JP2009128790A - 投写型画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化および高画質化を図り易い投写型画像表示装置を得ること。
【解決手段】 フレネルレンズ23または拡散部材を保持する弾性保持ユニット30と、この弾性保持ユニットに所定の駆動力を付与して該弾性保持ユニットに保持された被駆動部材であるフレネルレンズまたは拡散部材をスクリーンに平行な面内で変位させる駆動ユニット60とを備えた投写型画像表示装置80を構成するにあたり、被駆動部材であるフレネルレンズまたは拡散部材は可撓性を有する薄肉の部材とし、駆動ユニットから弾性保持ユニットに所定の駆動力を付与して被駆動部材を張った状態に保ちながら、該被駆動部材をスクリーンに平行な面内で移動させる。
【選択図】 図2−1

Description

本発明は投写型画像表示装置に関し、特にシンチレーション低減機能を備えた投写型画像表示装置に関するものである。
背面投写型テレビ等の投写型画像表示装置では、光源としてランプやレーザ発振器が用いられる。レーザ発振器を光源とした用いた場合には、明るい室内でも鮮明な画像を表示できる程度にまで投写型画像表示装置の高輝度化を図ることも比較的容易である。ただし、光源としてレーザ発振器を用いた場合には、ランプを光源に用いた場合に比べてスペックルパターンによる画面のぎらつき現象、いわゆるシンチレーションが顕著になって画質が低下する。
上記のシンチレーションを低減する従来の手法としては、特許文献1に記載された手法が知られている。当該特許文献1に記載された手法では、スクリーンを該スクリーンでの画像表示面の垂直方向、スクリーンの長手方向、およびスクリーンの幅方向のいずれかの方向に振動させるか、またはスクリーン面に至るレーザ光を光軸に対して直角方向に振動させることでシンチレーションの発生を抑える。スクリーンは、バイモルフやモータ等を用いた加振装置により上記の方向に振動され、レーザ光は、加振装置に取り付けられた振動鏡によって該レーザ光をスクリーン側に反射させたり、加振装置に取り付けられた偏向装置によって該レーザ光をスクリーンの手前で偏向させたりすることにより、あるいはレーザ光源自体を振動させることにより、上記の方向に振動される。
また、投写型画像表示装置の画質を低下させる他の要因として、スクリーン内で映像光が不所望な方向に反射して生じる迷光がある。迷光による画質の低下を抑えるために、例えば特許文献2に記載された投写型表示装置では、スクリーンを構成するフレネルレンズシートを薄肉化することで迷光の出射位置を実像の出射位置に近づけている。また、薄肉化したフレネルレンズシートに撓みが生じると画像に歪みが生じて画質が低下するので、上記の投写型表示装置では、フレネルレンズシートに張力をかけながら該フレネルレンズシートを板バネで枠体に固定している。
特開昭55−65940号公報(第4〜6頁、第1図、第2図) 特開2005−10730号公報(第18〜20頁、第20〜25図)
フレネルレンズシートの薄肉化は、上述のように迷光に起因する画質の低下を抑えるうえで有用であり、さらには投写型画像表示装置の軽量化を図るうえでも有用であるが、特許文献2に記載された投写型表示装置では、スクリーンを構成するフレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズ板をそれぞれ枠体に固定しているためにスクリーンを振動させることができず、シンチレーションの発生を抑え難い。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、軽量化および高画質化を図り易い投写型画像表示装置を得ることを目的とする。
上述の課題を解決し、目的を達成する本発明の投写型画像表示装置は、画像信号に応じて光を出射する光学エンジンと、光学エンジンから入射した光をフレネルレンズにより略平行な光にした後に拡散部材により拡散光にして出射させるスクリーンと、フレネルレンズまたは拡散部材を被駆動部材として該被駆動部材をスクリーンに平行な面内で移動可能に保持する弾性保持ユニットと、弾性保持ユニットに駆動力を付与して被駆動部材をスクリーンに平行な面内で移動させる駆動ユニットと、光学エンジン、スクリーン、弾性保持ユニット、および駆動ユニットを収容する筐体とを備え、被駆動部材は可撓性を有する薄肉の部材であり、駆動ユニットは、弾性保持ユニットに駆動力を付与して被駆動部材を張った状態に保ちながら該被駆動部材をスクリーンに平行な面内で移動させることを特徴とするものである。
また、本発明の他の投写型画像表示装置は、画像信号に応じて光を出射する光学エンジンと、光学エンジンから入射した光をフレネルレンズにより略平行な光にした後に拡散部材により拡散光にして出射させるスクリーンと、フレネルレンズまたは拡散部材を被駆動部材として該被駆動部材をスクリーンに平行な面内で移動可能に保持する弾性保持ユニットと、弾性保持ユニットに駆動力を付与して被駆動部材をスクリーンに平行な面内で移動させる駆動ユニットと、光学エンジン、スクリーン、弾性保持ユニット、および駆動ユニットを収容する筐体とを備え、被駆動部材は可撓性を有する薄肉の部材であり、弾性保持ユニットは、被駆動部材に常に張力を付与して該被駆動部材を張った状態に保つことを特徴とする。
