JP2009127838A - 変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無段変速モードと固定変速比モードとを有する変速機において、固定変速比モードにおいてもエンジントルク及びブレーキ部トルクを精度良く検出する。
【解決手段】ドグクラッチ機構は回転要素と固定要素が相互に係合するように構成されている。回転要素には複数の回転側ドグ歯が設けられ、固定要素には同数の固定側ドグ歯が設けられている。また、固定側ドグ歯の少なくとも1つには、回転側ドグ歯と接触する両端部に一対の圧力検出部が設けられる。圧力検出部は、回転側ドグ歯と固定側ドグ歯とが噛み合った状態で、回転側ドグ歯から与えられる圧力を検出する。検出される圧力値の差と、ドグ歯の数などに基づいて、固定要素に作用するトルクを算出することができる。
【選択図】図3
【解決手段】ドグクラッチ機構は回転要素と固定要素が相互に係合するように構成されている。回転要素には複数の回転側ドグ歯が設けられ、固定要素には同数の固定側ドグ歯が設けられている。また、固定側ドグ歯の少なくとも1つには、回転側ドグ歯と接触する両端部に一対の圧力検出部が設けられる。圧力検出部は、回転側ドグ歯と固定側ドグ歯とが噛み合った状態で、回転側ドグ歯から与えられる圧力を検出する。検出される圧力値の差と、ドグ歯の数などに基づいて、固定要素に作用するトルクを算出することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、ハイブリッド車両に好適な変速機の制御装置に関する。
内燃機関に加えて、電動機やモータジェネレータなどの動力源を備えるハイブリッド車両が既知である。ハイブリッド車両では、内燃機関を可及的に高効率状態で運転する一方、駆動力やエンジンブレーキ力の過不足を電動機又はモータジェネレータで補う。
上記のようなハイブリッド車両において、無段変速モードと固定変速比モードとを切り替えて運転することが可能なように構成された変速機構の例が特許文献1に記載されている。具体的には、2つの遊星歯車機構を組み合わせて4つの回転要素を有する動力分配機構が構成され、4つの回転要素がそれぞれエンジン、第1のモータジェネレータ、出力軸及びブレーキに接続される。ブレーキを解放した状態では、第1のモータジェネレータの回転数を連続的に変化させることにより、エンジンの回転数が連続的に変化し、無段変速モードでの運転が実行される。一方、ブレーキを固定した状態では、上記の回転要素の1つの回転が阻止されることにより変速比が固定となり、固定変速比モードでの運転が実行される。また、無段変速モードと固定変速比モードとを切り替える変速機構は、従来の湿式多板クラッチではなく、ドグ歯を有する電磁クラッチを利用した回転位相同期変速制御によるものが知られている。
上記のような変速機構において、無段変速モードでは第1のモータジェネレータがエンジンの反力を受ける。よって、第1のモータジェネレータが受けるエンジン反力とギア比とからエンジントルクを推定することが可能である。一方、ブレーキを固定した固定変速比モードでは、第1のモータジェネレータはエンジン反力を受けていないので、エンジントルクを正確に推定することができない。また、ブレーキにかかるトルクも検出できない。このため以下のような問題が生じる。
第1の問題として、エンジントルクを正確に推定できないと、エンジントルクを用いて行われる各種の制御が精度良く行えないことになる。具体的には、まず、車両の走行状態に応じて一時的にバッテリ出力を増加させる処理を精度良く行うことができない。また、エンジンが出力しているトルクであるエンジン直行トルクを算出できないため、モータ要求トルクを精度良く算出することができず、走行性能が低下する。また、バッテリ充放電制御を精度良く行うことができないため、バッテリが過充電又は過放電状態となる恐れがある。また、エンジントルクの低下を判定して異常を検出する処理が精度良く行えない。さらには、エンジン自律制御時のスロットル開度を算出する処理が精度良く行えず、走行性能が低下する。
第2の問題として、ブレーキ部に作用するトルクが検出できないため、変速機構が固定変速比モードに入らない異常を検出することができない。具体的には、無段変速モードから固定変速比モードへの移行時に、電磁クラッチのドグ歯を係合する際の位相同期制御及び回転同期制御がうまく行えず、ドグ歯を噛み合わせることができないことがある。また、回転側ドグ歯を固定側ドグ歯へ押しつけるためのソレノイドなどの機構の異常によりドグ歯が外れてしまう恐れがある。
