JP2009127735A - デファレンシャル装置の冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】後突時における燃料タンクの損傷リスクを抑制しつつ、デファレンシャル装置の冷却性を高めることができるデファレンシャル装置の冷却構造を提供する。
【解決手段】車両に搭載されて該車両の左右後輪の差動を行うとともに、外表面に冷却フィン40が設けられたデファレンシャル装置20の冷却構造であって、デファレンシャル装置20の車両前方側に設けられた燃料タンク8と、燃料タンク8の車両後方側に設けられて車幅方向に延びる第1車体フレーム部材3と、第1車体フレーム部材3の車両後方側に設けられて車幅方向に延びる第2車体フレーム部材4と、第1車体フレーム部材3と第2車体フレーム部材4との間に、車両後方側に向かうにつれて車幅中心に近づくように斜めに架設され、後突に対し脆弱性を有する補強部材5と、補強部材5に取付けられて走行風Wを冷却フィン40に向けて導く導風ガイド部材10とを備えるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は自動車等に搭載されるデファレンシャル装置の冷却構造に関し、特に後突時における燃料タンクの破損防止との両立を図ったものに関する。
自動車等において、エンジン及び変速機からの出力を左右の駆動輪に、その回転数差に応じて振り分ける装置、すなわち差動を行う装置として、デファレンシャル装置(差動装置とも呼ばれる)が知られている。
一般的にデファレンシャル装置内には最終減速を行うためのドライブピニオンギヤ及びデフリングギヤと、差動を行うためのピニオンギヤやサイドギヤを含む差動機構が設けられている。これらのギヤは噛合によって発熱するため、冷却する必要がある。
特許文献1には、車両搭載状態において車両後側に開口部を有するデフキャリヤと、そのデフキャリヤの開口部を閉塞するキャリヤカバーとを備えたデファレンシャル装置が開示されている。
また特許文献2には、上記キャリヤカバーの後面に冷却フィンを設けたデファレンシャル装置が開示されている。
特開2003−56678号公報 実開昭59−122461号公報
しかしながら、従来の冷却フィンでは冷却性が充分に確保できない場合が生じてきた。例えば駆動輪の駆動トルク向上のために終減速比(ファイナルギヤ比)を増大させたような場合、最終減速ギヤにおける伝達トルクが増大して発熱量が増大する。そのためデファレンシャル装置により高い冷却性が求められるのである。
一方、燃料タンクが車両の比較的後部に配置される場合、車両の後突(後方からの衝突)に備えて、燃料タンク付近の構造を、後突時に燃料タンクに損傷を与え難いようにしておく必要がある。従って、燃料タンクがデファレンシャル装置よりも車両前方に配置されている場合、デファレンシャル装置の冷却性を向上する手段が、後突時に燃料タンクに損傷を与えないように配慮しなければならない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、後突時における燃料タンクの損傷リスクを抑制しつつ、デファレンシャル装置の冷却性を高めることができるデファレンシャル装置の冷却構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、車両に搭載されて該車両の左右後輪の差動を行うとともに、外表面に冷却フィンが設けられたデファレンシャル装置の冷却構造であって、上記デファレンシャル装置の車両前方側に設けられた燃料タンクと、上記燃料タンクの車両後方側に設けられて車幅方向に延びる第1車体フレーム部材と、上記第1車体フレーム部材の車両後方側に設けられて車幅方向に延びる第2車体フレーム部材と、上記第1車体フレーム部材と上記第2車体フレーム部材との間に、車両後方側に向かうにつれて車幅中心に近づくように斜めに架設され、後突に対し脆弱性を有する補強部材と、上記補強部材に取付けられて走行風を上記冷却フィンに向けて導く導風ガイド部材とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のデファレンシャル装置の冷却構造において、上記導風ガイド部材が樹脂製であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1記載のデファレンシャル装置の冷却構造において、上記導風ガイド部材が弾性材製であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のデファレンシャル装置の冷却構造において