にはスイッチエリアSW1にたいして叩き入力がありと判定し、図19(B)に示すように一対となる所定の大きさの正パルス740と所定の大きさの負パルス742がこの順で発生したことを示す場合にはスイッチエリアSW2にたいして叩き入力がありと判定してもよい。
次に1つのジャイロセンサで異なる3つのスイッチエリアへの叩き入力の判定を行う例について説明する。図20は、振動入力領域に設けられた複数のスイッチエリアとジャイロセンサの位置関係を示す図であり、図21(A)〜図21(C)は、各スイッチエリアを叩いた場合にジャイロセンサから取り出されるアナログ信号例を示す図である。
ここでスイッチエリアは建造物等に対して叩き入力を行う際に、叩かれる領域のことであり、振動入力領域の表面上に適宜設定することができる。
図20の760は振動入力領域に設けられた3のスイッチエリアSW1〜SW3を含む部分を上から見た場合の3つのスイッチエリアSW1〜SW3の位置関係を示す図であり、760’は振動入力領域に設けられた3のスイッチエリアSW1〜SW3を含む部分を横から場合の3つのスイッチエリアSW1〜SW3とジャイロセンサ770の位置関係を示す図である。
このような場合、叩く位置によりジャイロセンサ770の回転方向が異なる為、叩く位置により異なるアナログ信号が取り出される。
図21(A)は、スイッチエリアSW1を叩いた場合にジャイロセンサから取り出されるアナログ信号例を示しており、図21(B)は、スイッチエリアSW2を叩いた場合にジャイロセンサから取り出されるアナログ信号例を示しており、図21(C)は、スイッチエリアSW3を叩いた場合にジャイロセンサから取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW1が叩かれた場合には一対となる所定の大きさの負パルス780と所定の大きさの正パルス782がこの順で発生するが、基準パルス780’、782’よりも少し振幅が下がったパルスとなっている。またスイッチエリアSW3が叩かれた場合には一対となる所定の大きさの正パルス790と所定の大きさの負パルス792がこの順で発生するが、基準パルス790’、792’よりも少し振幅が下がったパルスとなっている。またスイッチエリアSW2が叩かれた場合には、左右振幅(不特定振幅)750が発生する。
なおスイッチエリア4〜スイッチエリア6が叩かれた場合には、振動が伝わってもジャイロセンサ770では回転運動とならない為、ジャイロセンサ770からは信号は出力されない。スイッチエリア4〜スイッチエリア6についてはジャイロセンサ772で回転運動がおきるので、ジャイロセンサ772からのアナログ信号で判断するとよい。
このようにジャイロセンサ770とスイッチエリアSW1〜SW3との位置関係によって、取り出されるアナログ信号の特徴(振幅方向の繊維や振幅の大きさ等)が異なるため、取り出されたアナログ信号の特徴から叩かれたスイッチエリアを判定することができる。例えば取り出されたアナログ信号が、図21(A)に示すように一対となる所定の大きさの負パルス780(基準パルスより振幅が下がったパルス)と所定の大きさの正パルス782(基準パルスより振幅が下がったパルス)がこの順で発生したことを示す場合にはスイッチエリアSW1にたいして叩き入力がありと判定してもよい。また例えば取り出されたアナログ信号が、図21(C)に示すように一対となる所定の大きさの正パルス790(基準パルスより振幅が下がったパルス)と所定の大きさの負パルス792(基準パルスより振幅が下がったパルス)がこの順で発生したことを示す場合にはスイッチエリアSW3にたいして叩き入力がありと判定してもよい。例えば取り出されたアナログ信号が、図21(B)に示すように、基準パルスと同じ振幅の左右振幅(不特定振幅)750が発生したことを示す場合にはスイッチエリアSW2にたいして叩き入力がありと判定してもよい。
次にジャイロセンサー及びスイッチエリアをフラット面に配置し、叩き入力を検出する例について説明する。
図22は、建造物等のフラット面に設けられた振動入力領域の複数のスイッチエリアと複数ジャイロセンサの位置関係を示す図であり、図23(A)〜図23(D)は、各スイッチエリアを叩いた場合に複数のジャイロセンサから取り出されるアナログ信号例を示す図である。
ここでスイッチエリアは建造物等に対して叩き入力を行う際に、叩かれる領域のことであり、建造物等のフラット表面上に設けられた振動入力領域に宜設定することができる。
図22は建造物等のフラット面810の振動入力領域に設けられた4のスイッチエリアSW1〜SW4と4つのジャイロセンサ820−1〜820−4の位置関係を示す図である。
このような場合、叩く位置により各ジャイロセンサ820−1〜820−4の回転方向と振幅の大きさが異なる。
図23(A)は、スイッチエリアSW1を叩いた場合に、ジャイロセンサ4(820−4)、ジャイロセンサ3(820−3)から取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW1が叩かれた場合にはジャイロセンサ4(820−4、スイッチエリア1の左側の近い位置)からは一対となる第1の大きさの負パルス810と第1の大きさの正パルス812がこの順で発生する。
またジャイロセンサ3(820−3、スイッチエリア1の右側の遠い位置)からは一対となる第2の大きさ(第1の大きさより小さい)の負パルス814と第2の大きさの正パルス816(パルス810,812より振幅が小さい)がこの順で発生する。
