JP2009125726A - 液体噴射装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】常に精度よく一定量のインクを噴射する液体噴射装置およびその制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明の液体噴射装置は、可撓性を有するインク袋2に貯留されているインクを、インクジェットヘッド1を介して噴射する液体噴射装置であって、上記インク袋2に貯留されているインク量を計測する計測手段3と、上記インクジェットヘッド内の圧力を制御する圧力制御手段6と、上記インク量に基づいて、上記圧力制御手段6による圧力制御の目標値を決定する圧力制御目標決定手段5とを備え、上記圧力制御手段4は、上記インクジェットヘッド1内の圧力を上記目標値に近づけるように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、対象物に液体を噴射する液体噴射装置に関し、より詳細には、インクジェットヘッドを介して対象物にインクを噴射する液体噴射装置に関する。
インクジェットヘッドを介してインクなどの液体を噴射して被印刷物(対象物)を処理(加工または着色)する液体噴射装置は、広く一般に普及している。近年、液体噴射装置は、液晶テレビのカラーフィルタを製造する装置など、生産装置として利用されることが多くなっている。生産装置として利用される液体噴射装置には、特に、噴射されるインクの液滴量を高い精度において一定に制御することが求められている。液体噴射装置には、例えば、上記液適量のばらつきを1%以内に抑えるという、噴射されるインクの液適量の高精度な制御に対する要求が高まっている。
液体噴射装置において、インクの液適量は、インクジェットヘッドの噴射口であるノズル穴が有する直径だけでなく、インクジェットヘッドにおいてインクに加わる圧力(以下、ヘッド内圧と記載する)によって変動する。したがって、インクの液滴量を高精度に制御し得る液滴噴射装置を実現するためには、ヘッド内圧を常に一定の範囲内の値に制御する必要がある。また、ヘッド内圧を負圧に設定することによって、インクジェットヘッドからのインク漏れを防止することが好ましい。
従来のヘッド内圧を制御する方法としては、(1)インクタンクをアクチュエータによって移動させる方法、および(2)インクタンク内に収納されたフォーム材にインクを吸収させる方法などが挙げられる。(1)の方法は、インクタンク内のインクの液面を、アクチュエータによって上下させる方法である。つまり、インクジェットヘッドとインクの液面との間の水頭差を所望の大きさに調節する。これによって、インクジェットヘッドからのインクの漏れなどを防止する。また、(2)の方法において、フォーム材は微細な穴を有する。上記穴は、毛細管力によってインクを吸い上げる。つまり、フォーム材が有する微細な穴による毛細管力を利用して、インクジェットヘッド内を負圧に調整する。これによって、インクジェットヘッドからのインクの漏れなどを防止する。
ここで、液体噴射装置には、上述のようなインクの漏れ以外に、インクジェットヘッドのノズルに気体が噛み込む(空気が侵入する)ことなどによって噴射不良を起こすという問題点がある。上記問題を解決するために、インクに含まれる気体(溶存気体)を除去したインク(以下、脱気インクと記載する)を用いる方法がなど挙げられる。この方法によれば、脱気インクによってインクジェットヘッド内の気体が除去されるので、正常なインクの噴射が実現される。
ここで、脱気インクの使用によって噴射不良を適切に低減するためには、インクと気体(空気)とが接触しないように、インクを貯留する必要がある。よって、脱気インクは、通常、空気から遮断された内部を有するインク袋に貯留される。上述のような脱気インクをインク袋に貯留する方法を用いる場合、通常、(3)インク袋を密閉箱に収納し、かつ密閉箱内を負圧に制御することによって、ヘッド内圧が制御される。インク袋を収納した密閉箱内の圧力を制御する技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、インクが吐出されるノズル部が設けられた記録ヘッドと、上記ノズル部と連通され、上記インクが貯留されたインク袋と、上記インク袋を密封する密封手段を有し、上記密封手段と上記インク袋との間の空間を負圧にして、上記インク袋の表面に負圧を印加するインクジェット記録装置が開示されている。特許文献1には、上記構成によって、インクの残量に関わらずノズル部に常に一定の負圧印加を行うことができることが記載されている。
2003−165233号公報(平成15年6月10日公開) 2007−105923号公報(平成19年4月26日公開)
しかし、(1)の方法は、脱気インクを用いる構成に対応することが困難である。さらに、インクタンクの配置が問題になる。また、(2)の方法は、圧力制御の微細化(精密化)に限界がある上に、脱気インクを用いる構成に対応することが困難である。
ここで、(3)の方法は、インク袋にインクを貯留するので、脱気インクを使用することができる。さらに、密閉箱の圧力を、測定しながら(フィードバック)制御することによって、より精度の高い(綿密な)圧力制御が可能になる。
しかし、発明者らによる検討の結果、インク袋内の圧力は、常に一定ではない(インク袋内の液量に応じて変化する)ことが分かった。これは、インク袋内の液量によって、インク袋の姿勢および剛性が変化して、インク袋内におけるインクに加わる圧力およびインクの水頭差が変化するためである。
インク袋内の液量(インクの量)−圧力特性(インク袋内の液量と圧力との関係)について、図7〜図10を用いて以下に説明する。図7は、インク袋内の液量−圧力特性を調べるための装置の構成を示すブロック図である。図8は、図7の装置を用いて調べた、インク袋内の液量−圧力特性を示すグラフである。