、上記デファレンシャル装置に対し車幅方向一方側に偏在する排気管が設けられ、上記冷却フィンは上記排気管の車幅方向反対側に設けられていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載のデファレンシャル装置の冷却構造において、上記デファレンシャル装置は、車両後側に開口部を有するデフキャリヤと、上記デフキャリヤの上記開口部を閉塞するキャリヤカバーとを備え、上記冷却フィンが、上記キャリヤカバーから上記導風ガイド部材側へ延設されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載のデファレンシャル装置の冷却構造において、上記デファレンシャル装置の車両前方側に、該デファレンシャル装置に動力を伝達するプロペラシャフトが設けられ、上記燃料タンクの下面には上方に湾曲するとともに車両前後方向に延び、かつ車両後方に向かうにつれて拡幅された凹部が形成され、該燃料タンクは上記凹部に上記プロペラシャフトを納めるように該プロペラシャフトの上方に配置され、上記導風ガイド部材は、上記凹部を通過して車両外側向きとなった走行風を車両内側向きに方向転換させるように形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、以下説明するように、後突時における燃料タンクの破損リスクを抑制しつつ、デファレンシャル装置の冷却性を高めることができる。
本発明の構造によれば、第1車体フレーム部材及び第2車体フレーム部材に加え、さらに補強部材によっても車体剛性を高めることができる。
補強部材は、第1車体フレーム部材と第2車体フレーム部材との間に懸架される、つまり燃料タンクよりも後側に設けられる。ここで後突時を想定すると、後突によって第2車体フレーム部材が前方に押されたとき、それとともに補強部材も前方に押し出されることとなる。補強部材は斜め前方に延びる部材であるから、仮にこれが後突に対して充分な強度を有していると、後突時に前方に押し出されて(変形することなく)燃料タンクに当たり、燃料タンクを破損させる虞がある。しかしながら実際には補強部材は後突に対して脆弱性を有しているから、後突時に前方に押し出されると変形し、燃料タンクへの衝突が回避される。
一方本発明によれば、走行風をデファレンシャル装置の冷却フィンに向けて導く導風ガイド部材が設けられているので、冷却フィンが受ける走行風量が増え、デファレンシャル装置の冷却性が向上する。
ところでこの導風ガイド部材は、補強部材に取付けられている。つまり導風ガイド部材を取付けるための専用ブラケットを必要としない。仮に専用ブラケットを新たに設け、それに導風ガイド部材を取付けるような構造とした場合、その専用ブラケットが後突時に燃料タンクを損傷する虞がある、或いは燃料タンクを損傷しないように何らかの対策が必要である。しかし本発明によれば専用ブラケットを必要としないので、上記虞や対策が不要になるという利点がある。つまり簡単な構造でありながら、燃料タンクの破損リスクを抑制しつつ導風ガイド部材を設けることができる。
請求項2または3の発明によれば、導風ガイド部材を比較的剛性の低い樹脂製または弾性材製とすることにより、後突時に導風ガイド部材自体が燃料タンクに当たっても、燃料タンクを損傷しないようにすることができる。
さらに導風ガイド部材を弾性の高い弾性材製とした場合(請求項3)には、車両が氷雪路を走行時に導風ガイド部材が氷雪に当たっても適度に撓むことによって破損が回避される。また氷雪が堆積した場合にも、堆積した氷雪の自重で撓み、これを脱落させることができるので、氷雪の堆積による導風ガイド部材の破損も回避することができる。
請求項4の発明によれば、高温となる排気管の反対側に冷却フィンが設けられている。従って冷却フィンは比較的低温の走行風を受けることができ、より冷却性を高めることができる。
請求項5の発明によれば、導風ガイド部材によって導かれた走行風を冷却フィンが受け易くなり、冷却性を一層向上させることができる。
請求項6の発明によれば、燃料タンクの凹部を通過して車両外側向きとなった走行風、つまりデファレンシャル装置から離れる方向に流れる走行風を、導風ガイド部材によって車両内側向きに方向転換させ、デファレンシャル装置に向かうように導くことができる。その結果、冷却フィンが受ける走行風量を増量することができ、冷却効率を高めることができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るデファレンシャル装置20(以下デフユニット20と略称する)の車両搭載状態を下から見た底面図である。図示の状態で図の上下方向が車幅方向、図の左側か車両前方を示す。なお図中「Front」は、その矢印の示す方向が車両前方側であることを示す(以下の図においても同様)。図2はデフユニット20近傍の側面図、図3は同正面図、図4は図3の拡大図である。また図5はデフユニット20を後方から見た正面図(背面図)である。なお各図において、特に説明を要しない既存部品については図示及びその説明を省略する。
