JP2009126160A - プリンタ - Google Patents

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隆俊 梅田
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誠 伊野口
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知 藤井
Narikazu Takagi
成和 高木
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Abstract

【課題】記録媒体を素早く乾燥させることができる乾燥装置及び印刷品質が良好で高速印刷が可能プリンタを提供する。
【解決手段】本発明のプリンタ1は、紙10上に液滴を吐出するとともに紙10に対して相対的に移動する記録ヘッド2と、記録ヘッド2の両側に配置され、紙10にマイクロ波を照射する一対のマイクロ波ヘッド50A,50Bと、を備え、一対のマイクロ波ヘッド50A,50Bのうち、記録ヘッド2の移動方向に対して前方となるマイクロ波ヘッド50Aが、紙10の水分含有量を検出するとともにその結果に応じて記録ヘッド2の液滴吐出条件を最適化するものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリンタに関するものである。
従来、インクジェットプリンタの印刷の高速化、高精細化には、塗布したインクが充分乾燥する前に更にインクが塗布されることによる「にじみ」が問題となっている。これを回避するためには、印刷前に紙質(水分量や材質)を検知することによるインク塗布量の最適化を行うこと、又は塗布したインクを高速に乾燥させることなどが有効な手段である。
使用するエネルギー効率の面からは、例えば電子レンジのようなマイクロ波による加熱は、物質に直接エネルギーを与えることができるため、熱の伝達による加熱に比べて効率が高い。マグネトロンなどによるマイクロ波発振源では電力利用効率が低いが、固体発振源によるマイクロ波電源を用いれば省電力、高効率励起が可能である。
例えば、特許文献1に開示されているように、マイクロ波を用いて印刷用紙に付着したインクを加熱して乾燥させる方法が提案されている。
特表2003−534164号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、紙に含まれる水分量を検知することなくインクを乾燥させる方法なので、水分の量によっては乾燥時間が長く掛かることがあり、効率的であるとは言えず、高速印刷を行うことが困難であった。また、紙に含まれる水分量が多いと、紙の種類によっては、紙の裏側までインクが浸透してしまうことがあり、インクのにじみが発生することがあった。このインクのにじみが発生すると、裏面をきれいに印刷することが困難となり、両面印刷のような印刷の場合、好ましいとは言えない。しかも、マイクロ波を発生させるためのマイクロ波発信源にマグネトロンを用いると、装置が巨大化することになり、職場や家庭で用いられるような小型化の要求が高いプリンタには適した構造とは言えない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、インクの吐出量を最適化し、印刷品質が良好で高速印刷が可能プリンタを提供することを目的としている。
本発明のプリンタは、上記課題を解決するために、記録媒体に対して一軸方向で相対的に移動するとともに前記記録媒体上に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドの移動方向両側に配置され、前記記録媒体にマイクロ波を放射する一対のマイクロ波放射部と、を備え、前記一対のマイクロ波放射部のうち、前記液滴吐出ヘッドの移動方向に対して前方の前記マイクロ波放射部が前記記録媒体の水分含有量を検出し、前記水分含有量に基づいて前記液滴吐出ヘッドの液滴吐出条件が設定されることを特徴とする。
本発明のプリンタによれば、液滴吐出ヘッドの両側にマイクロ波ヘッドを配置したので、液滴吐出ヘッドの移動方向の前方に位置するマイクロ波ヘッドによって液滴が吐出される前の記録媒体の水分含有量を検出し、その結果に応じて液滴吐出ヘッドから吐出する液滴の吐出量を制御することにより、最適な液滴吐出量で吐出を行うことができる。このように、液滴が吐出される前の記録媒体の材質を検出することで印刷品質を向上させることができる。また、印刷に必要な液滴量を少なくすることができるので、液体の消費を抑えた高速処理が可能となる。