図7に示すように、インク袋内の液量−圧力特性を調べるための装置は、インクを貯留するインク袋2、インク袋2内の液量を計測する計測手段3、インク袋2を収納する密閉箱21、インクの出入り口である第1のポート71および第2のポート73、ならびにインクの圧力を計測する圧力センサ75を備えている。計測手段3は、インク袋2に光を照射し、インク袋2によって遮光された光の量を検出する光学センサである。計測手段3の検出結果は、紙面に垂直な方向に対するインク袋2のふくらみ(容積)を表している。上記検出結果から、インク袋2内の液量を測定することができる。第2のポート73に取り付けられた圧力センサ75によって、第1のポート71からインク袋2に、メモリ付きの注射器などを用いて所定量(例えば、10ml)ずつインクを入れながら、インクを注入する度にインク袋2内の圧力が測定される。この測定によって、図8のグラフに示されるインク袋2内の液量と圧力との間の特性が得られる。同時に、所定量のインクを注入する度に測定手段3の出力を測定することによって、図9のグラフに示されるインク袋2内の液量と測定手段3の出力値との関係が得られる。そして、図8および図9のグラフから、図10のグラフに示されるインク袋2内の圧力と測定手段3との間の特性が得られる。なお、以下の記載において、特に断りがなければ、「インク袋(2)内の液量」または「液量」は、計測手段の出力値を意味し、かつ「注入液量」は、実際にインク袋(2)に入れたインクの液量を意味している。このように上記構成によって、インク袋2内の液量と圧力との関係を示す特性を測定することができる。なお、密閉箱21内の圧力は、制御を行う必要はない。
ここでは、インク袋2内の圧力を測定するために、圧力センサ75を用いているが、代わりに、第2のポート73から紙面の上方に向かって伸びるU字型のチューブを使用してもよい。このとき、U字型のチューブにおける液面の高さを測定することによって、インク袋2内の圧力を測定することができる。インク袋に入れた注入液量と圧力との関係は図7を参照すればよく、実際の液体噴射装置においては、図10の液量と圧力の特性を使用すればよい。
図7の構成によって測定した、インク袋2内の液量−圧力特性の一例について説明する。図8に示すように、液量−圧力特性Aにおいて、液量が少ないときには、圧力が小さくなる。これは、液量が少ないと、インク袋はつぶれた(、凹んだまたはしぼんだ)姿勢(状態)になるので、インク袋には膨らんで元に戻ろうとする力が作用して、インク袋内において大気圧に対して負圧になるためである。一方、液量−圧力特性Aにおいて、液量が多いときには、圧力が大きくなる。これは、液量が多いと、インク袋は膨らんだ姿勢(状態)になるので、インク袋にはしぼんで元に戻ろうとする力が作用して、インク袋内において大気圧に対して正圧になるためである。加えて、液量の増加にしたがって、インク袋内において正圧が高くなるのは、水頭差が徐々に大きくなるためである。
以上のように、インク袋内の液量にしたがって、インク袋内の圧力が変化する。このため、実際の装置において、インク袋内と配管などによって繋がっているヘッド内圧も変化する。よって、インク袋内の液量という要因を考慮せずに、ヘッド内圧を一定に制御することは困難である。結果として、インク袋内の液量という要因を考慮しなければ、ノズルからの噴射量がインク袋内の液量によって変化するとう問題が生じる。特許文献1には、インク袋内の液量を測定することについて、なんら記載がなされていない。このため、特許文献1の発明は、上記課題を解決することができない。
さらに、液量−圧力特性における圧力が比較的に一定な範囲から、インク袋内の液量が外れると、インクの噴射量が極端に不安定になる。よって、インク袋内のインクを使い切ることができない。つまり、残ったインクは捨てざるを得ない。このため、特に、インクが産業用途などに用いる高価なものである場合には、製造コストの増大に繋がる。さらに、インク袋の交換頻度が高くなるので、生産性の低下に繋がる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、常に精度よく一定量のインクを噴射する液体噴射装置およびその制御方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の液体噴射装置は、
可撓性を有するインク袋に貯留されているインクを、インクジェットヘッドを介して噴射する液体噴射装置であって、
上記インク袋に貯留されているインク量を計測する計測手段と、
上記インクジェットヘッド内の圧力を制御する圧力制御手段と、
上記インク量に基づいて、上記圧力制御手段による圧力制御の目標値を決定する圧力制御目標決定手段と、
を備え、
上記圧力制御手段は、上記インクジェットヘッド内の圧力を上記目標値に近づくように制御する
ことを特徴とする。
可撓性を有するインク袋を用いる場合、上述のように、インク袋内のインク量が変化すると、インク袋の剛性およびインクの水頭差が変化する。インク袋の剛性およびインクの水頭差が変化は、インク袋内の圧力を変化させる。つまり、インク袋にインクが十分に入っている状態と、インク袋のインクがなくなりかけている状態との間において、インク袋内の圧力は、大きな差を有している。インク袋とインクジェットヘッドとは、通常、配管を介して繋がっているため、インク袋内の圧力の変化は、インクジェットヘッド内に伝わる。インクジェットヘッド内の圧力(以下、ヘッドの内圧と記載する)の変化は、ノズルからのインクの噴射量にばらつきを生じさせる。さらに、ヘッドの内圧の変化が大きくなると、ノズルからインクが漏れたり、ノズルから空気が侵入して噴射不良を引き起こしたりする。これらの現象のすべては、対象物の所望の位置に所望の量のインクを噴射することを妨げる。
ここで、上記構成において、計測手段は、可撓性を有するインク袋に貯留されている(以下、インク袋内の、と記載する)インク量を、例えば、インク袋の姿勢、容積または重量などから計測する。計測したインク量に基づいて、圧力制御決定手段が圧力制御の目標値を決定する。例えば、計測したインク量を、あらかじめ取得しておいたインク袋におけるインク量と圧力との関係(インク袋の液量−圧力特性)を参照することによって、現在のインク袋の圧力を求める。そして、現在のインク袋の圧力と以前のインク袋の圧力との差を求める。このとき、圧力制御手段は、この差に基づいて、インクジェットヘッドに加えている圧力を変化させる。また、例えば、あらかじめ取得しておいたインク量の圧力制御の目標値との関係を参照することによって、インクジェットヘッドに加える圧力の目標値を求める。このとき、圧力制御手段は、ヘッドの内圧をこの目標値に制御する。このように、圧力制御手段は、ヘッドの内圧を目標値に制御する。すなわち、本発明の液体噴射装置は、インク袋内のインク量の変化に合わせて、ヘッドの内圧を制御する。よって、インクの噴射時において、ヘッドの内圧を一定に制御することができる。
以上をまとめると、上記構成を有することによって、インク袋内のインク量が変化しても、ヘッドの内圧を一定に制御することができる。よって、ノズルから噴射されるインク量のばらつきを、最小限に留めることができる。さらに、ノズルからのインクの漏れ、または空気の侵入を抑制することができる。このため、対象物の所望の位置に所望の量のインクを、正確に噴射することができる。