本発明の投写型画像表示装置では、スクリーンを構成するフレネルレンズおよび拡散部材のうちで被駆動部材とされるものとして薄肉の部材が用いられるので、軽量化を図り易いと共に迷光の出射位置を実像の出射位置に近づけて当該迷光に起因する画質の低下を抑え易い。また、駆動ユニットまたは弾性保持ユニットによって被駆動部材を張った状態に保ちながら、該被駆動部材をスクリーンに平行な面内で移動させるので、光学エンジンがレーザ発振器を光源として用いたものであってもシンチレーションの発生を抑え易いと共に薄肉の被駆動部材が撓むことに起因する画質の低下を抑え易い。したがって、本発明によれば、軽量化および高画質化を図り易い投写型画像表示装置を得ることができる。
以下、本発明の投写型画像表示装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、この発明の投写型画像表示装置の一例を概略的に示す一部切欠き断面図であり、図2−1は、図1に示した投写型画像表示装置の内部構造を概略的に示す断面図であり、図2−2は、図2−1に示した投写型画像表示装置の非動作時におけるフレネルレンズの状態の一例を概略的に示す断面図である。図1および図2−1に示す投写型画像表示装置80は、光学エンジン10と、スクリーン20と、弾性保持ユニット30Aと、駆動ユニット60と、これらを収容する筐体70とを備えており、画像信号に応じて光学エンジン10から出射された光をスクリーン20の背面側から該スクリーン20に投写して画像表示を行う。
図1に示すように、上記の光学エンジン10は、レーザ発振器を含んだレーザモジュール11と、レーザモジュール11から出射したレーザ光LBの光路を制御するリレーレンズ13と、画像信号に応じてレーザ光LBを空間変調して映像光ILを形成する空間変調素子15と、空間変調素子15で形成された映像光ILを拡大してスクリーン20に投写する投写光学系17とを有している。上記の空間変調素子15としては、例えば、整列配置された多数の微小ミラーを有し、各微小ミラーの角度を画像信号に応じて調整することによりレーザ光LBを空間変調するマイクロミラーデバイスが用いられる。図1においては、便宜上、投写光学系17を1つのレンズで代表して描いてある。また、同図中の一点鎖線OA1,OA2はそれぞれ光軸を表している。
スクリーン20は、投写光学系17側に配置されて光学エンジン10からの映像光ILが入射するフレネルレンズ23と、該フレネルレンズ23よりも観察者側に配置されてフレネルレンズ23から出射した光が入射する拡散部材25とを有している。
上記のフレネルレンズ23は、例えばアクリル樹脂により作製された幅1.6m、高さ1.0m、最大厚さ0.4mm程度の薄肉の部材であり、可撓性を有している。このフレネルレンズ23は、後述する弾性保持ユニット30Aにより保持されて、光学エンジン10から入射した映像光ILを略平行な光にして出射させる。フレネルレンズ23をスクリーン20と平行な面内で移動させるために、当該フレネルレンズ23と筐体70との間には所定の広さのクリアランスCが設けられている。
拡散部材25は、例えばレンチキュラーレンズシート、散乱層、遮光層等により構成され、筐体70に形成された溝状の拡散部材保持部73に固着されて、フレネルレンズ23で略平行な光となって入射した映像光ILを拡散光にして出射させる。光学エンジン10から出射した映像光ILを最終的に拡散部材25で拡散光にして出射させることで、スクリーン20での画像の視野角が拡がる。
図1または図2−1に示すように、弾性保持ユニット30Aは、フレネルレンズ23の上辺側が固定される上側支持部材である上桟31aと、フレネルレンズ23の下辺側が固定される下側支持部材である下桟31bと、上桟31aを筐体70に取り付ける2つの弾性支持部材35a,35bと、下桟31bを筐体70に取り付ける2つの弾性支持部材35c,35dとを有している。上記の上桟31aおよび下桟31bの各々は、フレネルレンズ23をスクリーン20と平行な面内で移動させるときでも変形しない十分な機械的強度を有している。
上記の上桟31aの長手方向両端部には弾性支持部材35a,35bを固定するための固定部33が設けられ、一方の固定部33に弾性支持部材35aの一端が、また他方の固定部33に弾性支持部材35bの一端がそれぞれ固定されている。同様に、下桟31bの長手方向両端部には弾性支持部材35c,35dを固定するための固定部33が設けられ、一方の固定部33に弾性支持部材35cの一端が、また他方の固定部33に弾性支持部材35dの一端がそれぞれ固定されている。個々の弾性支持部材35a〜35dでの筐体70側の端部は、1つの弾性支持部材に1つずつ対応して筐体70の内面に設けられた固定部75に固定されている。また、各弾性支持部材35a〜35dは、スクリーン20の左右軸(以下「X軸」という)および上下軸(以下「Y軸」という)を対称軸として軸対称に、かつX軸方向およびY軸方向のいずれにおいてもバネ定数が同じ値となるように設置されている。
このように上桟31a、下桟31b、および各弾性支持部材35a〜35dが配置された弾性保持ユニット30Aは、フレネルレンズ23をスクリーン20に平行な面内で移動可能に保持している。ただし、フレネルレンズ23は、X軸(図2参照)方向の変形が上桟31aと下桟31bとによって防止される一方でY軸(図2参照)方向には或る程度変形可能であるので、投写型画像表示装置80の非動作時(画像を投写していないとき。以下、「表示装置の非動作時」と略記する。)には、例えば図2−2に示すように撓みが生じることがある。この撓み(反り)は、温度や湿度の影響で生じたり成型時の形状誤差等により生じたりする。