第3の問題として、固定変速比モードを解除する際にうまくクラッチを解放することができないという問題がある。固定変速比モードを解除するためには、ブレーキ部にかかるトルクがゼロとなるように第1のモータジェネレータのトルクを制御してから、ブレーキを解放しなければならない。しかし、ブレーキ部のトルクを精度良く検出することができないため、第1のモータジェネレータのトルクを適切な制御値とすることができない、固定変速比モードの解除に時間を要する、固定変速比モードの解除時にショックが発生するなどの問題が発生し、燃費性能やドライバビリティ性能が悪化する。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、無段変速モードと固定変速比モードとを有し、ドグ歯を有するクラッチを利用した変速機において、固定変速比モードにおいてもエンジントルク及びブレーキ部トルクを精度良く検出することを目的とする。
本発明の1つの観点では、ドグクラッチ機構のトルク算出装置は、複数の回転側ドグ歯を有する回転要素と、複数の固定側ドグ歯を有する固定要素とを係合するドグクラッチ機構と、複数の固定側ドグ歯又は回転側ドグ歯の少なくとも1つに設けられ、当該ドグ歯の係合相手となるドグ歯と接触する両端部に設けられた一対の圧力検出部と、前記一対の圧力検出部から出力される圧力の差に基づいて、前記固定要素に作用するトルクを算出するトルク算出手段と、を備える。
上記のトルク算出装置では、ドグクラッチ機構は回転要素と固定要素が相互に係合するように構成されている。回転要素には複数の回転側ドグ歯が設けられ、固定要素には同数の固定側ドグ歯が設けられている。また、固定側ドグ歯又は回転側ドグ歯の少なくとも1つには、そのドグ歯が係合する相手となるドグ歯と接触する両端部に一対の圧力検出部が設けられる。即ち、圧力検出部は、固定側ドグ歯に設けられる場合には、それが係合する相手となる回転側ドグ歯と接触する両端部に設けられる。また、圧力検出部は、回転側ドグ歯に設けられる場合には、それが係合する相手となる固定側ドグ歯と接触する両端部に設けられる。圧力検出部は、回転側ドグ歯と固定側ドグ歯とが噛み合った状態で、係合の相手となるドグ歯から与えられる圧力を検出する。回転要素にはトルクが付与されているため、一対の圧力検出部に検出される圧力値は、回転要素によるトルクの作用する方向に応じて大小関係が決まる。また、検出される圧力値の差と、ドグ歯の数などに基づいて、固定要素に作用するトルクを算出することができる。
上記のトルク算出装置の一態様では、前記回転要素はエンジンの回転に伴って回転し、前記ドグクラッチ機構は、前記固定要素に作用するトルクと、前記エンジンのトルクとの比が一定となる駆動装置に設けられており、前記トルク算出手段は、前記固定要素に作用するトルクに基づいて、前記エンジンのトルクを算出する。
この態様では、ドグクラッチ機構は、前記固定要素に作用するトルクと、前記エンジンのトルクとの比が一定となる駆動装置に設けられている。よって、固定要素に作用するトルクに基づいてエンジントルクを算出することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1に本発明を適用したハイブリッド装置の駆動装置の概略構成を示す。図1の例は、機械分配式2モータ型と称されるハイブリッド装置であり、エンジン1、第1のモータジェネレータMG1、第2のモータジェネレータMG2、動力分配機構20、を備える。動力源に相当するエンジン1と、回転数制御機構に相当する第1のモータジェネレータMG1とが動力分配機構20に連結されている。動力分配機構20の出力軸3には、駆動トルク又はブレーキ力のアシストを行うための副動力源である第2のモータジェネレータMG2が、MG2変速部6を介して連結されている。さらに、出力軸3は最終減速機8を介して左右の駆動輪9に連結されている。第1のモータジェネレータMG1と第2のモータジェネレータMG2とは、バッテリー、インバータ、又は適宜のコントローラ(図示せず)を介して、もしくは直接的に電気的に接続され、第1のモータジェネレータMG1で生じた電力で第2のモータジェネレータMG2を駆動するように構成されている。