さらに、インク袋内のインク量が残り少なくなっても、一定の量のインクを噴射することができる。よって、インク袋のインクを使い切ることができる。つまり、従来のように、インク袋のインクの一部が無駄になる、ということがない。よって、インクにかかるコストを低減することができる。さらに、インク袋の交換頻度を下げることができるので、単位時間当たりに作製可能な対象物の数量が増加する。つまり、液体噴射装置の生産性が向上する。
さらに、上記構成において、上述のように、可撓性のインク袋を使用している。このため、インクとして脱気インクを使用することができる。よって、インクジェットヘッドの噴射不良をさらに抑制することができる。
上述のこれらの作用は、本発明の液体噴射装置を、特に、高精度な噴射量の制御が求められ、かつ高価なインクを使用する産業用途の液体噴射装置として用いる場合に、顕著な利点である。
上記構成を有することによって、常に精度よく一定量のインクを噴射する液体噴射装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の液体噴射装置において、
上記インク量とインク袋内の圧力との関係を記憶する記憶手段をさらに備え、
上記圧力制御目標決定手段は、上記インク量と上記関係とから求めたインク袋内の上記圧力に基づいて、上記目標値を決定してもよい。
上記構成において、記憶手段からインク袋内のインク量と圧力との関係を記憶手段から取得し、かつ上記関係を参照して現在のインク袋内の圧力を求めることができる。そして、現在のインク袋の圧力と以前のインク袋の圧力との差を求める。このとき、圧力制御手段は、この差に基づいて、インクジェットヘッドに加えている圧力を変化させればよい。このため、上記構成を有することによって、上述の液体噴射装置と同様の効果を奏する。
また、本発明の液体噴射装置において、
上記インク量と圧力制御の目標値との関係を記憶する記憶手段をさらに備え、
上記圧力制御目標決定手段は、上記インク量と上記関係とから上記目標値を決定する
ことが好ましい。
上記構成において、記憶手段からインク量の圧力制御の目標値との関係を取得し、かつ上記関係を参照することによって、インクジェットヘッドに加える圧力の目標値を求める。そして、圧力制御手段は、ヘッドの内圧をこの目標値に制御すればよい。つまり、計測したインク量から、上記関係を参照するという1段階の演算によって、圧力制御手段による圧力制御の目標値を取得することができる。このため、上記構成を有することによって、液体噴射装置の処理速度が向上するという効果を奏する。
また、本発明の液体噴射装置において、
上記記憶手段は、ある2つの上記インク量に対応する2つの上記インク袋内の圧力または上記目標値、ならびに上記インク量と上記インク袋内の圧力または上記目標値との関係を表す近似式を記憶していることが好ましい。
上記構成において、記憶手段には、2つの特性値および近似式を記憶させればよい。よって、記憶手段として、容量の大きなものを用いる必要がない。
また、本発明の液体噴射装置において、
ある2つの上記インク量は、上記インク袋へのインクの充填の開始を要求する最大値を表すインク量と、上記インク袋へのインクの充填の停止を要求する最小値を表すインク量とからなることが好ましい。
上記構成において、記憶手段に記憶されている2つのインク量として、例えば、インク袋内にインクがほとんどない状態の液量、またはインク袋内にインクがほとんど入れられない状態の液量を設定する。よって、2つのインク量は、インクの補給を行うタイミングの決定に用いられる。上記構成によって、インクの補給動作の開始および終了のタイミングを正確に決定することができる。つまり、最小限の情報に基づいて、効率的な動作を実現することができる。
また、本発明の液体噴射装置において、
上記圧力制御手段は、上記インク袋内の圧力を変えて、上記インクジェットヘッド内の圧力を制御する手段であってもよい。
上述のように、インク袋内の圧力の変化は、インクジェットヘッド内の圧力を変化させる。このため、例えば、インク袋の姿勢または形状を変化させる、あるいは、インク袋の周囲の圧力を変化させる構成を用いて、間接的にヘッドの内圧を変化させることができる。さらに、インク量の増減によって変化するインク袋の圧力を直接に制御することができる。よって、インクの噴射量を直接的に、およびさらに精度よく制御することができるという効果を奏する。
また、本発明の液体噴射装置において、
上記インク袋を収納する密閉箱をさらに備え、
上記圧力制御手段は、上記密閉箱内の圧力を変える手段であることが好ましい。
上記構成において、圧力制御手段が密閉箱内の圧力を変えることによって、密閉箱内に収納されたインク袋の圧力が変化する。圧力制御手段が密閉箱内の圧力を変える方法としては、例えば、密閉箱内の流体を圧力制御手段によって出し入れする方法、または密閉箱に可動部を設けて、圧力制御手段によって密閉箱の容積を変化させる方法などが挙げられる。つまり、圧力制御手段は、インク袋と接触する部材を用いることなく、密閉箱内の圧力を変化させる構成であればよい。
上記構成を有することによって、インク袋に損傷を与えるおそれを低減し、かつ比較的直接にインク袋の圧力を制御することができる。このため、装置の信頼性を向上させ、かつインクの噴射量を直接的に、およびさらに精度よく制御することができるという効果を奏する。
また、本発明の液体噴射装置において、
上記密閉箱内の圧力を計測する圧力センサをさらに備え、
上記圧力制御目標決定手段は、上記圧力センサからの計測値と上記目標値との差をさらに計算し、
上記圧力制御手段は、上記計測値と上記目標値との差に応じて、上記密閉箱内の圧力を変えることが好ましい。
上記構成において、圧力制御目標決定手段は、圧力センサからの計測値と目標値との差をさらに計算する。つまり、圧力制御目標決定手段は、決定した圧力制御の目標値と密閉箱の圧力とが一致しているか否かを、さらに測定している。例えば、圧力制御目標決定手段の計算結果から、圧力制御の目標値と密閉箱の圧力との差が大きい(または許容範囲を上回っている)と判断されると、圧力制御部による圧力制御が行われる(または継続される)。また、例えば、圧力制御目標決定手段の計算結果から、圧力制御の目標値と密閉箱の圧力との差がない(または許容範囲を下回っている)と判断されると、圧力制御部による圧力制御が終了される。上記構成によって、密閉箱内の圧力を、モニター(フィードバック)しながら、正確に目標値に制御することができる。よって、インク袋内の圧力をより精度よく制御することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明の液体噴射装置において、
上記圧力制御手段は、上記密閉箱内の流体を出し入れする手段であってもよい。