図示の例では、フレネルレンズ23の中央部がスクリーン20(図1参照)の前後軸(以下「Z軸」という)方向に膨らむように、当該フレネルレンズ23が撓んでいる。このようなフレネルレンズ23の撓みは、投写型画像表示装置80の動作時(画像を投写しているとき。以下、「表示装置の動作時」と略記する。)に駆動ユニット60(図2−1参照)から弾性保持ユニット30Aに付与される駆動力により、解消される。なお、図2−2には、Y軸とZ軸とを併記してある。
駆動ユニット60は、表示装置の動作時に上述の撓みを解消させてフレネルレンズ23を張った状態に保ちながら、該フレネルレンズ23をスクリーン20(図1参照)に平行な面内で移動させる。そのため、駆動ユニット60は、図2−1に示すように、表示装置の動作時に弾性保持ユニット30Aに駆動力を付与する一対の駆動源40A,40Bと、これらの駆動源40A,40Bに接続されて該駆動源40A,40Bの各々を所定の駆動波形で駆動させる制御回路部55とを有している。
上記駆動源40A,40Bの各々としては、例えばリニアモータ等により構成されたリニアアクチュエータが用いられる。非接触駆動方式のリニアアクチュエータを用いることにより、弾性保持ユニット30Aに保持されたフレネルレンズ23をスクリーン20に平行な面内で移動させるときの動作音を実質的になくすことが容易になる。
制御回路部55は、各駆動源40A,40Bに所定の駆動信号を供給する。各駆動源40A,40Bは、制御回路部55から上記の駆動信号を供給されると弾性保持ユニット30Aに互いに交差する方向の駆動力を付与して、フレネルレンズ23を張った状態に保つためにY軸(図2参照)方向下向きの合力を働かせる。また、当該駆動力に所定の駆動力を重畳して、フレネルレンズ23をスクリーン20に平行な面内で移動させる。
スクリーン20に平行な面内でのフレネルレンズ23の移動は、スクリーン20のX軸またはY軸に沿った往復運動のように一時的な停止状態が間欠的に現れる運動であってもよいが、シンチレーションの発生を抑えるという観点からは、楕円運動(円運動を含む)のように間断なく行われる連続運動であることが好ましい。各駆動源40A,40Bによる駆動力の作用線が弾性保持ユニット30Aにより保持されたフレネルレンズ23の重心Oを通るように駆動ユニット60を構成すると、フレネルレンズ23をスクリーン20に平行な面内で間断なく連続運動させる際に、モーメントの影響を排除し易くなる。
なお、上記「弾性保持ユニットにより保持されたフレネルレンズの重心」とは、弾性保持ユニットと該弾性保持ユニットにより保持されたフレネルレンズとからなる構造体の重心を意味する。本明細書においては、当該重心を、以下、単に「フレネルレンズの重心」という。
このように構成された投写型画像表示装置80では、フレネルレンズ23が薄肉の部材であるので、軽量化を図り易いと共に迷光の出射位置を実像の出射位置に近づけて当該迷光に起因する画質の低下を抑え易い。また、表示装置の動作時には、駆動ユニット60が弾性保持ユニット30Aに駆動力を付与してフレネルレンズ23を張った状態に保ちながら該フレネルレンズ23をスクリーン20に平行な面内で移動させるので、シンチレーションの発生を抑え易いと共に薄肉のフレネルレンズ23が撓むことに起因する画質の低下を抑え易い。これらの理由から、投写型画像表示装置80では軽量化および高画質化を図り易い。
上述の技術的効果を奏する投写型画像表示装置80は、フレネルレンズ23がY軸方向に変形可能な状態で該フレネルレンズ23を弾性保持ユニット30Aが保持している点、および駆動ユニット60によるフレネルレンズの移動方法に特徴を有している。弾性保持ユニット30Aによるフレネルレンズ23の保持形態については既に説明したので、以下、駆動ユニット60によるフレネルレンズ23の移動方法について、図3〜図9を参照して詳述する。
図3は、駆動ユニットで用いられる駆動源の一例を概略的に示す分解斜視図である。同図に示す駆動源40Aは、固定子45と可動子50とを備えたリニアモータからなるリニアアクチュエータである。
上記の固定子45は、2枚のヨーク板41a,41bと、一方のヨーク板41aに固着された2つのマグネット42a,42bと、各ヨーク板41a,41bを所定の間隔をもって保持する樹脂製のヨークホルダ43とを有している。個々のヨーク板41a,41bは平板状を呈し、個々のマグネット42a,42bも平板状を呈する。ヨーク板41aは、各マグネット42a,42bを内側にしてヨークホルダ43に装着され、ヨーク板41bは、各マグネット42a,42bから離隔し、かつヨーク板41aに対向した状態でヨークホルダ43に装着される。ヨークホルダ43には取付け孔44a,44bが形成されている。固定子45は、上記の取付け孔44a,44bに挿入されたネジ等の固定用部品(図示せず)により筐体70(図2参照)に固定される。
一方、可動子50は、コイル46と、該コイル46と一体にモールド成形された樹脂製のコイルホルダ47と、コイル46に接続された状態でコイルホルダ47に設けられた給電端子48a,48bとを有している。コイルホルダ47には取付け孔49a,49bが形成されている。可動子50は、固定子45における2枚のヨーク板41a41b間にコイル46を介在させた状態で固定子45に装着され、上記の取付け孔49a,49bに挿入されたネジ等の固定用部品(図示せず)によりフレネルフレーム31(図2参照)に固定される。