図1に示すように、デフユニット20が搭載される車両の後部強度部材として、車両の左右両側で前後方向に延びるサイドメンバ1と、サイドメンバ1に続いて後方に延びるリヤサイドフレーム2とが設けられている。そして各リヤサイドフレーム2同士を繋ぐように車幅方向に延びる第1クロスメンバ3(第1車体フレーム部材)と、その後方に、同じく各リヤサイドフレーム2同士を繋ぐように車幅方向に延びる第2クロスメンバ4(第2車体フレーム部材)とが設けられている。
また左右一対の補強部材5が、第1クロスメンバ3と第2クロスメンバ4との間に、車両後方側に向かうにつれて車幅中心に近づくように斜めに架設されている。より詳細には、リヤサイドフレーム2、第1クロスメンバ3及び第2クロスメンバ4には後輪用のマルチリンク機構12(の各リンクの一端)が接続されており、補強部材5の両端はそのリンク端部と共に第1クロスメンバ3及び第2クロスメンバ4に接続されている。
補強部材5は曲げや引張りに対して剛性を有し、強度部材として機能する一方、適宜穴または切欠が設けられることによって座屈に対しては比較的低強度となっている。
デフユニット20は、平面視でその大部分が上記第1クロスメンバ3、第2クロスメンバ4及び両補強部材5に囲まれた領域に納まるように配置されている。またデフユニット20は左右一対のブラケット6によって第2クロスメンバ4に吊持されている。
第1クロスメンバ3の直前方には燃料タンク8が設けられている。燃料タンク8は、車両前後方向に延びてデフユニット20に動力を伝達するプロペラシャフト15の後部上方に、これを跨ぐように配置されている。すなわち燃料タンク8の底面には上方に湾曲するとともに車両前後方向に延び、かつ車両後方に向かうにつれて拡幅された凹部8aが形成され、燃料タンク8はその凹部8aにプロペラシャフト15を納めるように配置されている。
また燃料タンク8の凹部8aには、排気管17(図1に二点鎖線で示す)が通されている。排気管17は車両前方の図略のエンジンから排出された排気を車両後部の図略の排気口まで導く管である。排気管17の経路中には適宜図略の触媒ユニットやサイレンサ等が設置されている。排気管17は車両後部において車幅方向一方側(右側:図1は下から見た図なので左に見えている)に偏在するように敷設されている。詳しくは、排気管17はプロペラシャフト15付近でそのやや右側に沿うように敷設され、デフユニット20付近では大きく右側に迂回するように敷設されている。
図2に示すように、デフユニット20の前端にはジョイント16を介してプロペラシャフト15が接続されている。プロペラシャフト15のさらに前方には、これを駆動する図略のエンジン及び変速機が接続されている。
デフユニット20の外殻は、主にデフキャリヤ21とキャリヤカバー30とからなる。デフキャリヤ21は後方に開口し、その開口部を閉塞するようにキャリヤカバー30が設けられている。キャリヤカバー30は一部が後方に膨出した蓋状体であり(図7参照)、図5に示すように8本のボルト34によってデフキャリヤ21に固設されている。
図4に示すように、デフキャリヤ21は正面視で矩形の下両角に面取りを施したような略6角形状を呈している。デフキャリヤ21とキャリヤカバー30との合わせ面25(図2参照)も同様の6角形状を呈すが、合わせ面25の最低高さ部23に対し、デフキャリヤ21には若干の下方突出部(車両前後方向に延びるリブ状のジャッキ受け部22など)があることが異なっている。
合わせ面25は、最低高さ部23と、その左端(図4に示す状態では向かって右端)から車幅方向に対して外側斜め上方に延びる斜め部分24とを有している。そしてキャリヤカバー30の、最低高さ部23より上方かつ斜め部分24の外側に冷却フィン40が設けられている。
図4に示すように、冷却フィン40は車両正面視でデフキャリヤ21から突出している。また図3に示すように、車載状態において前方に位置する部品が比較的少ない位置(走行風Wの当たり易い位置)に設けられている。
