JP2009127644A - 動力伝達装置 - Google Patents

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片岡  真
Kaoru Aono
薫 青野
Masakazu Yamashita
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Abstract

【課題】プレッシャ部材又はクラッチ部材の径方向の剛性を向上させ、駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接又は離間(圧接力の解放)を十分に行わせることができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】クラッチハウジング2と、クラッチ部材4と、プレッシャ部材5とを有し、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接又は離間により、入力部材に入力された回転力を出力部材に伝達し又は遮断し得る動力伝達装置において、プレッシャ部材5は、クラッチ部材4よりクラッチハウジング2の開口側に位置するとともに、当該プレッシャ部材5の押圧部5aが形成された周縁部から更に軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部(A、B)が形成されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、任意に入力部材の回転力を出力部材に伝達させ又は遮断させ得る動力伝達装置に関するものである。
一般に自動二輪車が具備する動力伝達装置は、エンジンの駆動力のミッション及び駆動輪への伝達又は遮断を任意に行わせるためのもので、エンジン側と連結された入力部材と、ミッション及び駆動輪側と連結された出力部材と、出力部材と連結されたクラッチ部材とを有しており、複数形成された駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを互いに圧接させることにより動力の伝達を行い、互いに離間(圧接力の解放)させることにより当該動力の伝達を遮断するよう構成されている。
例えば図5で示すように、ギア101が形成されたクラッチハウジング102と、出力部材としてのシャフト103と連結されたクラッチ部材104と、該クラッチ部材104の同図中右端側に取り付けられたプレッシャ部材105と、クラッチハウジング102側に連結された駆動側クラッチ板106及びクラッチ部材104側に連結された被動側クラッチ板107とから主に構成されている。
プレッシャ部材105は、コイルスプリングSにより同図中左側に付勢されており、その周縁部に形成された押圧部105aにて駆動側クラッチ板106又は被動側クラッチ板107を押圧し得るよう構成されている。尚、クラッチ部材104の周縁部には、駆動側クラッチ板106又は被動側クラッチ板107に対するプレッシャ部材105からの押圧力を受け得る受け部104aが形成されている。
而して、コイルスプリングSにより、プレッシャ部材105を付勢した状態としていることから、駆動側クラッチ板106と被動側クラッチ板107とを圧接させて動力の伝達を行わせる一方、シャフト103内に形成されたプッシュロッド108を図中右方向へ摺動させてプレッシャ部材105を同方向へ移動させることにより、駆動側クラッチ板106と被動側クラッチ板107とを離間(圧接力の解放)させて当該動力の伝達を遮断するよう構成されていた。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
しかしながら、上記従来の動力伝達装置においては、以下の如き問題があった。
プレッシャ部材105は、コイルスプリングSの付勢力により付勢され、周縁部に形成された押圧部105aが駆動側クラッチ板106又は被動側クラッチ板107を押圧した状態とされるので、当該プレッシャ部材105の剛性が低い場合、押圧部に向かって軸方向に大きく歪んでしまう虞があった。
かかる歪みが大きいと、プッシュロッド108を摺動させてプレッシャ部材105を移動させても、駆動側クラッチ板106と被動側クラッチ板107との離間(圧接力の解放)が十分に行われない虞がある。即ち、プッシュロッド108によりプレッシャ部材105を移動させた場合、上記歪みが生じていると、その移動量が押圧部105aでは歪み分だけ吸収されることとなり、当該押圧部105aにおける所望の移動量を得ることができない虞が生じるのである。尚、クラッチ部材104における受け部104a側の剛性が低い場合でも、上述と同様な問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、プレッシャ部材又はクラッチ部材の軸方向の剛性を向上させ、駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接又は離間(圧接力の解放)を十分に行わせることができる動力伝達装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、入力部材の回転と共に回転し複数の駆動側クラッチ板が形成されたクラッチハウジングと、前記クラッチハウジングの駆動側クラッチ板と交互に形成された複数の被動側クラッチ板をスプライン嵌合させるとともに、出力部材と連結されたクラッチ部材と、該プレッシャ部材を付勢して、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接又は離間させる付勢手段と、前記クラッチ部材の軸方向に移動が可能とされつつ当該クラッチ部材に取り付けられ、前記付勢手段の付勢力に抗してクラッチ部材に対する軸方向へ移動するのに伴い、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを離間又は圧接させ得るプレッシャ部材と、該プレッシャ部材の周縁部に形成され、前記駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板を押圧し得る押圧部と、前記クラッチ部材の周縁部に形成され、前記駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板に対するプレッシャ部材からの押圧力を受け得る受け部とを有し、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接又は離間により、入力部材に入力された回転力を出力部材に伝達し又は遮断し得る動力伝達装置において、前記プレッシャ部材は、前記クラッチ部材より前記クラッチハウジングの開口側に位置するとともに、当該プレッシャ部材の押圧部が形成された周縁部から更に軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部が形成されたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の動力伝達装置において、前記補強部は、その先端が前記クラッチハウジングの開口端縁面の延長線上の位置まで径方向に延設されたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、入力部材の回転と共に回転し複数の駆動側クラッチ板が形成されたクラッチハウジングと、前記クラッチハウジングの駆動側クラッチ板と交互に形成された複数の被動側クラッチ板をスプライン嵌合させるとともに、出力部材と連結されたクラッチ部材と、該プレッシャ部材を付勢して、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接又は離間させる付勢手段と、前記クラッチ部材の軸方向に移動が可能とされつつ当該クラッチ部材に取り付けられ、前記付勢手段の付勢力に抗してクラッチ部材に対する軸方向へ移動するのに伴い、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを離間又は圧接させ得るプレッシャ部材と、該プレッシャ部材の周縁部に形成され、前記駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板を押圧し得る押圧部と、前記クラッチ部材の周縁部に形成され、前記駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板に対するプレッシャ部材からの押圧力を受け得る受け部とを有し、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接又は離間により、入力部材に入力された回転力を出力部材に伝達し又は遮断し得る動力伝達装置において、前記クラッチ部材は、前記プレッシャ部材より前記クラッチハウジングの開口側に位置するとともに、当該クラッチ部材の受け部が形成された周縁から軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部が形成されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の動力伝達装置において、前記補強部は、その先端が前記クラッチハウジングの開口端縁面の延長線上の位置まで径方向に延設されたことを特徴とする
請求項1、3の発明によれば、プレッシャ部材の押圧部が形成された周縁部から更に軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部が形成され、或いは、クラッチ部材の受け部が形成された周縁から軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部が形成されたので、プレッシャ部材又はクラッチ部材の軸方向の剛性を向上させ、駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接又は離間(圧接力の解放)を十分に行わせることができる。
請求項2、4の発明によれば、補強部は、その先端がクラッチハウジングの開口端縁面の延長線上の位置まで径方向に延設されたので、動力伝達装置のデッドスペースを有効活用してプレッシャ部材又はクラッチ部材の軸方向の剛性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る動力伝達装置は、二輪車等の車両に配設されて任意にエンジンの駆動力をミッションや駆動輪側へ伝達し又は遮断するためのもので、図1、2に示すように、入力部材としてのギア1が形成されたクラッチハウジング2と、出力部材としてのシャフト3と連結されたクラッチ部材4と、該クラッチ部材4よりクラッチハウジング2の開口側に位置して取り付けられたプレッシャ部材5と、クラッチハウジング2側に連結された駆動側クラッチ板6及びクラッチ部材4側に連結された被動側クラッチ板7とから主に構成されている。
ギア1は、エンジンから伝達された駆動力(回転力)が入力されるとシャフト3を中心として回転可能とされたもので、リベット8等によりクラッチハウジング2と連結されている。該クラッチハウジング2は、同図右端側が開口した円筒状のケース部材から成り、その内周壁からは複数の駆動側クラッチ板6が形成されている。かかる駆動側クラッチ板6のそれぞれは、略円環状に形成された板材から成るとともにクラッチハウジング2の回転と共に回転し、且つ、軸方向(同図中左右方向)に摺動し得るよう構成されている。
クラッチ部材4は、クラッチハウジング2内に配設された同図中右端側が開口した円筒状のケース部材から成るものである。かかるクラッチ部材4の略中央にはシャフト3が貫通しつつスプライン嵌合により連結されており、クラッチ部材4が回転するとシャフト3も回転するよう構成されている。また、クラッチ部材4の外周側面には、その軸方向(同図中左右方向)に延びるスプライン(スプライン嵌合部4a)が形成されており、該スプラインに被動側クラッチ板7が嵌め込まれて形成されている。