上記構成において、流体とは、例えば、空気などの気体である。つまり、圧力制御手段は、密閉箱内の気圧を変化させる構成であればよい。例えば、従来公知のポンプなどを圧力制御手段として用いるこができる。よって、簡易な構成によって、上述のような効果を奏することができる。
また、本発明の液体噴射装置において、
上記インク袋に充填するインクを貯留する、着脱可能なインクタンクをさらに備えていることが好ましい。
上記構成において、インク袋内のインクは、インクタンクから補充される。よって、インクの補給に際して、インク袋を交換する必要がない。このため、インク袋の交換によって、インク袋内の圧力とインクジェットヘッド内の圧力との関係が変化しない。つまり、常に一定の条件において、インク噴射を行うことができる。
さらに、インク袋の液量−圧力特性、またはインク袋の液量−目標値特性などの情報を記憶手段に記憶させる構成においては、最初に記憶手段に情報を記憶すればよい。つまり、インク袋の交換のたびに、特性を測定しなおして、記憶手段に記憶させる必要がない。よって、インクの補給に伴う作業の煩雑さを軽減することができる。
上記課題を解決するために、本発明の液体噴射装置の制御方法は、
可撓性を有するインク袋に貯留されているインクを、インクジェットヘッドを介して噴射する液体噴射装置の制御方法であって、
上記インク袋に貯留されているインク量を計測する工程と、
上記インクジェットヘッド内の圧力を制御する工程と、
上記インク量に基づいて、圧力制御の目標値を決定する工程と、
を包含し、
圧力を制御する上記工程において、上記インクジェットヘッド内の圧力を上記目標値に制御する
ことを特徴とする。
上記構成において、インク量を計測する工程は、可撓性を有するインク袋に貯留されているインク量を、上述のように計測する。計測したインク量に基づいて、圧力制御決定手段が圧力制御の目標値を決定する。圧力制御手段は、ヘッドの内圧を目標値に制御する。すなわち、本発明の液体噴射装置は、インク袋内のインク量の変化に合わせて、ヘッドの内圧を制御する。よって、インクの噴射時において、ヘッドの内圧を一定に制御することができる。
上記構成を有することによって、インク袋内のインク量が変化しても、ヘッドの内圧を一定に制御することができる。よって、ノズルから噴射されるインク量のばらつきを、最小限に留めることができる。さらに、ノズルからのインクの漏れ、または空気の侵入を抑制することができる。このため、対象物の所望の位置に所望の量のインクを、正確に噴射することができる。
よって、上述の液体噴射装置と同様の効果を奏する。
以上のように、本発明の液体噴射装置は、インク袋内の液量に基づいて、インクジェットヘッド内の圧力を制御する。よって、本発明の液体噴射装置は、常に精度よく一定量のインクを噴射することができる。
本発明に係る実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。以下の説明において同一の部材および構成要素のそれぞれには、同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
(液体噴射装置)
本発明の一実施形態に係る液体噴射装置について図1を参照して、以下に説明する。図1は、本発明に係る液体噴射装置の要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置は、インクを噴射するノズル(図示せず)を有するインクジェットヘッド1、インクジェットヘッド1にインクを供給するインク袋2、インク袋2内のインクの量(液量)を計測する計測手段3、計測手段3の出力に基づいて、圧力制御の目標値を計算する計算手段5(圧力制御目標決定手段)、インク袋2内の液量と圧力との関係(液量−圧力特性)を記憶する記憶手段4、および計算手段5における計算結果に基づいて、インク袋2内の圧力を制御する圧力制御手段6を備えている。計算手段5における圧力制御の目標値は、計測手段3の出力と記憶手段から取得したインク袋2内の液量−圧力特性を用いて計算される。インクジェットヘッド1は、ヘッド駆動回路(図示せず)からの駆動信号に基づいて、ノズルからインクを噴射する。つまり、本実施形態の液体噴射装置は、対象物の所望の位置にインクを噴射するインクジェット方式の液体噴射装置である。
(インク袋2)
インク袋2は、インク袋2内の液量に応じて、姿勢および形状が変化する可撓性の袋である。より詳細には、インク袋2は、液量が少ないときにしぼみ、かつ液量が多いときに膨らむ袋である。このため、図8〜図10を用いて説明したように、インク袋2内の液量に応じて、インク袋2内の圧力が変化する。また、インク袋2を通気性が非常に小さいアルミなどの材料によってコーティングすれば、インクとして脱気インクを使用することができる。よって、インクジェットヘッド内の気体を除去することによって、噴射不良を抑制することができる。上述のような性質を示すインク袋2として、従来公知のものを使用することができるので、インク袋2についての詳細な説明は省略する。なお、インク袋2を、交換可能に構成にすれば、常にフレッシュなインクを供給することができる。
(計測手段3)
計測手段3は、インク袋2内の液量を計測する構成である。本実施形態においては、計測手段3として、インク袋2の形状(厚み、姿勢またはふくらみ具合)を検出する光学センサを用いている。計測手段3は、光学センサから発せられたセンサ光がインク袋2によって、遮光された程度を検出する。計測手段3は、センサ光が遮光された程度からインク袋2内の液量を表す信号を出力する。なお、インク袋2の液量を計測する計測手段として、光学センサのほかに、インク袋2の重量を計測する重量センサを用いてもよい。
(記憶手段4)
記憶手段4は、インク袋2の液量から圧力制御の目標値を決定するときに使用する情報を記憶する手段である。本実施形態において、上記情報は、図7〜図10を用いて説明した、インク袋2の液量−圧力特性(液量と圧力との関係)を表すデータであり、記憶手段4は、図10のグラフに示されている特性の情報を記憶している。つまり、記憶手段4には、液量と液量に対応する圧力とを表す複数のデータが配列として記憶されている。記憶手段4としては、例えば、フラッシュメモリのような、データを他の構成によって読み出し可能に記憶するものであればよい。
(計算手段5)
計算手段5は、計測手段3からの出力に基づいて、インク袋2内の圧力を制御する目標値を計算する手段である。本実施形態において、計算手段5は、計測手段3から取得した液量を表す信号に基づいて、インク袋2の圧力の変化量を求める。そして求めた圧力の変化量に応じて圧力目標値を補正する。