固定子45に可動子50を装着してそのコイル46に通電すると、フレミングの左手の法則に従って所定の向きの力が発生する。コイル46に流す電流の向きおよび強さを制御することにより、駆動源40Aから弾性保持ユニット30A(下桟31b)に所定の向きおよび強さの引張り力または押力(以下「駆動力」と総称する)を付与することができる。可動子50は、コイル46に通電しているときでも、固定子45による磁気回路での磁束と直交し、かつ駆動力の発生方向と直交する方向に滑動可能である。
なお、図示を省略するが、駆動源40B(図2参照)も上述の駆動源40Aと同様の構成とすることができる。駆動源40Bを駆動源40Aと同じ構成とした場合には、上述の理由と同じ理由から、コイルに流す電流の向きおよび強さを制御することにより、当該駆動源40Bから弾性保持ユニット30Aに所定の向きおよび強さの駆動力を付与することができる。
表示装置の動作時には、前述のように、フレネルレンズ23を張った状態に保つための駆動力(以下、「初期駆動力」という)と、当該初期駆動力に重畳されてフレネルレンズ23をスクリーン20に平行な面内で移動させる駆動力とが駆動源40A,40Bから弾性保持ユニット30Aに付与される。フレネルレンズ23をスクリーン20に平行な面内で移動させるための駆動力は、上記の初期駆動力と同時に該初期駆動力に重畳されて、または初期駆動力の付与から所定時間経過後に該初期駆動力に重畳されて、弾性保持ユニット30Aに付与される。
図4は、一対の駆動源それぞれの駆動波形の一例を示す概略図であり、弾性保持ユニットに対する駆動力の方向が互いに90度の角度をなすように各駆動源を配置したときに好適な駆動波形の一例を示している。横軸は時間であり、縦軸は個々の駆動源40A,40Bから弾性保持ユニット30A(図2参照)に付与される駆動力である。この駆動力は、駆動源40A,40Bから弾性保持ユニット30Aに付与される引張り力を正の値とし、押力を負の値としている。
図示の例では、時刻T1に各駆動源40A,40Bがそれぞれ動作を開始し、時刻T1から時刻T2までの間は、各々が初期駆動力Fiを弾性保持ユニット30Aに付与する。その後、駆動源40Aの駆動波形DW1および駆動源40Bの駆動波形DW2の各々は、初期駆動力Fiに所定の駆動力が重畳された正弦波形となる。各駆動波形DW1,DW2は互いに同じ振幅および波長を有しているが、駆動波形DW1と駆動波形DW2とには90度の位相差Δφがある。初期駆動力Fiに重畳される駆動力の大きさは、図4に示す駆動力の値F0とその負の値である−F0との間で変動する。このような駆動力が弾性保持ユニット30Aに付与されることにより、時刻T2以降、フレネルレンズ23はスクリーン20に平行な面内で連続運動、具体的には円運動を行う。
図5は、各駆動源から初期駆動力が付与されたときのフレネルレンズを示す概略図である。同図に示すように、各駆動源40A,40Bからフレネルレンズ23に初期駆動力Fiを付与することにより、Y軸方向下向きの合力Frがフレネルレンズ23の重心Oに働いて、フレネルレンズ23が張った状態となる。初期駆動力Fiの大きさは、フレネルレンズ23を張った状態にすることができるように、弾性保持ユニット30Aを構成している各弾性支持部材35a〜35dの弾性力、駆動源40Aから弾性保持ユニット30Aに付与される駆動力の方向と駆動源40Bから弾性保持ユニット30Aに付与される駆動力の方向とがなす角度θ、およびフレネルレンズ23の可撓性をそれぞれ考慮して、適宜選定される。
なお、上記の「角度θ」は、個々の駆動源40a,40Bによる引張り力の方向を正方向として各駆動力の作用線を軸線とする座標系を想定したときに、第1象限で各軸線が互いになす角度を意味し、当該角度θは図4に示した各駆動波形DW1,DW2の位相角に相当する。以下、この位相角を「位相角θ」と表記する。図5中の一点鎖線AL1は駆動源40Aから弾性保持ユニット30Aに付与される駆動力の作用線を示しており、一点鎖線AL2は駆動源40Bから弾性保持ユニット30Aに付与される駆動力の作用線を示している。
図4に示した時刻T2以降は、駆動源40Aから弾性保持ユニット30Aに付与される駆動力Fa(θ)が位相角θの関数となり、当該駆動力Fa(θ)は下式(i)
Fa(θ)=Fi+F0・sin(θ+90°)=Fi+F0・cosθ ……(i)
で表される。同様に、駆動源40Bから弾性保持ユニット30Aに付与される駆動力Fb(θ)も位相角θの関数となり、当該駆動力Fb(θ)は下式(ii)
Fb(θ)=Fi+F0・sinθ ……(ii)
で表される。これらの駆動力Fa(θ),Fb(θ)の合力が、フレネルレンズ23の重心O(図2または図4参照)に実際に働く。
なお、上記の式(i),(ii)中の「F0」は、駆動力Fa(θ),Fb(θ)の基準となる力を示しており、その大きさは図4中のF0の大きさと同じである。当該力F0の大きさは、弾性保持ユニット30Aを構成している各弾性支持部材35a〜35d(図2参照)の弾性力や、フレネルレンズ23をスクリーン20(図1参照)に平行な面内で移動させる際に許容される重心Oの移動範囲の広さ、およびフレネルレンズ23の撓みを矯正するのに要する矯正力の大きさ等を考慮して予め選定される。
図6は、図4に示した駆動動波形で各駆動源を駆動させたときの時刻T2以降における位相角とフレネルレンズの重心に働く力との関係の一例を示す概念図である。同図には、スクリーン20(図1参照)におけるX軸およびY軸と、図4に示した駆動波形DW1で駆動源40Aを駆動させたときに弾性保持ユニット30Aを介してフレネルレンズ23に付与される駆動力の作用線に相当するX’軸と、図4に示した駆動波形DW2で駆動源40Bを駆動させたときに弾性保持ユニット30Aを介してフレネルレンズ23に付与される駆動力の作用線に相当するY’軸とが示されている。