また、液滴吐出ヘッドの移動方向に対して後方のマイクロ波放射部が、記録媒体を乾燥させることが好ましい。
本発明によれば、最適な液滴吐出量で吐出が行われるため、液滴を短時間で乾燥することができる。
また、液滴吐出ヘッドの移動方向に応じて、一対のマイクロ波放射部の検出又は乾燥の動作を切り替える機能を有することが好ましい。
本発明によれば、印刷処理を効率よく行うことができるとともに、にじみのない綺麗な印刷が可能となる。
また、前記液滴吐出ヘッドの前記移動方向に対して前方の前記マイクロ波放射部の検出結果に基づいて、前記液滴吐出ヘッドの前記移動方向に対して後方の前記マイクロ波放射部の放射マイクロ波が制御されることが好ましい。
本発明によれば、液滴吐出後の記録媒体に含まれている水分含有量を検知することで、マイクロ波の出力高度を適正な値に制御することができ、乾燥時間の短縮や消費電力を抑えることができる。
また、マイクロ波放射部に接続されるインダクタを備え、記録媒体が水分を含んだ状態のときのマイクロ波放射部の複素インピーダンスと、インダクタのインピーダンスを合成した複素インピーダンスとが、マイクロ波放射部の出力端における複素インピーダンスと共役となることが好ましい。
本発明によれば、マイクロ波放射部内に存在する記録媒体の水分量が減少したことを把握でき、記録媒体が乾燥した時点を検知することができる。これにより、記録媒体が乾燥した時点で乾燥を終えることができるので、乾燥不足を低減することができる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[プリンタ]
図1は、本実施形態のプリンタの構成を示す斜視図である。図2は、プリンタの構成を示す概略図である。なお、同図は、図1の矢印の方向から見た状態を示している。
図1及び図2に示すように、プリンタ1は、記録ヘッド2(液滴吐出ヘッド)と、マイクロ波ヘッド50A,50Bと、キャリッジ4と、ガイド部材5と、紙送りローラ21と、筐体40と、で概略構成されている。
記録ヘッド2は、記録媒体としての紙10に印刷をする機能を有している。
キャリッジ4は、インクカートリッジ11を搭載することができる。このキャリッジ4は、駆動プーリ6と遊動プーリ7との間に掛け渡したタイミングベルト8に接続されている。
駆動プーリ6は、パルスモータ9の回転軸に接合されており、キャリッジ4はパルスモータ9の駆動によって紙10をその幅方向である主走査方向に移動することができる。
また、キャリッジ4における紙10との対向面に取り付けられている記録ヘッド2は、液体のインクを噴射する噴射ヘッドの一種である。なお、キャリッジ4には、インクカートリッジ11が搭載されている。
ガイド部材5は、このキャリッジ4とマイクロ波ヘッド50A,50Bとを移動させることができる機能を有している。
紙送りローラ21は、紙10を所定の方向に送ることができる機能を有している。さらに、紙送りローラ21を回転させて紙10を主走査方向に送る紙送りモータ39が、プリンタ1に備えられている。
図2に示すように、紙10を挟み込むように構成されたマイクロ波ヘッド50A,50B(マイクロ波放射部)が一対配置されている。各マイクロ波ヘッド50A,50Bは、紙10の上側に配置された上ヘッド51と、紙10の下側に配置された下ヘッド52とで構成されており、それぞれの上ヘッド51と下ヘッド52との間に紙10が配置されている。
そして、マイクロ波ヘッド50A,50Bは、記録ヘッド2を挟みこむようにしてその両側に配置されており、記録ヘッド2と、一対のマイクロ波ヘッド50A,50Bとが、同時に移動(この場合、左右方向)するように構成されている。
本実施形態のプリンタ1は、上記マイクロ波ヘッド50A,50Bをそれぞれ有する一対のマイクロ波照射部を備えており、紙10の水分含有量を検知する。
(マイクロ波照射部)
図3は、マイクロ波照射部の電気的構成を示すブロック図である。
マイクロ波ヘッド50Aを備えるマイクロ波照射部150Aと、マイクロ波ヘッド50Bを備えるマイクロ波照射部150Bとは同様の構成をなす。
図3に示すように、マイクロ波照射部150A(150B)は、マイクロ波ヘッド50A(50B)と、マイクロ波100aを発振するマイクロ波発生部としての発振器100と、マイクロ波100aを増幅するアンプ120と、反射波100bの反射強度から反射率を求めてアンプ120を制御する制御部36と、検出部としてのパワーモニタ560と、信号の流れる方向に制限をつけるサーキュレータ570とで概略構成されている。このマイクロ波照射部150A(150B)において、サーキュレータ570に導入されたマイクロ波100aは、マイクロ波ヘッド50A(50B)に導かれるように構成されている。