エンジン1は燃料を燃焼して動力を発生する熱機関であり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。第1のモータジェネレータMG1はエンジン1からトルクを受けて回転することにより主として発電を行うものであり、発電に伴う反力トルクが作用する。第1のモータジェネレータMG1の回転数を制御することにより、エンジン1の回転数が連続的に変化する。このような変速モードを無段変速モードという。無段変速モードは、後述する動力分配機構20の差動作用により実現される。
第2のモータジェネレータMG2は、駆動トルク又はブレーキ力を補助(アシスト)する装置である。駆動トルクをアシストする場合、第2のモータジェネレータMG2は電力の供給を受けて電動機として機能する。一方、ブレーキ力をアシストする場合には、第2のモータジェネレータMG2は、駆動輪9から伝達されるトルクにより回転させられて電力を発生する発電機として機能する。
図2は、図1に示す第1及び第2のモータジェネレータMG1及びMG2、並びに動力分配機構20の構成を示す。
動力分配機構20は、エンジン1の出力トルクを第1のモータジェネレータMG1と出力軸3とに分配する機構であり、差動作用を生じるように構成されている。具体的には複数組の差動機構を備え、互いに差動作用を生じる4つの回転要素のうち、第1の回転要素にエンジン1が連結され、第2の回転要素に第1のモータジェネレータMG1が連結され、第3の回転要素に出力軸3が連結され、第4の回転要素にドグクラッチ5が接続される。ドグクラッチ5を解放した状態では、第1のモータジェネレータMG1の回転数を連続的に変化させることによりエンジン1の回転数が連続的に変化し、無段変速モードが実現される。一方、ドグクラッチ5を係合して第4の回転要素を固定すると、動力分配機構20により決定される変速比がオーバードライブ状態(即ち、エンジン回転数が出力回転数より小さくなる状態)に固定され、固定変速比モードが実現される。
本実施形態では、図2に示すように、動力分配機構20は、2つの遊星歯車機構を組み合わせて構成される。第1の遊星歯車機構はリングギヤ21、キャリア22、サンギヤ23を備え、第2の遊星歯車機構はリングギヤ25、キャリア26、サンギヤ27を備える。
エンジン1の出力軸2は第1の遊星歯車機構のキャリア22に連結され、そのキャリア22は第2の遊星歯車機構のリングギヤ25に連結されている。これらが第1の回転要素を構成する。第1のモータジェネレータMG1のロータ11は第1の遊星歯車機構のサンギヤ23に連結され、これらが第2の回転要素を構成している。
第1の遊星歯車機構のリングギヤ21と第2の遊星歯車機構のキャリア26は相互に連結されているとともに出力軸3に連結されている。これらが第3の回転要素を構成している。また、第2の遊星歯車機構のサンギヤ27は第4の回転要素に対応し、ドグクラッチ5を介してブレーキ部7に連結している。
図3に、動力分配機構20の固定変速比モードにおける共線図を示す。固定変速比モードでは、ドグクラッチ5を係合することによりブレーキ部7が固定される。図3において、エンジントルクを「Te」、ブレーキ部7にかかるトルクであるブレーキ部トルクを「Tbk」、動力配分機構20の構成により決まるギア比を「ρ」とすると、エンジントルクTeは以下の式で与えられる。
Te = −(1+ρ)×Tbk (1)
よって、固定変速比モードでは、ブレーキ部トルクTbkを検出すれば、式(1)によりエンジントルクを算出することができる。
よって、固定変速比モードでは、ブレーキ部トルクTbkを検出すれば、式(1)によりエンジントルクを算出することができる。
図4(a)にドグクラッチ5の構成例を模式的に示す。この例では、ドグクラッチ5は固定部53aと、回転部53bとを備えて構成される。回転部53bは図2に示す第2の遊星歯車機構のサンギヤ27に連結されており、第4の回転要素であるサンギヤ27の回転に従って回転する。固定部53aはブレーキ部7に固定されている、図中の矢印122のように、回転部53bは軸方向に移動(ストローク)可能に構成されており、回転部53bを図示しないアクチュエータなどを用いて矢印122方向に移動させることにより、回転部53bを固定部53aに係合し、クラッチをオン状態とする。また、アクチュエータを矢印122と逆方向に移動させることにより、回転部53bと固定部53aの係合を解放し、クラッチをオフ状態とする。