なお波形の向きは、ボードにジャイロセンサを取り付ける際の取り付け向きで適宜調整することができる。例えばスイッチエリアSW1を叩いた場合に、ジャイロセンサ4(820−4)、ジャイロセンサ3(820−3)から出力される信号を同じ向きにしたい場合には、同じ向きの信号が出力されるようにジャイロセンサの取り付け向きを調整してもよい。
図23(B)は、スイッチエリアSW2を叩いた場合に、ジャイロセンサ4(820−4)、ジャイロセンサ3(820−3)から取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW2が叩かれた場合にはジャイロセンサ4(820−4、スイッチエリア2の左側の遠い位置)からは一対となる第2の大きさの負パルス820と第2の大きさの正パルス822がこの順で発生する。
またジャイロセンサ3(820−3、スイッチエリア2の右側の近い位置)からは一対となる第1の大きさ(第2の大きさより大きい)の負パルス824と第1の大きさの正パルス826(パルス820,822より振幅が大きい)がこの順で発生する。
図23(C)は、スイッチエリアSW3を叩いた場合に、ジャイロセンサ3(820−3)、ジャイロセンサ2(820−2)から取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW3が叩かれた場合にはジャイロセンサ3(820−3、スイッチエリア3の左側の近い位置)からは一対となる第1の大きさの正パルス830と第1の大きさの負パルス832がこの順で発生する。またジャイロセンサ2(820−2、スイッチエリア3の右側の遠い位置)からは一対となる第2の大きさ(第1の大きさより小さい)の正パルス834と第2の大きさの負パルス836(パルス830,832より振幅が小さい)がこの順で発生する。
図23(D)は、スイッチエリアSW4を叩いた場合に、ジャイロセンサ3(820−3)、ジャイロセンサ2(820−2)から取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW4が叩かれた場合にはジャイロセンサ3(820−3、スイッチエリア4の左側の遠い位置)からは一対となる第2の大きさの正パルス840と第2の大きさの負パルス842がこの順で発生する。またジャイロセンサ2(820−2、スイッチエリア4の右側の近い位置)からは一対となる第1の大きさ(第2の大きさより大きい)の正パルス844と第1の大きさの負パルス846(パルス840,842より振幅が大きい)がこの順で発生する。
このように叩かれるスイッチエリアによって複数のジャイロセンサから取り出されるアナログ信号の振幅方向(正負のパルスの発生順序等を含む)や振幅の大きさが異なるため、複数のジャイロセンサから取り出されたアナログ信号の振幅方向(正負のパルスの発生順序等を含む)や振幅の大きさに基づき叩かれたスイッチエリアを判定することができる。
図24は建造物等のフラット面810のに設けられた振動入力領域の4のスイッチエリアSW1〜SW4と2つのジャイロセンサ850−1、850−2の位置関係を示す図である。
このような場合、叩く位置により各ジャイロセンサ850−1、850−2の回転方向と振幅の大きさが異なる。
図25(A)は、スイッチエリアSW1を叩いた場合に、ジャイロセンサ1(850−1)、ジャイロセンサ2(850−2)から取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW1が叩かれた場合にはジャイロセンサ1(850−1、スイッチエリア1の右側の近い位置)からは一対となる第1の大きさの負パルス860と第1の大きさの正パルス862がこの順で発生する。またジャイロセンサ2(850−2、スイッチエリア1の右側の遠い位置)からは一対となる第2の大きさ(第1の大きさより小さい)の負パルス864と第2の大きさの正パルス866(パルス810,812より振幅が小さい)がこの順で発生する。
図25(B)は、スイッチエリアSW2を叩いた場合に、ジャイロセンサ1(850−1)、ジャイロセンサ2(850−2)から取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW2が叩かれた場合にはジャイロセンサ1(850−1、スイッチエリア2の右側の遠い位置)からは一対となる第2の大きさの負パルス870と第2の大きさの正パルス872がこの順で発生する。またジャイロセンサ2(850−2、スイッチエリア2の右側の近い位置)からは一対となる第1の大きさ(第2の大きさより大きい)の負パルス874と第1の大きさの正パルス876(パルス870,872より振幅が小さい)がこの順で発生する。
図25(C)は、スイッチエリアSW3を叩いた場合に、ジャイロセンサ1(850−1)、ジャイロセンサ2(850−2)から取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW3が叩かれた場合にはジャイロセンサ1(850−1、スイッチエリア3の左側の近い位置)からは一対となる第1の大きさの正パルス880と第1の大きさの負パルス882がこの順で発生する。またジャイロセンサ2(850−2、スイッチエリア3の左側の遠い位置)からは一対となる第2の大きさ(第1の大きさより小さい)の正パルス884と第2の大きさの負パルス886(パルス880,882より振幅が小さい)がこの順で発生する。