冷却フィン40は、斜め部分24に対して略垂直に延びるように列設された5枚の板状体41(個別には上から順に41a,41b,41c,41d,41e)と、各板状体41の先端部同士を繋ぐ連絡部42とを備える。従って冷却フィン40は、デフキャリヤ21、連絡部42および板状体41a,41eによってデフキャリヤ21から派生する枠状体が形成され、その枠内に板状体41b,41c,41dが列設されたような構成となっている。このようにすることにより、例えば単に板状体41を列設したような構成(連絡部42のないもの)に比べて強度を高めることができる。またその強度向上効果を利用して比較的長い板状体41を設けることができ、冷却効率を高めることができる。
一方、図5に示すように、キャリヤカバー30には、その後面から後方に突出し、上下に延びる多数の第2冷却フィン32が列設されている。冷却フィン40の板状体41d,41e)は、その基端部においてそれぞれ各1枚の第2冷却フィン32と連続するように構成されている。
図6は図4のVI−VI線断面図である。冷却フィン40の各板状体41は、基本的に車両前後方向に略平行な板面を有し、走行風Wの流れ方向を大きく変えることはない。しかし板状体41dと板状体41eとの間の先端部に、車両前後方向に交差する方向の板面を有し、走行風Wの流れ方向を変える導風部43(導風手段)が設けられている。図6に示すように、導風部43は走行風Wを斜め後方に導いて導入風W2となす。さらにその導入風W2は、図5に示すように板状体41dと板状体41eとに導かれて車幅方向内側上方に流れ、第2冷却フィン32に導かれる。つまり導風部43は、板状体41d,41eと協働して走行風Wを一部の第2冷却フィン32に導く作用を有する。
ここで、キャリヤカバー30の材質及び製造方法について言及する。キャリヤカバー30は金属(例えばアルミニウム)のダイキャスト製であり、冷却フィン40及び第2冷却フィン32を含めて全体が一体成形されている。このように冷却フィン40がキャリヤカバー30と一体成形されるので、例えば別体の冷却フィンをキャリヤカバー30に取付けるような場合に比べ、生産性が高い。
また図5に示すように、キャリヤカバー30のダイキャスト用の湯口35は車載状態の下端部に設けられている。詳しくは湯口35は、合わせ面25の最低高さ部23に相当する位置に設けられた湯口35aと、冷却フィン40の最低高さ位置に設けられた湯口35bとからなる。冷却フィン40はキャリヤカバー30の中心から比較的離れた場所に設けられ、複数の薄い板状体41を備えているので、仮に湯口35が湯口35aのみからなるとすると、鋳巣ができ易くなる虞がある。そこで本実施形態では、冷却フィン40の設けられた部分にも湯口35bを設けることにより、冷却フィン40への湯回りを向上させ、鋳巣の発生を抑制して生産性を向上させている。
なお湯口35b付近に導風部43が設けられていることも、冷却フィン40への湯回り向上に有利となっている。
図7は図2のVII−VII線断面図である。本実施形態のデフユニット20の内部構造は周知のものであるが、以下図7を参照して簡潔に説明する。デフユニット20の先端部には入力軸51が設けられている。入力軸51の先端側はフランジ51aによってプロペラシャフト15と接続されている。そして入力軸51の後端側はドライブピニオン軸52の先端部とスプライン嵌合されている。
ドライブピニオン軸52は、軸受53,54によってデフキャリヤ21に回転自在に支持されており、スプライン嵌合された入力軸51と一体回転するように構成されている。ドライブピニオン軸52の後端部にはドライブピニオンギヤ52aが形成されている。
ドライブピニオンギヤ52aには、デフリング60に形成されたデフリングギヤ60aが噛合する。デフリングギヤ60aは一種の曲がり傘歯歯車であって、その軸線はドライブピニオンギヤ52aの軸線に平面視で直交するとともに側面視で高位に位置する(図2参照)。ドライブピニオンギヤ52aとデフリングギヤ60aとの歯数比が終減速比(ファイナルギヤ比)となる。
デフリング60はボルト61によってデフケース63に固定されている。デフケース63は左右一対の軸受69によってデフキャリヤ21に、車幅方向を軸線とする回転自在に支持されている。デフケース63は差動機構64を収納する。
差動機構64は、主にピニオン軸65、一対のピニオンギヤ66及び一対のサイドギヤ67からなる。ピニオン軸65は、その軸線が車幅方向と垂直になるように、両端がデフケース63に固定されている。一対のピニオンギヤ66は、ピニオン軸65の両端付近に、ピニオン軸65回りに回転自在に対向配置されている。一対のサイドギヤ67は、一対のピニオンギヤ66の間に、これらと噛合しつつ、ピニオン軸65を挟んで対向配置されている。サイドギヤ67はデフケース63に対して回転自在とされている。一対のサイドギヤ67には、左右一対のドライブシャフト70がスプライン嵌合されている。ドライブシャフト70はドライブシャフト取付穴68からデフユニット20の外部に導出され、図外の駆動輪(後輪)に接続されている。
