JP2009128777A - 光送受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストかつ簡便なプロセスで光配線の光路変換部材を形成する方法およびこの方法を用いて作製した光送受信装置の提供。
【解決手段】基板上に実装された発光素子と受光素子とが、光配線を通して相互に光送受信可能に結合され、少なくとも発光素子が、基板の表面に対して出射光の光軸が交差する方向に基板上に実装され、光配線が基板の表面に沿って配置され、発光素子からの出射光がミラーで反射されて光配線の端面から光配線内に入射されるように構成された光送受信装置であって、前記ミラーが、ワイヤボンディングのワイヤであることを特徴とする光送受信装置。
【選択図】図1
【解決手段】基板上に実装された発光素子と受光素子とが、光配線を通して相互に光送受信可能に結合され、少なくとも発光素子が、基板の表面に対して出射光の光軸が交差する方向に基板上に実装され、光配線が基板の表面に沿って配置され、発光素子からの出射光がミラーで反射されて光配線の端面から光配線内に入射されるように構成された光送受信装置であって、前記ミラーが、ワイヤボンディングのワイヤであることを特徴とする光送受信装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光素子と受光素子とが光ファイバなどの光配線を通して相互に光送受信可能に結合された光送受信装置に関する。本発明の光送受信装置は、サーバーなどの高速通信機器、自動車内光配線、携帯電話などの小型電子機器に用いられる。
近年、サーバーなどの高速通信機器、自動車内光配線、携帯電話など小型電子機器に光配線が適用されつつある。これらの機器は小型化と低コスト化がすすみ、それに伴い、光受信装置にも小型化と低コスト化の要求が強い。
また、受発光素子である面発光レーザやフォトダイオードは、並列光インターコネクションのキーデバイスとして、その有用性が高まっている。その実用化においては、光を制御する実装が必要となり、従来の電気部品の実装に比べて、高い実装精度が要求されている。このような高い精度での実装は、その製造コストが膨大になり、市場への波及を阻むことになっている。
そこで、半導体プロセスなどを駆使し、非常に高精度に加工された部材を利用し、その部材の面を基準面にそれぞれ光学素子を実装する技術が検討されている。この高精度に加工された部材をオプティカルベンチと呼び、オプティカルベンチによる実装技術として、様々な要求を満足する上で、非常に重要な技術である。この技術によれば、低いコストで高い精度の部品を作ることができ、その部品を用いた実装は、精度良く、低コスト化が可能であって、現在では、光ファイバの実装において、大きな役割を担っている。
しかし、このような実装技術においても、単に光ファイバと端面レーザとを光結合するものにとどまり、その汎用性や、その製造コストの面で、未だ課題を残している。特に、面発光レーザと光ファイバや導波路との光結合などはその最も大きな課題の一つである。面発光レーザやフォトダイオードは、その発光面、受光面が基板に対して垂直であり、従来の端面レーザとは配置が大きく異なる。この面発光レーザの課題に対し、45度に傾いたミラーを介することで、同様なオプティカベンチを提供するものがある。これにより、面発光レーザなどに対する高精度の実装が可能になるが、製造コストの面では未だ課題を抱えている。光送受信装置において、受発光素子と光導波路の結合は、従来のアクティブアライメント方式(受発光素子を駆動させて、最適な位置を探しながら組み立てる)に代わり、より安価な結合が可能な、パッシブアライメント方式(受発光素子を駆動させず、機械的な位置決めにより組み立てる)が積極的に検討されている。
当該技術分野における従来技術として、特許文献1〜8が挙げられる。
特表2005−523466号公報
特許第3295327号公報
特開2002−124687号公報
特開2003−75168号公報
特開2005−10334号公報
特開2005−234557号公報
特開2006−178282号公報
特開2004−341454号公報
当該技術分野における従来技術として、特許文献1〜8が挙げられる。
特許文献1には、扁平な反射面(請求項4)や凸面鏡(請求項5〜7)を利用して光路を直角に変換することが開示されている。しかし、この従来技術は、光路変換部材を作製するためのコストが高いという問題がある。