図25(D)は、スイッチエリアSW4を叩いた場合に、ジャイロセンサ1(850−1)、ジャイロセンサ2(850−2)から取り出されるアナログ信号例を示している。スイッチエリアSW4が叩かれた場合にはジャイロセンサ1(850−1、スイッチエリア4の左側の遠い位置)からは一対となる第2の大きさの正パルス890と第2の大きさの負パルス892がこの順で発生する。またジャイロセンサ2(850−2、スイッチエリア43の左側の近い位置)からは一対となる第1の大きさ(第2の大きさより大きい)の正パルス894と第1の大きさの負パルス896(パルス890,892より振幅が大きい)がこの順で発生する。
ジャイロセンサとスイッチエリアの配置関係が変わると、各スイッチエリアが叩かれたか否かを判定するためのアナログ信号の特性(振幅方向や振幅の大きさ)が異なってくる。従ってジャイロセンサとスイッチエリアの配置関係に応じて各スイッチエリアが叩かれた場合の複数のジャイロセンサから取り出されたアナログ信号の特性を予め調べておいて、どのスイッチエリアが叩かれたかを判定するための条件を設定してもよい。
図26は、回転角速度を用いて建造物の振動入力領域への叩き入力の有無を判定する処理のながれについて説明するためのフローチャートである。
まずジャイロセンサで回転角速度を検出する(ステップS510)。
次にジャイロセンサが出力するアナログ信号をデジタル信号に変換する(ステップS520)。
次に回転角速度値(デジタル信号)を入力してワークバッファに保持する(ステップS530)。
次にワークバッファ(取り込みデータ保持部)に保持された過去x秒分の回転角速度値の遷移に基づき叩かれたスイッチエリアを判定する(ステップS540)。例えば図19(A)(B)で説明したように、1つのジャイロセンサーが出力するアナログ信号(またはアナログ信号をA/D変換したデジタル信号)の振幅方向の遷移に基づき判断してもよいし、例えば図21(A)(B)(C)で説明したように、1つのジャイロセンサーが出力するアナログ信号(またはアナログ信号をA/D変換したデジタル信号)の振幅方向の遷移及び振幅の大きさ等に基づき判断してもよい。また例えば図23(A)〜(D)や図25(A)〜(D)で説明したように、複数のジャイロセンサーが出力するアナログ信号(またはアナログ信号をA/D変換したデジタル信号)の振幅方向の遷移と振幅の大きさの組み合わせ基づき判断してもよい。
次に叩かれたスイッチエリアに対応付けられたコマンドを実行する(ステップS550)。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
また上記実施の形態では、振動検出角速度センサから電圧値の遷移がアナログ信号として取り出される場合を例にとり説明したがこれに限られない。例えば角速度センサから電流値の遷移がアナログ信号として取り出される構成でもよい。
例えば、操作信号生成部20は、叩き回数検出部30に代えて、あるいは、叩き回数検出部30とあわせて、振動の特徴(振動パターン)を抽出する特徴抽出部を有していてもよい。そして、操作信号生成装置は、抽出された振動検出センサ10の出力信号の特徴と、出力信号の特徴と操作信号との対応関係を示すデータに基づいて、振動検出センサ10(建造物等)の振動パターンに対応した操作信号を生成するように構成されていてもよい。
この場合でも、建造物等に加えられた振動に基づいて、精度よく操作信号を生成することができる。
あるいは、操作信号生成部20は、振動検出センサ10の出力信号が所定の判定条件を満たす場合に、操作信号として、トリガ信号を生成するように構成されていてもよい。このとき、電子機器100の制御部102は、トリガ信号に基づいて、電子機器100の動作を制御する制御信号を生成するように構成されていてもよい。例えば制御部102は、トリガ信号を受け付けて、電子機器100のオン/オフを反転させる反転制御を行ってもよい。あるいは、制御部102は、トリガ信号を受け付けて、電子機器の動作モードを順次設定(変更)するように構成されていてもよい。
あるいは、操作信号生成部20は、操作信号として、叩き回数検出部30で判定された叩き回数を示す信号を生成するように構成されていてもよい。そして、電子機器100(制御部102)は、叩き回数を示す信号を受け付けて、叩き回数に対応する制御信号を生成するように構成されていてもよい。このとき、叩き回数記憶部は、制御部102の一部を構成していてもよい。
1…操作信号生成装置、 2…操作信号生成装置ユニット、 10…振動検出センサ、 12…アナログ信号、 14…ローパスフィルタ/オペアンプ、 15…アナログ処理回路、 16…A/Dコンバータ、 18…デジタル信号、 20…操作信号生成部、 25…操作信号生成処理部、 30…回数検出部、 32…判定条件記憶部、 34…判定条件設定部、 40…対応関係記憶部、 42…対応関係設定部、 50…基板、 52…筐体、 60…保持部材、 62…主面、 63…裏面、 64…振動入力領域、 65…領、 66…周辺領域、 67…領域、 68…支持部材、 100…電子機器、 102…制御部、 220…電圧値、 222…電圧値、 250…出力信号、 270…出力信号、 280…出力信号、 300…対応テーブル