より詳細には、計算手段5は、例えば、一定の周期において測定手段3にインク袋2の液量の測定を指示する。この指示に基づいて、測定手段3は、インク袋2の液量を表す信号を計算手段5に出力する。計算手段5は、インク袋2の液量を表す信号に基づいて、記憶手段4に記憶された液量−圧力特性から、インク袋2の上記液量に対応するインク袋2の圧力を表すデータを取得する。ここで、計算手段5は、前回に計算したインク袋2のある液量に対応するインク袋2の圧力と、新たに取得したインク袋2の圧力との差(圧力差)を計算する。計算手段5は、上記圧力差を、前回において決定した圧力制御の目標値TPから、引くまたは足すことによって新たな圧力制御の目標値を計算する。すなわち、前回の目標値をA、新たな目標値をTP’、前回のインク袋2の圧力をP、および新たなインク袋2の圧力をP’とすると、新たな圧力制御目標は、以下の式(1):
TP’=TP−(P−P’)・・・(1)
によって求めることができる。計算手段5は、新たな目標値TPを圧力制御手段6に出力する。
(圧力制御手段6)
圧力制御手段6は、インク袋2内の圧力を、能動的に、かつ直接的または間接的に変化させる構成である。圧力制御手段6は、通常、インク袋2内の圧力を外圧と比較して同じ程度の圧力または負圧に制御する。これは、インクジェットヘッド1のノズルからインクを漏れさせないためである。特に、図1に示すように、インク袋2がインクジェットヘッド1よりも上方に配置されている場合には、インクジェットヘッド1とインク袋2との間に水頭差が生じて、ノズルからインクが漏れやすくなるので、通常、インク袋2内の圧力は、水頭差の分だけ負圧に制御される。
圧力制御手段6としては、例えば、インク袋2と直接に接続されたアクチュエータを用いることができる。アクチュエータを用いて、インク袋2が膨らむように引っ張ってやれば、インク袋2内の圧力が下がる。一方、アクチュエータによるインク袋2引っ張る力を小さくすれば、インク袋2内の圧力が上がる。また、例えば、図2に示すように、圧力制御手段6として、インク袋2を収納した密閉箱21内の気体を出し入れする構成を用いることができる。密閉箱21を使用する場合の圧力制御手段6は、密閉箱21内の気体を吸引する減圧手段25a、密閉箱21内に気体を送り込む加圧手段25b、減圧手段25aおよび加圧手段25bと密閉箱21とを繋ぐ配管29、ならびに2又に分かれた配管のそれぞれを開閉する制御弁27aおよび27bを備えている。密閉箱21には、密閉箱21内の圧力を計測する圧力センサ23が接続されている。制御弁27bを閉じて、制御弁27aを開けば、密閉箱21内の圧力が下がる。一方。制御弁27aを閉じて、制御弁27bを開けば、密閉箱21内の圧力が上がる。また、例えば、密閉箱21を使用する場合の圧力制御手段6としては、順回転および逆回転するポンプを用いることができる。ポンプが順回転すると、密閉箱21内に気体が送り込まれて、密閉箱21内の圧力が上がる。一方、ポンプが逆回転すると、密閉箱21内か気体が吸引されて、密閉箱21内の圧力が下がる。以上のような、圧力制御手段6を用いれば、インク袋2内の圧力を所望の値に制御することができる。
〔課題を解決するための手段〕および〔発明が解決しようとする課題〕の項において、説明したように、インクジェットヘッド1からのインクの噴射量は、インクジェットヘッド1の内圧(以下、ヘッドの内圧と記載する)に大きく依存する。特に、インクの噴射量のばらつきがほとんど許容されない場合には、インク袋2内の液量の変化に伴うヘッドの内圧の変化を最小限に抑える必要がある。このため、インク袋2が有する剛性または姿勢などが影響するインク袋2内の液量−圧力特性を考慮して、ヘッドの内圧を制御する必要がある。
本実施形態の液体噴射装置は、以上のような構成を有することによって、インク袋2内の液量からインク袋2の圧力を求めて、インク袋2の圧力の制御目標を補正することができる。つまり、可撓性を有するインク袋2内の液量が変化しても、インクジェットヘッド1と繋がっているインク袋2内の圧力を一定に保つことができる。よって、ヘッドの内圧を一定に保つことができるので、精度よく一定量のインクを噴射することができる。本実施形態の液体噴射装置は、非常に厳密な噴射量の制御を求められる産業用途の液体噴射装置として使用することができる。また、インク袋2のインクの残量が少ないときには、通常、インク袋2の圧力が急激に変化する。しかし、上記構成によれば、インクの残量が少なくても、インク袋2の圧力を一定に保つことができるため、インク袋2のインクを最後まで使い切ることができる。
(液体噴射装置におけるヘッド内圧の制御)
本実施形態に係る液体噴射装置におけるヘッド内圧の制御方法の詳細について図3を用いて以下に説明する。図3は、図2の液体噴射装置における圧力制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図3に示す処理は、制御部(図示せず)から一定の周期において出力される信号を、計算手段3が受け取ることによって開始される(start)。
制御部からの上記信号を受け取った計算手段5は、計測手段3にインク袋2の液量の測定を指示する。計算手段5からの指示によって、計測手段3は、インク袋2の形状を検出し、かつインク袋2の液量を表す信号を計算手段5に出力する。計算手段5は、インク袋2の液量を表す信号を取得する(S1)。つまり、計算手段5は、インク袋2の液量Cを読み取る。
次に、計算手段5は、取得したインク袋2の液量Cに対応するインク袋2の圧力を、記憶手段4から取得する。つまり、記憶手段4に記憶されている液量−圧力特性から現在のインク袋2の圧力P’を求める(S2)。また、計算手段5は、前回において取得した圧力P、および前回において決定した圧力制御の目標値TPを取得する。現在のインク袋2の圧力P’は、記憶手段4に出力されて記憶される。
さらに、計算手段5は、新たに取得したインク袋2の圧力P’、前回において取得した圧力P、および前回において決定した圧力制御の目標値TPから新たな圧力制御の目標値TP’を求める(S3)。具体的には、上記式(1)に計算手段5が取得した数値を代入して、目標値TP’を算出する。算出された目標値TP’は、圧力制御部6の制御弁27aまたは27bに出力される。同時に、目標値TP’は、記憶手段4に出力されて記憶される。
上述のように、圧力P’および目標値TP’が記憶手段4に出力されて記憶されるのは、次回の圧力制御の目標値を求めるためである。つまり、圧力Pおよび目標値TPが、前回の圧力制御の目標値を求めたときに、記憶手段4に記憶されている。