固定部53a及び回転部53bは、それぞれ複数のドグ歯55を備えている。固定部53aの複数のドグ歯55のうちの1つには、一対の圧力検出素子55a、55bが設けられている。
図4(b)は、圧力検出素子が設けられたドグ歯55の斜視図である。図示のように、固定部53aの1つのドグ歯55には、回転部53bのドグ歯と当接する位置に圧力検出素子(圧力センサ)55a、55bが設けられている。なお、図4(b)において、圧力検出素子55a、55bはともにドグ歯55の外面に設けられている。よって、回転部53bと固定部53aとが係合し、複数のドグ歯55が相互に噛み合った場合、各圧力検出素子55a、55bは、それらが当接する回転部53b側のドグ歯から圧力を受ける。よって、圧力検出素子55a、55bが検出する圧力に基づいて、ブレーキ部トルクを検出することができる。
いま、固定部53a及び回転部53bの半径をr[m]とし、固定部53aに設けられたドグ歯55の数をn[個]とし、圧力検出素子55a及び55bの面積をS[cm2]とし、各圧力検出素子55a、55bが出力する圧力値をPa[N/cm2]、Pb[N/cm2]とする。Pa>Pbのときブレーキ部トルクTbkが正の値であるとすると、ブレーキ部トルクTbk[Nm]は以下の式により得られる。
Tbk=(Pa−Pb)×S×n×r (2)
このように、本実施形態では、ドグクラッチ5のドグ歯55に一対の圧力検出素子を設け、それらが検出する圧力値に基づいてブレーキ部トルクTbkを算出することができる。また、ブレーキ部トルクTbkが得られると、前述の式(1)により、エンジントルクを算出することができる。こうして、固定変速比モードにおいても、ブレーキ部トルク及びエンジントルクを精度良く検出(推定)することが可能となる。
このように、本実施形態では、ドグクラッチ5のドグ歯55に一対の圧力検出素子を設け、それらが検出する圧力値に基づいてブレーキ部トルクTbkを算出することができる。また、ブレーキ部トルクTbkが得られると、前述の式(1)により、エンジントルクを算出することができる。こうして、固定変速比モードにおいても、ブレーキ部トルク及びエンジントルクを精度良く検出(推定)することが可能となる。
このように、エンジントルクを精度良く検出(推定)することができるので、以下の利点が得られる。
第1に、走行状態に応じて一時的にバッテリ出力を増加させる処理を精度良く行うことができるので、走行性能を確保することができる。この処理は、具体的には、アクセル開度が大であり、かつ、ドライバーの要求パワーが現在出力可能なパワー、即ち、「エンジン要求パワー+定常出力パワー」より大きいとき、バッテリ出力一時アップ要求が発生したと判断するものであり、エンジン要求パワーの算出にエンジントルクが使用される。
第2に、モータ要求トルクの算出処理を、精度を落とさずに行うことができるため、走行性能を確保することができる。これは、モータ要求トルクは「出力軸要求トルク−エンジン直行トルク」により計算され、エンジン直行トルクは推定エンジントルクにより算出されるからである。また、モータ要求トルクが高精度で算出できると、モータ要求トルクを調整することにより実行されるバッテリ充放電制御も精度良く行えることになる。
第3に、エンジントルク低下判定による異常検出処理を精度良く行うことができる。異常検出処理では、推定エンジントルクが所定の判定値未満の状態が一定以上継続した場合、エンジン出力が異常であると判定する。よって、推定エンジントルクの精度により、異常検出処理の精度が確保される。
第4に、エンジン自律制御時のスロットル開度算出処理を精度良く行うことができる。エンジン自律制御実行中は、目標エンジン回転数と推定エンジントルクに基づいて電子制御スロットルの開度が算出される。よって、推定エンジントルクの精度により、スロットル開度算出処理の精度を確保することができる。
(ブレーキ部ロック異常判定処理)
次に、固定変速比モード時のブレーキ部ロック異常判定処理について説明する。ここで、ブレーキ部ロック異常判定処理とは、固定変速比モードの実行中において、上記の方法で検出されたブレーキ部トルクを利用して、ドグクラッチによるブレーキ部の係合が正常な状態であるか否かを判定する処理である。
次に、固定変速比モード時のブレーキ部ロック異常判定処理について説明する。ここで、ブレーキ部ロック異常判定処理とは、固定変速比モードの実行中において、上記の方法で検出されたブレーキ部トルクを利用して、ドグクラッチによるブレーキ部の係合が正常な状態であるか否かを判定する処理である。