以上のような構造のため、デフリングギヤ60aはデフキャリヤ21に対して車幅方向一方側(本実施形態では左側)に偏在している。そしてそれと同じ左側(デフリングギヤ60a側)のキャリヤカバー30に冷却フィン40が設けられている。
なおデフユニット20内には、潤滑及び冷却のために図略の作動油が規定量封入されている。
次に導風ガイド部材10について説明する。図8は、導風ガイド部材10及びその周囲の平面図である。また図9は、導風ガイド部材10及び補強部材5を前方から見た斜視図である。図8及び図9に示すように、導風ガイド部材10は折曲げ板状体であって、補強部材5への取付部10aと走行風Wの流れ方向を変える導風部10bとを有する。
取付部10aは平板状であって、補強部材5の水平面(上面)に図略のボルト等で直接固定されている。
導風部10bは取付部10aに対して下方に折曲げられた部分である。導風部10bの前部は補強部材5の前内側の側面に沿い、車両後方側に向かうにつれて車幅中心に近づくように平面視で斜めに配置されている。導風部10bの後部は補強部材5の前内側の側面よりもさらに車幅方向内側に近づくように湾曲している。図8に示すように、平面視で導風部10bの後端部の延長線10c上、乃至はそれよりやや後方に冷却フィン40が位置するように配置されている。
導風ガイド部材10の材質は、樹脂または弾性材が望ましい。弾性材としては、ゴムを含むエラストマーが好適である。本実施形態の導風ガイド部材10はオレフィン系のサーモプラスチックエラストマー(熱可塑性樹脂ゴム弾性体)製である。
次にデフユニット20の動作と冷却フィン40の作用・効果について説明する。
プロペラシャフト15に伝達されたエンジン駆動力はジョイント16を介してデフユニット20の入力軸51に入力される。その駆動力はさらにドライブピニオン軸52、ドライブピニオンギヤ52aからデフリングギヤ60aに伝達される。その際、回転数がファイナルギヤ比で減速され、トルクが増大される。また回転軸線が車両前後方向から車幅方向に変換される。
デフリングギヤ60aに伝達された駆動力は、デフリング60を経由してデフケース63に伝達される。車両が直進している場合、ピニオンギヤ66とサイドギヤ67との間に相対回転はなく、差動機構64はデフケース63と一体となって回転する。従って左右のドライブシャフト70は、デフケース63と同一回転数で駆動され、トルクは均等に配分される。一方、車両が旋回中の場合、一対のピニオンギヤ66は全体としてピニオン軸65と共にデフケース63と一体回転するが、同時にピニオン軸65まわりに互いに逆方向に回転する。それによって一方(外輪側)のサイドギヤ67はデフケース63に対して増速され、他方(内輪側)のサイドギヤ67はデフケース63に対して減速される(平均するとデフケース63の回転数になる)。またトルクは高速側(外輪側)の方により多く配分される。このような適正な差動動作により、外輪側のドライブシャフト70が内輪側のドライブシャフト70よりも高速、高トルクで駆動され、円滑な旋回が行われる。
ところでデフユニット20の上述の動作において、各ギヤのトルク伝達動作による発熱が起こる。その発熱による温度上昇は作動油の冷却作用(熱交換)によって抑制される。そして作動油の冷却はデフキャリヤ21及びキャリヤカバー30からの放熱によってなされる。特にキャリヤカバー30に設けられた冷却フィン40及び第2冷却フィン32によれば、これらによってキャリヤカバー30の表面積が格段に増大するため、放熱(走行風Wとの熱交換)による大きな冷却効果を得ることができる。
一般的に冷却フィンによる冷却効果は、走行風Wを多く受けるほど高くなる。この点、冷却フィン40は、車両正面視でデフキャリヤ21から突出するように設けられているので、直接多くの走行風Wを受けることができる。また冷却フィン40は、デフキャリヤ21に対して比較的低い位置に設けられているので、走行風Wを遮る部品が少なく、より多くの走行風Wを受け易くなっている。これらの要因によって冷却フィン40の冷却効率が高められている。
またデフユニット20の内部において、ドライブピニオンギヤ52aからデフリングギヤ60aへのトルク伝達時の発熱量が多いため、デフリングギヤ60a付近、すなわちデフユニット20の左側の温度が高くなりがちである。特に比較的高いファイナルギヤ比を設定した場合にはその傾向が強くなる。これに対して冷却効率の高い冷却フィン40がデフユニット20の左側に設けられているので、高温になりがちな部分を積極的に冷却することとなり、冷却効率を一層高めることができる。