ここで、本実施形態においては、記憶手段4には、インク袋の液量−圧力特性が記憶されているが、他の情報が記憶されていてもよい。例えば、あらかじめ、インク袋の液量−密閉箱内の圧力制御の目標値(インク袋の液量と密閉箱内の圧力制御の目標値)を測定して、記憶手段4に記憶させてもよい。上記構成であれば、計算手段5は、計測手段3から取得した液量に対応する圧力制御の目標値を、記憶手段4から直接に取得することができる。このとき、S3の処理を省略することができるため、計算手段5による演算にかかる時間が短縮される。
なお、初回の圧力制御処理においては、前回の圧力制御の目標値が存在しないため、前回の圧力制御の目標値ではなく、圧力制御の目標とする初期値TPiniを用いる。初期値TPiniを用いる初回の圧力制御処理の詳細については、下記(初回の目標値の決定)において説明する。
密閉箱21内の圧力が、計算手段5において決定した目標値TP’に近づくように、制御弁27aおよび27bを開閉する(S4)。つまり、密閉箱21内の圧力を制御する。TP’<TPの(インク袋2内の液量が減っている)とき、TP−TP’だけ密閉箱21内の圧力を下げる。つまり、制御弁27bは閉じたままで、制御弁27aを開く。これによって、密閉箱21内の気体の一部が減圧部25aに吸引される。一方、TP’>TPの(インク袋2内の液量が増えている)とき、TP’−TPだけ密閉箱21内の圧力を上げる。つまり、制御弁27aは閉じたままで、制御弁27bを開く。これによって、加圧部25bから密閉箱21内に気体が送り込まれる。
S4の実行中、またはS4の終了後に計算手段5は、圧力センサ23に密閉箱21内の圧力の測定を指示する。この指示よって、圧力センサ23は密閉箱21内の圧力を測定し、測定結果を計算手段5に出力する。計算手段5は、取得した密閉箱21内の圧力と目標値TP’との差を求め、上記差が任意の許容範囲に収まっているか否かを判定する(S5)。なお、任意の上記許容範囲は、液体噴射装置に求められる噴射量のばらつきの許容範囲に基づいて、適宜、決定すればよい。
計算手段5は、上記差が任意の許容範囲に収まっている(Yes)と判定すると、計算手段5は、制御弁27aまたは27bを閉じる指示を出力する。これによって、1回のヘッド内圧の制御処理が終了する(end)。一方、計算手段5は、上記差が任意の許容範囲に収まっていない(No)と判定すると、S4の続行または再開を指示する。
本実施形態においては、圧力センサ23を用いて密閉箱21内の圧力を測定することによって、密閉箱21内の圧力が、目標値TP’を中心にした許容範囲に収まっているかを確認しながら圧力制御を行っている。これは、インクジェットヘッド1と繋がっているインク袋2内の圧力を、フィードバック制御することによって、より厳密に制御することを目的としている。よって、S5は省略しても構わない。例えば、S4において、計算手段5は、制御弁27aまたは27bに配管29を開く指示を送り、TP’とTPとの差に基づいて、一定時間の経過後に配管29を閉じる指示を送ればよい。
なお、S4およびS5の圧力制御は早い周期において実行し、かつS1〜S3の圧力目標を更新する処理は遅い周期において実行してもよい。早い周期において圧力制御することによって、圧力制御を厳密に制御するころができる。また、インク袋2液量は、変化量が小さいため、液量の検出は遅い周期において実行してもよい。これによって、計算手段5の負担を軽減することができる。このような処理は、例えば、インク袋2内の圧力が、密閉箱21内のエア漏れなどによって、変化することを防止するために有効で
ある。このため、S1〜S3よりも短い、決まった周期においてS4およびS5の処理を実施する。このとき、目標値は、S3において求めた最も新しい値を使用する。
(初回の目標値の決定)
初回の圧力制御における目標値の決定方法の一例について、図4および5を用いて以下に説明する。図4は、インク袋2内の液量−圧力特性を示すグラフである。図5は、液体噴射装置の各構成の位置関係を示し、かつ圧力制御の目標値を決定する方法の一例を示すブロック図である。なお、図5において、各構成間の距離(または高さの差)は、水頭差であり、圧力の大きさに置き換えることができる(1kPa=10.1972cm(HO))。
図4に示すように、インク袋2内の初期のインク量は液量Ciniであり、液量Ciniに対応するインク袋2内の圧力は圧力Piniである。よって、初回の圧力制御における目標値TPiniは、圧力Piniを用いて決定される。
図5を用いて、圧力Piniに基づいて、初回の圧力制御における目標値TPiniを決定する方法について以下に説明する。
図5において、線分l1は、インクの液面の高さを表し、圧力センサ55からの出力値を距離に置き換えたものである。つまり、線分l1は、インク袋2内の液量によって上下動する。線分l2は、圧力センサ55の高さを表している。線分l3は、インクジェットヘッド1のノズルの先端の高さを表している。線分l4、l5およびl6は、インクジェットヘッド1のノズルの先端の、種々の条件によって変位する仮想的な高さを表している。
距離W1は、線分l1と線分l2との間の距離であり、インク袋2内の液量によって変化する。距離W2は、線分l2と線分l3との間の距離であり、液体噴射装置の設計時に決まる固定の値である。距離W3は、距離W1と距離W2との合計である。距離W4、W5およびW6のそれぞれは、線分l3と線分l4、線分l5および線分l6との間の距離であり、種々の条件によって変位する。
ここで、インク袋2内に十分な量(図4の液量Cini)のインクが入っているとする。このとき、距離W1によって表される水頭差による圧力は、圧力Piniである。距離W2によって表される水頭差による圧力は、固定の値、圧力PW2である。よって、インクジェットヘッド1のノズルにおける圧力(以下、ヘッドの内圧と記載する)は、距離W3によって表される水頭差による圧力の大きさ(Pini+PW2)に等しい。このことから、インク袋2内の圧力を−(Pini+PW2)にすれば、ヘッドの内圧は、装置外部の圧力と同じになる。
ただし、ヘッドの内圧が装置外部の圧力と同じであるとき、ノズルからインクが漏れる、またはノズルから空気が侵入するおそれがある。これは、上述の水頭差による圧力のほかにも、インクの噴射には様々な要因が関わってくるためである。インクの噴射に関わる要因としては、例えば、インクの性質(粘性または表面など)、ノズルの直径、あるいはノズル付近のインクに対するぬれ性などである。液体噴射装置においては、上記要因による影響を考慮して、ノズルにおけるインクの漏れおよび空気の侵入を起こさないように、インク袋2内の圧力制御の目標値を設定する必要がある。上記要因を考慮して適切なインク噴射を行うための、圧力制御の目標値の設定方法の一例を以下に説明する。