さらに、紙10から反射した反射波100bは、パワーモニタ560に導かれるように構成されている。そして、パワーモニタ560に導かれた反射波100bは、制御部136に導かれ、反射波100bの反射強度の程度によって制御部136がアンプ120を制御するように構成されている。
発振器100は、固体高周波発振器である弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)を応用したダイヤモンドSAW発振器である。
アンプ120は、発振器100から出力された信号を増幅させて、2.45GHz帯の高周波信号を出力し、マイクロ波100aを増幅することができる。そして、このアンプ120と、発振器100とが、電気的に接続されている。
検出部としてのパワーモニタ560は、紙10から反射する反射波100bの反射強度を検出することができる機能を有しており、この検出部としてのパワーモニタ560と、サーキュレータ570とが、電気的に接続されている。
サーキュレータ570は、アンプ120で増幅された信号をマイクロ波ヘッド50A(50B)に供給するとともに、信号の流れる方向に制限をつける機能を有しており、このサーキュレータ570と、マイクロ波ヘッド50A(50B)とが、電気的に接続されている。
マイクロ波ヘッド50A(50B)は、上ヘッド51と、下ヘッド52とを備え、相互間に紙10を挿入できるように離間して配置されている。マイクロ波ヘッド50A(50B)は、コンデンサであるキャパシタCと、コイルであるインダクタLとを、有しており、これらキャパシタCと、インダクタLとを、配置してLC共振子(この場合、キャパシタCと、インダクタLとを、直列に配置する直列共振回路であり、抵抗成分Rを含んでいてもよい)を構成している。
また、キャパシタCの値や、インダクタLの値を任意に選択して設定をすることができ、インクの乾燥の条件を決定することができる。
そして、サーキュレータ570とキャパシタCの一方の端子とが電気的に接続され、キャパシタCの他方の端子とインダクタLの一方の端子とが電気的に接続されている。また、インダクタLの他方の端子とグランドGNDとが電気的に接続されている。なお、キャパシタCとの間に紙10を挿入できるように構成されている。
図4は、プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、プリンタ1は、プリンタコントローラ31と、プリントエンジン32とで、概略構成されている。そして、プリンタコントローラ31に有する制御部36が、プリンタ1の制御と、マイクロ波照射部150A,150B(図3参照)の制御とを、行うことができるように構成されている。
プリンタコントローラ31は、I/F(インターフェース)33と、RAM(Random Access Memory)34と、ROM(Read Only Memory)35と、CPU(中央処理ユニット)等からなる制御部36と、クロック信号を発生する発振回路37と、駆動信号発生回路3と、I/F(インターフェース)38とを、有している。
I/F33は、例えばキャラクタコード、グラフィックコード、イメージデータのいずれか一つのデータまたは複数のデータからなる印刷データをホストコンピュータ(図示省略)等から受信することができる。また、I/F33は、ホストコンピュータに対してビジー信号や、アクノレッジ信号等を出力することができる。
RAM34は、各種データの記憶等を行う機能を有しており、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示省略)等として利用される。受信バッファには、I/F33が受信したホストコンピュータからの印刷データが一時的に記憶される。中間バッファには、制御部36によって中間コードに変換された中間コードデータが記憶される。出力バッファには、ドット毎の印刷データが展開される。
ROM35は、制御部36によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶する機能を有している。