より具体的には、クラッチ部材4に形成されたスプラインは、その外周側面における略全周に亘って一体的に形成された凹凸形状にて構成されており、スプラインを構成する凹溝に被動側クラッチ板7が嵌合することにより、被動側クラッチ板7のクラッチ部材4に対する軸方向の移動を許容しつつ回転方向の移動が規制され、当該クラッチ部材4と共に回転し得るよう構成されているのである。
かかる被動側クラッチ板7(後述のプレッシャ部材5にスプライン嵌合された被動側クラッチ板7含む)は、駆動側クラッチ板6と交互に積層形成されており、隣接する各クラッチ板6、7が圧接又は離間可能なようになっている。即ち、両クラッチ板6、7は、クラッチ部材4の軸方向への摺動が許容されており、図1に示すように、プレッシャ部材5にて同図中左方向へ押圧されると圧接され、クラッチハウジング2の回転力がクラッチ部材4及びシャフト3に伝達される状態となり、プレッシャ部材5による押圧を解除すると離間してクラッチ部材4がクラッチハウジング2の回転に追従しなくなって停止し、シャフト3への回転力の伝達がなされなくなるのである。
尚、ここでいう両クラッチ板6、7の離間とは、当該両クラッチ板6、7間にクリアランスを生じた状態である必要はなく、物理的なクリアランスが生じていなくても、圧接力が解除されてクラッチ部材4がクラッチハウジング2の回転に追従しなくなった状態(即ち、駆動側クラッチ板6が被動側クラッチ板7上を摺動する状態)をも含むものとする。
プレッシャ部材5は、クラッチ部材4の開口(同図中右端)を塞ぐ位置に配設されたもので、クラッチスプリングSにより同図中左方向へ常時付勢されている。一方、プレッシャ部材5の周縁部には押圧部5aが形成されており、この押圧部5aにより駆動側クラッチ板6(又は被動側クラッチ板7であってもよい)のうち最もプレッシャ部材5に近いものを押圧し得るよう構成されている。
また、クラッチ部材4の周縁部には受け部4aが形成されており、この受け部4aにより駆動側クラッチ板6又は被動側クラッチ板7に対するプレッシャ部材5(具体的には押圧部5a)からの押圧力を受け得るよう構成されている。而して、クラッチスプリングSの付勢力を得た当該プレッシャ部材5が押圧部5aを介して最右部の駆動側クラッチ板6を押圧することにより、両クラッチ板6と7とが圧接するようになっている。これにより、クラッチハウジング2とクラッチ部材4とは連結された状態となり、ギア1に回転力が入力されるとシャフト3を回転させ得るようになっている。
然るに、シャフト3の内部には、その軸方向に延びるプッシュロッド9が配設されており、運転者が図示しない操作手段を操作することにより当該プッシュロッド9を同図中右方向へ突出させ、プレッシャ部材5をクラッチスプリングSの付勢力に抗して右方向へ移動させることができるようになっている。プレッシャ部材5が右方向へ移動すると、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との圧接力が解かれ、離間状態となってギア1及びクラッチハウジング2へ入力された回転力がクラッチ部材4及びシャフト3へ伝達されず遮断されることとなる。プレッシャ部材5は、クラッチ部材4に対する軸方向への移動に伴い駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7とを圧接又は離間させることができるよう構成されているのである。
ここで、本実施形態においては、プレッシャ部材5の押圧部5aが形成された周縁部から更に軸方向(図中右方向)に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向(図中上下方向)に延設した補強部(A、B)が形成されている。尚、便宜上、プレッシャ部材5の周縁部から軸方向(図中右方向)に延びた部位を部位Aと呼び、その部位A先端から屈曲して径方向(図中上下方向)に延設した部位を部位Bと呼ぶこととし、これら一体的に形成された部位A、Bで補強部が構成されている。
より具体的に説明すると、部位A及びBは、プレッシャ部材5の周縁における全周に亘って形成されており、かかる形状により当該プレッシャ部材5の軸方向の剛性が強化されているのである。これにより、プレッシャ部材5の軸方向の剛性を向上させ、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との離間(圧接力の解放)を十分に行わせることができる。
また、本実施形態における補強部(A、B)は、図1中拡大図に示すように、その先端がクラッチハウジング2の開口端縁面2aの延長線上の位置まで径方向に延設されている。これにより、動力伝達装置のデッドスペースを有効活用してプレッシャ部材5の軸方向の剛性を向上させることができる。即ち、従来、クラッチハウジング2の開口端縁面2aの延長線上の位置は、軸方向へ移動するプレッシャ部材5との干渉を避けるべく空間が設けられており、所謂デッドスペースとなっていたので、かかるスペースを有効利用することができるのである。
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る動力伝達装置は、第1の実施形態のものと同様、二輪車等の車両に配設されて任意にエンジンの駆動力をミッションや駆動輪側へ伝達し又は遮断するためのもので、図3、4に示すように、入力部材としてのギア1が形成されたクラッチハウジング2と、出力部材としてのシャフト(第1実施形態と同様のものであって不図示のもの)と連結されたクラッチ部材4’と、該クラッチ部材4’の同図中左端側に取り付けられたプレッシャ部材5’と、クラッチハウジング2側に連結された駆動側クラッチ板6及びクラッチ部材4’側に連結された被動側クラッチ板7とから主に構成されている。尚、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略するとともに、シャフトやプッシュロッド等は省略してある。