ノズルへの空気の侵入を防止するためには、インク袋2内の圧力を−(Pini+PW2)よりも上げればよい。ただし、インク袋2内の圧力を上げすぎると、ノズルからインクが漏れてしまう。ここで、インクジェットヘッド1のノズルが、線分l3ではなく線分14に配置されていると仮定する。この仮定に基づいて、W4によって表される水頭差による圧力PW4だけインク袋2内の圧力を上げたとする。つまり、インク袋2内の圧力を−(Pini+PW2−PW4)と設定したとする。この値−(Pini+PW2−PW4)よりも、インク袋2内の圧力を上げた場合には、ノズルからインクが漏れる。つまり、線分l4は、インクの漏れを起こさない限界の、ノズルの仮想的な位置である。
一方、ノズルからのインクの漏れを防止するためには、インク袋2内の圧力を−(Pini+PW2)よりも下げればよい。ただし、インク袋2内の圧力を下げすぎると、ノズルから空気が侵入する。ここで、インクジェットヘッド1のノズルが、線分l3ではなく線分15に配置されていると仮定する。この仮定に基づいて、W5によって表される水頭差による圧力PW5だけ余分にインク袋2内の圧力を下げたとする。つまり、インク袋2内の圧力を−(Pini+PW2+PW5)と設定したとする。この値−(Pini+PW2+PW5)よりも、インク袋2内の圧力を下げた場合には、ノズルから空気が侵入して噴射不良を起こす。つまり、線分l5は、噴射不良を起こさない限界の、ノズルの仮想的な位置である。
以上のことから、ノズルへの空気の侵入およびノズルからのインクの漏れを同時に防止することができる、初回の圧力制御の目標値TPiniは、例えば、ノズルが線分l4と線分l5との中間(線分l6)にあると仮定して、設定すればよい。すなわち、目標値TPiniは、−(Pini+PW2+PW6)である。目標値TPiniを−(Pini+PW2+PW6)に設定するのは、一例であり、ノズルからのインクの漏れを確実に防止したい場合には、ノズルの仮想的な位置を、線分14寄りに設定すればよい。また、−(Pini+PW2)から、インク袋2内の圧力(つまり、密閉箱21内の圧力)を変化させながら、所望の噴射量が得られる目標値TPiniを実験的に探してもよい。
なお、図3を用いて説明した処理の一例において、新たな圧力制御の目標値は、前回の圧力制御の目標値と比較して決定されるという説明を行っているが、他の方法を用いてもよい。例えば、前回の圧力制御の目標値ではなく、初回の目標値TPiniから、初回の圧力Piniと新たな圧力P’との差を、引くまたは足すことによって、圧力制御の目標値を計算してもよい。このとき、新たな圧力制御の目標値は、以下の式(2):
TP’=TPini−(Pini−P’)・・・(2)
によって求めることができる。
(より好ましい装置構成)
本発明に係る液体噴射装置は、インク袋2にインクを補給するメインインクタンクを、さらに備えていてもよい。メインインクタンクを備える液体噴射装置について、図6を用いて以下に説明する。図6は、図3の変形例の要部構成を示すブロック図である。図6の液体噴射装置と図8の液体噴射装置とは、インク袋2に配管を介してメインインクタンク61(インクタンク)が繋がっている点が異なっている。よって、ここでは、インク袋2とメインインクタンク61とについてのみ説明する。
図6に示すように、インク袋2には、配管を介してメインインクタンク61が接続されている。配管の先端には、中空のタンク針65が形成されている。タンク針65をメインインクタンク61の供給口63に刺し込むことによって、メインインクタンク61とインク袋2とが繋がっている。メインインクタンク61は、紙面の上下方向に着脱可能に配置されている。さらに、配管には、配管を開閉する供給制御弁67が形成されている。よって、供給制御弁67を開くと、水頭差によって、メインインクタンク61からインク袋2にインクが供給される。
上記構成によって、インク袋2の交換が不要になる。つまり、記憶手段4に記憶させる液量−圧力特性を更新する必要がない。よって、記憶手段4には、装置の組み立て時に、1つのインク袋2が有する液量−圧力特性を測定して、記憶させればよい。つまり、インクの補給に要する作業は、メインインクタンク61の交換のみである。装置の運用において、ユーザの煩雑な作業を大幅に軽減することができる。
液体噴射装置がメインインクタンク61を備えている場合、記憶手段4は、少なくとも2組のインク袋の液量−圧力特性を記憶していることが好ましい。インクの液量の内、2組のインク袋の液量−圧力特性とは、例えば、図8におけるC1−P1およびC2−P2の2組である。液量C1〜C2の間におけるインク袋2の圧力は、点C1−P1と点C2−P2とを結ぶ直線を表す近似式として記憶手段4に記憶させればよい。上記構成によって、記憶手段4として、容量の小さいものを使用することができる。
さらに、液量C1をインク袋2へインクの補給を必要とする液量として、かつ液量C2をインク袋2にインクが十分に充填された液量として使用してもよい。これによって、記憶手段4が記憶する最小限の情報に基づいて、装置の効率的な動作を実現することができる。さらに、インクの補給の開始および終了のタイミングを、他の構成によって検出する必要がなくなる。よって、装置構成の簡略化も同時に実現することができる。
上述のようなインクの補給方法の一例を以下に説明する。記憶手段4には、インク袋2が空に近い(補給が必要な)液量C1、およびインク袋2が満杯に近い(さらなる補給を必要としない)液量C2が、あらかじめ記憶されている。計測手段3からの出力に基づいて、計算手段6が、インク袋2の液量がC1を下回ったと判断すると、インクジェットヘッド1による対象物(被噴射体)へのインクの噴射が停止しているときに供給制御弁67を開く。これによって、メインインクタンク61からインク袋2にインクが流れて、インクが、インク袋2に補給される。そして、計測手段3からの出力に基づいて、計算手段6が、インク袋2の液量がC2を上回ったと判断すると、供給制御弁67が閉じられる。これによって、インク袋2へのインク補給が停止して、補給処理が終了する。
(その他の構成)
本発明は、以下の構成によっても実現可能である。
(第1の構成)
可撓性を有するインク袋に貯留したインクをインクジェットヘッドに流出してインクを噴射する液体噴射装置において、
上記インク袋内の液量と、各液量のときに発生する上記インク袋の圧力の特性を記憶し保持する記憶手段と、
上記インク袋内の液量を計測する計測手段と、
上記インクジェットヘッド内のインク圧力を制御する圧力制御手段を備え、
上記圧力制御手段の圧力制御目標を、上記インク袋の液量−圧力特性に基づいて設定する液体噴射装置。
(第2の構成)
上記圧力制御手段は、上記インク袋の内圧を制御する第1の構成に係る液体噴射装置。