固定変速比モードの正常状態においては、上述のようにドグクラッチ5が係合しており、第4の回転要素の回転をブレーキ部7により強制的に固定(ロック)している状態となる。このため、ブレーキ部には第4の回転要素の回転を阻止するようなトルクが作用しており、検出されるブレーキ部トルクTbkはゼロ以外の値となる。逆に、固定変速比モードが設定されているにも拘わらずブレーキ部トルクTbkがゼロであるということは、ドグクラッチ5の係合が外れている、即ちロック異常が発生していると推定することができる。以下、この処理について具体的に説明する。
図5は、固定変速比モード時のブレーキ部ロック異常判定処理のフローチャートである。この処理は主として図示しないECUにより実行される。まず、ECUは、変速機構が固定変速比モードに設定されているか否かを判定する(ステップS101)。固定変速比モードでない場合(ステップS101;No)、処理は終了する。
固定変速比モードである場合(ステップS101;Yes)、ECUはエンジン回転数を検出し、エンジンが回転中であるか否か、即ちエンジン回転数がゼロでないかを判定する(ステップS102)。エンジンが回転中でない場合(ステップS102;No)、処理は終了する。一方、エンジンが回転中である場合(ステップS102;Yes)、ECUは前述の方法でブレーキ部トルクTbkを検出し、ブレーキ部トルクTbkがゼロでないかどうかを判定する(ステップS103)。ブレーキ部トルクTbkがゼロでない場合、ドグクラッチ5が正常に係合し、第4の回転要素がブレーキ部7によりロックされていると考えられるので、ECUは、ロック状態は正常であると判定し(ステップS104)、処理を終了する。一方、ブレーキ部トルクTbkがゼロである場合(ステップS103;No)、ECUはドグクラッチ5が外れているロック異常状態であると判定し(ステップS105)、処理を終了する。
このように、圧力検出素子を利用してブレーキ部トルクを検出することにより、固定変速比モードにおいて、ブレーキ部のロック異常を検出することが可能となる。
(ブレーキ部解放制御)
次に、固定変速比モード解除時のブレーキ部解放制御について説明する。この制御は、固定変速モードを解除する際に、ドグクラッチ5の係合を解除し、ブレーキ部によるロックを解放するものである。固定変速比モードにおいては、上述のようにドグクラッチ5の回転部53bと固定部53aとが係合しており、固定変速比モードを解除するときにはドグクラッチ5を解放する必要がある。しかし、固定変速比モードでの通常の動作中は、ブレーキ部にトルクがかかっているため、そのままではドグクラッチ5を解放することができない。そこで、ECUは、圧力検出素子55a、55bからの出力に基づいて検出したブレーキ部トルクTbkを監視し、ブレーキ部トルクTbkがゼロとなるように制御した上で回転部53bを移動させ、ドグクラッチ5の係合を解放する。
次に、固定変速比モード解除時のブレーキ部解放制御について説明する。この制御は、固定変速モードを解除する際に、ドグクラッチ5の係合を解除し、ブレーキ部によるロックを解放するものである。固定変速比モードにおいては、上述のようにドグクラッチ5の回転部53bと固定部53aとが係合しており、固定変速比モードを解除するときにはドグクラッチ5を解放する必要がある。しかし、固定変速比モードでの通常の動作中は、ブレーキ部にトルクがかかっているため、そのままではドグクラッチ5を解放することができない。そこで、ECUは、圧力検出素子55a、55bからの出力に基づいて検出したブレーキ部トルクTbkを監視し、ブレーキ部トルクTbkがゼロとなるように制御した上で回転部53bを移動させ、ドグクラッチ5の係合を解放する。
図6は、ブレーキ部解放制御のフローチャートである。まず、ECUは、変速機構が固定変速比モードに設定されているか否かを判定する(ステップS201)。固定変速比モードでない場合(ステップS201;No)、処理は終了する。
固定変速比モードである場合(ステップS201;Yes)、ECUはブレーキ部の解放要求があるか否かを判定する(ステップS202)。これは、具体的には、ドライバーの要求トルク、車速、エンジン回転数などに基づいて、固定変速比モードを解除する条件が成立したか否かを判定することにより行われる。ブレーキ部解放要求がない場合(ステップS202;No)、処理は終了する。