また、第1実施形態と同様、プレッシャ部材5’の周縁部に形成され、駆動側クラッチ板6(又は被動側クラッチ板7であってもよい)のうち最もプレッシャ部材5’に近いものを押圧し得る押圧部5’aと、クラッチ部材4’の周縁部に形成され、駆動側クラッチ板6又は被動側クラッチ板7に対するプレッシャ部材5’(具体的には押圧部5’a)からの押圧力を受け得る受け部4’aとを具備している。
而して、クラッチスプリングSの付勢力を得た当該プレッシャ部材5’が押圧部5’aを介して最左部の駆動側クラッチ板6を押圧することにより、両クラッチ板6と7とが圧接するようになっている。これにより、クラッチハウジング2とクラッチ部材4’とは連結された状態となり、ギア1に回転力が入力されると不図示のシャフトを回転させ得るようになっている。
ここで、本実施形態においては、クラッチ部材4’は、プレッシャ部材5’よりクラッチハウジング2の開口側に位置するとともに、当該クラッチ部材4’の受け部4’aが形成された周縁から軸方向(図中右方向)に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向(図中上下方向)に延設した補強部(A’、B’)が形成されている。尚、便宜上、クラッチ部材4’の周縁部から軸方向(図中右方向)に延びた部位を部位A’と呼び、その部位A’先端から屈曲して径方向(図中上下方向)に延設した部位を部位B’と呼ぶこととし、これら一体的に形成された部位A’、B’で補強部が構成されている。
より具体的に説明すると、部位A’及びB’は、クラッチ部材4’の周縁における全周に亘って形成されており、かかる形状により当該クラッチ部材4’の軸方向の剛性が強化されているのである。これにより、クラッチ部材4’の軸方向の剛性を向上させ、駆動側クラッチ板6と被動側クラッチ板7との離間(圧接力の解放)を十分に行わせることができる。
また、本実施形態における補強部(A’、B’)は、図3中拡大図に示すように、その先端がクラッチハウジング2の開口端縁面2aの延長線上の位置まで径方向に延設されている。これにより、第1の実施形態と同様、動力伝達装置のデッドスペースを有効活用してクラッチ部材4’の軸方向の剛性を向上させることができる。
次に、本発明の技術的優位性を示す実験結果について説明する。
(実験1)
クラッチ部材よりクラッチハウジングの開口側に位置するプレッシャ部材を具備した動力伝達装置(第1の実施形態の如き動力伝達装置)において、部位A、Bを共に有するものを実施例1とし、部位Aのみが形成されたもの(部位Bは形成されない)を比較例1、部位A、Bの何れも形成されないものを比較例2とし、摺動面(駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板との摺動面)に対して1000(N)、及び1500(N)の外力を付与しつつ変位量(歪み)を測定することにより、それぞれの剛性についてのデータを得た。
1000(N)の外力を付与した場合、比較例2のものより比較例1のものが剛性が12.7%向上したのに対し、当該比較例2のものより実施例1のものが剛性が18.8%向上した。また、1500(N)の外力を付与した場合、比較例2のものより比較例1のものが剛性が14.5%向上したのに対し、当該比較例2のものより実施例1のものが剛性が19.9%向上した。
(実験2)
プレッシャ部材よりクラッチハウジングの開口側に位置するクラッチ部材を具備した動力伝達装置(第2の実施形態の如き動力伝達装置)において、部位A’、B’を共に有するものを実施例2とし、部位A’のみが形成されたもの(部位B’は形成されない)を比較例3、部位A’、B’の何れも形成されないものを比較例4とし、摺動面(駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板との摺動面)に対して1000(N)、及び1500(N)の外力を付与しつつ変位量(歪み)を測定することにより、それぞれの剛性についてのデータを得た。
1000(N)の外力を付与した場合、比較例4のものより比較例3のものが剛性が19.4%向上したのに対し、当該比較例4のものより実施例2のものが剛性が34%向上した。また、1500(N)の外力を付与した場合、比較例4のものより比較例3のものが剛性が19.5%向上したのに対し、当該比較例4のものより実施例2のものが剛性が34.5%向上した。
上記実験結果より、補強部(A、B或いはA’、B’)が形成されることにより、プレッシャ部材の押圧部が形成された側、或いはクラッチ部材の受け部が形成された側のそれぞれの軸方向の剛性は、著しく向上することが分かる。従って、動力伝達装置に組み付けられた場合、駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との離間(圧接力の解放)を十分に行わせることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば圧接アシスト用カム(駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接力を増加させる方向の力が発生するカム)やバックトルクリミッタ用カム(シャフトの回転がギア及びクラッチハウジングの回転数を上回ってバックトルクが生じた際、プレッシャ部材を移動させて駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との離間を行わせる)がクラッチ部材及びプレッシャ部材に形成されたものに適用してもよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態におけるコイルスプリングSに代えて、プレッシャ部材を付勢して、駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接又は離間させる他の汎用的な付勢手段(例えば皿バネ等)としてもよい。尚、本発明の動力伝達装置は、二輪車の他、自動車、3輪又は4輪バギー、或いは汎用機等種々の多板クラッチ型の動力伝達装置に適用することができる。