(第3の構成)
上記圧力制御手段は、上記インク袋を収納した密閉箱内の圧力を制御する第1または第2の構成に係る液体噴射装置。
(第4の構成)
上記圧力制御手段は、上記密閉箱内の圧力を計測する圧力センサと、
上記密閉箱内に流体を出し入れする流入出手段と、
上記圧力センサの値を読み込み、インク袋の液量−圧力特性に基づいた圧力目標との差を計算し、差に応じて流入出手段へ駆動指令を出す計算手段
を備えている第3の構成に係る液体噴射装置。
(第5の構成)
交換可能なメインインクタンクと、
上記メインインクタンクから上記インク袋にインクを充填する充填手段と
を備えている第1〜第4の構成のいずれか1つに係る液体噴射装置。
(第6の構成)
上記記憶手段に記憶および保持するインク袋の液量−圧力特性は、少なくとも2点の液量−圧力の特性であり、その2点以外の特性については、近似式を用いて内挿する第1〜第5の構成のいずれか1つに係る液体噴射装置。
(第7の構成)
2点の上記液量−圧力の特性のうち、第1の特性は、メインインクタンクからの充填を開始する液量であり、第2の特性は、メインインクタンクからの充填を終了する液量である第6の構成に係る液体噴射装置。
本発明によれば、常に精度よく一定量のインクを噴射する液体噴射装置を提供することができる。よって、精密機器の製造用や印刷物の作製用のインクジェット装置など幅広い分野に適用することができる。
本発明に係る実施形態の液体噴射装置の要部構成を示すブロック図である。 図1の変形例の要部構成を示すブロック図である。 図2の液体噴射装置における処理の一例を示すフローチャートである。 インク袋におけるインク量と圧力との関係を示すグラフである。 圧力制御目標値の算出方法の一例を示すブロック図である。 図3の変形例の要部構成を示すブロック図である。 インク袋内の液量−圧力特性を調べるための装置の構成を示すブロック図である。 図7の装置を用いて調べた、インク袋に注入した液量(注入液量)−インク袋の圧力の特性を示すグラフである。 図7の装置を用いて調べた、インク袋に注入した液量(注入液量)−計測手段の出力値の特性を示すグラフである。 図7の装置を用いて調べた、あるいは図8および図9の特性がから求めた、計測手段の出力値(インク袋内の液量)−インク袋の圧力の特性を示すグラフである。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 インク袋
3 計測手段
4 記憶手段
5 計算手段(圧力制御目標決定手段)
6 圧力制御手段
21 密閉箱
23 圧力センサ
61 メインインクタンク(インクタンク)

Claims (11)

  1. 可撓性を有するインク袋に貯留されているインクを、インクジェットヘッドを介して噴射する液体噴射装置であって、
    上記インク袋に貯留されているインク量を計測する計測手段と、
    上記インクジェットヘッド内の圧力を制御する圧力制御手段と、
    上記インク量に基づいて、上記圧力制御手段による圧力制御の目標値を決定する圧力制御目標決定手段と、
    を備え、
    上記圧力制御手段は、上記インクジェットヘッド内の圧力を上記目標値に近づけるように制御する
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 上記インク量とインク袋内の圧力との関係を記憶する記憶手段をさらに備え、
    上記圧力制御目標決定手段は、上記インク量と上記関係とから求めたインク袋内の上記圧力に基づいて、上記目標値を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 上記インク量と圧力制御の目標値との関係を記憶する記憶手段をさらに備え、
    上記圧力制御目標決定手段は、上記インク量と上記関係とから上記目標値を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 上記記憶手段は、ある2つの上記インク量に対応する2つの上記インク袋内の圧力または上記目標値、ならびに上記インク量と上記インク袋内の圧力または上記目標値との関係を表す近似式を記憶していることを特徴とする請求項2または3に記載の液体噴射装置。
  5. ある2つの上記インク量は、上記インク袋へのインクの充填の開始を要求する最大値を表すインク量と、上記インク袋へのインクの充填の停止を要求する最小値を表すインク量とからなることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 上記圧力制御手段は、上記インク袋内の圧力を変えることによって、上記インクジェットヘッド内の圧力を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  7. 上記インク袋を収納する密閉箱をさらに備え、
    上記圧力制御手段は、上記密閉箱内の圧力を変えることによって、上記インク袋内の圧力を変えることを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。
  8. 上記密閉箱内の圧力を計測する圧力センサをさらに備え、
    上記圧力制御目標決定手段は、上記圧力センサからの計測値と上記目標値との差をさらに計算し、
    上記圧力制御手段は、上記計測値と上記目標値との差に応じて、上記密閉箱内の圧力を変える
    ことを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。
  9. 上記圧力制御手段は、上記密閉箱内の流体を出し入れする手段であることを特徴とする請求項7または8に記載の液体噴射装置。
  10. 上記インク袋に充填するインクを貯留する、着脱可能なインクタンクをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  11. 可撓性を有するインク袋に貯留されているインクを、インクジェットヘッドを介して噴射する液体噴射装置の制御方法であって、
    上記インク袋に貯留されているインク量を計測する工程と、
    上記インクジェットヘッド内の圧力を制御する工程と、
    上記インク量に基づいて、圧力制御の目標値を決定する工程と、
    を包含し、
    圧力を制御する上記工程において、上記インクジェットヘッド内の圧力を上記目標値に制御する
    ことを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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