制御部36は、受信バッファ内の印刷データを読み出して中間コードに変換し、この中間コードデータを中間バッファに記憶する。また、制御部36は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM35内のフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して中間コードデータを印刷データに展開する機能を有している。この印刷データは、例えば2ビットの階調情報で構成されている。この展開された印刷データは、出力バッファに記憶されて、記録ヘッド2の1行分に相当する印刷データが得られると、この1行分の印刷データは、I/F38を介して記録ヘッド2にシリアル伝送される。出力バッファから1行分の印刷データが送信されると、中間バッファの内容が消去されて、次の中間コードに対する変換が行われる。また、制御部36は、タイミング信号発生手段の一部を構成している。I/F38を通じて記録ヘッド2にラッチ信号や、チャンネル信号を供給する機能を有している。これらのラッチ信号や、チャンネル信号は、駆動信号を構成する各パルス信号の供給開始のタイミングを規定する機能を有している。しかも、制御部36は、図3に示す制御部136を含んでおり、マイクロ波照射部150A(150B)の制御をすることができる機能を有している。
駆動信号発生回路3は、駆動信号生成手段の一種であり、複数の波形要素によって構成された駆動パルスを含む一連の駆動信号を生成し、これら駆動信号を記録ヘッド2へ供給
する機能を有している。
I/F(インターフェース)38は、ドットパターンデータに展開された印刷データ及び駆動信号等をプリントエンジン32に送信する機能を有している。
プリントエンジン32は、記録ヘッド2の電気駆動系と、キャリッジ4(図1参照)を移動させるパルスモータ9と、紙送りローラ21(図1参照)を回転させる紙送りモータ39等から構成されている。
記録ヘッド2の電気駆動系は、第1シフトレジスタ41及び第2シフトレジスタ42からなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路43と第2ラッチ回路44からなるラッチ回路と、デコーダ45と、制御ロジック46と、レベルシフタ47と、スイッチ回路48と、圧電振動子15とを、備えている。
本実施形態のプリンタ1は、一対のマイクロ波照射部を具備しており、一方のマイクロ波照射部の動作と、他方のマイクロ波照射部の動作とが、移動方向に応じて切り替わるように構成されている。
次に、プリンタの動作について説明する。
図5は、本実施形態におけるプリンタの動作手順を示すフローチャートである。なお、マイクロ波の進行方向を含めて図3を参照しながらステップごとに説明する。
各マイクロ波照射部150A,150Bは、移動方向によってその動作が切り替わるようになっている。具体的には、記録ヘッド2の両側に配置されたマイクロ波ヘッド50A,50Bのうち、移動方向前方となるマイクロ波ヘッド50Aを有するマイクロ波照射部150Aが、印刷前の紙10の水分含有量の検出を行い、移動方向後方となるマイクロ波ヘッド50Bを有するマイクロ波照射部150Bが、印刷後の紙10の乾燥を行うようになっている。そして、各マイクロ波ヘッド50A,50Bの検出動作および乾燥動作が移動方向によって切り替わる機能を備える。ここで、例えば図2中の矢印xで示す方向を移動方向とすると、マイクロ波ヘッド50Aが移動方向に対して記録ヘッド2の前方となり、マイクロ波ヘッド50Bが移動方向に対して記録ヘッド2の後方となる。
図5のステップS1では、マイクロ波100aの放射を開始する。マイクロ波発生部としての発振器100は、高周波信号を生成しマイクロ波100aの放射を開始する。
ステップS2では、マイクロ波100aを増幅する。マイクロ波100aは、増幅器としてのアンプ120により増幅される。
ステップS3では、記録ヘッド2の移動を開始する。記録ヘッド2は、紙10の印刷を開始する所定位置にセットされる。
ステップS4では、マイクロ波100aを放射する。アンプ120から出力されたマイクロ波100aは、サーキュレータ570を経由してマイクロ波放射部としてのマイクロ波ヘッド50Aへ導かれる。マイクロ波ヘッド50Aへ導かれたマイクロ波100aのうち、インピーダンスの不整合によって反射された反射波100bは、サーキュレータ570のもう一端に伝達され、反射波100bを検出する検出部としてのパワーモニタ560へ導かれる。一般に、反射波100bがアンプ120に戻った場合、増幅回路が破壊される恐れがあるため、保護回路としてサーキュレータ570が挿入されている。放射されるマイクロ波100aは、略平面波であり、マイクロ波ヘッド50Aを構成する上ヘッド51から、下ヘッド52に向けて放射される。マイクロ波100aは、上ヘッド51と、下ヘッド52との間に挿入されている紙10の表面から裏面に向けて放射されることになる。