また、図6には、表示装置の非動作時でのフレネルレンズ23の重心O(図2参照)の位置が点P0で、画像表示を行っているときの重心Oの基準位置が点P1でそれぞれ示されている。点P0と点P1との距離は、各駆動源40A、40Bが前述の初期駆動力Fiのみを弾性保持ユニット30Aに付与したときの重心Oの変位量に相当する。図示の例ではX軸、Y軸、X’軸、およびY’軸の各々が上記の点P1を通っている。また、X’軸とY’軸とは互いに直交しており、X軸とY軸も互いに直交している。X’軸およびY’軸の各々は、駆動源40A、40Bによる引張り力の方向を正方向としており、X’軸の方位角とX軸の方位角とは互いに135度ずれている。
上記の重心Oが点P1に変位した状態下での弾性保持ユニット30Aによる弾性力(各弾性保持部材35a〜35dによる弾性力)がスクリーン20に平行な面内で等方的であれば、各駆動源40A,40Bが図4に示す駆動波形DW1,DW2で駆動して時刻T2以降に上述の駆動力Fa(θ),Fb(θ)を弾性保持ユニット30Aに付与したときに、図6に示すように、X’軸と角度θをなす合力Fr(θ)がフレネルレンズ23の重心Oに働く。このときの角度θは、前述のように、図4に示した駆動波形DW1,DW2の位相角θに相当する。また、合力Fr(θ)の大きさは、初期駆動力Fiを無視すれば、図4に示したF0と同じ値になる。各駆動力Fa(θ),Fb(θ)の大きさは、上記の位相角θが何度であってもフレネルレンズ23が常に張った状態に保たれるように選定される。
そして、各駆動源40A,40Bの駆動波形DW1,DW2の位相角θが(0+360・n)度(nは整数を表す)のときの合力Fr(0°)は、重心Oが点P1からX’軸上の点P2に変位する向きおよび大きさとなり、(45+360・n)度のときの合力Fr(45°)は、重心Oが点P1からY軸上の点P3に変位する向きおよび大きさとなり、(135+360・n)度のときの合力Fr(135°)は、重心Oが点P1からX軸上の点P4に変位する向きおよび大きさとなる。また、位相角θが(225+360・n)度のときの合力Fr(225°)は、重心Oが点P1からY軸上の点P5に変位する向きおよび大きさとなり、(315+360・n)度のときの合力Fr(315°)は、重心Oが点P1からX軸上の点P6に変位する向きおよび大きさとなる。
フレネルレンズ23の重心Oが点P1に変位した状態下での弾性保持ユニット30Aによる弾性力がスクリーン20に平行な面内で等方的であるとき、上記の合力Fr(θ)がどの方向に向いていたとしても当該合力Fr(θ)とは逆向きの弾性力が各弾性支持部材35a〜35dにより働く結果として、各駆動源40A,40Bを駆動波形DW1,DW2で駆動させると、フレネルレンズ23の重心Oは実質的に半径F0の円Crの円周上を移動することとなる。フレネルレンズ23は、スクリーン20に平行な面内で円運動を行う。このとき、フレネルレンズ23はモーメントの影響を実質的に受けない。
図7〜図9の各々は、フレネルレンズに働く力と投写型画像表示装置内でのフレネルレンズの位置との関係の一例を示す概略図である。これらの図に示す各部材については図2を参照して既に説明しているので、当該部材については図2で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、図4中の時刻T3のときには上述の駆動波形DW1,DW2の位相角θが45度となることから、下向きの合力Fr(45°)がスクリーン20(図1参照)のY軸に沿って生じ、結果として、フレネルレンズ23の重心Oが初期位置からみて真下方向、すなわち図6に示す点P3の方向に移動する。また、図4中の時刻T4のときには上述の駆動波形DW1,DW2の位相角θが135度となることから、図8に示すように、フレネルレンズ23を裏面視したときの右向きの合力Fr(135°)がスクリーン20のX軸に沿って生じ、結果として、フレネルレンズ23の重心Oが初期位置からみて右方向(裏面視したときの右方向)、すなわち図6に示す点P4の方向に移動する。そして、図4中の時刻T5のときには上述の駆動波形DW1,DW2の位相角θが225度となることから、図9に示すように上向きの合力Fr(225°)がスクリーン20のY軸に沿って生じ、結果として、フレネルレンズ23の重心Oが初期位置からみて真上方向、すなわち図6に示す点P5の方向に移動する。
上述のように位相角θに応じてフレネルレンズ23の重心Oが所定の方向に移動する結果として、当該フレネルレンズ23はスクリーン20(図1参照)に平行な面内で連続運動(円運動)する。各駆動力Fa(θ),Fb(θ)が重心Oを通る方向に付与されることから、フレネルレンズ23を保持する弾性保持ユニット30A(図2参照)での各弾性支持部材35a〜35dの弾性力(バネ定数)をX軸方向およびY軸方向のいずれについても同じ値に設定することにより、モーメントの影響を排除することが容易になる。
以上説明した構成を有する投写型画像表示装置80(図1または図2参照)では、前述したように、フレネルレンズ23が薄肉の部材であるので軽量化を図り易いと共に、迷光に起因する画質の低下やシンチレーションによる画質の低下、およびフレネルレンズ23が撓むことに起因する画質の低下を抑え易い。これらの理由から、投写型画像表示装置80では軽量化および高画質化を図り易い。
実施の形態2.