特許文献2には、光ファイバの中心軸に対して45度の角度で切断溝を形成して、そこにハーフミラーを挿入して光路変換部を形成すること、半導体の異方性エッチングを利用して出来た窪みに金メッキをして光路変換部を形成することが開示されている。しかし、この従来技術は、ハーフミラーを実装するために部材費、実装費が高くなる問題がある。また、半導体プロセスが別途必要となるためにコストが高くなる問題がある。
特許文献3には、曲面状のミラーやレンズを用いて光ファイバと受発光素子との光結合を行うことが開示されている。このミラーは、蒸着法を用いて形成している。しかし、この従来技術は、真空プロセスが別途必要になるのでコストが高くなる問題がある。
特許文献4には、圧電素子に電極を形成して、電圧で可変なミラーを形成することが開示されている。しかし、この従来技術は、ミラーを制御するために電力が必要になるので、光送受信装置全体の消費電力が大きくなる問題がある。
特許文献5には、曲面が形成されたオプティカルベンチを直角光路変換部材として用いることが開示されている。しかし、この従来技術は、光路変換部材として用いているオプティカルベンチが別途必要になるのでコストが高くなる。また、オプティカルベンチを実装する工程が別途必要になる問題がある。
特許文献6には、光ファイバの端面を45度に切断して、45度ミラーを形成することが開示されている。しかし、切断しただけではミラーの反射率が低く、また表面の凹凸によって散乱損失が生じる問題がある。
特許文献7には、光導波路の端面に樹脂で光路変換用のミラーを形成すること、及びこのミラーの形成方法として、ダイシングソーを用いた切断や所望の角度を有する圧子を押し込んで樹脂を変形させる方法が開示されている。しかし、樹脂ミラーでは反射率が低く、また全反射条件を見たす角度が限定されてしない、構造の自由度が低いという問題がある。
特許文献8には、ダイシングブレード、レーザアブレーション、V字押し当てなどの方法で光導波路の光軸に対して45度の角度で斜面を形成すること、そして、その斜面に金属粒子を含有する金属ペーストを塗布して金属ミラーを形成することが開示されている。また、この金属ミラーは蒸着やスリッパでも形成可能であることが記載されている。しかし、この従来技術は、45度の斜面の形成と金属ミラーを形成するという二つの工程がありコストが上昇する問題がある。
前述した特許文献1〜8に記載されている従来技術を用いることで、光路変換部材を作製することは可能である。しかし、光路変換部材を作製するために別な部材が必要となる。工程が複雑になるなどのことにより、結果としてコストが高くなるという問題が発生する。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、低コストかつ簡便なプロセスで光配線の光路変換部材を形成する方法およびこの方法を用いて作製した光送受信装置の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、基板上に実装された発光素子と受光素子とが、光配線を通して相互に光送受信可能に結合され、少なくとも発光素子が、基板の表面に対して出射光の光軸が交差する方向に基板上に実装され、光配線が基板の表面に沿って配置され、発光素子からの出射光がミラーで反射されて光配線の端面から光配線内に入射されるように構成された光送受信装置であって、
前記ミラーが、ワイヤボンディングのワイヤであることを特徴とする光送受信装置を提供する。
前記ミラーが、ワイヤボンディングのワイヤであることを特徴とする光送受信装置を提供する。
本発明の光送受信装置において、発光素子の出射光の光軸とワイヤとがなす角度が、出射光の光軸と光配線の長手方向とがなす角度の半分の角度に対して±5度の範囲内にあることが好ましい。
本発明の光送受信装置において、ワイヤの一方を固定するための部材が光配線を固定するためのガイド溝を有していることが好ましい。
本発明の光送受信装置において、ワイヤの一方が光配線の周囲を被覆している金属に固定されていることが好ましい。
本発明の光送受信装置において、ワイヤの一方が光配線の周囲を被覆している金属に固定されていることが好ましい。
本発明の光送受信装置において、ワイヤ、発光素子及びそれに近接した光配線を同一の樹脂モールドで被覆したことが好ましい。
前記光送受信装置において、樹脂モールドの一部が基板上に接していることが好ましい。