ステップS5では、印刷前の紙10の水分含有量を検知する。キャパシタCの間に存在する紙10の水分量によって反射波100bの反射強度が変化する。この反射強度を検出することで紙10の誘電率を求めることができ、求めた誘電率から紙10の水分量を算出することができる。
また、紙10の種類ごとの水分量と誘電率との対応データをあらかじめ準備しておけば、求めた誘電率から紙10の水分量を算出することができる。つまり、普通紙、上質紙、光沢紙、OHP、フィルムなど、紙10の種類によっては、それぞれ異なる誘電率を有することから、含有水分量が一定であっても、紙10の種類によって測定される誘電率の値は異なる。そのため、ある誘電率の値を検出した際に、その紙がどの程度種分量を含有しているのかを精度良く判定することが困難である。したがって、図6に示すような複数の用紙の種類とその含有水分量別の誘電率データをプリンタ1に備えておくことにより、給紙される印刷用紙の種類を事前に判別できれば、誘電率測定結果から、含有水分量を高い精度にて判定することができる。
さらに、図7に示すように、紙10の種類だけでなくインクの種類(水性、顔料など)によってもインク吐出量が異なってくる。そのため、紙の種類と吐出するインクの種類とに応じたインク吐出量の制御方法を複数用意しておくことが好ましい。このようにすると、紙の種類に対して最適化された高画質の印刷を実現する上で非常に有効である。
ステップS6では、制御部36(136)が、先のステップS4において検出した印刷前の紙10の水分含有量の検出結果や、インクの種類などに基づいて、インク吐出量を決定する。
例えば、紙10の水分量が少なく、非常に乾燥した紙を基準にして印刷する際のインク吐出量が設定されている場合、検出された水分量が多いときに、インク吐出量を少なめに制御することで、着弾したインクのにじみを防止し、高精細な印刷を実現することができる。また、用いられる紙10の標準的な水分量でインク吐出量を予め設定しておき、検出された水分量が少なければインク吐出量を増やし、検出された水分量が多ければインク吐出量を減らすように制御してもよい。つまり、供給される用紙の、インクが吐出される部分(印刷箇所)の含有水分量を測定することは、高精細な印刷を行う上で非常に有効である。
ステップS7では、決定された吐出量でインクを吐出し、紙10に対して印刷を行う。
ステップS8では、印刷後の紙10に対してマイクロ波を放射し、紙10の水分量を検知して、インクを乾燥する。紙10が濡れていた場合、濡れた紙10がマイクロ波放射部としてのマイクロ波ヘッド50Bに入っている状態で、LC共振回路のインピーダンスがマイクロ波源の発振周波数においてマイクロ波電源部の出力端のインピーダンスと共役(整合)となるように素子の定数を設定しておく。キャパシタCの間に存在する紙10の水分量が減少(湿度が低いとき)したときには、LC共振回路(この場合、直列共振回路)が共振しにくくなり、反射波100bの反射強度が増える。この反射強度は紙10の誘電率により変化する。紙10が濡れた状態でインピーダンスが整合するようにLC共振回路をあらかじめ設定してあるので、紙10が乾燥され紙10中の水分量が減少するにつれ紙10の誘電率が小さくなる。この反射強度を検出することで紙10の誘電率を求めることができ、求めた誘電率から紙10の水分量を算出することができる。
この方法により、紙10の乾燥した時点を検知することができる。そして、紙10の乾燥を検知した時点で加熱終了となり、乾燥不足を低減することができる。逆に、紙10の水分量が増加(湿度が高いとき)したときには、LC共振回路が共振し始めてマイクロ波100aを集中的に放射して効率よく水分を乾燥させることができる。また、紙10や、液滴としてのインクに含まれる水分が乾燥した状態に近づくと、マイクロ波100aの出力を小さくすることで、無駄な電力消費を抑えることができる。さらに、加熱し過ぎによる紙10の焦げや、インクの変質を押さえることもできる。ここで使用されるインクとしては、紙10に印刷(印刷を含む)するためのものであって、例えば6色のカラーで印刷するような場合は、シアン、ライトシアン、マゼンダ、ライトマゼンダ、黄色、黒色などの色素を有しているものを用いている。なお、ここでも、よく使われる紙(印刷用紙)10の種類ごとの水分量と誘電率との対応データをあらかじめ準備しておくと、乾燥するための条件を選択するのに好都合である。
なお、乾燥条件を設定する際、マイクロ波ヘッド50Aによる紙10の水分量検出結果も加味してもよい。