投写型画像表示装置の動作時にスクリーンに平行な面内で移動させる被駆動部材は、表示装置の動作時にのみ張った状態に保ってもよいし、常時張った状態に保ってもよい。被駆動部材を常時張った状態に保つにあたっては、例えば、弾性保持ユニットを構成している各弾性保持部材の弾性力を利用することができる。
図10−1は、フレネルレンズを常に張った状態に保った投写型画像表示装置の一例を概略的に示す断面図であり、図10−2は、図10−1に示した投写型画像表示装置におけるフレネルレンズを概略的に示す断面図である。
図10−1に示す投写型画像表示装置85は、フレネルレンズ23を常に張った状態に保つ弾性保持ユニット30Bを備えているという点を除き、図1および図2−1に示した投写型画像表示装置80と同じ構造を有している。図10−1に示した構成部材のうちで弾性保持ユニット30Bを除いた残りの構成部材については、図2−1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してある。また、図中の参照符号「O」は、弾性保持ユニット30Bに保持されたフレネルレンズ23の重心を示している。
上記の弾性保持ユニット30Bは、図2−1に示した弾性保持ユニット30Aと同じ構造を有しているが、各弾性支持部材35a,35bが上桟31aに対して常にY軸方向上向きの弾性力を付与し、各弾性支持部材35c,35dが下桟31bに対して常にY軸方向下向きの弾性力を付与するように弾性支持部材35a〜35dの各々が配置されているという点で、図2−1に示した弾性保持ユニット30Aと異なる。このようにして弾性保持ユニット30Bがフレネルレンズ23を保持する結果として、図10−2に示すように、フレネルレンズ23は常に張った状態に保たれる。
図11は、図10−1に示した投写型画像表示装置における一対の駆動源それぞれの駆動波形の一例を示す概略図であり、弾性保持ユニットに対する駆動力の方向が互いに90度の角度をなすように各駆動源を配置したときに好適な駆動波形の一例である。横軸は時間であり、縦軸は個々の駆動源40A,40Bから弾性保持ユニット30B(図10−1参照)に付与される駆動力である。この駆動力は、駆動源40A,40Bから弾性保持ユニット30Bに付与される引張り力を正の値とし、押力を負の値としている。
図示の例では、時刻T11に各駆動源40A,40Bが動作を開始し、時刻T11以降の駆動源40Aの駆動波形DW11および駆動源40Bの駆動波形DW12は、それぞれ、互いに同じ振幅および波長を有する正弦波形となっている。また、駆動波形DW11と駆動波形DW12とには90度の位相差Δφがある。各駆動源40A,40Bによる駆動力の大きさは、図11に示す駆動力の値F0とその負の値−F0との間で変動する。このような駆動力が弾性保持ユニット30Bに付与されることにより、時刻T11以降、フレネルレンズ23はスクリーンに平行な面内で連続運動、具体的には円運動を行う。
このとき、駆動源40Aから弾性保持ユニット30Bに付与される駆動力Fa(θ)は駆動波形DW11,DW12の位相角θの関数となり、下式(iii)
Fa(θ)=F0・sin(θ+90°)=F0・cosθ ……(iii)
で表される。同様に、駆動源40Bから弾性保持ユニット30Bに付与される駆動力Fb(θ)も駆動波形DW11,DW12の位相角θの関数となり、下式(iv)
Fb(θ)=F0・sinθ ……(iv)
で表される。これらの駆動力Fa(θ),Fb(θ)の合力が、フレネルレンズ23の重心O(図10−1参照)に実際に働く。
なお、上記の式(iii),(iv)中の「F0」は、駆動力Fa(θ),Fb(θ)の基準となる力を示しており、その大きさは図11中のF0の大きさと同じである。当該力F0の大きさは、弾性保持ユニット30Aを構成している各弾性支持部材35a〜35d(図2参照)の弾性力や、フレネルレンズ23をスクリーン20(図1参照)に平行な面内で移動させる際に許容される重心Oの移動範囲の広さ、およびフレネルレンズ23の撓みを矯正するのに要する矯正力の大きさ等を考慮して予め選定される。
図12は、図11に示した駆動動波形で各駆動源を駆動させたときの位相角とフレネルレンズの重心に働く力との関係の一例を示す概念図である。図6との対比から明らかなように、図12に示す上記の関係は、実施の形態1で説明した時刻T2以降における各駆動源の駆動波形での位相角とフレネルレンズの重心に働く力(合力Fr(θ))との関係と同じである。各駆動力Fa(θ),Fb(θ)の大きさは、上記の位相角θが何度であってもフレネルレンズ23が常に張った状態に保たれるように選定される。勿論、表示装置の非動作時においても、フレネルレンズ23は常に張った状態に保たれる。
各駆動源40A,40Bの駆動波形DW11,DW12の位相角θが(0+360・n)度(nは整数を表す)のときの合力Fr(0°)は、重心Oが点P1からX’軸上の点P2に変位する向きおよび大きさとなり、(45+360・n)度のときの合力Fr(45°)は、重心Oが点P1からY軸上の点P3に変位する向きおよび大きさとなり、(135+360・n)度のときの合力Fr(135°)は、重心Oが点P1からX軸上の点P4に変位する向きおよび大きさとなる。そして、位相角θが(225+360・n)度のときの合力Fr(225°)は、重心Oが点P1からY軸上の点P5に変位する向きおよび大きさとなり、(315+360・n)度のときの合力Fr(315°)は、重心Oが点P1からX軸上の点P6に変位する向きおよび大きさとなる。
弾性保持ユニット30Bによる弾性力がスクリーンに平行な面内で等方的であるとき、上記の合力Fr(θ)がどの方向に向いていたとしても当該合力Fr(θ)とは逆向きの弾性力が各弾性支持部材35a〜35dにより働く結果として、各駆動源40A,40Bを駆動波形DW11,DW12で駆動させると、フレネルレンズ23の重心Oは実質的に半径F0の円Crの円周上を移動することとなる。フレネルレンズ23は、スクリーン20に平行な面内で円運動を行う。