ブレーキ部解放要求がある場合(ステップS202;Yes)、ECUは、上述の方法で検出したブレーキ部トルクTbkがゼロであるか否かを判定する(ステップS203)。ブレーキ部トルクTbkがゼロである場合、ドグクラッチ5のドグ歯には摩擦がないので、ECUはドグクラッチ5の係合を解除し、ブレーキ部を解放する(ステップS204)。具体的には、ECUは図示しないアクチュエータを作動させてドグクラッチ5の回転部53bを固定部53aから遠ざける方向に移動させ、係合を解除する。
一方、ブレーキ部トルクがゼロでない場合(ステップS203)、ECUは、ブレーキ部トルクが正(>0)であるか否かを判定する(ステップS205)。ブレーキ部トルクが正である場合、ECUは、ブレーキ部トルクを低下させてゼロとするように第1のモータジェネレータMG1のトルクを制御する(ステップS206)。なお、この際のモータジェネレータMG1のトルク制御量は、動力伝達機構20により決定されるギア比を考慮して算出される。逆にブレーキ部トルクが負である場合、ECUは、ブレーキ部トルクを増加させてゼロとするように第1のモータジェネレータMG1のトルクを制御する(ステップS207)。
こうして、ブレーキ部トルクがゼロとなるまで、処理が繰り返し実行され、ブレーキ部トルクがゼロになってときに、ステップS204においてブレーキ部が解放される。
このように、ブレーキ部トルクをゼロにしてからブレーキ部の解放を行うことにより、固定変速比モードの解除時において、第1のモータジェネレータMG1の負荷を最小限に抑えることができる、解除処理を最小限の時間で行うことができる。解除時のショックを低減できるなどの利点が得られ、それにより燃費性能、ドライバビリティ性能が向上する。
[変形例]
上記のドグクラッチでは、固定部53aの1つのドグ歯55に圧力検出素子55a、55bを設けているが、複数のドグ歯55に圧力検出素子を設け、それらの出力の平均値などを使用してブレーキ部トルクを算出することとしてもよい。
上記のドグクラッチでは、固定部53aの1つのドグ歯55に圧力検出素子55a、55bを設けているが、複数のドグ歯55に圧力検出素子を設け、それらの出力の平均値などを使用してブレーキ部トルクを算出することとしてもよい。
また、上記のドグクラッチでは、固定部53aのドグ歯55に圧力素子55a、55bを設けているが、その代わりに、回転部53bのドグ歯55に圧力素子を設けてもよい。
1 エンジン
3 出力軸
5 ドグクラッチ
7 ブレーキ部
20 動力分配機構
55 ドグ歯
55a、55b 圧力検出素子
3 出力軸
5 ドグクラッチ
7 ブレーキ部
20 動力分配機構
55 ドグ歯
55a、55b 圧力検出素子
Claims (2)
- 複数の回転側ドグ歯を有する回転要素と、複数の固定側ドグ歯を有する固定要素とを係合するドグクラッチ機構と、
複数の固定側ドグ歯又は固定側ドグ歯の少なくとも1つに設けられ、当該ドグ歯の係合相手となるドグ歯と接触する両端部に設けられた一対の圧力検出部と、
前記一対の圧力検出部から出力される圧力の差に基づいて、前記固定要素に作用するトルクを算出するトルク算出手段と、を備えることを特徴とするドグクラッチ機構のトルク算出装置。 - 前記回転要素はエンジンの回転に伴って回転し、
前記ドグクラッチ機構は、前記固定要素に作用するトルクと、前記エンジンのトルクとの比が一定となる駆動装置に設けられており、
前記トルク算出手段は、前記固定要素に作用するトルクに基づいて、前記エンジンのトルクを算出することを特徴とする請求項1に記載のトルク算出装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010208585A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Toyota Motor Corp | ハイブリッド車両の制御装置 |
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2007
- 2007-11-28 JP JP2007307027A patent/JP2009127838A/ja active Pending
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