ステップS9では、反射波100bの反射強度を検出して、アンプ120を制御する。マイクロ波放射部としてのマイクロ波ヘッド50Bからの反射波100bの強度を検出部としてのパワーモニタ560を用いて検出する。なお、図1に示すプリンタ1の動作時において、反射波100bの強度を検出する検出作業は、常に実施することが望ましい。この検出作業を常に行うことにより、より精度の高い検出結果を得ることができる。ここで、紙10に含まれる水分量が減少すると、コンデンサC間の誘電率が変化し、静電容量の値が変化する。すると、インピーダンスが変化し、反射波100bの強度が増える(この状態を不整合状態という)。そこで、この反射波100bの強度の増減を利用して、紙10の誘電率を求めることができる。そして、紙10の種類ごとの水分量と誘電率との対応データをあらかじめ準備しておけば、求めた誘電率から紙10の水分量を算出できる。この方法により、紙10に含まれる水分量を検知し、それに応じてアンプ120の出力を制御部36が制御する。この制御部36は、反射波100bの強度が低いときにアンプ120の増幅率を高くし、逆に、反射波100bの強度が高くなるにつれてアンプ120の増幅率を小さくすることができる。
そして、図1に示す記録ヘッド2による印刷が終了したら、各マイクロ波照射部150A,150Bによるマイクロ波100aの放射を停止する。
以上のような実施形態におけるプリンタの構成によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のように、印刷前の紙10に含まれている水分量を検知してインクの吐出量を制御することにより、最適なインク吐出量で印刷を行うことができ、印刷品質を向上させることができる。また、記録媒体が紙10であるから、紙10の種類とインクの種類に応じたインク吐出量の制御方法や、使用頻度の高い順に水分量と誘電率との対応データをあらかじめ用意しておくことにより、紙10の性質やインクの種類が変わったとしてもインク吐出量を適正に選択することができるので、高画質な印刷を行うことができる。
また、印刷に必要なインク吐出量を最小限に抑えることができるので、所望の画像を得るために消費するインク量を少なくすることができる。よって、インクの乾燥が早く、高速印刷が可能となる。
また、印刷後の紙10に含まれる水分量の検知と、紙10の上に配置される液滴としてのインクの乾燥とを、略同時に実施することができるので、にじみがなくて、綺麗に乾燥することができる。しかも、短時間で乾燥することができるので、効率的である。
そして、紙10に含まれている水分量を検知することで、マイクロ波100aの出力を適正な値に制御することができ、乾燥時間の短縮や消費電力を抑えることに繋がる。
しかも、マイクロ波ヘッド50A,50BにLC共振子(この場合、直列共振回路)を構成しているから、加熱用アンテナとしての機能と、検出素子としての機能とを、兼用させることができ、装置構成を簡単にすることができる。特に、マイクロ波ヘッド50A,50Bが水分量検出用のセンサの役割を兼ねるため、記録ヘッド2に付加する部品が最小限ですむ。このため、ヘッド部の設計の制約条件が少なくなる。また、水分量検出用に別途センサを設けるような場合に比べて、センシング部への配線が少なくなるため、構成を簡略化できる。
このように、印刷前の紙10に含まれる水分量を検知してインクの吐出量を最適化することにより、紙10の表面と裏面とに印刷するような両面印刷の場合であっても、にじみが少なく、綺麗な印刷をすることができる。さらに、印刷後の紙10に含まれる水分量の検知と液滴としてのインクの乾燥とを略同時に実施することができるので、高速印刷を実現可能なプリンタ1を提供することができる。
さらに、ダイヤモンドSAW発振器のような固体発振源によるマイクロ波電源を発振器100として用いているから、省電力、高効率励起が可能となるので、エネルギ消費量を抑制することができる。エネルギ消費量を抑制することができれば、環境負荷の低減にも貢献できる。
なお、紙10に含まれている水分量の検知は、コンデンサの誘電率変化に伴うインピーダンス変化によって確認でき、反射波100bの反射強度の変化により行うことができる。
以上、好ましい実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含み、本発明の目的を達成できる範囲で、他のいずれの具体的な構造及び形状に設定できる。
(変形例1)