さらに冷却フィン40は、高温となる排気管17の車幅方向反対側に設けられている。従って冷却フィン40は比較的低温の走行風Wを受けることができ、より冷却性を高めることができる。
一方、キャリヤカバー30の後面に設けられた第2冷却フィン32は、全体として冷却フィン40よりも格段に広い表面積を有しており、一定の冷却効果を得ることができる。しかし第2冷却フィン32は基本的に走行風Wを直接受けることがなく、後面に巻き込んできた走行風Wとの熱交換を行うことになるので、冷却効率は冷却フィン40に及ばない。このような第2冷却フィン32に対して冷却フィン40は、冷却フィン40が受けた走行風Wの一部を導風部43によって導入風W2となし、第2冷却フィン32に導く。これによって第2冷却フィン32の冷却効率を高めることができる。
このように冷却性の向上に多大な貢献をする冷却フィン40であるが、この冷却フィン40は、最低高さ部23より上方かつ斜め部分24の外側という、デッドスペースとなり易いスペースを利用して設けられている。こうすることにより、正面視でのデフキャリヤ21からの実質的な突出量を可及的に最小限に留めることができる。特に冷却フィン40が最低高さ部23より上方に設けられるため、デフユニット20からの下方突出が抑制される。従って冷却フィン40は搬送性や最低地上高に悪影響を及ぼすことなく設けられている。つまり冷却フィン40は、デフユニット20からの下方突出を抑制したコンパクトな構造でありながら、その冷却性を高めることができる。
次に補強部材5及び導風ガイド部材10の作用・効果について説明する。本実施形態の車両は、上述のように第1クロスメンバ3及び第2クロスメンバ4に加え、さらに補強部材5によっても車体剛性が高められている。
ここで後突(後方からの衝突)に着目すると、補強部材5は第1クロスメンバ3と第2クロスメンバ4との間に懸架されているので、後突時に第2クロスメンバ4が前方に押されたとき、それとともに補強部材5も前方に押し出されることとなる。補強部材5は斜め前方に延びる部材であるから、仮にこれが後突に対して充分な強度を有していると、変形することなく前方に押し出されて燃料タンク8に当たり、これを破損させる虞がある。しかしながら本実施形態の補強部材5は、上述のように座屈に対して比較的低強度となっているので、後突に対して脆弱性を有する。このため、後突時に前方に押し出されると比較的容易に変形(座屈)し、燃料タンク8への衝突が回避される。
一方、補強部材5に取付けられた導風ガイド部材10は、以下に述べるように、デフユニット20の冷却性、特に冷却フィン40を備えたデフユニット20の冷却性を一層促進することができる。
図8、図9に示すように、デフキャリヤ21付近では、燃料タンク8の凹部8aを通過して来る走行風Wが主流となっている。凹部8aが後広がりであるため、凹部8aを通過して来る走行風Wはそのままでは車幅方向外側、つまりデフユニット20から離れる方向に流れる。しかし本実施形態では、その流れが導風ガイド部材10によって車両内側向きに方向転換され、デフユニット20に向かうように導かれる。特に図8に示すように、導風部10bの後端部の延長線10c上、乃至はそれよりやや後方に冷却フィン40が配置されているので、走行風Wは冷却フィン40乃至はその直前部に導かれ易い。その結果、デフユニット20、特に冷却フィン40が受ける走行風Wが増量し、冷却効率が高められる。
ところでこの導風ガイド部材10は、専用ブラケット等を介することなく補強部材5に直接取付けられている。仮に専用ブラケットを新たに設け、それに導風ガイド部材10を取付けるような構造とした場合、その専用ブラケットが後突時に燃料タンク8を損傷する虞がある、或いは燃料タンク8を損傷しないように何らかの対策が必要である。しかし本実施形態によれば専用ブラケットを必要としないので、上記虞や対策が不要になるという利点がある。
このように補強部材5に導風ガイド部材10を取付けた本実施形態のデフユニット20の冷却構造によれば、簡単な構造でありながら、後突時における燃料タンク8の破損リスクを抑制しつつデフユニット20の冷却性を高めることができる。
また導風ガイド部材10が、比較的剛性の低いサーモプラスチックエラストマー製なので、後突時に導風ガイド部材10自体が燃料タンク8に当たっても、これを損傷しないようにすることができる。