プレッシャ部材の押圧部が形成された周縁部から更に軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部が形成された動力伝達装置、或いはクラッチ部材の受け部が形成された周縁から軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部が形成された動力伝達装置であれば、他の機能を付加したもの、或いは外観形状等が異なるものにも適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る動力伝達装置を示す縦断面図 同動力伝達装置におけるプレッシャ部材を示す縦断面図 本発明の第2の実施形態に係る動力伝達装置を示す縦断面図 同動力伝達装置におけるクラッチ部材を示す縦断面図 従来の動力伝達装置を示す縦断面図
符号の説明
1 ギア(入力部材)
2 クラッチハウジング
3 シャフト(出力部材)
4、4’ クラッチ部材
4a、4’a 受け部
5、5’ プレッシャ部材
5a、5’a 押圧部
6 駆動側クラッチ板
7 被動側クラッチ板
8 リベット
9 プッシュロッド
A、B 補強部
S コイルスプリング(付勢手段)

Claims (4)

  1. 入力部材の回転と共に回転し複数の駆動側クラッチ板が形成されたクラッチハウジングと、
    前記クラッチハウジングの駆動側クラッチ板と交互に形成された複数の被動側クラッチ板をスプライン嵌合させるとともに、出力部材と連結されたクラッチ部材と、
    該プレッシャ部材を付勢して、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接又は離間させる付勢手段と、
    前記クラッチ部材の軸方向に移動が可能とされつつ当該クラッチ部材に取り付けられ、前記付勢手段の付勢力に抗してクラッチ部材に対する軸方向へ移動するのに伴い、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを離間又は圧接させ得るプレッシャ部材と、
    該プレッシャ部材の周縁部に形成され、前記駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板を押圧し得る押圧部と、
    前記クラッチ部材の周縁部に形成され、前記駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板に対するプレッシャ部材からの押圧力を受け得る受け部と、
    を有し、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接又は離間により、入力部材に入力された回転力を出力部材に伝達し又は遮断し得る動力伝達装置において、
    前記プレッシャ部材は、前記クラッチ部材より前記クラッチハウジングの開口側に位置するとともに、当該プレッシャ部材の押圧部が形成された周縁部から更に軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部が形成されたことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記補強部は、その先端が前記クラッチハウジングの開口端縁面の延長線上の位置まで径方向に延設されたことを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 入力部材の回転と共に回転し複数の駆動側クラッチ板が形成されたクラッチハウジングと、
    前記クラッチハウジングの駆動側クラッチ板と交互に形成された複数の被動側クラッチ板をスプライン嵌合させるとともに、出力部材と連結されたクラッチ部材と、
    該プレッシャ部材を付勢して、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを圧接又は離間させる付勢手段と、
    前記クラッチ部材の軸方向に移動が可能とされつつ当該クラッチ部材に取り付けられ、前記付勢手段の付勢力に抗してクラッチ部材に対する軸方向へ移動するのに伴い、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板とを離間又は圧接させ得るプレッシャ部材と、
    該プレッシャ部材の周縁部に形成され、前記駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板を押圧し得る押圧部と、
    前記クラッチ部材の周縁部に形成され、前記駆動側クラッチ板又は被動側クラッチ板に対するプレッシャ部材からの押圧力を受け得る受け部と、
    を有し、前記駆動側クラッチ板と被動側クラッチ板との圧接又は離間により、入力部材に入力された回転力を出力部材に伝達し又は遮断し得る動力伝達装置において、
    前記クラッチ部材は、前記プレッシャ部材より前記クラッチハウジングの開口側に位置するとともに、当該クラッチ部材の受け部が形成された周縁から軸方向に延び、且つ、その先端で屈曲して径方向に延設した補強部が形成されたことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 前記補強部は、その先端が前記クラッチハウジングの開口端縁面の延長線上の位置まで径方向に延設されたことを特徴とする請求項3記載の動力伝達装置。
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