図13〜図15の各々は、フレネルレンズに働く力と投写型画像表示装置内でのフレネルレンズの位置との関係の一例を示す概略図である。これらの図に示す各部材については図10−1を参照して既に説明しているので、当該部材については図10−1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図13に示すように、図11中の時刻T12のときには上述の駆動波形DW11,DW12の位相角θが45度となることから、下向きの合力Fr(45°)がスクリーンのY軸に沿って生じ、結果として、フレネルレンズ23の重心Oが初期位置からみて真下方向、すなわち図12に示す点P3の方向に移動する。また、図11中の時刻T13のときには上述の駆動波形DW11,DW12の位相角θが135度となることから、図14に示すように、フレネルレンズ23を裏面視したときの右向きの合力Fr(135°)がスクリーンのX軸に沿って生じ、結果として、フレネルレンズ23の重心Oが初期位置からみて右方向(裏面視したときの右方向)、すなわち図12に示す点P4の方向に移動する。そして、図11中の時刻T14のときには上述の駆動波形DW11,DW12の位相角θが225度となることから、図15に示すように上向きの合力Fr(225°)がスクリーンのY軸に沿って生じ、結果として、フレネルレンズ23の重心Oが初期位置からみて真上方向、すなわち図12に示す点P5の方向に移動する。
上述のように位相角θに応じてフレネルレンズ23の重心Oが所定の方向に移動する結果として、当該フレネルレンズ23はスクリーンに平行な面内で連続運動する。このとき、各駆動力Fa(θ),Fb(θ)が重心Oを通る方向に付与されることから、フレネルレンズ23を保持する弾性保持ユニット30B(図10−1参照)での各弾性支持部材35a〜35dの弾性力(バネ定数)をX軸方向およびY軸方向のいずれについても同じ値に設定することにより、モーメントの影響を排除することが容易になる。
以上説明した構成を有する投写型画像表示装置85(図10−1参照)では、実施の形態1で説明した投写型画像表示装置80(図1および図2−1参照)におけるのと同様の理由から、軽量化を図り易いと共に、迷光に起因する画質の低下やシンチレーションによる画質の低下、およびフレネルレンズ23が撓むことに起因する画質の低下を抑え易く、その結果として軽量化および高画質化を図り易い。
以上、本発明の投写型画像表示装置について実施の形態を挙げて説明したが、前述のように、本発明は上述の形態に限定されるものではない。例えば、駆動ユニットによりスクリーンに平行な面内で移動させる被駆動部材は、フレネルレンズ23ではなく拡散部材25(図1参照)であってもよい。
また、実施の形態で示した一対の駆動源40A,40Bは、駆動力の方向が互いに180度以下の所望の角度をなすように配置することができ、当該角度は実施の形態で説明した90度に限定されるものではない。ここで、各駆動源による駆動力の方向が互いに平行な方向ではないときに「各駆動源による駆動力の方向が互いになす角度」とは、個々の駆動源による引張り力の方向を正方向として各駆動力の作用線を軸線とする座標系を想定したときに、第1象限で各軸線が互いになす角度を意味する。
上記の角度をα度とすれば、各駆動源の駆動波形を互いに同じ振幅および波長を有する正弦波形とし、かつ一方の駆動源の駆動波形と他方の駆動源の駆動波形との位相差Δφを(180−α)度とすることにより、被駆動部材をスクリーンと平行な面内で連続運動させることが容易になる。このとき、一方の駆動源から弾性保持ユニットに付与される駆動力Fa(θ)は位相角θの関数となり、初期駆動力Fiを付与する場合には下式(v)
Fa(θ)=Fi+F0・sin(θ+90) ……(v)
で、また初期駆動力Fiを付与しない場合には下式(vi)
Fa(θ)=F0・sin(θ+90) ……(vi)
で表される。
同様に、他方の駆動源から弾性保持ユニットに付与される駆動力Fb(θ)も位相角θの関数となり、初期駆動力Fiを付与する場合には下式(vii)
Fb(θ)=Fi+F0・sin(θ−90+α) ……(vii)
で、また初期駆動力Fiを付与しない場合には下式(viii)
Fb(θ)=F0・sin(θ−90+α) ……(viii)
表される。
式(v)〜(viii)で表される駆動力Fa(θ),Fb(θ)が被駆動部材の重心(弾性保持ユニットと被駆動部材とからなる構造体の重心)を通るように当該駆動源を配置すれば、モーメントの影響を排除することも容易になる。そして、一対の駆動源40A,40Bによる駆動力の方向が互いに90度未満の所望の角度をなすように配置した場合には、駆動源40Aと駆動源40Bとの間隔を狭くし易いことから、装置下部の正面視上の幅を絞ったスリムなデザインを実現することも容易である。
表示装置の動作時における被駆動部材の移動形態は円運動や楕円運動に限定されるものではなく、例えばスクリーンのX軸やY軸(例えば図2−1参照)に沿った往復運動等であってもよい。ただし、シンチレーションの発生を抑えるという観点からは、例えば円運動のように運動方向が変化するときでも速度が0よりも大きい運動を被駆動部材に行わせることが好ましい。駆動源の構造、総数、および配置は、画像表示を行うときの被駆動部材の移動形態に応じて、適宜変更可能である。
駆動源から駆動力が付与されたときに被駆動部材を張った状態に保つ場合、弾性保持ユニットは、X軸方向およびY軸方向のいずれか一方の方向には被駆動部材を実質的に変形不能に保持し、他方の方向には変形可能に保持するものであればよく、実施の形態1で説明した上桟31aおよび下桟31b(図2−1参照)に代えて左右一対の支持部材を用いることもできる。上記左右一対の支持部材を用いる場合には、いずれかの支持部材に駆動源が接続される。