前述の実施形態では、キャパシタCと、インダクタLとを、直列に配置した直列共振回路をマイクロ波照射部に採用する構成にしたが、これに限らない。例えば図8に示すマイクロ波照射部151のように、キャパシタCと、インダクタLとを、並列に配置する並列共振回路(抵抗成分Rを含んでいてもよい)を採用した構成にしてもよい。このようにしても、マイクロ波ヘッド50を構成する上ヘッド51と、下ヘッド52とが、紙10を挟むように構成されているので、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)
前述の実施形態では、プリンタ1に一対のマイクロ波ヘッド50A,50Bを搭載する構成にしたが、これに限らない。例えば乾燥用のマイクロ波ヘッド50Bを2つ以上搭載する構成にしてもよい。このように、プリンタ1に乾燥用のマイクロ波ヘッド50Bがたくさん搭載されることになれば、水分量を検知してインクを乾燥させるまでの時間をより速く実施することを期待できる。
(変形例3)
前述の実施形態では、マイクロ波ヘッド50A,50Bをそれぞれ有する一対のマイクロ波照射部150A,150Bをプリンタ1に採用したが、これに限らない。例えばプリンタ1以外の印刷装置や、紙10の水分量の検出が必要なその他の各種装置や、紙10を乾燥させるのに必要なその他の各種装置に採用してもよい。このようにすれば、色々な分野で使用することができるので、その用途を広げることができる。
本実施形態に係るプリンタの構成を示す斜視図。 プリンタの構成を示す概略図。 マイクロ波ヘッドの電気的構成を示すブロック図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 プリンタの動作手順を示すフローチャート。 紙の種類別の誘電率と含有水分量のデータ。 紙の含有水分量に応じたインク吐出量。 変形例1に係るマイクロ波照射部の電気的構成を示すブロック図。
符号の説明
1…プリンタ、2…液滴吐出ヘッドとしての記録ヘッド、10…記録媒体としての紙、36…制御部、50A…マイクロ波放射部としてのマイクロ波ヘッド(印刷方向前方)、50B…マイクロ波放射部としてのマイクロ波ヘッド(印刷方向後方)、51…上ヘッド、52…下ヘッド、100…マイクロ波発生部としての発振器、100a…マイクロ波、100b…反射波、120…アンプ、150A…マイクロ波ヘッド50Aを備えるマイクロ波照射部、150B…マイクロ波ヘッド50Bを備えるマイクロ波照射部、151…マイクロ波照射部(変形例)、560…検出部としてのパワーモニタ、570…サーキュレータ

Claims (5)

  1. 記録媒体に対して一軸方向で相対的に移動するとともに前記記録媒体上に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドの移動方向両側に配置され、前記記録媒体にマイクロ波を放射する一対のマイクロ波放射部と、を備え、
    前記一対のマイクロ波放射部のうち、前記液滴吐出ヘッドの移動方向に対して前方の前記マイクロ波放射部が前記記録媒体の水分含有量を検出し、
    前記水分含有量に基づいて前記液滴吐出ヘッドの液滴吐出条件が設定されることを特徴とするプリンタ。
  2. 前記液滴吐出ヘッドの前記移動方向に対して後方の前記マイクロ波放射部が、前記記録媒体を乾燥させることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
  3. 前記液滴吐出ヘッドの移動方向に応じて、前記一対のマイクロ波放射部の検出又は乾燥の動作を切り替える機能を有することを特徴とする請求項1又は2記載のプリンタ。
  4. 前記液滴吐出ヘッドの前記移動方向に対して前方の前記マイクロ波放射部の検出結果に基づいて、
    前記液滴吐出ヘッドの前記移動方向に対して後方の前記マイクロ波放射部の放射マイクロ波が制御されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリンタ。
  5. 前記マイクロ波放射部に接続されるインダクタを備え、
    前記記録媒体が水分を含んだ状態のときの前記マイクロ波放射部の複素インピーダンスと、前記インダクタのインピーダンスを合成した複素インピーダンスとが、前記マイクロ波放射部の出力端における複素インピーダンスと共役となることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプリンタ。
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