本発明の光送受信装置は、ワイヤボンディングのワイヤを光路変換用のミラーとして用いたものなので、低コストかつ簡便なプロセスで光配線の光路変換部材を形成でき、装置のコストを低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の光送受信装置の第1実施形態を示す断面図である。この図中、符号10は光送受信装置、11は基板、12は発光素子である面発光レーザ、13は光配線(光ファイバ)、14はワイヤボンディングのワイヤからなる金属ミラー、15は金属ミラー支持材である。
図1は、本発明の光送受信装置の第1実施形態を示す断面図である。この図中、符号10は光送受信装置、11は基板、12は発光素子である面発光レーザ、13は光配線(光ファイバ)、14はワイヤボンディングのワイヤからなる金属ミラー、15は金属ミラー支持材である。
本実施形態の光送受信装置10は、基板11上に実装された発光素子と受光素子とが、光配線13を通して相互に光送受信可能に結合され、少なくとも発光素子が、基板10の表面に対して出射光の光軸が交差する方向(図1の例示では垂直方向)に基板10上に実装され、光配線13が基板10の表面に沿って配置された光送受信装置であって、発光素子である面発光レーザ12からの出射光が金属ミラー14で反射されて光配線13の端面から入射されるように構成され、前記金属ミラー14が、ワイヤボンディングのワイヤであることを特徴としている。このワイヤからなる金属ミラー14は、下端側が基板11に接合され、上端側は光配線13に沿って設けられた金属ミラー支持材15によって所定の傾斜角度が維持されるように支持されている。ここで、金属ミラー支持材としては、金属被覆した光ファイバを用いることもできる。その場合、光ファイバの側面にワイヤを直接固定することができる。
図1の例示において、この光送受信装置10は、面発光レーザ12から出射された光の光軸と光配線13の長手方向とが45度の角度を有しており、面発光レーザ12から出射した光を直角に反射して光配線13の端面から入射させ、光配線13内を導波させる構造になっている。ここで、光の方向を変えるために金属ミラー14が形成されているが、この金属ミラー14をワイヤーボンディングのワイヤで形成することで、簡単な工程で低コストな光路変換部材(金属ミラー)を作製することができる。
ここで、面発光レーザ12とは、半導体基板に対して垂直な方向に共振器を形成したレーザであり、半導体基板に対して垂直な方向に光が出射されるのが特徴である。この面発光レーザとしては、例えば、中心波長850nm、発光部の面積が10μm程度、出力光強度2mW程度のものなどが使用される。半導体基板のサイズは限定されないが、例えば、0.5mm×0.5mm×0.1mm程度である。
光配線13としては、光ファイバや光導波路が挙げられ、特に光ファイバが好ましい。この光ファイバとしては、石英ガラス系光ファイバ、プラスチック光ファイバなどを用いることができる。
金属ミラー14とするワイヤの材質としては、金、銅、アルミがボンディングのしやすさ、反射率の高さなどの点から好ましい。ここで、ボンディング用のワイヤには、断面形状が円形の他に板状又はテープ形状のワイヤがある。断面が円形のワイヤでは、金属ミラー14に当たった光は様々な方向に散乱してしまい、面発光レーザ12と光配線13との結合効率が悪化する。そこで、板状又はテープ状などの平面を有する形状のワイヤを用い、その平面に光が当たる方向でボンディングすることが好ましい。
金属ミラー14の傾斜角度は、面発光レーザ12と光配線13との結合効率を左右する重要な要素である。そこで、図1に示す装置構成において、金属ミラー14と基板11との角度を変化させた時の面発光レーザ14と光配線13との結合効率の関係を調べた。ここで、面発光レーザ12の出射光の半値幅は±10度、面発光レーザ12から金属ミラー14で反射して光配線13の端面に達するまでの距離は1mm(面発光レーザと金属ミラーとの距離500μm、金属ミラーと光配線との距離500μmの和)、光配線13は、コア径50μmの石英ガラスファイバとした。その結果を表1に記す。
表1に示す通り、金属ミラー14と基板11との角度が45度の時、つまり面発光レーザ12から出射した光が光軸に対して垂直に金属ミラー14で反射される条件が最も結合効率が高く、角度が大きくなっても小さくなっても結合率が悪くなるという結果になった。この実験の結果より、金属ミラー14と基板11との角度は、最も結合効率が高い45度に対して±5度の範囲であれば、金属ミラー14の角度ずれに対する結合効率の変化が3dB以下に抑えられることが実証された。