また、駆動源から駆動力が付与されるか否かに拘わらず被駆動部材を常時張った状態に保つ場合、弾性保持ユニットは、X軸方向およびY軸方向の少なくとも一方の方向から被駆動部材に張力を付与して該被駆動部材を常時張った状態に保つものであればよく、実施の形態1で説明した上桟31aおよび下桟31bに代えて左右一対の支持部材を有するものであってもよい。また、被駆動部材の四辺それぞれに支持部材を配置することもできる。本発明の投写型画像表示装置については、上述したもの以外にも種々の変形、修飾、組合せ等が可能である。
本発明は、家庭または業務用の投写型画像表示装置に適用することができ、特に大画面の投写型画像表示装置に好適である。
この発明の投写型画像表示装置の一例を概略的に示す一部切欠き断面図である。 図1に示した投写型画像表示装置の内部構造を概略的に示す断面図である。 図2−1に示した投写型画像表示装置の非動作時におけるフレネルレンズの状態の一例を概略的に示す断面図である。 図1に示した投写型画像表示装置の駆動ユニットで用いられる駆動源の一例を概略的に示す分解斜視図である。 図1に示した投写型画像表示装置の駆動ユニットで用いられる一対の駆動源それぞれの駆動波形の一例を示す概略図である。 図1に示した投写型画像表示装置において各駆動源から初期駆動力が付与されたときのフレネルレンズを示す概略図である。 図4に示した駆動動波形で各駆動源を駆動させたときの位相角とフレネルレンズの重心に働く力との関係の一例を示す概念図である。 図1に示した投写型画像表示装置においてフレネルレンズに働く力とフレネルレンズの位置との関係の一例を示す概略図である。 図1に示した投写型画像表示装置においてフレネルレンズに働く力とフレネルレンズの位置との関係の他の例を示す概略図である。 図1に示した投写型画像表示装置においてフレネルレンズに働く力とフレネルレンズの位置との関係の更に他の例を示す概略図である。 この発明の投写型画像表示装置のうちでフレネルレンズを常に張った状態に保ったものの一例を概略的に示す断面図である。 図10−1に示した投写型画像表示装置におけるフレネルレンズを概略的に示す断面図である。 図10−1に示した投写型画像表示装置における一対の駆動源それぞれの駆動波形の一例を示す概略図である。 図11に示した駆動動波形で各駆動源を駆動させたときの位相角とフレネルレンズの重心に働く力との関係の一例を示す概念図である。 図10−1に示した投写型画像表示装置においてフレネルレンズに働く力とフレネルレンズの位置との関係の他の例を示す概略図である。 図10−1に示した投写型画像表示装置においてフレネルレンズに働く力とフレネルレンズの位置との関係の他の例を示す概略図である。 図10−1に示した投写型画像表示装置においてフレネルレンズに働く力とフレネルレンズの位置との関係の他の例を示す概略図である。
符号の説明
10 光学エンジン
20 スクリーン
23 フレネルレンズ
25 拡散部材
30A,30B 弾性保持ユニット
31a 上側支持部材である上桟
31b 下側支持部材である下桟
35a〜35d 弾性支持部材
40A,40B 駆動源
55 制御回路部
60 駆動ユニット
70 筐体
80,85 投写型画像表示装置
O フレネルレンズの重心
Fa(θ) Fb(θ) 駆動源から弾性保持ユニットに付与される駆動力
Fr(θ) 合力
X スクリーンの左右軸
Y スクリーンの上下軸
Z スクリーンの前後軸

Claims (3)

  1. 画像信号に応じて光を出射する光学エンジンと、
    前記光学エンジンから入射した光をフレネルレンズにより略平行な光にした後に拡散部材により拡散光にして出射させるスクリーンと、
    前記フレネルレンズまたは前記拡散部材を被駆動部材として該被駆動部材を前記スクリーンに平行な面内で移動可能に保持する弾性保持ユニットと、
    前記弾性保持ユニットに駆動力を付与して前記被駆動部材を前記スクリーンに平行な面内で移動させる駆動ユニットと、
    前記光学エンジン、前記スクリーン、前記弾性保持ユニット、および前記駆動ユニットを収容する筐体と、
    を備え、
    前記被駆動部材は可撓性を有する薄肉の部材であり、
    前記駆動ユニットは、前記弾性保持ユニットに駆動力を付与して前記被駆動部材を張った状態に保ちながら該被駆動部材を前記スクリーンに平行な面内で移動させる、
    ことを特徴とする投写型画像表示装置。
  2. 画像信号に応じて光を出射する光学エンジンと、
    前記光学エンジンから入射した光をフレネルレンズにより略平行な光にした後に拡散部材により拡散光にして出射させるスクリーンと、
    前記フレネルレンズまたは前記拡散部材を被駆動部材として該被駆動部材を前記スクリーンに平行な面内で移動可能に保持する弾性保持ユニットと、
    前記弾性保持ユニットに駆動力を付与して前記被駆動部材を前記スクリーンに平行な面内で移動させる駆動ユニットと、
    前記光学エンジン、前記スクリーン、前記弾性保持ユニット、および前記駆動ユニットを収容する筐体と、
    を備え、
    前記被駆動部材は可撓性を有する薄肉の部材であり、
    前記弾性保持ユニットは、前記被駆動部材に張力を付与して該被駆動部材を常に張った状態に保つ、
    ことを特徴とする投写型画像表示装置。
  3. 前記弾性保持ユニットは、
    前記被駆動部材の上辺側が固定される上側支持部材と、
    前記被駆動部材の下辺側が固定される下側支持部材と、
    を有し、
    前記駆動ユニットは、前記弾性保持ユニットの下方に配置されて前記下側支持部材側から前記弾性保持ユニットに駆動力を付与する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の投写型画像表示装置。
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