さらに導風ガイド部材10は高弾性を有するので、車両が氷雪路を走行した場合、導風ガイド部材10が路面の氷雪に当たっても適度に撓むことによって破損が回避される。また導風ガイド部材10に氷雪が堆積した場合にも、堆積した氷雪の自重で撓み、これを脱落させることができるので、氷雪の堆積による導風ガイド部材10の破損を回避することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲内で適宜変更が可能である。
例えば導風ガイド部材10の材質は、例えば(硬質の)樹脂であっても良い。この場合でも、例えば金属製である場合に比べて後突時に燃料タンク8を損傷させるリスクを低減することができる。但し、氷雪路における導風ガイド部材10の破損を回避し易いという点で上記実施形態の材質の方が好ましい。
冷却フィン40は、導風ガイド部材10からの走行風Wを受けるように配置されていれば良く、板状体41の数や形状について、必ずしも上記実施形態に限定するものではない。また、導風部43や第2冷却フィン32は設けた方が冷却性には有利であるが、必ずしも設ける必要はない。
本発明の一実施形態に係るデファレンシャル装置の冷却構造を示す車両底面図である。 上記デファレンシャル装置近傍の側面図である。 上記デファレンシャル装置近傍の正面図である。 図3の拡大図である。 上記デファレンシャル装置の背面図である。 図4のVI−VI線断面図である。 図2のVII−VII線断面図である。 導風ガイド部材及びその周囲の平面図である。 導風ガイド部材及び補強部材を前方から見た斜視図である。
符号の説明
3 第1クロスメンバ(第1車体フレーム部材)
4 第2クロスメンバ(第2車体フレーム部材)
5 補強部材
8 燃料タンク
8a 凹部
10 導風ガイド部材
15 プロペラシャフト
17 排気管
20 デフユニット(デファレンシャル装置)
21 デフキャリヤ
30 キャリヤカバー
40 冷却フィン
W 走行風

Claims (6)

  1. 車両に搭載されて該車両の左右後輪の差動を行うとともに、外表面に冷却フィンが設けられたデファレンシャル装置の冷却構造であって、
    上記デファレンシャル装置の車両前方側に設けられた燃料タンクと、
    上記燃料タンクの車両後方側に設けられて車幅方向に延びる第1車体フレーム部材と、
    上記第1車体フレーム部材の車両後方側に設けられて車幅方向に延びる第2車体フレーム部材と、
    上記第1車体フレーム部材と上記第2車体フレーム部材との間に、車両後方側に向かうにつれて車幅中心に近づくように斜めに架設され、後突に対し脆弱性を有する補強部材と、
    上記補強部材に取付けられて走行風を上記冷却フィンに向けて導く導風ガイド部材とを備えることを特徴とするデファレンシャル装置の冷却構造。
  2. 上記導風ガイド部材が樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のデファレンシャル装置の冷却構造。
  3. 上記導風ガイド部材が弾性材製であることを特徴とする請求項1記載のデファレンシャル装置の冷却構造。
  4. 上記デファレンシャル装置に対し車幅方向一方側に偏在する排気管が設けられ、
    上記冷却フィンは上記排気管の車幅方向反対側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のデファレンシャル装置の冷却構造。
  5. 上記デファレンシャル装置は、車両後側に開口部を有するデフキャリヤと、上記デフキャリヤの上記開口部を閉塞するキャリヤカバーとを備え、
    上記冷却フィンが、上記キャリヤカバーから上記導風ガイド部材側へ延設されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のデファレンシャル装置の冷却構造。
  6. 上記デファレンシャル装置の車両前方側に、該デファレンシャル装置に動力を伝達するプロペラシャフトが設けられ、
    上記燃料タンクの下面には上方に湾曲するとともに車両前後方向に延び、かつ車両後方に向かうにつれて拡幅された凹部が形成され、該燃料タンクは上記凹部に上記プロペラシャフトを納めるように該プロペラシャフトの上方に配置され、
    上記導風ガイド部材は、上記凹部を通過して車両外側向きとなった走行風を車両内側向きに方向転換させるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のデファレンシャル装置の冷却構造。
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