図2は、本発明の光送受信装置の第2実施形態を示す断面図である。本実施形態の光送受信装置20は、金属ミラー14を支持する手段として、光配線固定用部材21を用いてい、それ以外の構成は前記第1実施形態の光送受信装置10と同様の構成になっている。この光配線固定用部材21は、光ファイバなどの光配線の端部をガイド溝に固定し、該部材を基板11に固定できればよく、その寸法や形状は特に限定されない。
図2に示した構造を用いることで、光配線13の位置合わせを同時に行うことができる。光配線固定用部材21に光配線13を固定できるような位置合わせ機能を持たせておくことで、光送受信装置20に用いる部材点数を少なくすることができる。また、基板11上に光配線13以外の部材を実装した後、最後に光配線13を固定することで、耐熱性の悪いプラスチック光ファイバも用いることができる。つまり、光配線固定用部材21や面発光レーザ12を実装する時に、ハンダリフローなどの工程を行う際に光配線13が実装されていないので、光配線13が高温下に曝されることがなくなるために、光配線13に耐熱性の要求がなくなり、光配線13の選択の幅が広げられるという利点もある。
図2は、本発明の光送受信装置の第3実施形態を示す断面図である。本実施形態の光送受信装置30は、前述した第2実施形態の光送受信装置20とほぼ同様の構成要素を備えており、さらに、面発光レーザ12と、金属ミラー14と光配線固定用部材21との全部、及びこれに近接した光配線13の端部を樹脂モールド31で被覆した構成になっている。
図3に示すように面発光レーザ12、金属ミラー14、光配線13を樹脂モールドで覆うことで、機械強度が増し、防水性や防塵性が向上することから、装置の信頼性を向上させることができる。例えば、面発光レーザ12の導通をとるための金属ワイヤや金属ミラー14は、数μmから数100μmという非常に細い形状をしており、むき出しの状態では衝撃等によって容易に破断してしまう。そのため、面発光レーザ12、金属ミラー14、光配線13を同一の樹脂モールド31で覆うことで、面発光レーザ12から光配線13までの光路中に空気層がなくなり、フレネル反射や凹凸に起因する散乱の影響が少なくなり、結合効率が向上する。さらに樹脂モールド31の一部が基板11上に接しているようにすると、光配線13が基板11上に樹脂モールド31で固定されるので、光配線13の固定強度が強くなるという利点がある。
10,20,30…光送受信装置、11…基板、12…面発光レーザ、13…光配線、14…金属ミラー、15…金属ミラー支持材、21…光配線固定用部材、31…樹脂モールド。
Claims (6)
- 基板上に実装された発光素子と受光素子とが、光配線を通して相互に光送受信可能に結合され、少なくとも発光素子が、基板の表面に対して出射光の光軸が交差する方向に基板上に実装され、光配線が基板の表面に沿って配置され、発光素子からの出射光がミラーで反射されて光配線の端面から光配線内に入射されるように構成された光送受信装置であって、
前記ミラーが、ワイヤボンディングのワイヤであることを特徴とする光送受信装置。 - 発光素子の出射光の光軸とワイヤとがなす角度が、出射光の光軸と光配線の長手方向とがなす角度の半分の角度に対して±5度の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光送受信装置。
- ワイヤの一方を固定するための部材が光配線を固定するためのガイド溝を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光送受信装置。
- ワイヤの一方が光配線の周囲を被覆している金属に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光送受信装置。
- ワイヤ、発光素子及びそれに近接した光配線を同一の樹脂モールドで被覆したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光送受信装置。
- 樹脂モールドの一部が基板上に接していることを特徴とする請求項5に記載の光送受信装置。
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2007
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